JP4271154B2 - 音響計測装置 - Google Patents
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Description
また、このようなマイクロホンアレイを用いた音響計測装置としては、マイクロホンアレイを用いて測定した空間的な音圧分布を画像化する音響計測装置(たとえば特許文献2)や、マイクロホンアレイを用いて測定した空間的な音圧分布より音源方向を推定する音響計測装置(たとえば特許文献3)が知られている。
このようにすることにより、マイクロホンの配置パターンに依存して生じる第1マイクロホンアレイを用いた音圧分布計測におけるサイドロープのパターンと、第2マイクロホンアレイを用いた音圧分布計測におけるサイドロープのパターンを異ならせることができる。また、これにより両者のエンドロープによって生じる虚像のパターンを異ならせることができる。したがって、最終音圧レベル分布算出手段の前記第1音圧レベル分布と前記第2音圧レベル分布とに基づいて、前記第1音圧レベル分布と前記第2音圧レベル分布の一方のみにおいて大きな値を示している音圧レベルを抑制することにより、最終的な音圧レベル分布を算出する処理によって、第1マイクロホンアレイや第2マイクロホンアレイのサイドロープに起因する虚像をキャンセルし、より適正な音圧レベル分布の観測を行うことができるようになる。
図1に、本実施形態に係る音響計測装置の構成を示す。
図示するように、音響計測装置は、カメラ1、第1マイクロホンアレイ2、第2マイクロホンアレイ3、第1マルチチャネルFET4、第2マルチチャネルFET5、第1音圧分布解析部6、第2音圧分布解析部7、反射音除去部8、音圧分布出力部9、GUI制御部10、表示装置11、入力装置12とを有している。
図1に戻り、第1マルチチャネルFET4は、第1マイクロホンアレイ2の各マイクロホン毎に、マイクロホン13が出力する音信号に対してFET処理を施しマイクロホン13が収音した音の周波数帯域毎の音圧レベルを算出する。そして、第1音圧分布解析部6は、第1マルチチャネルFET4が算出した各マイクの周波数帯域毎の音圧レベルより、ビームフォーマー法などにより計測角度範囲内の各方向の音圧レベル分布を周波数帯域毎に算出する。
以下、このような音響計測装置における計測動作を、図2bに示すように、自動車車内に、第1マイクロホンアレイ2と第2マイクロホンアレイ3を配置して、自動車のダッシュボード付近の音圧レベルを計測する場合について説明する。
いま、第1マイクロホンアレイ2と第2マイクロホンアレイ3の水平方向の計測角度範囲(合成範囲)が図3aに示すように、θmaxから-θmaxであるとする。そして、図示するように音源301がダッシュボード付近の、第1マイクロホンアレイ2からθ1の方向、第2マイクロホンアレイ3からθ2の方向の位置にあるものとする。
そこで、反射音除去部8では、音圧レベル分布c1と音圧レベル分布c2における反射音の音圧レベル分布位置の違いを利用し、音圧レベル分布より反射音の音圧レベルを除去または抑制した音圧レベル分布を算出する。すなわち、たとえば、音圧レベル分布c1と音圧レベル分布c2を加算して平均すれば(相加平均を求めれば)音圧レベル分布c3に示すように音源301からの直接音の音圧レベルが大きくなり、反射音の音圧レベルが抑制された音圧レベル分布を得ることができる。ただし、このような音圧レベル分布c1と音圧レベル分布c2における反射音の音圧レベル分布位置の違いを利用し、音圧レベル分布より反射音の音圧レベルを除去した音圧レベル分布を算出するアルゴリズムとしては、相加平均のアルゴリズム、たとえば、音圧レベル分布c1と音圧レベル分布c2との相乗平均を求める相乗平均アルゴリズムや、音圧レベル分布c1と音圧レベル分布c2の双方を時間的に積算して平均化する積算平均などを用いてもよい。
さて、図1に戻り、音圧分布レベル出力部は、ユーザ操作に応じて、ユーザから指定された周波数帯域について反射音除去部8が算出した音圧レベル分布を示す音圧レベル分布画像を、GUI制御部10を介して表示装置11に表示したり、音圧レベル分布画像をカメラ1が撮影した撮影画像上に予め定めておいた方向と画素座標の対応に従って重畳表示した重畳表示画像を、GUI制御部10を介して表示装置11に表示する。
なお、図4bは、反射音の除去を行わなかった場合、すなわち、反射音除去部8が算出した音圧レベル分布に代えて第1音圧分布解析部6が算出した音圧レベル分布を撮影画像上に重畳表示した重畳表示画像を示しており、この場合には、402として示したように反射音の音圧レベルも大きなレベルとして表示されることになる。
ここで、図5に、第1マイクロホンアレイ2と第2マイクロホンアレイ3のマイクロホン13の配置パターンの具体例を示す。
図5a1は第1マイクロホンアレイ2の外観を、図5a2は第1マイクロホンアレイ2におけるマイクロホン13の配置パターンを、図5b1は第2マイクロホンアレイ3の外観を、図5b2は第1マイクロホンアレイ2におけるマイクロホン13の配置パターンを示すものである。
以上のように本実施形態によれば、狭い閉空間などにおいて、同軸状に離間して配置した第1マイクロホンアレイ2の位置と第2マイクロホンアレイ3の位置とで反射音源位置や方向が異なって観測されることを利用して、反射音を抑制した音圧レベル分布の算出を行うことができる。
Claims (3)
- 第1マイクロホンアレイと、
前記第1マイクロホンアレイと離間して同軸状に配置された第2マイクロホンアレイと、
第1マイクロホンアレイで収音した音信号より空間的な音圧レベルの分布を表す第1音圧レベル分布を算出する第1音圧レベル分布算出手段と、
第2マイクロホンアレイで収音した音信号より空間的な音圧レベルの分布を表す第2音圧レベル分布を算出する第2音圧レベル分布算出手段と、
前記第1音圧レベル分布と前記第2音圧レベル分布との相加平均または積算平均または相乗平均を、最終的な音圧レベル分布として算出する最終音圧レベル分布算出手段とを有することを特徴とする音響計測装置。 - 請求項1記載の音響計測装置であって、
音圧レベル分布を算出する範囲を撮影するカメラと、
前記カメラが算出した画像上に、前記最終音圧レベル分布算出手段が算出した最終的な音圧レベル分布を表す画像を重畳表示した画像を生成し表示する音圧レベル分布表示手段とを有することを特徴とする音響計測装置。 - 請求項1または2記載の音響計測装置であって、
前記第1マイクロホンアレイにおけるマイクロホンの配置パターンと、前記第2マイクロホンアレイにおける配置パターンとは相互に異なることを特徴とする音響計測装置。
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