JP4267718B2 - 角穴パンチャー - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、固定型と可動型との間におかれた板材等の被加工物に角形の穴をあける角穴パンチャーに属する。
【0002】
【従来の技術】
配電盤、分電盤、制御盤等の製作においては、経済性の観点から穴のあいていない既製の箱が使用される場合が多い。即ち、メーター、ブレーカー、スイッチなどの部品の取付穴が設けられていない状態の箱が入荷され、取り付ける部品のサイズに応じて穴があけられる。取り付ける部品の形状は一般に直方体であるから、開けるべき穴は方形である。箱は大型で、しかも塗装済みであるから、据置型の自動プレス機などに載せることはできない。従って、手加工であけられる。
【0003】
手加工による穴開けの方法としては、先ず穴開け工具を通す下穴をドリルで開ける。次に手鋸、ジグソー(電動鋸)、油圧切り欠きパンチャー等のうちのいずれかの穴開け工具で所定の穴に広げる。それらの工具のうち、手鋸は作業者を疲労させるので、ビジネス用としては好ましくない。ジグソーはスピードが速く能率的であるが、熟練者でないと寸法の仕上がりが悪い。また、切断時に鉄粉が飛散して機器を傷めることがある。更に、騒音や振動が激しいので、既存のメーターやスイッチに狂いを生じさせることもある。この点、油圧切り欠きパンチャーは、ポンチの形状通りに仕上がるし、切り欠き屑が飛散することはなく、騒音も振動もないので、好ましい。
但し、油圧パンチャーに角ポンチを取り付けて角穴を開けることは可能であるが、穴寸法が角ポンチのサイズに限定されるので、拡大応用が効かないうえ、種々のサイズのポンチ及びダイスを製作しなければならず、高価である。
【0004】
そこで、従来の油圧切り欠きパンチャーには、隅切りタイプと横切りタイプがある。隅切りタイプは、被加工物の下穴にポンチの軸を通し、二辺が下穴と接する直角の刃面をもつ角ポンチを軸の先に取り付け、ダイスで被加工物を押さえた状態で角ポンチを油圧で引く操作を4回繰り返すことにより、四隅を順番に切り欠き、正方形の穴に加工するものである。横切りタイプは、隅切りタイプで開けられた正方形の穴を長方形に拡大するときなどに用いられるもので、ポンチが軸の一側に径方向断面方形の凹部を有する片口形状をしており、その凹部で前記正方形の下穴の一辺を挟み油圧でポンチを引くことにより、凹部に対応する面積分だけ穴を拡大する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
隅切りタイプでは下穴が内接する寸法の正方形の穴しか開けることができず、穴を拡大するには上記のように横切りタイプと組み合わせて用いなければならない。
【0006】
しかし、従来の横切りタイプは、切り欠きの際に被加工物から受ける反力でポンチが変形したり損傷したりすることの無いように、凹部の断面積が小さくされている。このため、拡大すべき穴の面積はそれより大きいときは何度も切り欠き操作をしなければならない。しかも、切り欠き屑がポンチとダイスの間に挟まるので、次の操作を開始する前にその都度パンチャーを下穴から抜いて本体を下方に向けて、ダイスの底に残った切り欠き屑を落とさなければならない。従って、この繰り返し操作が作業者を疲労させる。
それ故、この発明の目的は、少ない回数で大きな方形の穴を開けることのできるパンチャーを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明のパンチャーは、
シリンダに固定された角固定型に対し、シリンダのラム軸に付けられた角可動型を往復移動させることにより固定型と可動型の間に配置された被加工物に角穴をあけるパンチャーにおいて、
前記固定型及び可動型の嵌合部分はラム軸に対して偏心位置に設けられ、それと対角の位置に、可動型が被加工物と接触したときに被加工物から受ける反力に弾力的に抗する後記二つの対抗手段のいずれかを備えたことを特徴とする。
【0008】
この発明のパンチャーも可動型を取り付ける軸を通す下穴を必要とする点では従来と同様である。しかし、この発明のパンチャーによれば、固定型及び可動型の嵌合部分はラム軸に対して偏心位置に設けられているので、最初のパンチング操作で開けられた角穴を次の操作の下穴として利用することができる。従って、従来のような隅切りタイプとか横切りタイプとかの使い分けをしなくとも、1つの工具で次々と穴を拡大することができる。また、嵌合部分と対角の位置に、可動型が被加工物と接触したときに被加工物から受ける反力に弾力的に抗する対抗手段を備えているので、反力によるラム軸の歪みや曲がりが防止される。従って、固定型及び可動型の嵌合部分の断面積を大きくして、1回のパンチング操作で開ける穴の面積を大きくすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
前記対抗手段の第一は、ダイスの嵌合部分と対角側に設けられて、ダイスの嵌合部分の端面と同一面上で被加工物を支持する支持台と、ポンチの嵌合部分と対角側に設けられたブラケットと、支持台と対抗するようにブラケットに固定され、ブラケット及び支持台が互いに接近したときに被加工物との接触圧によって弾性変形する弾性体とを含むものである。この構成によって、支持台がダイスの嵌合端面と均等に被加工物を支持する。そして、ブラケットに弾性体が固定されているので、ポンチとダイスの剪断力に応じて弾性体が弾性変形し、反力を吸収しつつ、それに抗するからである。
【0010】
特に好ましい対抗手段は、前記ブラケットがダイス及びポンチの嵌合中心と対角の位置にラム軸方向に貫通する貫通孔を有し、この貫通孔にフランジ付きの剛性材料からなるロッドが摺動可能に固定され、前記弾性体を、フランジの端面に固着された第一弾性部材、及びフランジの裏面と貫通孔の端面との間にロッドと同心状に固着された第二弾性部材とするものである。ラム軸方向に貫通する貫通孔にロッドが固定され、弾性体がそれと同心状に配されているので、弾性体の復元力が前記反力と対称にラム軸方向に作用する。従って、ラム軸にかかる負荷が偏らないからである。また、フランジの端面に弾性体が配されているので、被加工物を傷つけることがない。前記第一弾性部材は、被加工物を傷つけないようにするためにゴムが好ましい。第二弾性部材も同じゴムが良いがスプリングでも代用できる。
【0011】
前記対抗手段の第二は、弾性体に代えて、ブラケットに固定され、支持台に向かってピストンロッドが往復運動可能な流体圧式ダンパーを含むものである。ポンチとダイスは、使用回数を重ねるに連れて切れが鈍くなり、反力を増す。一方、前記のゴムなどからなる弾性体による抗力は、一定であるか又はゴムの疲労に伴って小さくなるから、使用回数を重ねるに連れて増加する反力に対抗することができなくなる。そこで、弾性体に代えて流体圧式ダンパーを用いれば、ダンパーの流体圧を調整することにより、抗力を反力の変化に適応させることができる。
【0012】
対抗手段が弾性体であろうと、流体圧式ダンパーであろうと、この発明のパンチャーは、ポンチとダイスの嵌合部分がラム軸の偏心位置にあるので、ダイスの嵌合部分を軸方向に貫通させることができる。そうすることにより、パンチングと同時に切り欠き屑がダイスの外に出るので、手間が省ける。
【0013】
また、同じく対抗手段の態様に係わらず、ダイスは、ラム軸と平行な外面に嵌合部分の一辺と平行な当たり面を有すると良い。例えば当たり面を箱の側面などに当ててパンチングすることにより、箱の側面に平行に角穴をあけることができるからである。
【0014】
【実施例】
−実施例1−
この発明の第一実施例にかかる油圧式角穴パンチャーを図面とともに説明する。図1はパンチャーのラム軸方向要部断面図、図2は平面図である。パンチャー1は、角ポンチ2、角ダイス3、シリンダ4、電動機を内蔵する胴体15、オイルタンクを内蔵する小ハンドル16及びバッテリーを内蔵する大ハンドル17を備える。
【0015】
パンチャー1は、バッテリーの電力により電動機が駆動すると、オイルタンクの油がピストンロッド41の流路42を経由してシリンダ4とピストンロッド41の環状の間隙43に供給されることにより、作動する。シリンダ4の外周面は雌ねじ加工され、それにダイス3がネジ嵌合されている。ダイス3の刃部31はシリンダ4の中心線より偏心位置に有り、軸方向に貫通している。また、ピストンロッド41の先端には雌ねじ加工された凹部が設けられており、そこにラム軸8の基部81がネジ嵌合されている。ラム軸8の先にはダイス3の刃部31と対向するように偏心位置に刃部21を有するポンチ2が嵌合されている。従って、間隙43内の圧力上昇とともにピストンロッド41がラム軸8を引き連れて後退し、それとともにポンチ2の刃部21がダイス3の刃部31に向かって移動し、それらの間に置かれた鋼板Wに穴を開ける。
【0016】
ダイス3は、ラム軸8を中心として刃部31と対角の位置に刃部31の端面と同一面上で鋼板Wを支持する支持台32を刃部31と一体的に有する。支持台32は、鋼板Wを支持できる強度を備えていれば良く、その限りにおいて軽量化のために内部がくり貫かれている。他方、ポンチ2には、刃部21と対角側に延びるブラケット22にフランジ付きのT字ロッド23が軸方向に摺動可能に嵌合されている。フランジの端面には円盤状のウレタンゴムからなる第一弾性部材24が固着されている。第一弾性部材24は支持台32と対向する。また、フランジの裏面とブラケット22のロッド挿入用孔の端面との間にロッド23を包囲するように円筒状のウレタンゴムからなる第二弾性部材25が固着されている。
【0017】
従って、上記のようにポンチ2の刃部21がダイス3の刃部31に向かって移動するときは、ブラケット22及びロッド23もポンチ2に同伴されて支持台32に向かう。そして、その刃部21が鋼板Wと接触したとき、第一弾性部材24も鋼板Wと接触し、刃部21の進行とともに第一弾性部材24及び第二弾性部材25が軸方向に圧縮変形される。ロッド23は第二弾性部材25の変形に応じて後退する。刃部21が鋼板Wを貫通すると、同時にその切り欠き屑は刃部31の中を通って外に排出される。その後、油圧を解除すると、シリンダ4内のリターンスプリング44の弾性復元力によりピストンロッド41が押されて元の位置に復帰し、それに伴ってポンチ2も後退する。
【0018】
ポンチ2及びダイス3の互いの位置決め方法は次の通りである。
ラム軸8は基本的に軸方向に径違いの円柱状をしているが、その中央の径大部分では正面及び背面が刃部31の図1左右方向の二辺に平行な面82,82で平割りされている。そして、図3に平面図として示すように、ダイス3の鋼板W側の端面にはラム軸8より径大の円盤状の凹部が設けられており、その凹部に一対の回り止めキー83,83がはめ込まれ、図略のボルトでその凹部の底面に固定されている。回り止めキー83,83の径方向断面は、凹部断面と同一の円からラム軸8の平面82部断面を除去した形状をしており、その内側が平面82と面接触し、外側が円盤状凹部の内周面と面接触する。従って、ダイス3をシリンダ4にネジ嵌合するときは、ダイス3の軸孔にラム軸8を通した状態でラム軸8の基部81をピストンロッド41にネジ嵌合し、回り止めキー83を所定の位置に締結する。基部81のネジ運動に伴ってダイス3もシリンダ4にネジ嵌合するが、回り止めキー83によってラム軸8に対する刃部31の回転方向の位置は一定に保たれる。
【0019】
一方、ラム軸8のポンチ2が嵌合される部分には、平面82と直交する一側(図1左側)に軸方向に長い溝が掘られている。また、ポンチ2にも対向して軸方向に長い溝が掘られている。そして、ポンチ2とラム軸8を嵌合する際に、両溝に棒状の回り止めキー26が挿入され、回り止めキー26はボルト27で固定される。これにて、刃部21の回転方向の位置は一定に保たれる。なお、ポンチ2はロックナット28で抜けが防止されている。
【0020】
このパンチャー1で角穴を開ける手順は次の通りである。先ず、図4(a)に示すように従来通りドリルで丸い下穴を開ける。ダイス3を固定したパンチャー1のラム軸8をその下穴に通し、ポンチ2を取り付ける。図4(b)に示すように油圧力で1つめの角穴を開ける。本例によれば、刃部21,31の嵌合面積を大きくし、一度に大きい角穴を開けることができる。これは、ポンチ2の刃部21が鋼板Wと当たるときに受ける反力を弾性部材24,25で弾力的に受けることができるので、鋼板Wを傷つけることなく、ラム軸8の損傷及び歪みを防止するからである。次に穴を拡大したいときは、先に開けられた角穴を下穴としてそこにラム軸8を通し、図4(c)に示すように当初の下穴を含む面積の角穴を開ける。刃部21,31がラム軸8の偏心位置にあるので、このような作業が可能となるのである。続いて例えば図4(d)に示すように如何なる方向にも穴を拡大することができる。また、図4(e)に示すようなA×B寸法の大きい穴を開けるときは、外周だけを打ち抜いて、中央を最後に落とせばよい。穴開けと同時に切り欠き屑が刃部31から外に出るので、作業者は楽である。
【0021】
なお、ダイス3には、刃部31の嵌合部分の一辺と平行な面を正面又は背面に有する当たり33,34が突出して設けられている。鋼板Wの近くに鋼板Wと垂直の壁面や他の鋼板が存在するときなどに、当たり面をその垂直面に当ててパンチングすることにより、その垂直面と平行な角穴を容易にあけることができる。
【0022】
本例では、ダイス3を固定型、ポンチ2を可動型としたが、逆にダイスを可動型、ポンチを固定型としてもよい。いずれにしても、被加工物から受ける反力に抗する対抗手段のラム軸方向の取付位置は、ダイス側よりもポンチ側とするほうが対抗手段が良く機能する。
【0023】
−実施例2−
この発明の第二実施例は、反力に抗する対抗手段として第一実施例における弾性体に代えて流体圧式ダンパーを採用するものである。図5は、第二実施例のパンチャーを示すラム軸方向要部断面図、図6は可動型(ダイス)を外した状態の平面図である。
【0024】
この例のパンチャー10は、可動型がダイスであり、固定型がポンチであり、流体圧式ダンパーを採用している点で、第一実施例と相違するが、シリンダ4、胴体15、小ハンドル16、大ハンドル17及びラム軸8の各構造と互いの関係については第一実施例と同一である。以下、第一実施例と相違する点のみ詳述する。
【0025】
ポンチ5は、第一実施例のダイス3に代わってシリンダ4の外周面にネジ嵌合により固定されている。ポンチ5の刃部51はシリンダ4の中心線より偏心位置に有る。ダイス6は、第一実施例のポンチ2に代わって、ラム軸8の先に嵌合され固定されている。その刃部61は刃部51と対向するように偏心位置に設けられ、軸方向に貫通している。従って、シリンダ4の昇圧とともにダイス6がポンチ5に向かって移動し、刃部51と刃部61との間に置かれた鋼板Wに穴を開ける。この点は、第一実施例と同様である。
【0026】
第一実施例と異なり、ポンチ5の内部は、軸方向にくり貫かれており、その底に貫通孔を有する。そして、その貫通孔にキャップスクリュー53が摺動可能に固定されている。キャップスクリュー53の外周にはコイルスプリング54が巻かれ、キャップスクリュー53の頭部に係るワッシャー53aとポンチ5内部の底面とに挟まれている。ポンチ5は、断面U字形のストリッパー55に挟まれている。ストリッパー55は、その2本の脚55aの先端がダイス6の方を向くようにポンチ5の正面から背面に跨り、跨り部分にネジ孔55bが設けられている。ストリッパー55は、そのネジ孔55bにキャップスクリュー53の先端ネジ部53bがネジ嵌合することによりキャップスクリュー53に固定されている。
【0027】
従って、ダイス6とポンチ5とが互いに接近して鋼板Wに剪断力が加わり始めると、鋼板Wがスプリング54の弾力に抗してキャップスクリュー53を伴ってストリッパー55を後退させる。鋼板Wが打ち抜かれると、切り欠き屑がダイス6の嵌合孔から外に排出される。一方、打ち抜かれた鋼板Wはポンチ5の外周にかみついており、人力で容易に外すことはできない。しかし、シリンダー4の油圧が解除されると、圧縮されていたスプリング54の復元力に付勢されてストリッパー55が前進し、鋼板Wを押し出す。こうして鋼板Wとポンチ5とを離れさせて次の操作に移ることができる。
【0028】
ダイス6は、ラム軸8を中心として刃部61と対角の位置に刃部61の端面と同一面上で鋼板Wを支持する支持台62を刃部61と一体的に有する。他方、ポンチ5には、刃部51もしくはこれを保持するホルダー部と対角側に延びるブラケット52に油圧式ダンパー56が固定されている。油圧式ダンパー56は、2つの油圧室の間に圧力調整弁57が介在し、ピストンロッド58が鋼板Wから受ける反力に抗する油圧力を圧力調整弁57で調整できるようになっている。圧力調整弁57は、球状の弁体57a、これを付勢するスプリング57b及びスプリング57bの弾力を液密に調整するネジ57cからなる。
【0029】
上記のようにダイス6がポンチ5に接近するときは、支持台62もダイス6に同伴されて油圧ダンパー56に向かう。そして、鋼板Wに剪断力が加わり始めたとき、その反力で支持台62が鋼板Wを介してピストンロッド58を押す。ピストンロッド58は、弁体57aの抵抗により反力と均衡を保ってスプリング58aを圧縮しながら緩やかに後退する。同時に別室のピストン58bもスプリング58cを圧縮しながら後退する。このようにダイス6が鋼板Wから受ける反力を油圧で弾力的に受けることができるので、鋼板Wを傷つけることなく、ラム軸8の損傷及び歪みを防止することができる。
【0030】
鋼板Wの打ち抜きが完了してシリンダー4の油圧が解除されると、スプリング58a,cの復元力によりピストンロッド58及びピストン58bが定位置に復帰すると共に、別室に流入していた油は図略のリリース回路を通ってピストンロッド58側の油室に戻される。リリース回路には、弁体57aとは逆にリリース方向にのみ油を通す弁体が配されている。
【0031】
本例のパンチャー10によれば、使用を重ねると共にポンチ5とダイス6の各刃部の切れが鈍くなって反力が増しても、圧力調整弁57を絞ることにより、油圧ダンパー58の抵抗を反力の増加に適応させることができる。その結果、長期安定的にラム軸の歪みを防止することができる。
【0032】
尚、ピストンロッド58の軸部は、その一側が軸方向に平割りされており、その平面58dにて軸回りの回転が止められている。また、ピストンロッド58の先端部には、常時は先端面より突出し、鋼板Wを介して受ける反力により押されてスプリング59aを圧縮しながら引っ込むガイドピン59が4つ付けられている。4つのガイドピン59の位置は、それらガイドピン59の外周面に接する線が鋼板Wに打ち抜かれる角穴の内周と一致するように割り当てられている。これらのガイドピン59は、鋼板Wに一つめ及び2つめの角穴を打ち抜くときには機能しない。ただし、3つめ以降の角穴を打ち抜くときには、先に抜かれた角穴の四隅にガイドピン59を合わせることで、正確に位置決めすることができる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明のパンチャーは、従来のパンチャーの効能に加えて、一回の操作で従来よりも大きい方形の穴を開けることができるので、作業者にとって有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第一実施例のパンチャーを示す軸方向要部断面図である。
【図2】 第一実施例のパンチャーを示す平面図である。
【図3】 第一実施例のパンチャーよりポンチを外した状態を示す平面図である。
【図4】 第一実施例のパンチャーによって方形の穴を開ける手順を説明する図である。
【図5】 第二実施例のパンチャーを示す軸方向要部断面図である。
【図6】 第二実施例のパンチャーよりダイスを外した状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1,10 パンチャー
2,5 ポンチ
21,51 刃部
22 ブラケット
23 ロッド
24,25 弾性部材
26 回り止めキー
3,6 ダイス
31,61 刃部
32,62 支持台
33,34 当たり
4 シリンダ
15 胴体
16 小ハンドル
17 大ハンドル
53 キャップスクリュー
54,58a,58c スプリング
55 ストリッパー
57 圧力調整弁
58 油圧ダンパー
59 ガイドピン
8 ラム軸
81 基部
82 平面
83 回り止めキー

Claims (2)

  1. 角ポンチ及びそれと嵌合可能な角ダイスの一方を固定型、他方を可動型とし、シリンダに固定された固定型に対し、シリンダのラム軸に付けられた可動型を往復移動させることにより固定型と可動型の間に配置された被加工物に角穴をあけるパンチャーにおいて、
    前記固定型及び可動型の嵌合部分はラム軸に対して偏心位置に設けられ、それと対角の位置に、可動型が被加工物と接触したときに被加工物から受ける反力に弾力的に抗する対抗手段を備え
    前記対抗手段は、
    ダイスの嵌合部分と対角側に設けられて、ダイスの嵌合部分の端面と同一面上で被加工物を支持する支持台と、
    ポンチの嵌合部分と対角側に設けられたブラケットと、
    支持台と対抗するようにブラケットに固定され、支持台及びブラケットが互いに接近したときに被加工物との接触圧によって弾性変形する弾性体とを含む
    ことを特徴とする角穴パンチャー。
  2. 角ポンチ及びそれと嵌合可能な角ダイスの一方を固定型、他方を可動型とし、シリンダに固定された固定型に対し、シリンダのラム軸に付けられた可動型を往復移動させることにより固定型と可動型の間に配置された被加工物に角穴をあけるパンチャーにおいて、
    前記固定型及び可動型の嵌合部分はラム軸に対して偏心位置に設けられ、それと対角の位置に、可動型が被加工物と接触したときに被加工物から受ける反力に弾力的に抗する対抗手段を備え、
    前記対抗手段は、
    ダイスの嵌合部分と対角側に設けられて、ダイスの嵌合部分の端面と同一面上で被加工物を支持する支持台と、
    ポンチの嵌合部分と対角側に設けられたブラケットと、
    ブラケットに固定され、支持台に向かってピストンロッドが往復運動可能な、流体圧式ダンパーとを含む
    ことを特徴とする角穴パンチャー。
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