JP4268181B2 - 精密機器用の弾性支持部材および携帯式コンピュータ - Google Patents

精密機器用の弾性支持部材および携帯式コンピュータ Download PDF

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Description

本発明は、コンピュータなどの精密機器の底部に使用する弾性支持部材に関する。さらに詳細には、ロッキングおよびチルト・ドロップに同時に対応することができる弾性支持部材に関する。
コンピュータは内部に磁気ディスク装置を収納した精密機器であり、運搬中だけでなく机上で使用するときにも過度な衝撃を加えないようにしなければならない。特に、携帯式コンピュータは、使用場所を変更して使用するため机上に置き直す機会が多い。ある場所に移動して携帯式コンピュータを使用する場合には、通常ユーザは、コンピュータの一端を机の上に置き、それから徐々に他端を机に近づけてコンピュータを机上に静止させる。このときコンピュータ全体が完全に机上面に静止する直前にユーザがコンピュータから手を離してしまい、磁気ディスク装置に比較的強い衝撃を加えてしまうことがある。このような落下現象を本明細書においてはチルト・ドロップということにする。
また、コンピュータのベースの底面は、完全に平坦にすることはコスト的に困難なため多少の歪みが残り、また、コンピュータが置かれる机上面も多少は歪んでいることがある。この場合、コンピュータの底面の一部と机上面との間に隙間が生じ、ユーザがキーボード操作をする場合に小さな動きが生じて不快感を与えてしまう。この動きを本明細書においてはロッキングということにする。
特許文献1には、先端に突起を設け突起が軽荷重で潰れて足ガタを吸収し、潰れた後は急激に反力が増大するように材料となるゴムの硬度を選択したゴム足を開示する。特許文献2には、ベース・プレートに多数の突起が設けられ、各突起に空洞が形成された防振パッドが開示されている。特許文献3は、突出部を構成する第1の弾性ゴムの背後に空隙を設け、さらにその背後に第2弾性ゴムを設けた防振ゴム部材を開示する。
特開平9−172478号公報 実開平3−105737号公報 実開昭63−187746号公報
合成樹脂や薄い金属板で形成される携帯式コンピュータのベースの底面には、一般にゴム足といわれる弾性支持部材が取り付けられる。携帯式コンピュータに使用するゴム足には、チルト・ドロップにより磁気ディスク装置に加わる衝撃を吸収する機能、ロッキングを防止する機能、およびコンピュータを机上で使用するときに安定して支持する機能が要求される。さらにユーザは机上で比較的頻繁に底面を滑らせながら携帯式コンピュータの位置を変更するので、弾性支持部材には耐摩耗性も要求される。弾性支持部材を平坦な直方体の形状にして、材料の選定だけでこれらの機能を同時に実現することは困難である。
たとえば、ロッキングを防止するには、弾性支持部材の面積をできるだけ小さくすることが求められる。しかし、面積を小さくすると耐摩耗性や強度に問題がでてくる。さらに、面積を小さくしながら耐摩耗性と強度を維持するために硬い材料を選定するとチルト・ドロップに対する衝撃の吸収能力を十分に発揮することができなくなる。さらに、ロッキングを防止するには、コンピュータの底面と机上面との隙間公差に相当するストロークを弾性支持部材が吸収する必要があり、材料の選択だけでチルト・ドロップ、ロッキング、使用時の安定性、および耐摩耗性に関するすべての機能を充足させることは益々困難になる。形状に特徴を持たせて上記の諸機能を実現しようとする場合には、弾力に関連するパラメータの調整が容易な構造にしないと、さまざまな荷重や使用条件の電子機器に対応した構造にすることができなくなる。また、弾性支持部材は、単一材料で一体成形が可能な構造であることが製造コストの観点から望ましい。
そこで本発明の目的は、ロッキングの防止とチルト・ドロップによる衝撃吸収を同時に行うことができる弾性支持部材を提供することにある。さらに本発明の目的は、耐摩耗性に優れた弾性支持部材を提供することにある。さらに本発明の目的は、単一弾性材料で形成するのに適した構造の弾性支持部材を提供することにある。さらに本発明の目的は、ロッキングとチルト・ドロップ対策を両立する弾力の調整に優れた構造の弾性支持部材を提供することにある。さらに本発明の目的は、そのような弾性支持部材を設けて耐ロッキングおよび耐衝撃性に優れた精密機器および携帯式コンピュータを提供することにある。
本発明にかかる弾性支持部材は突起部と脚部と橋架部で構成されている。突起部は第1の空洞部の静的支持面側で脚部に連絡した橋架部により弾性的に支持されている。突起部の先端面は静的支持面より突出している。静的支持面は、弾性支持部材から突起部を取り去り、圧力を加えない状態で取付面を上にした弾性支持部材を平坦な面においたときに、平坦な面に接触する弾性支持部材の脚部が形成する面をいう。突起部は、先端面に圧力が加えられると第1の空洞部に沈下する。このとき第1の空洞部は、突起部が沈下する際に橋架部が弾性変形するための空間を提供する。弾性支持部材が精密機器に取り付けられてロッキングが発生すると、突起部は静的支持面と机上面との隙間と分担荷重に応じて決められた沈下量だけ第1の空洞部に沈下して精密機器を支持しロッキングを防止する。
精密機器を机上面に設置する際に、チルト・ドロップが発生したときは、最初に突起部の先端面が机上面に衝突して衝撃を吸収する。衝撃により突起部が第1の空洞部に沈下する際に、橋架部は弾力を発揮して衝撃の加速度を吸収する。橋架部が第1の空洞部で主として引っ張り弾性により弾力を発揮するようにすると、圧縮弾性による弾力よりもより衝撃の吸収能力を高めることができる。橋架部が脚部に形成された貫通開口の側壁に結合された四つの継ぎ手からなる十字状の支持構造を備えているようにすると、コーナーの切除部の大きさを調整することで継ぎ手の引っ張り弾性率を調整することができるので突起部が沈下する際の弾性率を容易に制御することができる。よって、容易にチルト・ドロップとロッキングの両立を図るパラメータを決定することができる。
十字状の支持構造は、平板の厚さ方向において、継ぎ手の周囲が取付面側から静的支持面側まで貫通するように平板の4つのコーナーを切除してもよく、また、一定の深さまで切除するようにしてもよい。先端面が静的支持面に到達した後の残存加速度は、第1の空洞部が提供する空間が使い果たされているので主として橋架部と脚部の圧縮弾性で吸収する。突起部が弾性材料で形成されているときは、さらに突起部の圧縮弾性も衝撃吸収に寄与する。脚部、橋架部および突起部は圧縮弾性で衝撃を吸収する際には、突起部により軽減された加速度の衝撃を吸収すればよいので、このときに突起部により軽減された加速度のピーク値を超えたピーク値が発生することはない。
第1の空洞部は取付面において開放していても開放していなくてもよい。開放している場合は、精密機器の底面が第1の空洞部が提供する空間の限界位置になる。橋架部は、突起部が先端面に圧力を受けたときに、突起部が精密機器の底面に接触するように突起部を支持してもよく、また橋架部が精密機器の底面に接触するように突起部を支持してもよい。突起部または橋架部が精密機器の底面に到達した後は、突起部と橋架部は主として圧縮弾性で変形して、脚部と協働して残存している加速度を吸収する。
脚部が複数の山部を含み、各山部の背後に第2の空洞部を設けるようにすると、衝撃を吸収する際に山部の背後に圧縮弾性だけでなく引っ張り弾性も発揮させて、より効果的に衝撃吸収能力を高めることができる。弾性支持部材は、全体を1つの材料による鋳型で一体形成することができるので製造が容易である。
本発明の他の態様では、弾性支持部材を底面に取り付けた携帯式コンピュータを提供する。弾性支持部材は弾性材料で形成され、脚部と突起部と橋架部で構成される。脚部は取付面が携帯式コンピュータの底面に取り付けられた取付面と、取付面に対向する静的支持面と第1の空洞部とを備える。突起部は先端面が静的支持面より突出するように、脚部に結合した橋架部より支持されている。弾性支持部材に携帯式コンピュータの分担荷重をかけたとき先端面が静的支持面にほぼ到達するまで突起部が第1の空洞部に沈下するようになっている。
弾性支持部材は、突起部がチルト・ドロップによる衝撃を最初に吸収して加速度のピーク値を軽減し、さらにロッキングを防止する。携帯式コンピュータが机上面に置かれて弾性支持部材が分担荷重を負担しているときは、突起部は、先端面が静的支持面にほぼ一致するまで第1の空洞部内を沈下するため、ユーザが机上面で頻繁に携帯式コンピュータを滑らせても摩耗することが少ない。弾性支持部材は、磁気ディスク装置の近辺に取り付けると、一層携帯式コンピュータの耐衝撃性を向上することができる。
本発明により、ロッキングの防止とチルト・ドロップによる衝撃吸収を同時に行うことができる弾性支持部材を提供することができた。さらに本発明により、耐摩耗性に優れた弾性支持部材を提供することができた。さらに本発明により、単一弾性材料で形成するのに適した構造の弾性支持部材を提供することができた。さらに本発明により、ロッキングとチルト・ドロップ対策を両立する弾力の調整に優れた構造の弾性支持部材を提供することができた。さらに本発明により、そのような弾性支持部材を設けて耐ロッキングおよび耐衝撃性に優れた精密機器および携帯式コンピュータを提供することができた。
図1は、本発明の実施の形態にかかるノートブック型パーソナル・コンピュータ(以下、ノートPCという。)の外形図である。ノートPC10は、システム本体13と、その後端部にヒンジで結合されたディスプレイ11で構成されている。ディスプレイ11はノートPC10の蓋部分に取り付けられており、持ち運び時には蓋を閉め使用時には蓋を開けてディスプレイ11を利用するようになっている。システム本体13の表面にはキーボードが設けられ、内部には、各種のカードやプロセッサを搭載したマザーボードや磁気ディスク装置などが収納されている。
図2は、システム本体13の底面15の概略構造を示す図である。底面15はほぼ平坦な面になっており、後端部17の近くにはバッテリィ・ユニット23がシステム本体13に着脱可能に装着されている。また、システム本体13の内部に前端部19の近くに磁気ディスク装置21が収納されている。底面15の前端部19側の2つのコーナーにはそれぞれ弾性支持部材25、27が取り付けられ、後端部17側の2つのコーナーにはそれぞれ弾性支持部材29、31が取り付けられている。これらの弾性支持部材25、27、29、31は、一般にゴム足といわれている。
弾性支持部材は、ロッキングが発生しないように3個だけ取り付けることもできるが、本実施の形態では、後端部17の近くにバッテリィ・ユニット23が設けられて3個の弾性支持部材ではバランスよくノートPC10を支持することができなかったり、使用時の安定性を一層確保したりするために四つのコーナーに弾性支持部材25、27、29、31を設けている。四つの弾性支持部材25、27、29、31は、底面15より外側に突き出ているため、ノートPC10を平坦な机上面に置いたときは弾性支持部材だけが机上面と接触することになる。しかし、システム本体13を構成する筐体は軽量にする必要があり、さらに製造公差も必要なため、底面15に若干の歪みが発生することは避けられない。また、ノートPC10が設置される机上面も完全に平坦な平面ではなく歪んでいることが多い。したがって、四つの弾性支持部材25、27、29、31のうちのいずれかが机上面に接触しないことになりロッキングが発生する。
本実施の形態にかかるノートPC10は、ディスプレイ11を開いて使用するときは、後端部17側に重心がくるように設計されており、弾性支持部材29および31は必ず机上面と接触する。したがって、ロッキングが発生する場合は、弾性支持部材25または27のいずれかと机上面との間に隙間が空くことになる。さらに弾性支持部材27は、磁気ディスク装置21の近辺に配置されており、チルト・ダウンが発生したときに磁気ディスク装置21に対する衝撃を吸収することが望まれる。本発明にかかる実施形態においては、弾性支持部材25および27に採用する新規な構造を備えた弾性支持部材100を提供する。
図3は弾性支持部材100の構造を示す図である。図3(A)は、上側の図が、ノートPC10の底面に取り付けられる取付面101側からみた斜視図で、下側の図は机上面に接する支持面側からみた斜視図である。図3(B)は支持面側からみた平面図であり、図3(C)は取付面101側からみた平面図であり、図3(D)は、図3(B)のA−A断面を示す図である。弾性支持部材100は、溶融したニトリルゴム(NBR)を金型に流し込んで一体成形により製造している。
弾性支持部材100は、空洞部103、104が形成された脚部110と、空洞部103、104の位置に配置された突起部107、109と、突起部107、109を空洞部103、104の位置で弾性的に支持する橋架部115、117を含んでいる。脚部110は、弾性支持部材100の中で、突起部107、109と橋架部115、117を除いた領域をいう。脚部110の支持面側は、山部111a〜111fと谷部113a〜113eを備えウエーブ状に形成されている。山部111a、111c、111d、111eに対応した位置の背後にはそれぞれ取付面101に開口している空洞部105a〜105dが形成されている。
底面15に取り付けられた弾性支持部材100にノートPC10の荷重が加えられると、山部111a〜111fは荷重に応じて弾性変形して机上面と接触する面が増大するが、この場合に机上に接触する面を動的支持面ということにする。動的支持面の領域は、弾性支持部に加えられる荷重により変化する。弾性支持部材100に突起部107、109がないとしたときに、荷重が加えられない弾性支持部材100の山部111a〜111fが接触する面を静的支持面ということにする。また本明細書においては静的支持面と動的支持面の両者を意味する場合を単に支持面ということにする。脚部110の支持面側が平坦な面で形成されている場合は、静的支持面と動的支持面は一致するが、図3に示すようにウエーブ状になっている場合は一致しない。図3(D)においては、山部111a〜111fの頂部が机上面に接触する位置で形成された平面が静的支持面119として示されている。
突起部107、109は、先端面107a、109aが静的支持面119より支持面側に突出するように橋架部115、117で支持されている。先端面107a、109aは突起部107、109が机上面に接触する部位である。弾性支持部材100は取付面101が周知の粘着テープでノートPC100の底面15に貼り付けられる。取付面101は全体が平坦な面になっており、空洞部103、104、105a〜105dの開口部が形成されている。本発明においては、空洞部103、104は後に説明するように突起部107、109が脚部110の中に沈み込むときに橋架部が変形するための空間を提供するものであるため、必ずしも取付面101において開口している必要はないが、弾性支持部材100を鋳型で鋳造する場合は開口している方が製造は容易である。
図4に、突起部107と橋架部115の詳細を示す。図4(A)は、取付面101側から空洞部103を見た図であり、図4(B)は図4(A)のB−B断面を示す図であり、図4(C)は、突起部107と橋架部115の斜視図である。橋架部115は、脚部110の取付面101側から支持面側に向かって形成された貫通開口を塞ぎ、取付面側に空洞部103を形成し、支持面側に突起部107を載せるような構造である。図4(A)において、点線で示された突起部107を載せる橋架部115の領域を台座115eといい、その他の領域を継ぎ手115a〜115dということにする。
橋架部115は、貫通開口の側壁116に連絡している平板が貫通開口を塞ぐような構造を採用することで取付面101側に空洞部103を形成している。空洞部103は脚部110に形成された貫通開口が橋架部115で取付面101側に区分された領域である。橋架部115は、平板の四つのコーナーにある切除部121a〜121dが切除されて形成された十字構造の継ぎ手115a〜115dを含んでいる。本実施の形態では、切除の範囲は取付面101側から支持面側まで貫通していないが、貫通させるようにしてもよい。
橋架部115はこの切除部121a〜121dの大きさを調整することで突起部107が空洞部103に向かって沈下するときの弾力を容易に修正することができる。支持面を机上面に接触させて弾性支持部材100に取付面101から圧力を加えてゆくと、橋架部115の継ぎ手115a〜115dが引っ張り弾性を発揮しながら突起部107は台座115eとともに空洞部103に向かって沈下してゆく。橋架部115が突起部107と一体に形成されている場合は、台座115eは突起部の一部であるということもできる。
本実施の形態では、先端面107aが静的支持面119に到達するまでのストロークxと、台座115eの空洞部103に接する面が取付面101に到達するまでのストロークyは等しくなるようにしている。本実施の形態ではストロークxが、0.5mm〜1mmの範囲で選定されている。突起部107と台座115eは、先端面107aがストロークxの範囲を沈下している間は、主として継ぎ手115a〜115dの引っ張り弾性で先端面107aに加えられた力を緩衝する。取付面101とノートPCの底面15に貼り付けられた粘着テープにより空洞部103の境界が定まるので、先端面107aが静的支持面119に到達した以降は、山部111a〜111fの弾性と、突起部107および台座115eの圧縮弾性で先端面107aに加えられた力を緩衝する。突起部109と橋架部117も、図4に示した突起部107と橋架部115と同様の構造になっている。
つぎに、ノートPC10の底面15に弾性支持部材100を取り付けたときのロッキングとチルト・ダウンに対する作用を説明する。ノートPC10の弾性支持部材25、27に弾性支持部材100を採用するものとする。ノートPC10が平坦な机上面におかれ、底面15も完全に平坦に形成されているときに、弾性支持部材25、27はノートPCの全体荷重の約25%をそれぞれ分担する。それぞれの弾性支持部材がノートPC10の取付位置において分担する荷重を分担荷重ということにする。突起部107と109は、弾性支持部材100に分担荷重が加えられたときに、先端面107a、109aが静的支持面119に到達するように橋架部115、117の弾力が調整されている。
この弾力の調整は、切除部121a〜121dの切除範囲を徐々に変更しながら実測を繰り返すことで容易に調整することができる。静的支持面119と机上面との間に隙間が空いている場合は、突起部107または109のいずれかまたは両方がノートPC10の分担荷重を支えてロッキングを防止する。先端面107a、109aの面積は小さいため先端面107a、109aだけが隙間部分で机上面に接することができるので、ロッキングを有効に除去することができる。突起部107、109の沈下量はそれぞれの位置における隙間の大きさに応じて分担荷重と橋架部115、117の引っ張り弾性による弾力とのバランスにより決定される。
静的支持面119と机上面との間に隙間がない場合は、突起部107または109は分担荷重によって静的支持面119の位置まで先端面107aまたは109aが沈下する。キーボード操作のためにノートPC10にユーザが手を載せてたりしてさらに荷重を加えると、突起部107、109および橋架部115、117の圧縮弾性による弾力と、脚部110の弾力とが協働して荷重を支える。このとき脚部110は動的支持面でその荷重を支持することになり、先端面107a、109aは動的支持面の一部を構成する。この間、先端面107aまたは109aは静的支持面119および動的支持面よりも支持面側に飛び出していないので、ユーザがノートPC10を机上面で滑らせながら移動させても突起部107、109や橋架部115、117が摩耗したり損傷したりする程度は少ない。
つづいて、チルト・ドロップに対する作用を説明する。ユーザが弾性支持部材25と29だけを机上面に接触させ、弾性支持部材27、31を机上面から浮かせて傾けた状態でノートPC10を保持し、急に手を離すと、ノートPC10は重力加速度で落下して弾性支持部材27、31が机上面に衝突する。弾性支持部材27が衝撃を十分に吸収できない場合には、内部に収納されている磁気ディスク装置21に過大な衝撃力が伝達されて破損する可能性がある。弾性支持部材27として弾性支持部材100を採用した場合には、最初に突起部107、109の先端面107a、109aが机上面に衝突してノートPC10の加速度を低減する。先端面107a、109aが静的支持面119に到達するまで橋架部115、117の継ぎ手は、それぞれの突起部に引っ張り弾性を与える。
先端面107a、109aが静的支持面119に到達した後は、台座115eが取付面101と底面15に貼り付けられた粘着テープに当たり、突起部107、109は橋架部115、117の引っ張り弾性を利用してそれ以上のストロークを沈下することはできない。先端面107a、109aが静的支持面119に到達した後は、突起部107、109とこれらに対応する台座115eが圧縮弾性で変形して先端面107a、109aは静的支持面119よりさらに沈下する。このとき先端面107a、109aは、脚部110の動的支持面の一部を構成しながら、さらに突起部107、109で吸収できなかった残りの残存加速度を低減する。脚部110の山部111a〜111fは、空洞部105a〜105dが提供する空間を利用して引っ張り弾性と圧縮弾性により変形しながら突起部107、109と協働して残存加速度を低減する。
図5にノートPC10に対してチルト・ドロップ試験をしたときの加速度のデータを示す。チルト・ドロップ試験では、ノートPC10に磁気ディスク装置に相当する重量および体積の擬似物体を搭載し、加速度センサをこの擬似物体に取り付けて、弾性支持部材25、29側を机上面におき、弾性支持部材27、31が机上面から20cm離れるように保持した後に机上面に落下させて行った。試験は同じ条件で5回行っている。図5(A)は、弾性支持部材100から突起部107、109を取り除いた構造の弾性支持部材を使用した場合であり、図5(B)は弾性支持部材100を使用した場合である。図5の縦軸は加速度センサが検知した加速度であり横軸は経過時間である。図5(A)と図5(B)の縦軸は同一のスケールで記載している。
図5(A)および(B)に示されているように、弾性支持部材100を使用した場合は、突起部107、109がない弾性支持部材に比べて加速度のピーク値が60%程度まで抑制されている。突起部107、109は先端面107a、109aが静的支持面119に到達するまで、空洞部103、104で自由な変形を許容された橋架部115、117の引っ張り弾性により衝撃を吸収できるので、圧縮弾性だけで衝撃を吸収するこれまでの弾性支持部材に比べて衝撃吸収能力が向上している。磁気ディスク装置21が受ける衝撃の影響は加速度のピーク値が高いほど大きくなるが、弾性支持部材100は、突起部により加速度のピーク値を効果的に軽減して、耐衝撃性を向上させたノートPC10を提供することができる。
本実施の形態では、1つの弾性支持部材において突起部は2個設けられているが、1個または3個以上設けてもよい。また、突起部は橋架部の台座に載っている構造になっているが、橋架部は突起部の側面に結合するようにして沈下時に突起部の底面が取付面101に到達するようにしてもよい。さらに、脚部110は、支持面側がウエーブ状になっているが、これを平坦な面にしたり、多数の微少突起を形成したりしてもよい。
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
精密機器全般のゴム足に適しており、特に衝撃に弱いコンピュータなどの精密機器のゴム足に適する。
ノートPCの斜視図である。 ノートPCの底面の概略平面図である。 弾性支持部材の構造を説明する図である。 突起部と橋架部の構造を説明する図である。 チルト・ドロップ試験のデータである。
符号の説明
100…弾性支持部材
101…取付面
103、105…空洞部
107、109…突起部
107a、109a…先端面
110…脚部
111a〜111f…山部
113a〜113f…谷部
115、117…橋架部
115a、115b、115c、115d…継ぎ手
115e…台座
116…貫通開口の側壁
119…静的支持面
121a、121b、121c、121d…切除部

Claims (17)

  1. 携帯式コンピュータの底面に取り付けて使用する弾性支持部材であって、
    先端面を備え弾性材料で形成された突起部と、
    弾性材料で形成され前記携帯式コンピュータの底面に取り付けるための取付面と複数の山部と前記取付面に対向し前記突起部がないとしたときに荷重が加えられない前記弾性支持部材の前記山部が平坦な面に接触する面で形成された静的支持面と第1の空洞部とを備えた脚部と、
    前記脚部に連絡し、前記第1の空洞部の前記静的支持面側で前記先端面が前記静的支持面より突出するように前記突起部を弾性的に支持する橋架部とを有し、
    前記弾性支持部材に前記携帯式コンピュータからの荷重を加えたとき前記先端面が前記静的支持面に到達するまで前記橋架部が弾性変形して前記突起部が前記第1の空洞部内に沈下し、前記先端面が前記静的支持面に到達した以降は前記突起部の圧縮弾性と前記山部の弾性による弾力が協働して前記荷重を支持する弾性支持部材。
  2. 前記橋架部は、前記先端面が前記静的支持面に到達するまで前記第1の空洞部内で主として引っ張り弾性を発揮しながら変形する請求項1記載の弾性支持部材。
  3. 前記橋架部は、前記先端面が前記静的支持面に到達した以降は前記第1の空洞部内で主として圧縮弾性を発揮しながら変形する請求項2記載の弾性支持部材。
  4. 前記橋架部は、前記脚部に結合された四つの継ぎ手からなる十字状の支持構造を備えている請求項1記載の弾性支持部材。
  5. 前記第1の空洞部が前記取付面において開放している請求項1記載の弾性支持部材。
  6. それぞれの前記山部の背後に第2の空洞部が形成された請求項記載の弾性支持部材。
  7. 前記脚部と前記突起部と前記橋架部が同一の弾性材料で一体成形されている請求項1記載の弾性支持部材。
  8. 前記静的支持面は、前記複数の山部と各山部の間に形成された谷部によりウエーブ状に形成されている請求項1記載の弾性支持部材。
  9. 前記橋架部の弾力は前記携帯式コンピュータが平坦な面に置かれたときに前記先端面が前記静的支持面に到達するように調整されている請求項1記載の弾性支持部材。
  10. 本体の底面に複数の弾性支持部材が取り付けられた携帯式コンピュータであって、前記弾性支持部材の少なくとも1つが、
    先端面を備え弾性材料で形成された突起部と、
    弾性材料で形成され、前記携帯式コンピュータの底面に取り付けられた取付面と複数の山部と前記取付面に対向し前記突起部がないとしたときに荷重が加えられない前記弾性支持部材の前記山部が平坦な面に接触する面で形成された静的支持面と第1の空洞部とを備えた脚部と、
    前記脚部に連絡し、前記第1の空洞部の前記静的支持面側で前記先端面が前記静的支持面より突出するように前記突起部を弾性的に支持する橋架部とを有し、
    前記弾性支持部材に前記携帯式コンピュータの荷重を加えたとき前記先端面が前記静的支持面にほぼ到達するまで前記橋架部が弾性変形して前記突起部が前記第1の空洞部内に沈下し、前記先端面が前記静的支持面にほぼ到達した以降は前記突起部の圧縮弾性と前記山部の弾性による弾力が協働して前記荷重を支持する携帯式コンピュータ。
  11. 前記橋架部が前記脚部に結合された継ぎ手と前記突起部を載せる台座を含む請求項10記載の携帯式コンピュータ。
  12. 前記継ぎ手は前記先端面が前記静的支持面に到達するまで前記第1の空洞部内で主として引っ張り弾性を発揮しながら変形し、前記台座は前記先端面が前記静的支持面に到達した以降に主として圧縮弾性を発揮しながら変形する請求項11記載の携帯式コンピュータ。
  13. それぞれの前記山部の背後に第2の空洞部が形成された請求項10記載の携帯式コンピュータ。
  14. 前記橋架部の弾力は前記携帯式コンピュータが平坦な面に置かれたときに前記先端面が前記静的支持面に到達するように調整されている請求項10記載の携帯式コンピュータ。
  15. 前記携帯式コンピュータが磁気ディスク装置を収納し、前記少なくとも1つの弾性支持部材は前記磁気ディスク装置の近辺に取り付けられている請求項10記載の携帯式コンピュータ。
  16. 前記静的支持面は、前記複数の山部と各山部の間に形成された谷部によりウエーブ状に形成されている請求項10記載の携帯式コンピュータ。
  17. 本体の底面に4つのコーナーに弾性支持部材が取り付けられた携帯式コンピュータであって、前記底面の前部側の2つのコーナーに取り付けられているそれぞれの弾性支持部材が、
    先端面を備え弾性材料で形成された突起部と、
    弾性材料で形成され、前記携帯式コンピュータの底面に取り付けられた取付面と複数の山部と前記取付面に対向し前記突起部がないとしたときに荷重が加えられない前記弾性支持部材の前記山部が平坦な面に接触する面で形成された静的支持面と第1の空洞部とを備えた脚部と、
    前記脚部に連絡し、前記第1の空洞部の前記静的支持面側で前記先端面が前記静的支持面より突出するように前記突起部を弾性的に支持する橋架部とを有し、
    前記弾性支持部材に前記携帯式コンピュータの荷重を加えたとき前記先端面が前記静的支持面に到達するまで前記橋架部が弾性変形して前記突起部が前記第1の空洞部内に沈下し、前記先端面が前記静的支持面に到達した以降は前記突起部の圧縮弾性と前記山部の弾性による弾力が協働して前記荷重を支持する携帯式コンピュータ。
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