JP4273208B2 - 婦人科疾患治療剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は婦人科疾患治療剤に関する。詳細には、子宮内投与薬、膣内投与薬、子宮内膜症嚢胞の腫瘍内投与薬または骨盤内投与薬およびこれを担持する化学修飾ヒアルロン酸またはその塩からなる婦人科疾患治療剤、並びに当該婦人科疾患治療剤の製造のための化学修飾ヒアルロン酸またはその塩の使用に関する。
【0002】
【従来の技術】
子宮内投与薬、膣内投与薬、子宮内膜症嚢胞の腫瘍内投与薬または骨盤内投与薬の使用において、長期間に亘る薬効が求められる場合には、子宮内投与薬、膣内投与薬、子宮内膜症嚢胞の腫瘍内投与薬または骨盤内投与薬を担体に担持させた組成物として用いられてきた。
【0003】
例えば、ダナゾールをはじめとする子宮内膜症治療に用いられている薬剤は、現在経口投与薬または皮下注射薬として用いられているが、その使用に伴って、肝機能障害、体重増加、不妊、月経の消失、むくみ、ほてり、肩こり、頭痛、骨量低下などの副作用が発生する。それらの副作用を回避する治療方法として特許第2590358号には、子宮内膜症治療薬であるダナゾールを担体であるシリコーンゴムに担持させた子宮内埋植用製剤が開示されている。
【0004】
しかしながら、子宮内膜症治療薬をシリコーンゴムに担持させた前述の子宮内埋植用製剤では、シリコーンゴムからの薬剤の放出効率が悪く、しかもシリコーンゴムの子宮内への悪影響が懸念される。さらには該治療薬の放出完了後も担体であるシリコーンゴムが子宮内に残存することから、放出完了後には該シリコーンゴムを取り出す必要があり、患者の肉体的、精神的負担が大きかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、担体からの投与薬の徐放性に優れ、且つ治療後に当該担体を取り出す必要がない婦人科疾患治療剤および婦人科疾患治療剤製造のための当該担体の使用を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前述の課題に鑑み鋭意研究を重ねた結果、子宮内投与薬、膣内投与薬、子宮内膜症嚢胞の腫瘍内投与薬または骨盤内投与薬が生体内分解性高分子、特にヒアルロン酸またはその塩からなる担体に担持されてなる婦人科疾患治療剤では、当該婦人科疾患治療剤からの薬剤の放出が効果的に行われることを見出した。
【0007】
また、ヒアルロン酸またはその塩として、ヒアルロン酸またはその塩とカチオン性化合物との複合体を非水系溶媒中で、O−アシル化、アルコキシ化、または架橋化することにより得られる化学修飾ヒアルロン酸またはその塩が、生体内において長期間に亘る薬剤の徐放性に優れることを見出した。また、本発明における化学修飾ヒアルロン酸またはその塩からなる担体は、それ自体発熱性物質および抗原性物質が顕著に減少しているため、安全性が高く、副作用の心配もない。
【0008】
さらには膣内投与薬、子宮内膜症嚢胞の腫瘍内投与薬または骨盤内投与薬である場合、該薬剤の放出完了後、担体を子宮内から取り出す必要がなく、したがって患者の肉体的、精神的負担が小さい。
本発明者らは、前述の知見に基づいて婦人科疾患治療薬の徐放性を有する子宮内もしくは膣内埋植用製剤を完成させた。
【0009】
本発明は以下の(1)〜(18)に記載の構成を有する。
(1)子宮内投与薬、膣内投与薬、子宮内膜症嚢胞の腫瘍内投与薬または骨盤内投与薬を、ヒアルロン酸またはその塩からなる生体内分解性高分子に担持させてなる婦人科疾患治療剤。
(2)生体内分解性高分子が、化学修飾ヒアルロン酸またはその塩である前記(1)記載の婦人科疾患治療剤。
(3)生体内分解性高分子が、ヒアルロン酸またはその塩とカチオン性化合物との複合体を非水系溶媒中で、O−アシル化、アルコキシ化または架橋化して得られた化学修飾ヒアルロン酸またはその塩である前記(2)記載の婦人科疾患治療剤。
(4)カチオン性化合物が第4級アンモニウム塩である前記(3)記載の婦人科疾患治療剤。
(5)非水系溶媒がクロロホルム、トルエン、塩化メチレンまたはヘプタンから選ばれた1種以上の溶媒である前記(3)記載の婦人科疾患治療剤。
(6)非水系溶媒中でO−アシル化、アルコキシ化または架橋化することにより発熱性物質および抗原性物質が低減されている前記(3)記載の婦人科疾患治療剤。
(7)発熱性物質の量が、エンドトキシン含量として0.05EU/mg以下である前記(6)記載の婦人科疾患治療剤。
【0010】
(8)生体内分解性高分子を得るO−アシル化反応が、鉱酸、有機酸、ルイス(Lewis)酸から選ばれた1種以上の酸触媒を用いる有機酸との反応、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド、N,N′−カルボニルジイミダゾールから選ばれた1種以上の脱水剤を用いる有機酸との反応、または酸結合剤の存在下での酸無水物または酸ハロゲン化物を用いるO−アシル化である、前記(3)記載の婦人科疾患治療剤。
(9)生体内分解性高分子を得るアルコキシ化反応が、酸結合剤の存在下でのハロゲン化アルキルもしくはアルコキシドを用いるアルコキシ化反応、またはブロンステッド酸およびルイス(Lewis)酸を酸触媒とするヒドロキシル基間の脱水反応によるアルコキシ化反応である前記(3)記載の婦人科疾患治療剤。
(10)架橋化反応が、生体内分解性高分子に光反応性を有する官能基を導入した後、所定の波長を照射する架橋化である前記(3)記載の婦人科疾患治療剤。
(11)架橋化反応が、架橋剤を用いない自己架橋化反応か、または多官能性アルデヒド、多官能性エポキシ化合物、および多価アルコールから選らばれた1種以上を架橋剤として用いる架橋化である前記(3)記載の婦人科疾患治療剤。
(12)子宮内投与薬、膣内投与薬、子宮内膜症嚢胞の腫瘍内投与薬または骨盤内投与薬と生体内分解性高分子との重量比が、1/10〜2/1の範囲である前記(1)〜(11)の何れか一つに記載の婦人科疾患治療剤。
【0011】
(13)形状がT字形であり、その横軸が長さ20〜40mm、直径1.0〜3.0mmの範囲であり、縦軸が長さ25〜45mm、直径3.0〜4.0mmの範囲である前記(1)〜(12)の何れか一つに記載の婦人科疾患治療剤。
(14)形状が太田リング様[IUDリング様]であり、そのリング外径が20〜25mm、直径が2.5〜4.5mmの範囲である前記(1)〜(12)の何れか一つに記載の婦人科疾患治療剤。
(15)形状がシート状ゲルである前記(1)〜(12)の何れか一つに記載の婦人科疾患治療剤。
(16)形状が球状であり、その直径が20〜25mmの範囲である前記(1)〜(12)の何れか一つに記載の婦人科疾患治療剤。
(17)形状がペースト状ゲルである前記(1)〜(12)の何れか一つに記載の婦人科疾患治療剤。
【0012】
(18)子宮内投与薬、膣内投与薬、子宮内膜症嚢胞の腫瘍内投与薬または骨盤内投与薬が子宮内膜症治療薬である前記(1)〜(17)の何れか一つに記載の婦人科疾患治療剤。
(19)子宮内膜症治療薬がダナゾールである前記(18)記載の婦人科疾患治療剤。
(20)ヒアルロン酸またはその塩とカチオン性化合物との複合体を非水系溶媒中で、O−アシル化、アルコキシ化または架橋化して得られた化学修飾ヒアルロン酸またはその塩を婦人科疾患治療剤の製造のための担体として用いる、化学修飾ヒアルロン酸またはその塩の使用。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明において、用語「生体内分解性高分子」は、人間を含む哺乳類の体内で、分解および/または吸収の作用を受ける高分子を意味する。該高分子は特に限定されるものではないが、具体的にはヒアルロン酸およびその塩、コンドロイチンおよびその塩、ヘパリン、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸などの硫酸化多糖、アルギン酸、ポリガラクチュロン酸、デキストランおよびカルボキシメチルキチンなどの水溶性多糖類およびそれらの塩、コラーゲンおよびポリグルタミン酸などの蛋白質またはポリアミノ酸およびその塩、およびポリエチレングリコール、ポリビニールアルコールなどの親水性高分子などを挙げることができる。さらには上記化合物の化学修飾されたものもこの範疇に含まれる。なお、本発明において、化学修飾とは有機合成的な修飾および酵素的な修飾なども含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0014】
生体内分解性高分子としてヒアルロン酸またはその塩(以下「ヒアルロン酸(塩)」と記載する)、コンドロイチン(塩)、ヘパリン(塩)、ヘパラン硫酸(塩)、コンドロイチン硫酸(塩)、デルマタン硫酸(塩)などの硫酸化多糖、他にアルギン酸(塩)、ポリガラクチュロン酸(塩)、コラーゲン、およびポリグルタミン酸(塩)から選ばれた1種以上を用いて本発明の子宮内膜症治療剤を製造した場合には、該治療剤中の担体の子宮内または膣内での分解およびそれに伴う薬剤の放出が、該治療剤が投薬される患者のバイオリズムに相関する可能性が高いためより効果的な薬効が期待できる。
【0015】
その中でも特にヒアルロン酸(塩)またはヒアルロン酸(塩)を主成分とした材料を子宮内投与薬または膣内投与薬の担体として用いた場合、該治療剤中の担体の子宮内または膣内での分解およびそれに伴う薬剤の放出が、該治療剤が投薬される患者のバイオリズムに相関する可能性が高いためより効果的な薬効が期待できる。故に、ヒアルロン酸(塩)は本発明において特に好ましく使用することができる。
【0016】
ヒアルロン酸(塩)を本発明の婦人科疾患治療剤の担体として用いた場合、該治療剤中の担体の子宮内または膣内での分解およびそれに伴う薬剤の放出が、該治療剤が投薬される患者のバイオリズムに相関するかは、現在のところ明らかではない。しかしながら、子宮内または膣内ではヒアルロン酸分解酵素(ヒアルロニダーゼ類)および活性酸素の量は変化しており、その変化は該治療剤の効果的な放出制御に利用できる。
【0017】
本発明の婦人科疾患治療剤の徐放期間(薬効期間)は、患者の状態、治療目的などにより決定されるものであり、徐放期間は基本的に本発明に使用する生体内分解性高分子の分解速度と、該治療剤の表面積および体積によって調節すればよい。該分解速度は、該生体内分解性高分子の種類、化学修飾の構造およびその程度、三次元構造、平均分子量などを調節することによって制御することが出来る。
【0018】
例えば生体内分解性高分子として前述の化学修飾ヒアルロン酸(塩)を用いる場合、ヒアルロン酸分解酵素および活性酸素分解に対する耐性を付与して、該分解速度を小さくしたいまたは徐放期間を長くすることができる。この場合、架橋剤を用いて化学修飾ヒアルロン酸(塩)の分子内および分子間の架橋度を高くすることが好ましい。
【0019】
また、担持させる薬剤がダナゾールのように疎水性物質である場合、ヒアルロン酸(塩)とカチオン性化合物との複合体を非水系溶媒中で、O−アシル化、アルコキシ化、または架橋化することにより得られた化学修飾ヒアルロン酸またはその塩を用いて、該分解速度を小さくするまたは徐放期間を長くすることができる。
【0020】
本発明に使用するヒアルロン酸(塩)の起源は特に限定されるものではなく、鶏の鶏冠など各種動物組織由来であっても、ヒアルロン酸(塩)の生産能を有する微生物由来であってもよいが、本発明に使用するヒアルロン酸(塩)は微生物由来であることが好ましい。ヒアルロン酸生産能を有する微生物として例えばストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・エクイシミリス(Streptococcus equisimilis)、ストレプトコッカス・エクイ(Streptococcus equi)、ストレプトコッカス・デイスガラクテイエ(Streptococcus dysgalactiae)、ストレプトコッカス・ズーエピデミカス(Streptococcus zooepidemicus)などを挙げることができる。
【0021】
また、本発明に使用するヒアルロン酸(塩)平均分子量は粘度法により測定される平均分子量が、少なくとも1万以上、好ましくは10万以上、より好ましくは50万から150万である。
【0022】
化学修飾ヒアルロン酸またはその塩を製造するために用いるカチオン性化合物は、具体的には第4級アンモニウム塩、アミノ基を2個以上有するアミノ酸、ペプチド、ポリアミノ酸の塩、およびアミノ基を有する糖質の塩などを挙げることができ、好ましくは第4級アンモニウム塩である。
【0023】
第4級アンモニウム塩としては、具体的に、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド(Distearyldimethylammonium Chloride)、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド(Dioleyldimethylammonium Chloride)、セチルピリジニウムクロライド(Cetylpyridinium Chloride)、セチルトリメチルアンモニウムクロライド(Cetyltrimethylammonium Chloride)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(Cetyltrimethylammonium Bromide)、ジテトラデシルジメチルアンモニウムブロマイド(Ditetradecyldimethylammonium Bromide)、ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド(Didodecyldimethylammonium Bromide)、ジデシルジメチルアンモニウムブロミド(Didecyldimethylammonium Bromide)、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド(Octadecyltrimethylammonium Chloride)、ノルマルオクタデシルトリメチルアンモニウムブロミド(n−Octadecyltrimethylammonium Bromide)、トリドデシルメチルアンモニウムクロライド(Tridodecylmethylammonium Chloride)、トリオクチルメチルアンモニウムブロミド(Trioctylmethylammonium Bromide)、ジオクタノイルL−アルファーフォスファチジルコリン(Dioctanoyl L−α−Phosphatidylcholine)、ジラウロイルL−アルファーフォスファチジルコリン(Dilauroyl L−α−Phosphatidylcholine)、ジパルミトイルDL−アルファーフォスファチジルコリン(Dipalmitoyl DL−α−Phosphatidylcholine)、1,2−ジミリストイル−3−トリメチルアンモニウムプロパン(1,2−Dimyristoyl−3−Trimethylammonium Propane)、1,2−ジオレオイル−3−トリメチルアンモニウムプロパン(1,2−Dioleoyl−3−Trimethylammonium Propane)、1,2―ジパルミトイル−3―トリメチルアンモニウムプロパン(1,2−Dipalmitoyl−3−Trimethylammonium Propane)、1,2−ジステアロイル−3―トリメチルアンモニウムプロパン(1,2−Distearoyl−3−Trimethylammonium Propane)、ベンザルコニウムクロライド(Benzalkonium Chloride)、ベンゼトニウムクロライド(Benzethonium Chloride)などを挙げることができる。
【0024】
本発明においてヒアルロン酸(塩)とカチオン性化合物との複合体とは、ヒアルロン酸のアニオン性部位(カルボキシル基)とカチオン性化合物がイオン的に結合したものをいう。その調製法の一例を以下に説明する。
【0025】
<ヒアルロン酸(塩)とカチオン性化合物との複合体の調製法>
A) ヒアルロン酸(塩)を蒸留水またはこれに相当する純水に0.01〜10%の濃度、好ましくは0.05〜1%の濃度にて溶解する。なお、本発明において、蒸留水に相当する純水とは、例えば、連続イオン交換(Electric Deionization)または逆浸透(Reverse Osmosis)等により精製した水を意味する。
B) 一方、ヒアルロン酸(塩)と複合体を形成させるカチオン性化合物、好ましくは第4級アンモニウム塩を蒸留水または純水に添加均一に分散させる。
【0026】
B)で調製したカチオン性化合物の水溶液中のカチオン基:A)で調製したヒアルロン酸(塩)の水溶液中のカルボキシル基のモル比が、0.5〜5:1、好ましくは0.7〜1.5:1、例えば1:1になるように2つの水溶液を混合する。
【0027】
なお、混合する際の温度は室温でも良いが、好ましくは使用するカチオン性化合物のゲルー液晶転移温度以上に両液を加温して行う。
【0028】
混合により発生した水不溶物は通常化学の分野で使用する分離法、例えば遠心分離、吸引ろ過、加圧ろ過等の方法にて混合液より回収する。そのゲル−液晶転移温度以上に加温した蒸留水または純水にて洗浄した後、乾燥に供する。乾燥は通常化学の分野で使用する常圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等が利用できる。
【0029】
また、本発明に使用する化学修飾ヒアルロン酸またはその塩を調製する場合に使用することが出来る非水系溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、トルエン、メタノール、エタノール、DMF、DMSO、THF、ヘプタンなどを挙げることができる。さらに本発明においては、それらから選ばれた2種以上の混合溶媒であっても使用することが出来る。非水系溶媒に溶解させる該複合体の濃度は、本発明においては特に限定するものではないが、1〜1000mmol/L の範囲であることが好ましい。
【0030】
該複合体の非水系溶媒への溶解後に行うヒアルロン酸の化学修飾反応にはO−アシル化反応、アルコキシ化反応、架橋化反応などが挙げられ、O−アシル化反応としては(1)鉱酸(塩酸、硫酸)、有機酸(芳香族スルホン酸)、ルイス(Lewis)酸(フッ化ホウ素エーテラート)の酸触媒を用いる有機酸との反応、(2)N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド、N,N′−カルボニルジイミダゾールからえらばれた1種以上の脱水剤を用いる有機酸との反応、または(3)酢酸ナトリウム、トリエチルアミン、ピリジン、4?ジメチルアミノピリジン等の酸結合剤の存在下での酸無水物または酸ハロゲン化物を用いる反応(Schotten−Baumann法)などを挙げることができる。
【0031】
アルコキシ化反応としては(1)酸結合剤の存在下でのハロゲン化アルキルまたはアルコキシドを用いる方法(Williamson反応)または(2)ブロンステッド酸、ルイス(Lewis)酸を酸触媒とするヒドロキシル基間の脱水反応による方法などを挙げることができる。
【0032】
架橋化反応としては、ヒアルロン酸(塩)溶液に対するγ線などの放射線照射、ヒアルロン酸(塩)溶液のpHを調整し、場合によりさらに凍結と解凍を繰り返すなどの処理による自己架橋化反応、ケイ皮酸のような光反応性の官能基をヒアルロン酸(塩)に導入後所定の波長の光を照射する光架橋化反応、さらには(1)多官能性アルデヒド(グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド)、(2)多官能性エポキシ化合物(エピクロルヒドリン、1,2−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)エタン、エチレングリコールジグリシジルエーテル)、または(3)多価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール)などを架橋剤とする架橋化反応を挙げることができる。
【0033】
本発明において、子宮内投与薬、膣内投与薬、子宮内膜症嚢胞の腫瘍内投与薬または骨盤内投与薬と生体内分解性高分子との比率(子宮内投与薬、膣投与薬、子宮内膜症嚢胞の腫瘍内投与薬または骨盤内投与薬/生体内分解性高分子)は特に限定されるものではないが、重量比で1/1000〜10/1の範囲であることが好ましく、より好ましくは1/10〜2/1の範囲である。この範囲であれば生体内分解性高分子より適量の子宮内投与薬、膣内投与薬、子宮内膜症嚢胞の腫瘍内投与薬または骨盤内投与薬が効果的に放出される。ただし、本発明の婦人科疾患治療剤を後述のように二層状治療薬に調製する場合には、表層の該重量比は上記の範囲となるように設定することが好ましい。
【0034】
本発明の婦人科疾患治療剤の製造は上記の割合で子宮内膜投与薬、膣内投与薬、子宮内膜症嚢胞の腫瘍内投与薬または骨盤内投与薬、および生体内分解性高分子を粉末状で混合し、少なくとも生体内分解性高分子が可溶の溶媒に溶解あるいはケン濁する。その後成形型に流し込み、その状態で溶剤を除去することにより得ることができる。
【0035】
本発明の婦人疾患治療剤は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、子宮内投与薬、膣内投与薬、子宮内膜症嚢胞の腫瘍内投与薬または骨盤内投与薬以外に糖質、アミノ酸、ペプチド、蛋白質、酵素、脂質、無機塩類、有機塩類、および金属類などを含むものであっても構わない。
【0036】
子宮内、膣内、子宮内膜症嚢胞の腫瘍内もしくは骨盤内埋植用である本発明の婦人疾患治療剤の性状、形状および大きさは、子宮内、膣内、子宮内膜症嚢胞の腫瘍内または骨盤内局所投与に適したものであれば特に限定されるものではない。その性状は固形状、ゲル状、液状の何れであってもよく、またその形状は、本発明の子宮内治療剤を子宮内において使用する場合にはT字形、太田リング様、シート状ゲル、もしくは球状ゲルなどであればよく、膣内において使用する場合にはリング様、ペースト状ゲルなどであればよい。また、子宮内膜症嚢胞の腫瘍内もしくは骨盤内で使用する場合はシート状、ペースト状ゲルなどであればよい。
【0037】
本発明の婦人疾患治療剤の大きさは、使用目的や投与する患者によって異なる。患者が人間であり且つT字形状子宮内治療薬の場合であれば、横軸の長さは20〜40mm、好ましくは30〜35mm、縦軸の長さは、25〜45mm、好ましくは30〜38mm、縦軸の直径は1.0〜3.0、横軸の直径は3.0〜4.0mm、好ましくは3.2〜3.6mmであればよい。
【0038】
太田リング様子宮内治療薬の場合であれば、リング外径は20〜25mm、太さとしての直径は2.5〜4.5mm、好ましくは約3.0mmであればよい。シート状ゲルの場合であれば、横10〜50mm、好ましくは20〜30mm、縦20〜70mm、好ましくは40〜60mm、厚さ2〜20mm、好ましくは5〜10mmであればよい。
【0039】
球状ゲルの場合であれば、直径10〜30mm、好ましくは20〜25mmであればよい。環状リング膣内治療薬の場合であれば、リング外径は30〜60mm、好ましくは45〜55mm、環の直径は4.0〜12.0mm、好ましくは7.5〜10.0mmであればよい。また、ペースト状ゲルの場合は特にその大きさは限定されない。
【0040】
本発明の婦人科疾患治療剤の形状をT字型または太田リング様とする場合には、単層状にするのは勿論のこと、製剤の硬度を上げる観点から、プラスチックなどからなる芯を内蔵させ二層状にしても良い。
【0041】
ただし、T字形子宮内治療薬において芯を内蔵させる場合には、通常、横、縦軸双方に内蔵させ、芯の長さは採用する軸の長さの55〜70%の範囲内とし、芯の直径は当該軸の直径の60〜90%の範囲内とすることが好ましい。さらに薬剤は縦軸に付着させる。なお、T字形子宮内治療薬では、長さが30〜400mm、好適には50〜280mm、直径が0.170〜0.290mmのナイロンモノフィラメントを縦軸の下端に装着することが好ましい。
【0042】
また、本発明の婦人科疾患治療剤の形状を環状リングとする場合、治療期間または症状の軽重に対応した該薬剤の放出率向上の観点から、単層状または二層状のいずれかに形成しても良い。ただし、二層状のリング状の膣内製剤とする場合には、表層の厚さは少なくとも0.1mm以上、さらには0.1〜2.0mmとすることが好ましい。
【0043】
本発明の婦人科疾患治療薬は子宮内製剤、膣内製剤、子宮内膜症嚢胞の腫瘍内製剤または骨盤内製剤の標準的な技術を用いて製造することができる。例えば、単層状製剤についてはダナゾールおよびその担持基剤をクリーンベンチ内に設置した容器中にとり架橋剤を添加して室温で2〜30分間混合し、ついで得られた混合物を成形型に充填し、室温で固化させて製造する。ダナゾールおよびその担持基剤の含量または組成重量比は前記の範囲内になるように設定し、成形型も前記形状および大きさに適するものを使用する。
【0044】
二層状製剤については,上記の単層状製剤を製造する工程中、得られた混合物を成形型に充填する工程で所望の核を埋め込み、ついでこれを同様に固化させることにより製造する。なお、核は前記のものを使用する。本発明の製剤は用法上、無菌製剤であることを要求されることから、製造はすべて無菌条件下で行い、得られた最終製剤はアルミヒートシール包材等で包装する。
【0045】
本発明に使用することが出来る子宮内投与薬、膣内投与薬、子宮内膜症嚢胞の腫瘍内投与薬もしくは骨盤内投与薬としては、子宮内膜症治療薬、避妊薬、解熱薬、ホルモン剤、抗ホルモン剤、子宮内膜癌治療薬、ホルモン合成阻害薬、抗生薬、抗真菌薬、膣炎症治療薬、トリコモナス症治療薬、および子宮頸癌治療薬などを挙げることができる。
【0046】
本発明に使用する薬は、前述の子宮内投与薬、膣内投与薬、子宮内膜症嚢胞の腫瘍内投与薬もしくは骨盤内投与薬であれば特に限定されるものではない。しかしながら、本発明に使用する薬が子宮内膜症治療薬である場合には本発明の効果が顕著である。
【0047】
子宮内膜症治療薬としては、ダナゾール、非ステロイド性消炎鎮痛剤、漢方薬、プロゲストーゲン、エストロゲン、GnRH−アンタゴニスト、ジェノゲスト、およびアロマターゼ阻害剤などを挙げることができる。その中でもダナゾールは局所施用した際に顕著な薬効が期待できることから、本発明に好ましく使用することが出来る。
【0048】
本発明の子宮内膜症治療剤が含有する子宮内膜症治療薬がダナゾールである場合、好ましい担体はヒアルロン酸(塩)もしくはヒアルロン酸アンモニウム塩、およびその化学修飾物である。これらの担体であればダナゾールのゲル中への担持が良好で、さらにそのゲルのヒアルロニダーゼや活性酸素に対する応答も良好なためダナゾールを瞬時に放出させることができる。
【0049】
また、本発明に使用する子宮内投与薬、膣内投与薬、腫瘍内投与薬または骨盤内投与薬が、子宮内膜症治療薬である場合、本発明の婦人科疾患治療剤は内性子宮内膜症、外性子宮内膜症の何れにも使用することが出来る。
【0050】
本発明の婦人科疾患治療剤の使用対象は、人間の婦人に限定されるものではなく、豚、牛、馬、羊、犬、猫、および猿などの哺乳類の雌に使用することが出来る。
【0051】
【実施例】
以下実施例をもって本発明を詳細に説明する。
実施例1 単層状環状リング製剤の製造
ヒアルロン酸ナトリウム(チッソ CHA、平均分子量100万、以下「CHA」と記載する)5.4gを純水900mlに溶解するとともに、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド(以下、DSCと略する)7.41gを1680mlの純水にケン濁させた。両液を45℃に加温後攪拌しながら混合し、5分間攪拌を続けた。発生した錯体を遠心分離(5000rpm、室温)にて回収し、45℃の温水にて洗浄した。洗浄終了後、一夜凍結乾燥、その後50℃一夜真空乾燥した。収量9.9g、収率85%。得られたCHA−DSC錯体9.0gをDMF200ml、無水酢酸3.0g、ピリジン4.8gの溶媒に溶解後室温で一夜攪拌した。氷冷下200mlの水を加えた後、ゲル状物質をろ過回収し、水で洗浄後、50℃で一夜真空乾燥した。CHA−DSCのアセチル化物を8.5g得た。
ここで、アセチル化CHA−DSC中の発熱性物質含量および抗原性物質をエンドトキシン含量として生化学工業性トキシカラーシステムES−6セット、ET−2セットを用いて測定した結果、エンドトキシン含量は原料のCHAでは0.88EU/mgであるのに対し、アセチル化CHA−DSCでは0.002EU/mgであった。
次にダナゾール1.0g、アセチル化CHA−DSC 7.5gを超純水20mLに投入し、得られたケン濁物を成形型へ直ちに充填した。その後凍結乾燥機にて乾燥を行った。その結果単層状環状リングを2個調製した。
ダナゾール含量:420mg
大きさ:外径55mm、環の直径9.6mm
【0052】
実施例2 単層状環状リング(婦人科疾患治療剤)の製造
コンドロイチン硫酸Cナトリウム(和光純薬製、以下「ChSC」と記載する)5.4gを純水900mlに溶解するとともに、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド(以下、DSCと略する)14.82gを1680mlの純水にケン濁させた。両液を45℃に加温後攪拌しながら混合し、5分間攪拌を続ける。発生した錯体を遠心分離(5000rpm、室温)にて回収し、45℃の温水にて洗浄した。洗浄終了後、一夜凍結乾燥、その後50℃一夜真空乾燥した。収量15.1g、収率87%。得られたCHA−ChSC錯体9.0gをDMF2L、無水酢酸3g、ピリジン4.8gの溶媒に溶解後室温で一夜攪拌した。氷冷下2Lの水を加えた後、ゲル状物質をろ過回収し、水で洗浄後、50℃で一夜真空乾燥した。アセチル化ChSC−DSCを9.0g得た。
次にダナゾール1.0g、ChSC−DSCのアセチル化物7.5gを超純水20mLに投入し、得られたケン濁物を成形型へ直ちに充填した。その後凍結乾燥機にて乾燥を行った。その結果単層状環状リングを2個調製した。
ダナゾール含量:420mg
大きさ:外径55mm、環の直径9.5mm
【0053】
実施例3 T字形婦人科疾患治療剤の製造
ダナゾール3.0g、実施例1と同様な方法で得られるアセチル化CHA−DSC 7.5gを超純水5mlに投入し、得られたケン濁物を単層状T字形成形型へ直ちに充填した。その後凍結乾燥機にて乾燥を行い下記の単層状T字形子宮内膜症治療剤10個を得た。
【0054】
実施例4 太田リング様婦人科疾患治療剤の製造
ダナゾール3.0g、実施例1と同様な方法で得られるアセチル化CHA−DSC 7.5gを超純水5mLに投入し、得られたケン濁物を単層状太田リング成形型へ直ちに充填した。その後凍結乾燥機にて乾燥を行い下記の太田リング様子宮内膜症治療剤を10個調製した。
ダナゾール含量:300mg
大きさ:外径22mm、環の直径3.0mm
【0055】
実施例5 シート状ゲル(婦人科疾患治療剤)の製造
ダナゾール0.7gとヒアルロン酸ナトリウム(CHA)1.13gをクリーンベンチ内に設置した容器中に入れ、これに超純水を50ml添加混合後、成形型へ充填して凍結乾燥を行い下記のシート状ゲルを10個調製した。
ダナゾール含量:70mg
大きさ:横20mm、縦40mm、厚さ5mm
【0056】
実施例6 球状ゲル(婦人科疾患治療剤)の製造
ダナゾール3.0と、実施例1と同様な方法で得られるアセチル化CHA−DSC 7.5gを超純水80mLに投入し、得られたケン濁物を直ちに成形型へ充填した。その後凍結乾燥機にて乾燥を行い下記の球状ゲルを10個調製した。
ダナゾール含量:300mg
大きさ:直径25mm
【0057】
実施例7 ペースト状ゲル(婦人科疾患治療剤)の製造
ダナゾール3.0gとヒアルロン酸ナトリウム(CHA)7.0gを、クリーンベンチ内に設置した350mlの超純水を入れた容器中に投入、混合し、ペースト状ゲルを調製した。
ダナゾール含量150mg/g
【0058】
比較例1 単層状環状リング製剤の製造
0.7gのダナゾール、25gのサイラスティック382、2gのポリソルベート80および0.4gのスズ触媒を室温で混合し、得られた混合物を成形型へ充填し、固化するまで室温で放置した。これにより下記の単層状の環状リング膣内製剤を2個調製した。
ダナゾール含有量:350mg
大きさ;外径55mm、環の直径9.5mm
【0059】
比較試験 徐放速度の測定
実施例1または比較例1にて製造した婦人科疾患治療剤に含まれる薬剤(ダナゾール)の徐放速度を、下記インビトロ試験により確認した。
(1)インビトロ試験1
実施例1または比較例1にて製造した婦人科疾患治療剤を最初の10日間は0.14mol/L リン酸緩衝液(pH7.4)3Lに、10単位/mlの牛睾丸ヒアルロニダーゼを含有する0.14mol/L リン酸緩衝液(pH7.4)3L中に置き、37℃で数十日間攪拌し、液中への1日毎に放出されるダナゾール量を液体クロマトグラフィー法により測定した。その結果、実施例1の製剤では最初の10日間はダナゾールの放出はほとんど検出されなかったが、その後は200μg/日前後で安定に放出は持続した。これに対し、比較例1の製剤では試験期間中、常にダナゾールの放出が続いた。
【0060】
(2)インビトロ試験2
婦人科疾患治療剤を最初の10日間は0.14mol/L リン酸緩衝液(pH7.4)3Lに浸漬し、次いで5mmol/L の硫酸鉄水溶液に浸漬した。精製水に3分間浸漬し、次に1mmol/L 過酸化水素水含有の0.14mol/L リン酸緩衝液(pH7.4)3L中に置き、37℃で数十日間攪拌し、液中への1日毎に放出されるダナゾール量を液体クロマトグラフィー法により測定した。その結果、実施例1で作製した製剤では最初の10日間はダナゾールの放出はほとんど検出されなかったが、その後は200μg/日前後で安定に放出は持続した。これに対し、比較例1で作製した製剤では試験期間中、常にダナゾールの放出が続いた。
【0061】
【発明の効果】
本発明の婦人科疾患治療剤は、患部で発生するヒアルロニダーゼおよび活性酸素により担持される治療薬が効果的に放出される。特に、担体としての生体内分解性高分子が、ヒアルロン酸またはその塩とカチオン性化合物との複合体を非水系溶媒中でO−アシル化反応、アルコキシ化反応、または架橋化反応することにより得られる化学修飾ヒアルロン酸またはその塩である場合、生体内において長期間に亘る薬剤の徐放化が可能であり、且つ発熱性物質および抗原性物質の含量が低減されているため安全性が高い。
さらに、婦人科疾患治療剤が膣内投与薬、子宮内膜症嚢胞の腫瘍内投与薬または骨盤内投与薬の場合、薬剤放出完了後担体を子宮内から取り出す必要がなく、患者の肉体的、精神的負担が小さい。
Claims (13)
- 子宮内投与薬、膣内投与薬、子宮内膜症嚢胞の腫瘍内投与薬または骨盤内投与薬を、化学修飾ヒアルロン酸またはその塩に担持させてなる婦人科疾患治療剤であって、該投与薬が疎水性薬剤であり、且つ該化学修飾ヒアルロン酸またはその塩が、ヒアルロン酸またはその塩とカチオン性化合物との複合体を非水系溶媒中でO−アシル化またはアルコキシ化して得られたものであることを特徴とする婦人科疾患治療剤。
- カチオン性化合物が第4級アンモニウム塩である請求項1記載の婦人科疾患治療剤。
- 非水系溶媒がクロロホルム、トルエン、塩化メチレンまたはヘプタンから選ばれた1種以上の溶媒である請求項1または2記載の婦人科疾患治療剤。
- 非水系溶媒中でO−アシル化またはアルコキシ化することにより発熱性物質の量および抗原性物質の量が低減されている請求項1〜3の何れか1項記載の婦人科疾患治療剤。
- 低減された発熱性物質の量が、エンドトキシン含量として0.05EU/mg以下である請求項4記載の婦人科疾患治療剤。
- O−アシル化反応が、鉱酸、有機酸、ルイス(Lewis)酸から選ばれた1種以上の酸触媒を用いる有機酸との反応、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド、N,N′−カルボニルジイミダゾールから選ばれた1種以上の脱水剤を用いる有機酸との反応、または酸結合剤の存在下での酸無水物または酸ハロゲン化物を用いるO−アシル化である、請求項1記載の婦人科疾患治療剤。
- アルコキシ化反応が、酸結合剤の存在下でのハロゲン化アルキルもしくはアルコキシドを用いるアルコキシ化反応、またはブロンステッド酸およびルイス(Lewis)酸を酸触媒とするヒドロキシル基間の脱水反応によるアルコキシ化反応である請求項1記載の婦人科疾患治療剤。
- 子宮内投与薬、膣内投与薬、子宮内膜症嚢胞の腫瘍内投与薬または骨盤内投与薬と化学修飾ヒアルロン酸またはその塩との重量比が、1/10〜2/1の範囲である請求項1〜7の何れか1項記載の婦人科疾患治療剤。
- シート状ゲル形状に成形された請求項1〜8の何れか1項記載の婦人科疾患治療剤。
- 球状に成形され、該球の直径が20〜25mmの範囲である請求項1〜8の何れか1項記載の婦人科疾患治療剤。
- ペースト状ゲルである請求項1〜8の何れか1項記載の婦人科疾患治療剤。
- 子宮内投与薬、膣内投与薬、子宮内膜症嚢胞の腫瘍内投与薬または骨盤内投与薬が子宮内膜症治療薬である請求項1〜11の何れか1項記載の婦人科疾患治療剤。
- 子宮内膜症治療薬がダナゾールである請求項12記載の婦人科疾患治療剤。
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