JP4267222B2 - 内燃機関のスロットル開度制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の吸気通路に配されて燃焼室への吸入空気量を調量するスロットル弁について、その開度をモータ等のアクチュエータを介して制御する内燃機関のスロットル開度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、内燃機関の吸気通路にあって、上記スロットル弁の近傍に潤滑油成分等の堆積物が付着するようなことがあると、吸気通路の有効断面積が減少して、吸入空気量も減少する。そして、基本燃料噴射量をスロットル弁の開度と機関回転速度に基づいて演算する内燃機関においては、このように堆積物が付着した状態で、上記スロットル弁の開度に応じた量の燃料を噴射すると、実際の吸入空気量が減少しているために、空燃比が理論空燃比よりもリッチとなる。
【0003】
そこで通常は、こうした堆積物の付着に起因して空燃比が理論空燃比から外れることを防止するために、堆積物の付着量、換言すれば燃焼室に実際に吸入される空気量を学習し、その学習値をスロットル弁の開度に反映させることで、堆積物が付着した場合においても空燃比が理論空燃比に維持されるようにしている。
【0004】
ただし、スロットル弁の開度をこうして学習制御する場合であれ、上記付着していた堆積物が突然除去されるようなことがあると、特に同機関のアイドル運転時には、次のような不都合を生じることとなる。
【0005】
即ち、上記堆積物が除去されると、それに応じて吸気通路の有効断面積が急に増加し、吸入空気量も増加する。また、これにともなって空燃比が理論空燃比よりもリーンとなる。一方このとき、同機関では、所定のアイドル回転速度を得るためのフィードバック制御が行われている。そして、この制御では、燃料噴射量を増加することで空燃比を理論空燃比に近づける補正が行われるため、機関回転速度は上昇する。そして、この機関回転速度の上昇により、アイドル回転速度が上記所定の回転速度以上となると、今度はこの機関回転速度を下降させるべくフューエルカットが行われる。しかし、このフューエルカットにより機関回転速度が下降すれば、フューエルカットからの復帰条件は満たされるため、再び吸入空気量に応じた燃料噴射が行われて機関回転速度が上昇する。そして結局は、このような機関回転速度の上昇によるフューエルカットと、このフューエルカットによる機関回転速度の下降によるフューエルカットからの復帰とが繰り返され、いわゆる制御ハンチングが発生するようになる。
【0006】
そこで従来は、このような不都合を回避する技術として、例えば特開2000−87789に記載されているようなスロットル開度制御方法が提案されている。
【0007】
このスロットル開度制御方法では、内燃機関のアイドル運転中にアイドル開度(スロットル開度)が閉成側にあるにもかかわらず空燃比が理論空燃比よりもリーンぎみである状態が連続して発生していることに基づいて上記堆積物が除去されたことを判定している。そして、堆積物が除去されていると判定されるときには、堆積物補正項を補正するとともに、アイドル回転速度制御の学習値もあわせて補正することで、上述した制御ハンチングの発生を防止するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に記載の方法によれば、上記堆積物が除去されたような場合でも、その旨を判断して、その状況に見合ったスロットル開度制御を行うことは確かにできる。しかし、同従来の技術においては、内燃機関が完全に暖機されて空燃比フィードバック制御が開始されるまでは、堆積物が除去されたか否かを判定することはできない。例えば、機関停止中のメンテナンス等による吸気通路の洗浄で上記付着していた堆積物が除去されたとしても、それ以降の内燃機関の始動から、これが完全に暖気されるまでの間は堆積物の除去を判定することができない。そのため、こうして機関停止中に堆積物が除去された場合、同機関の始動から完全に暖機されるまでに発生する制御ハンチング、即ちファーストアイドル時に発生する制御ハンチングについては、これを防止することができなかった。
【0009】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、堆積物の除去に起因する制御ハンチングの発生をより早期に且つ的確に防止することのできる内燃機関のスロットル開度制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、内燃機関の吸気通路に設けられたスロットル弁のアイドル開度を該スロットル弁近傍に付着する堆積物の付着量学習値に基づき補正しつつ、同機関の回転速度を所望のアイドル回転速度に制御する内燃機関のスロットル開度制御装置において、前記機関の始動直後の前記アイドル回転速度への制御中にフューエルカットが行われたことに基づき前記堆積物が除去されたことを判断して前記付着量学習値から堆積物除去に対応した所定値を減じる補正を実行する制御手段を備え、前記アイドル回転速度への制御中にフューエルカットが行われても、前記機関のアイドル運転条件を一旦外れてのち、再度アイドル運転条件が満たされてから所定の時間を経過していないとき、前記制御手段による前記付着量学習値の補正を禁止する手段をさらに備えることを要旨としている。
【0011】
上記構成によれば、内燃機関の始動直後の前記アイドル回転速度への制御中にフューエルカットが行われたことに基づいて、スロットル弁近傍に付着する潤滑油成分等の堆積物が除去されている旨判断された場合は、付着量学習値を補正し同内燃機関の回転速度が所望の回転速度とされる。このように、堆積物の除去が機関の始動直後に判断されるため、堆積物の除去に起因する制御ハンチングの発生を早期、且つ的確に防止することができるようになる。
【0012】
なお、上記付着量学習値は、実際の吸入空気量と上記制御装置が認識する吸入空気量との差を是正すべく学習される値である。従って、この学習値に対する上記補正とは、スロットル弁の開度に対する直接的な補正であってもよいし、あるいは吸入空気量の学習値に対する同スロットル弁の開度についての間接的な補正であってもよい。
【0014】
さらに、アイドル回転速度への制御中にフューエルカットが行われた場合は堆積物が除去された旨判断し、付着量学習値が補正される。通常は、アイドル回転速度への制御中にフューエルカットが行われることはないため、上記フューエルカットは、スロットル弁に付着した堆積物が除去されたにもかかわらず、こうした事実が検知されていないことに起因する。従って、上記条件に基づいて堆積物の除去が判断されることにより、堆積物の除去に起因する制御ハンチングの発生をより的確に防止することができるようになる。
【0018】
上記構成によれば、内燃機関が一旦アイドル運転条件を外れ、その後、再びアイドル運転条件に復帰した場合であっても、復帰から所定時間が経過していない旨判断された場合は付着量学習値の補正は行われない。内燃機関が再びアイドル運転条件に復帰した場合であっても、その直後(所定時間経過まで)は、アイドル運転条件を外れていたことに起因する上記フューエルカットが行われることがある。即ち、アイドル運転条件への復帰後から所定時間経過までの間にも、堆積物が除去されたことに起因するフューエルカットと、内燃機関がアイドル運転条件を満たしていないことに起因するフューエルカットとが混同されるおそれがある。従って、上記構成を採用することにより、上述のフューエルカットの混同が避けられ、堆積物が除去されていないにもかかわらず上記補正が行われるといった誤補正を確実に防止することができるようになる。
【0019】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関のスロットル開度制御装置において、前記機関の始動後、所定の時間を経たのちは、前記制御手段による前記堆積物が除去されたか否かの判断を禁止する手段をさらに備えることを要旨としている。
【0020】
上記構成によれば、内燃機関の始動後から所定時間経過までの間に、制御手段によるスロットル弁の近傍に付着していた堆積物が除去されたか否かの判断が行われる。内燃機関の停止中における洗浄により堆積物が除去された場合は、これ以降の機関始動から完全に暖機がされるまでの所定時間(ファーストアイドル時)に制御ハンチングが発生するおそれがある。従って、上記の構成を採用することにより、制御ハンチングの発生するおそれがあるときのみに、堆積物が除去されたか否かの判断がなされるため、堆積物が除去されたことに起因する制御ハンチングをより的確に防止することができるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明を具体化した一実施の形態を図1及び図2に示す。
まず、図1を参照して、同実施の形態にかかる内燃機関のスロットル開度制御装置の概要について説明する。なお、図1は、本発明の一実施の形態にかかる内燃機関のスロットル開度制御装置の全体構成についてその概略を模式的に示したものである。
【0022】
図1に示されるように、内燃機関10には、燃焼室20内へ吸入空気を供給する吸気通路21が備えられ、同吸気通路21には上記燃焼室20内へ供給される吸入空気量をその開度に応じて調量するスロットルバルブ22が配設されている。一方、内燃機関10の出力要求を行うアクセルペダル30の踏み込み量は、同アクセルペダル30の近傍に備えられるアクセルセンサ31により検出され、その検出量は内燃機関10の各種制御を行う制御装置(ECU)50へ取り込まれる。そして、上記ECU50は、基本的には上記アクセルペダル30の踏み込み量と上記スロットルバルブ22の開度とを対応させるべく、同スロットルバルブ22を開閉駆動するためのアクチュエータであるモータ23を制御している。また、上記スロットルバルブ22の近傍には、同スロットルバルブ22の開度を検出すべくスロットルポジションセンサ24が備えられ、その検出信号は上記ECU50へ取り込まれる。
【0023】
また、上記吸気通路21を通じて導入された吸入空気は、インジェクタ25から噴射されるガソリン等の燃料と混合され、混合気となって上記燃焼室20内へ供給される。また、内燃機関10の回転速度は、回転速度(Ne)センサ40により検出されてECU50へ取り込まれている。ECU50は、この機関回転速度、あるいはその他図示しない各種センサからの信号に基づき所定条件が満たされた旨判定した場合は、上記インジェクタ25からの燃料噴射を停止する、いわゆるフューエルカットを行う。なお、上記ECU50が上記Neセンサ40を含む各種センサからの信号に基づき上記所定条件が満たされなくなった旨判定した場合は、上記フューエルカットは停止され、再びインジェクタ25からの燃料噴射が行われる。
【0024】
ところで、上記吸気通路21の内壁に潤滑油成分等の堆積物が付着し、同吸気通路21の有効断面積が減少した場合は、ECU50により上記堆積物の付着量が推定される。そして、ECU50は上記付着量により減少する吸入空気量を補うために、スロットルバルブ22の開度補正量である「堆積物補正項TTAGDP」を上記付着量に応じて設定し、これを用いて上記スロットルバルブ22の開度制御を行う。
【0025】
次に、図2を参照して、スロットルバルブ22の近傍に付着した堆積物の除去判定、及びその判定結果に基づく同スロットルバルブ22の開度補正に際してECU50で行われる処理について説明する。なお、図2は、同ECU50で行われる堆積物の除去判定処理の処理手順を示している。また、この処理は、例えば所定の時間間隔をもって繰り返し実行される。
【0026】
まず、ステップS101では内燃機関10の始動後から所定時間T1が経過したか否かが判断される。ここで、所定時間T1以内である旨判断された場合はステップS102へ移り、所定時間T1を経過している旨判断された場合は本処理を一旦終了する。
【0027】
ところで、内燃機関10の始動直後、即ちファーストアイドル時には、同機関の始動性を向上させるために吸気通路21を通じて導入される吸入空気が通常のアイドル運転時よりも増量される、いわゆる始動時増量補正がなされている。こうした場合に、スロットルバルブ22の近傍に付着した堆積物の付着量に応じて設定される上記「堆積物補正項TTAGDP」により同スロットルバルブ22の開度補正が行われていると、前述のように、上記付着物の除去に起因して以下に示すような不具合を生じることがある。
【0028】
例えば、内燃機関10の停止中に上記堆積物が除去されたにもかかわらず、これ以降の同機関始動時に上記「堆積物補正項TTAGDP」によるスロットルバルブ22の開度補正が行われると、この補正による吸入空気の増量と上述の始動時増量補正による吸入空気の増量とがあいまって、機関の回転速度が通常のアイドル運転時よりも上昇する。このとき、機関の回転速度がアイドル回転速度制御中における所定範囲を超えると、ECU50は同回転速度を下降させるべく、インジェクタ25からの燃料噴射を停止させる上記フューエルカットを実行する。これにより、機関の回転速度は下降するものの、上記「堆積物補正項TTAGDP」による補正と始動時増量補正とが引き続き行われている場合は、再び機関の回転速度が所定範囲を超えることとなる。こうした場合は、ECU50により再度フューエルカットが行われ、結局は、機関の回転速度が上昇と下降とを繰り返す前述の制御ハンチングが発生する。このような制御ハンチングは、運転性(ドライバビリティ)の悪化をまねくばかりでなく、内燃機関10にとっても好ましい現象ではないため、上述したような機関の回転速度の上昇を確実に防止する必要がある。
【0029】
即ち、上記ステップS101における所定時間T1以内とは、内燃機関10の始動時に吸入空気が始動時増量補正されている場合のことであり、この始動時増量補正が終了するとファーストアイドル時における制御ハンチングの発生のおそれが解消したこととなる。このように、制御ハンチングの発生の可能性がある所定時間T1以内のみに本処理が行われることで、以下に説明する堆積物の除去判定(ステップS102〜)が的確に行われることとなる。なお、上記所定時間T1は、例えば、10secというように始動時増量補正の時間に対応させて任意の時間を設定することができ、本処理はその時間内のみに行われる。
【0030】
次に、ステップS102ではアイドル回転速度制御中においてフューエルカットが行われたか否かが判断される。そして、フューエルカットが行われた旨判断された場合はステップS103へ移り、行われていない旨判断された場合は本制御を一旦終了する。
【0031】
ところで、アイドル回転速度制御中は、ECU50により所定の機関の回転速度を得るために学習されたスロットルバルブ22の開度に基づいて機関の回転速度が調整されているため、通常であればフューエルカットが行われるほど機関の回転速度が上昇することはありえない。しかし、先にも述べたように堆積物の除去に起因する上記のような機関の回転速度の上昇が起こる場合もあり、以下に、こうした機関の回転速度の上昇によるフューエルカットが行われるまでの過程について説明する。
【0032】
上述したように吸気通路21に付着した堆積物が除去されたにもかかわらず「堆積物補正項TTAGDP」による補正が行われている場合、即ち堆積物ECU50が堆積物の除去を認識していない場合は、同ECU50が認識する吸入空気量と実際の吸入空気量とには誤差が生じることとなる。このときの誤差範囲は、上記「堆積物補正項TTAGDP」の補正によるスロットルバルブ22の開度に対応して吸入される吸入空気量の範囲内に相当する。そして、ECU50は堆積物が除去されたことを認識していないため、上記誤差を含んだ吸入空気量に基づいてアイドル回転速度制御を行うこととなる。また、上記誤差は、
・「堆積物補正項TTAGDP」の補正による吸入空気の増加量
・洗浄等により除去された堆積物の量
の少なくとも一方が増加するほど大きくなり、同誤差の増加にともない、アイドル回転速度制御中における機関の回転速度も目標値を大きく上回るようになる。そして、上記誤差、即ちECU50が認識する吸入空気量と実際の吸入空気量との差がある値を超えた場合は、機関の回転速度がアイドル回転制御中における所定範囲以上となり、フューエルカットが行われるようになる。
【0033】
このように、アイドル回転速度制御中に行われるフューエルカットは、ECU50が吸気通路21内壁に付着している堆積物が除去されたことを認識しておらず、「堆積物補正項TTAGDP」によるスロットルバルブ22の開度補正を継続していることに起因している。従って、上記ステップS102で、アイドル回転速度制御中にフューエルカットが行われたことに基づいて堆積物の除去が判断されることにより、同堆積物が除去されたことを確実に検出することができるようになる。
【0034】
次に、ステップS103では、内燃機関10の始動時以降にアクセルペダル30が踏み込まれたか否かが判断される。そして、踏み込まれていない旨判断された場合はステップS105へ移り、踏み込まれた旨判断された場合はステップS104へ移る。
【0035】
また、ステップS104では、内燃機関10の始動時以降にアクセルペダル30が踏み込まれた場合であっても、同アクセルペダル30が開放されてから所定時間T2が経過しているか否かが判断される。そして、上記所定時間T2が経過している旨判断された場合は、上記ステップS103で機関の始動時以降アクセルが踏み込まれていない旨判断された場合と同様に、ステップS105へ移る。一方、ステップS104で所定時間T2が経過していない旨判断された場合は本処理を一旦終了する。
【0036】
ここで、アイドル回転速度制御中に行われるフューエルカットは先にも述べたように、堆積物が除去されたことに起因するが、上記フューエルカットの全てが同堆積物の除去に起因するものではない。例えばいま、機関の始動時あるいはそれ以降にアクセルペダル30が踏み込まれ、同アクセルペダル30の操作による機関回転速度がアイドル回転速度制御における所定範囲以上である場合、即ちアイドル回転速度制御においてフューエルカットが行われる条件を満たしている場合を想定する。その後、上記アクセルペダル30が開放されたとすると、アクセルセンサ31によりその旨が検知され、ECU50はアイドル回転速度制御へ移行する。このとき、機関の回転速度はアクセルペダル30の操作に対してある時間遅れをもって追従するため、アイドル回転速度制御に移行した後もしばらくは、同機関の回転速度は上記アクセルペダル30の操作による影響を受けており、完全なアイドル運転条件が満たされていない。そして、上述のように機関の回転速度は所定範囲以上であるため、機関の回転速度が下降しアイドル回転速度制御における所定範囲内となるまではフューエルカットが行われる。このとき、ECU50はアイドル回転速度制御中にフューエルカットが行われたと認識し、これは上記ステップS102で堆積物が除去された旨判断するとした条件にほかならない。しかしながら、実際に行われたフューエルカットはアクセルペダル30の操作に起因しており、堆積物が除去されたことに起因するものではない。このような堆積物が除去されていない場合に上記「堆積物補正項TTAGDP」が補正されると、今度は、ECU50が認識する吸入空気量が実際の値よりも少なくなるといった問題を引き起こすことにつながる。従って、上記ステップS103で内燃機関10の始動時以降にアクセルペダル30が踏み込まれたか否かが判断されることにより、上記「堆積物補正項TTAGDP」の誤補正が確実に防止できるようになる。
【0037】
また、上述したように内燃機関10の始動時以降にアクセルペダル30が踏み込まれていた場合であっても、同アクセルペダル30が開放されるとアイドル回転速度制御が行われるようになり、機関回転速度は同アイドル回転速度制御における目標回転速度へと収束される。そして、所定時間T2が経過した場合、即ちアクセルペダル30の操作により上昇した機関回転速度の影響がなくなった場合には、これ以降に行われたフューエルカットは堆積物の除去に起因するものであると考えられる。従って、上記ステップS104で所定時間T2の経過後も「堆積物補正項TTAGDP」の補正が許可されることで、より確実に制御ハンチングの発生が防止される。これは換言すれば、所定時間T2の経過までは「堆積物補正項TTAGDP」の補正を禁止するということにほかならない。従って、上記所定時間T2が経過していない間、即ち上記のアクセルペダル30の操作により上昇した機関回転速度の影響がある場合に、上記「堆積物補正項TTAGDP」が補正されるといった誤補正が行われることが防止されるようになる。
【0038】
なお、上記ステップS104の判断は、例えば、アクセルペダル30の操作が複数回にわたって行われたような場合は、常に、最後のアクセルペダル30の操作を判断の対象として行われるものである。
【0039】
次に、ステップS105では、堆積物の付着量に応じて設定されるスロットルバルブ22の開度補正量である「堆積物補正項TTAGDP」から「所定値TADPDC1」を減算し、「堆積物補正項TTAGDP」による吸入空気量の増量が減量される。これにより、吸気通路21を通じて導入される吸入空気量とECU50が認識する吸入空気量との差が是正され、以降は同ECU50による適切なスロットルバルブ22の開度制御が行われる。
【0040】
以上詳述したように、この実施の形態にかかる内燃機関のスロットル開度制御装置によれば、以下に列記するような優れた効果が得られるようになる。
(1)内燃機関10の始動直後の運転状態に基づいて吸気通路21に付着している堆積物の除去が判断された場合は、「堆積物補正項TTAGDP」から「所定値TADPDC1」が減算される(ステップS105)。これにより機関回転速度が所望の回転速度とされるため、堆積物の除去に起因する制御ハンチングを的確に防止することができるようになる。
【0041】
(2)通常のアイドル回転速度制御中であれば行われないフューエルカットが行われたことに基づいて堆積物の除去が判断されるため(ステップS102)、同堆積物の除去をより的確に判断することができるようになる。
【0042】
(3)アイドル回転速度制御中においてフューエルカットが行われても、内燃機関10の始動以降にアクセルペダル30が踏み込まれていた場合は「堆積物補正項TTAGDP」の補正が禁止される(ステップS103)。これにより、上記アクセルペダル30の操作に起因するフューエルカットと堆積物の除去に起因するフューエルカットとが混同されて、同堆積物が除去されていないにもかかわらず上記「堆積物補正項TTAGDP」が補正されるといった誤補正を確実に防止することができるようになる。
【0043】
(4)内燃機関10の始動時以降にアクセルペダル30が踏み込まれており、その後、同アクセルペダル30が開放されてからも所定時間T2経過までは「堆積物補正項TTAGDP」の補正が禁止される(ステップS104)。これにより、上記所定時間T2経過まで、即ち上記アクセルペダル30の操作による機関回転速度の上昇が解消するまでに行われる同アクセルペダル30の操作に起因するフューエルカットと堆積物の除去に起因するフューエルカットとの混同が回避される。従って、上記堆積物が除去されていないにもかかわらず上記「堆積物補正項TTAGDP」が補正されるといった誤補正を確実に防止することができるようになる。
【0044】
(5)内燃機関10の始動から完全に暖機がされるまでの所定時間T1以内、即ち制御ハンチング発生のおそれがあるときのみに堆積物の除去が判定されるため(ステップS101)、より的確に堆積物の除去が判断できるようになる。
【0045】
なお、この発明にかかる内燃機関のスロットル開度制御装置は上記実施の形態に限定されるものではなく、同実施の形態を適宜変更した、例えば次のような形態として実現することもできる。
【0046】
・上記実施の形態では、「堆積物補正項TTAGDP」より「所定値TADPDC1」を減算することで「堆積物補正項TTAGDP」を補正したが、例えば「堆積物補正項TTAGDP」を1/2にする等によって「堆積物補正項TTAGDP」を減量してもよい。要するに、アイドル回転速度制御中の機関回転速度が所定範囲内となるように「堆積物補正項TTAGDP」が補正されればよく、その補正手段は任意である。
【0047】
・上記実施の形態では、「堆積物補正項TTAGDP」を補正することでアイドル回転速度制御中の機関回転速度が所定範囲内となるようにしていが、例えばアイドル回転速度制御における吸入空気の流量学習値を補正することとしてもよい。要するに、アイドル回転速度制御中の機関回転速度が所定範囲内となるのであれば、その補正対象は「堆積物補正項TTAGDP」に限られず任意である。
【0048】
・上記実施の形態では、アクセルペダル30が開放されてから所定時間T2経過後は「堆積物補正項TTAGDP」の補正を行うこととしたが、所定時間T2、即ちアクセルペダル30が開放されてから「堆積物補正項TTAGDP」の補正を許可するまでの時間を同アクセルペダル30の踏み込み量に応じて設定するようにしてもよい。このような構成を採用した場合、アクセルペダル30が開放されてから「堆積物補正項TTAGDP」の補正が許可されるまでの所定時間T2が的確に設定されるため、「堆積物補正項TTAGDP」の誤補正をより確実に防止することができるようになる。
【0049】
・上記実施の形態では、アクセルセンサ31からの検出信号に基づいて、アクセルペダル30が踏み込まれたか否かの判断(ステップS104)をしたが、例えば、次のようのな構成とすることもできる。アクセルペダル30の踏み込み量が「0」でオンとなるいわゆるアイドルスイッチを上記アクセルペダル30近傍に設け、同アイドルスイッチのオン、オフに基づいて上記判断をするようにしてもよい。
【0050】
・上記実施の形態では、内燃機関10の始動から所定時間T1が経過した場合は、図2に示される堆積物除去判定処理を終了することとしたが、例えば、フューエルカットが行われなくなった時点で終了する、あるいは、フューエルカットが行われなくなるまで継続するとしてもよい。こうした構成を採用した場合には、堆積物の除去がより的確に判断されることとなり、堆積物の除去に起因する制御ハンチングの発生を確実に防止できるようになる。
【0051】
・上記実施の形態では、アイドル回転速度制御中にフューエルカットが行われた場合には堆積物が除去されたと判断したが、堆積物が除去された旨判断できるのであれば、その判定条件はフューエルカットに限られるものではない。例えば、空燃比等を判定条件としてもよく、内燃機関10の始動直後の運転状態、即ちファーストアイドル時の運転状態に基づくものであればその条件は任意である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるスロットル開度制御装置の一実施の形態についてその基本構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態の堆積物除去判定処理についてその処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
10…内燃機関、20…燃焼室、21…吸気通路、22…スロットルバルブ、23…モータ、24…スロットルポジションセンサ、25…インジェクタ、30…アクセルペダル、31…アクセルセンサ、40…回転速度(Ne)センサ、50…ECU。
Claims (2)
- 内燃機関の吸気通路に設けられたスロットル弁のアイドル開度を該スロットル弁近傍に付着する堆積物の付着量学習値に基づき補正しつつ、同機関の回転速度を所望のアイドル回転速度に制御する内燃機関のスロットル開度制御装置において、
前記機関の始動直後の前記アイドル回転速度への制御中にフューエルカットが行われたことに基づき前記堆積物が除去されたことを判断して前記付着量学習値から堆積物除去に対応した所定値を減じる補正を実行する制御手段を備え、
前記アイドル回転速度への制御中にフューエルカットが行われても、前記機関のアイドル運転条件を一旦外れてのち、再度アイドル運転条件が満たされてから所定の時間を経過していないとき、前記制御手段による前記付着量学習値の補正を禁止する手段をさらに備える
ことを特徴とする内燃機関のスロットル開度制御装置。 - 請求項1記載の内燃機関のスロットル開度制御装置において、
前記機関の始動後、所定の時間を経たのちは、前記制御手段による前記堆積物が除去されたか否かの判断を禁止する手段をさらに備える
ことを特徴とする内燃機関のスロットル開度制御装置。
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