JP4268886B2 - 層流システムのための穿孔スキン構造 - Google Patents

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Description

本発明は、境界層空気の吸引により層流制御に適用するための穿孔スキン構造の構成に関する。
ボディの表面上を流れる流体の境界層の層流状態が様々な装置の影響を受けることは、専門分野では一般的に知られている。さらに、境界層の層流状態の安定化が流体とボディの間で生じるスキン摩擦を減少させることも知られている。これは、例えば航空機の構造の分野に特に関係し、それにより境界層の層流の改善と生じる低めのスキン摩擦が、航空機の操作において潜在的な燃料の節約を実現する。
これらの理由のため、表面上を又は表面に対して流れる流体の層流の境界層を安定化させるために、多孔表面又は穿孔表面を通る表面吸引の使用は数十年間広範囲に研究されてきた。事業用航空機の状況においては、公知の層流制御装置は一般的にたった一つの状態で、つまり巡航状態(フライト状態)で最も良い効率で動作しなければならず、従って主にこの操作状態のために構成されている。
例えば、所望のサイズ、パターン及び間隔を有する穿孔を故意に形成することにより実現する表面特徴の制御のために、多孔質表面よりもむしろ故意に穿孔した表面を通る表面吸引を用いることが好ましい。機械的穴あけ、エッチング、電子ビームボーリング又はレーザービームボーリングによりこのような穿孔を形成することが知られている。典型的な従来の穿孔のデザインは、本質的に、表面上を流れる境界層の厚さよりもずっと小さい直径を有する円い平面又は断面形状の小さい穴である穿孔を提供する。穿孔又は穴の典型的な直径は通常50〜100μmの範囲である。典型的な通常の隣接する穿孔と穿孔の間隔は200〜5000μmの範囲である。
従来技術によれば、穴又は穿孔は典型的に、表面の広い部分にわたって規則的且つ空間に反復するパターン又は同様のパターン(本質的に並進方向に不変)で提供される。このようなパターンの例はチェッカーボードパターン、又はそれぞれの列に沿って本質的に等しい穴と穴の間隔と本質的に等しい列と列の分離距離とを有する穴の直線の列のパターンである。穿孔密度は一般的に機械加工の便宜等のために一定に保たれるが、空間的に変化する有孔率の利点が議論されている。例えば、特許文献1(Horstman)に、外圧の変化する領域で本質的に一定の吸引速度を実現しようと努めて、空間的に変化する穿孔密度を有する穿孔の直線パターンが示される。
特許文献2、3、4、5及び6も一般的に吸引による境界層制御の技術に関する。
従来技術に記述された全ての公知の穿孔パターンは以下の意味で一般的である。つまり穿孔パターンは、構造、形状(form)、流れの状態、又は特に穿孔した表面上を流れる境界層の流れの不安定さに関する情報から決定されず、またこれらを反映したり含んだりしない。このような流れの不安定さの減少及び除去は本発明者により認識され発展させられる層流制御システムの主な目的であるので、全ての先に存在する又は提案済みの穿孔パターンの従来の表面吸引システムは、非効率的な層流制御か機能しない層流制御のどちらかの結果をもたらす。このような非効率性の基本的な理由は境界層の不安定さを支配する物理的過程の中にある。
当業者により知られているように、後退翼、後方に傾いた垂直安定装置、又は航空機の後方に傾いた水平フィンの上で発達する境界層流れは三つの速度要素を有し、従って三次元(3−D)境界層流れと呼ばれている。二次元境界層における層流−乱流流れの遷移は、トルミーン−シュリヒティング波(TS波)として知られる進行波によって支配される一方、三次元境界層はクロスフロー渦(CF渦)を安定させるには非常に不安定である。クロスフロー渦は、三次元の流れの状況において層流−乱流流れの遷移プロセスを支配する。
3−D境界層における従来の穿孔パターンを通る吸引は二つの反対の効果を有する。つまり、平均速度分布の変化による安定化と、吸引の分布の変動(バリエーション)及び不均一性により安定したクロスフロー渦が励起することによる不安定化である。この点に関しては非特許文献1及び2を参照せよ。3−D境界層に適用できる吸引の量には明らかな限度がり、それを越えるとそれぞれの穴の付近の流れが十分に歪められ、流れは即座の取り戻せない乱流へ遷移することも観測されている。この効果は「オーバーサクション」と呼ばれている。この点に関しては非特許文献3を参照せよ。
どの吸引レベルでも、穴パターンが吸引分布の不均一性に主要な影響を与える。「オーバーサクション」レベルの下での吸引強度の値のために、本発明者は、表面の穴分布の波数の構成要素を決定するための公式を先に記述した。この構成要素は、不安定な境界層モードを刺激する際に最も効率的である。非特許文献4を参照せよ。最も通常の場合では、穴と穴の間隔は増幅した障害の最も小さい波長よりも小さい。完全に均一な壁吸引の空間における分布を想定した理論的な結果により、上で述べた実験結果と反対に、TS波とCF渦の両方とも吸引により非常に安定化することが示される。その原因は、吸引分布パターンの期待していない有害な変動を導入する様々な現象の結果、実験における実際の吸引分布の変動又は不均一性にあることがつきとめられた。すなわち本発明者は、以下の現象が、このような期待していない有害な変動を吸引分布パターンに導入すると考えた。
(a)全体の層流制御効率が非常に影響されやすい、不可避の穴又は機械加工の不正確さ及び許容差
(b)操作中の汚れ又は粒子状物質による穿孔の目詰まり
(c)穿孔スキンを保持する構造による穿孔の遮断
(d)吸引を穿孔スキンに適用させる内側吸引チャンバー内の吸引の不均一性
(e)外圧の翼弦方向の変動
(f)大きい吸引速度による穿孔付近の流れの歪み
上の現象の中で、(a)、(b)及び(c)で識別される現象は穿孔の幾何学的配置(ジオメトリー)に変動をもたらす一方、(d)、(e)及び(f)は吸引の強度と流れ状態に変動をもたらす。これら現象の全ては、吸引パターンにおいて有害な変動を作る。さらには、これら現象は互いに双方向の効果を有する。例えば、一つだけの吸引プレナム又はほんの少数の吸引プレナムが穿孔スキンの下で用いられるとき、現象(e)はスキンにわたって強力に圧力低下をもたらし、幾つかの場所で「オーバーサクション」を引き起こし、現象(f)に従う流れの歪みを起こす。
US5263667 US5884873 US5899416 US6050523 US6216982 US6415510 H. Bippes (1999), "Basic experiments on transition in 3D boundary-layers dominated by crossflow instability", Progress in Aerospace Sciences 35: 363-412 D. Arnal, A. Seraudie, J.P. Archambaud, "Influence of surface roughness and of suction on the receptivity of a swept-wing boundary layer", Laminar-Turbulent Transition, IUTAM Symposium, Sedona AZ, Sept. 13-17, 1999, Springer, 2000 P. Wassermann and M. Kloker, "DNS-investigations of the development and control of cross-flow vortices in a 3-D boundary-layer flow", Laminar-Turbulent Transition, IUTAM Symposium, Sedona AZ, Sept. 13-17, 1999, Springer, 2000 F. P. Bertolotti (2000), "Receptivity of three-dimensional boundary-layers to localized wall roughness and suction", Phys. Fluids, Vol. 12, Number 7, pg. 1799-1809
上の点を考慮して、本発明は以下の対象を単一で又は組み合わせで実現することを目的とする。
以下の現象の有害な又は不利な効果を克服する吸引を用いる層流制御装置のために、穿孔形状と穿孔分布パターンを提供すること:
(a)不可避の穴又は機械加工のエラー
(b)穿孔の目詰まり
(c)穿孔スキンを保持する構造による遮断
(d)内側吸引チャンバー内の吸引の不均一性
(e)大きい吸引速度による穿孔の付近の流れの歪み
外圧の翼弦方向の外側の変動を補償する穿孔スキン構造を提供すること:
構造剛性を有する穿孔スキン構造を提供し、穿孔の効果を著しく弱めることを避けること:
高い熱伝導率を有する穿孔スキン構造を提供すること。
さらに本発明は従来技術の不利な点を避け又は克服し、この明細書、請求項、要約及び図面から明らかな付加的な利点を得ることを目的とする。
上の目的は本発明によれば、多数の穿孔で構成された穿孔スキンを含む層流制御装置において実現する。穿孔は、所定の波長のエネルギーが本質的にない空間スペクトルを有するパターンに配されている。用語「エネルギーの本質的にない」は、不可避の機械加工の不正確さ等から生じるエネルギーの平均的な背景の「ノイズ」レベルの上の付加的なピークエネルギーに関して理解されなければならない。好ましくは、これらの所定の波長は所定の流れ不安定さの波長である。特に、関連する航空機の航空機巡航状態のような層流制御装置の状態を操作するデザインおいて、穿孔スキンの上を流れる境界層に現れる最も不安定な歪みである。
本発明の穿孔のパターン及び形状の好ましい実施形態又は様式は、多数の縦に伸びる穿孔された領域又は穿孔の列のグループを有する。これらは互いに離れており、ここでは「束」と呼ぶ。最も好ましくは、これら縦に伸びる束は、穿孔を備えた表面の前縁、例えば翼の穿孔スキンに本質的に平行に(例えば10°、好ましくは5°以内の平行に)並んでいる。用語「本質的に平行」も、翼の根元から先端まで互いのわずかな束の収束を考慮しており、例えば翼は先細りになる。束は穿孔されていない領域により互いに横に離されている。
それぞれの束は、それぞれの束の空間のスペクトルを生み出すように配された多数の穿孔を有する。束はエネルギーを減少させ、又は好ましくは所定の波長で本質的にエネルギー(一般の又は平均の「ノイズ」エネルギーレベルの上のエネルギー)がない。これは、所与の束の穿孔を配置することにより実現し、それで束の幾つかの穿孔を通した吸引により作られる流れの歪みが相互に互いを打ち消すか、これら所定の波長で弱め合う干渉により少なくとも相互に破壊的に互いを減少させる。好ましくは、これらの波長は、穿孔スキンの上を流れる境界層に現れる最も不安定な歪みの波長である。好ましくは、それぞれの穿孔は、50〜250μmの範囲の幅と100〜3000μmの範囲の長さを有する長いマイクロスロットの形状を有する。
本発明の別な実施形態の特徴によれば、層流制御装置はさらに、外側の穿孔スキンの下にありそれを支持する支持構造を含む。支持構造は好ましくは、それぞれの穿孔の束の間の穿孔されてない表面領域においてのみ外側の穿孔スキンと構造上合体しており、例えば結合又は接続している。特に好ましい実施形態では、支持構造は、隣接する束と平行に伸びる縦のリブを有する。本発明の別な好ましい特徴では、支持構造はさらに、外側の穿孔スキン、隣接する数組のリブ及び内側の穿孔部材によりそれぞれ境界が定められたチャンバーを形成するために、リブと構造上合体し且つ外側の穿孔スキンから離れた内側の穿孔プレート部材のような内側の穿孔部材を有する。内側の穿孔部材は、外圧の変動を補償し、それにより全ての翼弦方向の位置で穿孔スキン表面を通る所望の吸引率をもたらすべく、内側表面に所定の且つ様々な気孔率を与える第二の穿孔を有する。特に、吸引をチャンバーに適用するために、吸引は、外側の穿孔スキンの反対側の内側の穿孔部材の側面に適用される。それは今度は、吸引を外側の穿孔スキンの主要な穿孔に適用する。内側の穿孔部材と外側の穿孔スキンはそれぞれ適切にリブと結合又は接続しているが、好ましくは、一体押出により一体化して形成される。
本発明が明確に理解されるように、以下の図に則して例示の実施形態に関連して本発明を述べる。
本発明を、本発明の非常に効率的で好ましい適用を代表する航空機の主な揚力ウィング又は垂直安定板(バーティカルフィン)のような翼に関連する例に則して記述する。以下の議論の参照として、図1が、航空機の揚力ウィングなどの翼部分のような代表的な航空力学ボディ40の基本的な幾何学的配置を概要的に示す。航空力学ボディ40は外側スキン100と前縁50を有する。この航空力学ボディ40、又は特に翼40が空気を通って動くと、自由流れの気流が航空力学ボディ40に当たり、それに沿って通る。それにより、外側スキン100の上に境界層が作られる。航空力学ボディ40と特にその前縁50は自由流れの気流の方向に対してある後退角で位置決めされ、その後、気流は、前縁に沿って平行に延びる直線形状の流線62を形成すべく前縁50に沿ってくっつく。
参考のために、図1はさらに前縁に沿う方向(翼長方向)を定める「z」と、前縁に垂直な方向(翼弦方向)を定める「x」を有する座標系を示す。上述の後退角のために、前縁50に直接沿う付属線62から離れて当たる境界層の外側の気流の流線(ポテンシャル流れ)は、湾曲した点線60で示すように、湾曲した流れの経路を作る。
自由流線60の湾曲経路と局所的に本質的に垂直な波数ベクトルkを有する増幅したクロスフロー渦も、フローパターンに示されている。この波数ベクトルkは、翼長方向zの波数βを有する成分と翼弦方向xの波数αを有する成分から成る。βのそれぞれの値に対して、αの値が、所与の翼のそれぞれの翼弦方向の位置におけるそれぞれの流れ条件のために波の分散の関係式により与えられる。関係式は、従来通りの公知の様式で実験又はコンピュータにより決定される。
図1に関連するこれらの基本的な点と考慮から出発して、先ず、本発明の基本的な特有の特徴を以下の議論において理論的に発展させ、次いでその特有の具体的な例と適用を記述する。
図2と3は、巡航速度と高度における代表的な例の航空機の翼のフライトの場合に、翼弦方向の位置の関数(すなわち、翼の表面に沿うアーチの長さ)として、安定したクロスフロー(CF)渦のために安定した及び不安定な翼長の波長及び波数のそれぞれの領域を示す。実際の数値は代表的なだけであり、第二に、記述しようとするコンセプトと手順にとって重要である。従ってより具体的には、図2は、前縁50に近い翼弦方向の位置x/cに対する流れの翼長の波数βの関数として、安定したクロスフロー歪みの安定性のダイアグラムを示す。流れの安定したクロスフローモードの波長(mm)も示されている。この例では、安定したクロスフローモードの翼長の波数βは、下流側に伝わるとき、本質的に一定のままである一方、その翼弦方向の波数αは変化し、それで波数ベクトルkは自由流線60と本質的に垂直(5〜10°以内)である(図1参照)。図3は、選択した下流側の位置におけるβとαの間の分散関係を示す。図2と3は共に、本発明の構成に必要な波数の情報を表す。
上で一般的に述べたように、穴、機械加工の不正確さ若しくは許容差、穿孔の目詰まりは、スペクトル、すなわち穿孔の回りの吸引流れ状態の波長分布に顕著な影響を与える。本説明の例がこれらの効果を示すように、以下のかなり控え目な許容差が仮定される:穴+/−15μm、穴中央位置+/−20μm。さらには、風胴と航空機の適用の両方に用いた後、穿孔スキンの検査に基づいて、多数の穴が粒子状物質と汚染物質で目詰まりすることが分かった。本実施例では、10〜14%の控え目な目詰まりレベルが考えられる(すなわち、10の中の1から、7の中の1の穴が目詰まりしている)。
目詰まりに加えて、これら機械加工の許容差の存在が、全ての波長における吸引分布の変動をもたらす。これらの波長におけるエネルギーは穴又は穿孔を通るピークの吸引速度に比例するので、穴の不正確さの有害な効果を減少させる最も簡単な方法は、全体の気孔率を増加させることであり、それにより所与の全吸引気流のためのピークの吸引速度を減少させる。目詰まりに関しては、丸い穴の代わりにスロットを用いることが目詰まりの問題を減少させるが、長いスリット又は実質的な長さを有するスロットは有害であり、一般的に許容できない。なぜなら、それらは実質的に外側スキンの応力伝達能力を減少させるからである。
本発明は、「マイクロスリット」又は「マイクロスロット」200を用いることにより上の問題を克服する(図4参照)。本発明のマイクロスロット200は、この例では約250μmの長さと約70μmの幅を有する長円形の形状を一般的に有する。一般的に、本発明に従うマイクロスロットのサイズは、100〜3000μmの範囲の長さを、より好ましくは500μmの実用的な最大長さ、また200〜300μmの好ましい最大長さを有し、50〜250μmの範囲の幅、好ましくは例えば100μm以下又は80μm以下の範囲の下端の幅を有する。全体の気孔率、すなわち全表面領域に対する開いた穴の領域の比は約10%までが好ましいが、実用的には約5%が好ましい。図4にも示した従来技術の小さい丸い穴に比べて、本発明に従って好ましく用いられるマイクロスロット200は大きめの開いた領域を提供し、従って幾らか高い気孔率レベルを提供するのに良く適している。一方、その長い形状によりマイクロスロット200は、小さい丸穴より著しく目詰まりしにくくもなる。他方で、長めのスロットであれば生じたであろう、穿孔外側スキンの応力伝達能力の実質的な減少を避けるため、マイクロスロットの長さは制限される。
本実施例をさらに発展させると、最適な穿孔パターンが、先ずマイクロスロット200の簡単な単一の直線の列を考慮することにより構成できる。それぞれのマイクロスロット200の長い軸は縦に延びる列方向に並んでいる。局所的な自由流れ60の方向に対して所定の角度に向いたスロットを有する別なパターンは、航空力学ボディ40の前縁50の近くで(図6と6Aに関連して下でさらに議論する)、また高い吸引レベルの場合に好ましい。最も簡単な本実施例では、単一のマイクロスロットの列は連続的なマイクロスロットの間で400μmの離隔を有し、従って650μmの周期を有する周期的パターン(すなわち、250μmのマイクロスロットの長さに加えて400μmの縦の間隔の離隔)を生じる。次に考慮するように、穿孔の物理的パターンのこの周期性が、物理的パターンの特有のスペクトル分布と、それにより生じる流れの外乱(擾乱)のスペクトル分布になる。
図5と5Aは3列の穿孔の吸引速度のスペクトルを比較しており、全てが同じトータルの又は平均の質量流束(マスフラックス)を有する。図5は、3列の穿孔(a)、(b)及び(c)のそれぞれに対する流速の振幅のグラフを示す。参照番号700を有する列(a)は0.5mm離れた50μmの穴の、従来の穴の幾何学的配置であり、15%の目詰まりの可能性と1のピーク速度を有する。言い換えると、目詰まりしていない穴は1の流速を示す一方、目詰まりした穴は流速を示さない。すなわち、流速は0である。参照番号702を有する列(b)は、列(a)700と同じ穴を有するが、目詰まりの可能性は0、すなわち目詰まりした穴のない従来の穴の幾何学的配置である。参照番号730を有する列(c)は本発明の実施例に従うマイクロスロットの列を表し、目詰まりがなく、それぞれの穴に対して0.26のピーク速度を有する。従来の穴に比べて大きめのサイズのマイクロスロットが、それぞれの穿孔に対して低めのピーク速度を有する同じ全体の気流の質量流束を実現することを忘れてはいけない。これらの結果は1000の構成を平均することにより得られた。そのそれぞれは、ランダムに割り当てられた値の目詰まりのパーセンテージと許容される範囲内で機械加工の許容差を有する。
図5Aは、それぞれの列700、702及び730によって発生した流れプロフィールの波数βのスペクトルのフーリエ変換を示し、それぞれのスペクトルは参照番号700’、702’及び730’によってそれぞれ識別される。図に見られるように、マイクロスロットスペクトル730’は、従来の幾何学的配置(b)702’に比べて全ての波数で、振幅において約3倍の減少を生じる。この減少はスロットにおける低めのピーク速度のためである。もっと重要なのは、目詰まりのある実際の従来の穿孔プレートに代表的な従来の構成(a)700’と比べると、マイクロスロットは本質的に全ての波数で振幅において30〜50倍の減少をもたらす。従って、マイクロスロットは穴及び機械加工の許容差、そして目詰まりの効果をかなり最小化する。
しかしながら、本実施例において図のグレー領域で示される増幅された不安定なCFモードのバンド内に大きい振幅のピーク732’(β=9.66 1/mm)を導入することを犠牲にして、この減少は実現した。このピークのため、マイクロスロット列の簡単な又は規則的な配置が、増幅されたバンドの外側で初めの大きいピークを有する従来のパターンより悪い性能を生み出すかもしれない。それは正に、以下で議論するように、本発明に従えば弱め合う干渉により「除去され」又は「打ち消され」得る、望んでいないピーク732’である。例えば0.5mm周期で共に近くにマイクロスロットの間隔をとることにより、かろうじて増幅範囲の外側に振幅のピーク732’が移動することにも留意しなければならない。この間隔は本実施例ではオプションであるが(また、後続する加工物もこの間隔を実施する)、このオプションが利用できない他の層流の適用もある。本発明の手順及び構成の普遍性と大きな有効性を示すために、本発明の穿孔の高性能パターンを選択された間隔によって発展させることにする。
本発明の基本的概念、すなわち全体の穴パターンの結果スペクトル全体は、不安定な流れの外乱の波数において、(基準「ノイズ」レベルの上で)本質的に無視できるエネルギーを有していなければならないことを用いると、β=9.66 1/mmにおけるピーク732’の潜在的に有害な効果は、その関連する波長の望ましくないピーク732’と強め合って干渉するスペクトル構成要素を有するマイクロスロットの別な列を用いて別な流れの外乱を故意に導入することにより、削除される。これは、「束」250として参照される、マイクロスロットの一連の列を作ることにより実現する。全体の束のフーリエ変換した全体の幾何学的配置は、β=βの翼長の波数を有するCFモードの流れの波数α において(例えば、相互の弱め合う干渉のために)本質的に合成振幅を有しない。次の点にも留意しなければならない。すなわち、最も増幅したモードがトラベリングモードならば、このモードに対応するαが選択されるだろう。本発明は、安定したクロスフローモードに制限されない。
この例のためにx/c=0.0076を選択すると、図3により、β=9.66はα =6.4 1/mmに対応することが示される。次に、一般的な翼弦付近でマイクロスロット列の小さい数N(例えば8)の束250を作り、各列の正確な流れ位置x、翼長方向Φのフェーズ(及びオプションで幅r)を、β=βを有するCFモードのα を中心にした範囲α<α<αで以下の変換関数の二乗を最小にする未知数として考えよ。関数Fは、幅2rの一連の矩形パルスのフーリエ変換である。ここで、2rはマイクロスロットの幅と一致する。この例の結果の幾何学的配置は図6に示されている。この幾何学的配置は独特ではなく、Eを最小にするために用いられるオプティマイザーに大いに依存する。独特なのは、αの選択された範囲の一つの束250の幾何学的配置の最小限のエネルギーである。この例では、束250の翼弦方向の範囲は約1.75mmである。他の幅も可能である。
Figure 0004268886
Figure 0004268886
α−β面の対応するスペクトルは図7に示される。スペクトルの実質的な(切り抜かれた)ピーク1010と1012は、図5Aにおけるβ=9.66 1/mmのピーク732’とβ=19 1/mmのピークに対応し、ここではα次元においても見られる。暗い線1002は、このx位置の不安定なモードのためのα−βの組み合わせ(図3参照)、すなわち分散の関係を示す。この線1002全体に沿って、スペクトルのピーク1010と1012の振幅は非常に低く、本質的にCFモードは選択された穿孔パターン分布によっては発生しないことを示している。不安定モードの線1002は、スペクトルの嶺又はピーク1010の「谷」を通過することにも留意しなければならない。この「谷」は、穿孔パターンの適切なデザイン及び選択によるこの波数の組み合わせにおける故意に弱め合う干渉によって形成される。それぞれのスペクトルの影響は互いに干渉する。従ってこの例では、図5Aと7に則して、関連する選択された波長で実質的にエネルギーがない、又は無視できるエネルギーを実現するという本発明の目的は、次の意味に理解できる。つまり、フーリエ空間における分散の関係1002に沿って、不安定な波長領域の2倍を走査するスペクトル範囲の平均振幅全体の(例えば)10倍以上の振幅値を有する波数の振幅のピークはない。従って図5Aでは、本目的を達成するために、高めの許容できない振幅のピーク732’は削除されなければならない。
より具体的には、参照番号1010と1012は、特定の束の幾何学的配置又は穿孔のパターンに関連する又はそれらから生じるエネルギーの波長の構成要素を識別する。β値の範囲1000は、安定したクロスフローモードが選択された束の位置で不安定になるβ値を示し、線1002は特に、関連する波の分散の関係(例えば図3に従う)を示す。分散の関係1002との交差部の位置におけるスペクトル構成要素1010のエネルギーの降下によって示されるように、この束の空間スペクトルは、この選択された又は所定の波長において(基準「ノイズ」レベルの上で)本質的にエネルギーがない。これらの所定の波長は、飛行状態でそれぞれの束の上の境界層に現れる所定の流れ不安定性の波長に合うように選択される。選択された所定の流れ不安定性の波長において本質的にエネルギーがないという本発明の弱め合う干渉の結果、穿孔を通る吸引の動きは、穿孔スキンの上の境界層流れで流れ不安定性の最小の励起を生じさせる。
いわゆる当業者に知られているように、レセプティビティ係数は、表面の吸引分布の空間スペクトルの振幅を、吸引分布により発生した境界層気流における外乱の空間スペクトルの振幅に結びつける因子である。上の方程式(2)の単純さは、レセプティビティ係数がそれぞれの束の翼弦方向の範囲にわたって一定であるが、束から束へ変化するという仮定から生じる。それぞれの束の幅と平均の吸引強度がより小さくなる際、この近似は有効性が高まる。一般的に、所定の波長におけるエネルギー欠乏が穿孔を通る吸引により創出される流れの外乱の間でこれらの波長において弱め合う干渉から生じることをさらに保障するために、束の内部の穿孔パターンの最適化がそれぞれの束のためにさらに実行される。この際、解により動きの方程式に与えられる束の下流の外乱流れの領域がノルム(標準)として用いられ、方程式は好ましくは計算を簡単にするために線形である。最適化されたパターンは、所定の波長で本質的に無視できるエネルギーを引き続き有する。それぞれの束が束自体によって最適化された後、それぞれの束の下流で残っている流れの外乱の間で別な弱め合う干渉を作るために、一つ又は複数のそれぞれの束の互いの翼長方向の移動により、複数の束の配置全体の別な最適化が可能である。言い換えると、本発明は、所与の単一の束のそれぞれの穿孔により発生する流れ状態の中で弱め合う干渉を用いることができるだけでなく、所与の束の下流で残っている流れの外乱と、連続的な下流の一つ又は複数の束のフローパターンとの間でも弱め合う干渉を用いることができる。
本発明の別な実施形態のためのスロットの幾何学的配置が図6Aに示されている。スロット201は、局所的な自由流れの方向に対して所定の角度で、また束250の縦方向に対して選択された斜めの角度で傾いている。図7Aはそれに関連するスペクトルを示し、α<α<αの範囲にエネルギーの所望の欠乏がある。自由流れの方向に沿った又は平行な方を向いたスロットは少なくとも「前方の領域」を接近する流れに提供し、従って「過吸引(オーバーサクション)」が起こる前に高めのレベルの吸引を可能にする。ポテンシャル流線に対して本質的に垂直に向いたスロットは、流れ方向に小さめの波長を提供する。二つのどちらが好ましいかということは、実際の流れ状態に依存する。高いレイノルズ数、従って薄い境界層では、後者が好ましい。低めのレイノルズ数では、前者が好ましい。図10は、前縁50における及びその付近の幾つかの平行な束250の配置を示しており、それぞれの束は202、203、204に示されたマイクロスロットのような、局所的なポテンシャル流線60に対して本質的に垂直に向いたマイクロスロットを有する。前縁領域が進行波に対して最も不安定であるとき(例えば、Gortler-Haemerlin モード)、前縁の束のスペクトルは本質的にこれらのモードに対応する空間の波数で振幅がない。
さらに次のことに留意すべきである。つまり、図6Bに関連する本発明の原理の特徴、すなわち適切に配置された穿孔の列又はグループの中の相互の弱め合う干渉は、長い又は長円のマイクロスロット以外の穴の形状でも実現できる。例えば、図6Bは円形の穴205のパターンを示す。この穴は、この代わりに、所望の弱め合う干渉を実現するために束250でも用いられる。従って、最も重要なのは、選択されたパターンとそれぞれの束における穿孔の配置である。それにもかかわらず、上で述べたように小さい円形の穴205は目詰まり及び機械加工のエラーを受けやすいので、本発明に従う長いマイクロスロットの形状が好ましい。
α<α<αの範囲における振幅の欠乏が、隣接する束250を機能的に実質的に独立させるので、複製した束を所与の束のどちらかの側に加えることが、どちらかの束の最小化した特性を生じさせ、またそれを破壊しない。これは重要且つ中心的な束の特性であり、フーリエ変換の移動特性のすぐ次に来る。すなわち、x=0を第一の束の位置にすると、最小化された振幅(すなわち、α<α<α)と同様の範囲を有し、第一の束からΔxだけ下流に位置する第二の束からのフーリエ変換関数Fへの寄与は、単純に第一の束の変換のexp(−iαΔx)倍である。この変換関数の振幅はα<α<αでほとんどゼロなので、第二の束からFへの寄与はこの波数の範囲でほとんどゼロである。従って、二つの束はCFモードの発生において機能的に独立している。
さらには、振幅最小化のαの範囲は、束の幅と比較して翼弦方向に滑らかにゆっくりと変化するので、隣接する束は常にそれらの最小化したα範囲の大部分を共有するが、互いに干渉しない。従って、束の穿孔パターンをデザインした後、特別な気孔率を有する完全な配置を作るべく、選択した位置で束を次々に簡単に敷設することが可能である。
以下でより具体的に議論するように、吸引を穿孔スキンの下のプレナムに適用することにより、吸引流れは穿孔を通って発達する。穿孔スキンの下のプレナムにおける静圧は、構造上の障害物、定常波などのために空間的に一様でない。以下に示すように、この空間的な非均一性の波長の推定値は、最小化範囲α<α<αに対してα、αの値をもたらす。
吸引速度分布Vwall(x、z)は、穿孔されたパネルにわたる圧力降下Δp(x、z)掛ける穴の幾何学的配置hole(x、z)の平方根に比例する。束はx方向に狭いので、この方向における変動は無視でき、Δpの空間的変動は平均に比べて振幅において小さいので、平方根は連続して展開され、「数3」を得る。
Figure 0004268886
それぞれの積は波数空間の畳み込み(コンボリューション)に対応する。
Figure 0004268886
方程式の右側の第一項は上で処理された項である。第二項は、幾何学的配置のそれぞれのフーリエモードのスペクトルの広がりになる。変動Δp(β)が空間で局所化されればされるほど、益々広がりは大きくなる。例えば、吸引圧力の変動は、5cmのσを有する非常に局所化されたガウス分布を有する。従って、Δp(β)はβ=+/−0.5 1/mmまでの重要な振幅(すなわち、ピーク値の2%以上)を有し、この例ではβ=9.66の幾何学的配置のピークにおいて+/−0.5のスペクトルの拡がりを引き起こす。対応するαの変化を調べるために図3を用いると、選択された位置x/c=0.0076で約+/−0.4 1/mmであることが分かる。従ってαの最小化は、6.0<α<7.2を生じさせるために、中央の値α =6.4の+/−0.4を越えて延びなければならない。図7では、CFモードのα−βの関係(暗い線1002)についての広がりは線1002に沿って延びるバンドである。現在の最適化されたパターンのスペクトルは線1002に沿うこのようなバンドにわたって本質的にゼロであり、プレナムの圧力レベルの空間的変動に対してパターンの所望の鈍感性を生じることも留意しなければならない。
さて、議論を従来のパターンと一つの最適化された束の直接比較に向けよう。従来のパターンはx方向の7mm幅の矩形領域であり、またz方向に周期的である。z方向には、70μmの穴が、図8の上部に示される穴と穴の間の0.5mmの最大距離を有するチェッカーボードパターンに間隔を置いて配されている。幾つかの穴は目詰まりしている。最適化された束は上で述べたものと同じであり、図9の上部に示されている。どちらの穴のパターンも同じ全オープン領域を有し、従って所与の圧力差に対してほとんど等しい質量流束と本質的に等しいピークの吸引速度を有する。ボーリング及び機械加工の許容差はそれぞれ15μmと20μmであり、従来のパターンは全体の10%を超えないでたらめな数の詰まった穴を有する。図8は、従来のパターンの幾何学的配置とそれに関連する空間スペクトルを示し、図9は、本発明の調整された束に対する同じ情報を示す。スペクトルの振幅は、不安定な波数範囲の値をより良く示すように縮尺を取られている。両方のプロットとも同じ範囲(リミット)を有することに留意しなければならない。
これらの二つの図から、図9の最適化された本発明の穴パターンは、図8で示された従来のパターンと比較して、等しい平均質量流束における線1002に沿う不安定な波数範囲でより低いフォーシングを引き起こし、従って高性能なパターンが正確にラベルされる(貼り付けられる)。
本発明の好ましい特徴の発展の上の議論を考慮して、具体的な適用例を議論する。図10は、代表的な航空力学ボディ40として、航空機の揚力ウィング、制御面部材、スタビライザー、尾翼等のような翼40の前縁領域の一部の概要的な斜視図である。翼40は穿孔された外側スキン100を含む。スキンは特に、本発明に従う穿孔200の列の直線に延びるグループ又は束250を備えている。見て分かるように、穿孔の束250は全て前縁50と平行に縦に、すなわち翼長方向zと平行に延び、翼弦方向xに互いに離れている。従って、それぞれの非穿孔表面の領域が間に設けられ、穿孔の束250の隣接する領域を互いに離している。
それぞれの束250では、穿孔のパターン及びパラメーター、例えば長さ、幅、形状、間隔、向き、周期性、ジグザグ配置、気孔率(全領域に対する開いた穿孔)、列の数、列のグループ分け、及びこの束における穿孔の列の間隔が、上で述べた本発明の原理に従って最適化される。すなわち、束が所定の波長において(平均「ノイズ」エネルギーレベルの上で)本質的にエネルギーがない空間スペクトルを所有するように、所与の束の穿孔のパターン及びパラメーターはデザインされる。それで、穿孔を通る吸引により作られる流れの外乱は、所定の波長における流れの外乱の弱め合う干渉のため、束の下流で互いに打ち消し合う。このようにして、それぞれの束に関連する空間スペクトルの励起エネルギーが、特に最も面倒な波長、すなわち問題の翼40を有する航空機の飛行状態で束の上の境界層に状況によって現れる所定の流れの不安定性を有する波長で最小化される。これらの波長は、例えば図3に関連してそれぞれの関連する分散の関係により記述されるように、特に境界層流れのクロスフローモードが選択された束の翼弦方向の位置で不安定な波長である。
所与の束250のマイクロスロット200は、一般的にまた好ましくは、全て互いに平行な長い軸によって方向付けられている一方、様々な束のマイクロスロットは様々な向きを有する。一般的に上で述べたように、翼40の前縁50の後方の延びのために、入射の気流は前縁50に沿ってくっつき、前縁50から離れた翼40に当たる境界層の外側の流れの流線(ポテンシャル流れ)が、湾曲した気流経路60を作る。上で別に述べたように、所与の翼の具体的な流れ状態次第で、利点は、所与の250のマイクロスロット200を方向付けることにより得られる。それで、マイクロスロットの長い軸は、自由な流線60によって示されるように局所的な自由流れ方向と本質的に垂直である。
従って、図10のそれぞれ拡大した詳細の部分に見られるように、前縁50に直接沿う束250のマイクロスロット202は、この束の長手方向と実質的に垂直に、また局所的な自由流れと垂直に方向付けられている。一方、前縁50からさらに離れて連続的に配置された束のマイクロスロット203、204は、所与の束250の延びの長手方向に対して適切な斜めの方向に方向付けられている。それで、束のそれぞれのマクロスロットは、その翼弦方向の位置で自由流線の流れ60と実質的に垂直である。別な案として上で述べたように、様々な流れ状態に関連する様々な利点を実現するために、マイクロスロットは、代わりに局所的な自由流線の流れ方向60と本質的に平行な長い軸によって配される。
翼40の完全な構造は図11に関連してさらに発展する。図11に示すように、穿孔スキン100は下にある支持構造によって構造的に支持されなければならない。支持構造はこの場合、外側スキン100と構造的に一体化した(例えば、結合又は連結した)縦リブ300を有する。リブ300は翼40の前縁50と実質的に平行に延び、従って穿孔の束250とも平行である。よって、縦リブ300が隣接する穿孔された束250の間の穿孔されていない領域のスキン100の下に沿って延びることを保障することは、単純なデザインの考えである。従って、束250の穿孔200を阻止(ブロック)するリブ300なしで、またそれぞれの束のデザインされた空間スペクトルの具体的にデザインされた流れ特性を破壊せず若しくは著しい影響を及ぼさず、穿孔された外側のスキン100はリブ300により構造的に支持されている。言い換えると、支持するためのリブ300が隣接する束250の間の穿孔されていないスキン領域に配される限り、それぞれの束の流れ特性は翼に必要な構造的支持体を考慮せずにデザインされる。これは、従来技術の配置の重要な問題を克服する。従来技術では、先に設けられた穿孔は下にある支持リブにより阻止される。又は意図された穿孔のパターンが妨害されるに違いない。もちろん、これは従来の穴のパターンにより実現する意図された流れ特徴を破壊する。
さらには、スキン100及び支持するためのリブ300は従来通りの公知の様式、例えば溶接又はフランジのリベット締めによって互いに連結できる。しかしながら、好ましくは、外側スキン100は、その一回の押出加工により、支持するためのリブ300によって簡単に一体化して製造できる。ゆえに、先にデザインされた束250を構成する穿孔のパターンは公知の様式で機械加工され、押出加工された構成要素になる。
図12は、代表的な翼40の全構造の別な発展を示す。図11に関連して示し、議論した構成部品に加えて、図12の実施形態はさらに、溶接、リベット加工、ボンド、又は他の方式で構造的に縦リブ300と一体化したプレートであって、穿孔された内側プレート400のような内側穿孔部材400を含み、外側スキン100と内側プレート400の間でそれぞれのエアチャネル420が形成される。具体的には、それぞれのチャネル420は、外側スキン100、内側プレート部材400及びリブ300のそれぞれの隣接するリブの間で境界付けられている。この内側プレート部材400は二つの重要な目的にとって役立つ。第一に、内側プレート部材400はリブ300と外側スキン100と共に、比重に対する高い強度を有する強くて固い箱形はり構造を形成する。第二に、内側プレート部材400を設けることにより形成されるエアチャネル420は、吸引効果又は吸引流れを制御するために用いられる。吸引効果又は吸引流れは、支持リブ300の隣接するリブの間のエアチャネル420のそれぞれにより画定される翼の翼弦方向の範囲内で、穿孔の束250のそれぞれのグループにもたらされる。さらに詳しく議論するように、吸引流れは従来通り知られている吸引ジェネレーター600により、プレート部材400の下の共通のプレナム500にかけられ、次いでプレート部材400の穴450を通ってそれぞれのチャネル420に分散する。
上で一般的に述べたように、特定の穿孔を通る過度の吸引流れ速度のオーバーサクション問題が、翼40に局所的に作用する外圧の流れ方向(ストリームワイズ)の変動により引き起こされる。従って、一定の均一の吸引又は真空圧が穿孔スキン100の下面全体にかけられると、所与の穿孔を介する圧力差は外圧に依存し、外圧により変わる。単純化と信頼性のために、単一の一定の吸引プレナム圧力をもたらすことが望ましいが、スキンの穿孔された領域全体に沿う全ての穿孔のために制御され意図された吸引質量流束を実現するために、圧力差の流れ方向の変動を補償することも有利である。本発明は、第一に流れ方向におけるそれぞれの束の有孔率を変化させることにより、第二に関連する支持するための構造及び特に穿孔された内側プレート部材400を変化させることにより、第三に先の二つの可能性を組み合わせることによる、それぞれの束で独立した特性をそれぞれ用いる三通りの流れ方向の圧力変動を補償できる。
内側プレート部材400の二次的な穿孔又は穴450は、それぞれのエアチャネル420と内側プレート部材400の下の単一のオープンプレナム領域500とを連絡する。それぞれのチャネル420の幅(すなわち、翼弦方向の範囲)は連続するリブ300の間で十分小さく、それで一つのチャネル420及び関連する束250のグループの幅にわたる外圧の変動も小さい。吸い込まれた境界層空気は、外側スキン100における穿孔200を通り、それぞれの連絡チャネル420の高さを通り、次いで内部の穿孔プレート部材400の二次的な穿孔450を通って流れ、吸引ジェネレーター600により本質的に一定且つ一様な吸引又は真空圧に維持された内側のエアプレナム(吹出し口)500に達する。吸引ジェネレーター600、プレナム500及びエアチャネル420は、それぞれに又は集団で吸引システムを形成すると考えられる。
それぞれの個々のチャネル420の領域では、内部の穿孔プレート部材400は、関連するチャネル420を通る吸引圧力及び吸引流れを制御するために選択された絞り効果(スロットリング効果)を実現すべく、二次的な穿孔450によりもたらされる所定の有孔率を有する。特に、内側プレート部材400の二次的な穿孔450によりもたらされる所定の有孔率は非常に大きいので、このチャネル420の領域で内側プレート部材400を通る二次的な穿孔450の流れ抵抗に加えて、この特定のエアチャネル420に沿って外側スキン100の主要な穿孔200によりもたらされる流れ抵抗の全体が、特定の翼弦方向の関心のある地点で所望の流量を生じさせる。すなわち、正に外側の圧力の変動に反対に作用する(相殺する)ために必要な内側プレートの有孔率はチャネルごとに変わる。内側プレート部材400は外側の境界層流れの流れ状態を受けやすいので、内側プレート部材400の二次的な穿孔450の穴パターンは、外側スキン100の穿孔200の本発明のパターンと比べて比較的自由に選択される。
さらに、縦のリブ300は高い熱伝導率を有するのが好ましく、内側のプレナム500からの熱を外側スキン100に伝えることになる。また、暖かい空気も選択的に内側のプレナム500に入れられ、外側スキン100の穿孔200を通って外に出され、外側スキン100に熱い流束を与える。これは、外側スキン表面の氷の形成を防ぎ、又は形成した氷の除去を助長する。もちろん本発明の構造のこの操作は、吸引による境界層の制御が必要とされないときも時々適用可能である。
翼、スタビライザー、及び航空機のフィンなどの先細りした揚力表面に沿って存在する流れのような弱い円すい流における境界層の流量と、ゆっくりした翼長方向のポテンシャル変化とを調節するために、それぞれの束250の幅とそれぞれのチャネル420の幅は翼長方向に変化し、又はゆっくり先細りにできることにも留意しなけばならない。
表面に沿う流体の境界層流れに影響する又は制御するために穿孔されたスキンを含む本発明の構造は、特に、航空機の揚力ウィング、スタビライザー、フィン、制御表面、及び空気取込み表面などの航空機部材の外側スキンに適用可能である。本発明の構造は、表面に沿う流体の比較的高速度の境界層流れを含む他の状況にも適用可能である。例えば、本発明の穿孔パターンは流れの外乱を減少又は削除するために風洞の表面に適用可能である。流体力学的適用も可能である。
本発明により具体化される翼の前縁の一部の概要的な斜視図であり、参考に用いる座標系を示す。 飛行中の代表的な航空機の翼の表面に沿うアーチの長さに対する翼長の波数を示す、安定性のダイアグラムである。 図2の例に関連して選択された翼弦方向の位置における波数の分散関係を示すダイアグラムである。 典型的な従来の丸い形状を有する穿孔又は穴と、本発明に従う典型的なマイクロスロット穿孔を示す概要的な平面図である。 三つの例示の吸引穿孔装置の、つまりケース(a)とケース(b)では従来の穴の単一の列、ケース(c)では本発明のマイクロスロットの単一の列の速度振幅の図式的な表現である。 図5に関連する三つの吸引穿孔装置のフーリエ変換を示す図である。 本発明に従うマイクロスロットの幾つかの列における一つの束又は縦の縞の概要的な平面図と、束の縦方向に並んだマイクロスロットの長い軸を有する拡大図である。 図6に似た図であるが、束の縦方向に対して所定の平行でない且つ垂直でない斜めの角度を向いた長い軸を有するマイクロスロットを示す図である。 図6及び6Aに似た別な図であるが、本発明による空間パターンに配された円形のマイクロホールの配置を示す図である。 図6に示す本発明に従うマイクロスロットの単一の束で作られたスペクトルの二重フーリエ変換の三次元グラフィック描写である。 図7に似たグラフィック描写であるが、図6Aに従って方向付けられたマイクロスロットの単一の束で作られたスペクトルの二重フーリエ変換を示す図である。 図面の上部に平面で示された従来の吸引穴パターン及び分布の空間スペクトルを示す三次元グラフィック描写である。 図面の上部に平面で示す本発明のマイクロスロットの穿孔パターンに関連する、具体的な例の穿孔パラメーターのための、図7Aに大体対応するスペクトルのダイアグラムである。 マイクロスロットの複数の平行に離れた束を有する航空機における翼の前縁の一部の概要的な斜視図であり、拡大した詳細な図に示すように、マイクロスロットは異なる翼弦方向の位置で異なる向きで配され、すなわちマイクロスロットのそれぞれが、それぞれの翼弦方向の位置におけるポテンシャル流れの流線の局所的な向きと本質的に垂直に配されている。 外側の穿孔スキンと縦のリブを含む支持構造とを含む本発明の翼装置の一部の概要的な部分図である。 図11に似た概要的な断面の斜視図であるが、さらに圧力ヘッド補償のために穿孔された内側プレート部材を含む、本発明に従う翼構造の別な実施形態を示す図である。
符号の説明
40 翼
50 前縁
62 流線
100 外側スキン

Claims (4)

  1. 外側スキンと吸引システムを有する層流制御装置にして、
    外側スキンはそこを通って連絡している多数の穿孔と外側表面を有し、
    外側表面は、該外側表面に沿って流れる境界層気流を含む気流に晒すために適用され、
    吸引システムは外側表面と反対側の外側スキンの面における穿孔と連絡し、穿孔を介して境界層気流から空気を吸引し、
    穿孔を通る空気の吸引のために流れの外乱が境界層気流で作られる層流制御装置において、
    穿孔は、流れの外乱が、少なくとも一つ又は複数の選択された波長で相互の弱め合う干渉を受けるような穿孔の空間パターンで空間に分布しており、
    空間パターンは、少なくとも一つの縦に延びる穿孔の列の、少なくとも一つの細長い縦に延びる束を有し、
    穿孔のそれぞれは、100〜3000μmの範囲の長さと50〜250μmの範囲の幅をそれぞれ有するマイクロスロットであることを特徴とする層流制御装置。
  2. 請求項1に記載の層流制御装置において、
    空間パターンが多数の細長い縦に延びる穿孔の束を有し、
    束は互いに平行に配置され、それらの間のそれぞれの大きい穿孔されていないスキン領域によって互いに離されており、
    束はそれぞれ、多数の縦に延びる穿孔の列を含み、
    列は、互いにジグザグに配置された穿孔をそれぞれ有する列と隣接する列の列グループにおいて互いに平行に配され、
    束のそれぞれの内部において隣接する列グループの間に小さい穿孔されていないスキン領域が設けられていることを特徴とする層流制御装置。
  3. 請求項に記載の層流制御装置において、束のそれぞれにおける列グループが異なる数の穿孔の列をそれぞれに含むことを特徴とする層流制御装置。
  4. 請求項1に記載の層流制御装置において、
    空間パターンが多数の細長い縦に延びる穿孔の束を有し、
    束のそれぞれが、多数の縦に延びる穿孔の列を含み、
    束は互いに平行に配置され、それらの間の穿孔されていないスキン領域によって互いに離されており、
    穿孔の列は、互いに弱め合う干渉を生じさせるように配され、穿孔の束は、互いに弱め合う干渉を生じさせるように配されていることを特徴とする層流制御装置。
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