JP4268342B2 - 周波数ホッピング型の無線通信装置 - Google Patents

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【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、周波数ホッピング型の無線通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブルートゥース技術を用いた無線通信においては、周波数ホッピング型のスペクトラム拡散変調方式が採用されており、実際に通信を行う際にはピコネットと呼ばれるネットワークが通信可能範囲内の通信装置間にて形成される。1つのピコネットに加わった通信装置各々は同一のホッピング周波数パターンで通信を行う状態にある。また、ピコネットにおける通信装置間においては1つの通信装置がマスタ装置となり、それ以外はスレーブ装置になるという関係が生じる。ピコネット内の通信ではマスタ装置と最大7つのスレーブ装置との間で行われ、スレーブ装置間で直接の通信を行われない。ブルートゥース用の無線通信装置はマスタ装置及びスレーブ装置のいずれにもなれる機能を有している。
【0003】
また、ブルートゥース技術を用いた無線通信においては、2.4GHzのISM(Industry Scientific and Medical)周波数帯が用いられ、79又は23の無線チャンネルに分割されて使用される。また、各無線チャンネルを1/1600秒=625μsec毎に分割した単位がタイムスロットとされ、各無線通信装置は割り当てられたタイムスロットにおいてパケットを送信する。無線通信の際にタイムスロットの割り当てが同一の無線チャンネルではなく、ホッピング周波数パターンに従って無線チャンネルを切り換えて行われる。マスタ装置はピコネットのホッピング周波数を提供する。図1はマスタ装置とスレーブ装置との間の通信の際のタイムスロットの変化を示している。
【0004】
ブルートゥース用の無線通信装置間でピコネット通信を開始する際にはインクワイアリ(問い合わせ)という動作が先ず行われる。インクワイアリを行う無線通信装置はマスタ装置となってIQパケットを送信する。IQパケットはGIAC(General Inquiry Access Code)と呼ばれるアクセスコードからなる。マスタ装置はGIACと自身のクロック値とからホッピング周波数を算出してIQパケットをそのホッピング周波数で定まる無線チャンネルにて送信する。クロック値は各無線通信装置が所有するクロックカウンタの値である。ホッピングパターンとしてA列とB列とがあり、A列とB列とが複数回繰り返される。マスタ装置と通信可能な範囲にあり、インクワイアリに応答可能な状態にある無線通信装置はスレーブ装置として動作する。スレーブ装置はGIACと自身のクロック値とからホッピング周波数を算出して、IQパケットの受信を監視する。スレーブ装置はIQパケットを受信すると、スレーブ装置自身の情報を含む応答パケットを送信する。すなわち、応答パケットを受信すると、自身のクロック値とアドレス値とを含むFHSパケットを応答したマスタ装置に対して送信する。アドレス値はBD_ADDRと称された各無線通信装置固有の値である。マスタ装置はFHSパケットをスレーブ装置から受信することにより、マスタ装置の周辺に存在するBT装置の情報を入手することになる。こうしてインクワイアリ動作は終了となり、ページング(呼び出し)を行って実際のピコネット通信が開始できるようになる。実際のピコネット通信を行うためにはマスタ装置のアドレス値と自身のクロック値とからホッピング周波数を算出してデータパケットをスレーブ装置に送信し、スリーブ装置もそのデータパケットから得られるマスタ装置のアドレス値とマスタ装置のクロック値と自身のクロック値に基づいてホッピング周波数を算出して送信周波数を設定してデータパケットをマスタ装置に対して送信するというページングを行う。
【0005】
すなわち、マスタ装置が通信可能な範囲に特定の無線通信装置(スレーブ装置)の存在を知っている場合にはページングが行われる。ページングを行うマスタ装置はIDパケットを送信する。IDパケットはスレーブ装置のアドレス値から生成されるDAC(Device Access Code)と呼ばれるアクセスコードからなる。マスタ装置はDACとスレーブクロックの推定値とからホッピング周波数を算出してIDパケットをそのホッピング周波数で定まる無線チャンネルにて送信する。ホッピングパターンとしてA列とB列とがあり、A列とB列とが複数回繰り返される。ページングに応答可能な状態にあるスレーブ装置は自身のアドレス値と自身のクロック値とからホッピング周波数を算出して、IDパケットの受信を監視する。スレーブ装置はIDパケットを受信すると、スレーブ装置自身のアドレス値等の情報を含む応答パケットを送信する。マスタ装置は、応答パケットを受信すると、自身のクロック値とアドレス値とを含むFHSパケットを応答したスレーブ装置に対して送信する。スレーブ装置はFHSパケットをマスタ装置から受信すると、応答パケットを再度マスタ装置に送信する。マスタ装置は応答パケットを再度受信すると、ページング動作は終了となり、上記のインクワイアリの場合と同様に実際のピコネット通信が開始される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
かかるブルートゥース技術を用いた無線通信においては、多くの無線通信装置が通信可能な範囲に存在して同時に通信するような状況では、上記のように79チャンネルの如き多数の通信チャンネルがあっても混信することが予想される。例えば、通信可能な範囲に複数のピコネットが形成され、異なるピコネット各々で通信中の無線通信装置に対して同一のホッピング周波数のタイムスロットが同時に割り当てられる可能性がある。同一のホッピング周波数のタイムスロットが同時に割り当てられると、混信のためにパケットを適切に受信することができないために再送が要求されることになり、更に混信を呼ぶ可能性もある。
【0007】
一方、多くの無線通信装置が通信可能な範囲に存在していなくても、マルチパスによる受信障害や電子レンジ等の機器から発せられる電磁波による妨害により混信を生じる場合もある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の目的は、通信の際の混信を防止することができる周波数ホッピング型の無線通信装置を提供することである。本発明の周波数ホッピング型の無線通信装置は、第1ホッピング周波数に応じた受信周波数でパケットを受信して第1受信信号を出力する第1同調部と第2ホッピング周波数に応じた受信周波数でパケットを受信して第2受信信号を出力する第2同調部とを少なくとも有する同調手段と、第1及び第2ホッピング周波数を設定するホッピング周波数設定手段と、第1及び第2受信信号に対して受信方向に関する指向性補正を個別に施して出力する指向性補正手段と、指向性補正手段によって指向性補正された第1及び第2受信信号を各々復調する復調手段と、復調手段から出力される第1及び第2受信信号各々の復調信号を選択的に出力する選択手段と、復調手段による前記第1及び第2受信信号各々の復調エラーの有無を判別する判別手段と、判別手段の判別結果に応じて指向性補正手段を制御する指向性制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図2は3つのブルートゥース送受信機能を備えた無線通信装置の受信部を示している。この無線通信装置は、3つのブルートゥース送受信機能に対応して3つの受信系のアンテナ1a〜1c、RF回路2a〜2c、A/D変換器3a〜3c、LPF4a〜4c、復調回路5a〜5c及び復調回路6a〜6cを備えている。
【0010】
第1受信系はアンテナ1a、RF回路2a、A/D変換器3a、LPF4a、復調回路5a及び復調回路6aからなり、第2受信系はアンテナ1b、RF回路2b、A/D変換器3b、LPF4b、復調回路5b及び復調回路6bからなり、第3受信系はアンテナ1c、RF回路2c、A/D変換器3c、LPF4c、復調回路5c及び復調回路6cからなる。
【0011】
アンテナ1a〜1cは無指向性のものでも指向性を有するものでも良い。RF回路2a〜2c各々はフロントエンド部であり、周波数ホッピングした受信動作を行い、アンテナ1a〜1cを介して得られた受信RF信号を周波数変換してI(同相)及びQ(直交)成分を出力する。RF回路2a〜2cは後述するホッピング周波数算出回路21から出力されるホッピング周波数に同調するようになっている。A/D変換器3a〜3cはRF回路2a〜2cの出力信号をディジタル信号に変換し、それをLPF4a〜4cに供給する。LPF4a〜4cは入力ディジタル信号の低域成分を出力する。
【0012】
LPF4a〜4cの出力には指向性補正回路7が接続されている。指向性補正回路7は3受信系統各々の受信指向特性を設定する。指向性補正回路7はI及びQ成分の複素数に対応したディジタルフィルタからなる。例えば、図3に示すように、係数乗算器11a〜13a,11b〜13b,11c〜13cと加算器14a〜14cとから構成されるディジタルフィルタが3系統分備えられている。係数乗算器11a〜13a,11b〜13b,11c〜13c各々の係数C00〜C02,C10〜C12,C20〜C22を定めることにより受信指向パターンの補正が行われる。指向性補正回路7はインクワイアリ時には図4に示す如き、3つの受信系でメインローブが60度だけ互いに異なる方向に向いた受信指向パターンを形成する。なお、図4では0〜180度の範囲の指向性を示しているが、折り返しによる指向性により0〜360度の範囲の指向性が得られている。
【0013】
指向性補正回路7の出力に復調回路5a〜5cは接続されている。復調回路5a〜5cは指向性補正回路7によって指向性補正されたベースバンド信号を復調する。上記したLPF4a〜4cの出力にも復調回路6a〜6cが接続されている。復調回路6a〜6cは指向性補正されていないベースバンド信号を復調する。復調回路5a〜5c及び復調回路6a〜6c各々は図3に示すように復調器16a〜16c,18a〜18cとCRC検出器17a〜17c,19a〜19cとから構成される。復調器16a〜16c,18a〜18c各々は供給されたベースバンド信号をGFSK復調する復調回路の本体である。CRC検出器17a〜17c,19a〜19c各は対応する復調器から得られる受信パケットにおけるCRC(Cyclic Redundancy Check)コードを用いた誤り検出であり、誤り検出結果として正常及び異常のいずれか一方を示す誤り検出信号を出力する。復調器16a〜16c,18a〜18cの出力には選択回路8が接続されている。また、CRC検出器17a〜17c,19a〜19cの出力にはエラー状態監視回路9が接続されている。
【0014】
エラー状態監視回路9は、復調回路5a〜5c及び復調回路6a〜6c各々から供給される誤り検出信号に応じて選択回路8に対して選択指令する。選択指令は、CRC検出器17a〜17c,19a〜19cが正常な検出結果を出力した復調回路の復調器の出力の選択を指令するものである。選択回路8は復調回路5a〜5c及び復調回路6a〜6cの各出力信号のうちの選択指令に対応した1の復調回路の出力信号を出力する。
【0015】
また、エラー状態監視回路9には指向性制御回路10が接続されている。エラー状態監視回路9は、復調回路5a〜5cのうちのCRC検出器17が正常な検出結果を出力した復調回路に応じて指向性を指向性制御回路10に指令する。指向性制御回路10はエラー状態監視回路9によって指令された指向性を持つように上記した指向性補正回路7の係数を設定して切り換える。また、指向性制御回路10には、第1〜第3受信系各々のホッピング周波数を算出するホッピング周波数算出回路21が接続されている。ホッピング周波数算出回路21は受信したマスタ装置のアドレス値又は予め定められたアドレス値とクロック値生成回路22から出力されるクロック値とに応じて第1〜第3受信系各々のホッピング周波数を算出する。ホッピング周波数算出回路21から出力されるホッピング周波数の周波数データ及びクロック値生成回路22から出力されるクロック値が供給される。指向性制御回路10はホッピング周波数に応じて同一の指向性を維持するように係数を設定し、指向性補正回路7に対するその係数の切換タイミングをクロック値の変化タイミング信号に応じてホッピング周波数の変化タイミングに合わせて行う。
【0016】
かかる構成を備えた無線通信装置においては、上記したようにTDD方式で無線通信が行われ、その無線通信の際にタイムスロットの割り当てが同一の無線チャンネルではなく、ホッピング周波数パターンに従って無線チャンネルを切り換えて行われる。マスタ装置はピコネットのホッピング周波数をスレーブ装置に提供し、例えば、図1に示した如くマスタ装置とスレーブ装置との間の通信の際にはタイムスロットの周波数が変化する。
【0017】
指向性制御回路10は、図5に示すように、ホッピング周波数算出回路21からホッピング周波数(受信周波数)を得る(ステップS1)。また、エラー状態監視回路9からの指令された指向性を受け入れる(ステップS2)。そして、そのホッピング周波数に応じて指令された指向性に対する指向性補正回路7の乗算器11a〜13a,11b〜13b,11c〜13c各々の係数C00〜C02,C10〜C12,C20〜C22を設定する(ステップS3)。指向性の指令は上記したようにエラー状態監視回路9によって行われる。指向性補正回路7の乗算器の係数C00〜C02,C10〜C12,C20〜C22を設定すると、クロック値生成回路21からクロック値の変化タイミング、すなわち周波数ホッピングの変化タイミングに応じてその設定した係数C00〜C02,C10〜C12,C20〜C22を指向性補正回路7に供給する(ステップS4)。これにより、指向性補正回路7によって形成される指向性は所望の指向特性となると共にその変化が周波数ホッピングのタイミングに合わせて行われることになる。
【0018】
本装置がマスタ装置となって通信相手の無線通信(スレーブ装置)を検出して通信を確立するためのインクワイアリ動作の際には、3つの受信系の各々異なる指向性が形成される。すなわち、3つの受信系の受信が同一のホッピング周波数で行う場合には、指向性制御回路10は3つの受信系の指向性を互いに120度間隔で異なる方向に向けるように指向性いずれの方向に存在するスレーブ装置に対しても対応できるように指向性補正回路7の係数を設定する。
【0019】
本装置のうちの送信部にて行われたインクワイアリのための送信に対して通信範囲内に存在するスレーブ装置が応答信号を発生してくると、その応答信号は各受信系で受信される。応答信号に対する受信結果は各復調回路5a〜5c,6a〜6cから得られ、復調回路5a〜5c,6a〜6c各々のCRC検出器17では応答信号の復調の誤り検出が実行される。復調回路5a〜5c,6a〜6c各々の誤り検出結果の誤り検出信号はエラー状態監視回路9に供給される。
【0020】
エラー状態監視回路9は復調回路5a〜5c,6a〜6c各々のCRC検出器17からの誤り検出信号を判別し、その判別結果に応じて選択回路8に対して選択指令する。例えば、いずれか1の誤り検出信号が正常を示す場合には、その正常を示した復調回路の出力信号を出力させる。これにより、所望の通信相手の装置からの無線信号からデータを良好に得ることができるので、無線通信装置の受信精度を向上させることができる。
【0021】
また、復調回路5a〜5cのうちのいずれか1から正常を示す誤り検出信号がエラー状態監視回路9に供給された場合には、エラー状態監視回路9はその正常を示した復調回路の1の受信系を示すデータを指向性制御回路10に供給する。指向性制御回路10はそのデータから1の受信系の指向性だけを形成し、それ以外の受信系の指向性を、1の指向性を含む指向性とするように指向性補正回路7の係数を設定しても良い。これにより、1の指向性を向けた方向から、別の信号が到来した場合にも対応可能となる。
【0022】
なお、ページング時においても特定のスレーブ装置に対する受信指向性を得るように指向性補正回路7の各係数を制御することができる。
また、インクワイアリ時に、受信した電波の方向によりスレーブ装置(機器)の方向(マスタ装置である自身に対するスレーブ装置の位置)を認識し、次段階のページング動作の送信の際にこの指向性を利用することができる。すなわち、送信時の指向性の制御にも応用することができるのである。
【0023】
また、3つの受信系が常に指向性を形成していると、消費電力の浪費や無駄な電波の放出にも繋がるので、所望の通信相手の装置との通信について選択回路8による復調回路の選択を行った後には、上記したようにその選択した復調回路の受信系以外の受信系の指向性については無指向性にすることにより消費電力の浪費や無駄な電波の放出を軽減させることができる。
【0024】
図6は本発明の他の実施例を示しており、図2の装置と同一部分は同一符号を用いて示している。図6の装置においては、図2の指向性補正回路7に代えて第1指向性補正回路31と第2指向性補正回路32とがLPF4a〜4cの出力と復調回路5a〜5cとの間に備えられている。第1指向性補正回路31及び第2指向性補正回路32は共に図3に示したディジタルフィルタが第1〜第3受信系毎に備えた構成を有する。第1指向性補正回路31は指向性制御回路10による係数設定により各アンテナ1a〜1cの取り付けによる指向特性を補正し、第2指向性補正回路32は上記の指向性補正回路7と同様に所望の指向特性を得るために指向性制御回路10による係数設定によりホッピング周波数に応じて指向特性を補正する。
【0025】
図7も本発明の他の実施例を示しており、図6の装置と同一部分は同一符号を用いて示している。図7の装置は、CMA(Constant Modulus Algorithm)を適用した装置である。第2指向性補正回路32の各出力にCMAアダプティブアレー33が接続されている。CMAアダプティブアレー33は第2指向性補正回路32の各出力信号に個別に係数を乗算し、その乗算した結果を合成して出力すると共に合成出力のレベルが一定となるようにその合成出力を帰還して各乗算係数を制御する構成である。CMAアダプティブアレー33の具体的な構成及び動作については特開平7−142919号公報に適応制御手段として示されているので、ここでの説明は省略する。
【0026】
CMAアダプティブアレー33の出力は復調回路34を介して選択回路8に接続されている。復調回路34は復調回路5a〜5c,6a〜6cと同様に図3に示した如き構成である。エラー状態監視回路9は、復調回路5a〜5c,6a〜6c及び34各々から供給される誤り検出信号のうちの正常を示す信号を出力した復調回路の選択指令を選択回路8に対して発する。選択回路8は復調回路5a〜5c、6a〜6c及び34の各出力信号のうちのエラー状態監視回路9からの選択指令に対応した1の復調回路の出力信号を出力する。
【0027】
なお、上記した各実施例においては、エラー状態監視回路9は各復調回路のCRC検出器による検出結果を用いて各受信系の受信指向性の判断動作や選択回路の選択動作を行っているが、これらの動作を各復調回路のCRC検出器による検出結果の他に各受信系の電界強度を用いて行うこともできる。例えば、CRCが用意されているパケットに対してはエラー値を用いて選択回路に選択動作を行わせ、CRCが用意されていないパケットに対しては電界強度を用いて選択回路に選択動作を行わせても良い。
【0028】
また、上記した各実施例においては、第1〜第3受信系が同一のホッピング周波数にて受信を行う場合について説明したが、第1〜第3受信系各々が互いに異なるホッピング周波数であっても良い。
また、上記した各実施例においては、ブルートゥース技術を用いた無線通信装置の場合について説明したが、他の周波数ホッピング型の無線通信装置にも適用することができる。
【0029】
また、上記した各実施例の無線通信装置は、3つの受信系を備えているが、複数の受信系を備えたものであれば、本発明を適用することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上の如く、本発明によれば、通信相手の方向に受信指向性を容易に形成することができるので、通信の際のマルチパスによる受信障害や電子レンジ等の機器から発せられる電磁波による妨害により混信の他に、通信相手以外の無線通信装置が同時に同一の通信可能範囲内に送信している場合の混信を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マスタ装置とスレーブ装置との間の通信の際のタイムスロットの変化を示す図である。
【図2】本発明による無線通信装置を示すブロック図である。
【図3】図2の装置中の指向性補正回路及び各復調回路の具体的構成を示すブロック図である。
【図4】指向性補正回路によって形成される指向性パターン例を示す図である。
【図5】指向性制御回路の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の他の実施例を示すブロック図である。
【図7】本発明の他の実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
7 指向性補正回路
8 選択回路
9 エラー状態監視回路
10 指向性制御回路
21 ホッピング周波数算出回路

Claims (9)

  1. 第1ホッピング周波数に応じた受信周波数でパケットを第1アンテナを介して受信して第1受信信号を出力する第1同調部と、第2ホッピング周波数に応じた受信周波数でパケットを第2アンテナを介して受信して第2受信信号を出力する第2同調部とを少なくとも有する同調手段と、
    前記第1及び第2ホッピング周波数を設定するホッピング周波数設定手段と、
    前記第1及び第2受信信号に対して受信方向に関する指向性補正を個別に施して出力する指向性補正手段と、
    前記指向性補正手段によって指向性補正された前記第1及び第2受信信号を各々復調する復調手段と、
    前記復調手段による前記第1及び第2受信信号各々の復調エラーの有無を判別する判別手段と、
    前記復調手段から出力される前記第1及び第2受信信号各々の復調信号を前記判別手段の判別結果に応じて選択的に出力する選択手段と、
    前記判別手段の判別結果に応じて前記指向性補正手段を制御する指向性制御手段と、を備えたことを特徴とする周波数ホッピング型の無線通信装置。
  2. 前記指向性制御手段は、前記判別手段の判別結果に加えて前記第1及び第2ホッピング周波数及びその周波数変化タイミングに応じて前記指向性補正手段を制御することを特徴とする請求項1記載の周波数ホッピング型の無線通信装置。
  3. 前記復調手段は、前記指向性補正された前記第1及び第2受信信号の他に前記第1及び第2同調部から直接出力された前記第1及び第2受信信号を各々復調し、
    前記選択手段は、前記判別手段の判別結果に応じて前記復調手段の各出力信号のうちから復調エラー無しの1の信号を出力することを特徴とする請求項1記載の周波数ホッピング型の無線通信装置。
  4. 前記指向性補正手段は、前記第1受信信号に第1係数を乗算する第1乗算器と、前記第2受信信号に第2係数を乗算する第2乗算器と、前記第1及び第2乗算器の各乗算結果を加算して前記第1受信信号に対する指向性補正出力信号とする第1加算器と、前記第1受信信号に第3係数を乗算する第3乗算器と、前記第2受信信号に第4係数を乗算する第4乗算器と、前記第3及び第4乗算器の各乗算結果を加算して前記第2受信信号に対する指向性補正出力信号とする第2加算器と、を有し、前記指向性制御手段は、前記指向性補正手段の制御として前記第1ないし第4係数を設定することを特徴とする請求項1記載の周波数ホッピング型の無線通信装置。
  5. 前記判別手段は、前記復調手段による各受信信号毎のCRC誤り検出の結果に応じて前記復調エラーの有無を判別することを特徴とする請求項1記載の周波数ホッピング型の無線通信装置。
  6. 前記選択手段は、前記CRC誤り検出の結果又は前記第1及び第2受信信号各々の電界強度に応じて前記復調手段の各出力信号のうちから前記1の信号を出力することを特徴とする請求項3又は5記載の周波数ホッピング型の無線通信装置。
  7. 前記指向性補正手段は、前記第1及び第2アンテナの取り付けによる指向性特性を補正する手段を含むことを特徴とする請求項1記載の周波数ホッピング型の無線通信装置。
  8. 前記指向性補正手段の各出力信号に個別に係数を乗算し、その乗算した結果を加算して出力すると共にその加算出力のレベルが一定となるようにその加算出力を帰還してその個別の係数の値を制御する適応制御手段を有し、前記復調手段は、前記指向性補正された前記第1及び第2受信信号の他に前記適応制御手段の出力信号を復調することを特徴とする請求項1記載の周波数ホッピング型の無線通信装置。
  9. 前記無線通信装置は、ブルートゥース技術が適用された装置であり、前記指向性制御手段は、インクワイアリ時には前記第1及び第2受信信号に対して互いに異なる指向性を与えるべく前記指向性補正手段を制御することを特徴とする請求項1記載の周波数ホッピング型の無線通信装置。
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