JP4273020B2 - 光導波路型波長フィルタおよび波長合分波器 - Google Patents

光導波路型波長フィルタおよび波長合分波器 Download PDF

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Description

本発明はリング共振器を用いた光導波路型波長フィルタに関する。
光ファイバを用いた高密度波長多重DWDM(Dense Wavelength Division Multiplexing)光通信は、大容量高速通信システムとして都市間の情報伝送に採用されている。需要の拡大から伝送するチャンネル数の増大がさらに求められ、波長数の拡大とチャンネル間隔の高密度化が必要になり、インタリーブ方式を取り入れた伝送方式が開発されている。インターリーブ方式は、図12に示すように例えばnチャンネルの光信号を100GHz間隔の波長で伝送する系において、これらの信号間にさらにnチャンネルの光信号を間挿して50GHz間隔の波長を含む信号からなる2nチャンネルの伝送を可能にする。すなわち、奇数番の波長λ1,λ3・・・λ(2n−1)の第1のチャンネル群と偶数番の波長λ2,λ4・・・λ2nの第2のチャンネル群を波長合分波器131で合波して光ファイバ132に伝送する。伝送される光信号は2nチャンネルで波長間のピッチは1/2に狭間隔化されている。受信された光信号は波長合分波器133で合波前の奇数番の波長λ1,λ3・・・λ(2n−1)の第1のチャンネル群と偶数番の波長λ2,λ4・・・λ2nの第2のチャンネル群に分離され、さらに光合分波器134,135により各波長のチャンネルに分離される。なお符号136,137は送信側の光合分波器を示す。
光通信にプレーナ光波回路が用いられ、その代表例としてアレイ導波路型回折格子やマッハツェンダー干渉計型導波路がよく知られている。しかし、伝送される光信号波長の狭間隔化にともない、簡潔な構成からプレーナ光波回路の一つである導波路型波長フィルタが注目されている。導波路型波長フィルタは光ファイバのクラッドとコアとの関係と同じく、低屈折率の基板中に高屈折率の導波路を埋め込み形成したもので、バスライン導波路とリング共振器を組み合わせて、共振波長の間隔が一定波長間隔(FSR)づつずれた櫛型の多段の帯域通過をもつ波長フィルタを構成する。
導波路型波長フィルタには、図10に示すように直線の入出力バスライン導波路111,112間に直列接続した複数のリング共振器113を配置した直列結合型110と、図11に示すように入出力バスライン121,122間に並列接続した複数のリング共振器123を配置した並列結合型120がある。直列結合型のフィルタ特性は、リング数、導波路間のパワー結合効率、共振器部の周回光路長をパラメータとして定められる。並列結合型の特性は、上記パラメータに加えて並列配置した共振器間の光路長で定められる。そのためフィルタ特性の合成により直列結合よりも多様なフィルタ特性を得ることができる(例えば特許文献1参照)。
特開2003−66253号公報
図9は並列結合型フィルタの基本的構成を示しており、入力側バスライン101と出力側バスライン102間に2個のリング共振器103a,103bを並列配置している。出力側バスライン102(ドロップポート)から出力1(OUT1)が、入力側バスライン101の他端(スループットポート)から出力2(OUT2)が取出される。リング数を増やすと特性の平坦性が高まり、パワー結合効率を上げると、特性の急峻性が増し矩形に近づく。さらに共振器部の周回光路長は共振波長間隔FSRを変化させる。
図15は共振器間のバスラインを接続部104,105とするとその光路長nLを共振器の周回光路長の1/2倍と等倍としたときの特性を示している。図は共振器光路長2πR(Rは共振器半径で100μm)、結合度π/6の特性である。同特性では1/2倍では矩形性が低く、一方、等倍では矩形性が高まるが、側波帯が生じる。
導波路型波長フィルタの光路長は導波路構成の等価屈折率と物理的長さを乗じた値であり、共振器の周回光路長、バスラインの共振器間接続部の光路長はこれにより決定される。導波路構成の等価屈折率neqは、導波路の屈折率をn、導波路周囲の屈折率をnとすると、n>neq>nで表わされる。2個のリング共振器間のバスラインの光路長の物理的長さは一方の共振器中心から他方の共振器中心までのバスラインの距離Lであるから、距離Lをリング共振器の半周に設定する場合は、neq・L=neq・πRとなる。すなわちバスラインの物理的直線距離LをπRにして所定の特性に設計することができる。
このように並列結合型はリング共振器の周回光路長と共振器間の接続部の光路長の比が重要になる。しかしながら、設計値に対する製造誤差の精度は例えば0.01%以内であることが要求される一方、導波路を形成する低屈折率物質層と高屈折率物質層の均質性や導波路の寸法誤差、設計値通りの特性の波長フィルタを均一性よく製造することは非常に困難であった。さらにリング共振器の湾曲部における屈折率がTE波とTM波の両偏波モードにより異なることによってフィルタ特性に偏波依存性が生じる。
本発明はこのような不都合を除去し、製造誤差の許容範囲が広くリング共振器の周回光路長と共振器間の接続部の光路長の比を保持することができ、しかもTE、TMの両偏波モードにおいてもそれらの比が維持可能で偏波依存性を低減または解消したフィルタ特性を持つ導波路型波長フィルタを得るものである。
本発明は、光入力信号が入力される第1バスライン導波路と、この第1バスライン導波路に並行して配置され光出力信号を出力する第2バスライン導波路と、直線部と所定の曲率を有する湾曲部を有して光を周回させるリング状導波路からなり前記第1バスライン導波路と前記第2バスライン導波路間に光路方向に沿って複数個、並列接続して配置されたリング共振器とを具備する光導波路型波長フィルタであって、
前記第1バスライン導波路と前記第2のバスライン導波路は、前記リング共振器の前記直線部に光結合する直線導波路を含み前記複数のリング共振器を接続する接続部を具備し、
前記光路方向に隣接する2個の前記リング共振器間の前記接続部は前記リング共振器の所定の曲率を有する前記湾曲部と等しい曲率を有しかつ同じかまたは1/2の光路長の湾曲導波路を有してなる光導波路型波長フィルタにある。
さらに、前記各リング共振器は前記第1のバスライン導波路と前記第2のバスライン導波路と光結合する直線状の光結合部を形成し、その間を所定曲率の湾曲部で形成して周回光路長がきめられ、前記2個のリング共振器の光結合部の中心間の前記第1のバスライン導波路と前記第2のバスライン導波路のそれぞれの光路長を共振器間光路長とするとき、前記周回光路長の1/3よりも大きくすることができる。
さらに、前記接続部は直線導波路と湾曲導波路とを有しこれらの物理的長さの比が前記リング共振器の直線部と湾曲部の物理的長さの比に等しくすることができる。
さらに、前記接続部の湾曲導波路が複数に区分された区分湾曲導波路を連結して形成することができる。
さらに、前記接続部の湾曲導波路が複数の区分湾曲導波路で形成され、中心角がπ/6[ラジアン]またはそれ以上の少なくともいずれか1つの区分湾曲導波路が連結されたものとすることができる。
さらに、前記接続部の湾曲導波路が複数に区分されて区分湾曲導波路を形成し相互に隣接して接続される前記区分湾曲導波路がその湾曲方向が逆になるように接続することができる。
さらに、前記接続部が前記リング共振器側とは反対の側に張り出して湾曲させることが好ましい。
さらに、前記リング共振器が少なくとも3個の並列結合をなし、前記バスラインの各リング共振器間の接続部の共振器間光路長が異なるものを含むことができる。
さらに、前記並列結合のリング共振器は直列結合共振器を単位共振器としてこの単位共振器を並列結合したものを含むことができる。
さらに、本発明は、前記光導波路型波長フィルタを含む波長合分波器を提供する。
本発明によれば、このような複雑な構成により所定の特性を設計しても、設計された特性に対応できるフィルタを製造することができる。
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
参考実施形態)
図1は参考実施形態を示しており、入力側のバスライン導波路11と出力側のバスライン21を並行して配置する。入力側バスライン11は光信号を入力(IN)する入力端子11aと、リング共振器との結合により得られる第2出力(OUT2)を出力する出力端子11bを有し、出力側バスライン21はリング共振器との結合により得られる第1出力(OUT1)の出力端子21aを有している。出力端子1がドロップポート、出力端子2がスループットポートである。
入力側バスライン導波路11の光路方向11cに沿って出力側バスライン導波路21との間に第1と第2の2個のリング共振器30,31を並列配置し、各バスラインと結合させる。リング共振器30,31は中心をOとする半径Rの円形リングで形成される。これらの共振器は入出力バスラインの接続部12,22で結合され、並列結合型フィルタを構成する。入出力バスラインの接続部の物理的長さは第1のリング共振器30の中心Oと第2のリング共振器31の中心O間の接続部の長さである。ここでリング共振器の中心とは入出力側バスラインを横切る方向の線で共振器を対称的に2分するときの対称中心をいう。
両接続部12,22は湾曲導波路からなり、入出力バスライン間に挟まれた共振器30,31とは反対側のバスライン外側に対称的に張り出して形成される。接続部12(22)はリング共振器の円形湾曲部30aと同じ曲率の複数の円弧の区分湾曲導波路12a,12b,12cを連結して形成する。リング共振器30,31の物理的周回長は2πRで表されるので、その光路長はnbend・2πRになる。両バスライン接続部の物理的長さをLとすると、円弧の中心角を合計してL=aπRに設計することが可能である。aは比率であり、この比を選択してフィルタの帯域特性を多様に調節することができる。本実施形態の構成はaを1とした構成であり、リング共振器の半周と接続部12,22の物理的長さを等しくしている。
入力側バスライン11と出力側バスライン21は端子11a、21aと第1リング共振器30の中心Oに至る間の直線導波路13,23は平行して配置され、リング共振器間の接続部導波路12,22は湾曲導波路になり、第2のリング共振器31を越えた部分は再び直線導波路14,24になる。
接続部の湾曲導波路12(22)は複数の円弧部すなわち複数に区分された区分湾曲導波路12a,12b,12cを連結して構成され、各区分湾曲導波路はリング共振器の湾曲部30の曲率に等しい曲率の部分円を連結し、各連結部分が円滑になるように隣接する区分湾曲導波路同士を曲率中心12ao,12bo,12coが相互に反対になるようにして、すなわち湾曲方向が逆になるようにして変曲点を形成して接続する。本構成では接続部12を第1リング共振器30側から、中心が外側で中心角がπ/4[ラジアン](45°)の区分湾曲導波路12a、中心が内側で中心角がπ/2(90°)の区分湾曲導波路12b、中心が外側で中心角がπ/4(45°)の区分湾曲導波路12cで形成し、リング共振器の半周長に等しい長さπRにしている。これにより接続部の光路長はnbend・πRになり、リング共振器の半周の光路長に合致する。出力側バスラインの接続部22についても同様である。
このように接続部12,22の形状をリング共振器の湾曲部に合わせた曲率の湾曲導波路で形成することにより、リング共振器の周回長に対する接続部の物理的長さの比を一定にしておけば、設計値に対して製造上の誤差が生じても、誤差がリング共振器とバスラインの両者に等しく影響して相補的に作用するので誤差が相殺されることになる。すなわち、直線導波路と湾曲導波路では等価屈折率が通過する光波長に対してわずかに異なっており、従来のように接続部を直線でつくる場合、リング共振器の湾曲部の光路長を直線導波路で等価的に設計しても所期の特性を得ることは製造上難しい。しかし本構成では同様の製造法により所期の特性を容易に得ることができる。しかも温度などの外乱によって直線部と湾曲部の特性が変化する場合にも、本構成はリング共振器とバスライン接続部の光路長が同一状態で変化するため、光路長の比率が変化することはなく、特性への影響が低減される。
さらに湾曲導波路は、TE波、TM波の偏波成分に対する屈折率が異なるが、バスライン接続部もリング共振器の湾曲部と同様に機能するために、両偏波モードにおいても、光路長の比がそのまま維持されフィルタ特性の偏波依存性も解消する。
(第実施形態)
本発明の第実施形態を図2により説明する。
図において参考実施形態と同符号の部分は同様部分を示している。本実施形態はリング共振器が競技場トラックと同様の直線部と円弧の湾曲部で形成されたトラックリング形状である点が参考実施形態と異なっている。
参考実施形態と同様に、入力側のバスライン導波路11と出力側のバスライン21を並行して配置する。入力側バスライン11は光信号を入力(IN)する入力端子11aと、リング共振器との結合により得られる第2出力(OUT2)を出力するスループットポートとして出力端子11bを有し、この出力端子11bは入力端子11a側に折り曲げて入力側に出力端子11bが配置される。出力側バスライン21はリング共振器との結合により得られる第1出力(OUT1)のドロップポートとして出力端子21aを入力端子側に有している。
入力側バスライン導波路11の光路方向11cに沿って出力側バスライン導波路21との間に第1と第2の2個のリング共振器40,41を並列配置し、各バスラインと結合させる。リング共振器40,41は各バスラインと結合する一対の直線部42と一対の半径Rの円弧43で形成されたトラック形リングである。これらの両共振器は入出力バスラインの接続部15,25で結合され、並列結合型フィルタを構成する。
入力側バスライン11は入力端11aからリング共振器の直線部42と平行かつ同長でリング共振器との結合部となる直線導波路11eを有し、曲率半径Rの区分湾曲導波路15a,15b、区分直線導波路15c、曲率半径Rの区分湾曲導波路15d,15e、リング共振器41の直線部42と平行な直線導波路11fを経て出力端11bに連結する直線導波路11gからなる。出力側バスライン21も同様の直線導波路21d,21e,21f、湾曲導波路25を有している。
入出力バスラインの接続部の物理的長さは同一であり、入力側バスラインの接続部について説明すると、その導波路長は、第1のリング共振器40を対称的に2分し、バスラインとこれを垂直に横切るリング中心線Aの交点A1と、第2のリング共振器41を対称的に2分し、バスラインとこれを垂直に横切るリング中心線Bの交点B1との間の長さである。すなわち、接続部15は区分導波路にさらに結合部の直線導波路11eの一部が付加されて構成される。リング共振器40との結合部の直線導波路11eは交点A1で2分され、その第2リング共振器41側の導波路11e1が接続部に付加され、さらにリング共振器41との結合部の直線導波路11fは交点B1で2分され、その第1リング共振器40側の導波路11f1が接続部に付加された長さになる。
接続部15(出力側バスラインの接続部25も同構成なので説明を省略)は結合部の導波路11e1,11f1、区分湾曲導波路15a,15b,15d,15eとこれらの区分湾曲導波路の中間に挿入した直線導波路15cとからなり、同一面配置で入出力バスライン間に挟まれた共振器40,41とは反対側のバスライン外側に対称的に張り出して形成される。
各リング共振器の物理的長さは、結合部の直線導波路11e1、11F1の長さ(L1/2+L1/2)、区分湾曲導波路15a,15b,15d,15eの全長を2πR、区分直線導波路15cの長さをL1から、(2πR+2L)で表され、湾曲部の屈折率をnbend,直線部の屈折率をnlineとすると、リング共振器の周回光路長は(2nbendπR+2nline)で表すことができる。また両バスライン接続部の光路長は直線導波路15cの光路長をLにすることで、区分湾曲導波路と合わせ、(2nbendπR+2nline・L)にすることができる。これにより湾曲部の屈折率nbend,直線部の屈折率nlineの実際の値が設計値とずれても、両者の比は1:1に維持される。また、共振器間の光路長の湾曲部の円弧の中心角と直線部15cの長さを調節することにより、リング共振器光路長の1/2である(nbendπR+nline・L)を基準にして、光路長の比を1/3よりも大きい任意の値を選択することができる。
接続部15(25)の湾曲導波路は複数に区分された区分湾曲導波路15a,15bおよび15d,15eで構成され中間を直線導波路15cで連結している。各区分湾曲導波路はリング共振器の湾曲部43の曲率に等しい曲率の部分円連結し、各連結部分が円滑になるように隣接する区分湾曲導波路同士を湾曲方向が反対になるようにして変曲点16a,16bを形成して接続する。本構成では接続部15を第1リング共振器40側から、曲率中心が外側で中心角がπ/2[ラジアン](90°)の区分湾曲導波路15a、曲率中心が内側で中心角がπ/2(90°)の区分湾曲導波路15b、曲率中心が外側で中心角がπ/2(90°)の区分湾曲導波路15d、曲率中心が内側で中心角がπ/2(90°)の区分湾曲導波路15eで形成し、区分湾曲導波路の物理的長さの総和を1つのリング共振器の湾曲部43の周長に等しい長さ2πRにしている。なお出力側バスラインの接続部25についても同様である。
このように接続部15,25の形状をリング共振器の湾曲部に合わせた曲率の湾曲導波路で形成する。これにより接続部15,25を直線導波路と湾曲導波路の組合せとし、リング共振器の周回長に対する接続部の物理的長さの比を一定にしておけば、光路長が設計値に対して製造上の誤差が生じても、誤差がリング共振器とバスラインの両者に等しく影響し、相補的に作用して誤差が相殺されることになる。すなわち、上述したように、直線導波路と湾曲導波路では等価屈折率が通過する光波長に対してわずかに異なっており、従来のように接続部を直線部だけでつくる場合では、リング共振器の湾曲部の光路長を直線導波路で等価的に設計しても所期の特性を得ることは製造上難しい。しかし本構成ではリング共振器の湾曲部と同曲率の区分湾曲導波路を同一の長さで接続部に適用することによって、従来フィルタと同様の製造法で製作しても所期の特性を容易に得ることができる。しかも温度などの外乱によって直線部と湾曲部の特性が変化する場合でも、本構成はリング共振器とバスライン接続部の光路長が同一状態で変化するため、両光路長の比率が変化することはなく、外乱による特性への影響が低減される。しかも偏波成分によるフィルタ特性の偏波依存性を解消することができる。
(第実施形態)
図3に示すように、本実施形態は4個のリング共振器を並列接続した並列結合型波長フィルタである。第2実施形態と同様に、入力側バスライン導波路11と出力側バスライン21を並行して配置する。入力側バスライン11は光信号を入力(IN)する入力端子11aと、リング共振器との結合により得られる第2出力(OUT2)を出力するスループットポートとして出力端子11bを有し、この出力端子11bは入力端子11a側に折り曲げて入力側に出力端子11bが配置される。出力側バスライン21はリング共振器との結合により得られる第1出力(OUT1)のドロップポートとして出力端子21aを入力端子側に有している。
入力側バスライン導波路11の光路方向11cに沿って出力側バスライン導波路21との間に第1リング共振器51、第2リング共振器52、第3リング共振器53、第4リング共振器54を並列配置し、各バスラインと結合させる。これらのリング共振器は同一トラック形状および周回長をもち、直線部の長さL1と湾曲部の長さ2πRから、周回光路長はnbend・2πR+n1ine・2L1で、実施形態2のリング共振器と同じ構成である。第1リング共振器51と第2リング共振器52間の接続部55、第2リング共振器52と第3リング共振器53間の接続部56、第3リング共振器53と第4リング共振器54間の接続部57は、同一形状、同一光路長を有し、各光路長はリング共振器の半周回光路長と同じ、nbend・πRに設定される。
すなわち第1実施形態の接続部と同じく接続部の光路長はnbend・πR+nline・Lの構成になっている。接続部の湾曲導波路は複数の区分湾曲導波路からなり、リング共振器の半周湾曲部を複数に分割し湾曲方向を違えて連結した構造を有している。以上により各リング共振器間の接続部の光路長をリング共振器と同じ条件で設計することが可能で製造上で発生する導波路の屈折率のばらつきなどを考慮する必要がない。さらにばらつきが発生しても、フィルタ特性の変動を防ぐことができる。また、偏波依存性も解消される。
図13は本実施形態において、図12に示す4個のリング共振器を並列接続した適用光波長中心域(C−Band)の193THzのフィルタとして、リング共振器の周回長1875.579μm、湾曲部径189.009μm、バスライン導波路121および122とリング共振器123,124,125,126のパワー結合効率はそれぞれ0.1464,0.5,0.5,0.1464、nbendのTEおよびTMの両偏波モードにおける値はそれぞれ1.506364および1.506370、nlineは1.506039とし、接続部を同様に構成したときの通過特性を示し、AはOUT1(ドロップ)、BはOUT2(スループット)の特性である。これらの曲線から透過帯域の平坦な箱型特性を呈していることがわかる。図15は図11に示す従来の4個並列結合型波長フィルタを製造して得た一つの特性を示している。従来型は接続部が直線導波路で形成されており、設計上、接続部の光路長をリング共振器の光路長の比に合致させる。比較例では接続部の物理的長さは1875.837μmでフィルタ特性の許容範囲に収めるために、前記光路長の比を0.01%以下で製造しなくてはならない。すなわち1875.737μm〜1875.937μmの範囲になる。このような精度を確保することは加工上かなり困難が伴う。さらに図14は加工後の導波路の屈折率がフィルタの屈折率が設計値を1としたときに0.9999になったときのフィルタ特性である。この特性は波長フィルタとして不適格である。
図4および図5で本実施形態の製造方法を説明する。図4(A)〜(D)は製造工程を説明するものである。
(第1工程)コア成膜
(A)に示すように、単結晶Si基板60上に第1のSiO膜(n=1.4513)61を成膜し、さらに導波路(コア)となるTa−SiOのコア膜(n=1.5601)62をスパッタ積層する。
(第2工程)パターニング
(B)に示すように、導波路を形成すべきコア膜上にフォトレジスト63を用いてマスクを形成する。
(第3工程)エッチング
(C)に示すように、RIEを用いてマスク下のコア膜を残して残りのコア膜を取り除き、導波路パターン64を形成する。
(第4工程)埋め込み
(D)に示すように、導波路パターンおよび露出した第1のSiO膜上に第2のSiO膜65をスパッタにより堆積し、導波路パターンを埋め込み、第1のSiO膜61および第2のSiO膜65をクラッド層としてリング共振器とバスラインの導波路を形成する。一枚のSi基板に多数のフィルタパターンを形成する。このようにして図5のように基板60面にフィルタ66を形成する。チップサイズは例えば幅1mm、長さ2.5mm角であり、1のウエハに多数個のパターンを形成し、それぞれを切り出してフィルタチップにする。
(変形例)
図6は第実施形態の第1リング共振器51と第2リング共振器52間の接続部55と、第3リング共振器53と第4リング共振器54間の接続部57の光路長を、第2実施形態の接続部15のようにリング共振器の周回光路長に変更した構造である。なお第3実施形態と同符号は同等部分を示す。
図7は第実施形態の第2リング共振器52と第3リング共振器53間の接続部56を、第実施形態の接続部15のようにリング共振器の周回光路長に変更した構造である。なお第実施形態と同一符号の部分は同等部分を示す。これらの接続部の光路長の選択により、フィルタ特性を任意に変更することが可能になる。
図8は3個の直列結合共振器80a、80b、80cを組として、入力バスライン11と出力バスライン21間に2組の直列結合共振器80、80を並列接続し、これらのバスラインの接続部81、82に第1実施形態の湾曲導波路と同等の光路長を適用したものである。
本発明によれば、このような複雑な構成により所定の特性を設計しても、設計された特性に対応できるフィルタを製造することができる。
参考実施形態のパターンの略図。 本発明の第実施形態のパターンの略図。 本発明の第実施形態のパターンの略図。 (A)、(B)、(C)、(D)は第実施形態の製造方法の工程図。 実施形態の平面略図。 本発明の変形例のパターンの略図。 本発明の変形例のパターンの略図。 本発明の変形例のパターンの略図。 従来の並列結合型フィルタを説明するパターン略図。 従来の直列結合型フィルタのパターン略図。 従来の並列結合型フィルタのパターン略図。 高密度波長多重光通信を説明する図。 本発明の第実施形態の特性を示す曲線図。 従来の並列結合型フィルタの比較特性を説明する曲線図。 並列結合型フィルタの特性を説明する曲線図。
符号の説明
11:入力側(第1)バスライン
11a:入力端子(IN)
11b:第2出力(OUT2)の出力端子
21:出力側(第2)バスライン
21a:第1出力(OUT2)の出力端子
12,22:接続部
12a,12b,12c:区分湾曲導波路
30,31:リング共振器
30a:湾曲部
40,41:トラック形リング共振器
42:直線部
43:湾曲部
15,25:接続部
15a,15b,15d,15e:区分湾曲導波路
15c:区分直線導波路
42:トラックリング共振器の直線部
43:リング共振器の湾曲部

Claims (8)

  1. 光入力信号が入力される第1バスライン導波路と、この第1バスライン導波路に並行して配置され光出力信号を出力する第2バスライン導波路と、直線部と所定の曲率を有する湾曲部を有して光を周回させるリング状導波路からなり前記第1バスライン導波路と前記第2バスライン導波路間に光路方向に沿って複数個、並列接続して配置されたリング共振器とを具備する光導波路型波長フィルタであって、
    前記第1バスライン導波路と前記第2のバスライン導波路は、前記リング共振器の前記直線部に光結合する直線導波路を含み前記複数のリング共振器を接続する接続部を具備し、
    前記光路方向に隣接する2個の前記リング共振器間の前記接続部は前記リング共振器の所定の曲率を有する前記湾曲部と等しい曲率を有しかつ同じかまたは1/2の光路長の湾曲導波路を有してなる光導波路型波長フィルタ。
  2. 前記接続部の光路長が前記リング共振器の周回光路長に等しいことを特徴とする請求項1に記載の光導波路型波長フィルタ。
  3. 前記接続部の湾曲導波路は前記リング共振器の湾曲部の曲率に等しい曲率の部分円でなる湾曲導波路の複数個を相互に隣接する同士が湾曲方向を反対にするように連結して形成されることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の光導波路型波長フィルタ。
  4. 前記部分円でなる湾曲導波路は中心角がπ/6[ラジアン]またはそれよりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の光導波路型波長フィルタ。
  5. 前記接続部が前記リング共振器側とは反対の側に張り出して湾曲してなる請求項1に記載の光導波路型波長フィルタ。
  6. 前記リング共振器が少なくとも3個の並列結合をなし、前記バスラインの各リング共振器間の接続部の共振器間光路長が異なるものを含むことを特徴とする請求項1に記載の光導波路型波長フィルタ。
  7. 前記並列結合のリング共振器は直列結合共振器を単位共振器としてこの単位共振器を並列結合したものを含むことを特徴とする請求項1に記載の光導波路型波長フィルタ。
  8. 請求項1記載の光導波路型波長フィルタを含む波長合分波器
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