JP4266988B2 - 座席付き手押し車 - Google Patents
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Description
一方、ベビーカーは、乳幼児等を乗車させないときは、通常、折り畳み可能となっている。具体的には、ベビーカーの前輪と後輪が近接するようにフレームが折り畳まれる。
このため、大型のカゴが座席の下側に形成されていると、ベビーカーを折り畳む際にカゴが折り畳まれたフレームに挟まってしまうという問題があり、以下の提案がなされている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
特許文献1では、カゴを押し潰して、座面下に配置させるものであり、特許文献2では、カゴを押し潰して、カゴの開口側をベビーカーの背もたれ側と対面させるように配置するものである。
また、前記提案では、カゴを押し潰す構成であるため、荷物が多く収容されている場合は、ベビーカーを折り畳むことがでないという問題もあった。
さらに、ベビーカーを折り畳む構造が複雑になり、製造コストが上昇するという問題もあった。
このため、座席付き手押し車を折り畳み状態にするためにフレーム部を座席部を挟み込むように移動させても、収容枠部等の収容部は収納枠位置決め部によって移動して、座席部のようにフレーム部に挟み込まれることがなく、折り畳み時に収容部に荷物が入っていても折り畳むことができる。
そして、折り畳まれた状態では、収容枠部は収納枠位置決め部によって移動が制限され、開口部が開いて背もたれ部から露出した状態で保持される。
このため、折り畳み状態となっても、背もたれ部等の座席付き手押し車の部品によって開口部が覆われずに、収容物を取り出すことができる。
また、従来のように、収容部を座席部のようにフレーム部で挟み込む構成とを採用しないため、収容部を大型化することができる座席付き手押し車となる。更に、挟み込むための特別な構成は必要とされないので、製造コストを上昇させることがない座席付き手押し車となる。
このようにハンドルフレーム部とフレーム側係止部の成す角度が一定であるため、その動作等は同様であり一致している。そして、このフレーム側係止部と吊り下げ部側位置決め手段を介して位置決めされている吊り下げ部もハンドルフレーム部との角度等を一定とすることができる。
そのため、吊り下げ部に係止されている収納枠部もハンドルフレーム部と角度等を一定にすることが可能となる。
したがって、折り畳み始めた状態では、後輪部側に配置されるハンドルフレーム部が前輪部側の他のフレーム部と近接するために、その配置角度を前輪部側に近接する方向になるように変えても、ハンドルフレーム部との相対位置が一定である収容部は、前輪部側へ近接する方向に移動せず、かえって、前輪部側から離間する背もたれ部方向に退避させられて、ある程度折り畳まれた状態となっても、収容部はハンドルフレーム部との相対位置が一定にされ、開口部が開いた状態で維持される。
このように、収容部は後輪部側から外側に退避するように移動させられるので、収容部は、座席付き手押し車の折り畳み動作の邪魔とならずに、折り畳んだ後に荷物等を取り出すこともできるという構成を容易且つ効果的に提供できる。
このため、収納部を利用しないときは、収納部側係合手段と背もたれ部側係合手段を相互に係合させることで、収納部の底部が背もたれ部側に沿って配置される。このとき、収容部の側面部が変形し、収容部は小型化させられ、収納効率や操作性等を高められる。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1に示すように、ベビーカー100は、その前側(図1の左側)に例えば2個の前輪部101a、101bを有している。また、その後側(図1の右側)には、例えば2個の後輪部102a、102bを有している。
これらに前輪部101a等及び後輪部102a等は、それぞれ双輪とされており、本実施の形態では、図示しない係合手段によりベビーカー100から着脱可能とされている。
また、図1の座面部103aの下方には、荷物を収容する収容部である例えば、カゴ110が配置されている。
また、ベビーカー100は、乳幼児の保護者等が操作するハンドル部である例えば、ハンドル104を有し、このハンドル104と接続されて、背もたれ部103bと略平行に配置されたハンドルフレーム部であるハンドルフレーム122を有している。
また、ベビーカー100は、図1に示すように、前輪部101a、101bに連結される前フレーム120、120と、後輪部102a、102bに連結される後フレーム121、121を有しており、これらは座面部103aを保持する座面フレーム123や、座面部103a両側に配置される肘掛けフレーム124等に接続されている。
すなわち、ハンドルフレーム122、前フレーム120、後フレーム121及び座面フレーム123、肘掛けフレーム124等は、座面部103aを支持し、前輪部101a等及び後輪部102a等に連結されるフレーム部の一例となっている。
図2は、図1のベビーカー100が折り畳まれた状態を示す概略図である。
図2に示すように、前輪部101b等と後輪部102b等が近接する方向に移動すると、前フレーム120と後フレーム121とが近接し、座面フレーム123が縦方向に配置され、座面フレーム123によって支持されている座面部103aが前フレーム120、後フレーム121及びハンドルフレーム122によって挟み込まれる構成となっている。
図3及び図4に示すように、ハンドルフレーム122の下端には、ハンドルフレーム122との相対位置が固定されている当接面として機能するフレーム側係止部122aが形成されている。
すなわち、フレーム側係止部122aは、折り畳み操作に伴って、ハンドルフレーム122が図3の位置から矢印R1の方向に回動軸122cを中心に移動すると、ハンドルフレーム122に追従して移動する。つまり、ハンドルフレーム122や座面フレーム123が軸支された回動軸122cを中心に、フレーム側係止部122aがハンドルフレーム122自体の反対側(下側)に配置されていることで、ハンドルフレーム122とフレーム側係止部122aが成す角度θが変わらない構成となっている。
すなわち、吊り下げ部122bは、図3等に示す回動軸122cを介して吊り下げられており、回動軸122cを中心に図3の矢印R2方向に回動可能な構成となっている。
一方、図3及び図4に示すように、枠体112には、吊り下げ部122bに着脱可能に接続される枠体側係止部112aが形成されている。すなわち、吊り下げ部122bは、枠体112を係止して保持する機能を発揮する構成となっている。
なお、枠体側係止部112a等の構成については後述する。
すなわち、吊り下げ部側凸部122baは、フレーム側係止部122aとの間の位置を定める吊り下げ部側位置決め手段の一例となっている。
また、図3等のフレーム側係止部122a及び吊り下げ部122b等が、ハンドルフレーム122に接続され、枠体112の移動を制限するために枠体112と当接する収納枠位置決め部の一例となっている。
したがって、吊り下げ部122bは、吊り下げ部側凸部122baとストッパ122bbにより、その移動が確実に規制される構成となっている。
つまり、カゴ110に重い荷物を入れた場合でも、カゴ110からの力を吊り下げ部側凸部122baとストッパbbとで受けるため、確実に吊り下げ部122bの回転移動を規制し、路面等にカゴ110が触れてしまうことを防ぐ構成となっている。
先ず、ベビーカー100を図1に示すように広げて使用状態とした場合は、吊り下げ部122bは、吊り下げ部側凸部122baがフレーム側係止部122aに当接すると共に、ストッパ122bbが後フレーム121に当接するため、その回転移動が規制され、カゴ110が図1の前フレーム120側に深く入り込まない構成となっている。
このため、枠体側係止部112aによって保持されたカゴ110は、カゴ開口111aが大きく開いた状態に位置決めされ、利用者はカゴ110のカゴ開口111aから容易に荷物を出し入れすることができる。特に、カゴ110が大型の場合は、多くの荷物を出し入れすることができるので、母親等の利用者にとって便利となる。
この折り畳み時には、図1のハンドル104とハンドルフレーム122は、図1の矢印R3の方向、すなわち、座面部103aに近接する方向に変位させられる。
この動作は、図3では矢印R1の動作である。このようにハンドルフレーム122が前側(矢印R1方向)に変位すると、このハンドルフレーム122との回動軸122cを中心とした角度θが固定されているフレーム側係止部122aが、回動軸122cの下側で回転して図3の矢印R2の上方向に向かって回転する。
すると、このフレーム側係止部122aが、面状に当接している吊り下げ部側凸部122baを押し、吊り下げ部122bも全体が、回動軸122cを中心としてR2の上方向に回転移動させられる。
この吊り下げ部122bの移動により、吊り下げ部122bに保持された枠体112は吊り下げ部122bと共に回転して、後フレーム121から離間する方向に移動させられることになる。
すなわち、カゴ110は、背もたれ部103bと平行なハンドルフレーム122との相対位置が一定に保持されることになり、ベビーカー100の折り畳み状態への変位に伴って、カゴ開口111aは開いた状態(角度)に維持されたまま変位(例えば、移動)する。
つまり、折り畳み時にカゴ110は、図2に示すように後輪部102b等側から後側となる外側に向かって退避させられる。
したがって、ベビーカー100が、大型のカゴ110を有しても、この大型のカゴ110がベビーカー100の折り畳み動作の邪魔となることがない。
また、カゴ110は、ベビーカー100の後輪部102b等から外側に向かって退避させられるので、ベビーカー100を折り畳んでも、カゴ110は、座面部103aのように後フレーム121や前フレーム120に挟み込まれることがない。
つまり、ベビーカー100を折り畳んでも、図2に示すように、カゴ110のカゴ開口111aが外部に向かって配置されるよう移動して、開いた状態にあるので、折り畳み状態であっても利用者は、カゴ110から荷物を容易に取り出すことができる。
このため、カゴ110に荷物を多く収容していることが、ベビーカー100の折り畳みの阻害要因となることがなく、使い易いベビーカー100となる。
さらに、従来のように、カゴ110が前フレーム120等に挟み込まれないため、カゴ110を大型にすることができる。そして、従来のように、カゴ110を前フレーム120等によって適正に挟み込まれるための特別な構成をベビーカー100に設ける必要がないので、ベビーカー100の製造コストを上昇させることもない。
したがって、利用者がカゴ110の係合凸部112aaを吊り下げ部122bの係合凹部122bcと係合させることで、枠体112は、吊り下げ部122bに連結するよう接続される構成となっている。
逆に、利用者が係合凸部112aaを係合凹部122bcから取り外すことで、枠体112は、吊り下げ部122bから離れるため、カゴ110がベビーカー100より取り外すことができる構成となっており、折り畳んだ状態でも着脱可能とされている。
また、カゴ110の枠体112とトレイ114の間には、これらを接続するように配置される可撓性のある側面部115が形成されている。側面部115は、例えば、柔軟で透視可能なメッシュ状となっており、カゴ110の内部に収容した荷物を外部から視認し易い構成となっている。
図6に示すように、カゴ110のトレイ114の後端側(後輪部102a等側)には、側面部後端側のベルト115aから延伸されて、外方に突出するように、収納部側係合手段である例えば、トレイ側係合部114aが形成されている。
一方、図1の背もたれ部103bの上方における裏面側(乳幼児の背中が当接しない外側)には図6に示すように、トレイ側係合部114aと係合する背もたれ側係合手段である例えば、背もたれ部側係合部103baが形成されている。
すなわち、底面側係合部114aと背もたれ部側係合部103baとは、例えば、バックル構造等の係合となっており、相互を容易に着脱することができる構成となっている。
このとき、カゴ110の側面部115は柔軟なメッシュ構造であるため、図6に示すように容易に変形され、カゴ110はその厚みが薄くなり、小型化された状態で、背もたれ部103bに配置される。つまり、特に収納時や携帯時等に、利用者が容易にカゴ110を完全に潰した状態に選択して変形させることができる。
この時、吊り下げ部122bが図3に示す矢印R2の後側方向に回転し、吊り下げ部側凸部122baがフレーム側係止部122aから離間することとなる。
したがって、本実施の形態では、カゴ110を利用者の邪魔にならない状態で、背もたれ部103bに沿って配置させることができる。
すなわち、図1の後フレーム121は2つの後輪部102a、102bを連結する後フレーム連結パイプ121aを有している。
そして、カゴ110のトレイ114の窪み114bは、この後フレーム連結パイプ121aを受容するように配置される。
したがって、丁度、トレイ114が後フレーム連結パイプ121a上に載置され、且つ、この後フレーム連結パイプ121aが窪み114bに受容されるので、カゴ110の安定性が向上し、荷物が重くても確実に保持する構成となっている。
また、折り畳み時に、ハンドルフレーム122に連動してカゴ110を変位させるための収納枠位置決め部による規制手段は、フレーム側係止部122aと吊り下げ部側凸部122baとの面状の当接に伴うものだけでなく、両者の角度を保持できるならば、凹凸等により係止させたり、ベルト等によって連結する等、各種の係合手段を選択できる。しかも、例えば吊り下げ部側凸部122baを枠体112側に設ける等、ハンドルフレーム122とカゴ110の両者の関係において、適宜位置を選択することができる。
さらに、背もたれ部側係合部103baとトレイ側係合部114aとの係合や、係合凸部112aaと係合凹部122bcとの係合等における係合手段は、各種係合手段を選択できる。
Claims (3)
- 前輪部と後輪部とを有する車輪部と、
利用者が乗車する座面部と、背中側を保持する背もたれ部を有する座席部と、
前記座面部の下方に形成されると共に、荷物を収容する収容部と、
前記座席部を支持し、前記車輪部に連結されるフレーム部と、を有し、
前記前輪部と前記後輪部とが相互に近接する方向に移動し、前記フレーム部が前記座席部を挟み込むように変位することで折り畳み状態となる座席付き手押し車であって、
前記収容部は、
荷物を収容する収容部本体と、
前記収納部本体の開口部の形状を維持するための収納枠部と、を有し、
前記フレーム部には、
前記収容枠部の移動を制限するために前記収納枠部と連結する収納枠位置決め部が配置されており、
前記折り畳み状態への変位に伴って、前記収納枠位置決め部の規制により、前記収容部の前記開口部が開いた状態で変位し、
前記フレーム部は、ハンドル部と接続されるハンドルフレーム部を有し、
前記収納枠位置決め部は、
前記ハンドルフレーム部との相対位置が固定されているフレーム側係止部と、
前記ハンドルフレーム部との相対位置が変動可能で、前記収納枠部を係止する吊り下げ部と、を有し、
前記吊り下げ部には、前記フレーム側係止部との間の位置を定める吊り下げ部側位置決め手段が形成されていることを特徴とする座席付き手押し車。 - 前記収納部本体は、
荷物を配置する底部と、
前収納枠部と前記底部とを接続するように配置される可撓性のある側面部と、を有し、
前記底部には収納部側係合手段が設けられ、
前記背もたれ部には、前記収納部側係合手段と係合する背もたれ部側係合手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の座席付き手押し車。 - 前記収納枠部が前記吊り下げ部に対して着脱可能な構成となっていることを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の座席付き手押し車。
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