JP4267583B2 - ストレーナ、およびそれを使用した薬液散布装置 - Google Patents

ストレーナ、およびそれを使用した薬液散布装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4267583B2
JP4267583B2 JP2005055045A JP2005055045A JP4267583B2 JP 4267583 B2 JP4267583 B2 JP 4267583B2 JP 2005055045 A JP2005055045 A JP 2005055045A JP 2005055045 A JP2005055045 A JP 2005055045A JP 4267583 B2 JP4267583 B2 JP 4267583B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
suction nozzle
center
suction
strainer
place
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005055045A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005279639A (ja
Inventor
城 昭 一 結
Original Assignee
結城 昭一
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 結城 昭一 filed Critical 結城 昭一
Priority to JP2005055045A priority Critical patent/JP4267583B2/ja
Publication of JP2005279639A publication Critical patent/JP2005279639A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4267583B2 publication Critical patent/JP4267583B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Catching Or Destruction (AREA)
  • Special Spraying Apparatus (AREA)
  • Filtration Of Liquid (AREA)
  • Nozzles (AREA)
  • Fertilizing (AREA)

Description

この発明は、薬液の散布に関連するあらゆる分野をその技術分野とするものであって、薬液散布装置を製造する分野は勿論のこと、その製造に必要とする設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野、その他現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(視 点)
果樹や野菜等を良好な条件の下で高品質且つ効率的に栽培するには、生育状況や土壌および天候の変化等に応じて必要となる薬液を適時に散布し、病害虫を防除することが不可欠であって、年間を通じて複数種類の薬剤を散布しなければならないが、その作業内容としては、タンク内に収容した薬液中に、当該タンクに隣接配置させたポンプから延伸する吸引ホース先端に装着したストレーナを投入した上、タンク中の薬液をポンプで吸い上げながら圃場に散布するのが一般的である。
しかし、タンクT中に投入したストレーナ1は、タンク内の薬液残量が次第に減少してタンク底部付近まで浅くなってしまうと、図17の従来型ストレーナの正面図に示すように、空気を吸い込んで通常の吸引力を発揮できなくなり、かなり多くの薬液MをタンクT内に残したまま薬液Mの散布作業が停止してしまい、なおも散布を継続するためには、それが余分な分量であると判るようなときであっても、薬液Mを追加補充しないことには作業が続けられず、そうして散布作業を終了すれば、タンクT底部には比較的多量の薬剤Mを使用できないままに残って処分しなければならず、処分のためにそれら残液を投棄すると圃場を荒らしたり、周辺の自然環境を悪化させてしまう虞がるので、適正に浄化処分する必要が生じ、農家に不要な負担を強いることとなっていた。
(従来の技術)
こうした弊害を解消しようと、既に様々な薬剤散布技術が開発済みとなっていて、それらは、例えば特開平10−313763号公報の「薬液散布におけるタンク残量減少装置」発明のように、ストレーナに空気が吸入される少し前の位置までタンク残量が下がると、タンクに配設したバネがタンク底部の一方を押し上げて傾斜させ、残液を傾斜したタンク底部下側に移動させるようにしたものや、特開平9−297146号公報の「液体吸引装置」発明のように、容器内底部まで没して容器内の薬液を吸引可能とした吸引用通路の下端開口に、可撓性部材製の弁本体と、容器に収容された薬液に浮いて昇降することのできるフロートとからなるフロート弁を取り付けるようにしたもの等に代表されるとおりである。
しかし、前者のタンク残量減少装置は、トラックの荷台等に搭載する比較的大型のタンクに略限定されるものであり、比較的小型のタンクであって全体を傾斜させて底隅部に集めた薬液まで吸引できるようにしたストレーナとはなっておらず、したがってタンク内残液を減少させるようにする決定的な技術という訳にはいかず、また、後者の液体吸引装置は、薬液に浮くフロート弁を利用して吸引薬液中に空気が混入してしまうのを阻止しようとするもので、吸引用通路の下端開口が、容器底面に対して横向きに開口し、開口周囲の肉厚分容器底面よりも高くなってしまい、その分の薬液が残ってしまう構造となっている上に、フロート弁の左右隙間から空気を吸い込んでしまうことも懸念される不都合も抱えており、何れの技術によっても、タンク底部付近に残った薬液を略完全に吸引してしまうことは不可能としなければならなかった。
(1)特開平10−313763号公報 (2)特開平9−297146号公報
(問題意識)
この発明は、以上のように、従前までに開発されたタンク内薬液の吸引技術においては、何れもタンク底部に残された残存薬液を略完全に吸い上げることができず、タンク容量が大きくなればなる程、より多くの薬液がタンク底部に残されてしまい、実際に散布する薬剤量に比較して薬剤使用量が増加してしまうこととなって、散布作業終了後のタンク内残液を適正に処理する際に、相当の経費と労力とを費やさざるを得ず、年間を通じて頻繁に薬剤散布を行う園芸農家や稲作農家等にとっては、そのための経済的、労力的負担があまりにも大き過ぎるという問題を抱えてしまっていた。
(発明の目的)
そこで、この発明は、タンクの大小を問わず、タンク内に収容された薬液の殆どを吸引可能として、薬剤使用量を削減すると共に、タンク内に残された薬液の処理作業の負担を軽減することはできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造のストレーナ、およびそれを使用した新規な構造の薬液散布装置を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明に包含されるストレーナは、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、要所要所に骨格部材を配置し、平坦な底面を有するスケルトンタイプの立体形とした碇着枠体の底部に、その平面中心から同平面内周辺に向け、且つ同中心周りに適宜角度置きに放射状配置となるようにした太さ1ないし2mm程度の細棒複数本を配列、一体化する一方、同平面中心に向かう碇着枠体上部からは、吸引ノズルが、その吸引口の下向き開口面を先の複数本の細棒の上に載置状とし、下向き開口および放射状配置の夫々の中心位置が大凡合致するようにして縦設、固定されるようにした上、当該碇着枠体の略全周面にフィルターを装着すると共に、吸引ノズル自体もしくは碇着枠体何れかあるいは双方の均衡する適所を重錘相当部とするよう肉厚化するか、または吸引ノズルの吸引口を挟んで均衡する当該碇着枠体外側適所に重錘部を装着するか、あるいはそれら重錘相当部と重錘部とを併用してなるものとした構成を要旨とするストレーナである。
この発明のストレーナを換言すると、要所要所に骨格部材を配置し、平坦な底面を有するスケルトンタイプの立体形とした碇着枠体の底部に、その平面中心から同平面内周辺に向け、且つ同中心周りに適宜角度置きに放射状配置となるようにした太さ1ないし2mm程度の細棒複数本を配列、一体化する一方、同平面中心に向かう碇着枠体上部からは、吸引ノズルが、その吸引口の下向き開口面を先の複数本の細棒の上に載置状とし、下向き開口および放射状配置の夫々の中心位置が大凡合致するようにして縦設、固定され、吸引ノズルの吸引口下方に、複数本の細棒介在による吸引隙間を確保するようにした上、当該碇着枠体の略全周面にフィルターを装着すると共に、吸引ノズル自体もしくは碇着枠体何れかあるいは双方の均衡する適所を重錘相当部とするよう肉厚化するか、または吸引ノズルの吸引口を挟んで均衡する当該碇着枠体外側適所に重錘部を装着するか、あるいはそれら重錘相当部と重錘部とを併用してなるものとしたストレーナであるということができる。
この発明のストレーナを、より具体的なものとして示すと、要所要所に骨格部材を配置し、平坦な底面を有するスケルトンタイプの立体形とした碇着枠体の底部に、その平面中心から同平面内周辺に向け、且つ同中心周りに適宜角度置きに放射状配置となるようにした太さ1ないし2mm程度の細棒複数本を配列、一体化する一方、同平面中心に向かう碇着枠体上部からは、吸引ノズルが、その吸引口の下向き開口面を先の複数本の細棒の上に載置状とし、下向き開口および放射状配置の夫々の中心位置が大凡合致するようにして縦設、固定されるようにした上、当該碇着枠体の略全周面にフィルターを装着すると共に、吸引ノズルの吸引口を挟んで均衡する当該碇着枠体外側適所に重錘部を装着してなるものとしたストレーナということが可能である。
同様に、要所要所に骨格部材を配置し、平坦な底面を有するスケルトンタイプの立体形とした碇着枠体の底部に、その平面中心から同平面内周辺に向け、且つ同中心周りに適宜角度置きに放射状配置となるようにした太さ1ないし2mm程度の細棒複数本を配列、一体化する一方、同平面中心に向かう碇着枠体上部からは、吸引ノズルが、その吸引口の下向き開口面を先の複数本の細棒の上に載置状とし、下向き開口および放射状配置の夫々の中心位置が大凡合致するようにして縦設、固定されるようにした上、当該碇着枠体の略全周面にフィルターを装着すると共に、吸引ノズル自体もしくは碇着枠体何れかあるいは双方の均衡する適所を重錘相当部とするよう肉厚化してなるものとしたストレーナということができる。
(関連する発明)
上記した、ストレーナに関連し、この発明には、それを使用した薬液散布装置も包含している。
即ち、要所要所に骨格部材を配置し、平坦な底面を有するスケルトンタイプの立体形とした碇着枠体の底部に、その平面中心から同平面内周辺に向け、且つ同中心周りに適宜角度置きに放射状配置となるようにした太さ1ないし2mm程度の細棒複数本を配列、一体化する一方、同平面中心に向かう碇着枠体上部からは、吸引ノズルが、その吸引口の下向き開口面を先の複数本の細棒の上に載置状とし、下向き開口および放射状配置の夫々の中心位置が大凡合致するようにして縦設、固定されるようにした上、当該碇着枠体の略全周面にフィルターを装着すると共に、吸引ノズル自体もしくは碇着枠体何れかあるいは双方の均衡する適所を重錘相当部とするよう肉厚化するか、または吸引ノズルの吸引口を挟んで均衡する当該碇着枠体外側適所に重錘部を装着するか、あるいはそれら重錘相当部と重錘部とを併用してなるストレーナの当該吸引ノズルの上端に、液体散布用ポンプから所定長さ延伸させた吸引ホースの先端を接続する一方、同液体散布用ポンプの戻り液吐出部に、所定長さにした戻り液ホースの基端を接続してなるものとした、前記何れかに記載のストレーナを使用した薬液散布装置である。
この発明の薬液散布装置を、換言して示すと、要所要所に骨格部材を配置し、平坦な底面を有するスケルトンタイプの立体形とした碇着枠体の底部に、その平面中心から同平面内周辺に向け、且つ同中心周りに適宜角度置きに放射状配置となるようにした太さ1ないし2mm程度の細棒複数本を配列、一体化する一方、同平面中心に向かう碇着枠体上部からは、吸引ノズルが、その吸引口の下向き開口面を先の複数本の細棒の上に載置状とし、下向き開口および放射状配置の夫々の中心位置が大凡合致するようにして縦設、固定されるようにした上、当該碇着枠体の略全周面にフィルターを装着すると共に、吸引ノズル自体もしくは碇着枠体何れかあるいは双方の均衡する適所を重錘相当部とするよう肉厚化するか、または吸引ノズルの吸引口を挟んで均衡する当該碇着枠体外側適所に重錘部を装着するか、あるいはそれら重錘相当部と重錘部とを併用してなるストレーナの当該吸引ノズルの上端に、吸引対象となる液体容器底面に達して吸引可能とするよう、液体散布用ポンプから十分な長さに延伸させた吸引ホースの先端を接続したものとする一方、同液体散布用ポンプの戻り液吐出部に、液体容器中に戻り液を吐出し、それに伴う流動力を利用して容器中液体の攪拌が可能となるよう、先端を液体容器底面付近にまで延伸可能な長さに設定した戻り液ホースの基端を接続してなるものとした、前記何れかに記載のストレーナを使用した薬液散布装置ということができる。
以上のとおり、この発明のストレーナによれば、吸引ノズルの下向き開口面である吸引口に、その中心回りに適宜角度置きの放射状配置となるように配置させた複数本の細棒によって吸引対象となる液体容器底面との間に僅かな吸引隙間を確保してあることから、従前までのストレーナでは、吸引不可能とされてきた微小残量となるまで吸引することができ、しかもストレーナの周囲に碇着枠体を一体的に設けた上、吸引ノズル自体もしくは碇着枠体の何れか均衡する適所を重錘部とするよう肉厚化するか、あるいは吸引ノズルを挟み均衡する外側適所に重錘部を装着するか、あるいはそれら重錘相当部と重錘部とを併用したものとすることによって、容器液中に投入すれば、吸引ノズルの吸引口を液体容器底面に対して自然に押し付けられて安定した状態を実現することになるため、誰が使用しても吸引ノズルの姿勢は最適な状態となり、上記の吸引性能を確実に達成可能とすることができるという秀れた特徴が得られるものである。
また、この発明の薬剤散布装置によれば、当該ストレーナの吸引ノズル上方端に、液体散布用ポンプから延伸する吸引ホースを接続し、且つ同液体散布用ポンプの戻り液吐出部から延伸した戻り液ホースの先端を、吸引対象の液体中に投入し、液体容器底面付近まで延伸、可能としてあるため、前記ストレーナによる吸引性能を遺憾無く発揮可能とすることができるのに加え、戻り液ホースによる噴出力を利用して液中薬剤を満遍無く攪拌可能とするものであって、均質な薬剤散布を確実ならしめるという顕著な効果を奏するものである。
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
碇着枠体は、吸引ノズルの周囲を通水または透水可能な状態に囲み、吸引ノズルの均衡する外側に重錘相当部や重錘部を形成もしくは装着可能とする機能を果たし、吸引ノズルを脱着可能に、あるいは一体化したものとすべきであり、少なくとも吸引ノズルの周囲を包囲して外部接触や、損傷から保護すると共に、重錘相当部や重錘部を十分に支持可能な強度を有するものとしなければならず、骨格部材を使ってケルトンタイプの立体状のもの、即ち立方体や直方体の外、半球体、短尺円柱体、円錐体あるいは三角錐体等、様々な輪郭形状のものとすることができ、少なくともその底面形状は平坦面で、投入対象液体容器の底面に対してその底面全周が平行状となると共に、その要所要所に骨格部が組み合され、全体として所定の立体形を形成する枠体ものとすれば足り、より具体的には、均衡する適所もしくは全体の肉厚を増大させるか、あるいは比重の比較的大きな素材を選択するか等により、碇着枠体それ自体を重錘相当部化したものとすることが可能である。
吸引ノズルは、吸引の対象となる液体中に投入され、液体容器底面との間に僅かな隙間を確保した状態のまま、容器内液体が殆ど残らない微小残量となるまで吸引可能とする機能を果たすものであり、液体容器底面に対し、略垂直方向に液体を吸引可能な形状であって、同容器底面に平行面状に開口する吸引口を有するものとし、該吸引口の直下に容器床面との間に僅かな吸引隙間を確保可能とする、複数本の細棒を、同吸引口の中心回りに平面放射状配置となるように設けたものとしなければならず、さらに吸引口は、下方に向けて次第に拡開状とし、容器底面付近で最大口径となるものとするのが望ましく、それとは反対側となる上方もしくは側方何れかに鉛直状、傾斜状または水平状に突出するポンプ接続端を形成したものとすべきであり、均衡する外周適所もしくは全体の肉厚を増大させるか、あるいは比重の比較的大きな素材を選択するか等により、吸引ノズル自体を重錘相当部化したものとすることが可能である。
細棒は、その直径、太さまたは肉厚寸法分の隙間を、吸引ノズル吸引口の開口周縁と液体容器底面との間に、該吸引口の周回りに沿う複数箇所に形成、確保可能として吸引口が、その吸引力によって液体容器底面に吸着し封鎖状態となってしまい、液体の吸い上げが不可能となってしまうのを防止すると共に、吸引口中心に向かう吸引液体の流れを円滑に案内可能とするという機能を果たし、液体の効率的な吸引を可能とする隙間を確保し、容器底面付近に最終的に残されてしまう液体残存量を最小限に留めることのできる寸法、形状に設定された直線放射状に組み合わされたものとすべきであるが、液体の吸引を促進し、または吸引を妨げない程度の曲線放射状や、渦巻状あるいはコイル状等の適宜形状に折曲もしくは湾曲形成されたものとすることが可能であり、その軸方向断面形状も円柱状、だ円状、パイプ状、矩形状、多角形状、星型等あらゆる断面形状のものを使用することができ、その軸方向の断面形状および寸法も適宜変化したものとすることが可能であり、交叉状となる中心付近に、吸引口中上方に向けて隆起する液体案内用の流線型凸部を形成したものとすること等が可能である。
また、細棒の材質は特に限定されるものではなく、合成樹脂、繊維、木材、セラミックス、金属等、悉く利用することが可能であるが、薬剤散布に使用することを考慮すれば、耐久性や強度に秀れたステンレス合金やアルミニウム合金その外の金属ワイヤ製または針金製のものとし、一般的な農業利用における薬剤散布を対象とし、十分な吸引性能の確保と薬液残量の最小限化とを両立可能とする吸引隙間を形成するには、直径が1ないし2mm程度の柱状棒材からなるものとするのが望ましいが、それよりも小型もしくは大型の液体容器を使用する場合には、許容される液体残量と要求される吸引性能とを勘案し、必要条件に応じた最適な素材、寸法、形状のものとすべきである。
最適な吸引性能を確保するには、例えば、細棒の直径t、吸引ノズルの管路内径2r、吸引ノズルの開口径2Rとしたときに、各細棒の直径tは、吸引ノズルの管路内径2rの1/2を二乗したものを、吸引ノズルの開口径2Rで除した数値に一致させるか、略近似値に設定し、薬液が吸引ノズルの吸引口付近からポンプ接続端付近まで円滑に流れるようにするのが望ましいことが判明し、しかも細棒の直径tは1ないし2mm程度とするのが最も効率を高めることも確認していることから、吸引ノズルの管路内径が判れば自ずと開口径は定まってしまうこととなる。
フィルターは、少なくとも吸引ノズルおよびその吸引口直下に配置された複数本の細棒を、包囲して未だ液体中に溶け込めず固体状あるいは半固体状のまま浮遊、沈殿している薬剤や、その外の異物類等の吸引を防止可能とする機能を果たすものであり、細棒によって液体容器底面と吸引口との間に形成される吸引隙間と略同等か、それよりもさらに目の細かな網状あるいは不織布状のもの等とすべきであり、細棒を含む吸引ノズル吸引口のみを覆うものとすることが可能である外、細棒を含まない吸引ノズルのみを覆うもの、または、碇着枠体の各壁面に個別に装着されたものや、重錘部を含む碇着枠体の全体を包囲してしまうものとすること等が可能である。
重錘部は、ストレーナを液体中に投入した際の浮上を防ぎ、液体容器底面に達するまで速やかに沈降させ、吸引ノズル自体に対して鉛直下方に向かう押圧力を自動的に与え、その吸引口と液体容器底面との間に複数本の細棒を介在させ、僅かな吸引隙間を形成した状態に安定させる機能を果たすものであり、吸引ノズルを挟み均衡する少なくとも二箇所に一体的に設けたものとしなければならず、吸引ノズルを縦設した碇着枠体に対して装着したものとするのが望ましく、脱着可能な重錘部として形成し、フィルターを装着した碇着枠体の外側に後付け装着したものとすることができる。
重錘相当部は、重錘部と実質的に略同様の作用をもたらすこができるよう、ストレーナの均衡する適所に、重量部分を形成する機能を果たし、ストレーナそれ自体の一部もしくは全体の肉厚を増加させたり、あるいは比較的比重の大きな素材から形成する等したものとしなければならず、より具体的に示すと、碇着枠体や吸引ノズル等の一部もしくは全体の肉厚を、使用に際して不具合を生じることのない範囲で増加させるか、比較的比重の大きな素材から形成したものとすることができる。
吸引対象となる薬液は、液体容器中に所定量収容され、必要に応じて汲み上げ利用可能な液体そのものであって、農業用の薬液の外、林業用の薬剤や工業用薬品あるいは一般家庭における水や温水の散布等、様々な液体を対象としており、その種類には特に限定や制限を受けるものではない。
液体容器は、薬液や水等の所定量を収容可能であり、ストレーナを液中に投入可能な寸法、形状を有するものであれば足りるが、当該ストレーナによる十分な吸引性能を確保するには、底面にストレーナ吸引ノズルの吸引開口との間に僅かな吸引隙間を確保した状態に接地可能とする平面箇所が確保されたものとすべきであり、底面のストレーナが配置される箇所の略全体が、最も低く且つ平面状に形成されたものとするのが望ましい。
液体散布用ポンプは、ストレーナおよび吸引ホースを通じて対象となる液体を強制的に吸引可能とし、目的とする散布ノズル等に供給可能とする機能を果たすものであり、実質的には吸引ポンプとしての機能を果たすものであれば足りるものであって、液体散布機能を必ずしも備える必要はなく、従って各種プランジャポンプ、ピストンポンプ、バケットポンプ、ウイングポンプ、ジャネーポンプ、ヘルショウポンプ等の往復ポンプ、または、ベーンポンプ、スイングベーンポンプ、歯車ポンプ、内歯車ポンプ、三葉ポンプ等の回転ポンプ、ウエスコポンプ、ねじ形ポンプ、噴流ポンプ等の特殊ポンプ、ボリュートポンプ、タービンポンプ等の渦巻ポンプ等、要求される吸引性能を満たす様々なポンプを使用することが可能である。
吸引ホースは、液体散布用ポンプとストレーナとを液体吸引可能な状態に接続すると共に、ある程度の柔軟性を有してストレーナの液体容器底面への追従、定着を許容可能とする機能を果たし、必要十分な長さに設定された合成樹脂製または繊維強化合成樹脂製ホース、あるいは複数の短尺パイプ駒の組合せや、蛇腹加工によって可撓性をもたせてなる金属製のパイプ等、所望する条件を満たすホース、パイプ、配管等とすることができる。
戻り液ホースは、液体散布用ポンプの戻り液吐出部から放出される戻り液をストレーナが投入された液体容器中に噴出、供給可能とする機能を果たすものであり、液体容器中、望ましくは液体容器底面付近にまで達する程度の、必要十分な長さに設定され、吸引ホースと略同様の素材、形状のものとすれば足り、その先端に水平方向のみならず、垂直方向および/または斜め上向きとなる方向にも吐出可能な複数の吐出孔を形成したものとするか、あるいは、その先端に、垂直方向に吐出可能な複数の吐出孔を形成し、上下方向の攪拌効率をより高めたものとすることができる。
戻り液ホースは、換言すると、その先端に水平方向、垂直上向き方向、斜め上向き方向の何れかの方向またはそれらを組み合わせた方向へ吐出可能な複数の吐出孔を形成したものであるということができる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図1のストレーナの斜視図、図2の碇着枠体の斜視図、図3の碇着枠体の底面図、および図4の分解されたストレーナの斜視図に示される事例は、要所要所に骨格部材を配置してスケルトンタイプの直方体とした碇着枠体2の底部に、その平面中心から同平面内周辺に向け、且つ同中心周りに適宜角度置きに放射状配置となるようにした太さ1mm程度の細棒4,4,……複数本を配列、一体化する一方、同平面中心に向かう碇着枠体2上部からは、吸引ノズル3が、その吸引口32の下向き開口面を先の複数本の細棒4,4,……の上に載置状とし、下向き開口および放射状配置の夫々の中心位置が大凡合致するようにして縦設、固定されるようにした上、当該碇着枠体2の略全周面にフィルター5を装着すると共に、吸引ノズル3の吸引口32を挟んで均衡する当該碇着枠体2外側適所に重錘部6を装着してなる、この発明に包含されるストレーナ1における代表的な一実施例を示すものである。
当該ストレーナ1は、図2中に示すとおり、金属製骨格部材を直方体状に組み合わせてなり、矩形枠状に形成された底枠部21を形成してなる碇着枠体2を有し、該碇着枠体2の天面周囲枠部分には、縦横骨格枠部材の略中央部分間に掛け渡し、該天面枠内中央で交叉する平面十字型の梁枠部22を横架し、該碇着枠体2の中央に縦設された吸引ノズル3に一体であって上方に延伸された内径10mmのポンプ接続端31を、図示しない液体散布用ポンプの吸引ホース81に、確実に接続可能とする程度の所定寸法分、鉛直状に突設した状態で一体化したものとなっている。
該梁枠部22を貫通した吸引ノズル3は、鉛直下方に向けて次第に拡開湾曲状の逆漏斗型曲面形に形成され、最大口径が40mmとなる吸引口32を有し、その吸引口32の下向き開口周縁部分を、碇着枠体2の底枠部21が形成する外周縁開口と同一面状に配置されたものとし、図3中に示すように、該底枠部21周縁の矩形角隅箇所および、同縦横縁枠の略中央箇所と、吸引ノズル3吸引口32の中心位置とを、同一平面上の交叉直線状、換言すれば放射直線状を成すよう結ぶ如く配された直径1mmの金属ワイヤ製の合計8本の細棒4,4,……が、横架一体化されたものとなっており、従って吸引ノズル3は、その下端吸引口32が、放射状に配置された複数本の細棒4,4,……によって碇着枠体2の底枠部21に、また、同上方ポンプ接続端31が、梁枠部22によって碇着枠体2の天面外周枠部分に対し、夫々一体化されたものとなっている。
さらに、図4中に示すように、碇着枠体2の全体が、比較的軟質な網目1mm程度の金属網製メッシュフィルター5によって包装状に包み込まれ、天面中央から突出するポンプ接続端31の回りで、同メッシュフィルター5の外周縁部が纏められ、外周から環状の締付け金具51によって仮固定されたものとなっている。
また、碇着枠体2は、同碇着枠体2の水平全長寸法よりも長い長尺ブロック状の金属製であって、左右端の夫々に水平肉厚方向に装着孔63,63を穿孔した同一形状一対の錘ブロック61,62と、それら左右装着孔63,63,……に夫々装着し、同碇着枠体2の対峙する一対の側壁面枠部を、挟み込み状に締め付け、一体化可能とするボルト・ナット64,64および座金からなる重錘部6を脱着可能に設けたものとしている。
図5の形状に変更を加えた碇着枠体の斜視図に示す事例は、前記実施例に示したストレーナ1のような別体型の重錘部6を必要とせず、碇着枠体2の骨格全体を肉厚化することにより、重錘相当部6化したものであり、また、図6の形状に変更を加えた吸引ノズルの斜視図は、吸引ノズル3のポンプ接続端31を除く下側外周範囲に、一体鋳造等による円柱状の厚肉部分を形成したことにより、吸引ノズル3自体を重錘相当部6化したものである。
図7の吸引姿勢にある吸引ノズルの断面図に示す事例は、直径tの細棒4によって形成される吸引隙間41の寸法設定の一例を示すものであり、吸引ノズル3上側の円柱状流路の断面積をA、吸引ノズル3の吸引口32と液体容器(タンク)T底面との隙間41の環状流路面積をBとしたときに、「A=B」を満たすのが、最も円滑且つ効率的な薬液Mの吸引、吐出を可能とする条件となる。
したがって、「A=B」を満たす、細棒4の直径tは、下記(式1)によって得ることができる。
A=B
A=πr
B=2πR×t
πr=2πR×t
∴ t=πr/2πR=r/2R……(式1)
(管流路断面積:A、管流路直径:2r、吸引口隙間面積:B、吸引口直径:2R、細棒直径:t)
前記(式1)に従えば、上述したとおりこの発明ではt=1ないし2mmを理想値としていることから、
1〜2=r/2R
∴ 2R=r/(1〜2)
通常吸引ノズル3としてφ17mm(r=8.5mm)のものが多用されているため、その吸引ノズル3径を例にすれば、吸引ノズル3の望ましい吸引口32の直径2Rは、大凡36〜72mmの範囲に設定されるべきものということになる。
図8のストレーナの正面図、図9の使用状態にある薬液散布装置の正面図、および図10の吸引を略完了した薬液散布装置の正面図、に示される事例は、前述したストレーナ1の吸引ノズル3上方端31に、液体散布用ポンプ8から所定長さに延伸された吸引ホース81の先端を接続したものとする一方、同液体散布用ポンプ8の戻り液吐出部に、所定長さに設定した戻り液ホース82の基端を、接続してなるものとした、この発明に包含されるストレーナ1を使用した薬液散布装置7である。
当該薬液散布装置7は、薬液Mを収容した液体容器(タンク)Tの外部となる適所に配置された液体散布用ポンプ8を有し、同液体散布用ポンプ8からは、先端が液体容器Tの底面まで到達するに十分な長さに設定された合成樹脂製の吸引ホース81が延伸され、その先端が、ストレーナ1のポンプ接続端31に接続され、そのホース81接続端が同ストレーナ1のメッシュフィルター5を固定している締付け金具51によって共締めされ、不用意に離脱しないよう強固に固定、一体化されたものとなっている。
また、液体散布用ポンプ8の戻り液吐出部には、先端が同液体容器Tの底部に達するに十分な長さに設定された合成樹脂製の戻り液ホース82の基端が接続されたものとなっている。
図11ないし図16の要部を変更した各種戻り液ホースの斜視図に示す事例は、戻り液ホース82の吐出先端側に、複数の上向き吐出孔83,83,……を形成したものであって、図11の戻り液ホース82は、その先端に底面を平置き可能とした短尺円柱型の上向きシャワー型ノズル部を形成したものであり、図12の戻り液ホース82は、下向き姿勢とした先端から、先端を閉鎖した支管84,84を左右に延伸させ、各支管84,84の上面に沿って複数の上向き吐出孔83,83,……を穿孔したものとしている。
図13の戻り液ホース82は、閉鎖した先端付近の周壁面に沿って複数の吐出孔83,83,……を配列、形成したものであり、図14に示す戻り液ホース82は、閉鎖した先端側付近に交叉状となるよう、先端閉鎖型の左右支管84,84を延伸させ、先端側付近と左右支管84,84の各上側周面に沿って複数の上向き吐出孔83,83,……を開口したものとなっている。
また、図15の戻り液ホース82は、鉛直下方に垂下する姿勢とした先端に、平面十字状または平面X字状に形成され、各枝状管上側周面に沿って複数の上向き吐出孔83,83,……を開口した十文字支管84を形成したものであり、図16に示す戻り液ホース82は、その先端に所定直径の環状支管84を設け、該環状支管84の全周に渡る上側周壁面に沿い、複数の上向き吐出孔83,83,……を穿孔、形成したものである。
各戻り液ホース82は、その先端や各支管84,84,……の先端を閉鎖したものとすることができる外、開口したものとすることも可能であり、また、閉鎖先端面に対して上向き吐出孔83と略同径の吐出孔を穿孔したものとすることができる。
(実施例の作用)
以上のとおりの構成からなるこの発明のストレーナ1、およびそれを使用した薬液散布装置7は、農業用の薬剤Mを圃場に散布する際に好適に利用することができるものであり、図9中に示したように、薬液散布装置7の吸引ホース81先端に接続され、液体容器T内の薬液M中に投入されたストレーナ1は、同液体容器T底面に到達、接地すると、図8中に白抜き矢印で示すように、碇着枠体2を挟んで均衡するよう装着された一対の錘ブロック61,62が、図2中に示した吸引ノズル3の下方吸引口32を液体容器Tの底面に対して略平行状となるよう押し付けるものとなり、その接地状態は、薬液Mの流動や吸引ホース81に加えられた不要な牽引力等に妨げられるのを防止し、不用意な外力を受けて移動してしまった場合にも、速やかにもとの接地姿勢を復元して安定的に維持可能とするものとなる。
また、図5中に示した碇着枠体2のように、その骨格自体の肉厚を増加させて重錘相当部6とすることにより、錘ブロック61,62等を装着せずとも、同様の作用を得るものとなる外、図6に示した吸引ノズル3のように、その外周に重錘相当部6を一体形成したものとしても略同等の作用を発揮可能なものとなり、しかも双方とも組立て構造を簡素化して部品点数を削減可能とするものとなる。
また吸引ノズル3の下端に配置された複数本の細棒4,4,……は、図3中に示すように、液体容器Tの底面に接地して碇着枠体2の底枠部21およびその中央の吸引ノズル2の吸引口32を、約1mm上方に支持すると共に、僅かに浮上支持された吸引口32の周縁部回りに、放射状複数の吸引隙間41,41,……を形成し、同図3中に二点鎖線白抜き矢印で示すように、碇着枠体2の周囲八方向から略均等量の薬液Mを吸引可能としたものとなっている。
図7中に示したように、細棒4の直径tを、下記(式1)に示す値に設定することにより、吸引ノズル3のポンプ接続端31側の管路直径2r部分の管路断面積Aと、吸引ノズル3吸引口32外周縁から液体容器(タンク)T底面までの吸引隙間41の環状の流路面積Bとを略一致させ、吸引ノズル3とその吸引口32との関係を既述の関係式(式1)に従って2R=r2/tのように、そして望ましくは2R=r/(1〜2)となるように設定できれば、吸引ノズル3の吸引口32からポンプ接続端31に至る範囲に異常な圧力差を発生させず、安定且つ効率的に薬液Mを吸引可能なものとなる。
図9中に実線白抜き矢印で示すように、液体容器T底面に投入されたストレーナ1は、液体散布用ポンプ8の吸引力を受け、吸引ホース81を通じて薬液Mを吸引するものとなり、吸い上げられた薬液Mを液体散布用ポンプ8に接続された図示しない散布機構あるいは散布ノズル等により、散布対象となる圃場等に適宜散布することとなり、また、液体散布用ポンプ8の戻り液吐出部から吐出される薬剤Mが、戻り液ホース82を通じて、同図9中に破線矢印で示すように吐出され、その流出噴射力によって液体容器T内の薬液Mを攪拌し、液体散布用ポンプ8の作動中に渡り、常時薬液Mを均質に混合するものとなる。
さらに、戻り液ホース82の吐出先端に対して、図11ないし図16の中の何れかの構造を採用することにより、戻り液ホース82先端側やその支管84,84,……等に設けられた複数の上向き吐出孔83,83,……を通じて、鉛直上方や斜め上方等に向けて立体的に、あるいは様々な方向に向けて噴出させることにより、液体容器T内の薬剤M全体を、より均質に攪拌させるものとなる。
このようにして薬液Mの攪拌と吸引とを行うと最終的に、図10中に示すように、細棒4,4,……によって浮上された約1mm前後の微小残量を残して、殆ど全ての薬液Mが、圃場に散布されることとなり、図17中に示した、従前までのストレーナ1による吸引、散布作業のように、比較的大量の薬液Mを使用できずに、廃棄処理しなければならないという問題を解消することが可能となる。
(実施例の効果)
以上のような構成からなる実施例のストレーナ1およびそれを使用した薬液散布装置7は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、吸引ノズル3に対して十分な大きさの直方体状に形成した碇着枠体2を採用したことにより、その外側に装着された一対の錘ブロック61,62を、吸引ノズル3から十分に離れた位置に配置させることが可能となり、それによって図8中に白抜き矢印で示したように、碇着枠体2の底枠部21を、より安定した状態に接地させることができるものとなって吸引ノズル3の不用意な転倒等を確実に防止でき、安定的な薬剤散布を可能とするという効果が得られる。
また、図5中の碇着枠体2のように、それ自体を重錘相当部6として機能させるよう、肉厚を増加させたものとしたり、あるいは、図6中に示したように、吸引ノズル3の外周肉厚を増加させて、吸引ノズル3自体に同様の重錘相当部6としての機能をもたせたものとすることにより、錘ブロック61,62の取り付けを不要とし、部品点数を削減すると共に、碇着枠体2に吸引ノズル3を組み込んだ後に、フィルター5を装着するだけの作業となり、製造コストを削減できる上、液体容器Tの薬液M中に投入した際には、前記一対の錘ブロック61,62を装着したストレーナ1と略同等の安定した接地効果を発揮できる。
さらに、吸引ノズル3のポンプ接続端31付近を、平面十字型の梁枠部22に貫通状に一体化し、同吸引ノズル3の吸引口32を、底枠部21に設けた複数本の細棒4,4,……の交叉部分付近に結合したことにより、碇着枠体2に対する吸引ノズル3の結合強度を高め、耐久性に秀れたストレーナ1とすることができる。
図7中に示したように、細棒4,4,……の直径tを、前記(式1)によって得られた値、もしくはそれに近似する値に設定することにより、吸引ノズル3の上端側となる管路内流路面積Aと、吸引ノズル3吸引口32外周付近の吸引隙間41における環状の流路面積Bとを、略一致させることが可能となり、吸引ノズル3の吸引口32からポンプ接続端31に至る薬液M中の異常な圧力差の発生を抑え、キャビテーションや渦流等の発生を防止して高い吸引効率を実現可能とすることができる。
さらに、液体散布用ポンプ8の戻り液吐出部に、戻り液ホース82を接続し、同戻り液ホース82の先端側を、液体容器Tの底部付近に到達するよう配置させることによって、複雑な構造の攪拌機構等を一切必要とせずに、液体散布用ポンプ8の作動中に渡り、上記薬液Mを均質化して薬剤散布の品質を向上し、しかも経費の削減とメンテナンス作業の負担を軽減することができるという利点を得られることになり、図11ないし図16中に示した何れかの戻り液ホース82を接続することにより、液体容器T内の上方向や斜め上方等にも戻り液Mを積極的に噴出させて、より立体的な攪拌を実現し、液体容器T内の全体を迅速且つ均一に攪拌できるものとなる。
(結 び)
叙述の如く、この発明のストレーナ、およびそれを使用した薬液散布装置は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からのストレーナに比較して、薬液の最終残存量を凡そ1/10程度まで格段に減少させ、薬剤の使用量を大幅に削減して遥かに経済的に、薬剤散布を行うことができる上、残存した薬液の処理に要する作業負担も軽減できるので、これまで薬剤使用量の増加と経費の増大に辟易してきた園芸、稲作農家や、薬剤ならびに薬剤散布装置を提供してきた農業機械業界において高く評価され、その高い実用性によって農業の薬剤散布に留まらず、林業や工業等の多方面に渡って広範に利用、普及していくものになると予想される。
図面は、この発明のストレーナ、およびそれを使用した薬液散布装置の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
ストレーナの構造を示す斜視図である。 碇着枠体の形状を示す斜視図である。 細棒の配置を示す碇着枠体の底面図である。 ストレーナの分解状態を示す斜視図である。 肉厚化した碇着枠体を示す斜視図である。 肉厚化した吸引ノズルを示す斜視図である。 吸引ノズルおよび細棒を示す断面図である。 重錘部の働きを矢印で示すストレーナの正面図である。 吸引動作中の薬液散布装置を示す正面図である。 吸引動作を略終了した薬液散布装置を示す正面図である。 シャワー型上向き吐出孔を形成した戻り液ホースを示す斜視図である。 左右支管を有する垂下型の戻り液ホースを示す斜視図である。 先端側周壁面に上向き吐出孔を穿孔した戻り液ホースを示す斜視図である 左右支管を有する戻り液ホースを示す斜視図である。 十文字型支管を有する垂下型の戻り液ホースを示す斜視図である。 先端に環状支管を設けた戻り液ホースを示す斜視図である。 従前までのストレーナの吸引動作を示す正面図である。
符号の説明
1 ストレーナ
2 碇着枠体
21 同 底枠部(開口)
22 同 梁枠部
3 吸引ノズル
31 同 ポンプ接続端
32 同 吸引口
4 細棒(ワイヤ製または針金製)
41 同 吸引隙間
5 フィルター
51 同 締付け金具
6 重錘部(重錘相当部)
61 同 錘ブロック
62 同 錘ブロック
63 同 装着孔
64 同 ボルト・ナット
7 薬液散布装置
8 液体散布用ポンプ
81 同 吸引ホース
82 同 戻り液ホース
83 同 上向き吐出孔
84 同 支管
T 液体容器(タンク)
A 管流路断面積
2r 同 管流路直径
B 吸引口隙間面積
2R 同 吸引口直径
t 細棒直径

Claims (8)

  1. 要所要所に骨格部材を配置し、平坦な底面を有するスケルトンタイプの立体形とした碇着枠体の底部に、その平面中心から同平面内周辺に向け、且つ同中心周りに適宜角度置きに放射状配置となるようにした太さ1ないし2mm程度の細棒複数本を配列、一体化する一方、同平面中心に向かう碇着枠体上部からは、吸引ノズルが、その吸引口の下向き開口面を先の複数本の細棒の上に載置状とし、下向き開口および放射状配置の夫々の中心位置が大凡合致するようにして縦設、固定されるようにした上、当該碇着枠体の略全周面にフィルターを装着すると共に、吸引ノズル自体もしくは碇着枠体何れかあるいは双方の均衡する適所を重錘相当部とするよう肉厚化するか、または吸引ノズルの吸引口を挟んで均衡する当該碇着枠体外側適所に重錘部を装着するか、あるいはそれら重錘相当部と重錘部とを併用してなるものとしたことを特徴とするストレーナ。
  2. 要所要所に骨格部材を配置し、平坦な底面を有するスケルトンタイプの立体形とした碇着枠体の底部に、その平面中心から同平面内周辺に向け、且つ同中心周りに適宜角度置きに放射状配置となるようにした太さ1ないし2mm程度の細棒複数本を配列、一体化する一方、同平面中心に向かう碇着枠体上部からは、吸引ノズルが、その吸引口の下向き開口面を先の複数本の細棒の上に載置状とし、下向き開口および放射状配置の夫々の中心位置が大凡合致するようにして縦設、固定され、吸引ノズルの吸引口下方に、複数本の細棒介在による吸引隙間を確保するようにした上、当該碇着枠体の略全周面にフィルターを装着すると共に、吸引ノズル自体もしくは碇着枠体何れかあるいは双方の均衡する適所を重錘相当部とするよう肉厚化するか、または吸引ノズルの吸引口を挟んで均衡する当該碇着枠体外側適所に重錘部を装着するか、あるいはそれら重錘相当部と重錘部とを併用してなるものとしたことを特徴とするストレーナ。
  3. 要所要所に骨格部材を配置し、平坦な底面を有するスケルトンタイプの立体形とした碇着枠体の底部に、その平面中心から同平面内周辺に向け、且つ同中心周りに適宜角度置きに放射状配置となるようにした太さ1ないし2mm程度の細棒複数本を配列、一体化する一方、同平面中心に向かう碇着枠体上部からは、吸引ノズルが、その吸引口の下向き開口面を先の複数本の細棒の上に載置状とし、下向き開口および放射状配置の夫々の中心位置が大凡合致するようにして縦設、固定されるようにした上、当該碇着枠体の略全周面にフィルターを装着すると共に、吸引ノズルの吸引口を挟んで均衡する当該碇着枠体外側適所に重錘部を装着してなるものとしたことを特徴とするストレーナ。
  4. 要所要所に骨格部材を配置し、平坦な底面を有するスケルトンタイプの立体形とした碇着枠体の底部に、その平面中心から同平面内周辺に向け、且つ同中心周りに適宜角度置きに放射状配置となるようにした太さ1ないし2mm程度の細棒複数本を配列、一体化する一方、同平面中心に向かう碇着枠体上部からは、吸引ノズルが、その吸引口の下向き開口面を先の複数本の細棒の上に載置状とし、下向き開口および放射状配置の夫々の中心位置が大凡合致するようにして縦設、固定されるようにした上、当該碇着枠体の略全周面にフィルターを装着すると共に、吸引ノズル自体もしくは碇着枠体何れかあるいは双方の均衡する適所を重錘相当部とするよう肉厚化してなるものとしたことを特徴とするストレーナ。
  5. 細棒の直径t、吸引ノズルの管路内径2r、吸引ノズルの開口径2Rとしたときに、各細棒の直径tは、吸引ノズルの管路内径2rの1/2を二乗したものを、吸引ノズルの開口径2Rで除した数値に一致させるか、略近似値に設定してなるものとした、請求項1ないし4何れか一項記載のストレーナ。
  6. 要所要所に骨格部材を配置し、平坦な底面を有するスケルトンタイプの立体形とした碇着枠体の底部に、その平面中心から同平面内周辺に向け、且つ同中心周りに適宜角度置きに放射状配置となるようにした太さ1ないし2mm程度の細棒複数本を配列、一体化する一方、同平面中心に向かう碇着枠体上部からは、吸引ノズルが、その吸引口の下向き開口面を先の複数本の細棒の上に載置状とし、下向き開口および放射状配置の夫々の中心位置が大凡合致するようにして縦設、固定されるようにした上、当該碇着枠体の略全周面にフィルターを装着すると共に、吸引ノズル自体もしくは碇着枠体何れかあるいは双方の均衡する適所を重錘相当部とするよう肉厚化するか、または吸引ノズルの吸引口を挟んで均衡する当該碇着枠体外側適所に重錘部を装着するか、あるいはそれら重錘相当部と重錘部とを併用してなるストレーナの当該吸引ノズルの上端に、液体散布用ポンプから所定長さ延伸させた吸引ホースの先端を接続する一方、同液体散布用ポンプの戻り液吐出部に、所定長さにした戻り液ホースの基端を接続してなるものとしたことを特徴とする、請求項1ないし5何れか一項記載のストレーナを使用した薬液散布装置。
  7. 要所要所に骨格部材を配置し、平坦な底面を有するスケルトンタイプの立体形とした碇着枠体の底部に、その平面中心から同平面内周辺に向け、且つ同中心周りに適宜角度置きに放射状配置となるようにした太さ1ないし2mm程度の細棒複数本を配列、一体化する一方、同平面中心に向かう碇着枠体上部からは、吸引ノズルが、その吸引口の下向き開口面を先の複数本の細棒の上に載置状とし、下向き開口および放射状配置の夫々の中心位置が大凡合致するようにして縦設、固定されるようにした上、当該碇着枠体の略全周面にフィルターを装着すると共に、吸引ノズル自体もしくは碇着枠体何れかあるいは双方の均衡する適所を重錘相当部とするよう肉厚化するか、または吸引ノズルの吸引口を挟んで均衡する当該碇着枠体外側適所に重錘部を装着するか、あるいはそれら重錘相当部と重錘部とを併用してなるストレーナの当該吸引ノズルの上端に、吸引対象となる液体容器底面に達して吸引可能とするよう、液体散布用ポンプから十分な長さに延伸させた吸引ホースの先端を接続したものとする一方、同液体散布用ポンプの戻り液吐出部に、液体容器中に戻り液を吐出し、それに伴う流動力を利用して容器中液体の攪拌が可能となるよう、先端を液体容器底面付近にまで延伸可能な長さに設定した戻り液ホースの基端を接続してなるものとしたことを特徴とする、請求項1ないし5何れか一項記載のストレーナを使用した薬液散布装置。
  8. 戻り液ホースは、その先端に水平方向、垂直上向き方向、斜め上向き方向の何れかの方向またはそれらを組み合わせた方向へ吐出可能な複数の吐出孔を形成してなるものとした、請求項6または7何れか一項記載の薬液散布装置。
JP2005055045A 2004-03-01 2005-02-28 ストレーナ、およびそれを使用した薬液散布装置 Expired - Fee Related JP4267583B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005055045A JP4267583B2 (ja) 2004-03-01 2005-02-28 ストレーナ、およびそれを使用した薬液散布装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004056881 2004-03-01
JP2005055045A JP4267583B2 (ja) 2004-03-01 2005-02-28 ストレーナ、およびそれを使用した薬液散布装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005279639A JP2005279639A (ja) 2005-10-13
JP4267583B2 true JP4267583B2 (ja) 2009-05-27

Family

ID=35178583

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005055045A Expired - Fee Related JP4267583B2 (ja) 2004-03-01 2005-02-28 ストレーナ、およびそれを使用した薬液散布装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4267583B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4824138B1 (ja) * 2011-04-17 2011-11-30 一博 永田 浄水システム
CN108432727A (zh) * 2018-03-07 2018-08-24 曾浩 一种可调整喷洒角度的景观园林维护用药液喷洒装置
CN111563502B (zh) * 2020-05-09 2023-12-15 腾讯科技(深圳)有限公司 图像的文本识别方法、装置、电子设备及计算机存储介质

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005279639A (ja) 2005-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20170055473A1 (en) Vertical hydroponic system
JP4267583B2 (ja) ストレーナ、およびそれを使用した薬液散布装置
KR100770368B1 (ko) 농약 및 액상비료 교반용 탱크
KR101557631B1 (ko) 액체 기체 동시 분사형 농약 교반기 및 이를 구비한 농약 교반 흡입 동시 구동형 어셈블리
KR102247842B1 (ko) 수경 및 토양 재배용 균일 물분사장치
JP6622954B2 (ja) ストレーナ付き液体タンク
US6508933B2 (en) Self-cleaning shallow water strainer
KR20170136100A (ko) 비닐하우스 내 액상물 살포 장치
CN207433806U (zh) 一种植保无人机超声波药物喷头
KR102423163B1 (ko) 어패류 양식 시스템
KR101291212B1 (ko) 농약 분무용 흡입망 장치
CN105875389A (zh) 植物栽培装置
CN218451326U (zh) 玉米、大豆复合模式喷杆喷雾机
FI68096B (fi) Anordning foer kontinuerlig behandling av massa
CN213848053U (zh) 一种胡椒病害用具有固定结构的滴灌装置
KR102387813B1 (ko) 어류이송용 단위 피쉬펌프 모듈
KR20230114089A (ko) 방제장치용 노즐어셈블리
CN212035636U (zh) 一种便于更换除草部件的水田除草机
CN213044906U (zh) 一种园林喷药装置
KR200482093Y1 (ko) 침전방지용 교반수단이 구비되는 필터유닛
CN213187190U (zh) 一种园林养护用水肥自动喷施装置
CN215912970U (zh) 水产幼苗排水保护装置
CN218278442U (zh) 一种水稻种植用喷药装置
KR101712410B1 (ko) 노즐대의 회전각도 및 경사각도의 자동조절기능을 갖는 약제 자동살포장치
KR102670932B1 (ko) 농업용 상수 또는 혼합액 공급설비의 맥동 및 진동 저감 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060511

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090120

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090218

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130227

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees