JP4268063B2 - ハイブリッドレーザ光照射方法とこれに用いるハイブリッドレーザ装置 - Google Patents

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本発明は、固体レーザ媒質を励起ランプにより励起して出射するレーザ光と、半導体レーザ(以下LDという)を励起して出射するレーザ光とを重畳させて照射し、加工などに供するハイブリッドレーザ光照射方法とこれに用いるハイブリッドレーザ装置に関するものである。
レーザ光にて溶接などの加工を行うのに、照射する1つのレーザ光を溶接幅、溶接深さに応じた光軸上の複数の焦点位置を持つように集光させて、所定の溶け込みの深さや幅を満足できるようにしたもの(例えば、特許文献1参照。)、2種のYAGレーザ光を重畳させて照射し、高反射率、高熱拡散率を有する金属材料でも十分な溶け込み断面積および溶け込み深さが得られるようにするもの(例えば、特許文献2参照。)、レーザ光とアークを併用するレーザ/アーク溶接ハイブリッド方式のもの(例えば、特許文献3参照。)などがある。
一方、近時では、溶接の溶け込み、速度共に高めるという相容れない要求に応えるべく、上記のような溶接方法に代わって、パルス制御により励起する第1LDからの第1レーザ光とCW制御により励起する第2LDからの第2レーザ光とを重畳させたり、YAGレーザ光とLDレーザ光とを重畳させたりする新規溶接方式などが研究されるようになり、各種の実験機、実機が製作され、提供され始めている。
特開2000−005892号公報 特開2002−028795号公報 特開2003−164983号公報
しかし、第1LDと第2LDとの組み合わせでは出力を十分に確保しにくい。具体的には、第1LDはフルパワーで連続1000時間程度にてパワーダウンしてしまうし、第2LDでは加工点での最大出力が20W程度しか得られない。従って、まだ実用に耐えない。また、LD励起YAGレーザ光とLDレーザ光とによるハイブリッドレーザ光を用いた溶接などの加工では、加工の精度および速度共に向上しているがまだ初期段階であり、種々な課題を知見している。大きな課題の1つに、LDの耐電圧強度が例えば順方向で5V、逆方向で1Vと低く、YAGをパルス制御してKW級の高出力を得るような場合、数十KVという高いトリガ電圧が必要であるため、LDがインパルスノイズにより早期に破損してしまうので、実用に耐えない。これにつき、本発明者等が種々に実験をし、研究したところ、LDのインパルスノイズ破損を回避できる方法を見出した。
また、YAGおよびLDはその駆動電源部とともに水冷するのが好適であり、冷却効率は純水に近いほどよい。しかし、冷却水は純水に近づくほど活性化し各部に酸化や腐食をもたらすなどの問題がある。そこで、YAGの冷却水の純度は1μS/cm以下とされるのに対し、LDの冷却水の純度は5〜10μS/cm程度とされるのが一般的である。しかし、これによっても、LDの冷却水にバクテリアが湧き、酸化が生じてLDが2〜3年程度でダメージを受ける。しかも、YAGレーザ発振器においてもその励起ランプの電極やYAGの支持パイプ、特に本体が高抵抗アースされている関係からプラス電極側に汚泥ともいうべき冷却水中の異物の付着、粘着がなお見られ、励起ランプからの光照射による発熱を防止するため銅や金などの高反射金属をメッキしていることによる働きを阻害してしまい、寿命低下に繋がりかねない。本発明者等はこれらの問題についても種々に実験をし、研究を重ね、幾つかの解決策を見出した。
本発明の主たる目的は、このような新たな知見に基づき、LDの寿命の長大化が図れる固体レーザ媒質とLDとによるハイブリッドレーザ光照射方法とこれに用いるハイブリッドレーザ装置を提供することにあり、さらには、冷却水に関係する問題を解消する。
上記の目的を達成するために、本発明のハイブリッドレーザ光照射方法は、ランプにより励起される固体レーザ媒質よりなる第1レーザ光源、およびLDよりなる第2レーザ光源から出力する第1、第2レーザ光を重畳させハイブリッド光として照射し、加工などに供し、この第1、第2レーザ光の出力時、第1レーザ光源を励起してそれが能動状態になってから、第2レーザ光源の励起を開始し、その後第1、第2レーザ光源を目標出力状態にすることを1つの特徴としている。
このような構成では、固体レーザ媒質である第1レーザ光源からの第1レーザ光と第2レーザ光源であるLDからの第2レーザ光とを重畳させてハイブリッドレーザ光とし、それぞれの目標出力状態にて加工などに供するのに、高電圧となる第1レーザ光源のトリガを、第2レーザ光源であるLDの非駆動状態にて実施して励起を開始することで高電圧トリガによるインパルスノイズがLDに働くのを回避してLDの寿命の長大化を実現しながら、第1レーザ光源のトリガ後に第2レーザ光源であるLDの励起を開始し、第1、第2レーザ光源を目標出力状態にすることで、所定出力のハイブリッドレーザ光を照射して加工などの目的が達成されるようにすることができる。
このような方法は、ランプにより励起される固体レーザ媒質よりなる第1レーザ光源と、半導体レーザよりなる第2レーザ光源と、これら第1、第2レーザ光源を駆動する第1、第2駆動電源部と、これら第1、第2駆動電源部により第1、第2レーザ光源を駆動して第1、第2レーザ光を出力させるハイブリッドレーザ制御手段と、出力される第1、第2レーザ光を重畳させハイブリッドレーザ光として照射し、加工などに供する照射光学系とを備え、ハイブリッドレーザ制御手段は、第1、第2レーザ光の出力時、第1レーザ光源を励起してそれが能動状態になってから、第2レーザ光源の励起を開始し、その後第1、第2レーザ光源を目標出力状態にすることを1つの特徴とするハイブリッドレーザ装置によって達成することができる。
本発明のハイブリッドレーザ光照射方法は、また、ランプにより励起される固体レーザ媒質よりなる第1レーザ光源、および半導体レーザよりなる第2レーザ光源から出力する第1、第2レーザ光を重畳させハイブリッド光として照射し、加工などに供しながら、第1、第2レーザ光源および第1、第2レーザ光源に対応する第1、第2駆動電源部を水冷し、第1、第2レーザ光の出力時、第1レーザ光源を励起してそれが能動状態になってから、第2レーザ光源の励起を開始し、その後第1、第2レーザ光源を目標出力状態にすることを別の特徴としている。
このような構成では、前記1つの特徴による場合に加え、さらに、第1、第2レーザ光源およびそれらに対応する第1、第2駆動電源部を水冷するので、それらが異常昇温して寿命が低下するのを十分に防止することができる。
このような方法は、ランプにより励起される固体レーザ媒質よりなる第1レーザ光源と、半導体レーザよりなる第2レーザ光源と、これら第1、第2レーザ光源を駆動する第1、第2駆動電源部と、これら第1、第2駆動電源部により第1、第2レーザ光源を駆動して第1、第2レーザ光を出力させるハイブリッドレーザ制御手段と、出力される第1、第2レーザ光を重畳させハイブリッドレーザ光として照射し、加工などに供する照射光学系と、第1、第2レーザ光源および第1、第2駆動電源部を水冷する水冷手段とを備え、ハイブリッドレーザ制御手段は、第1、第2レーザ光の出力時、第1レーザ光源を励起してそれが能動状態になってから、第2レーザ光源の励起を開始し、その後第1、第2レーザ光源を目標出力状態にすることを特徴とするハイブリッドレーザ装置によって達成することができる。
第1レーザ光源、第1駆動電源部を冷却する第1冷却水の純度は、第2レーザ光源、第2駆動電源部を冷却する第2冷却水の純度よりも高く保つように管理する、さらなる構成では、
固体レーザ媒質とLDとの併用によるハイブリッドレーザ光の照射を実現しながらも、第1レーザ光源、第1駆動電源部と、第2レーザ光源、第2駆動電源部とを、それらに対応する純度の冷却水によって効果的に冷却することができる。
これを実現するには、ハイブリッドレーザ装置において、第1レーザ光源、第1レーザ駆動電源部を冷却する第1冷却水の純度は、第2レーザ光源、第2レーザ駆動電源部を冷却する第2冷却水の純度よりも高く保つ純度管理手段を備えたものとすればよい。
本発明のそれ以上の目的および特徴は、以下の詳細な説明および図面の記載によって明らかになる。本発明の各特徴は、それ単独で、あるいは可能な限りにおいて、種々な組合せで複合して採用することができる。
本発明のハイブリッドレーザ光照射方法とこれに用いるハイブリッドレーザ装置における1つの特徴によれば、高電圧トリガによる第1レーザ光源の励起による第1レーザ光と第2レーザ光源であるLDを励起しての第2レーザ光とを重畳したハイブリッドレーザ光の照射を実現して、しかも、高電圧トリガによるインパルスノイズがLDに働くのを回避してLDの寿命の長大化が図ることができ、LDのインパルスノイズ破壊に対する寿命は十分に実用できるレベルとなる。
本発明のハイブリッドレーザ光照射方法とこれに用いるハイブリッドレーザ装置における別の特徴によれば、前記1つの特徴による場合に加え、さらに、第1、第2レーザ光源およびそれらに対応する第1、第2駆動電源部が異常昇温して寿命が低下するのを十分に防止することができ、ハイブリッドレーザ装置全体が十分に実用できるものとなる。特に、第1冷却水は0.5μS/cm以下として固体レーザ媒質であるYAGロッドの支持パイプやそれを励起する励起ランプの電極などに汚泥が付着し、粘着するようなことを防止し、固体レーザ発振器の寿命の長大化が図れる。
以下、本発明の実施の形態に係るハイブリッドレーザ光照射方法とこれに用いるハイブリッドレーザ装置につき、図1〜図5を参照しながら詳細に説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の説明は本発明の具体例であって、特許請求の範囲の記載を限定するものではない。
本実施の形態に係るハイブリッドレーザ光照射方法は、図1に示すハイブリッドレーザ装置1を参照して、励起ランプ2により励起される固体レーザ媒質3よりなる第1レーザ光源4、およびLD5よりなる第2レーザ光源6から出力する第1、第2レーザ光7、8を重畳させハイブリッド光9として被加工物11などに照射し、加工などに供するのに、特に、この第1、第2レーザ光7、8の出力時、図2にタイミングチャートを示しているように、第1レーザ光源4を励起して、つまり高電圧トリガを行って、第1レーザ光源4が能動状態になってから、第2レーザ光源6の励起を開始し、その後第1、第2レーザ光源4、6を目標出力状態にする。これにより、固体レーザ媒質3である第1レーザ光源4からの第1レーザ光7と、LD5である第2レーザ光源からの第2レーザ光8とを重畳させてハイブリッドレーザ光9とし、加工などの目的に対応して必要とするそれぞれの目標出力状態にて加工などに供するのに、高電圧となる第1レーザ光源4のトリガを、LD5である第2レーザ光源6の非駆動状態にて実施して励起を開始することになる。この結果、高電圧トリガによるインパルスノイズがLD5に働くのを回避してLD5の寿命の長大化が実現する。これに併せ、第1レーザ光源4のトリガ後にLD5である第2レーザ光源6の励起を開始し、その後所定の加工タイミングで第1、第2レーザ光源4、6を目標出力状態にすることで、所定出力のハイブリッドレーザ光9を照射して加工などの目的が達成されるようにすることができる。
これを達成するのに図1に示すハイブリッドレーザ装置1は、励起ランプ2により励起される固体レーザ媒質3よりなる第1レーザ光源4と、LD5よりなる第2レーザ光源6との他に、これら第1、第2レーザ光源4、6を駆動する第1、第2駆動電源部12、13と、これら第1、第2駆動電源部12、13により第1、第2レーザ光源4、6を駆動して第1、第2レーザ光7、8を出力させるハイブリッド制御の内部機能を持ったコントローラ14と、出力される第1、第2レーザ光7、8を重畳させハイブリッドレーザ光9として照射し、加工などに供する照射光学系、具体的にはそれを装備したいわゆるハイブリッドレーザトーチ15とを備え、ハイブリッド制御の内部機能を持ったコントローラ14は、第1、第2レーザ光7、8の出力時、第1レーザ光源4を先に励起してそれが能動状態になってから、第2レーザ光源6の励起を開始し、その後第1、第2レーザ光源4、6を目標出力状態にするようにしている。
ところで、本出願人は、図1に示すように励起ランプ2によって、固体レーザ媒質3の特に高出力に有利なYAG3を励起するのに、励起ランプ2からの励起光を横断面楕円の集光器101の集光反射面により、YAG3に対しその外径よりも小さな集光径にて集光させることにより励起し、レーザ光7を出射させることを、例えば、YAG3の外径よりも小さな発光径の励起ランプ2との間で満足することにより、YAG3の外径に対する励起域が前記集光径の範囲に制限されて、励起域から外れる外周部層に励起が及ばない分だけYAG3の熱歪みが抑えられるし、片側からのアンバランスな励起に起因した反りも緩和でき、1つの励起ランプ2の片側からの励起によってもYAG3の寿命は高まり、主として長尺化によるボリュームおよび出力の増大が図れる方法を提案している。これによると、第1レーザ光源4の簡略化、小型化、低コスト化が実現し、併せて、0.6mm以下の集光を可能とする7mm以下の外径での実用にも対応できる。しかも、必要な出力が高くなる分だけ励起ランプ2の駆動電流を抑えられるので、ランニングコストが低減するし、第1駆動電源部12のスイッチング素子として超高速のIGBTを電流制御に用いて制御周波数を高められる。
また、180mm以上の長さのYAG3を用いてゲインを高められるため出力効率が従来の3%程度に比して4%程度と向上し、1KW以上の出力が得られる。しかも、熱歪みによる寿命低下が大きく緩和されて数億ショットという従来の数倍の寿命が実現している。また、外径を7mm以下として光ファイバ121などに対する0.6mm以下の集光も可能である。
そこで、実施例としてこのようなYAG3を採用して、ハイブリッドレーザ光9におけるLD5の特定の出力と、YAG3のパルス制御による複数の出力における各種制御パルス数との関係において、十分な溶け込み幅、溶け込み深さの溶接が高速度で実現した。
このようなYAG3を採用したときの駆動および出力の例を図2に示しており、YAG3は200V程度のシマー電圧にて励起を開始して30,000V程度の高電圧トリガに移行した後、1〜2A程度のシュー電流駆動状態を保ちならが所定の加工タイミングに合わせて100A〜700A程度の目標電流でのパルス制御による駆動状態としているのに対し、LD5は前記YAG3の高電圧トリガが終えるまで非駆動状態に保ち、高電圧トリガが終わって後に5A程度の閾値電流による予備駆動状態に保って待機しながら、加工タイミングに合わせて5〜100A程度の目標電流でのCW制御による駆動状態としている。このようなハイブリッドレーザ駆動によってもLD5のインパルスノイズによる破壊は十分に回避され、実用に耐えるレベルであった。
また、ハイブリッドレーザ装置1の実使用においては、以上のような駆動およびハイブリッドレーザ光9の照射において、第1、第2レーザ光源4、6および第1、第2レーザ光源4、6に対応する第1、第2駆動電源部12、13を水冷する。これにより、第1、第2レーザ光源6およびそれらに対応する第1、第2駆動電源部12、13を水冷手段25により水冷するので、それらが異常昇温して寿命が低下することをも十分に防止することができる。この結果、ハイブリッドレーザ装置全体が十分に実用できるものとなる。
ここに、水冷手段25は既述したような2通りの純度である、図1〜図4に示す第1レーザ光源4の駆動に適した高純度の第1冷却水31、LD5の駆動に適した低純度の図1に示す第2冷却水32を取り扱い、それらを第1レーザ光源4および第1駆動電源部12と、第2レーザ光源6および第2駆動電源部13とを個別に循環させて、個別に冷却することになる。これを有利に実現するのに本実施の形態では、図1に示すように、第1、第2冷却水31、32は、水位差を平衡させ純度差を保つ直径1mm程度と小径な連通孔33を持った仕切り壁34によって仕切った貯水域35、36に個別に貯水し、これら貯水域35、36の一方、具体例としては貯水域35でのみ水位調節をしながら個別に循環させるようにする。
第1冷却水31の純度は通常YAG3の駆動において適当とされる1μS/cm以下に管理すればよいが、0.5μS/cm以下とすることにより、図3〜図5に示す冷却水通路21による水没環境においての、YAG3のロッドの支持パイプ22やそれを励起する励起ランプの電極23などの特に図3に斜線を施して示すプラス電極側に、汚泥が付着し、粘着するようなことを防止し、第1レーザ光源4の寿命の長大化が図れる。一方、第2冷却水32の純度は通常LD5の駆動において適当とされる5〜10μs/cmの範囲に保つように管理する。これにより、ハイブリッドレーザ光9を照射する際のLD5である第2レーザ光源6側の冷却を、従来の非ハイブリッドレーザ光照射の場合に劣らない冷却が実現する。
このような冷却のため、水冷手段25は、第1、第2冷却水31、32を、水位差を平衡させ純度差を保つ小径な連通孔33を持った仕切り壁34によって仕切られた第1、第2貯水域35、36を持った貯水槽37と、それら第1、第2貯水域35、36の第1、第2冷却水31、32を個別に循環させる第1、第2循環手段41、42と、第1貯水域の第1冷却水を前記連通孔33よりも上の水位を保って水位調節を行う水位調節手段43とを備えている。第1循環手段41は、ポンプ41aを持ち第1貯水域35の第1冷却水31を第1レーザ光源4および第1駆動電源部12とに分岐して送り込みそこでの水冷に供する往路41bと、第1レーザ光源4および第1駆動電源部12からの水冷に供した後の第1冷却水31を合流して第1貯水域35に戻す復路41cとを有し、この復路41cの途中に既述した自然水との熱交換部26を設けている。第2循環手段42は、ポンプ42aを持ち第2貯水域36の第2冷却水32を第2レーザ光源6と第2駆動電源部13へ分岐して送り込みそこでの水冷に供する往路42bと、第2レーザ光源6と第2駆動電源部13からの水冷に供した後の第2冷却水32を第2貯水域36に戻す復路42cとを有している。水位調節手段43は例えば、第1貯水域35の水位を検出する水位センサ151を利用し、第1貯水域35内の水位が下限に達したとき、コントローラ14の内部機能などを利用した補給指令に従い、補給路41dを通じ第1冷却水を上限水位になるまで補給し、過剰水位に対しては排水指令に従い、排水路41eを通じ排水する。また、作業者の入力などに従いメンテ時などの排水も行う。
このように、第1、第2冷却水31、32を相隣れる貯水域35、36に貯水して、従って1つの貯水槽37に貯水して、相互の連通孔33を介した水位平衡作用により、一方での水位調節を行うだけで貯水の過不足による問題を解消することができる。しかも、連通孔33はその径を1mm程度と小さくすることで、第1、第2冷却水31、32相互の純水度に違いがあっても微細物質の行き来を阻止することができ純水度が平衡するようなことがない。
なお、少なくとも第1駆動電源部12の冷却は図1に示す銅管51に第1冷却水31を通して行うようにしている。第1駆動電源部12に純度の高い第1冷却水31を通すが、それを銅管51により行うと、第1電源駆動部12での比較的高い熱と、第1冷却水31の高い純度とによって、第1冷却水31に銅イオンを効率よく溶け込ませ、第2冷却水32へも連絡孔33を通じ銅イオン注入することができ、その抗菌性による冷却水系全域でのバクテリア繁殖の抑制と、LDのマイクロチャネルからの銅腐食を低減させられるので、LD側の寿命の長大化が図れる。また、当然のことながら、前記第1冷却水31の側での水位調節は前記連通孔33よりも上の水位を保って行うことにより、第1冷却水31の水位が連通孔33よりも下がることがなく、第1、第2冷却水31、32の連通孔33による水位の平衡作用を確保して第1冷却水31の水位調節が行える。これを実現するため水位調節手段43の前記水位センサ151は連通孔33よりも上の下限水位を検出するようにしている。もっとも、銅管51は冷却水系のより多くの部分に採用するほどよく、全体に設けるほどさらによい。
また、第2冷却水32のみ検出純度による純度管理を行うために、第2冷却水32の循環路である復路42cに第2冷却水32を通してイオン交換などすることで純度を調整する第1純度調節部61として、イオン交換部61aおよび電磁弁61bと、これらに対するバイパス路61cと、第2貯水域36内の第2冷却水32の純度を電気的に検出する純度センサ61dと、純度センサ61dを接続した純度設定器61eとを備え、検出される純度が設定範囲の下限を外れると、コントローラ14の内部機能を利用するなどした、あるいは人でによる純度上げ指令に従い、電磁弁61bを開いて第2冷却水32を第1純度調節部61を通して純度上げを行い、上限を外れると純度止め指令に従い、電磁弁61bを閉じて第2冷却水32を第1純度調節部61に対しバイパスさせ純度が上がらないようにする。これにより、高純水である第1冷却水31は、復路41cの途中に設けたイオン交換部62aなどによって最大限に純粋化してればよいのに対し、第2冷却水32につき所定の純度範囲に保つことを保証することができる。もっとも、第2冷却水32に対するイオン交換部62aに対しても手操作用の開閉弁62bと、これらに対するバイパス路62cと、バイパス路62cの手操作用の開閉弁62dとによる第2純度調節部62を設け、開閉弁62b、62dの手操作によって第1冷却水31のイオン交換を停止したり、再開したりできるようにしている。
また、第1、第2冷却水31、32の温度管理をするのに、第1冷却水31側だけ検出温度に基づいて行えば純度の高さに見合った温度管理ができ、これを純度の低い第2冷却水32側に反映させて適度な温度管理が簡易にできる。このため、第1貯水域35にヒータ63を設け、そこでの温度センサ(例えば、測温抵抗体)64による温度検出に基づき、コントローラ14の内部機能を利用するなどしたヒータ63のオン、オフ制御によって、第1冷却水31の温度を温度センサ64を接続した温度設定部66によって設定した所定の温度に調節する第1温度調節手段65を備え、第1冷却水31の温度調節を利用した第2冷却水32の温度管理は、第2冷却水32を第1冷却水31とを第1冷却水31の復路41cにおける熱交換部165にて熱交換させることにより行うようにしている。
また、少なくとも第2冷却水32はN2などの不活性ガスをスピードコントローラ72を持った注入通路71を通じて適宜注入し循環させるようにしており、不活性ガスによりバクテリアが湧きやすく問題となりやすい第2冷却水32でのバクテリアの繁殖やそれによる酸化を防止でき、LD側の寿命の長大化が図れる。もっとも、不活性ガスを第1冷却水31に対しても行うことができる。
また、第2冷却水32に図示しない紫外線ランプによる紫外線照射を図ると、紫外線照射によりバクテリアが湧きやすい第2冷却水32でのバクテリアの繁殖やそれによる酸化を防止でき、LD側の寿命の長大化が図れる。もっとも、第1冷却水31に対して行っても良い。
第1冷却水31と自然水との熱交換部26では、自然水側に設けた第2温度調節手段80をなす2つの電磁弁81、82をコントローラ14の内部機能や作業者の操作による指令に従い開閉比率を変えることで、つまり自然水の通水デューティ比を調節することによって第1冷却水31と自然水との熱交換を適時に、適度に行わせるようにしている。これにより、自然水が一年を通して温度が大幅に変化することに対応して、第1、第2冷却水31、32の温度調節が好適な範囲に保てる。この場合の開閉指令は自然水の検出温度に従って行えばよいが、場合によっては第1、第2冷却水の異常な昇温、または降温に対応して行ってもよい。
なお、本実施の形態のハイブリッドレーザトーチ15は、ハイブリッドレーザ光9の照射状態や加工状態をモニタするモニタカメラ91、第1、第2レーザ光7、8のレベルをモニタするモニタ92、93を備え、所定のハイブリッドレーザ光9の照射やそれによる首尾よい加工ができるようにする制御に好適である。
本発明は溶接や切断に実用でき、LDの寿命の長大化が図って、固体レーザ媒質とLDとによるハイブリッドレーザ光の照射にて精度よい加工が高速度で行える。
本発明の実施の形態に係るハイブリッドレーザ装置の1つの例を示す全体構成図。 図1の装置におけるYAGおよびLDを駆動する際の電圧、電流変化を示すタイムチャート。 図1の装置におけるYAGレーザ光源を示す蓋を外して見た平面図。 図3の光源の励起ランプ部の断面図。 図3の光源のYAG部の断面図。
符号の説明
1 ハイブリッドレーザ装置
2 励起ランプ
3 固体レーザ媒質(YAG)
4 第1レーザ光源
5 LD
6 第2レーザ光源
7、8 第1、第2レーザ光
9 ハイブリッドレーザ光
12、13 第1、第2駆動電源部
15 ハイブリッドレーザトーチ
25 水冷手段
26、65 熱交換部
31、32 第1、第2冷却水
33 連通孔
34 仕切り壁
35、36 第1、第2貯水域
37 貯水槽
41、42 第1、第2循環手段
43 水位調節手段
51 銅管
151 水位センサ
61 第1純度調節部
65、80 第1、第2温度調節手段

Claims (6)

  1. ランプにより励起される固体レーザ媒質よりなる第1レーザ光源、および半導体レーザよりなる第2レーザ光源から出力する第1、第2レーザ光を重畳させハイブリッド光として照射し、加工などに供し、この第1、第2レーザ光の出力時、第1レーザ光源を励起してそれが能動状態になってから、第2レーザ光源の励起を開始し、その後第1、第2レーザ光源を目標出力状態にすることを特徴とするハイブリッドレーザ光照射方法。
  2. ランプにより励起される固体レーザ媒質よりなる第1レーザ光源、および半導体レーザよりなる第2レーザ光源から出力する第1、第2レーザ光を重畳させハイブリッド光として照射し、加工などに供しながら、第1、第2レーザ光源および第1、第2レーザ光源に対応する第1、第2駆動電源部をそれぞれに対応する水冷し、第1、第2レーザ光の出力時、第1レーザ光源を励起してそれが能動状態になってから、第2レーザ光源の励起を開始し、その後第1、第2レーザ光源を目標出力状態にすることを特徴とするハイブリッドレーザ光照射方法。
  3. 第1レーザ光源、第1駆動電源部を冷却する第1冷却水の純度は、第2レーザ光源、第2駆動電源部を冷却する第2冷却水の純度よりも高く保つように管理する請求項2に記載のハイブリッドレーザ光照射方法。
  4. ランプにより励起される固体レーザ媒質よりなる第1レーザ光源と、半導体レーザよりなる第2レーザ光源と、これら第1、第2レーザ光源を駆動する第1、第2駆動電源部と、これら第1、第2駆動電源部により第1、第2レーザ光源を駆動して第1、第2レーザ光を出力させるハイブリッドレーザ制御手段と、出力される第1、第2レーザ光を重畳させハイブリッドレーザ光として照射し、加工などに供する照射光学系とを備え、ハイブリッドレーザ制御手段は、第1、第2レーザ光の出力時、第1レーザ光源を励起してそれが能動状態になってから、第2レーザ光源の励起を開始し、その後第1、第2レーザ光源を目標出力状態にすることを特徴とするハイブリッドレーザ装置。
  5. ランプにより励起される固体レーザ媒質よりなる第1レーザ光源と、半導体レーザよりなる第2レーザ光源と、これら第1、第2レーザ光源を駆動する第1、第2駆動電源部と、
    これら第1、第2駆動電源部により第1、第2レーザ光源を駆動して第1、第2レーザ光を出力させるハイブリッドレーザ制御手段と、出力される第1、第2レーザ光を重畳させハイブリッドレーザ光として照射し、加工などに供する照射光学系と、第1、第2レーザ光源および第1、第2駆動電源部を水冷する水冷手段とを備え、ハイブリッドレーザ制御手段は、第1、第2レーザ光の出力時、第1レーザ光源を励起してそれが能動状態になってから、第2レーザ光源の励起を開始し、その後第1、第2レーザ光源を目標出力状態にすることを特徴とするハイブリッドレーザ装置。
  6. 第1レーザ光源、第1レーザ駆動電源部を冷却する第1冷却水の純度は、第2レーザ光源、第2レーザ駆動電源部を冷却する第2冷却水の純度よりも高く保つ純度管理手段を備えた請求項に記載のハイブリッドレーザ装置。
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