JP4269498B2 - スピーカ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は磁石を磁気的に反発させた磁気回路を有する動電型のスピーカに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、音響機器等の省スペース化に伴い、これらに搭載されるスピーカも小型軽量化の要求が高まっている。スピーカの小型軽量化には磁気回路の小型化が有効であるため、エネルギー積の高いNd−Fe−B系磁石が用いられることが多くなっている。Nd−Fe−B系磁石は高価であるためコスト面からも磁気回路は高効率であることが要求される。また、特に車載用スピーカでは可聴帯域全体を再生するフルレンジスピーカが数多く使用されている。
【0003】
ここで、従来のスピーカについて図5を用いて説明する。図中の21はトッププレート、22はアンダープレート23上に載置され垂直方向に着磁された磁石、24はヨーク、25はボイスコイルボビン26に巻回されたボイスコイル、27は上記ボイスコイルボビン26に内周が結合された振動板、28は上記振動板27の外周に結合されたエッジ、29は内周が上記ボイスコイルボビン26に結合され外周がフレーム30に結合されたダンパー、31はダストキャップである。トッププレート21の外周面とヨーク24の内周面とで磁気空隙aが形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、磁気回路は磁石22を内部に有する内磁型構造が効率が良いとされ、小型軽量化に有利である。しかしながら、内磁型で高効率の磁気回路を実現するには、磁石22の直径を磁気空隙aを形成するトッププレート21と等しくして、トッププレート21の下面に配置した磁石22からの磁束が磁気空隙aのみに漏れ出る構造としなければならない。
【0005】
また、フルレンジスピーカとするためにはボイスコイル25とボイスコイルボビン26とダストキャップ31から構成される振動系が軽量であることが必要であるため、ボイスコイル25も軽量でなければならない。ボイスコイル25の直流抵抗を一定にしてボイスコイル25を軽量化するには細い線径で短い線長とすることとなる。従って、フルレンジスピーカではボイスコイル25の直径は小さいものとなる。ボイスコイル25は磁気空隙aに存在し、電気信号に応じて駆動力を発生し、ボイスコイルボビン26を通じて駆動力を振動板27に伝達するものであるから、高効率の内磁型の磁気回路を用いたフルレンジスピーカとするには、その磁石22の直径は必然的にボイスコイル25のそれより小さくなってしまう。
【0006】
したがって、磁石22の直径が小さいために磁気空隙aに供給される磁束量が少なくボイスコイル25に発生する駆動力も小さくなるものとなっていた。すなわち、スピーカの能率が低くなり、十分な音量を得ることができなかった。
【0007】
逆に、十分な駆動力を得るには磁石22の直径を大きくすればよいが、磁気回路の効率が低下し、重量、体積、コストが大きくなってしまう。また、ボイスコイル25の線径を大きくして線長によって駆動力を大きくするとボイスコイル25が重くなるという課題が有り、小型軽量の磁気回路で十分な能率を有するフルレンジスピーカを実現することは困難であった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の請求項1に記載の発明は、少なくともセンタープレートと、上記センタープレートの下面および上面に磁気的に反発する方向で夫々配置された第1の磁石および第2の磁石と、上記第2の磁石の上面に配置されたトッププレートと、上記第1の磁石の下面に配置されたアンダープレートと、上記アンダープレートの外周部に一体にまたは別体のものを結合して上記センタープレートの外周面との間に磁気空隙を形成するヨークと、上記磁気空隙中に嵌め込まれたコイル部を有するボイスコイルと、上記ボイスコイルに内周が接着結合された振動板と、上記振動板の外周部に接合されたエッジと、上記ボイスコイルまたは上記振動板に接合されて上記ボイスコイルを支持するダンパーと、上記ヨークと上記ダンパーの外周部と上記エッジの外周部が夫々接合されたフレームとを備え、上記第2の磁石と上記トッププレートが環状であり、上記第2の磁石と上記トッププレートの内径および外径が略等しく、且つ、上記第2の磁石と上記トッププレートの外径を上記センタープレートの外径よりも小さくするとともに、上記センタープレートの上面に上記第2の磁石と係合する凸部を設け、上記センタープレートと、上記第1の磁石と、上記アンダープレートの中心部に孔を設け、非磁性の棒状あるいは円筒状のリベットを上記アンダープレートの下面から上記センタープレートの上面まで通し、このリベットをかしめて上記アンダープレートと上記第1の磁石と上記センタープレートを結合し、上記センタープレートの孔の直径と上記アンダープレートの孔の直径が略等しく、更に少なくとも上記第1の磁石の孔の直径以下に設定するとともに、上記リベットの直径と上記第1の磁石の孔の直径の差によって生じる上記第1の磁石の偏心による上記第1の 磁石の外周面と上記ヨークの内周面とで形成される最小幅を磁気空隙の幅以上としたスピーカであり、センタープレートの上面に第2の磁石を磁気的に反発するように配置したことで、磁気空隙に効率よくかつ十分な磁束を供給でき、小型軽量の磁気回路で十分な能率を有するスピーカとするとともに、さらに、第2の磁石を環状としたことで磁石の厚みを増大することなく動作点を高く設定でき、しかも、第2の磁石の上面に環状のトッププレートを設けたことで、磁石内の動作点を均一化できるため、高温減磁し難いものとし、また、センタープレートの凸部が第2の磁石の外周部あるいは内周部と実質的に嵌合する構成とすることで、工法的に容易となるだけでなく、第2の磁石の水平方向のズレ防止のガイドになり、製品の信頼性向上に寄与させることができ、またリベットによってセンタープレートと第1の磁石とアンダープレートを強力に結合できるため製品の信頼性を向上させることができるものである。さらに、通常接着により接合していたこれらの部位を接着レス化することが可能になり、接着層の存在によって生じていた磁気抵抗を省くことができるため、磁気回路の効率を高めることができ、さらに、たとえ第1の磁石が最大の偏心が発生しても、スピーカの駆動時にボイスコイルおよびボイスコイルボビンが移動する磁気空隙の幅よりも第1の磁石の外周面とヨーク内周面とで形成される空隙が大きいため、これらの移動を阻害することがなく、また、一般的に磁石の孔の寸法精度を上げるには研磨加工を必要とするためコスト高になるが、このような構成をとることで、第1の磁石の孔の高精度加工も不要となり、工法的にも容易となる利点を有する優れたスピーカの提供を可能とするものである。
【0009】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスピーカにおいて、センタープレートの凸部と第2の磁石の係合部位の隙間により生じる上記第2の磁石の最大偏心時においても上記第2の磁石の下面全体が上記センタープレートの上面内にあるように設定したものであり、第2の磁石とトッププレートの凸部の嵌合に隙間を意図的に設けて工法的な容易さを向上させるとともに、スピーカとしての性能の劣化を発生させることのないスピーカの提供を可能としたものである。
【0010】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のスピーカにおいて、センタープレートの凸部を円板状または環状としたものであり、凸部によって第2の磁石の水平方向のずれを防ぐとともに、凸部の形成を円板状や環状として製作の容易化を図ったものである。
【0011】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のスピーカにおいて、センタープレートの凸部を複数個同心円状に設けたものであり、第2の磁石の水平方向のズレ防止のガイドになるとともに、センタープレートの凸部を複数個部分的に配置することで、第2の磁石との接触面積を減少させ、第2の磁石からのセンターポールの凸部への磁気漏洩を低減して、第2の磁石の磁束をより磁気空隙側へ集中できるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施の形態について図1〜図4により説明する。
【0013】
本発明の実施の形態について説明すると、図1は本発明のスピーカの実施の形態1の半断面図であり、図2(a)および図2(b)は同展開例の要部である磁気回路の半断面図である。
【0014】
同図によると1は中央上部に凸部1aを設けたセンタープレートであり、2はセンタープレート1の下面に接着により結合された垂直方向に着磁された第1の磁石であり、3は上記第1の磁石2とは磁気的に反発するよう垂直方向に着磁された上記センタープレート1の上面に接着により結合された環状の第2の磁石であり、4は上記第2の磁石3上に接着により結合されたトッププレートであり、5は上記第1の磁石2の下面に接着結合されたアンダープレートであり、6は上記アンダープレート5の周面に結合されるかまたは上記アンダープレート5に一体に形成されたヨークであり、8は下端に巻回したコイル部7を有するボイスコイルであり、12は上記ヨーク6に接着結合されたフレームであり、11は上記フレーム12に外周が接着結合され、内周が上記ボイスコイル8に接着結合されて上記ボイスコイル8を支持するダンパーであり、9は上記フレーム12にエッジ10を介して外周が接着結合され、内周が上記ボイスコイル8に接着結合された振動板である。なお、13はダストキャップである。
【0015】
次に上記実施の形態の詳細な構成を動作とともに説明する。
【0016】
まず、磁気回路について説明すると、第1の磁石2から放出される磁束は、センタープレート1の下面へ流入し、センタープレート1の外周面とヨーク6の内周面とで形成される磁気空隙Aを通過し、ヨーク6およびアンダープレート5を経由して第1の磁石へ帰還する。一方、第2の磁石3から放出される磁束は、センタープレート1の上面へ流入し、その大部分は磁気空隙Aを通過し、ヨーク6およびトッププレート4を経由してから第1の磁石2へ帰還する。
【0017】
以上のように、第1の磁石2と第2の磁石3を磁気的に反発させ、センタープレート1、すなわち磁気空隙Aの近傍へ配置することで、第1の磁石2と第2の磁石3から放出される磁束の大部分が磁気空隙Aへ漏れ出る構造とすることができるため、高効率な磁気回路を実現できる。
【0018】
また、第2の磁石3はヨーク6とトッププレート4間の間隙が大きく磁気抵抗が増大するため、第2の磁石3の動作点(パーミアンス係数)は第1の磁石2のそれに比べて低い値になってしまう。一般に、磁石の動作点は磁気回路の磁気抵抗が大きいほど低下し、着磁方向の厚みが小さいほど低下する。
【0019】
しかしながら、本発明のように第2の磁石3を環状として着磁方向の厚みを第2の磁石3全体からみて相対的に厚くとることで、動作点を高く設定できる。また、環状のトッププレート4を設けることで、第2の磁石3の内部の磁束密度を均一化でき、動作点の安定化を図ることができる。さらに、スピーカの動作点には特に大入力時にコイル部7の発熱により第1の磁石2および第2の磁石3も高温となる。小型の磁気回路を実現するため、高エネルギーのNd−Fe−B系の磁石を用いると動作点が低い場合に高温減磁が問題となるが、環状の第2の磁石3と環状のトッププレート4は上述の構成により第2の磁石3の動作点の安定確保を図り、高温減磁を抑制するものとしている。
【0020】
また、ボイスコイル8の駆動力はコイル部7に音声信号として入力した電気信号に応じて発生するが、この駆動力は磁気空隙Aの磁束密度が大きいほど大きく、さらにコイル部7の線長が長いほど大きくなる。
【0021】
しかしながら、可聴帯域全体を一つのスピーカで再生するフルレンジスピーカの場合には、振動系が軽量であることが必要であり、比重のある金属の線輪を有するコイル部7も軽量でなければならず、必然的にコイル部7の線径は小さく、その線長を短くしてある特定の直流抵抗値を持つコイル部7とするため、コイル部7を小さく設計することになる。コイル部7は磁気空隙Aに配置されるから、第1の磁石2の直径はコイル部7のそれより小さくなってしまうが、本発明のように反発した第2の磁石3を配置することで、磁気空隙Aに十分な磁束、すなわち磁束密度が得られるため、小型の磁気回路で十分な駆動力を有するフルレンジスピーカが可能となる。
【0022】
次に、センタープレート1上の凸部1aの機能について説明すると、センタープレート1と第2の磁石3を接着により接合(結合)すると第2の磁石3が環状のため接着面積が小さく、その接着強度は必ずしも大きいものではない。センタープレート1の上面と第2の磁石3の下面には磁気的吸引力が働くため垂直方向にこれらが外れる可能性は極めて小さい。したがって、スピーカの製品としての信頼性を高めるには第2の磁石3の結合時の横ズレを防止して、コイル部7やボイスコイル8との衝突を回避することが必要となる。
【0023】
センタープレート1の中央部に設けた凸部1aと第2の磁石3とを嵌合させる構造とすることで、第2の磁石3の水平方向のズレを防ぎ、製品の信頼性を高めることができるだけでなく、センタープレート1の凸部1aが第2の磁石3のガイドになるため磁気回路の組立が容易となる(この時、後述するこの凸部1aによる磁気抵抗の影響が無視できる範囲であれば、このセンタープレート1の凸部1aをトッププレート4を組み込む時のガイドとしても良い。)。
【0024】
なお、センタープレート1と第2の磁石3の組立を工法的にさらに容易にするには、センタープレート1の凸部1aの外径と第2の磁石3の内径に若干の隙間を設けて容易に嵌合するようにすれば良い。この時、第2の磁石3はこの隙間によって偏心することになるが、この偏心が第2の磁石3の下面が必ずセンタープレート1の上面の範囲内に存在するように寸法関係を設定することによりコイル部7やボイスコイル8の振動を第2の磁石3が妨げることがない。
【0025】
なお、上記関係は第2の磁石3上のトッププレート4もコイル部7やボイスコイル8の振動を妨げない位置に設定されているが、できるだけ大きくすることでヨーク6との間の磁気抵抗を極力小さくし、上記第2の磁石3から放出される磁束による磁気回路の磁束密度を大きくし磁気回路の効率をより向上させることが可能となる。
【0026】
さらに、第2の磁石3の上部とセンタープレート3の凸部の磁気抵抗を大きく確保するために、この間の磁束量を増大させないように凸部の高さを比較的低く設定することが肝要である。
【0027】
なお、図1ではセンタープレート3の中央部に部品工法的にも容易で、単純形状の円板状の凸部1aを設けて第2の磁石3の内周側を嵌合したが、これに限るものでなく、例えば、展開例として図2(a)、図2(b)に要部である磁気回路のみ示すが、図2(a)に示すようにセンタープレート1に設けた凸部は環状の凸部1bとしてもよく、同図2(b)に示すようにセンタープレート1の外周部に設けた環状の凸部1cとしても良いものであり、これら第2の磁石3の外周部と嵌合させてもよいものである。
【0028】
なお、図1に示した振動板9、エッジ10、ダンパー11、フレーム12、ダストキャップ13は一般的なもので一例を示したまでであり、これにかぎるものでなくともよいことは言うまでもないことである。
【0029】
他の実施の形態について説明すると、図3(a)は本発明のスピーカの実施の形態2の要部である磁気回路の上面図であり、図3(b)は同断面図である。上述の実施の形態と同一部分には同一番号を付して説明を省略して説明する。
【0030】
上述の実施の形態との相違点は凸部1dを設けた点であり、凸部1dを環状の第2の磁石3の内周に当接するように同心状に複数個設けたものである。
【0031】
以上のようにセンタープレート1の上面の凸部1dを複数個設けたため、凸部1dの上面の総面積を実施の形態1に比べより小さくすることができ、凸部1dと第2の磁石3の上面との磁気抵抗を大きくして、この間に流出する磁束量を減少させ、逆に磁気空隙への磁束量を増大させて磁気回路の効率を向上させるものである。
【0032】
なお、図3ではセンタープレート1の上面の凸部は3個の円板状としたが、この数ならびに形状は一例であり、これに限るものでなくともよいものである。
【0033】
また、凸部1dは第2の磁石3の内周に当接するものとして説明したが、実施の形態1と同様にコイル部7やボイスコイル8の振動を第2の磁石3が妨げることがない程度の偏心は許容しても良いものであり、若干の隙間を設けて組み立て効率の向上を図ってもよいものである。
【0034】
そして、本発明の特徴については、図4の磁気回路部の断面図に示すように、アンダープレート5、第1の磁石2、センタープレート1の夫々の略中心に孔を設け、リベット14によりこれらを結合している。
【0035】
即ち、センタープレート1と、第1の磁石2と、アンダープレート5の中心部に孔を設け、非磁性の棒状あるいは円筒状のリベット14を上記アンダープレート5の下面から上記センタープレート1の上面まで通し、上記リベット14をかしめてこれらを強固に結合固着するものである。
【0036】
センタープレート1の外周面とヨーク6の内周面とは磁気空隙Aを形成する部位であるため、これらには大きな磁気的吸引力が働くことになる。アンダープレート5に接合された第1の磁石2と、第1の磁石2に接合されたセンタープレート1は従来一般的な工法を適用するならば接着となるが、接着材は高温時に接着強度が低下し、小型の磁気回路では熱容量が小さいためスピーカの駆動時には高温になりやすくなるが、上記実施の形態3においてはリベット14によって結合されるため、結合の信頼性の向上が図れるものである。
【0037】
また、リベット14による接合はセンタープレート1と第1の磁石2とアンダープレート5の結合を接着レス化することにもなり、接着層がないため第1の磁石2からみたセンタープレート1と磁気空隙Aとヨーク6とアンダープレート5で形成される磁路中の磁気抵抗を低下させることができ、磁気空隙Aの磁束を増加させることができるものである。
【0038】
なお、センタープレート1と第1の磁石2とアンダープレート5とヨーク6を接合して着磁し、第2の磁石3とトッププレート4を接合して着磁し、これらの2つのブロックを接合して磁気回路を完成する工程が現実的であるため、磁気回路全体ではなくセンタープレート1と第1の磁石2とアンダープレート5をリベット14で結合する工法が有効である。
【0039】
なお、図中のリベット14の形状はこれに限るものでなく一例を示したまでであり、例えば中空状でもよく、リベット14はボルトでもかまわない。
【0040】
そして、センタープレート1の孔とアンダープレート5の孔を略等しい直径とし、第1の磁石2の孔の直径をセンタープレート1の孔の直径およびアンダープレート5の孔の直径よりも若干大きくし、リベット14の直径と第1の磁石2の直径の差で生じる第1の磁石2の偏心の最大時においても、第1の磁石2の外周面とヨーク6の内周面との距離を、磁気空隙Aの幅よりも大きく設定することによって、高エネルギーの焼結体のNd−Fe−B系磁石を用いる場合に外形の寸法精度を確保するには研磨加工が必要となるが、上記構成のように予め第1の磁石2の孔を大きくし、リベット14が挿入可能な直径の孔としておくことで第1の磁石2の孔の研磨加工を省略してコスト低減を図ることが可能となる。
【0041】
さらに、上記のように第1の磁石2の孔の直径をセンタープレート1の孔の直径およびアンダープレート5の孔の直径よりも大きくとることで、工法的にも第1の磁石2の位置決めも厳密さを要求することなく、リベット14の挿入が容易となる利点をも有することになるものである。
【0042】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、磁気空隙に十分な磁束を供給でき、工法的にも容易で信頼性の高い小型高効率の磁気回路を提供することができ、またリベットによってセンタープレートと第1の磁石とアンダープレートを強力に結合できるため製品の信頼性を向上させることができ、通常接着により接合していたこれらの部位を接着レス化することが可能になり、接着層の存在によって生じていた磁気抵抗を省くことができるため、磁気回路の効率を高めることができ、さらに、たとえ第1の磁石が最大の偏心が発生しても、スピーカの駆動時にボイスコイルおよびボイスコイルボビンが移動する磁気空隙の幅よりも第1の磁石の外周面とヨーク内周面とで形成される空隙が大きいため、これらの移動を阻害することがなく、また、一般的に磁石の孔の寸法精度を上げるには研磨加工を必要とするためコスト高になるが、このような構成をとることで、第1の磁石の孔の高精度加工も不要となり、工法的にも容易となる利点を有する十分な音量を再生できる優れたスピーカを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスピーカの実施の形態1の半断面図
【図2】 (a)同展開例の要部である磁気回路の半断面図
(b)同他の展開例の要部である磁気回路の半断面図
【図3】 (a)同実施の形態2の要部である磁気回路の上面図
(b)同断面図
【図4】 同実施の形態3の要部である磁気回路の断面図
【図5】 従来のスピーカの断面図
【符号の説明】
1 センタープレート
1a,1b,1c,1d 凸部
2 第1の磁石
3 第2の磁石
4 トッププレート
5 アンダープレート
6 ヨーク
7 コイル部
8 ボイスコイル
14 リベット
Claims (4)
- 少なくともセンタープレートと、上記センタープレートの下面および上面に磁気的に反発する方向で夫々配置された第1の磁石および第2の磁石と、上記第2の磁石の上面に配置されたトッププレートと、上記第1の磁石の下面に配置されたアンダープレートと、上記アンダープレートの外周部に一体にまたは別体のものを結合して上記センタープレートの外周面との間に磁気空隙を形成するヨークと、上記磁気空隙中に嵌め込まれたコイル部を有するボイスコイルと、上記ボイスコイルに内周が接着結合された振動板と、上記振動板の外周部に接合されたエッジと、上記ボイスコイルまたは上記振動板に接合されて上記ボイスコイルを支持するダンパーと、上記ヨークと上記ダンパーの外周部と上記エッジの外周部が夫々接合されたフレームとを備え、上記第2の磁石と上記トッププレートが環状であり、上記第2の磁石と上記トッププレートの内径および外径が略等しく、且つ、上記第2の磁石と上記トッププレートの外径を上記センタープレートの外径よりも小さくするとともに、上記センタープレートの上面に上記第2の磁石の内周又は外周と当接し、上記第2の磁石を位置決めする凸部を設け、上記センタープレートと、上記第1の磁石と、上記アンダープレートの中心部に孔を設け、非磁性の棒状あるいは円筒状のリベットを上記アンダープレートの下面から上記センタープレートの上面まで通し、このリベットをかしめて上記アンダープレートと上記第1の磁石と上記センタープレートを結合し、上記センタープレートの孔の直径と上記アンダープレートの孔の直径が略等しく、更に少なくとも上記第1の磁石の孔の直径以下に設定するとともに、上記リベットの直径と上記第1の磁石の孔の直径の差によって生じる上記第1の磁石の偏心による上記第1の磁石の外周面と上記ヨークの内周面とで形成される最小幅を磁気空隙の幅以上としたスピーカ。
- センタープレートの凸部と第2の磁石の当接部位の隙間により生じる上記第2の磁石の最大偏心時において、上記第2の磁石の下面全体が上記センタープレートの上面内にあるように設定した請求項1に記載のスピーカ。
- センタープレートの凸部がただ一つの円板状または環状である請求項1に記載のスピーカ。
- センタープレートの凸部を複数個を同心円状に設けた請求項1に記載のスピーカ。
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JP2002078081A (ja) | 2002-03-15 |
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