JP4268834B2 - 溶解金属供給装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋳造装置に溶解金属を供給する溶解金属供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイカストマシン等の鋳造装置の分野では、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の固体状態の金属材料を加熱して溶解し、この溶解金属を鋳造装置に供給する必要がある。金属を溶解する方法として、誘導加熱が知られている。誘導加熱は、電磁誘導により鋳造に用いる金属に電流を誘導し、そのジュール熱によって当該金属を加熱する加熱方法である。
たとえば、特許文献1には、1回の鋳造に必要な量の金属のみを溶解し、これを鋳造装置に供給する装置を開示している。
【0003】
【特許文献1】
特許第1260945号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、誘導加熱を用いて金属材料を加熱、溶解する場合において、電源容量を有効に使用するためには、加熱用コイルと被加熱体(溶解すべき金属材料)が磁気的に密に結合される必要がある。
たとえば、筒状容器内に被加熱体を収容して加熱する場合に、加熱用コイルとして、筒状容器の外周に円筒状のコイルを配置することが加熱用コイルと被加熱体とを最も磁気的に密に結合することができる。
しかしながら、筒状容器内の被加熱体である金属材料を急速に加熱、溶解するために、加熱用コイルに大電流を流すと、金属材料にピンチ効果が作用し、金属材料が加熱用コイル外に飛び出す可能性がある。すなわち、溶解金属に大電流が流れている場合、ピンチ効果によって、金属材料に圧縮力が作用してくびれが生じ、金属材料の一部が加熱用コイル外にはみ出す可能性がある。
金属材料の一部が加熱用コイル外にはみ出すと、被加熱体である金属材料と加熱用コイルとの磁気的結合が疎となり、金属材料を効率良く加熱、溶解することが難しく、電源容量を有効に使用することができない。
【0005】
本発明は、上述の従来の課題に鑑みて成されたものであって、その目的は、鋳造毎に誘導加熱によって金属材料を効率良く加熱、溶解して鋳造装置へ供給することが可能な溶解金属供給装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の溶解金属供給装置は、金属材料を加熱、溶解し、溶解金属を供給する溶解金属供給装置であって、上部側と下部側とに開口を有し、金属材料を収容する収容空間を有する容器と、前記下部側の開口を閉じる下蓋体と、前記下蓋体を前記容器に対して移動させ、前記開口を開閉する開閉手段と、前記容器の周囲に配置され、前記容器内の金属材料への電流の誘導により当該金属材料を加熱する磁界を発生する誘導加熱用コイルと、前記容器に収容された金属材料を前記下蓋体との間で挟む上蓋体と、前記上蓋体を前記容器に対して上下方向に移動させる移動手段とを有する。
【0007】
前記移動手段は、前記上蓋体を所望の位置に位置決めする。
【0008】
好適には、本発明の溶解金属供給装置は、前記容器に収容された金属材料を前記上蓋体によって押さえた状態で、前記金属材料を加熱、溶解する。
【0009】
さらに好適には、本発明の溶解金属供給装置は、前記容器に収容された金属材料を前記上蓋体によって押さえた状態で、前記金属材料の加熱の開始後、前記上蓋体をさらに下降させる。
【0010】
本発明では、容器の下側の開口を下蓋体で閉じる。この状態で容器に金属材料を供給し、この金属材料を下蓋体と上蓋体との間で挟み、金属材料を誘導加熱用コイルによって加熱、溶解する。溶解した金属材料には、ピンチ効果によって、誘導加熱用コイルの外部へ飛び出そうとする力が作用するが、上蓋体がこれを阻止する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る溶解金属供給装置の構成を示す図である。本実施形態に係る溶解金属供給装置1は、ダイカストマシン等の鋳造装置へ溶解した金属を供給するのに用いられる。
【0012】
図1において、溶解金属供給装置1は、上蓋体3と、ロッドレスシリンダ4と、容器5と、誘導加熱用コイル6と、下蓋体7と、シリンダ8と、コントローラ12とを有する。
容器5、上蓋体3、下蓋体7、および、誘導加熱用コイル6は、本発明の容器、上蓋体、下蓋体、および、誘導加熱用コイルの一実施態様である。また、ロッドレスシリンダ4は本発明の移動手段の一実施態様であり、シリンダ8は本発明の開閉手段の一実施態様である。
【0013】
容器5は、中心軸Ctが略鉛直方向に沿って配置された円筒状部材からなる。容器5は図示しない支持機構によって支持されている。また、容器5は、図示しないダイカストマシンのスリーブ20の給湯口20aの上方に配置されている。容器5は、上端側と下端側にそれぞれ開口5b,5cを有し、また、内部に金属材料を収容するための収容空間5aを有する。
上端側の開口5bは、金属材料を供給するために使用される。
下端側の開口5cは、容器5内において溶解された金属材料を外部に排出するのに使用される。
容器5の形成材料には、たとえば、セラミックス等の電気絶縁性を有し高い耐熱性を有する材料が用いられる。
【0014】
下蓋体7は、容器5の下端側の開口5cに対向して配置され、開口5cを閉じる。下蓋体7は、たとえば、平板状の部材で形成されているとともに、たとえば、セラミックス等の電気絶縁性を有し、耐熱性が高い材料で形成されている。
下蓋体7は、シリンダ8のピストンロッド8aに連結されている。
【0015】
シリンダ8は、ピストンロッド8aを伸縮することにより、下蓋体7を水平方向に沿って移動させる。下蓋体7が開方向B1に移動することにより、容器5の下端側の開口5cは開き、下蓋体7が閉じ方向B1に移動することにより、容器5の下端側の開口5cは閉じる。
シリンダ8は、ドライバ11によって駆動される。ドライバ11は、コントローラ12からの下蓋体7の開閉を指示する制御指令11sに応じてシリンダ8を駆動する。
【0016】
誘導加熱用コイル6は、円筒状を有し、容器5の周囲に配置されている。誘導加熱用コイル6は、たとえば、銅等の導電性の金属を螺旋線状に成形したものである。
誘導加熱用コイル6は、容器5の中心軸Ctと略同心上に配置されている。誘導加熱用コイル6は、中心軸方向の下端部が容器5の下端部に略位置しており、中心軸方向の上端部が容器5の中程に位置している。したがって、容器5の上側の周囲には、誘導加熱用コイル6は存在しない。
【0017】
誘導加熱用コイル6には、たとえば、数十kHz程度の高周波電流が電力供給回路10から供給される。誘導加熱用コイル6に高周波電流が供給されると磁界が発生する。容器5内に金属材料が存在すると、この金属材料への電流の誘導により金属材料は加熱される。
電力供給回路10は、コントローラ12からの制御指令10sに応じて、誘導加熱用コイル6への高周波電流の供給および遮断を行う。
【0018】
上蓋体3は、容器5内に挿入され、下蓋体7との間で金属材料を挟むために設けられている。
上蓋体3は、蓋部3bと軸部3cとを有する。軸部3cは、ロッドレスシリンダ4の可動部4aに上端部側が連結されている。軸部3cは、鉛直方向に沿って可動部4aに保持されている。
蓋部3bは、軸部3cの下端側に連結されており、容器5の内周に略嵌合する外形を有している。すなわち、蓋部3bの外形の直径dは、容器5の内周の直径Dよりも若干小さい。このため、蓋部3bは容器5と非接触で容器5内を移動でき、かつ、下蓋体7との間で金属材料を挟んだときに蓋部3bの上側に金属材料が漏出しない。
【0019】
蓋部3bの下蓋体7に対向する面は、下蓋体7に対して凹んだ円錐状面3aをもつ。円錐状面3aは、容器5の中心軸Ctと略一致する中心軸をもつ。
上蓋体3は、たとえば、セラミックス等の電気絶縁性を有し、耐熱性が高い材料で形成されている。また、蓋部3bと軸部3cとを一体に形成してもよいし、蓋部3bと軸部3cとを別部材としてもよい。蓋部3bと軸部3cとを別部材とした場合には、少なくとも蓋部3bをセラミックス等の電気絶縁性を有し、耐熱性が高い材料で形成し、軸部3cには金属材料を用いてもよい。
【0020】
ロッドレスシリンダ4は、可動部4aを上下方向A1およびA2に移動させることにより、上蓋体3を容器5に対して上下方向A1およびA2に昇降させる。ロッドレスシリンダ4は、ドライバ9から供給されるエアによって駆動される。ドライバ9は、コントローラ12からの制御指令9sに応じてロッドレスシリンダ4を駆動し、指示された位置に上蓋体3を位置決めする。ロッドレスシリンダ4は、可動部4aを位置決めした位置でロックするロック機能を有する。
【0021】
また、ロッドレスシリンダ4は、可動部4aの位置を検出する図示しない位置検出器を備えており、この位置検出器からの位置情報がコントローラ12に逐次出力される。
コントローラ12は、可動部4aの位置情報から、上蓋体3の位置および上蓋体3が移動しているか、あるいは、停止しているかを認識する。
コントローラ12は、ロッドレスシリンダ4、シリンダ8および電力供給回路10を所定のシーケンスにしたがって制御する。
【0022】
次に、上記構成の溶解金属供給装置1の金属材料の溶解、供給動作の一例について図2および図3に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、図4に示すように、たとえば、粒状の金属材料Mを下側の開口5cが閉じられた容器5に供給する(ステップS1)。
金属材料Mは、たとえば、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の金属材料である。本実施形態では、金属材料Mの形態は、固体状態で粒状としたが、ビレットやインゴットの形態とすることも可能である。
また、金属材料Mの容器5への供給は、オペレータが必要量の金属材料を計量して供給してもよいし、フィーダ等の装置を用いて自動的に行うこともできる。なお、金属材料Mを容器5へ供給するときには、上蓋体3は容器5の上方に退避している。
【0023】
次いで、コントローラ12は、金属材料Mが収容された容器5に向けて上蓋体3を下降させる(ステップS2)。
図4に示すように、上蓋体3が容器5内の金属材料Mの表面に接触すると、上蓋体3は金属材料Mを下方に向けて押さえつけた状態となる。上蓋体3が下蓋体7との間に金属材料Mを挟むと、上蓋体3は金属材料Mからの反力によって停止する。なお、上蓋体3の停止位置をP1とする。
このとき、コントローラ12は、上蓋体3の位置情報から上蓋体3が停止したか否かを判断する(ステップS3)。
【0024】
コントローラ12は、上蓋体3が停止したと判断すると、ロッドレスシリンダ4をロックし、上蓋体3を停止位置P1に拘束する(ステップS4)。
【0025】
次いで、コントローラ12は、誘導加熱用コイル6へ電流を供給させ、金属材料Mの誘導加熱を開始させる(ステップS5)。
容器5内の金属材料Mは、誘導加熱により溶解を開始する。図6に示すように、ピンチ効果により、中心に向かって圧縮力が作用し、溶解金属MLは、容器5の内周から離れ中心軸Ctの方向に伸びる。柱状に伸びた溶解金属MLは、下側が下蓋体7によって支持され、上側は上蓋体3によって押さえられる。なお、固体状態の金属材料Mが完全に溶解していない状態では、溶解金属MLと固定状態の金属材料Mが混ざっている。
また、ピンチ効果により、溶解金属MLの中心に向かって圧縮力が働くことにより、下蓋体7と容器5の下側の開口5cとの間に隙間があったとしても、この隙間から溶解金属MLが漏れることはない。
【0026】
ここで、図9に、上蓋体3により容器5内の金属材料を押さえなかった場合の溶解金属の状態の例を示す。
図9に示すように、容器5内において柱状に伸びる溶解金属MLを上蓋体3によって押さえない場合には、誘導加熱用コイル6内にある溶解金属MLに集中的に圧縮力が働く。このため、柱状に伸びる溶解金属MLの上側が容器5の上側の開口5bから飛び出す可能性がある。誘導加熱用コイル6に供給する電流を大きくすればするほど溶解金属MLに働く力が大きくなり、柱状に伸びやすくなる。また、溶解金属ML(金属材料M)が容器5内で細長く伸びてしまうと、斜線で示す領域HRに電流が集中し、誘導加熱用コイル6の外にはみ出した溶解金属ML(金属材料M)に流れる電流が比較的少ない。
溶解金属MLに流れる電流に偏りが発生すると、電力供給回路10のもつ容量を有効に活用することができず、効率的に固体状態の金属材料Mを溶解し、必要な温度に短時間で到達させることが難しい。
【0027】
本実施形態では、図6に示したように、容器5内に柱状に伸びる溶解金属MLの上側を押さえ込み、溶解金属MLが誘導加熱用コイル6の外にはみ出そうとするのを阻止する。
これにより、電力供給回路10のもつ容量を有効に活用することができ、効率的に固体状態の金属材料Mを溶解し、必要な温度に短時間で到達させることが可能となる。
【0028】
また、容器5内で溶解金属MLが柱状に伸びたとき、溶解金属MLの上端部は上蓋体3の円錐状面3aによって押さえられるため、上蓋体3の円錐状面3aから柱状の溶解金属MLへ作用する力は、柱状の溶解金属MLの中心軸に向かおうとする。
このため、上蓋体3から柱状の溶解金属MLへ作用する力が中心軸から逸れにくく、溶解金属MLが分散にして上蓋体3と容器5の内周との隙間に入り込むことを防ぐことができる。
【0029】
さらに、本実施形態では、容器5内で溶解金属MLが柱状に伸びたとき、誘導加熱コイル6が容器5の下側よりにのみ存在し、容器5の上側に存在しない。
たとえば、容器5の全長に渡って誘導加熱コイル6が設けられた場合を想定すると、ピンチ効果により溶解金属MLが柱状に伸び、これを上蓋体3で押さえ込むと、柱状に伸びた溶解金属MLの下端付近の圧力が高くなり、この圧力がピンチ効果による中心に向かう力よりも大きくなりやすい。この圧力がピンチ効果による中心に向かう力よりも大きくなると、容器5の下端側の開口5cと下蓋体7との隙間から溶解金属MLが漏れだす可能性がある。
このため、容器5の上側に誘導加熱コイル6を設けない構造とすることで、柱状に伸びた溶解金属MLの下端付近の圧力の上昇を押さえ、容器5の下端側の開口5cと下蓋体7との隙間から溶解金属MLが漏れだすのを防ぐことができる。
【0030】
コントローラ12は、誘導加熱の開始後、容器5内の金属材料Mの誘導加熱による溶解の進行によって金属材料Mが概ね溶解したか否かを判断する(ステップS6)。金属材料Mが概ね溶解したかどうかは、たとえば、加熱時間や金属材料Mの温度等から判断する。
コントローラ12は、容器5内の金属材料Mが概ね溶解したと判断すると、ロッレスシリンダ8のロックを解除し(ステップS7)、図7に示すように、上蓋体3をさらに下方に下降させる(ステップS8)。
容器5内の粒状の金属材料Mが概ね溶解すると体積が減少するため、この体積の減少にあわせて上蓋体3を下降させる。上蓋体3をさらに下降させれば、溶解金属MLが誘導加熱コイル6内に確実に収まり、溶解金属MLに流れる電流に偏りが発生するのを防ぐことができる。
【0031】
コントローラ12は、上蓋体3をさらに下降させたのち、所定の停止位置P2に達したかを判断し(ステップS9)、停止位置P2に達したところで、上蓋体3を停止させ(ステップS10)、再びロッドレスシリンダ8をロックする(ステップS11)。
所定の停止位置P2は、上蓋体3の下降によって、溶解金属MLが下蓋体7と容器5の下部側の開口5cとの間から漏出しない位置である。すなわち、上蓋体3を下降させすぎると、上蓋体3と下蓋体7との間の容積が溶解金属MLの容積よりも小さくなり、溶解金属MLが下蓋体7と容器5の下部側の開口5cとの間から漏出するからである。
【0032】
次いで、コントローラ12は、容器5内の溶解金属Mをスリーブ20へ供給可能かを判断する(ステップS12)。
供給可能かどうかの判断は、溶解金属MLが所定の条件の温度や加熱時間に達したかどうかから判断する。
【0033】
コントローラ12は、容器5内の溶解金属MLをスリーブ20へ供給可能と判断したところで、図8に示すように、ロッレスシリンダ8のロックを解除し(ステップS13)、上蓋体3を上昇させる(ステップS14)。
溶解金属MLをスリーブ20へ供給する前に、上蓋体3を上昇させると、ピンチ効果により、溶解金属MLは柱状に伸ばされる。これにより、溶解金属MLが容器5の内周に付着することを防ぐことができる。すなわち、上蓋体3が停止位置P2に位置するときには、溶解金属MLは比較的太い柱状に伸びているため、容器5の内周面に溶解金属MLが付着しやすい状態にある。ピンチ効果を積極的に利用して溶解金属MLを容器5の内周面から離すことにより、溶解金属MLの容器5の内周面への付着を確実に防ぐことができる。
なお、上蓋体3を上昇させる位置は、適宜設定することができる。
【0034】
コントローラ12は、上蓋体3を上昇させたのち、下蓋体7を開放し(ステップS15)、容器5内の溶解金属MLをスリーブ20へ排出させる。
この状態では、誘導加熱用コイル6には、電流が供給されている。このため、下蓋体7を開方向B1へ移動させている最中にも、溶解金属MLにはピンチ効果ガ作用している。したがって、下蓋体7を開方向B1へ移動させたとしても、溶解金属MLが容器5の内周面に付着せず、溶解金属MLは容器5の略中心軸Ctの方向に落下する。
【0035】
コントローラ12は、溶解金属MLの排出の完了を確認し(ステップS16)、誘導加熱用コイル6へ供給する電流を遮断する。
さらに、次のサイクルを行うかを判断し(ステップS18)、次のサイクルを行う場合には、下蓋体7を再び閉じる(ステップS19)。
【0036】
ここで、上記構成の溶解金属供給装置1において具体的に金属材料を溶解した例について説明する。
金属材料Mとして、粒状のマグネシウムを使用した。容器5および上蓋体3を窒化珪素で形成した。下蓋体7を窒化硼素で形成した。
また、マグネシウムの量を150グラムとし、電力供給回路10の容量を50kWとして、マグネシウムが室温から730℃に達するまで加熱、溶解した。
上記の条件で、本実施形態に係る溶解金属供給装置1を使用すると、加熱開始後、約17秒で730℃の溶解したマグネシウムが得られた。
一方、上蓋体3を使用しないでマグネシウムを加熱、溶解した場合には、730℃の溶解したマグネシウムが得られるまでに約33秒の時間を要した。
以上のように、本実施形態によれば、誘導加熱のための電力供給回路10の容量を有効に利用することができ、その結果、金属材料を効率良く加熱、溶解して鋳造装置へ供給することが可能となり、鋳造のサイクルタイムを短縮することができる。
【0037】
本発明は、上述した実施形態に限定されない。
上述した実施形態では、本発明の開閉手段としてシリンダ8を用いた場合について説明したが、下蓋体7を開閉することができる手段であればいずれの手段も採用可能である。
上述した実施形態では、本発明の移動手段としてロッドレスシリンダ4を用いた場合について説明したが、上蓋体3を昇降することができる手段であればいずれの手段も採用可能である。
上述した実施形態では、上蓋体3を位置P1に一旦停止させたのち、再び位置P2へ下降させる構成としたが、上蓋体3を位置P1から溶解による体積の減少にあわせて連続的あるいは段階的に下降させてもよく、下降させるシーケンスは適宜変更可能である。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、鋳造毎に誘導加熱によって金属材料を効率良く加熱、溶解して鋳造装置へ供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る溶解金属供給装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る溶解金属供給装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】図2の続く動作を示すフローチャートである。
【図4】容器へ金属材料を供給した状態を示す断面図である。
【図5】容器内の固体状態の金属材料を上蓋体により押さえた状態を示す断面図である。
【図6】容器内の固体状態の金属材料が溶解した状態を示す断面図である。
【図7】容器内の金属が溶解したのち、さらに上蓋体を下降させた状態を示す断面図である。
【図8】容器内の溶解金属をスリーブへ供給する動作を示す断面図である。
【図9】上蓋体により容器内の金属材料を押さえなかった場合の溶解金属の状態の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…溶解金属供給装置
3…上蓋体
4…ロッドレスシリンダ
5…容器
5a…収容空間
5b,5c…開口
6…誘導加熱用コイル
7…下蓋体
8…シリンダ
9…ドライバ
10…電力供給回路
11…ドライバ
12…コントローラ
20…スリーブ

Claims (9)

  1. 金属材料を加熱、溶解し、溶解金属を供給する溶解金属供給装置であって、
    上部側と下部側とに開口を有し、金属材料を収容する収容空間を有する容器と、
    前記下部側の開口を閉じる下蓋体と、
    前記下蓋体を前記容器に対して移動させ、前記下部側の開口を開閉する開閉手段と、
    前記容器の周囲に配置され、前記容器内の金属材料への電流の誘導により当該金属材料を加熱する磁界を発生する誘導加熱用コイルと、
    前記容器に収容された金属材料を前記下蓋体との間で挟む上蓋体と、
    前記上蓋体を前記容器に対して上下方向に移動させる移動手段と
    を有し、
    溶解が開始された金属材料が、ピンチ効果により前記容器の内周から離れることにより、前記下蓋体と前記容器の下部側の開口との間から漏出せず、且つ、前記下蓋体に支持され、前記上蓋体によって押さえられるように、前記容器内に金属材料が供給された後に前記上蓋体を所定の位置に位置決めし、前記容器内の金属材料の加熱、溶解が開始された後も前記所定の位置を維持し、前記容器内の金属材料が概ね溶解されたと判断したときに前記上蓋体を前記所定の位置から下降させる
    溶解金属供給装置。
  2. 粒状の金属材料を加熱、溶解し、溶解金属を供給する溶解金属供給装置であって、
    上部側と下部側とに開口を有し、金属材料を収容する収容空間を有する容器と、
    前記下部側の開口を閉じる下蓋体と、
    前記下蓋体を前記容器に対して移動させ、前記下部側の開口を開閉する開閉手段と、
    前記容器の周囲に配置され、前記容器内の金属材料への電流の誘導により当該金属材料を加熱する磁界を発生する誘導加熱用コイルと、
    前記容器に収容された金属材料を前記下蓋体との間で挟む上蓋体と、
    前記上蓋体を前記容器に対して上下方向に移動させる移動手段と
    を有し、
    前記容器に収容された金属材料を前記上蓋体によって押さえた状態で、前記金属材料を加熱、溶解し、
    溶解した金属材料が、ピンチ効果により前記容器の内周から離れることにより、前記下蓋体と前記容器の下部側の開口との間から漏出せず、且つ、前記下蓋体に支持され、前記上蓋体によって押さえられる位置に、前記容器内の金属材料の加熱の開始後、前記上蓋体を下降させる
    溶解金属供給装置。
  3. 金属材料を加熱、溶解し、溶解金属を供給する溶解金属供給装置であって、
    上部側と下部側とに開口を有し、金属材料を収容する収容空間を有する容器と、
    前記下部側の開口を閉じる下蓋体と、
    前記下蓋体を前記容器に対して移動させ、前記下部側の開口を開閉する開閉手段と、
    前記容器の周囲に配置され、前記容器内の金属材料への電流の誘導により当該金属材料を加熱する磁界を発生する誘導加熱用コイルと、
    前記容器に収容された金属材料を前記下蓋体との間で挟む上蓋体と、
    前記上蓋体を前記容器に対して上下方向に移動させる移動手段と
    を有し、
    前記容器に収容された金属材料を前記上蓋体によって押さえた状態で、前記金属材料を加熱、溶解し、
    前記下蓋体の開放により溶解した金属材料を前記容器の下部側の開口から排出する前に、前記金属材料を押さえている上蓋体を上昇させる
    溶解金属供給装置。
  4. 金属材料を加熱、溶解し、溶解金属を供給する溶解金属供給装置であって、
    上部側と下部側とに開口を有し、金属材料を収容する収容空間を有する容器と、
    前記下部側の開口を閉じる下蓋体と、
    前記下蓋体を前記容器に対して移動させ、前記下部側の開口を開閉する開閉手段と、
    前記容器の周囲に配置され、前記容器内の金属材料への電流の誘導により当該金属材料を加熱する磁界を発生する誘導加熱用コイルと、
    前記容器に収容された金属材料を前記下蓋体との間で挟む上蓋体と、
    前記上蓋体を前記容器に対して上下方向に移動させる移動手段と
    を有し、
    前記容器内の金属材料の加熱の開始後、溶解した金属材料の排出が完了するまで、前記誘導加熱用コイルに電流を継続して供給する
    溶解金属供給装置。
  5. 前記容器は、筒状体で構成され、
    前記上蓋体は、前記容器の内周に略嵌合する外形を有し、かつ、前記下蓋体に対向する面は凹状面を有する
    請求項1〜4のいずれかに記載の溶解金属供給装置。
  6. 前記上蓋体の前記下蓋体に対向する面は、前記容器の中心軸と略一致する中心軸をもつ円錐面を備える
    請求項5に記載の溶解金属供給装置。
  7. 前記誘導加熱用コイルは、円筒状を有し、前記筒状体の周囲に当該筒状体の中心軸と略同心上に配置されている
    請求項5または6に記載の溶解金属供給装置。
  8. 前記誘導加熱用コイルの中心軸方向の長さは、前記筒状体の中心軸方向の長さよりも短く、かつ、前記筒状体の下端側よりに配置されている
    請求項7に記載の溶解金属供給装置。
  9. 前記上蓋体は、セラミックで形成されている
    請求項1〜8のいずれかに記載の溶解金属供給装置。
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