JP4269156B2 - 電磁操作方法および電磁操作装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁操作装置に係り、特に、真空遮断器などの開閉器を電磁力を利用して操作するに好適な電磁操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
遮断器などの開閉器を操作するに際して、電磁石により発生する電磁力を利用して操作することが行われている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−217026号公報(第2頁〜第4頁、図1〜図3)
【0004】
一方、電磁石を駆動するに際して、電磁石のコイルを励磁するためのエネルギーを蓄積するコンデンサと、開閉器に対する投入指令または開極指令に応答してコンデンサから電磁石コイルに供給する電流の通電方向を制御する制御装置を設け、電磁石を安定に動作させることが試みられている。
【0005】
真空遮断器を駆動する電磁操作装置では、電磁石、コンデンサ、制御装置などを筐体(ケース)内に収納し、電磁石と開閉器とをリンク機構を介して連結する構成が採用されている。最近では、電磁石の内部に永久磁石を配置し、閉路状態を永久磁石の吸引力で保持する磁気ラッチ方式が注目されている。これらの真空遮断器では、投入動作において、接点に接触力を与えるための接圧ばね、および接点を開極するための引き外しばねを蓄勢しておき、開極動作では両ばねの蓄勢エネルギーを利用して接点を開離させている。
【0006】
上記の電磁操作装置を用いた真空遮断器では、特に、遮断容量が増加した大容量機種に適用した場合に下記の問題が発生する。遮断容量の増加に伴って接圧ばね、引き外しばねの荷重がアップすると、投入動作における電磁石の必要アンペアターン、すなわちコイル電流、あるいはコイルターン数を増加しなければならない。コイル電流の増加は、同電流を制御するスイッチの容量アップにつながり、制御装置の大形化、コストアップを余儀なくされる。一方、コイルターン数を増加すると、コイルのインダクタンスが増加するため、閉極時間が長くなるとともに、コイル抵抗によるジュール損が増えて効率が悪い。
【0007】
そこで、並列充電されたコンデンサを直列接続に変換して等価的にコンデンサ容量を低減し、充電エネルギーの高速注入を可能にして閉極時間の短縮、さらには効率向上を図るようにしたものが提案されている(特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献2】
特開2002−216594号公報(第2頁から第4頁、図1、図2)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、大容量化に伴ってコンデンサに大容量のものを用いるとともに、コイルのターン数を増加した場合、並列充電されたコンデンサを直列接続に変換して等価的にコンデンサ容量を低減することで閉極時間は短縮できるが、閉極動作ではさらなる動作時間の短縮化が必要とされる。すなわち、遮断器には、遮断時間(開極指令を与えてから電流が遮断されるまでの時間)が3サイクル以内という仕様が存在し、60Hz系統では50ms以内に遮断動作を完了しなければならない。アーク時間(主接点が開極してから電流がゼロになるまでの時間)を1サイクル=16.7ms、コイル電流の通電時間を25msとみなすと、余剰時間は8.3msしかない。この場合、上記のようにコンデンサを直列接続に変換して動作時間の短縮化を図っても、逆にコンデンサの充放電回路の切り替えに用いるリレーの動作に時間を要してしまう。
【0010】
本発明の課題は、閉極時間および開極時間の両者の短縮化と、それに伴う効率向上を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、互いに直列接続された複数のコイルと、該複数のコイルに挿入された固定鉄心と、前記複数のコイルに挿入可能に前記固定鉄心に対向させて配置された可動鉄心と、該可動鉄心に連結され該可動鉄心を前記コイル軸方向に移動可能に支持するシャフトと、該シャフトに連結され該シャフトの動きを伝達して開閉器を投入または開極するリンク機構と、前記シャフトに固定された可動鋼鈑と、該可動鋼鈑に対向させて前記シャフトが前記開閉器の投入方向に移動する側に設けられた永久磁石と、前記可動鉄心と前記固定鉄心とを離間させる方向に弾性力を付与するばねと、電源からの直流電力を前記コイルを励磁するためのエネルギーとして蓄積する複数のコンデンサと、開閉器に対する投入指令または開極指令に応答して前記複数のコンデンサから前記コイルに供給する電流の通電方向を制御する通電制御手段と、前記投入指令に応答して前記複数のコンデンサを互いに直列に接続し、それ以外のときには前記複数のコンデンサを並列に接続するコンデンサ接続切替手段とを備え、前記通電制御手段は、前記投入指令の発生時に前記可動鉄心と固定鉄心とを互いに吸引させるために、前記コンデンサ接続切替手段によって直列接続された複数のコンデンサのエネルギーを前記複数のコイルに供給するための通電回路を形成し、投入完了後に該通電回路を開く投入手段と、前記開極指令の発生時に前記可動鉄心と固定鉄心とを互いに離間させるために、前記コンデンサ接続切替手段によって並列接続された複数のコンデンサの電力を前記複数のコイルのうちの少なくとも一つのコイルに供給して、前記投入時とは逆方向に励磁するための通電回路を形成する開極手段とを有し、前記開閉器が投入された圧縮状態における前記ばねの弾性力は、前記永久磁石が前記可動鋼鈑を吸引する力よりも小さく設定されてなる電磁操作装置を構成したものである。
【0014】
前記電磁操作装置を構成するに際しては、下記の要素を付加することができる。
【0015】
(1)前記投入手段と前記開極手段は機械式リレーを含んで構成されてなる。
【0016】
(2)前記通電制御手段は、前記投入手段による通電回路または前記開極手段による通電回路中に挿入されて、前記投入指令の発生時に、前記投入手段による通電回路が形成されたことを条件として前記投入手段による通電回路を閉成または遮断するためのオンオフ動作を実行し、それ以外のときには前記投入手段による通電回路を遮断するための動作を実行し、前記開極指令の発生時には、前記開極手段による通電回路を閉成または遮断するためのオンオフ動作を実行し、それ以外のときには前記開極手段による通電回路を遮断するための動作を実行する主制御手段を備えてなる。
【0017】
(3)コンデンサ接続切替手段は、前記投入指令または開極指令に応答するリレーと、前記リレーの動作に応じて接点を切り替える複数のリレー接点とを備え、前記複数のリレー接点は、前記電源のプラス側と前記複数のコンデンサのうち一つのコンデンサのプラス側とを結ぶ回路中に挿入された第1のリレー接点と、前記一方のコンデンサのプラス側と他方のコンデンサのプラス側とを結ぶ回路中に挿入された第2のリレー接点と、前記一方のコンデンサのマイナス側と前記他方のコンデンサのマイナス側とを結ぶ回路中に挿入された第3のリレー接点とを備えてなる。
【0018】
(4)前記第1のリレー接点と第2のリレー接点および第3のリレー接点は、c接点を共通としたa接点とb接点を有し、前記投入指令に応答して前記各リレー接点のc接点とa接点が接続され、前記各リレー接点により前記複数のコンデンサを並列接続から直列接続に切り替えてなる。
【0019】
(5)前記通電制御手段は、前記電源のプラス側と前記電磁石コイルの一端側とを結ぶ回路中に挿入された第1の通電用リレー接点と、前記電源のマイナス側と前記コイルの他端側とを結ぶ回路中に挿入された第2の通電用リレー接点と、前記コイルの複数の巻線が互いに接続された接続点と前記通電用の第2のリレー接点とを結ぶ回路中に挿入された第3の通電用リレー接点とを備えてなる。
【0020】
(6)部品を搭載する基板として主基板と副基板とを備え、前記主基板には、前記第1の通電用リレー接点と第2の通電用リレー接点が搭載され、前記副基板には、前記第3の通電用リレー接点と前記コンデンサ接続切替手段に属する複数のリレー接点が搭載されてなる。
【0021】
前記した手段によれば、開閉器の投入(閉極)時に、直列接続された複数のコンデンサのエネルギーでコイルの複数の巻線を励磁し、開閉器の開極時には、並列接続された複数のコンデンサのエネルギーでコイルの複数の巻線のうち少なくとも一つの巻線を投入時とは逆方向に励磁するようにしたので、投入(閉極)時間および開極時間の両者を短縮化でき、さらにそれに伴ってコイルのジュール損が低減できるため、効率が向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る電磁操作装置の正面図、図2は電磁操作装置と遮断器を含む電磁操作式開閉装置の側面図である。図1および図2において、電磁操作装置は、箱型形状に形成されたケース10を備えており、ケース10は正面側に開口12を有し、ケース10の正面側には正面カバー(図示省略)が着脱自在に固定されるようになっている。このケース10内には、電磁石14を中心としてコンデンサ16と制御装置18がそれぞれ別々に独立して配置されており、電磁石14は、ケース底部側中央にボルト、ナットを用いて固定され、2つのコンデンサ16a、16bと制御装置18は相対向するケース側面にそれぞれ別々に固定されている。すなわち、コンデンサ16a、16bはケース10の左側面にボルト、ナットを用いて固定され、制御装置18は、ケース10の右側面にスペーサ18cを介してボルト、ナットを用いて固定されている。なお、本実施形態ではコンデンサの数を2個にしているが、後述するように3個以上であってもよい。
【0023】
さらにケース10内には二次プラグ22、ケーブル24、26、28、30が収納されているとともに、開閉器としての真空遮断器(真空バルブ)32の状態を検出する状態検出機構としての補助接点34、表示板36、カウンタ38が収納されている。二次プラグ22はケース10の上部側にボルト、ナットを用いて固定されており、二次プラグ22には、電源用のケーブル、デジタル継電器またはアナログ継電器からの信号ケーブルなどが接続されるようになっている。ケーブル24はコンデンサ16a、16bのプラス端子とマイナス端子に接続されており、ケーブル26は補助接点34に接続され、ケーブル28はコネクタ40を介して制御装置18に接続されている。
【0024】
また、ケーブル28はリミットスイッチ42に接続され、ケーブル30は電磁石14のコイル48に接続されている。ケーブル28とケーブル30は、取り付け作業時に、ターミナル43の部位で圧着されるようになっている。リミットスイッチ42は、金具44を介してケース10の底部側に固定されている。このリミットスイッチ42は、ケース10に鉛直方向に沿って昇降自在に配置されたインターロックロッド46の位置に応じて接点が開閉するようになっており、この接点の開閉状態を示す信号、すなわちインタロックロッド46の位置の情報が制御装置18に供給されるようになっている。
【0025】
制御装置18は、主基板18aと副基板18bで構成され、防振ゴムなどの振動吸収スペーサ18cを介して、互いに固定、あるいはケース10に取り付けられている。主基板18aおよび副基板18bはコネクタ18d、18eおよびその間をつなぐケーブル18fで互いに接続されている。また、副基板18bは、コンデンサ16a、16bおよびコイル(電磁石コイル)48とケーブル29にて接続されている。回路構成の詳細については後述する。制御装置18は、二次プラグ22から電力の供給を受けるとともに、デジタル継電器またはアナログ継電器などから投入指令または開極指令(遮断指令)による信号を受け、電磁石14の駆動を制御するための論理演算を行う制御ロジック部、コンデンサ16aおよび16bを充放電するための充放電回路、コイル(電磁石コイル)48の通電方向を制御するためのリレーやリレー接点などが実装されている(図示省略)。さらに、制御装置18には、コンデンサ16aおよび16bの充電が完了したことを示す発光ダイオード50が実装されているとともに、手動操作により、真空遮断器32に対して投入を指令するための「入」用押しボタン(押しボタンスイッチ)52、手動操作により、真空遮断器32に対して開極指令(遮断指令)を出力するための「切」用押しボタン(押しボタンスイッチ)54が実装されている。
【0026】
補助接点34、表示板36、カウンタ38は、真空遮断器32の状態検出機構として、それぞれ電磁石14の上部側に配置されてプレート56に連結され、電磁石14と一体となって構成されている。電磁石14は、可動鉄心58、固定鉄心60、コイル48、シャフト62、2枚の可動平板64、66、永久磁石68、筒状に形成された鉄製のカバー70、72、鉄製の支持板74、76、固定ロッド78などを備えて構成されており、コイル(電磁コイル)48は、支持板74と支持板76との間に配置されたコイルボビン48a内に収納された2つの巻線48cおよび48dからなる。また、固定ロッド78は、ケース10底部側にボルト、ナットを用いて固定されているとともに、ベース80に固定されている。
【0027】
シャフト62は、電磁石14の中央部に配置されているとともに、鉛直方向に沿って配置されている。また、シャフト62は、その上部側がプレート56の貫通孔82内に挿入され、下部側が支持板76の貫通孔84内に挿入され、昇降および摺動自在に構成されている。このシャフト62の外周面には可動鉄心58、可動平板64、66がナットを用いて固定され、シャフト62の下部側にはピン86を介してシャフト88が連結されている。シャフト62には、大小2つの可動平板(鋼鈑)64、66が取り付けられているが、これは、上部の可動平板64と鉄製のカバー70との対向距離を増加して、鉄製のカバー70への漏れ磁束を低減するためである。さらにシャフト62の下部側には支持板90が連結されており、支持板90とベース80との間には、シャフト62の軸心を中心とした円を描くリング状の遮断ばね92が装着されている。この遮断ばね92は、可動鉄心58を固定鉄心60から離間させるための弾性力を、支持板90を介してシャフト62に付与するようになっている。また可動鉄心58の周囲には永久磁石68が配置されており、永久磁石68は、取付板74に固定されている。固定鉄心60は取付板76にボルトを用いて固定されている。
【0028】
またシャフト88の下部側はピン94を介して一対のレバー96に連結されている。レバー96は、電磁石14から発生する電磁力に伴う駆動力の伝達方向を変換するリンク機構の一要素として構成されており、シャフト98を介してレバー100に連結されている。レバー100は、ピン102を介して連結板104に連結されている。また、レバー96の端部には、ストッパピン106が固定されており、このストッパピン106は、真空遮断器32の遮断時において、ベース80に固定されたストッパ用ボルト108に当接(接触)し、レバー96のベース80側への移動が阻止されるようになっている。
【0029】
連結板104は、ベース80に固定された絶縁架台110内に上下動(往復動)自在に挿入されており、連結板104の上部側には接圧ばね押え112が形成されている。接圧ばね押え112には貫通孔が形成されており、この貫通孔内には絶縁ロッド114の軸方向端部が挿入され、この端部にはワッシャ116を介してボルト118が固定されている。さらに接圧ばね押え112と絶縁ロッド114の底部側との間には接圧ばね120が装着されている。絶縁ロッド114の上部側はフレキシブル導体121を介して可動フィーダ122に連結されているとともに、真空遮断器32の可動導体124に連結されている。可動導体124は、可動接点(図示省略)に連結されており、可動接点に相対向して固定接点(図示省略)が配置されている。この固定接点は、固定導体126に連結され、可動接点とともに、絶縁筒128内に収納されている。この絶縁筒128内は真空に保たれている。固定導体126は、固定フィーダ129に連結されており、固定フィーダ129は、絶縁架台110に固定されている。固定フィーダ129には上コンタクタ130が連結され、可動フィーダ122には下コンタクタ132が連結され、各コンタクタ130、132には配電線などの電力ケーブルが接続されるようになっている。
【0030】
次に、本実施例における電磁操作装置の動作について説明する。
【0031】
ここで、制御装置18に投入指令が入力されると、制御装置18からの信号によって電磁石14のコイル(電磁コイル)48の巻線48cおよび48dが直列に接続されて励磁され、コイル48の周囲には、可動鉄心58⇒固定鉄心60⇒取付板76⇒カバー72⇒取付板74⇒可動鉄心58を結ぶ経路で磁界が形成され、可動鉄心58の底部側端面には下向きの吸引力が働き、可動鉄心58が固定鉄心60側に移動し、可動鉄心58が固定鉄心60に吸着される。このとき永久磁石68によって形成される磁界の向きもコイル48の励磁に伴って発生する磁界の向きと同じになるため、吸引力が高められた状態で可動鉄心58が固定鉄心60側に移動する。また、可動鉄心58および固定鉄心60には、スリット58a、60aを設けているが、これは渦電流による動作時間の遅れを防止するためのものである。
【0032】
電磁石14による投入動作(吸引動作)が行われると、シャフト62が遮断ばね92の弾性力に抗して下方に移動し、電磁石14から発生する電磁力に伴う駆動力がレバー96に伝達される。この駆動力はシャフト98、レバー100を介して連結板104に伝達され、可動導体124が上昇移動し、可動接点が固定接点と接触し、真空遮断器32の投入動作が実行される。真空遮断器32の投入動作において、接圧ばね120は、固定接点と可動接点が接触するまで圧縮されないが、固定接点と可動接点とが接触すると圧縮され、その後、投入動作が完了するまで圧縮し続ける。一方、遮断ばね92は、真空遮断器32の投入動作中、常に圧縮され続ける。
【0033】
次に、制御装置18に開極指令(遮断指令)が入力され、制御装置18からコイル48に開極指令に伴う信号が出力されると、巻線48dのみに投入時とは逆方向の電流が流れ、コイル48の周囲には投入動作時とは逆方向の磁界が形成される。この場合、コイル48から発生する磁束と永久磁石68から発生する磁束とが互いに打ち消し合い、可動鉄心58の軸方向端面(下面)における吸引力は、遮断ばね92および接圧ばね120から発生する弾性力よりも弱くなるため、可動鉄心58が固定鉄心60から離間して上方向に移動する。可動鉄心58の移動に伴ってシャフト62が上方に移動すると、レバー96の上方移動に連動して、連結板104が下方に移動し、真空遮断器32の可動接点が固定接点から離間し、固定接点と可動接点との接触が解かれ、真空遮断器32の開極動作(遮断動作)が行われる。この場合、電磁石14の投入状態の保持が解除されると、始めに、圧縮されていた接圧ばね120が伸長し、接圧ばね押え112がワッシャ116と接触したときに、真空遮断器32の固定接点と可動接点との接触が解かれ、真空遮断器32の遮断動作と電磁石14の遮断(開放)動作が同時に行われることになる。
【0034】
真空遮断器32による投入動作または開極動作(遮断動作)が行われている過程では、真空遮断器32の投入または遮断状態が補助接点34、表示板36、カウンタ38で検出されるようになっている。
【0035】
具体的には、図2に示すように、可動鉄心58に連結されたシャフト62の上部側にはロッド134が連結されている。このロッド134の上部側には貫通孔(図示省略)が形成されており、この貫通孔内にはピン136が挿入されている。ピン136は、レバー138、140の長穴内に挿入されており、ロッド134は、ピン136を介してレバー138とレバー140に連結されている。レバー138は、軸142を介して補助接点34に接続されている。この補助接点34は、a接点とb接点を備えており、各接点はシャフト62の上下動に合わせて開閉するようになっている。すなわち、補助接点34は、軸142が一方向に回転したときにa接点が入り、逆方向に回転したときにはb接点が入る構造となっている。この場合、レバー138に長穴が形成され、この長孔内にピン136を挿入されているため、シャフト62の上下動に合わせて軸142を回転させることができ、軸142の回転動作に合わせてa接点とb接点の入り切りができるようになっている。
【0036】
レバー140は、ピン144を介して固定板146に連結されており、固定板146はその底部側がプレート56に固定されている。このレバー140は、シャフト62の上下動に合わせて、ピン144を中心に回転可能に構成されている。また、レバー140の先端側には、表示板36が一体となって形成されており、表示板36の前面側のうち上部側には「切」の文字が付され、下部側には「入」の文字が付されている。「切」の文字は、表示板36が図2に示す位置にあるときに、ケース10の正面側から見えるようになっており、「入」の文字は、表示板36が図2に示す位置から上方に移動したときに、ケース10の正面側から見えるになっている。すなわち、シャフト62の上下動に合わせてケース10の正面側から、「切」または「入」の文字が見えるように構成されている。
【0037】
また、表示板36には、ばね148が配置されており、ばね148の一端側はレバー140の軸方向端部に連結され、他端側はカウンタ38のカウンタレバー150に連結されている。ばね148は、レバー140の回転に応じて伸縮し、カウンタレバー150はピン152を中心として回転(約45度の範囲で回転)するようになっており、カウンタレバー150が回転する毎に、真空遮断器32の開閉動作回数が機械的にカウントされる。
【0038】
次に、状態検出機構の具体的な動作について説明する。まず真空遮断器32における投入動作が行われると、図3に示すように、シャフト62が下方に移動し、シャフト62の移動に合わせてレバー138が軸142を中心として時計周りに回転し、レバー138の回転により、補助接点34のb接点が切となり、その後a接点が入となる。このとき表示板36は、レバー140がピン144を中心に反時計周りに回転するため、図4に示すように、「入」の文字が正面側から見える位置に移動する。さらに、ばね148が縮み、カウンタレバー150がピン152を中心に約45度回転する。これによりカウンタ38は、真空遮断器32が1回投入動作されたことをカウントする。
【0039】
次に、真空遮断器32の遮断動作が開始されると、図4に示す位置からシャフト62が上方に移動する。このシャフト62の上昇移動に連動して、レバー138が軸142を中心として反時計方向周りに回転し、補助接点34の軸142が回転し、補助接点34のa接点が切となり、その後b接点が入となる。さらにシャフト62の上昇移動に連動して、レバー140がピン144を中心として時計周りに回転し、図4に示すように、表示板36の「切」の文字が正面から見える位置に移動する。このとき、レバー140の回転に伴ってばね148が伸び、カウンタレバー150がピン152を中心として約45度回転する。なお、ばね148は、表示板36の「入」の文字が正面から見える状態で若干たわんだ状態で取り付けることが望ましい。
【0040】
このように、真空遮断器32による投入動作または開極動作(遮断動作)が行われる毎に、真空遮断器32の投入または遮断状態を補助接点34、表示板36、カウンタ38で検出することができる。
【0041】
一方、ベース80の両側には、4個の車輪154が取付台156上を走行可能に連結されている。すなわち、電磁石14を収納したケース10と、真空遮断器32を収納した絶縁架台110を含む電磁操作式開閉装置は、ベース80に固定された状態で車輪154の走行によってケース10の正面側に搬出可能になっている。
【0042】
電磁操作装置の組み立てに際しては、ベース80上のケース10の正面側から電磁石14、コンデンサ16、制御装置18、二次プラグ22、ケーブル24〜28などをケース10内に搬入し、電磁石14をケース10の略中央に固定し、コンデンサ16と制御装置18をそれぞれケース10の側面に固定する。この場合、補助接点34、表示板36、カウンタ38はプレート56を介して電磁石14と一体化されているので、電磁石14が固定されたときに、電磁石14の上部側に配置される。また、ケーブル24〜28は、二次プラグ22、コネクタ40、リミットスイッチ42と一体になっているので、二次プラグ22は、ケーブル28などに接続された状態でケース10の上部に固定される。そして、ケーブル28の各部がケース10に位置決めされると、ケーブル24の先端側がコンデンサ16に接続され、ケーブル28の先端側に付けられたコネクタ40が制御装置18に接続される。そして、ケーブル30とケーブル28の一部が圧着される。このあと、シャフト88がピン94を介してレバー96に連結されると、電磁石14がリンク機構を介して真空遮断器32に連結され、組み付け作業が終了する。
【0043】
また、本実施形態においては、構成部材のうち一方の部材と他方の部材が互いに摺動する摺動部、一方の部材が他方の部材を回転自在に支持する軸受部または回転部には、固体潤滑材が用いられている。具体的には、プレート56の貫通孔82、取付板76の貫通孔84などにおける摺動部、ピン86、94、102、144、シャフト98などにおける回転部または軸受部には、固体潤滑材としてのドライベアリングが用いられている。このため、シャフト62の摺動(上下動)、レバー96、100、140などの回転動作、他の部材の支持などを円滑に行うことができるとともに、電磁石14を密閉構造とすることができる。
【0044】
次に、制御装置18の具体的構成を図5にしたがって説明する。制御装置18は、主に主基板18a、副基板18b、および各基板を接続するケーブル18fで構成されている。主基板18aは、AC/DC変換器200、充電回路202、制御ロジック部204、放電回路206を備えており、放電回路206を介して副基板18bに接続される。また、制御ロジック部204の内部に存在し、投入指令に応じて動作するリレーCLの接点498がケーブル18fを介して副基板18bと接続されている。
【0045】
副基板18bは、2つのリレーR1、R2、および主基板18a、コンデンサ16a、16b、電磁コイル48の巻線48c、48dと接続するためのコネクタで構成されている。
【0046】
AC/DC変換器200は、二次プラグ22から直流あるいは交流の操作電源を受け、直流の場合はそのまま、交流の場合は直流に変換し、充電回路202と制御ロジック部204に出力するようになっている。充電回路202は、コンデンサ16aおよび16bを高速に充電したあと最大電圧まで徐々に充電するようになっており、コンデンサ16aおよび16bに蓄積されたエネルギーを基に電磁コイル48への励磁が制御されるようになっている。
【0047】
放電回路206には、主制御手段としてのFET(電界効果トランジスタ)208、一対のリレー接点210、212、ダイオードD1、抵抗RLが設けられている。FET208は、コンデンサ16aおよび16bからのエネルギー(電流)を電磁コイル48に供給する通電回路中に挿入されており、制御ロジック部204からの制御信号にしたがってオン・オフ制御されるようになっている。一対の機械式切替リレーを構成するリレー接点210、212は、通電制御手段として、コンデンサ16aおよび16bからのエネルギーを電磁コイル48に供給する通電回路中に挿入されており、リレー接点210、212はそれぞれc接点を共通として、a接点とb接点を備えて構成されている。リレー接点210は、第1の通電用リレー接点として、a接点がコイル巻線48cの一端側に接続され、b接点がコイル巻線48dの他端側に接続され、c接点がコンデンサ16a、16bのプラス側に接続されている。一方、リレー接点212は、第2の通電用リレー接点として、b接点がコイル巻線48cの一端側に接続され、a接点がコイル巻線48dの他端側に接続され、c接点がFET208に接続されているとともに、抵抗RL、ダイオードD1を介してリレー接点210のc接点に接続されている。
【0048】
一方、副基板18bには、2対の接点510、512を有するリレーR1、および2対の接点514、516を有するリレーR2が搭載されている。リレーR1、R2はいずれも投入指令に応じて動作するリレーCLの接点498のオンに応じて動作する。リレー接点510、512、514は、リレーR1、R2とともにコンデンサ接続切替手段の一要素として機能し、リレー接点516は、リレーR2とともに通電制御手段の一要素として機能し、いずれもc接点を共通として、a接点とb接点を備えている。リレー接点510は、第1のリレー接点として、a接点がコンデンサ16bのプラス側およびリレー接点512のb接点と接続され、b接点がコンデンサ16aのプラス側と接続され、c接点が充電回路202のプラス側と接続されている。リレー接点512は、第2のリレー接点として、a接点がリレー接点514のa接点と接続され、b接点がコンデンサ16bのプラス側と接続され、c接点がコンデンサ16aのプラス側と接続されている。リレー接点514は、第3のリレー接点として、a接点がリレー接点512のa接点と接続され、b接点がコンデンサ16bのマイナス側と接続され、c接点がコンデンサ16bのマイナス側と接続されている。リレー接点516は、第3の通電用リレー接点として、a接点が非接続状態となっており、b接点がコイル巻線48cと48dとの接続点に接続され、c接点がコイル巻線48dの他端側と接続されている。
【0049】
充電回路202は、図6に示すように、リレーコイル214、リレー接点216、FET218、充電完了検出回路220、複数の充電抵抗Rb、Rs、ダイオードD2、複数のツェナーダイオードZD1〜ZDnを備えて構成されており、ツェナーダイオードZD1〜ZDnは互いに直列に接続されてコンデンサ16a、16bの両端に接続され、コンデンサ16a、16bの充電電圧を規定値に維持するように構成されている。
【0050】
充電抵抗Rb、Rsは抵抗値が相異なり、充電抵抗Rb>Rsの関係に設定されている。各充電抵抗Rb、Rsは、AC/DC変換器200のプラス側の端子とコンデンサ16a、16bのプラス側の端子とを結ぶ回路中にダイオードD2とともに直列に配置されている。ダイオードD2は、カソード側が充電完了検出回路220の入力側とコンデンサ16a、16bのプラス側の端子に接続されている。充電完了検出回路220は、コンデンサ16a、16bの両端の電圧を監視し、電圧の状態に応じてレベルの異なる信号をFET218に出力するようになっている。例えば、コンデンサ16a、16bの両端電圧が0Vにある充電開始時点では、充電完了検出回路220からハイレベルの信号が出力されるようになっている。このとき、FET218がオンになるとともに、リレー214がオンとなり、リレー接点216がb接点からa接点側に切り替わり、抵抗値の小さい充電抵抗Rsが、コンデンサ16a、16bを充電するための回路中に挿入され、コンデンサ16a、16bが急速充電されるようになっている。
【0051】
一方、コンデンサ16a、16bの充電電圧が電磁石14を駆動するに十分な電圧Vt1となったときには、充電完了検出回路220からロウレベルの充電完了信号が出力され、FET218がオフになるとともにリレー214がオフになり、リレー接点216がa接点からb接点側に復帰し、抵抗値の大きい充電抵抗Rbが充電回路中に挿入され、コンデンサ16a、16bは徐々に充電され、最大充電電圧Vmaxとなる。
【0052】
このように、コンデンサ16a、16bの充電電圧がVt1になったあとは充電抵抗を高抵抗側に切替るようにしているため、コンデンサ16a、16bの充電電圧がVmaxまで達したあと、ツェナーダイオードZD1〜ZDnに流れ込む電流を低減し、ツェナーダイオードZD1〜ZDnが熱破壊するのを回避することができる。なお、FET218、リレーコイル214、リレー接点216は充電抵抗切替手段を構成することになる。
【0053】
一方、制御ロジック部204には、インターロックの指令がリミットスイッチ42を介して入力されているとともに、投入指令がスイッチ52を介して、開極指令がスイッチ54を介してそれぞれ入力されている。さらに制御ロジック部204には、真空遮断器32の状態に応じて接点が開閉する補助接点34a、34bが接続されている。制御ロジック部204は、投入指令、開極指令、真空遮断器32の状態を基に論理演算を行って、FET208、リレー214、切替リレーとしてのリレー接点210、212などを制御するための制御信号を出力するようになっている。リレー接点222は、充電完了検出回路220から充電完了信号が発生するまでは投入指令の入力を禁止する投入指令制御手段として構成されている。
【0054】
ここで、制御ロジック部204の動作を説明する。投入指令が発生したときに、インターロックがオンになったことを条件として、切替リレーとしてのリレー接点210、212をa接点側に切り替え、電磁コイル48に対する通電回路として、投入動作を行うための通電回路を形成し、その後、FET208をオンにして、電磁コイル48を励磁する。これにより可動鉄心58と固定鉄心60が互いに接触し、遮断器32の投入動作が行われる。この過程では、遮断器32の遮断状態を示す補助接点34bがオンからオフに切り替わり、その後、遮断器32の可動接点と固定接点が接触したあと、遮断器32の投入状態を示す補助接点34aがオンになる。
【0055】
遮断器32の投入動作が完了したあとは、適当なタイミングでFET208をオフにする。FET208がオフになったあとは、電磁コイル48に蓄積されたエネルギーは抵抗RLで消費されるが、コイル電流が十分減衰するのを待って切替リレーとしてのリレー接点210、212をオフとして投入動作を完了する。
【0056】
一方、開極動作を行うときには、特に制限を設けることなく、開極指令が発生したあとFET208をオンにする。このとき、リレー接点210、212は、それぞれb接点側にあるため、コイル48は、投入動作時とは逆方向の電流によって励磁され、可動鉄心58が固定鉄心60から離れ、遮断器32の遮断動作が行われる。この遮断動作が行われる過程では、遮断器32の投入状態を示す補助接点34aがオンからオフに移行したあと、遮断器32の遮断状態を示す補助接点34bがオフからオンに移行する。
【0057】
次に、コンデンサ充電時(図7)、投入動作時(図8)、および開極動作時(図9)における制御装置18の動作について説明する。
【0058】
投入指令が入力されていないコンデンサ充電時においては、2つのリレーR1およびR2が動作していないため、リレー接点510、512、514、516はいずれもc接点とb接点が接続された状態になる。すなわち、2つのコンデンサ16a、16bは並列接続された状態で充電される。
【0059】
次に、外部より投入指令が入力された場合、あるいは「入」用押しボタンスイッチ52がオンされると、制御ロジック部204内のリレーCLが動作し、リレー接点498のオンに伴って、リレーR1、R2が動作する。この場合、リレー接点510、512、514、516のc接点とa接点が接続された状態になり、コンデンサ16a、16bは直列接続に変換され、さらにコイル巻線48cおよび48dも直列接続された状態になる。また、投入指令発生時には、リレー接点210、212の接点が切り替わり、c接点とa接点とが接続されて、図8中に示す通電回路520が形成される。この通電回路520によって、コンデンサ16a、16bのエネルギーがコイル48の巻線48c、48dに供給され、可動鉄心58が固定鉄心60に吸引される。この場合、リレー接点210、212のc接点とa接点は、FET208とともに、投入指令発生時に、可動鉄心58と固定鉄心60とを互いに接触させるための通電回路として、直列接続されたコンデンサ16a、16bのエネルギーをコイル48の巻線48c、48dに供給する通電回路520を形成する投入手段を構成することになる。
【0060】
一方、外部より開極指令が入力された場合、あるいは「切」用押しボタンスイッチ54がオンされた場合には、リレー接点210、212、510、512、514、516はいずれもc接点とb接点が接続された状態になる。したがって、図9中に示す通電回路522が形成され、コンデンサ16a、16bは並列接続のまま放電されることになる。また、コイル48に関しては、コイル巻線48cのみ励磁され、その電流の向きは、投入動作時と逆方向となる。つまり、コンデンサ16a、16bから電磁コイル48に供給する通電回路として、開極手段による通電回路とは電磁コイル48に対する通電方向が逆となる通電回路であって、可動鉄心58と固定鉄心60を互いに離間させるための通電回路522となっている。この場合、リレー接点210、212のc接点とb接点は、FET208とともに、開極指令発生時に、並列接続されたコンデンサ16a、16bのエネルギーをコイル48の巻線48c、48dのうちコイル巻線48cに供給する通電回路522を形成する開極手段を構成することになる。
【0061】
なお、投入動作、開極動作においては、リレー接点210、212、510、512、514、516によって投入用の通電回路または開極(遮断)用の通電回路が形成された後、FET208がオンオフ動作して電磁コイル48のコイル電流をオンオフするようになっている。
【0062】
具体的には、FET208は、投入指令の発生時に、投入手段による通電回路520が形成されたことを条件として通電回路520を閉成または遮断するためのオンオフ動作を実行し、それ以外のときには通電回路520を遮断するための動作を実行し、開極指令の発生時には、開極手段による通電回路522を閉成または遮断するためのオンオフ動作を実行し、それ以外のときには通電回路522を遮断するための動作を実行するようになっている。すなわち、点210、212、510、512、514、516には通電性能のみを要求し、FET208は主スイッチとして開閉容量の大きいものを使用することで、低コスト化・小型化を図ることができるようになっている。
【0063】
さらに、リレー接点210、212、510、512、514、516のb接点側を開極動作時の通電回路として用いているため、リレー接点210、212、510、512、514、516が万一動作不良となっても、開極動作だけは確実にできるようになっている。
【0064】
また、FET208で電磁コイル48のコイル電流を遮断すると、電流変換率に比例した過電圧が発生し、電磁コイル48が損傷する恐れがある。しかし、本実施形態においては、電磁コイル48と並列に、エネルギー消費素子としての抵抗RLとダイオードD1が接続されているため、投入動作時および開極動作時に電磁コイル48から過電圧が発生しても、この過電圧に伴うエネルギーを抵抗RLで消費することができる。
【0065】
本実施形態によれば、投入動作時にはコイル巻線48c、48dを直列に接続して使用するため、コイル電流を増加することなく、アンペアターンを確保することができ、制御装置18における各種リレー、FET208の開閉容量を低減でき、小型化、低コスト化を実現できる。コイル巻線の増加によってコイル48のインダクタンスが増大するが、同時にコンデンサ16a、16bを直列接続に変換して放電させるため、等価的に静電容量を低減でき、コイル48にエネルギーを高速注入できるようになる。すなわち、注入時間Tは、ほぼ√LC(=LCの平方根)に比例するが、コンデンサ16a、16bの容量をそれぞれC、コイル48のインダクタンスをLとすると、コンデンサ16a、16bを並列接続すると、全体の容量は2Cとなり、直列接続すると、全体の容量は1/2Cとなる。このため、コンデンサ16a、16bを直列接続して放電すると、コイル48にエネルギーを注入する時間は、並列接続して放電するときのT/2となる。
【0066】
一方、開極動作では、主にばねの蓄勢エネルギーにより動作させるため、元々必要アンペアターンは小さい。本実施形態では、開極動作時には、一方の巻線48cのみを励磁するためコイル48のターン数が少なく、すなわちインダクタンスが小さいため、コイル48全体のインダクタンスLが小さくなった分、注入時間Tを短くすることができ、コンデンサ16a、16bに蓄積されたエネルギーを並列接続のままでもコイル48に高速に注入できる。この場合、コンデンサ16a、16bおよびコイル48の通電回路についてはいずれもリレー接点のb接点とc接点を用いているため、リレーの動作時間、すなわち回路変換に要する時間を必要としない。
【0067】
すなわち、本実施形態のように2つのコイル巻線48c、48dおよび2つのコンデンサ16a、16bの使用方法を適切に変換することによって、真空遮断器32の投入時間および開極時間の両方を短縮化できるのである。さらにコイル48の通電時間が短縮されるため、コイル48のジュール損が低減され、効率の優れた駆動方法となる。
【0068】
また、本実施形態では、コンデンサ充電回路202、制御ロジック回路204、放電回路206からなる主基板18aと、コンデンサ16a、16bおよびコイル巻線48c、48dの切替リレーで構成される副基板18bに分割している。小さい電磁石、小容量の単一コンデンサで動作できる小容量機種では主基板18aのみを制御装置18として使用すればよく、すなわち、主基板18aについては、小容量、大容量に関わらず共用化でき、製造コストが低減できる。
【0069】
なお、本実施形態では、コンデンサ数として2つの場合について述べたが、勿論3個以上のコンデンサを使ってもよい。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、投入時間および開極時間が短縮され、効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電磁操作装置の正面図である。
【図2】電磁操作式開閉装置の側面図である。
【図3】状態検出機構の投入時の動作を説明するための図である。
【図4】状態検出機構の遮断時の動作を説明するための図である。
【図5】電磁石制御装置の回路構成を説明するためのブロック構成図である。
【図6】充電回路の回路構成を説明するためのブロック構成図である。
【図7】電磁石制御装置の回路構成にてコンデンサ充電方法を説明するためのブロック構成図である。
【図8】電磁石制御装置の回路構成にて投入動作時の回路接続を説明するためのブロック構成図である。
【図9】電磁石制御装置の回路構成にて開極動作時の回路接続を説明するためのブロック構成図である。
【符号の説明】
10 ケース
14 電磁石
16、16a、16b コンデンサ
18 制御装置
32 真空遮断器
34 補助接点
36 表示板
38 カウンタ
48 コイル
58 可動鉄心
60 固定鉄心
62 シャフト
200 AC/DC変換器
202 充電回路
204 制御ロジック部
206 放電回路
208 FET
210、212 リレー接点
218 FET
220 充電完了検出回路
224〜230、510〜516 リレー接点
Claims (1)
- 互いに直列接続された複数のコイルと、該複数のコイルに挿入された固定鉄心と、前記複数のコイルに挿入可能に前記固定鉄心に対向させて配置された可動鉄心と、該可動鉄心に連結され該可動鉄心を前記コイル軸方向に移動可能に支持するシャフトと、該シャフトに連結され該シャフトの動きを伝達して開閉器を投入または開極するリンク機構と、前記シャフトに固定された可動鋼鈑と、該可動鋼鈑に対向させて前記シャフトが前記開閉器の投入方向に移動する側に設けられた永久磁石と、前記可動鉄心と前記固定鉄心とを離間させる方向に弾性力を付与するばねと、電源からの直流電力を前記コイルを励磁するためのエネルギーとして蓄積する複数のコンデンサと、開閉器に対する投入指令または開極指令に応答して前記複数のコンデンサから前記コイルに供給する電流の通電方向を制御する通電制御手段と、前記投入指令に応答して前記複数のコンデンサを互いに直列に接続し、それ以外のときには前記複数のコンデンサを並列に接続するコンデンサ接続切替手段とを備え、
前記通電制御手段は、前記投入指令の発生時に前記可動鉄心と固定鉄心とを互いに吸引させるために、前記コンデンサ接続切替手段によって直列接続された複数のコンデンサのエネルギーを前記複数のコイルに供給するための通電回路を形成し、投入完了後に該通電回路を開く投入手段と、前記開極指令の発生時に前記可動鉄心と固定鉄心とを互いに離間させるために、前記コンデンサ接続切替手段によって並列接続された複数のコンデンサの電力を前記複数のコイルのうちの少なくとも一つのコイルに供給して、前記投入時とは逆方向に励磁するための通電回路を形成する開極手段とを有し、
前記開閉器が投入された圧縮状態における前記ばねの弾性力は、前記永久磁石が前記可動鋼鈑を吸引する力よりも小さく設定されてなる電磁操作装置。
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