JP4271652B2 - 筒内圧検出装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関の筒内圧を検出する装置に関し、より具体的には、検出される筒内圧のドリフトを除去して、より正確な筒内圧を検出する筒内圧検出装置に関する。
従来、内燃機関のシリンダ(気筒)には、該シリンダ内の圧力(以下、筒内圧と呼ぶ)を検出する筒内圧センサが設けられる。該センサにより検出される筒内圧は、内燃機関(以下、エンジンと呼ぶ)の制御に用いられる。
筒内圧センサとして、圧電素子を用いたセンサが知られている。このセンサは、筒内圧の変化率を検出する。図25に示されるように、筒内圧センサ200により検出された筒内圧の変化率は、典型的には積分回路201により積分される。該積分回路201の出力が、筒内圧として用いられる。
圧電素子を用いた場合、一般に、筒内圧の変化と、筒内圧センサの出力との間の関係に、ヒステリシス特性が存在する。また、圧電素子の温度上昇に伴って、筒内圧センサの出力も上昇する。このような筒内圧センサをエンジンに搭載すると、エンジンから発生する熱に依存して、筒内圧センサの出力にバラツキが生じる。その結果、積分回路から出力される筒内圧の波形に、図26に示すような“ずれ”すなわちドリフトが生じるおそれがある。
このようなドリフトが生じると、筒内圧を正確に検出することが困難となる。また、筒内圧センサの出力は、典型的に、その後のコンピュータ処理のためにアナログデジタル(A/D)変換される。筒内圧センサの出力にドリフト成分が含まれると、アナログ値である該筒内圧センサの出力と、該出力をA/D変換した後のデジタル値との間に相関性が失われるおそれがある。
以下の特許文献1には、このようなドリフトを補正する技術として、積分回路をリセットする手法が開示されている。図27を参照すると、各燃焼サイクルの所定のタイミングで、スイッチング素子212を閉じる。該素子を閉じると、コンデンサ213の前後の電位差が無くなり、よって演算増幅器214の出力が基準値にリセットされる。このリセット操作に応じて、ドリフトが除去される。
特開平7−280686号公報
図28には、上記のようなリセット操作を行った場合の、積分回路から出力される筒内圧波形が示されている。リセット操作は、時間t1、t2、t3、t4およびt5において実施される。このようなリセット操作に起因する波形115が、筒内圧波形に重畳されていることがわかる。その結果、リセット操作の前後で、筒内圧波形に不連続な周波数特性が現れる。このような不連続な周波数特性により、筒内圧を用いたその後のコンピュータ処理に、不所望の周波数成分が混入される。これは、エンジンの制御の精度を低下させる。また、このようなリセット操作を行っても、リセット操作とリセット操作の間、すなわち1燃焼サイクル中は、ドリフトが増大する。
したがって、このようなリセット操作を行うことなく、ドリフトを除去して筒内圧を検出する手法が必要とされている。
この発明の一つの側面によると、筒内圧検出装置は、エンジンの筒内圧の変化率に応じた信号を出力する筒内圧センサと、筒内圧センサの出力信号から、エンジンを制御するのに必要とされる筒内圧を実質的に構成する周波数よりも低い周波数成分をカットするよう、該筒内圧センサの出力信号をフィルタリングするフィルタ装置と、フィルタ装置によってフィルタリングされた後の該筒内圧センサの出力信号を積分して、筒内圧信号を算出する積分装置と、を備える。好ましくは、フィルタ装置は、該エンジンを制御するのに必要とされる筒内圧を実質的に構成する周波数よりも低い周波数成分であって、かつ、ドリフトを構成する周波数成分をカットするよう、構成される。
ドリフトの周波数帯域が、エンジン制御に用いられる筒内圧を実質的に構成する周波数成分の帯域よりも低いことが発明者によって確かめられた。この発明は、発明者によるこの知見に基づいてなされたものである。この発明によれば、フィルタ装置により、ドリフトを構成する低周波成分が、筒内圧センサの出力信号から除去される。したがって、フィルタ装置からの出力信号を積分することにより、ドリフトが除去された筒内圧信号を算出することができる。また、この発明によると、リセット操作を行うことなくドリフトを除去することができるので、結果として得られる筒内圧信号に不連続な周波数特性が現れるのを防ぐことができる。
この発明の一実施形態では、フィルタ装置は、さらに、検出されたエンジンの回転数に従って、カットオフ周波数を変更する。こうして、現在のエンジン回転数に最適なカットオフ周波数がフィルタに設定されるので、ドリフトを構成する低周波成分をカットしきれないという事態を防ぐことができる。
この発明の一実施形態では、筒内圧センサの出力信号を、エンジンの回転に同期してサンプリングするサンプリング手段を備える。フィルタ装置は、該サンプリングされた筒内圧センサの出力信号をフィルタリングする。筒内圧信号の出力信号が、エンジンの回転に同期してサンプリングされるので、フィルタ特性を変化させることなく、エンジン回転数に応じたカットオフ周波数でフィルタリングを実施することができる。
この発明の一実施形態では、さらに、筒内圧検出装置は、積分装置により算出された筒内圧信号からオフセット成分を除去するオフセット除去装置を備える。積分装置により算出される筒内圧信号は、所定値からオフセットされることがある。オフセット除去装置を備えることにより、このようなオフセットを除去して、筒内圧をより正確に求めることができる。
この発明の一実施形態では、オフセット除去装置は、さらに、第1のサイクルで、積分装置により算出された筒内圧信号を、オフセット量としてサンプリングするサンプリング手段と、該オフセット量を、第1のサイクルよりも短い第2のサイクルでサンプリングするオーバーサンプリング手段と、オーバーサンプリング手段により得られたオフセット量のサンプルを移動平均して、移動平均値を算出する平均手段と、移動平均値を、積分装置により算出された筒内圧信号から減算することにより、筒内圧信号のオフセット成分を除去する手段と、を備える。こうして、より短いサイクルで実施される移動平均によってオフセット量が徐々に取り除かれるので、より正確な筒内圧信号を連続して得ることができる。
この発明の他の実施形態では、オフセット除去装置は、さらに、第1のサイクルで、積分装置により算出された筒内圧信号を、オフセット量としてサンプリングするサンプリング手段と、該オフセット量から所定の基準値を減算して、絶対オフセット量を算出する手段と、該絶対オフセット量を、第1のサイクルよりも短い第2のサイクルでオーバーサンプリングするオーバーサンプリング手段と、オーバーサンプリング手段により得られた絶対オフセット量のサンプルを移動平均して、移動平均値を算出する平均手段と、該移動平均値を、積分装置により算出された筒内圧信号から減算することにより、該筒内圧信号のオフセット成分を除去する手段と、を備える。こうして、オフセット量の絶対値を算出するので、より正確なオフセット量が算出される。これを移動平均により徐々に取り除くことにより、より正確な筒内圧信号を連続して得ることができる。一実施形態では、所定の基準値は、燃焼サイクルの吸気行程における吸気管の圧力である。
この発明の他の実施形態では、オフセット除去装置は、さらに、積分装置により算出された筒内圧信号を補正項で補正することにより、補正済み筒内圧を算出する補正手段と、該補正済み筒内圧に基づいて補正項を算出し、該補正項を該補正手段にフィードバックする補正項算出手段と、を備える。該補正項算出手段は、さらに、補正済み筒内圧を、オフセット量として、第1のサイクルでサンプリングする手段と、該オフセット量を、第1のサイクルよりも短い第2のサイクルでオーバーサンプリングする手段と、該オーバーサンプリングしたオフセット量のサンプルを移動平均して、移動平均値を算出する手段と、該移動平均値を所定の目標値に収束させるための補正項を算出する手段と、を備える。こうして、オフセット量が、補正項によって所定の目標値に収束されるので、筒内圧信号に不連続性を生じさせることなく、筒内圧信号を連続的に算出することができる。
この発明の他の実施形態では、オフセット除去装置は、さらに、積分装置によって算出された筒内圧信号を補正項で補正することにより、補正済み筒内圧を算出する補正手段と、該補正済み筒内圧に基づいて該補正項を算出し、該補正項を該補正手段にフィードバックする補正項算出手段と、を備える。該補正項算出手段は、さらに、補正済み筒内圧を、オフセット量として、第1のサイクルでサンプリングする手段と、該オフセット量から所定の基準値を減算して、絶対オフセット量を算出する手段と、該絶対オフセット量を、第1のサイクルよりも短い第2のサイクルでオーバーサンプリングする手段と、該オーバーサンプリング手段によって得られた絶対オフセット量のサンプルを移動平均し、移動平均値を算出する手段と、該移動平均値を所定の目標値に収束させるための補正項を算出する手段と、を備える。こうして、オフセット量の絶対値を算出するので、より正確なオフセット量が算出される。これを、補正項によって徐々に目標値に収束させるので、筒内圧信号に不連続性を生じさせることなく、筒内圧信号を連続的に算出することができる。一実施形態では、所定の基準値は、燃焼サイクルの吸気行程における吸気管の圧力である。
次に図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明の実施形態に従う、内燃機関(以下、エンジンと呼ぶ)およびその制御装置の全体的な構成図である。
次に図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明の実施形態に従う、エンジンおよびその制御装置の全体的な構成図である。
電子制御ユニット(以下、「ECU」)という)1は、中央演算処理装置(CPU)1bを備えるコンピュータである。ECU1は、メモリ1cを備えており、該メモリ1cは、車両の様々な制御を実現するためのコンピュータ・プログラムおよび該プログラムの実施に必要なマップを格納する読み取り専用メモリ(ROM)と、CPU1bの演算のための作業領域を提供し、プログラムおよびデータを一時的に格納するランダムアクセスメモリ(RAM)を備えている。さらに、ECU1は、車両の各部から送られてくるデータを受け取入れる入力インターフェース1a、および車両の各部に制御信号を送る出力インターフェース1dを備えている。
エンジン2は、この実施例では4サイクルのエンジンである。エンジン2は、吸気弁3を介して吸気管4に連結され、排気弁5を介して排気管6に連結されている。ECU1からの制御信号に従って燃料を噴射する燃料噴射弁7が、吸気管4に設けられている。
エンジン2は、吸気管4から吸入される空気と、燃料噴射弁7から噴射される燃料との混合気を、燃焼室8に吸入する。燃料室8には、ECU1からの点火時期信号に従って火花を飛ばす点火プラグ9が設けられている。点火プラグ9によって発せられた火花により、混合気は燃焼する。燃焼により混合気の体積は増大し、これによりピストン10を下方に押し下げる。ピストン10の往復運動は、クランク軸11の回転運動に変換される。
筒内圧センサ15は、例えば圧電素子からなるセンサであり、点火プラグ9のエンジンシリンダに接する部分に埋没されている。筒内圧センサ15は、燃焼室8内の圧力(筒内圧)の変化を示す信号dPを出力し、それをECU1に送る。
エンジン2には、クランク角センサ17が設けられている。クランク角センサ17は、クランクシャフト11の回転に伴い、パルス信号であるCRK信号およびTDC信号をECU1に出力する。
CRK信号は、所定のクランク角で出力されるパルス信号である。ECU1は、該CRK信号に応じ、エンジン2の回転数NEを算出する。TDC信号は、ピストン10のTDC位置に関連したクランク角度で出力されるパルス信号である。
エンジン2の吸気管4には、スロットル弁18が設けられている。スロットル弁18の開度は、ECU1からの制御信号により制御される。スロットル弁18に連結されたスロットル弁開度センサ(θTH)19は、スロットル弁18の開度に応じた電気信号を、ECU1に供給する。
吸気管圧力(Pb)センサ20は、スロットル弁18の下流側に設けられている。Pbセンサ20によって検出された吸気管圧力PbはECU1に送られる。
スロットル弁18の上流には、エアフローメータ(AFM)16が設けられている。エアフローメータ16は、スロットル弁18を通過する空気量を検出し、それをECU1に送る。
ECU1に向けて送られた信号は入力インターフェース1aに渡され、アナログ−デジタル変換される。CPU1bは、変換されたデジタル信号を、メモリ1cに格納されているプログラムに従って処理し、車両のアクチュエータに送るための制御信号を作り出すことができる。出力インターフェース1dは、これらの制御信号を、燃料噴射弁7、点火プラグ9、スロットル弁18、およびその他の機械要素のアクチュエータに送る。また、CPU1bは、該変換されたデジタル信号を用いて、メモリ1cに格納されているプログラムに従い、エンジンの筒内圧を算出することができる。
図2は、筒内圧センサ15の取り付けの一例を示す図である。シリンダヘッド21のねじ孔22に点火プラグ9がねじ込まれている。シリンダヘッド21の点火プラグの取り付け座面23と、点火プラグ座金部24との間に、筒内圧センサのセンサ素子部25が、ワッシャ26と共に挟み込まれている。センサ素子部25は、圧電素子からなる。
センサ素子部25は、点火プラグ9の座金として締め付けられるので、該センサ素子部25には、所定の締め付け荷重が与えられる。燃焼室8内の圧力が変化すると、該センサ素子部25に印加される荷重が変化する。筒内圧センサ15は、該所定の締め付け荷重に対する荷重の変化を、筒内圧の変化として検出する。
筒内圧の周波数帯域は、エンジン回転数に依存する。具体的には、筒内圧の周波数帯域は、ゼロから、エンジン回転数のk次(kは、2以上)の周波数に及ぶ。
しかしながら、エンジン制御に実際に用いられる筒内圧は、エンジン回転数の1次以上の周波数成分を持つ。言い換えると、エンジン回転数の1次の周波数より低い周波数成分は、エンジン制御に実際に用いられる筒内圧について必要とされない。この理由を、以下に簡単に説明する。
筒内圧が用いられるエンジン制御の典型的な例は、図示平均有効圧などのエンジンの仕事量の算出である。エンジンの仕事量は、エンジンの性能を計るのに用いられることがある。図示平均有効圧Pmiは、式(1)に示すように、筒内圧Pと体積変化率dVの相関係数として表される。ここで、Vsはエンジンの行程体積を示す。
数式1
Figure 0004271652
体積変化率dVを周波数分解するため、体積変化率dVを式(2)のようにフーリエ級数展開する。tは時間を示す。Tは、エンジンのクランク軸の回転の周期を示し(以下、クランク周期と呼ぶ)、ωはその角周波数を示す。4サイクルエンジンでは、1周期Tは、360度に対応する。kは、該エンジン回転の周波数成分の次数を示す。
数式2
Figure 0004271652
式(2)を式(1)に適用すると、式(3)が導かれる。θ=ωtである。
数式3
Figure 0004271652
ここで図3を参照すると、(a)には、典型的なエンジンについての体積変化率dVの波形31と、該波形31と同一の周期を持ったsin関数の波形32が示されている。図から明らかなように、両者の波形は非常に類似している。体積変化率dVは、sin関数に対し、オフセットおよび位相差をほとんど持たない。したがって、体積変化率の周波数成分には、直流成分a0およびcos成分がほとんど含まれないことがわかる。
(b)には、(a)に示す体積変化率dVをFFT解析した結果を示す。参照符号33は、エンジン回転数の1次の周波数成分を示すラインであり、参照符号34は、エンジン回転数の2次の周波数成分を示すラインである。このように、体積変化率dVは、主に、エンジン回転数の1次および2次の周波数成分を持つ。
図4を参照すると、(a)には、例として、図3に示す演算区間Aについて実際に算出した体積変化率dVのフーリエ係数を示す。(b)は、(a)における各成分についてのフーリエ係数の大きさをグラフで表したものである。直流成分Va0およびcos成分Vak(k=1、2、...)が、ほぼゼロであることがわかる。また、3次以上のsin成分Vb3、Vb4、、、も、ほぼゼロであることがわかる。
このように、体積変化率dVは、主に、エンジン回転数NEの1次および2次の周波数成分で構成されるので、該体積変化率dVに乗算される筒内圧Pについても、エンジン回転数NEの1次および2次の周波数成分が主に必要とされる。
筒内圧を示す信号P(以下、筒内圧信号と呼ぶ)は、式(4)に示すように、筒内圧センサから出力される筒内圧変化を示す信号dP(以下、筒内圧変化信号と呼ぶ)を積分することにより算出される。
数式4
Figure 0004271652
式(5)および(6)に示すように、正弦波(sinθ)および余弦波(cosθ)の周波数成分は、積分操作により変化しないので、筒内圧変化信号dPは、筒内圧信号Pと同じ周波数成分を持つ。したがって、筒内圧変化信号dPの周波数帯域も、実際には、ゼロから、エンジン回転数のk次の周波数に及ぶが、筒内圧変化信号dPから、エンジン回転数の1次周波数以上の周波数成分を抽出すれば、図示平均有効圧Pmiを算出することができる。言い換えれば、筒内圧変化信号dPにおいて、エンジン回転数の1次周波数より低い周波数成分は必要とされない。
数式5
Figure 0004271652
一方、筒内圧のドリフトは、主に、筒内圧センサの温度の変化に起因して発生することが知られている。筒内圧センサは、前述したように、エンジンのシリンダに設けられているので、筒内圧センサの温度は、エンジンの温度により影響を受ける。
発明者は、筒内圧センサの温度の変化が、エンジン制御に実際に用いられる筒内圧(これは、前述したように、エンジン回転数の1次周波数より高い周波数成分を持つ)の変化に比べ、極めて長い周期で起こる、すなわち低周波で起こることを確認した。したがって、筒内圧のドリフトは、エンジン回転数の1次周波数よりも極めて低い周波数を持つ。
このように、ドリフトは、エンジン回転数の1次周波数よりも極めて低い周波数で発生するので、筒内圧変化信号Pから、エンジン回転数の1次周波数よりも低い周波数成分をカットすることにより、筒内圧信号Pからドリフトを除去することができる。
この実施例では、エンジン制御に実際に用いられる筒内圧が、エンジン回転数の1次周波数よりも高い周波数成分を持つので、該エンジン回転数の1次周波数よりも低い周波数成分をカットして、筒内圧信号Pからドリフトを除去する。しかしながら、エンジン制御に実際に用いられる筒内圧が、エンジン回転数の1次周波数よりも低い周波数成分を持つ場合でも、該筒内圧の周波数帯域が、ドリフトの周波数帯域より高ければ、本願発明を適用することができる点に注意されたい。
一例として、エンジン回転数NEが6000rpmである運転状態を考える。筒内圧センサの出力を、クランク角1度ごとにサンプリングするとなると、式(7)に示すように、サンプリング周波数Fsは36kHzであり、ナイキスト周波数Fnは18kHzとなる。
(6000/60)×360=36kHz (7)
エンジン回転数の1次周波数は100Hzである。したがって、筒内圧センサの出力について、100Hzより低い周波数成分をカットすることにより、ドリフトを含まない筒内圧信号を得ることができる。
この例に基づくシミュレーションを行った。該シミュレーションにおいて、図5に示すような特性を持つフィルタを、筒内圧センサの出力信号dPに適用した。該フィルタは、3次のIIR型バタワースハイパスフィルタである。
カットオフ周波数は、エンジン回転数の1次周波数より低い周波数成分をカットするように設定される。好ましくは、カットオフ周波数は、エンジン回転数の1次周波数より低い周波数であって、かつ、ドリフトの周波数帯域を確実にカットすることのできる周波数に設定される。ドリフトを構成する周波数成分は、前述したように主に筒内圧センサの温度に依存するが、エンジン回転数が増えるにつれていくらか高くなるという特性をも有することが、シミュレーション等によって判明した。したがって、カットオフ周波数が低すぎると、ドリフトを構成する周波数成分を完全にカットすることができないおそれがある。また、カットオフ周波数よりわずかに高い周波数においては信号の減衰が起こりうるので、カットオフ周波数がエンジン回転数の1次周波数に近すぎると、フィルタリング後の筒内圧信号の精度を低下させるおそれがある。
上記のシミュレーションでは、エンジン回転数が6000rpmである時(すなわち、1次周波数は100Hz)、少なくとも18Hz以下の周波数成分をカットすれば、ドリフトを確実に除去することができることがわかった。したがって、カットオフ周波数は18Hzに設定される。
このシミュレーションで使用した上記のフィルタの伝達関数は、以下の式(8)のように表されることができる。dPHは、ハイパスフィルタの出力信号を示す。ここで、kはサンプリング時刻を示す。
dPH(k)=0.997×dP(k)−2.990×dP(k-1)+2.990×dP(k-2)−0.997×dP(k-3)
−2.994×dPH(k-1)+2.998×dPH(k-2)―0.994×dPH(k-3)
(8)
代替的に、FIR型のハイパスフィルタを用いてもよい。また、フィルタの次数および係数は、フィルタ特性に依存して決められる。
図6は、このシミュレーションの結果を示す。(a)は、筒内圧センサから出力された筒内圧変化信号dPを示し、(b)は、上記のハイパスフィルタを筒内圧変化信号dPに適用することによって得られた信号dPHを示す。(c)は、(a)に示される筒内圧変化信号dPを積分することにより得られた筒内圧信号Pを示し、(d)は、式(9)に従って、(b)の信号dPHを積分することにより得られた筒内圧信号Pを示す。
P(k)=P(k−1)+(dPH(k)×(1/Fs)) (9)
(c)の波形に、ドリフトが現れていることがわかる。ドリフトは、燃焼サイクル間にわたって蓄積されるので、ドリフトの量は時間と共に増大する。
(a)と(b)を比較すると、差が明らかでない。しかしながら、(c)と(d)を比較して明らかなように、ハイパスフィルタの出力信号dPHを積分することにより、ドリフトが除去された筒内圧信号Pを得ることができる。
(d)に示されるように、筒内圧信号Pは、ハイパスフィルタの適用によって安定した値を呈するようになるが、ゼロに対してオフセット量を持っている。これは、式(8)に示されるように、ハイパスフィルタが、該ハイパスフィルタの出力の過去値を必要とするためである。筒内圧変化信号の初期段階においては、該過去値が未だ取得されていないので、このようなオフセットが現れる。しかしながら、このようなオフセットは、後述される除去装置によって除去されることができる。
図7を参照すると、(a)には、本発明の一実施形態に従う、筒内圧検出装置のブロック図が示されている。各ブロックの機能は、典型的には、ECU1(図1)のメモリ1cに格納されているプログラムを実行することによって実現される。代替的に、これらの機能を、ハードウェアにより実現してもよい。
サンプリング装置41は、筒内圧センサから出力される筒内圧変化信号dPをサンプリングする。フィルタ装置42は、前述したようなハイパスフィルタを備え、該ハイパスフィルタは、エンジン回転数NEの1次周波数よりも低い周波数をカットする特性を有する。好ましくは、前述したように、ハイパスフィルタのカットオフ周波数は、エンジン回転数の1次周波数よりも低い周波数であって、ドリフトを構成する周波数成分を確実にカットすることができる周波数に設定される。
フィルタ装置42は、筒内圧変化信号dPのサンプルにハイパスフィルタを適用し、信号dPHを生成する。ハイパスフィルタにより実施される式の一例が、上記の式(8)に示されている。信号dPHは、ドリフトを構成する周波数成分を含まない信号である。積分装置43は、フィルタ装置42の出力信号dPHを、上記の式(9)に従って積分し、筒内圧信号Pを算出する。オフセット除去装置44は、図6の(d)で観察されるような筒内圧信号Pのオフセットを除去する。こうして、ドリフトが除去され、かつオフセットを有しない筒内圧Pcylが算出される。
図7の(b)は、本発明の他の実施形態に従う、筒内圧検出装置のブロック図である。各ブロックの機能は、図7の(a)と同様に、典型的には、ECU1(図1)のメモリ1cに格納されているプログラムを実行することによって実現される。代替的に、これらの機能を、ハードウェアにより実現してもよい。
図7の(a)との違いは、フィルタ装置47が、積分装置46の下流に配置されている点である。サンプリング装置45は、筒内圧センサから出力される筒内圧変化信号dPをサンプリングする。積分装置46は、筒内圧変化信号dPのサンプルを用いて、筒内圧変化信号dPの積分値、すなわち筒内圧信号Pを算出する。該積分は、式(10)に従って行われることができる。
P(k)=P(k−1)+(dP(k)×(1/Fs)) (10)
フィルタ装置47は、フィルタ装置42と同様のハイパスフィルタを備える。該ハイパスフィルタにより実施される式の一例を、式(11)に示す。
dPH(k)=0.997×P(k)−2.990×P(k-1)+2.990×P(k-2)−0.997×P(k-3)
−2.994×dPH(k-1)+2.998×dPH(k-2)―0.994×dPH(k-3)
(11)
前述したように、信号の積分動作によって周波数成分は変化しない。したがって、フィルタ装置47の出力信号dPHは、図6の(d)に示される筒内圧信号Pと同じである。オフセット除去装置48は、フィルタ装置47の出力信号dPHのオフセットを除去する。こうして、ドリフトが除去され、かつオフセットを有しない筒内圧Pcylが算出される。
図8を参照して、エンジン回転数と、フィルタ装置42のハイパスフィルタのカットオフ周波数との関係について述べる。(a)は、エンジン回転数が6000rpmである場合に、カットオフ周波数が18Hzのハイパスフィルタを筒内圧変化信号dPに適用した場合の、積分装置43から得られた筒内圧信号Pを示す。(b)は、エンジン回転数が6000rpmである場合に、カットオフ周波数が9Hzのハイパスフィルタを筒内圧変化信号dPに適用した場合の、積分装置43から得られた筒内圧信号Pを示す。
エンジン回転数が6000rpmである時、前述したように、少なくともドリフトの周波数成分をカットするためのカットオフ周波数は、18Hzである。(b)に示されるように、エンジン回転数が6000rpmである時に9Hzのカットオフ周波数を持つハイパスフィルタを適用すると、ドリフトの低周波成分を完全には取り除くことができず、その結果、(b)の波形が(a)の波形と比較して歪んでいることがわかる。
このような現象は、ドリフトの周波数帯域が、筒内圧センサの温度に従って変化するだけでなく、エンジン回転数に従っていくらか変化することに起因する。このような現象を防ぐため、検出されたエンジン回転数に応じたカットオフ周波数を算出して、フィルタを構成するのが好ましい。筒内圧の周波数帯域はエンジン回転数が増えるにつれ高くなるので、カットオフ周波数も、エンジン回転数が増えるにつれ高くすることができる。カットオフ周波数をエンジン回転数に従って変化させることにより、筒内圧の周波数成分をカットすることなく、ドリフトの周波数成分のみを効率的にカットすることができる。
カットオフ周波数を変化させる形態として、以下の2つのケースが考えられる。第1のケースは、筒内圧センサの出力を、クランク角CRKに同期してサンプリングする場合である。この場合、エンジン回転数NEに同期して、サンプリング周波数Fsも変化する。たとえば、エンジン回転数が1500rpmであり、サンプリングがクランク角1度ごとに行われる時、エンジンが1回転するたびに360回のサンプリングが行われる。したがって、サンプリング周波数は、式(12)のように算出される。
1500(rpm)/60(秒)×360(回)=9(kHz) (12)
ナイキスト周波数は、4.5kHzとなる。エンジン回転数は1500rpmであるので、エンジン回転数の1次周波数は、1500/60=25Hzである。したがって、カットオフ周波数は、25Hzより低い値に設定される。この例では、シミュレーション等により、エンジン回転数の1次周波数よりも低く、かつドリフトの周波数帯域を確実にカットする周波数として、4.5Hzが選択された。
カットオフ周波数を、ナイキスト周波数で正規化すると、式(13)により、カットオフ周波数は0.001で表される。
4.5Hz/4.5kHz=0.001 (13)
同様に、エンジン回転数が3000rpmおよび6000rpmの場合のカットオフ周波数の正規化値を求めることができる。求めた結果を表1に示す。これらのカットオフ周波数も、エンジン回転数の1次周波数よりも低く、かつドリフトの周波数帯域を確実にカットする周波数として選択されている。
Figure 0004271652
表1に示されるように、エンジン回転数NEに応じてカットオフ周波数は変化する。しかしながら、カットオフ周波数の正規化値は一定である。すなわち、フィルタ特性は変化せず、ナイキスト周波数Fnに一定値0.001を乗算すれば、カットオフ周波数を得ることができる。このように、エンジン回転に同期して筒内圧センサの出力をサンプリングする場合には、カットオフ周波数の正規化値が一定であるので、フィルタ特性を変更することなく、エンジン回転数に応じたカットオフ周波数を持つフィルタを構成することができる。
第2のケースは、筒内圧センサの出力を、一定の時間間隔でサンプリングする場合である。この場合は、サンプリング周波数Fsは一定である。例としてFsが36kHzの場合を考える。ナイキスト周波数Fnは、18kHzとなる。
エンジン回転数が1500rpmの場合、エンジン回転数の1次周波数は、1500/60=25Hzである。カットオフ周波数は、4.5Hzに設定される。
カットオフ周波数をナイキスト周波数で正規化すると、カットオフ周波数は、式(14)のように算出される。
4.5(Hz)/18000(Hz)=0.00025 (14)
同様に、エンジン回転数が3000rpmおよび6000rpmの場合のカットオフ周波数の正規化値を求めることができる。求めた結果を表2に示す。
Figure 0004271652
表2に示されように、エンジン回転数NEに応じてカットオフ周波数は変化し、カットオフ周波数の正規化値も変化する。これは、フィルタ特性が変化することを示す。このように、所定の時間間隔で筒内圧センサの出力をサンプリングする場合には、カットオフ周波数の正規化値が変化するので、エンジン回転数NEに応じたカットオフ周波数が設定されるよう、エンジン回転数NEに応じてフィルタ特性を変更するのが好ましい。
エンジン回転数NEに応じてフィルタ特性を変更するため、一実施形態では、1つのハイパスフィルタを設け、該フィルタの特性をエンジン回転数に応じて変更することにより、エンジン回転数に応じたカットオフ周波数を実現する。
他の実施形態では、表3のように、フィルタ装置42に複数のハイパスフィルタを予め設け、検出されたエンジン回転数に応じたカットオフ周波数を持つハイパスフィルタを選択してもよい。
Figure 0004271652
たとえば、エンジン回転数が1500rpmと3000rpmの間にあるとき、3000rpmに適したカットオフ周波数を持つフィルタを選択することにより、図8に示すような、低周波成分が取りきれない現象を防ぐことができる。
図9を参照すると、他の実施形態に従う、エンジン回転数NEに応じてフィルタ特性を変更することのできる筒内圧検出装置のブロック図が示されている。図7の(a)と異なる主な点は、フィルタ切り換え装置49が追加されていることである。フィルタ切り換え装置49は、選択部51およびフィルタ構成部52を備える。図では、フィルタ切り換え装置49が、フィルタ装置42と別の構成要素として示されているが、フィルタ切り換え装置49の動作を、フィルタ装置42が実施するようにしてもよい。
選択部51は、クランク角センサ17(図1)の出力に基づいて検出された現在のエンジン回転数NEに最適なフィルタを選択する。該選択されたフィルタが、フィルタ装置42により使用される。
フィルタ構成部52は、該現在のエンジン回転数NEに基づいて、3種類のハイパスフィルタを構成する。具体的には、現在のエンジン回転数用のフィルタ、該現在のエンジン回転数よりも低い回転数用のフィルタ、および該現在のエンジン回転数よりも高い回転数用のフィルタを構成し、それぞれのフィルタについて、表2を参照して説明したような方法で、カットオフ周波数を設定する。
その後にエンジン回転数が高くなれば、該高回転数用のフィルタが選択部51により選択され、エンジン回転数が低くなれば、該低回転数用のフィルタが選択部51により選択される。
こうして、検出されたエンジンの回転数に基づいて、現在の回転数用、低回転数用および高回転数用の3種類のフィルタが再構成されるので、エンジン回転数の変化に応じて、最適なカットオフ周波数を持つフィルタに速やかに切り換えることができる。
図10には、図9に示すフィルタ切り換え装置49のより具体的な動作が示されている。わかりやすくするため、選択部51は、スイッチにより示されている。
時間t1において、エンジン回転数NEが3000rpmであり、3000rpmに最適な9Hzのカットオフ周波数を持つよう構成された第1のフィルタが、選択部51により選択されている。フィルタ構成部52は、現在の回転数よりも低い1500rpmに最適な4.5Hzのカットオフ周波数を持つよう第2のフィルタを構成し、現在の回転数よりも高い4500rpmに最適な13.5Hzのカットオフ周波数を持つよう第3のフィルタを構成する。
時間t2において、エンジン回転数が、3000rpmから4500rpmに上昇したと仮定する。選択部51は、エンジン回転数の上昇に応答して、第1のフィルタから第3のフィルタへと切り換える。選択部51により選択された第3のフィルタが、フィルタ装置42により使用される。フィルタ構成部52は、他のフィルタ、すなわち選択されなかった第1および第2のフィルタを再構成する。第1のフィルタを、現在の回転数より高い6000rpmに最適な18Hzのカットオフ周波数を持つよう再構成し、第2のフィルタを、現在の回転数より低い3000rpmに最適な9Hzのカットオフ周波数を持つよう再構成する。
このように、最適なカットオフ周波数を持つハイパスフィルタによって低周波成分を取り除くことにより、筒内圧の必要な周波数成分をカットすることなく、ドリフトの周波数成分のみを効率的にカットして、得られる筒内圧信号の精度を向上させることができる。
フィルタ切り換え装置49は、当然ながら、図7の(b)に示す筒内圧検出装置に設けることもできる。
次に、図7の(a)に示されるオフセット除去装置44について、いくつかの実施例を挙げて説明する。以下の実施例は、図7の(b)に示されるオフセット除去装置48についても適用可能である点に注意されたい。
図11は、第1の実施例に従うオフセット除去装置44のブロック図を示す。サンプリング回路61は、各燃焼サイクルの所定のクランク(CRK)角度で、積分装置43の出力信号Pをサンプリングする。好ましくは、吸気行程中の所定のクランク角度で、信号Pをサンプリングする。サンプリング周期は、1燃焼サイクルの長さTnに等しい。該サンプリングにより得られた筒内圧サンプルPoffは、次のサンプリングまでサンプリング回路61に保持される。図12に、筒内圧信号Pおよび筒内圧サンプルPoffの波形を示す。図に示されるように、筒内圧サンプルPoffは、上記のオフセット量を示している。
オーバーサンプリング回路62は、筒内圧センサの出力をサンプリングする周波数Fsで、オフセット量Poffをオーバーサンプリングする。オーバーサンプリングにより、オフセット量Poffのサンプルが生成される。
移動平均回路63は、オーバーサンプリングによって新たなサンプルPoff(n)が得られるたびに、式(15)に従って、リングバッファを更新する。移動平均回路63は、その後、式(16)に従って、オフセット量Poff(k−m)〜Poff(k)を平均する。得られる移動平均値Pcompが、補正項として用いられる。
mは、好ましくは、1燃焼サイクル中におけるオーバーサンプリングの回数以上に設定される。これは、次の理由による。すなわち、mを、1燃焼サイクル中におけるオーバーサンプリングの回数より小さい値に設定すると、式(16)からも明らかなように、Poff(k−m)からPoff(k)までの値がすべて同じになり、1燃焼サイクルの途中で補正項Pcompの値が一定になる。補正項Pcompが一定になると、補正回路64により補正された筒内圧信号P(すなわち、補正済み筒内圧Pcyl)が、1燃焼サイクルの途中で不連続になるおそれがある。このような現象を回避するため、mは、1燃焼サイクル中におけるオーバーサンプリングの回数以上に設定される。
数式6
Figure 0004271652
補正回路64は、積分装置43から得られた筒内圧Pから、移動平均回路63から得られた補正項Pcompを減算し、補正済み筒内圧Pcylを算出する。こうして、オフセット量を持たない筒内圧Pcylを得ることができる。
図13を参照すると、(a)には、サンプリング回路61により得られるオフセット量Poffと、移動平均回路63の出力である補正項Pcompの波形の一例が示されている。(b)には、積分装置43から得られる筒内圧信号Pと、補正回路64から得られる補正済み筒内圧信号Pcylの波形が示されている。筒内圧信号Pを補正項Pcompで補正することにより、オフセット量を持たない補正済み筒内圧信号Pcylが算出されている。
図14は、第2の実施例に従うオフセット除去装置44のブロック図を示す。図11のオフセット除去装置と異なる点は、オフセット量算出回路72が設けられている点である。
サンプリング回路71は、サンプリング回路61と同様に動作し、積分装置43からの出力信号Pを、燃焼サイクルの所定のクランク角度でサンプリングし、オフセット量Poffを得る。
オフセット量算出回路72は、サンプリング回路71によりオフセット量Poffが算出されることに応じて、式(17)を実行し、絶対オフセット量Poff’を算出する。
絶対オフセット量Poff’=オフセット量Poff−基準値 (17)
基準値は、好ましくは、サンプリング回路71によるサンプリングと同じタイミングでサンプリングされた、吸気管圧力センサ20(図1)の出力Pbを用いる。吸気行程中は吸気バルブが開いているので、筒内圧と吸気管圧力とはほぼ同じ圧力となる。したがって、オフセット量Poffから吸気管圧力Pbを減算することにより、オフセット量の絶対値を算出することができる。
オーバーサンプリング回路73は、図11のオーバーサンプリング回路62と同様の手法で、絶対オフセット量Poff’をオーバーサンプリングする。移動平均回路74は、図11の移動平均回路63と同様の手法で、オーバーサンプリングにより得られたサンプルを移動平均する。補正回路75は、積分装置43から受け取った筒内圧信号Pから、移動平均回路74により算出された補正項Pcompを減算して、オフセット量を持たない補正済み筒内圧Pcylを算出する。
オフセット量の絶対値Poff’を用いて補正項Pcompを算出することにより、オフセット量がより正確に求められる。したがって、補正済み筒内圧Pcylを算出する精度を向上させることができる。代替的に、基準値として、エアフローメータ16(図1)の出力に基づいて算出される圧力値を用いてもよい。
なお、上記の第1および第2の実施例では、オーバーサンプリングされたオフセット量または絶対オフセット量のサンプルを平均するのに、移動平均法を用いた。代替的に、他のフィルタリング(たとえば、ローパスフィルタ)を用いてもよい。
図15は、第3の実施例に従うオフセット除去装置44のブロック図を示す。図11に示されるオフセット除去装置と異なる主な点は、コントローラ84が設けられることである。
サンプリング回路81は、補正済み筒内圧Pcylをサンプリングする。サンプリングする手法は、図11に示されるサンプリング回路61と同様であり、各燃焼サイクルの所定のクランク角度で補正済み筒内圧Pcylをサンプリングし、保持する。しかしながら、サンプリング回路61のサンプリングの対象が積分装置43の出力信号Pであるのに対し、サンプリング回路81のサンプリングの対象が、補正済み筒内圧Pcylである点に注意されたい。これは、以下に記述するコントローラ84が、該コントローラ84から出力された補正項Pcomp_SLDが反映された信号(すなわち、補正済み筒内圧Pcyl)を入力として用いる必要があるからである。
オーバーサンプリング回路82は、図11に示されるオーバーサンプリング回路62と同様の手法で、補正済み筒内圧Pcylをオーバーサンプリングする。移動平均回路83は、図11に示される移動平均回路63と同様の手法で、オーバーサンプリング回路82により生成されたサンプルを移動平均する。
コントローラ84は、移動平均回路83により算出された移動平均値Pcompのフィードバック制御を実施する。具体的には、移動平均値Pcompが目標値Pcomp_cmdに収束するように、Pcomp_SLDを算出する。目標値Pcomp_cmdは、この実施例ではゼロである。Pcomp_SLDが、補正項として用いられる。補正回路85は、補正項Pcomp_SLDを筒内圧信号Pに加算することによって、補正済み筒内圧Pcylを算出する。
コントローラ84は、フィードバック制御として、応答指定型制御を用いる。応答指定型制御は、制御量(ここでは、移動平均値Pcomp)の目標値への収束速度を指定することができる制御である。応答指定型制御によれば、移動平均値Pcompを、オーバーシュートを生じさせることなく、所望の速度で目標値に収束させることができる。この実施例では、応答指定型制御として、簡易型のスライディングモード制御を用いる。
図16は、コントローラ84のさらに詳細なブロック図である。応答指定型制御を実施するため、切り換え関数設定部91は、式(18)に示されるような切り換え関数σを設定する。Errは、式(19)に示されるように、移動平均値Pcomp(k)と目標値Pcomp_cmdとの間の偏差を示す。ここで、kは演算サイクルを示す。
σ(k)=Err(k)+POLE・Err(k−1) (18)
Err(k)=Pcomp(k)−Pcomp_cmd
(19)
POLEは、切換関数σの応答指定パラメータであり、移動平均値Pcompの収束速度を規定する。POLEは、好ましくは、−1<POLE<0を満たすよう設定される。
切換関数σ(k)=0とした式は等価入力系と呼ばれ、移動平均値Pcompの収束特性を規定する。σ(k)=0とすると、式(19)は、式(20)のように表されることができる。
Err(k)=−POLE・Err(k−1) (20)
ここで、図17を参照して、切り換え関数について説明する。縦軸がErr(k)および横軸がErr(k−1)の位相平面上に、式(20)が、線101で表現されている。この線101を切換線と呼ぶ。Err(k−1)およびErr(k)の組合せからなる状態量(Err(k−1), Err(k)))の初期値が、点102で表されているとする。応答指定型制御は、点102で表される状態量を、切換線101上に載せて該切換線101上に拘束するよう動作する。
応答指定型制御によると、状態量102を切換線101上に保持することにより、該状態量を、外乱等の影響されることなく、極めて安定的に位相平面上の原点0に収束させることができる。言い換えると、状態量(Err(k−1), Err(k))を、式(20)に示される入力の無い安定系に拘束することにより、外乱に対してロバストに、偏差Errをゼロに収束させることができる。
この実施例では、切換関数σに関する位相空間が2次元であるので、切換線は直線101で表される。位相空間が3次元である場合には、切換線は平面で表され、位相空間が4次元以上になると、切換線は超平面となる。
応答指定パラメータPOLEは、可変に設定することができる。応答指定パラメータPOLEを調整することにより、偏差Errの収束速度を指定することができる。
図17の(b)を参照すると、参照番号105、106および107は、応答指定パラメータPOLEが、それぞれ、−1、−0.8、−0.5の場合の偏差Errの収束速度を示す。応答指定パラメータPOLEの絶対値が小さくなるにつれ、偏差Errの収束速度は速くなる。
図16に戻り、到達則算出部92は、式(21)に示されるように、切換関数σの比例項により表される到達則入力Urchを算出する。到達則入力Urchは、状態量を切り換え線上に載せるための入力である。適応則算出部93は、式(22)に示されるように、切換関数σの積算項で表される適応則入力Uadpを算出する。適応則入力Uadpは、定常偏差を抑制しつつ、状態量を切換線に載せるための入力である。KrchおよびKadpは、フィードバックゲインであり、それぞれ、シミュレーション等によって予め定められる。加算器94は、式(23)に示されるように、到達則入力Urchと適応則入力Uadpとを加算する。こうして、補正項Pcomp_SLDが算出される。
数式7
Figure 0004271652
図15に示されるように、補正項Pcomp_SLD(k)は、補正回路85にフィードバックされる。補正回路85は、受け取った補正項Pcomp_SLD(k)を、次のサイクルで得た筒内圧信号P(k+1)に加算し、補正済み筒内圧Pcyl(k+1)を算出する。該補正済み筒内圧Pcyl(k+1)に基づいて、再び、補正項Pcomp_SLD(k+1)が算出され、補正回路85にフィードバックされる。
図18を参照して、応答指定型制御を用いた場合の効果について説明する。(a)は、サンプリング回路81によって生成されるオフセット量Poffと、移動平均回路83によって算出される移動平均値Pcompの波形を示す。移動平均値Pcompには、領域111および112に示されるように、燃焼サイクル間にわたって不連続性が生じている。これは、オフセット量Poffが燃焼サイクルごとに算出されることに起因する。すなわち、1燃焼サイクル中、オフセット量Poffが一定であることに起因する。このような不連続な波形で表される移動平均値Pcompを補正項として筒内圧Pを補正すると、補正済み筒内圧Pcylの波形に不連続性が現れるおそれがある。これは、補正済み筒内圧を周波数分解する処理等において好ましくないことがある。応答指定型制御を用いれば、このような不連続性を解消することができる。
(b)は、コントローラ84により算出される補正項Pcomp_SLDを示す。応答指定型制御により、移動平均値Pcompが漸近的に目標値になるよう補正項Pcomp_SLDが算出されるので、補正項Pcomp_SLDは、連続した波形として得られる。補正項Pcomp_SLDが不連続性を持たないので、筒内圧Pcylの波形に、不所望の不連続性が現れることを回避することができる。
(c)は、コントローラにより算出された補正項Pcomp_SLDで補正された筒内圧Pcylを示す。筒内圧信号Pと比較して明らかなように、補正済み筒内圧Pcylはオフセット成分を持たない。
図19は、第4の実施例に従うオフセット除去装置44のブロック図を示す。図15のオフセット除去装置と異なる点は、オフセット量算出装置122が設けられている点である。
サンプリング回路121は、図15のサンプリング回路81と同様に動作し、補正済み筒内圧Pcylを、燃焼サイクルの所定のクランク角度でサンプリングし、オフセット量Poffを算出する。
オフセット量算出装置122は、サンプリング回路121によりオフセット量Poffが算出されることに応じて、式(24)を実行し、絶対オフセット量Poff’を算出する。
絶対オフセット量Poff’=オフセット量Poff−基準値 (24)
前述したように、基準値は、好ましくは、サンプリング回路121によるサンプリングと同じタイミングでサンプリングされた、吸気管圧力センサ20(図1)の出力Pbを用いる。
オーバーサンプリング回路123は、図15のオーバーサンプリング回路82と同様の手法で、絶対オフセット量Poff’をオーバーサンプリングする。移動平均回路124は、移動平均回路83と同様の手法で、オーバーサンプリングにより得られたサンプルを移動平均する。コントローラ125は、コントローラ84と同様の手法で、移動平均値Pcompを目標値Pcomp_cmdに収束させるための補正項Pcomp_SLDを算出する。ここで、目標値Pcomp_cmdには、吸気管行程中にサンプリングされた吸気管圧力Pbが設定される。補正回路126は、積分装置43から出力される筒内圧Pから、コントローラ125で算出された補正項Pcomp_SLDを加算して、オフセット量を持たない補正済み筒内圧Pcylを算出する。
次に、図20〜図25を参照して、本発明の一実施例に従う、補正済み筒内圧Pcylを算出するプロセスを説明する。該プロセスは、典型的には、図7の(a)に示される機能ブロックにより実施されることができる。また、オフセットを除去するプロセスは、第4の実施例に従うオフセット除去装置により実施されるプロセスに基づいている。しかしながら、当業者ならば、第1、第2および第3の実施例のオフセット除去装置に対応するように、該プロセスを修正することができることは、明らかであろう。
図20は、オフセット量Poffのサンプルを取得するプロセスを示す。該プロセスは、1燃焼サイクル中の所定のクランク角度において行われる。ステップS1において、クランク角センサ17から検出されたクランク角CRKが、所定値Dsampleに達したかどうかを判断する。クランク角CRKが所定値Dsampleに達したならば、ステップS2において、補正済み筒内圧Pcylをサンプリングして、オフセット量としてPoff(n)にセットする。さらに、吸気管圧力センサの検出値Pbを取得する。ステップS3において、オフセット量Poff(n)から吸気管圧力Pb(n)を減算し、絶対オフセット量Poff(n)を算出する。
図21は、補正済み筒内圧Pcylを算出するプロセスのメインルーチンを示す。該プロセスは、筒内圧センサの出力をサンプリングする周波数Fsで実行される。
ステップS11において、筒内圧センサの出力信号dPにハイパスフィルタを適用するプロセス(図22)を実行する。ステップS12において、ハイパスフィルタの出力dPHを積分するプロセス(図23)を実行し、筒内圧Pを算出する。
ステップS13において、前述した式(15)に示されるように、図20のステップS3で得られた絶対オフセット量Poffによりリングバッファを更新する。図21のプロセスがサンプリング周波数Fsで実行されるので、ステップS13により、絶対オフセット量がオーバーサンプリングされることとなる。ステップS14において、前述した式(16)に従って、移動平均値Pcompを算出する。ステップS15において、応答指定型制御(図24)を実施し、補正項Pcomp_SLDを算出する。ステップS15において、補正項Pcomp_SLDを、ステップS12で算出した筒内圧Pに加算し、補正済み筒内圧Pcylを算出する。
図21は、ステップS11において実行されるハイパスフィルタのプロセスを示す。この実施例では、ハイパスフィルタの次数は3である。ステップS21において、ハイパスフィルタの入力用のリングバッファを更新する。具体的には、筒内圧センサの出力の今回値dP(n)をバッファdP(k)に記憶するために、バッファdP(k−(m−1))の値をバッファdP(k−m)にスライドし、バッファdP(k−(m−2))の値をバッファdP(k−(m−1))にスライドし、...バッファdP(k)の値をバッファdP(k−1)にスライドする。
ステップS22において、式(25)に従ってフィルタリングを実行し、出力dPHを算出する。
dPH(n)=b0×dP(k)+b1×dP(k-1)+b2×dP(k-2)+b3×dP(k-3)
+a1×dPH(k-1)+a2×dPH(k-2)+a3×dPH(k-3) (25)

a1、a2およびa3は、フィードバック項であり、b0、b1、b2およびb3は、フィードフォワード項である。これらの値は、たとえば前述した式(8)のように、フィルタの特性に従って決められる。
ステップS23において、ハイパスフィルタの出力用のリングバッファを更新する。これは、式(25)に示されるように、ハイパスフィルタの出力を算出するのに、該ハイパスフィルタの出力の過去値を用いているからである。リングバッファの更新は、ステップS21と同様の手法で行われる。
図23は、ハイパスフィルタの出力dPHを積分するプロセスを示す。ステップS31において、式(26)に示されるように、サンプリング周波数Fsに基づいて、サンプリング間隔Tを求める。
数式8
Figure 0004271652
ステップS32およびS33において、筒内圧の積分値Pを算出する。具体的には、ステップS32において、ハイパスフィルタの出力dPH(k)に、サンプリング間隔T(秒)を乗算する。ステップS33において、筒内圧の前回値P(k−1)に、T秒あたりのハイパスフィルタの出力値dPH(k)を加算し、筒内圧の今回値P(k)を算出する。
図24は、応答指定型制御により、補正項Pcomp_SLDを算出するプロセスを示す。
ステップS51において、偏差の現在値Err(k)を、前回値Err(k−1)として保存する。ステップS52において、前述した式(19)に従い、図21のステップS14で算出された移動平均値Pcomp(k)と目標値Pcomp_cmdとの偏差Err(k)を算出する。
ステップS53において、前述した式(18)に従い、切換関数σを算出する。ステップS54において、式(21)に従い、到達則入力Urchを算出する。ステップS55において、切り換え関数の積算値の前回値G(k−1)に、切り換え関数σ(k)を加算して、切り換え関数の積算値の今回値G(k)を算出する。ステップS56において、上記の式(22)に従い、適応則入力Uadpを算出する。ステップS57において、上記の式(23)に従い、補正項Pcomp_SLDを算出する。
代替的に、応答指定型制御とは異なる制御手法、たとえばバックステッピング法、または最適制御などを用いて、補正項Pcomp_SLDを算出してもよい。
本発明は、汎用の(例えば、船外機等の)内燃機関に適用可能である。
この発明の一実施例に従う、エンジンおよびその制御装置を概略的に示す図。 この発明の一実施例に従う、筒内圧センサの取り付けを示す図。 この発明の一実施例に従う、体積変化率の波形および周波数成分を示す図。 この発明の一実施例に従う、体積変化率のフーリエ係数の値を示す図。 この発明の一実施例に従う、ハイパスフィルタの特性を示す図。 この発明の一実施例に従う、ハイパスフィルタを適用することの効果を説明するための図。 (a)この発明の第1の実施例に従う筒内圧検出装置のブロック図、および(b)この発明の第2の実施例に従う筒内圧検出装置のブロック図。 この発明の一実施例に従う、エンジン回転数に応じてカットオフ周波数を切り換えない場合の問題点を説明するための図。 この発明の第3の実施例に従う、フィルタ切り換え装置を備えた筒内圧検出装置のブロック図。 この発明の第3の実施例に従う、フィルタ切り換え装置による切り換え動作を具体的に示す図。 この発明の第1の実施例に従う、オフセット除去装置のブロック図。 この発明の第1の実施例に従う、筒内圧Pおよびオフセット量Poffの波形を示す図。 この発明の第1の実施例に従う、オフセット量Poff、移動平均値Pcomp、および筒内圧Pcylの波形を示す図。 この発明の第2の実施例に従う、オフセット除去装置のブロック図。 この発明の第3の実施例に従う、オフセット除去装置のブロック図。 この発明の第3の実施例に従う、コントローラのブロック図。 この発明の第3実施例に従う、(a)応答指定型制御の切換関数、および(b)応答指定パラメータを示す図。 この発明の一実施例に従う、応答指定型制御を用いる場合の効果を説明するための図。 この発明の第4の実施例に従う、オフセット除去装置のブロック図。 この発明の一実施例に従う、オフセット量Poffを算出するプロセスのフローチャート。 この発明の一実施例に従う、補正済み筒内圧Pcylを算出するプロセスのフローチャート。 この発明の一実施例に従う、ハイパスフィルタを適用するプロセスのフローチャート。 この発明の一実施例に従う、ハイパスフィルタの出力を積分するプロセスのフローチャート。 この発明の一実施例に従う、応答指定型制御のフローチャート。 従来技術に従う、筒内圧センサの出力を積分する回路。 筒内圧のドリフトを示す図。 従来技術に従う、リセット手段を備える、筒内圧センサの出力を積分する回路。 従来技術に従う、リセット操作による筒内圧波形への影響を示す図。
符号の説明
1 ECU
2 エンジン
8 燃焼室
15 筒内圧センサ

Claims (8)

  1. エンジンの筒内圧の変化率に応じた信号を出力する筒内圧センサと、
    前記筒内圧センサの出力信号から、前記エンジンを制御するのに必要とされる筒内圧を構成する周波数よりも低い周波数成分をカットするよう、該筒内圧センサの出力信号をフィルタリングするフィルタ装置と、
    前記フィルタ装置によってフィルタリングされた後の前記筒内圧センサの出力信号を積分して、筒内圧信号を算出する積分装置と、
    前記積分装置により算出された前記筒内圧信号のオフセット成分を除去するオフセット除去装置と、を備え、
    前記オフセット除去装置は、さらに、
    第1のサイクルで、前記積分装置により算出された筒内圧信号を、オフセット量としてサンプリングするサンプリング手段と、
    前記オフセット量を、前記第1のサイクルよりも短い第2のサイクルでサンプリングするオーバーサンプリング手段と、
    前記オーバーサンプリング手段により得られたオフセット量のサンプルを平均して、平均値を算出する平均手段と、
    前記平均値を、前記積分装置により算出された筒内圧信号から減算することにより、該筒内圧信号のオフセット成分を除去する手段と、
    を備える、筒内圧検出装置。
  2. エンジンの筒内圧の変化率に応じた信号を出力する筒内圧センサと、
    前記筒内圧センサの出力信号から、前記エンジンを制御するのに必要とされる筒内圧を構成する周波数よりも低い周波数成分をカットするよう、該筒内圧センサの出力信号をフィルタリングするフィルタ装置と、
    前記フィルタ装置によってフィルタリングされた後の前記筒内圧センサの出力信号を積分して、筒内圧信号を算出する積分装置と、
    前記積分装置により算出された前記筒内圧信号のオフセット成分を除去するオフセット除去装置と、を備え、
    前記オフセット除去装置は、さらに、
    前記積分装置により算出された筒内圧信号を補正項で補正することにより、補正済み筒内圧を算出する補正手段と、
    前記補正済み筒内圧に基づいて前記補正項を算出し、該補正項を前記補正手段にフィードバックする補正項算出手段と、を備えており、
    前記補正項算出手段は、さらに、
    前記補正済み筒内圧を、オフセット量として、第1のサイクルでサンプリングする手段と、
    前記オフセット量を、前記第1のサイクルよりも短い第2のサイクルでオーバーサンプリングする手段と、
    前記オーバーサンプリング手段によって得られた前記オフセット量のサンプルを平均して、平均値を算出する手段と、
    前記平均値を所定の目標値に収束させるための前記補正項を算出する手段と、
    を備える、筒内圧検出装置。
  3. 前記フィルタ装置は、さらに、前記エンジンを制御するための必要とされる筒内圧を構成する周波数よりも低い周波数成分であって、かつ、ドリフトを構成する周波数成分をカットするよう、該筒内圧センサの出力信号をフィルタリングする、
    請求項1または2に記載の筒内圧検出装置。
  4. 前記フィルタ装置は、検出された前記エンジンの回転数に従って、前記フィルタのカットオフ周波数を変更する、
    請求項1から3のいずれかに記載の筒内圧検出装置。
  5. さらに、前記筒内圧センサの出力信号を、前記エンジンの回転に同期してサンプリングするサンプリング手段を備え、
    前記フィルタ装置は、前記サンプリングされた前記筒内圧センサの出力信号をフィルタリングする、
    請求項1から4のいずれかに記載の筒内圧検出装置。
  6. 前記オフセット除去装置は、さらに、
    前記オフセット量から所定の基準値を減算して、絶対オフセット量を算出する手段を備え
    前記オーバーサンプリング手段は、前記絶対オフセット量を、前記第1のサイクルよりも短い第2のサイクルでオーバーサンプリング
    前記平均手段は、前記オーバーサンプリング手段により得られた絶対オフセット量のサンプルを平均して、前記平均値を算出する、
    請求項1、3、4および5のいずれかに記載の筒内圧検出装置。
  7. 前記補正項算出手段は、さらに、
    前記オフセット量から所定の基準値を減算して、絶対オフセット量を算出する手段を備え
    前記オーバーサンプリング手段は、前記絶対オフセット量を、前記第1のサイクルよりも短い第2のサイクルでオーバーサンプリング
    前記平均手段は、前記オーバーサンプリング手段により得られた絶対オフセット量のサンプルを平均して、前記平均値を算出する、
    請求項2から5のいずれかに記載の筒内圧検出装置。
  8. 前記所定の基準値は、燃焼サイクルの吸気行程における吸気管の圧力である、請求項6または7に記載の筒内圧検出装置。
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