JP4266698B2 - 充水機能を備えたバタフライ弁 - Google Patents

充水機能を備えたバタフライ弁 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、充水機能を備えたバタフライ弁に関し、配管への充水時に定流量で流体を供給するバルブの技術に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、充水機能を備えたバタフライ弁としては例えは図18,図19に示すように、内面全体に柔軟な弾性スリーブ51を装着した弁室52内に、流路軸心53と直交する回転軸心54廻りに回転自在な弁体55が設けられたものがある。この弁体55は、外周面を球形に形成した一対の弁部片55a,55bを対称に配置した構成を有している。少なくとも一方の弁部片55aには、流量制御用の凹溝56が形成されている。
【0003】
これによると、図18に示すように、弁体55を全閉位置Sにした際、弁体55の外周面が弾性スリーブ51の内周面に摺接するとともに、凹溝56が全閉位置Sよりも上流側Aに位置するため、弁室52内の流路57が上記弁体55で全閉される。
【0004】
また、図19に示すように、弁体55を所定の小開度αにした際、弁体55の外周面が弾性スリーブ51の内周面に摺接するとともに、凹溝56が弁体55の上流側Aから下流側Bへ連通するため、弁室52内の流体は、弁体55の上流側Aから凹溝56を通って下流側Bへと流れる。これにより、小流量で下流側配管に充水される(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
実開昭59−101054号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の従来形式では、弁体55を開閉する際、全閉位置Sと所定の小開度αとの間の範囲においては、弁体55の外周面が弾性スリーブ51の内周面に対して摺動し、この時の弁体55の外周面と弾性スリーブ51の内周面との接触面積が広くなるため、摩擦抵抗が増大し、弁体55の開閉時に大きな操作力を要するといった問題があった。
【0007】
本発明は、弁体開閉時に要する操作力を軽減することが可能な充水機能を備えたバタフライ弁を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本第1発明は、弁箱内に内周面に沿って円環状に配置された弾性体からなる弁箱シールリングと、弁棒の軸心周りに回転して全閉位置で弁箱シールリングに摺接する弁体と、開回転方向における弁体の背面側に取付けられた一対のディスクテール部とを有するバタフライ弁であって、
上記ディスクテール部は、弁体回転方向において扇状に形成されて弁体の周縁部に設けられ、且つ、球面状に湾曲した外周面を有し、
少なくともいずれか片方のディスクテール部に、一端が外周面に開口するとともに他端が弁体の上記背面側に開口する通水孔が形成され、
上記弁箱シールリングの内周面に、この内周面から流路軸心に向かって内側に突出しており且つディスクテール部の外周面に摺接する凸部が周方向に沿って形成され、
上記凸部は全閉位置よりも閉回転方向側に位置しており、
弁体が全閉位置にある場合、弁体の外周縁が凸部から離間した状態で弁箱シールリングの内周面のみに摺接し、
弁体が所定の小開度の範囲内にある場合、ディスクテール部の外周面が弁箱シールリングの内周面から離間した状態で上記凸部のみに摺接するものである。
【0009】
これによると、弁体を全閉位置にした場合、弁体の外周縁が弁箱シールリングの内周面のみに摺接するため、弁箱内の流路が上記弁体で全閉される。この際、弁体の上流側と下流側とは弁体の外周縁と弁箱シールリングの内周面とでシールされている。
【0010】
また、弁体を所定の小開度にした場合、両ディスクテール部の外周面が弁箱シールリングの凸部のみに摺接し、通水孔が弁体の上流側と下流側とに連通する。これにより、弁箱内の流体が弁体の上流側から通水孔を通って下流側へ流れ、小流量で下流側配管に充水される。
【0011】
また、弁体を開閉する際、全閉位置と所定の小開度との間の範囲においては、ディスクテール部の外周面が上記凸部のみに対して摺動するため、この時のディスクテール部の外周面と弁箱シールリングとの接触面積が縮小される。これにより、摩擦抵抗が減少し、弁体開閉時に要する操作力を軽減することができる。
【0012】
また、本第2発明は、弁箱内に内周面に沿って円環状に配置された弾性体からなる弁箱シールリングと、弁棒の軸心周りに回転して全閉位置で弁箱シールリングに摺接する弁体と、開回転方向における弁体の背面側に取付けられた一対のディスクテール部とを有するバタフライ弁であって、上記ディスクテール部は、弁体回転方向において扇状に形成されて弁体の周縁部に設けられ、且つ、弁体の小開度時に弁箱シールリングに摺接する球面状に湾曲した外周面を有し、少なくともいずれか片方のディスクテール部に、一端が外周面に開口するとともに他端が弁体の上記背面側に開口する通水孔が形成され、上記弁箱シールリングの内周面は、開閉時に弁体の外周縁が摺接する弁体摺接部分と、ディスクテール部の外周面が摺接するテール摺接部分とを備え、上記テール摺接部分の摩擦係数を薬品処理によって弁体摺接部分の摩擦係数よりも小さくし、弁体が全閉位置にある場合、弁体の外周縁が弁箱シールリングのテール摺接部分から離間した状態で弁体摺接部分のみに摺接し、弁体が所定の小開度の範囲内にある場合、ディスクテール部の外周面が弁箱シールリングの弁体摺接部分から離間した状態でテール摺接部分のみに摺接するものである。
【0013】
これによると、弁体を全閉位置にした場合、弁体の外周縁が弁箱シールリングの弁体摺接部分のみに摺接し、弁箱内の流路が上記弁体で全閉される。この際、弁体の上流側と下流側とは弁体の外周縁と弁箱シールリングの弁体摺接部分とでシールされている。
【0014】
また、弁体を所定の小開度にした場合、両ディスクテール部の外周面が弁箱シールリングのテール摺接部分のみに摺接し、通水孔が弁体の上流側と下流側とに連通する。これにより、弁箱内の流体が弁体の上流側から通水孔を通って下流側へ流れ、小流量で下流側配管に充水される。
【0015】
また、弁体を開閉する際、全閉位置と所定の小開度との間の範囲においては、ディスクテール部の外周面が上記テール摺接部分のみに対して摺動するが、上記テール摺接部分の摩擦係数を薬品処理によって弁体摺接部分の摩擦係数よりも小さくしているため、ディスクテール部の外周面と弁箱シールリングのテール摺接部分との間の摩擦抵抗が減少し、弁体開閉時に要する操作力を軽減することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に対する参考例を図1〜図9に基づいて説明する。
図1〜図4に示すように、1はバタフライ弁であり、その弁箱2は両側のポートP1,P2に上流側配管(図示省略)と下流側配管(図示省略)とが接続されている。
【0017】
上記弁箱2内には、円環状のゴム(弾性体の一例)製の弁箱シールリング3が内周面に沿って配置されている。また、弁箱2内には、流路軸心4に直交する弁棒5の軸心6廻りに回転する開閉自在な弁体7が設けられている。上記弁体7は、円盤状で且つ内部が中空の本体部9と、この本体部9の外周に形成され且つ本体部9よりも薄い板状の周板部10とで構成されている。
【0018】
尚、弁棒5は、弁体7に設けられた一対の円筒状のボス部11に挿通されて一体的に連結され、弁箱2に回転自在に保持されている。また、弁棒5の端部は、弁棒5を回転して弁体7を開閉する手動ハンドルや減速機付きモータ等の駆動装置(図示省略)に連動連結されている。
【0019】
また、開回転方向C(すなわち開栓時の回転方向)における弁体7の背面側には、一対のディスクテール部14,15が設けられている。これら両ディスクテール部14,15はそれぞれ、弁体7の回転方向において扇状に形成されており、上記周板部10の外周縁部に取付けられ、周板部10から立ち上がっている。両ディスクテール部14,15の外周面はそれぞれ球面状に湾曲している。尚、弁体7を開回転方向Cに回転した場合、一方のディスクテール部14は上流側Aへ向かって変位するとともに、他方のディスクテール部15は下流側Bへ向かって変位する。
【0020】
上記両ディスクテール部14,15にはそれぞれ、一端が外周面に開口するとともに他端が弁体7の上記背面側に開口する通水孔16が形成されている。上記通水孔16は、弁体7の周方向に沿って細長い長円状であり、上記周板部10に隣接する1箇所に形成されている。
【0021】
上記弁箱シールリング3は、弁棒5の箇所で2分割された一対の半円形のシール片3a,3bによって構成され、弁箱2の内周面に形成された取付溝18に嵌め込まれて装着されている。
【0022】
上記一方のシール片3aの内周面17は下流側Bほど流路軸心4に向かって内側に傾斜しており、他方のシール片3bの内周面17は上流側Aほど流路軸心4に向かって内側に傾斜している。図4,図5に示すように、弁箱シールリング3の内周面17には、ゴム(弾性体の一例)製の複数の山形状の凸部19と谷形状の凹部20とが交互に全周にわたって形成されている。上記凸部19と凹部20とは両シール片3a,3bの内周面17にそれぞれ複数条の溝を平行に形成することによって得られ、各凸部19の頂部は、両シール片3a,3bの内周面17とほぼ面一であり、両ディスクテール部14,15の外周面に摺接する。
【0023】
図4に示すように、上記凸部19と凹部20とは全閉位置Sよりも閉回転方向D(すなわち閉栓時の回転方向)の側(すなわち一方のシール片3aにおいては下流側B、他方のシール片3bにおいては上流側A)に位置している。尚、図4,図6に示すように、弁体7が全閉位置Sにある場合、周板部10の外周縁が弁箱シールリング3(すなわち両シール片3a,3b)の内周面17に摺接する。また、図7〜図9に示すように、弁体7が所定の小開度αの範囲内にある場合、両ディスクテール部14,15の外周面が上記凸部19に摺接する。
【0024】
以下、上記構成における作用を説明する。
図4の実線で示すように、弁体7を全閉位置Sにした場合、図6に示すように、周板部10の外周縁が弁箱シールリング3(すなわち、両シール片3a,3b)の内周面17に摺接するため、弁箱2内の流路22が上記弁体7で全閉される。この際、弁体7の上流側Aと下流側Bとは周板部10の外周縁と弁箱シールリング3の内周面17とでシールされている。
【0025】
また、図7に示すように弁体7を所定の小開度αにした場合、図8,図9に示すように、両ディスクテール部14,15の外周面が弁箱シールリング3の凸部19に摺接し、通水孔16が弁体7の上流側Aと下流側Bとに連通する。これにより、弁箱2内の水(上水,工水,農水等)が弁体7の上流側Aから通水孔16を通って下流側Bへ流れ、小流量で下流側配管に充水される。
【0026】
また、弁体7を開閉する際、全閉位置Sと所定の小開度αとの間の範囲においては、両ディスクテール部14,15の外周面は、各凹部20には摺接せず、上記各凸部19に対してのみ摺動するため、この時のディスクテール部14,15の外周面と弁箱シールリング3との接触面積が縮小される。これにより、摩擦抵抗が減少し、弁体7の開閉時に要する操作力を軽減することができる。また、この際、図8に示すように弁体7が開回転方向Cに回転していれば、各凸部19は開回転方向C側の各凹部20に倒れて逃げ、図9に示すように弁体7が閉回転方向Dに回転していれば、各凸部19は閉回転方向D側の各凹部20に倒れて逃げるため、各凸部19が過度にディスクテール部14,15の外周面に押圧されることはなく、弁体7の開閉時の操作がより一層スムーズに行える。
【0027】
尚、図4の仮想線で示すように、弁体7を全閉位置Sから開回転方向Cへ約90°回転して全開にした場合、弁体7は流路軸心4上に位置し、弁体7および両ディスクテール部14,15は弁箱シールリング3から離間した状態になる。
【0028】
上記第1の実施の形態では、凸部19と凹部20とを、弁箱シールリング3の内周面17に全周にわたって形成しているが、全周ではなく、周方向に部分的に形成してもよい。また、弾性体の一例であるゴムによって弁箱シールリング3と凸部19と凹部20とを形成しているが、ゴム以外の弾性を有する柔軟な材質を用いてもよい。
【0029】
上記参考例では、図5に示すように、凸部19と凹部20とをそれそれ複数ずつ形成したが、単数ずつ形成してもよい。
次に、本発明の第の実施の形態を図10〜図13に基づいて説明する。
【0030】
弁箱シールリング3の内周面17には、ゴム(弾性体の一例)製の山形状の凸部30が全周にわたって形成されている。上記凸部30は両シール片3a,3bの内周面17から流路軸心4に向かって内側へ突出しており、両ディスクテール部14,15の外周面に摺接する。
【0031】
上記凸部30は、両シール片3a,3bに単数本形成されており、全閉位置Sよりも閉回転方向D(すなわち閉栓時の回転方向)の側(すなわち一方のシール片3aにおいては下流側B、他方のシール片3bにおいては上流側A)に位置している。尚、図11に示すように、弁体7が全閉位置Sにある場合、周板部10の外周縁が弁箱シールリング3(すなわち両シール片3a,3b)の内周面17に摺接する。また、図12,図13に示すように、弁体7が所定の小開度αの範囲内にある場合、両ディスクテール部14,15の外周面が上記凸部30に摺接する。
【0032】
以下、上記構成における作用を説明する。
図11に示すように、弁体7を全閉位置Sにした場合、周板部10の外周縁が弁箱シールリング3(すなわち、両シール片3a,3b)の内周面17に摺接するため、弁箱2内の流路22が上記弁体7で全閉される。この際、弁体7の上流側Aと下流側Bとは周板部10の外周縁と弁箱シールリング3の内周面17とでシールされている。
【0033】
また、図12,図13に示すように、弁体7を所定の小開度αにした場合、両ディスクテール部14,15の外周面が弁箱シールリング3の凸部30に摺接し、通水孔16が弁体7の上流側Aと下流側Bとに連通する。これにより、弁箱2内の水(上水,工水,農水等)が弁体7の上流側Aから通水孔16を通って下流側Bへ流れ、小流量で下流側配管に充水される。
【0034】
また、弁体7を開閉する際、図12,図13に示すように、全閉位置Sと所定の小開度αとの間の範囲においては、両ディスクテール部14,15の外周面は、弁箱シールリング3の内周面17には摺接せず、上記凸部30に対してのみ摺動するため、この時のディスクテール部14,15の外周面と弁箱シールリング3との接触面積が縮小される。これにより、摩擦抵抗が減少し、弁体7の開閉時に要する操作力を軽減することができる。また、この際、図12に示すように弁体7が開回転方向Cに回転していれば、凸部30は上流側Aに倒れて逃げ、図13に示すように弁体7が閉回転方向Dに回転していれば、凸部30は下流側Bに倒れて逃げるため、上記凸部30が過度にディスクテール部14,15の外周面に押圧されることはなく、弁体7の開閉時の操作がより一層スムーズに行える。
【0035】
上記第の実施の形態では、凸部30を、弁箱シールリング3の内周面17に全周にわたって形成しているが、全周ではなく、周方向に部分的に形成してもよい。また、弾性体の一例であるゴムによって弁箱シールリング3と凸部30とを形成しているが、ゴム以外の弾性を有する柔軟な材質を用いてもよい。
【0036】
次に、本発明の第の実施の形態を図14〜図16に基づいて説明する。
両ディスクテール部14,15の外周面はそれぞれ、球面状に湾曲しており、図16に示すように、弁体7が所定の小開度αの範囲内にある時、弁箱シールリング3に摺接する。
【0037】
上記弁箱シールリング3は、弁棒5の箇所で2分割された一対の半円形のシール片3a,3bによって構成され、弁箱2の内周面に形成された取付溝18に嵌め込まれて装着されている。
【0038】
上記一方のシール片3aの内周面17は下流側Bほど流路軸心4に向かって内側に傾斜しており、他方のシール片3bの内周面17は上流側Aほど流路軸心4に向かって内側に傾斜している。また、上記弁箱シールリング3(すなわちシール片3a,3b)の内周面17は、開閉時、弁体7の周板部10の外周縁が摺接する弁体摺接部分35と、ディスクテール部14,15の外周面が摺接するテール摺接部分36とを備えている。
【0039】
図15に示すように、上記テール摺接部分36は、全閉位置Sよりも閉回転方向D(すなわち閉栓時の回転方向)の側(すなわち一方のシール片3aにおいては下流側B、他方のシール片3bにおいては上流側A)に位置している。また、上記弁体摺接部分35は上記テール摺接部36よりも開回転方向Cの側(すなわち一方のシール片3aにおいては上流側A、他方のシール片3bにおいては下流側B)に位置している。
【0040】
尚、上記テール摺接部分36の表面を薬品処理によって塩素化することにより、上記テール摺接部分36の表面の摩擦係数を弁体摺接部分35の表面の摩擦係数よりも小さくしている。尚、上記薬品処理として、容量比が[水100,5.25%の次亜塩素酸ナトリウム液3,37%の塩酸0.5]の処理液を用い、この処理液から発生する塩素ガスで約3〜5時間表面を処理している。このような薬品処理をテール摺接部分36に対して行うことにより、テール摺接部分36の表面が硬化して摩擦係数が減少する。
【0041】
以下、上記構成における作用を説明する。
図15に示すように、弁体7を全閉位置Sにした場合、周板部10の外周縁が弁箱シールリング3(すなわち、両シール片3a,3b)の弁体摺接部分35に摺接し、弁箱2内の流路22が上記弁体7で全閉される。この際、弁体7の上流側Aと下流側Bとは周板部10の外周縁と弁箱シールリング3の弁体摺接部分35とでシールされている。
【0042】
また、図16に示すように、弁体7を所定の小開度αにした場合、両ディスクテール部14,15の外周面が弁箱シールリング3のテール摺接部分36に摺接し、通水孔16が弁体7の上流側Aと下流側Bとに連通する。これにより、弁箱2内の水(上水,工水,農水等)が弁体7の上流側Aから通水孔16を通って下流側Bへ流れ、小流量で下流側配管に充水される。
【0043】
また、弁体7を開閉する際、全閉位置Sと所定の小開度αとの間の範囲においては、ディスクテール部14,15の外周面が上記テール摺接部分36に対して摺動するが、テール摺接部分36の表面の摩擦係数が薬品処理によって弁体摺接部分35の表面の摩擦係数よりも減少しているため、ディスクテール部14,15の外周面と弁箱シールリング3のテール摺接部分36との間の摩擦抵抗が減少し、弁体7の開閉時に要する操作力を軽減することができる。
【0044】
上記各実施の形態では、図3に示すように、両ディスクテール部14,15にそれぞれ長円状の通水孔16を1個ずつ形成しているが、両ディスクテール部14,15のいずれか片方のみに通水孔16を形成してもよい。また、上記通水孔16の形状は長円状に限定されるものではなく、円形や多角形等であってもよい。さらに、通水孔16をディスクテール部14,15に複数個ずつ形成してもよい。
【0045】
上記各実施の形態では、バタフライ弁1に対する使用流体として水(上水,工水,農水等)を挙げたが、水以外の液体又は気体であってもよい。
上記各実施の形態では、図7に示すように、弁体7を中空の本体部9とこの本体部9の外周に形成された板状の周板部10とで構成しているが、このような形状に限定されるものではなく、例えば、別の参考例として図17に示すように、弁体7を、外周ほど次第に薄くなる円板状に形成し、中央にボス部11を設けたものでもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上のように本第1発明では、弁体を開閉する際、全閉位置と所定の小開度との間の範囲においては、ディスクテール部の外周面が弁箱シールリングの凸部のみに対して摺動するため、この時のディスクテール部の外周面と弁箱シールリングとの接触面積が縮小される。これにより、摩擦抵抗が減少し、弁体開閉時に要する操作力を軽減することができる。
【0047】
本第2発明では、弁体を開閉する際、全閉位置と所定の小開度との間の範囲においては、ディスクテール部の外周面がテール摺接部分のみに対して摺動するが、上記テール摺接部分の摩擦係数を薬品処理によって弁体摺接部分の摩擦係数よりも小さくしているため、ディスクテール部の外周面と弁箱シールリングのテール摺接部分との間の摩擦抵抗が減少し、弁体開閉時に要する操作力を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に対する参考例としてのバタフライ弁の側面図である。
【図2】図1におけるX−X矢視図である。
【図3】同、バタフライ弁の弁体の斜視図である。
【図4】同、バタフライ弁の弁体を全閉位置にした際の横断面図である。
【図5】同、バタフライ弁の弁箱シールリングの断面図である。
【図6】同、バタフライ弁の弁体を全閉位置にした際の弁体と弁箱シールリングとの関係を示す拡大断面図である。
【図7】同、バタフライ弁の弁体を小開度だけ開いた際の横断面図である。
【図8】同、バタフライ弁の弁体を小開度の範囲内で開回転方向へ回転している際のディスクテール部と弁箱シールリングとの関係を示す拡大断面図である。
【図9】同、バタフライ弁の弁体を小開度の範囲内で閉回転方向へ回転している際のディスクテール部と弁箱シールリングとの関係を示す拡大断面図である。
【図10】 本発明の第の実施の形態におけるバタフライ弁の弁箱シールリングの断面図である。
【図11】同、バタフライ弁の弁体を全閉位置にした際の弁体と弁箱シールリングとの関係を示す拡大断面図である。
【図12】同、バタフライ弁の弁体を小開度の範囲内で開回転方向へ回転している際のディスクテール部と弁箱シールリングとの関係を示す拡大断面図である。
【図13】同、バタフライ弁の弁体を小開度の範囲内で閉回転方向へ回転している際のディスクテール部と弁箱シールリングとの関係を示す拡大断面図である。
【図14】 本発明の第の実施の形態におけるバタフライ弁の弁箱シールリングの断面図である。
【図15】同、バタフライ弁の弁体を全閉位置にした際の弁体と弁箱シールリングとの関係を示す拡大断面図である。
【図16】同、バタフライ弁の弁体を小開度の範囲内で回転している際のディスクテール部と弁箱シールリングとの関係を示す拡大断面図である。
【図17】 本発明に対する別の参考例としてのバタフライ弁の弁体を小開度だけ開いた際の横断面図である。
【図18】従来のバタフライ弁の図であり、弁体を全閉位置にした状態を示す。
【図19】同、バタフライ弁の図であり、弁体を小開度だけ開いた状態を示す。
【符号の説明】
1 バタフライ弁
2 弁箱
3 弁箱シールリング
5 弁棒
6 軸心
7 弁体
14,15 ディスクテール部
16 通水孔
17 内周面
19 凸部
30 凸部
35 弁体摺接部分
36 テール摺接部分
C 開回転方向
D 閉回転方向
S 全閉位置
α 小開度

Claims (2)

  1. 弁箱内に内周面に沿って円環状に配置された弾性体からなる弁箱シールリングと、弁棒の軸心周りに回転して全閉位置で弁箱シールリングに摺接する弁体と、開回転方向における弁体の背面側に取付けられた一対のディスクテール部とを有するバタフライ弁であって、
    上記ディスクテール部は、弁体回転方向において扇状に形成されて弁体の周縁部に設けられ、且つ、球面状に湾曲した外周面を有し、
    少なくともいずれか片方のディスクテール部に、一端が外周面に開口するとともに他端が弁体の上記背面側に開口する通水孔が形成され、
    上記弁箱シールリングの内周面に、この内周面から流路軸心に向かって内側に突出しており且つディスクテール部の外周面に摺接する凸部が周方向に沿って形成され、
    上記凸部は全閉位置よりも閉回転方向側に位置しており、
    弁体が全閉位置にある場合、弁体の外周縁が凸部から離間した状態で弁箱シールリングの内周面のみに摺接し、
    弁体が所定の小開度の範囲内にある場合、ディスクテール部の外周面が弁箱シールリングの内周面から離間した状態で上記凸部のみに摺接することを特徴とする充水機能を備えたバタフライ弁。
  2. 弁箱内に内周面に沿って円環状に配置された弾性体からなる弁箱シールリングと、弁棒の軸心周りに回転して全閉位置で弁箱シールリングに摺接する弁体と、開回転方向における弁体の背面側に取付けられた一対のディスクテール部とを有するバタフライ弁であって、
    上記ディスクテール部は、弁体回転方向において扇状に形成されて弁体の周縁部に設けられ、且つ、弁体の小開度時に弁箱シールリングに摺接する球面状に湾曲した外周面を有し、
    少なくともいずれか片方のディスクテール部に、一端が外周面に開口するとともに他端が弁体の上記背面側に開口する通水孔が形成され、
    上記弁箱シールリングの内周面は、開閉時に弁体の外周縁が摺接する弁体摺接部分と、ディスクテール部の外周面が摺接するテール摺接部分とを備え、
    上記テール摺接部分の摩擦係数を薬品処理によって弁体摺接部分の摩擦係数よりも小さくし、
    弁体が全閉位置にある場合、弁体の外周縁が弁箱シールリングのテール摺接部分から離間した状態で弁体摺接部分のみに摺接し、
    弁体が所定の小開度の範囲内にある場合、ディスクテール部の外周面が弁箱シールリングの弁体摺接部分から離間した状態でテール摺接部分のみに摺接することを特徴とする充水機能を備えたバタフライ弁。
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