JP4271879B2 - 位置測定装置及びナビゲーション装置並びに位置測定方法及びナビゲーション方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、位置測定装置及びナビゲーション装置並びに位置測定方法及びナビゲーション方法の技術分野に属し、より詳細には、宇宙空間に打ち上げられているいわゆるGPS(Global Positioning System)衛星から送信されてくる測位用情報を用いて車両の現在位置を測位しつつその移動を補助する位置測定装置及び位置測定方法並びに当該位置測定装置を含むナビゲーション装置及び当該位置測定方法を含むナビゲーション方法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球上の存在位置を特定するために用いられる上記GPS衛星等の測位衛星から送信されてくる測位用情報を用いて車両等の移動体の現在位置(以下、位置というときは、当該移動体の平面位置及び高度を含むものとする。)を特定することが広く一般化している。
【0003】
このとき、上記測位用情報を用いた従来の位置測定処理では、具体的には、前回の当該位置測定処理により算出された現在位置から予め設定された予測方法に基づいて予測して得られる現在における予測位置と、現在において受信された測位用情報のみを用いて算出された当該現在における測位位置と、の双方を用いて当該現在における現在位置を算出していた。そして、この算出された現在位置が、最終的に上記GPS衛星を用いて算出された現在位置として、例えば車両内のディスプレイ上に当該車両の現在位置として表示されることとなる。
【0004】
一方、上記従来の位置測定処理においては、その時の上記予測位置及び測位位置の精度が低下している場合には、それ以前のタイミングにおいて算出されていた予測位置及び測位位置を無視し、直後に得られる上記測位位置をもってその時の移動体の現在位置とするリセット処理を行っていた。
【0005】
そして、このリセット処理が開始されるタイミングを示す上記予測位置及び測位位置の精度の低下については、具体的には、上記測位位置として演算された高度情報(すなわち、測位用情報のみに基づいて算出した車両の高度情報)と、上記予測位置に含まれている高度情報(すなわち、予測位置として演算された予測高度情報)と、の差が予め設定されている一定の閾値以上となったとき、当該予測位置の精度が低下していると検出することとされていた。このとき、当該閾値は、測位用情報に原理的に含まれることとなる誤差に対応してある程度高い値とされていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した構成を有する従来の位置測定処理においては、上記閾値が固定値であり、且つある程度高い値とされていたため、必要なときにリセット処理が開始されない場合があるという問題点があった。
【0007】
より具体的には、例えば、上記予測位置及び測位位置の精度が低下することにより、上記ディスプレイ上に表示される車両の現在位置に明らかな位置誤差が含まれるようになったときにも、上記高度情報の差に基づくリセット処理が開始されないことで、結果として更に当該位置誤差が大きくなってしまう場合があるのである。
【0008】
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、測位位置と予測位置により従来に比してより高精度に現在位置を算出することが可能な位置測定装置及び位置測定方法並びに当該位置測定装置を含むナビゲーション装置及び当該位置測定方法を含むナビゲーション方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1又は4に記載の発明は、測位衛星から送信されてくる測位用情報を用いて過去において測定された移動体の平面位置及び高度を示す過去位置情報に基づき現在における当該平面位置及び当該高度を測定する場合に、前記測位用情報の受信状態を検出し、前記測位用情報を用いて前記移動体の高度を示す測位高度情報を生成し、前記過去位置情報から前記移動体の現在における高度を予測する。そして、前記検出された受信状態に応じて閾値を可変に設定する。このとき、前記測位高度情報により示される高度と前記予測された高度との差が前記設定された閾値以上となったとき、前記過去位置情報を無視し、現在受信される前記測位用情報を用いて当該現在の前記移動体の平面位置及び高度を測定する。
【0010】
よって、測位高度情報により示される高度と予測された高度との差が閾値以上となったとき過去位置情報を無視して現在受信される測位用情報を用いて現在の平面位置及び高度を測位する場合に、当該閾値を測位用情報の受信状態に応じて可変に設定するので、現在の測位用情報の受信状態即ちその信頼度に応じて過去位置情報を現在の高度を含む位置情報に反映させるか否かを制御することができ、より正確に現在の平面位置及び高度を測位することができる。
【0011】
上記の課題を解決するために、請求項2又は5に記載の発明は、請求項1又は4に記載の発明において、前記受信状態として、マルチパスの影響を受けているか否か並びに前記測位用情報に包含されて送信されてくる当該測位用情報自体の精度を示す精度情報を検出すると共に、前記精度情報により示される精度が予め設定されている精度閾値より高く且つ前記マルチパスの影響を受けていないとき、前記閾値を、前記精度が前記精度閾値より高く且つ前記マルチパスの影響を受けていないとき以外のときの前記閾値よりも小さい当該閾値に設定する。
【0012】
よって、精度情報により示される精度が高く、且つマルチパスの影響を受けていないときの閾値を、それ以外のときの閾値よりも小さい閾値に設定するので、測位用情報の精度が高いときには過去位置情報を用いる期間を短くし現在の測位用情報を用いて現在の平面位置及び高度の測位を行うこととなり、測位用情報の精度が高い場合により高精度で現在の平面位置及び高度を測位することができる。
【0013】
上記の課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の位置測定装置と、前記測位された位置に基づいて前記移動体の移動を補助するナビゲーション処理部等の補助手段と、を備える。
【0014】
上記の課題を解決するために、請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の位置測定方法と、前記測位された位置に基づいて前記移動体の移動を補助する補助工程と、を備える。
【0015】
よって、請求項4又は8に記載の発明によれば、測位用情報の受信状態に応じてより高精度に現在の平面位置及び高度を測位して車両の移動補助を行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に好適な実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0017】
なお、以下に説明する実施の形態は、移動体としての車両に搭載されているナビゲーション装置において上記測位用情報を受信して得られるGPS信号を用いて当該車両の現在位置を測定しつつ当該車両の移動を補助するナビゲーション装置に対して本発明を適用した場合の実施の形態である。
【0018】
(I)位置測定処理の実施形態
始めに、具体的な実施の形態を説明する前に、本発明の前提となる上述した位置測定処理について、図1及び図2を用いて詳説する。
【0019】
なお、図1は当該位置測定処理の原理を示す模式図であり、図2は当該位置測定処理における具体的な処理を示すフローチャートである。ここで、図2に示すフローチャートにより示される処理は、実施形態のナビゲーション装置全体として実行されているナビゲーション処理の一環として実行されるものである。
【0020】
上述したように、本発明の前提となる位置測定処理は、前回の当該位置測定処理により算出された現在位置から予め設定された予測方法に基づいて予測して得られる現在における予測位置と、現在において受信された測位用情報のみを用いて算出された当該現在における測位位置と、の双方を用いて当該現在における現在位置を算出する。
【0021】
より具体的には、前回においてGPS衛星から送信されてきた測位用情報を用いて当該前回において得られた車両の速度情報と同じく今回において得られた車両の速度情報との平均値に測位間隔(すなわち、前回測位用情報を受信した時刻と今回測位用情報を受信した時刻との差)を乗じて算出される移動距離を前回の上記測位位置(例えば図1において符号E1乃至E6と示す測位位置のうちの測位位置E2)に対してベクトル的に加算して得られる予測位置(例えば図1において符号R1乃至R6と示す予測位置のうちの予測位置R3)と、上記送信されてきた測位用情報を用いて現在において算出された測位位置(例えば図1における測位位置E3)と、に基づき、当該測位位置E3と当該予測位置R3とを結んだ直線を、予め経験的に設定されている1未満の正の実数であるゲイン(割合)値を用いて分割して得られる位置を最終的な現在位置(例えば図1において符号P1乃至P6と示す現在位置のうちの現在位置P3)とするものであり、上記測位位置Eでは原理的にばらつきがある測位軌跡を平滑にしてより正確に現在位置Pを算出するのである。
【0022】
このとき、上記現在位置Pは模式的に下記の式により算出される。
【0023】
【数1】
現在位置P=ゲイン値×測位位置E+(1−ゲイン値)×予測位置R …▲1▼
ここで、上記ゲイン値が「1」に近ければ測位位置Eよりに現在位置Pが算出されることとなり、一方、「0」に近ければ予測位置Rよりに現在位置Pが算出されることとなる。そして、このゲイン値が種々の測位条件を勘案して経験的に予め設定されているのである。
【0024】
このとき、一般的には上記ゲイン値は「0」に近い値となることが多いため、通常は予測位置Rよりの位置を現在位置Pとしているが、予測位置Rの信頼性(精度)が低いと考えられる揚合は、過去の測位位置E及び予測位置Rの影響を受けないようにして現在位置Pを算出すべく上記ゲイン値を「1」とすることで上記リセット処理を行う。
【0025】
ここで、より具体的に当該リセット処理を含む一連の位置測定処理を説明すると、図2に示すように、当該位置測定処理においては、先ず受信した測位用情報を用いて測位位置Eが算出され(ステップS1)、次に上述した方法により予測位置Rが算出される(ステップS2)。
【0026】
そして、上述したように予測位置Rの精度が低下したことが判断されてリセット処理を行うべきか否かを示すリセット信号が後記図4に示す方法により生成されると(ステップS3;YES)上述したリセット処理が上記ゲイン値を「1」とすることにより実行され(ステップS5)、そのリセット処理後に得られる測位位置Eをもって現在位置Pとし(ステップS6)、その現在位置Pに対応した位置を上記ディスプレイ上に表示して(ステップS7)本来のナビゲーション処理に戻る。
【0027】
一方、ステップS3の判定において、リセット信号が生成されていないときは(ステップS3;NO)現在の予測位置Rの精度が良好であるとして、そのまま現在位置Pの演算に用いるべく上記ゲイン値の設定を行って(ステップS4)上記式▲1▼の処理により現在位置Pを算出し(ステップS6)上記ステップS7に移行する。
【0028】
(II)本発明の実施形態
次に、上述した一連の位置測定処理を前提とした本発明に係る実施形態について、図3及び図4を用いて説明する。
【0029】
なお、図3は実施形態に係るナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図であり、図4は実施形態に係る閾値設定処理を示すフローチャートである。
【0030】
図3に示すように、実施形態のナビゲーション装置Sは、図示しない受信部によって受信された上記GPS衛星からのGPS信号SGの信号処理を行い、予め設定された後述の精度情報等を含む航法データND並びにナビゲーション装置Sから各GPS衛星までの疑似距離を示す擬似距離データGLを生成する検出手段としての信号処理部1と、上記航法データND及び疑似距離データGL並びに後述するマルチパス誤差情報MPに基づき実施形態に係る処理(図4参照)を行って車両の現在位置Pを示す現在位置情報NPを生成する高度情報生成手段、高度予測手段、測定手段及び制御手段としての測位計算部2と、各GPS衛星に対応する疑似距離データGLに基づいていわゆるマルチパスを検出し、当該マルチパスによる測定誤差を示す上記マルチパス誤差情報MPを生成して測位計算部2に出力するマルチパス検出部3と、上記航法データNDに基づいていわゆる誤差楕円を算出し当該誤差楕円の位置及び対応する領域を示す誤差楕円情報PHを生成する誤差楕円計算部4と、上記現在位置情報NP及び誤差楕円情報PHに基づいて車両の現在位置を演算すると共にそれを用いて必要なナビゲーション処理を行う補助手段としてのナビゲーション処理部5と、により構成される。
【0031】
また、信号処理部1は、複数のGPS衛星から送信された各GPS信号SGを用いて上記航法データNDを生成するデータデコード部1aと、各GPS衛星までの距離誤差を測定して上記擬似距離データGLを生成する疑似距離測定部1bと、により構成されている。
【0032】
ここで、上記マルチパス検出部3においては、上記入力された各疑似距離データGLに基づいて上記各GPS信号SGがマルチパスの影響を受けているか否かを判断するようになっている。
【0033】
このとき、当該マルチパス検出処理は、疑似距離がある程度連続的に変化するということを利用して行うものであり、具体的には、前回の現在位置P又は前回測位を行ったときに使用した各GPS衛星毎の疑似距離データGLから今回の各GPS衛星毎の疑似距離データGLの予測値を算出しておき、この予測値と現在において入力された各GPS衛星毎の疑似距離データGLの差を比較してこの差が予め定められた基準値以上と判断されたときにマルチパスが生じていると判断する。
【0034】
そして、マルチパスが生じていると判断したときは、このマルチパスによる影響を上記マルチパス誤差情報MPとして算出し、その算出したマルチパス誤差情報MPを測位計算部2に出力する。
【0035】
このとき、マルチパスが生じていると判断した後、その影響が消失したか否かを判断するに当たっては、マルチパスの影響が実際になくなった後、その状態が予め設定された時間だけ継続したときに当該マルチパスの影響が消失したと判断する。
【0036】
次に、上記測位計算部2における実施形態に係る処理について、図4を用いて説明する。
【0037】
なお、上述したように当該測位計算部2においては上記航法データND及び疑似距離データGL並びにマルチパス誤差情報MPに基づき車両の現在位置Pを示す現在位置情報NPを生成するのであるが、このとき、当該現在位置Pは上述した図1及び図2において示した位置測定処理により算出されており、当該位置測定方法に用いられる上記リセット信号の生成が以下の図4に示す処理により行われる。
【0038】
すなわち、図4に示すように、実施形態のリセット信号生成処理においては、先ず、GPS信号SG自体の精度が高いか否か、又は現在いわゆるDGPS(Differential Global Positioning System)測位方法により移動中か否かを判定する(ステップS10)。
【0039】
ここで、GPS信号SG自体の精度が高いか否かは、上記航法データND自体に含まれている衛星精度情報に基づいて判定される。
【0040】
一方、DGPS測位方法とは、GPS衛星からの測位用情報を一旦地上の基準局にて受信し、それに含まれている測位誤差を修正した修正GPS信号を改めて車両に対して送信する構成により車両の現在位置を測位する方法であり、図示しない受信部において当該修正GPS信号が受信されているか否かにより判断され、その判断結果が測位計算部2へ入力されることで当該DGPS測位方法が現在用いられているか否かが判定される。
【0041】
そして、ステップS10の判定において、GPS信号SG自体の精度が低く且つDGPS測位方法により現在位置が検出されていないときは(ステップS10;NO)、現在設定されている値のまま上記閾値を変更せずに(ステップS12)ステップS14へ移行する。
【0042】
他方、ステップS11の判定において、GPS信号SG自体の精度が高いか又はDGPS測位方法により現在位置が検出されているときは(ステップS10;YES)、次に、上記マルチパス誤差情報MPに基づき、現在においてマルチパスが発生しているか否かが確認される(ステップS11)。
【0043】
そして、マルチパスの影響を受けていることで上記GPS信号SGにより示される測位位置Eの精度が低下していると判断されたときは(ステップS11;YES)上記ステップS12に移行し、一方、マルチパスが発生していないときは(ステップS11;NO)、次に、位置としてより高精度であると推測される上記測位位置Eを用いて現在位置Pを算出すべく上記閾値を小さくし(ステップS13)、次のステップS14へ移行する。
【0044】
上述した一連の処理により閾値が設定されると(ステップS12及びS13)、次に、上記測位用情報に基づいて算出された測位位置Eとしての高度情報により示される高度と、上記予測位置Rとして算出された高度情報により示される高度と、の差が、当該設定されている閾値以上となっているか否かが判定され(ステップS14)、当該閾値以上となっているときは(ステップS14;YES)、上記リセット信号を生成して上記測位位置Eをもって現在位置Pとする処理を行い(ステップS15。上記図2ステップS3及びS5参照))、本来のナビゲーション処理に戻る。
【0045】
一方、ステップS14の判定において、当該高度の差が当該閾値未満となっているときは(ステップS14;NO)、上記リセット処理を行う必要はないとしてそのまま本来のナビゲーション処理に移行する。
【0046】
以上説明したように、実施形態の測位計算部2における処理によれば、測位位置Eとしての高度情報により示される高度と予測位置Rとしての高度情報により示される高度との差が設定された閾値以上となったとき過去の測位位置E及び予測位置Rを無視して現在受信される測位用情報を用いて現在の平面位置及び高度を測位するものにおいて、当該閾値を測位用情報の受信状態に応じて制御するので、現在の測位用情報の受信状態即ちその信頼度に応じて過去の測位位置E及び予測位置Rを現在の高度を含む位置情報に反映させるか否かを制御することができ、より正確に現在の平面位置及び高度を測位して車両の移動補助を行うことができる。
【0047】
また、測位位置Eの精度が高く、且つマルチパスの影響を受けていないとき閾値を低減させるので、測位用情報の精度が高いときには過去の測位位置E及び予測位置Rを用いる期間を短くし現在の測位用情報を用いて現在の平面位置及び高度の測位を行うこととなり、測位用情報の精度が高い場合により高精度で現在の平面位置及び高度を測位することができる。
【0048】
なお、上述した実施形態では、車両の移動に際しての現在位置Pの検出に対して本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、これ以外に、上記GPS衛星からの測位用情報を用いて移動体(携帯型のナビゲーション装置Sを所持した人を含む。)の現在位置Pを検出する場合に広く適用することができる。
【0049】
また、上述した実施形態においては、上記リセット信号が生成されたときは必ずリセット処理が実行されることとしているが、この他に、当該リセット信号が生成されたとき必ずリセット処理が実行されるのではなく、当該リセット信号の生成を判断材料の一つとして考慮し他の要素も勘案して実際にリセット処理を行うか否かを判断するように構成してもよい。
【0050】
更に、図2及び図4に示すフローチャートに対応するプログラムを、例えばフレキスブルディスク、ハードディスク或いは半導体メモリ等に記憶させておき、これを汎用のマイクロコンピュータとうにより読み出して実行することにより、当該マイクロコンピュータ等を実施形態にかかる測位計算部2として機能させるように構成することも可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1又は4に記載の発明によれば、測位高度情報により示される高度と予測された高度との差が閾値以上となったとき過去位置情報を無視して現在受信される測位用情報を用いて現在の平面位置及び高度を測位する場合に、当該閾値を測位用情報の受信状態に応じて可変に設定するので、現在の測位用情報の受信状態即ちその信頼度に応じて過去位置情報を現在の高度を含む位置情報に反映させるか否かを制御することができ、より正確に現在の平面位置及び高度を測位することができる。
【0052】
請求項2又は5に記載の発明によれば、請求項1又は4に記載の発明の効果に加えて、精度情報により示される精度が高く、且つマルチパスの影響を受けていないときの閾値を、それ以外のときの閾値よりも小さい閾値に設定するので、測位用情報の精度が高いときには過去位置情報を用いる期間を短くし現在の測位用情報を用いて現在の平面位置及び高度の測位を行うこととなり、測位用情報の精度が高い場合により高精度で現在の平面位置及び高度を測位することができる。
【0053】
請求項3又は6に記載の発明によれば、測位用情報の受信状態に応じてより高精度に現在の平面位置及び高度を測位して車両の移動補助を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の前提となる位置測定処理の原理を示す模式図である。
【図2】実施形態の前提となる位置測定処理の処理を示すフローチャートである。
【図3】実施形態に係るナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図である。
【図4】実施形態に係る閾値設定処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…信号処理部
1a…データデコード部
1b…疑似距離測定部
2…測位計算部
3…マルチパス検出部
4…誤差楕円計算部
5…ナビゲーション処理部
S…ナビゲーション装置
SG…GPS信号
ND…航法データ
GL…擬似距離データ
MP…マルチパス誤差情報
NP…現在位置情報
PH…誤差楕円情報
Claims (6)
- 測位衛星から送信されてくる測位用情報を用いて過去において測定された移動体の平面位置及び高度を示す過去位置情報に基づき現在における当該平面位置及び当該高度を測定する位置測定装置において、
前記測位用情報の受信状態を検出する検出手段と、
前記測位用情報を用いて前記移動体の高度を示す測位高度情報を生成する測位高度情報生成手段と、
前記過去位置情報から前記移動体の現在における高度を予測する高度予測手段と、
前記検出された受信状態に応じて閾値を可変に設定する制御手段と、
前記測位高度情報により示される高度と前記予測された高度との差が前記設定された閾値以上となったとき、前記過去位置情報を無視し、現在受信される前記測位用情報を用いて当該現在の前記移動体の平面位置及び高度を測定する測定手段と、
を備えることを特徴とする位置測定装置。 - 請求項1に記載の位置測定装置において、
前記検出手段は、前記受信状態として、マルチパスの影響を受けているか否か並びに前記測位用情報に包含されて送信されてくる当該測位用情報自体の精度を示す精度情報を検出するとともに、
前記制御手段は、前記精度情報により示される精度が予め設定されている精度閾値より高く且つ前記マルチパスの影響を受けていないとき、前記閾値を、前記精度が前記精度閾値より高く且つ前記マルチパスの影響を受けていないとき以外のときの前記閾値よりも小さい当該閾値に設定することを特徴とする位置測定装置。 - 請求項1又は2に記載の位置測定装置と、
前記測位された位置に基づいて前記移動体の移動を補助する補助手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。 - 測位衛星から送信されてくる測位用情報を用いて過去において測定された移動体の平面位置及び高度を示す過去位置情報に基づき現在における当該平面位置及び当該高度を測定する位置測定方法において、
前記測位用情報の受信状態を検出する検出工程と、
前記測位用情報を用いて前記移動体の高度を示す測位高度情報を生成する測位高度情報生成工程と、
前記過去位置情報から前記移動体の現在における高度を予測する高度予測工程と、
前記検出された受信状態に応じて閾値を可変に設定する制御工程と、
前記測位高度情報により示される高度と前記予測された高度との差が前記設定された閾値以上となったとき、前記過去位置情報を無視し、現在受信される前記測位用情報を用いて当該現在の前記移動体の平面位置及び高度を測定する測定工程と、
を備えることを特徴とする位置測定方法。 - 請求項4に記載の位置測定方法において、
前記検出工程においては、前記受信状態として、マルチパスの影響を受けているか否か並びに前記測位用情報に包含されて送信されてくる当該測位用情報自体の精度を示す精度情報を検出するとともに、
前記制御工程においては、前記精度情報により示される精度が予め設定されている精度閾値より高く且つ前記マルチパスの影響を受けていないとき、前記閾値を、前記精度が前記精度閾値より高く且つ前記マルチパスの影響を受けていないとき以外のときの前記閾値よりも小さい当該閾値に設定することを特徴とする位置測定方法。 - 請求項4又は5に記載の位置測定方法と、
前記測位された位置に基づいて前記移動体の移動を補助する補助工程と、
を備えることを特徴とするナビゲーション方法。
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