JP4265869B2 - 周期的パターン抑制処理方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、周期的パターン抑制処理方法および装置に関し、より詳細には、例えば、静止グリッドを使用して撮影を行うことにより得られる、該静止グリッドに対応する縞模様(モアレ成分を含む)が被写体像に重畳された画像から、前記縞模様を低減・除去する方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、X線などの放射線を照射するとこの放射線エネルギの一部が蓄積され、その後可視光等の励起光を照射すると蓄積されたエネルギに応じた光量の輝尽発光光を放射する蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)を利用して、人体などの被写体の放射線画像を一旦シート状の蓄積性蛍光体に撮影記録し、蓄積性蛍光体シートをレーザ光などの励起光で走査して輝尽発光光を発生させ、得られた輝尽発光光をフォトマルチプライヤなどの読取手段により光電的に読み取って画像信号を得、この画像信号に基づいて被写体の放射線画像を写真感光材料などの記録材料やCRTなどに可視像として出力させる放射線記録再生システムが提案されている(特開昭55-12429号、同56-11395号、同55-163472 号、同56-164645号、同55-116340 号など)。
【0003】
上述した蓄積性蛍光体シートなどに被写体の放射線画像を撮影記録する際に、被写体により散乱された放射線がシートに照射されないように4本/mm程度の細かなピッチで放射線の透過しない鉛などと透過しやすいアルミニウムや木材などとが交互に配置された静止グリッドを被写体とシートとの間に配置して撮影を行うことがある。この静止グリッドを用いて撮影を行うと被写体により散乱された放射線がシートに照射されにくくなるため、被写体の放射線画像のコントラストを向上させることができるが、被写体像とともに静止グリッドに対応した細かな縞模様状のグリッド像が記録される。
【0004】
このため、本願出願人は、特願平10−164737号などにおいて、静止グリッドの縞模様に対応する空間周波数成分を除去するフィルタリング処理を施すことにより、縞模様が低減した観察しやすい画像を得る方法を提案している。この方法においては、例えば、静止グリッドの格子配列ピッチ(以下グリッドピッチという)が4本/mmである場合には、4.0cycle/mm付近の空間周波数帯域に縞模様が現れるため、この周波数帯域のレスポンスを除去あるいは低減するフィルタによりフィルタリング処理を施して、縞模様を除去するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特願平10−164737号に記載の方法で用いているフィルタは、使用される静止グリッドのグリッドピッチに対応する空間周波数付近だけでなく、それ以上の高周波成分のレスポンスをもゼロとするものであり、静止グリッドの縞模様だけでなく、本来の画像に含まれる高周波成分をも抑制・除去してしまうため、鮮鋭度が低下した画像となるという問題がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、鮮鋭度を低下させずに、例えば、静止グリッド等に起因して画像中に表われる縞模様等の周期的パターンを目立たなくすることができる周期的パターン抑制処理方法および装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による周期的パターン抑制処理方法は、画像信号中の周期的パターンを形成する空間周波数成分を低減する周期的パターン抑制処理方法であって、実空間領域で表された前記画像信号を周波数領域で取り扱うことのできる変換画像信号に変換する第1のステップと、該変換画像信号のうち、周期的パターンの配列方向近傍のみにおける少なくとも該周期的パターンの周波数に対応する空間周波数の成分を含む所望の周波数範囲の画像信号を低減する第2のステップとを有することを特徴とするものである。
【0008】
ここで、「周期的パターン」とは、画像中に周期的に表われるパターンを広く意味するものであり、例えば、静止グリッドに起因して画像中に発生する縞模様や、テレビにおいて撮像系の特性により画像に発生するモアレ的な像など種々のパターンを示すものである。
【0009】
また、本発明による周期的パターン抑制処理方法は、静止グリッドを使用した撮影により得られた画像信号中の、前記静止グリッドに起因する空間周波数成分を低減する周期的パターン抑制処理方法であって、実空間領域で表された前記画像信号を周波数領域で取り扱うことのできる変換画像信号に変換する第1のステップと、該変換画像信号のうち、静止グリッドの格子配列方向近傍のみにおける少なくとも該静止グリッドの格子配列周波数に対応する空間周波数の成分を含む所望の周波数範囲の画像信号を低減する第2のステップとを有するものとすることもできる。
【0010】
ここで「周波数領域で取り扱うことのできる変換画像信号に変換」するとは、画像信号に含まれる所望の周波数成分について所望の処理ができる信号に変換することを意味し、特に本願発明においては、実空間領域で表された画像信号に含まれる前記静止グリッドに対応する周波数成分を抑制する処理ができる信号に変換することを意味する。この変換処理としては、例えば、実空間領域で表現された画像信号をフーリエ変換して周波数領域表現された画像信号(周波数スペクトル)にしたり、あるいは実空間領域表現された画像信号を所定の帯域にサブバンド分割(ウェーブレット変換やラプラシアンピラミッド展開などの場合)する多重解像度変換などがある。
【0011】
「静止グリッドに起因する空間周波数成分」とは、静止グリッドそのものの空間周波数成分だけでなく、ナイキスト周波数以下のサンプリング周期でサンプリングしたり、あるいは縮小処理することにより、静止グリッドに起因して発生するモアレ成分も含む意味である。なお「格子配列周波数に対応する空間周波数の成分」としたのはこのためであって、グリッド周波数と同じ空間周波数成分だけでなく、これと関係する前記モアレ周波数と同じ空間周波数成分を含む意味である。
【0012】
「少なくとも静止グリッドの格子配列周波数に対応する空間周波数の成分を含む所望の周波数範囲の画像信号を低減する」とは、グリッド周波数に対応する空間周波数の成分およびその近傍の空間周波数成分を抑制する処理を施すことを意味し、従来例のように、グリッド周波数に対応する空間周波数成分以上の略全ての高周波成分を抑制するものではなく、鮮鋭度に影響を与える、前記グリッド周波数に対応する空間周波数成分以上の高周波成分(例えばナイキスト周波数に対応する空間周波数成分近傍)を可能な限り抑制しないことを意味する。
【0013】
「静止グリッドの格子配列方向近傍のみにおける」とは、従来例のように、グリッド方向に拘わらず抑制処理を施すのとは異なり、静止グリッドの格子配列方向あるいはその近傍方向について抑制処理を施し、それ以外の方向については抑制処理を施さないことを意味する。なお、ここでいう「静止グリッド」は、後述するように、実際に使用する静止グリッドのみに限らず、使用が予定される(グリッド方向がそれぞれ異なる)各静止グリッドであってもよく、これらのぞれぞれについての「格子配列方向近傍のみ」であればよい。換言すると、通常の装置において、使用される静止グリッドのグリッド方向はある程度決まっており、例えば主走査方向あるいは副走査方向であるので、互いに直交する主走査方向および副走査方向において、グリッド周波数に対応する成分を抑制する処理を施すものとしてもよい。より判りやすく言えば、使用が予定される静止グリッドのグリッド方向の略全てについて、前記抑制処理を施してもよいということである。例えば、主走査方向をv軸、副走査方向をu軸とするフーリエ空間上において、v軸上の近傍で(v軸と直交するu軸の正負方向に多少の幅を持って)且つv軸方向のグリッド周波数を含む所望の空間周波数範囲の成分と、u軸上の近傍で(u軸と直交するv軸の正負方向に多少の幅を持って)且つu軸方向のグリッド周波数を含む所望の空間周波数範囲の成分のみを抑制するとよい。この場合、一方の静止グリッドの格子長さ方向は、他方の静止グリッドの格子配列方向と同じ方向となるので、結果的には、互いに直交する静止グリッドの格子配列方向および格子長さ方向のいずれについても抑制処理を施すことになる。
【0014】
なお、本発明による周期的パターン抑制処理方法においては、実際に使用する静止グリッドのみについて前記抑制処理を行なうのが好ましい。ここで、実際に使用する静止グリッドのみについて前記抑制処理を行なうということは、実際に使用する静止グリッドの格子配列方向あるいはその近傍方向のみについて抑制処理を施し、それ以外の方向(その静止グリッドの格子長さ方向も含む)については抑制処理を施さないことを意味する。例えば、縦方向の静止グリッドを用いた場合には、上述の例において、v軸上の近傍で且つv軸方向のグリッド周波数を含む所望の空間周波数範囲の成分のみを抑制することを意味する。
【0015】
本発明による周期的パターン抑制処理方法においては、前記第1のステップを、静止グリッドの空間周波数以上のレスポンスが略ゼロとなるように帯域分割するローパスフィルタを用いて前記画像信号に対して2次元ウェーブレット変換を施すことにより複数の変換画像信号を得るものとすると共に、前記第2のステップを、複数の変換画像信号のうちの、格子配列周波数に対応する空間周波数の成分を含む信号について、さらに、所定周波数以下の成分を低減する処理を施し、その後、逆ウェーブレット変換を行なうものとするのが望ましい。
【0016】
この場合、第2のステップを、格子配列周波数に対応する空間周波数の成分を含む変換画像信号(ウェーブレット変換係数信号)に対して、該静止グリッドの格子長さ方向(グリッド方向)について、所定の帯域分割フィルタを用いて1次元ウェーブレット変換を所定回数だけ再帰的に繰り返し施し、該1次元ウェーブレット変換により得られた複数の画像信号(ウェーブレット変換係数信号)のうちの、低周波成分の変換係数をゼロにし、その後、1次元逆ウェーブレット変換を施すことにより、前記所定周波数以下の成分を低減するものとすればより望ましい。
【0017】
ここで「所定の帯域分割フィルタ」は、必ずしも静止グリッドの空間周波数以上のレスポンスが略ゼロとなるように帯域分割するローパスフィルタである必要はない。
【0018】
また、静止グリッドの格子長さ方向について1次元ウェーブレット変換を施すに際しては、例えば縦方向グリッドのときには2次元ウェーブレット変換により得られたHL成分に対して副走査方向に、横方向グリッドのときにはLH成分に対して主走査方向に、それぞれ1次元ウェーブレット変換を施すとよい。一方、クロスグリッドのときにはHH成分に対して主走査方向の1次元ウェーブレット変換を施した後に副走査方向の1次元ウェーブレット変換を施す(主・副の順序が逆も可)とよい。
【0019】
なお、このような方法に限らず、ウェーブレット変換により得られた画像信号のうちの、静止グリッドの成分を含む画像信号についてハイパスフィルタを用いて原画像を表す成分のみを抽出することで、静止グリッド成分を表す所定周波数以下の成分を低減することもできる。
【0020】
本発明による周期的パターン抑制処理方法においては、第2のステップを、前記複数の変換画像信号(ウェーブレット変換係数信号)のパワーをそれぞれ求め、求めた各パワーがそれぞれ所定の閾値よりも大きいか否かに基づいて、静止グリッドの格子長さ方向(グリッド方向)を判定し、この判定結果に基づいて、前記所定周波数以下の成分を低減する処理を施すものとすることが望ましい。
【0021】
なお、本発明による周期的パターン抑制処理方法においては、実際に使用する静止グリッドのみについてに限らず、使用が予定された各静止グリッドについて、前記2次元ウェーブレット変換により得た変換画像信号を用いて、前記第2のステップによる処理を施すものとしてもよい。
【0022】
本発明による周期的パターン抑制処理方法においては、前記第1のステップを、実空間領域で表された画像信号に対して、静止グリッドの格子長さ方向について、所定の帯域分割フィルタを用いて1次元ウェーブレット変換を施すことにより複数の変換画像信号を得るものとすると共に、前記第2のステップを、複数の変換画像信号のうちの、静止グリッドの格子配列周波数に対応する空間周波数の成分を含む低周波側の変換画像信号について、さらに、所定周波数以下の成分を低減する処理を施し、その後、逆ウェーブレット変換を行なうものとすることもできる。
【0023】
なお、この場合においても、実際に使用する静止グリッドのみについてに限らず、使用が予定された各静止グリッドについて、前記第1および第2の各ステップによる処理を施すものとすることができる。
【0024】
本発明による周期的パターン抑制処理装置は、上記方法を実施する装置、すなわち、画像信号中の周期的パターンを形成する空間周波数成分を低減する周期的パターン抑制処理装置であって、実空間領域で表された画像信号を周波数領域で取り扱うことのできる変換画像信号に変換する画像信号変換手段と、該変換画像信号のうち、周期的パターンの配列方向近傍のみにおける少なくとも該周期的パターンの周波数に対応する空間周波数の成分を含む所望の周波数範囲の画像信号を低減する周期的パターン成分抑制手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0025】
また、本発明による周期的パターン抑制処理装置は、静止グリッドを使用した撮影により得られた画像信号中の、静止グリッドに起因する空間周波数成分を低減する周期的パターン抑制処理装置であって、実空間領域で表された画像信号を周波数領域で取り扱うことのできる変換画像信号に変換する画像信号変換手段と、該変換画像信号のうち、静止グリッドの格子配列方向近傍のみにおける少なくとも該静止グリッドの格子配列周波数に対応する空間周波数の成分を含む所望の周波数範囲の画像信号を低減する静止グリッド成分抑制手段とを備えたものとすることもできる。
【0026】
本発明による周期的パターン抑制処理装置においては、画像信号変換手段を、静止グリッドの空間周波数以上のレスポンスが略ゼロとなるように帯域分割するローパスフィルタを用いて前記画像信号に対して2次元ウェーブレット変換を施すことにより複数の変換画像信号を得るものとし、静止グリッド成分抑制手段を、前記複数の変換画像信号のうちの、静止グリッドの格子配列周波数に対応する空間周波数の成分を含む画像信号について、さらに、所定周波数以下の成分を低減する処理を施し、その後、逆ウェーブレット変換を行なうものとするのが望ましい。
【0027】
また、この場合、静止グリッド成分抑制手段を、格子配列周波数に対応する空間周波数の成分を含む変換画像信号に対して、静止グリッドの格子長さ方向について、所定の帯域分割フィルタを用いて1次元ウェーブレット変換を所定回数だけ再帰的に繰り返し施し、該1次元ウェーブレット変換により得られた複数の画像信号のうちの、低周波成分の変換係数をゼロにし、その後、1次元逆ウェーブレット変換を施すことにより、前記所定周波数以下の成分を低減するものするととより望ましい。
【0028】
また、本発明による周期的パターン抑制処理装置においては、ウェーブレット変換を施すことにより得られた複数の画像信号のパワーをそれぞれ求め、求めた各パワーがそれぞれ所定の閾値よりも大きいか否かに基づいて、静止グリッドの格子長さ方向(グリッド方向)を判定する静止グリッド方向判定手段をさらに備えたものとすると共に、静止グリッド成分抑制手段を、静止グリッド方向判定手段による判定結果に基づいて、所定周波数以下の成分を低減する処理を施すものとするのが望ましい。
【0029】
なお、上記静止グリッド成分抑制手段を、実際に使用する静止グリッドのみについてに限らず、使用が予定された各静止グリッドについて、所定周波数以下の成分を低減する処理を施すものとすることができる。
【0030】
また、本発明による周期的パターン抑制処理装置においては、画像信号変換手段を、実空間領域で表された画像信号に対して、静止グリッドの格子長さ方向について、所定の帯域分割フィルタを用いて1次元ウェーブレット変換を施すことにより複数の変換画像信号を得るものとすると共に、静止グリッド成分抑制手段を、前記複数の変換画像信号のうちの、静止グリッドの格子配列周波数に対応する空間周波数の成分を含む低周波側の画像信号について、さらに、所定周波数以下の成分を低減する処理を施し、その後、逆ウェーブレット変換を行なうものとすることもできる。
【0031】
なお、この場合、画像信号変換手段を、使用が予定された各静止グリッドの格子長さ方向について、1次元ウェーブレット変換を施すものとすると共に、静止グリッド成分抑制手段についても、使用が予定された各静止グリッドについて低減する処理および逆ウェーブレット変換を行なうものとすることができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明による周期的パターン抑制処理方法および装置によれば、周期的パターンが表われた画像の画像信号を周波数領域で取り扱うことのできる画像信号に変換し、該周波数領域で取り扱うことのできる画像信号のうち、周期的パターンの略配列方向における周期的パターンの周波数と同じ空間周波数の成分を含む所望の周波数範囲の画像信号を低減するようにしたので、画像中に表われた周期的パターンを目立たなくすることができる。
【0033】
また、周期的パターンを静止グリッドに起因したものとした場合には、静止グリッドを使用した撮影により得られた実空間領域で表された画像信号を周波数領域で取り扱うことのできる画像信号に変換し、該周波数領域で取り扱うことのできる画像信号のうち、静止グリッドの略格子配列方向におけるグリッド周波数と同じ空間周波数の成分を含む所望の周波数範囲の画像信号を低減するようにしたので、静止グリッドに起因する縞模様が目立たなくなる。一方、静止グリッドに起因する空間周波数成分以上の全ての高周波成分を抑制することはないので、その分だけ、最終的に得られる画像信号にはナイキスト周波数に対応する空間周波数成分近傍の成分が含まれることとなり、鮮鋭度を低下させることがない。
【0034】
また、従来のようにグリッド方向に拘わらずフーリエ空間上の全方向に抑制処理を行なうのとは異なり、静止グリッドの格子配列方向についてのみグリッド成分が除去されるので、必要以上に画像を劣化させることがない。
【0035】
また、グリッド方向が判る場合には、静止グリッドの格子配列方向のみについて前述の抑制処理を施すようにすれば、一層必要以上に画像を劣化させることがなくなる。
【0036】
また、使用が予定される静止グリッド(互いにグリッド方向の異なるもに)の各格子配列方向について、それぞれ前述の抑制処理を施すようにすれば、実際に使用されるグリッド方向を気にすることなく(2次元ウェーブレット変換を行なうものの場合には特にその効果が大きい)、上記抑制処理の効果を得ることができる。
【0037】
また、静止グリッドの空間周波数以上のレスポンスが略ゼロとなるように帯域分割するローパスフィルタを用いて画像信号に対して2次元ウェーブレット変換を施し、該ウェーブレット変換により得られた画像信号のうちの、静止グリッドの成分を含む画像信号について、さらに、所定周波数以下の成分を低減する処理を施すようにすれば、この所定周波数以下の成分が低減された信号を用いて元の画像(解像度レベル0)を復元したときには、静止グリッドの成分が低減された画像を復元することができる。
【0038】
また、この初段のウェーブレット変換により得られる低解像度信号成分には、静止グリッドの空間周波数成分が含まれなくなるので、以後、さらにウェーブレット変換を多段階に亘って施して低解像度画像信号を得ても、各ウェーブレット変換係数信号には静止グリッドの空間周波数成分が含まれない。したがって、画像の復元に際して、解像度レベル0まで復元することなく、途中の解像度レベルまで復元しても、レベル1以降の低解像度信号にはグリッド成分が含まれないので、縮小画像(低解像度画像)において、静止グリッドに起因するモアレが発生するということもない。つまり、画像を任意に拡大あるいは縮小処理しても、モアレを発生する心配がない。
【0039】
また、ウェーブレット変換を行なって、周波数領域で取り扱うことのできる画像信号を得る場合において、静止グリッドの成分を含む画像信号(ウェーブレット変換係数信号)に対して、グリッド方向について、所定の帯域分割フィルタを用いて1次元ウェーブレット変換を所定回数だけ再帰的に繰り返し施し、該1次元ウェーブレット変換により得られた複数の画像信号のうちの、低周波成分の変換係数をゼロにするようにすれば、繰り返しの回数が多いほど、復元された画像においては、静止グリッドの成分のみが抑制された画像にすることができ、一層鮮鋭度の高い画像を得ることができる。
【0040】
また、ウェーブレット変換を施すことにより得られた複数の画像信号のパワーをそれぞれ求め、求めた各パワーがそれぞれ所定の閾値よりも大きいか否かに基づいてグリッド方向を判定するようにすれば、静止グリッド成分の抑制処理に際して、どのようなグリッド方向のものを使用して撮影を行ったかを予め知る必要がない。
【0041】
また、静止グリッドを使用した撮影により得られた実空間領域で表された画像信号に対して、静止グリッドの格子長さ方向について、所定の帯域分割フィルタを用いて1次元ウェーブレット変換を施し、該ウェーブレット変換により得られた複数の画像信号のうちの、静止グリッドの成分を含む低周波側の画像信号について、さらに、所定周波数以下の成分を低減する処理を施すことによっても、静止グリッドに起因する空間周波数成分を含む所望の周波数範囲の画像信号を低減することができ、この静止グリッドに起因する成分が低減された信号を用いて画像を復元したときには、復元の解像度レベルに拘わらず、グリッドの成分が低減された画像を復元することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、上記特開昭55-12429号や特開昭56-11395号などに記載されているように、記録シートとしての蓄積性蛍光体シートを利用した放射線画像情報記録再生システムにおいて、前記シートに記録された人体の放射線画像をレーザビーム走査によりデジタル画像信号として読み取る態様を例に説明する。
【0043】
図1は、放射線画像撮影装置の概略を示した図である。図1に示すように、放射線源1から放射された放射線2は、被写体3を経由しさらにグリッド4に到達する。グリッド4は、放射線2を吸収する鉛4aと、放射線2を透過するアルミニウム4bとが、放射線源1から発せられた放射線2がアルミニウム4bを経由して、シート11に真っ直ぐに入射するように、位置に応じて多少傾きをもって(図1参照)、4本/mmのピッチで交互に配置されているものである。このため放射線源1から発せられ被写体3を真っ直ぐに透過した放射線2は、鉛4aに吸収されて遮ぎられる一方、アルミニウム4bを透過してシート11を照射し、シート11には被写体像とともに4本/mmの縞模様状のグリッド像が蓄積記録される。一方、被写体3内で散乱された散乱放射線2aはグリッド4の前記傾きに対して斜めに入射するため、アルミニウム4b部に入射したものもグリッド4内部で鉛4aに吸収され、またはグリッド4の表面で反射されるため、シート11には照射されず、したがってシート11には散乱放射線2aの照射の少ない鮮明な放射線画像が蓄積記録される。
【0044】
図2は、グリッド4を使用して撮影を行うことによりシート11に蓄積記録された、被写体像(図の斜線部)5と縞模様状のグリッド像6を示した図である。このようにシート11には被写体像5とグリッド像6とが重畳された放射線画像が記録される。
【0045】
図3は、本発明による周期的パターン抑制処理方法を実施する周期的パターン抑制処理装置の一実施の形態を適用した、放射線画像読取装置の斜視図である。
【0046】
読取部10の所定位置にセットされた放射線画像が記録されたシート11は、不図示の駆動手段により駆動されるエンドレスベルトなどのシート搬送手段15により、走査ピッチ10本/mmで矢印Y方向に搬送(副走査)される。一方、レーザー光源16から発せられた光ビーム17はモータ24により駆動され矢印方向に高速回転する回転多面鏡18によって反射偏向され、fθレンズなどの集束レンズ19を通過した後、ミラー20により光路を変えてシート11に入射し副走査の方向(矢印Y方向)と略直角な矢印X方向に主走査する。シート11の光ビーム17が照射された箇所からは、蓄積記録されている放射線画像情報に応じた光量の輝尽発光光21が発散され、この輝尽発光光21は光ガイド22の入射端面22aに入射し、該ガイド22内の内部を全反射を繰り返して進み、射出端面22bから射出してフォトマル(光電子増倍管)23に受光されることにより、放射線画像を表す輝尽発光光21が該フォトマル23によって光電的に検出されて電気信号Saに変換される。なお、画像信号Sには、良好な放射線可視画像を再生出力するために必要な、所望とする範囲の空間周波数帯のうちの最高の空間周波数(後述するナイキスト周波数)fn=5.0cycle/mmより低い、図2に示すグリッド像6に関する情報である4.0cycle/mmの空間周波数帯域の情報も含まれている。このグリッド像6に関する情報は可視画像を観察する際にその可視画像を見にくくする原因のひとつとなるものであり、取り除くべき情報である。
【0047】
アナログ出力信号Saはログアンプ26で対数的に増幅された後、A/D変換器28において空間周波数fs=10.0 cycle/mmに対応するサンプリング間隔でサンプリングされてディジタル化され、読取密度の高い、高密度画像を担持するディジタルの画像信号Sが得られる。
【0048】
この画像信号Sは、図4に示すように、シート11に対して主走査方向(横方向)にレーザビームを走査させながらシート11を副走査方向(縦方向)に移動させてシート11を2次元走査して得られた画像情報を表すことになる。なお、このようにして得られた画像信号Sには、ナイキスト周波数fn以下の情報を担持しており、したがって図2に示すグリッド像6の情報(4.0cycle/mm)も含まれている。なお、この実施の形態においてはグリッド像6の情報(4.0cycle/mm)の2倍以上の空間周波数fsに対応するサンプリング間隔でデジタル化しているので、エリアジングによるグリッド像6のモアレは発生しない。
【0049】
画像信号Sは一旦記憶部29に一旦記憶された後、画像信号処理部30に入力され、以下のようにして画像処理が施される。
【0050】
図5は本発明による周期的パターン抑制処理方法を実施するための画像信号処理部(周期的パターン抑制処理装置の一態様)30の概略を表すブロック図である。図5に示すように本発明による周期的パターン抑制処理方法を実施するための画像信号処理部30は、記憶部29から読み出した画像信号Sに対して多重解像度分解処理を施す画像信号変換手段としての多重解像度分解処理手段32と、多重解像度分解処理手段32において複数の周波数帯域に分解された各帯域制限画像信号(バンドパス信号,サブバンド信号)のうち、所定の周波数帯域の画像(帯域制限画像)に対して所望の(例えば強調処理など)処理を施す処理手段33と、処理手段33により所望の処理が施された帯域制限画像信号および他の周波数帯域を担持する帯域制限画像信号を復元して処理済画像信号を得るための復元処理手段34と、復元処理手段34により復元された処理済画像信号に基づいて、可視画像を再生するための画像出力手段35を有する。
【0051】
なお、本実施の形態においては、実空間領域で表される画像信号Sを周波数領域で取り扱うことのできる画像信号に変換するに際して、ウェーブレット変換処理を用いた多重解像度分解処理を使用するものとする。したがって、前記多重解像度分解処理手段32は、放射線画像を表す画像信号Sに対してウェーブレット変換を施すウェーブレット変換手段として機能し、前記復元処理手段34は逆ウェーブレット変換処理を施して処理済画像信号を得る逆ウェーブレット変換手段として機能する。以下の説明においては、多重解像度分解処理手段32をウェーブレット変換部32といい、復元処理手段34を逆ウェーブレット変換部34という。
【0052】
図6はウェーブレット変換部32において行われる多重解像度分解処理としてのウェーブレット変換処理を説明するための機能ブロック図であり、図7は各ウェーブレット変換手段32aの詳細を示したブロック図である。図6に示すように、ウェーブレット変換部32には解像度(画素密度)レベルに応じた段数分のウェーブレット変換手段32aが設けられ、逆ウェーブレット変換部34には、ウェーブレット変換手段32aと同じ段数分の逆ウェーブレット変換手段34aが設けられる。
【0053】
また図6に示すように、画像信号処理部30は、ウェーブレット変換により得た信号HL1,LH1,HH1のパワーをそれぞれ求め、求めた各パワーがそれぞれ所定の閾値TH1よりも大きいか否かに基づいて、静止グリッド6の格子長さ方向、すなわちグリッド方向を判定する静止グリッド方向判定手段(以下方向判定手段という)35と、信号HL,LH,HHのうち、静止グリッド4の格子配列方向(グリッド方向と直交する方向)における、少なくとも該静止グリッド4に起因する空間周波数成分を含む所望の周波数範囲の画像信号を低減する静止グリッド成分抑制手段36とを備えている。
【0054】
次いで本発明による周期的パターン抑制処理方法について説明する。なお、本実施の形態においては、ウェーブレット変換の各係数が直交する、2次元の直交ウェーブレット変換を行なうものとする。
【0055】
図6および図7に示すように、記憶部29から読み出された原画像を表すデジタルの画像信号Sがウェーブレット変換部32に入力されると、画像信号Sを原画像信号Sorg として、該原画像信号Sorg に対してウェーブレット変換が施される。すなわち、原画像信号Sorg (信号LL0と等価)の主走査方向にウェーブレット関数H1,G1によりフィルタリング処理を行うとともに、主走査方向の画素を1画素おきに間引き(図中↓2で表す)、主走査方向の画素数を1/2にする。ここで、関数H1はハイパスフィルタであり、関数G1はローパスフィルタである。さらに、この画素が間引かれた信号のそれぞれに対して副走査方向に前記関数H1,G1によりフィルタリング処理を行うとともに、副走査方向の画素を1画素おきに間引き、副走査方向の画素数を1/2にして、ウェーブレット変換係数信号(以下単に信号ともいう)HH1,HL1,LH1,LL1を得る。ここで、信号LL1は原画像の縦横を各々1/2に縮小した1/4縮小画像を表し、それぞれ原画像の1/4縮小画像において、信号LH1は副走査方向(縦方向)の高周波成分(横エッジ)を表す画像、信号HL1は主走査方向(横方向)の高周波成分(縦エッジ)を表す画像、信号HH1は対角方向の高周波成分(斜めエッジ)を表す画像、信号LL1は原画像に対して1/2解像度の低周波成分の画像を表すことになる。帯域分割の基準となる周波数、すなわち、低周波成分と各高周波成分との境目の周波数は、関数H1,G1のフィルタ特性によって決まり、この初段での関数H1,G1によるフィルタリング処理の際には、ローパスフィルタとしての関数G1は、静止グリッド4のグリッドピッチに対応して、4.0cycle/mm以上の空間周波数の伝達特性(レスポンス)が略ゼロとなる特性を有するようにし、ハイパスフィルタとしての関数H1は、関数G1のローパス特性を補うハイパス特性を有するようにする。このような特性を有するローパスフィルタとしては、例えば特願平10−164737号に記載のモアレ除去フィルタと同じ特性を有するもの、すなわち静止グリッド4のグリッドピッチに対応する空間周波数成分に対して97%以上の空間周波数成分のレスポンスを5%以下に低減するものを用いるとよく、例えば、表1に示す(17,7)タップ、表2に示す(13,7)タップ、表3に示す(15,5)タップなどのフィルタ係数を用いたウェーブレット変換フィルタで実現することができる。なお、各ウェーブレット変換フィルタにおけるローパスフィルタの周波数応答特性を図8に示す。
【0056】
【表1】
【表2】
【表3】
これにより、静止グリッド4として横方向グリッドが使用されたときにはグリッド成分が信号LH1に現れ、縦方向グリッドが使用されたときにはグリッド成分が信号HL1に現れ、クロスグリッドが使用されたときにはグリッド成分が信号HH1に現れ、グリッド方向に拘わらず、信号LL1においては、静止グリッド4の空間周波数成分が十分に抑制されているので、静止グリッド4に起因する縞模様(モアレ)が殆ど現れない。
【0057】
ウェーブレット変換係数信号HH1,HL1,LH1,LL1のうち、グリッド成分を含んでいる可能性のある各信号HH1,HL1,LH1が方向判定手段35および静止グリッド成分抑制手段36に入力される。
【0058】
さらに、ウェーブレット変換手段32aにおいて、基本ウェーブレット関数H0,G0を用いて、信号LL1に対してウェーブレット変換が施されて、信号HH2,HL2,LH2,LL2が得られる。ここで、信号LL2は原画像の縦横を各々1/4に縮小した1/16縮小画像を表し、それぞれ原画像の1/16縮小画像において、信号HL2、LH2およびHH2は縦エッジ、横エッジおよび斜めエッジ成分の画像を表すものとなる。なお、上述のように、信号LL1にはグリッド成分が殆ど現れないので、この2段目で用いられるウェーブレット関数H0,G0は、上記初段で用いられたウェーブレット関数H1,G1とは異なり、静止グリッド4のグリッドピッチに対応して設定されるものである必要はなく、例えば、表4に示すドーベッチ(Daubechies)の(9,7)タップのフィルタ係数を用いたウェーブレット変換フィルタとするとよい。なお、この(9,7)タップウェーブレット変換フィルタにおけるローパスフィルタの周波数応答特性を図8に示す。
【0059】
【表4】
以下、上記2段目と同様にして、各周波数帯域において得られるウェーブレット変換係数信号LLkに対するウェーブレット変換をn回繰り返すことによりウェーブレット変換係数信号HH1〜HHn,HL1〜HLn,LH1〜LHn,LL1〜LLnを得る。ここで、n回目のウェーブレット変換により得られるウェーブレット変換係数信号HHn,HLn,LHn,LLnは、原画像信号Sorg と比較して主副各方向の画素数が(1/2)n となった(1/2)2n縮小画像を表し、各ウェーブレット変換係数信号HHn,HLn,LHn,LLnはnが大きいほど周波数帯域が低くなる。このように、ウェーブレット変換係数信号HHk,HLk,LHk,LLk(kは解像度レベルであって、k=1〜nの整数)は、それぞれ、原画像信号Sorg の周波数範囲のうちの所定範囲の周波数成分を担持する帯域制限画像信号となる。また、信号HHkは原画像信号Sorg の主副両方向の周波数の変化を表しkが大きいほど低周波信号となる。また信号HLkは原画像信号Sorg の主走査方向の周波数の変化を表すものであり、kが大きいほど低周波信号となる。さらに信号LHkは原画像信号Sorg の副走査方向の周波数の変化を表すものであり、kが大きいほど低周波信号となる。
【0060】
次に、方向判定手段35において、ウェーブレット変換により得られた各信号LH1,HL1,HH1のパワーをそれぞれ求め、求めた各パワーがそれぞれ所定の閾値TH0よりも大きいか否かを確認し、その結果に基づいて、静止グリッド4のグリッド方向を判定する。具体的には、上述のように、グリッド成分は、横方向グリッド時には信号LH1に現れ、縦方向グリッド時には信号HL1に現れ、クロスグリッド時には信号HH1に現れるので、信号LHのパワーのみが閾値TH0よりも大きいときには横方向グリッド、信号HLのパワーのみが閾値TH0よりも大きいときには縦方向グリッド、信号HLおよび信号LHのいずれもが閾値TH0よりも大きいときにはクロスグリッドが使用されているものと判定する。この判定結果は、静止グリッド成分抑制手段36に入力される。
【0061】
次に、静止グリッド成分抑制手段36において、方向判定手段35によるグリッド方向の判定結果に基づいて、信号LH1,HL1,HH1のうちの静止グリッドの成分を含む信号に対して、さらに静止グリッド4の格子長さ方向(グリッド方向)について、所定の帯域分割フィルタを用いて1次元ウェーブレット変換を所定回数だけ再帰的に繰り返し施す。例えば、図2に示すように縦方向グリッドが使用されている場合には、HL1に対して縦(副走査)方向の1次元ウェーブレット変換を施して低周波側を担持する信号HL1(L1)と高周波側を担持する信号HL1(H1)を得、次に低周波側を担持する信号HL1(L1)に対して縦方向の1次元ウェーブレット変換を施して低周波側を担持する信号HL1(L2)と高周波側を担持する信号HL1(H2)を得、以下同様に、低周波側を担持する信号HL1(Lj)(j=1〜mの整数)に対して縦方向の1次元ウェーブレット変換をm回繰り返すことにより、信号HL1に対して複数段(m段)の縦方向の1次元ウェーブレット変換を施して、ウェーブレット変換係数信号HL1(H1)〜HL1(Hm),HL1(Lm)を得る。
【0062】
図9は、原画像信号をウェーブレット変換して各成分に分解した結果を示す図である。なお、図9においては、1回目の2次元ウェーブレット変換を行ない(同図(a))、その後2回目の2次元ウェーブレット変換を行なった後に、信号HL1について、さらに縦方向の1次元ウェーブレット変換を1回施した状態まで(同図(b))を表している。
【0063】
図10は、格子長さ方向に1次元ウェーブレット変換を繰り返し施すことによる効果を説明する模式図である。
【0064】
ウェーブレット変換係数信号HL1は、副走査方向についての低周波成分を表し、図10に示すように、信号HL1は縦方向グリッドの成分と原画像信号自身が持つ縦方向を主成分とする画像信号を含むことになる。そして、この信号HL1に対して格子長さ方向(本例では副走査方向)について1次元ウェーブレット変換を施すと、縦方向グリッドを用いた場合のグリッド成分は1次元の縦長の低周波信号と見られるために、HL1(Lj)には縦方向グリッドの成分を含む低周波成分、HL1(Hj)にはその他の高周波成分が含まれるように、帯域分割される。この1次元ウェーブレット変換を繰り返し施すと、十分に絞り込まれた低周波信号HL1(Lm)は、グリッドピッチの大きさに拘わらず、グリッドの目の方向(格子長さ方向)成分を含む極めて低周波数の成分を表し、mを大きくするほど信号HL1(Lm)がグリッド成分のみを表すようになる。
【0065】
なお、実際には静止グリッドは完全には水平・垂直あるいは水平・垂直が1対1のクロス方向には置かれない場合が多いので、繰返しの回数mをあまり大きくすると、信号HL1(Hj)にもグリッド成分が現れるようになるので、1次元ウェーブレット変換は数回程度繰り返すに留めるのが好まい。
【0066】
次に、信号HL1について複数段の縦方向の1次元ウェーブレット変換を施して得られた各信号HL1(H1)〜HL1(Hm),HL1(Lm)のうち、最も低周波側の成分である信号HL1(Lm)をゼロにする、つまり、グリッド成分を含む信号HL1(Lm)を抑制するようにする。その後、ゼロにした信号HL1(Lm)および各信号HL1(H1)〜HL1(Hm)に対して1次元逆ウェーブレット変換を施して、信号HL1’を得る。ここで、前述のように、少なくとも静止グリッド4の空間周波数成分を含む信号HL1(Lm)が抑制されているので、グリッド成分を含む所定範囲の空間周波数成分が低減された信号HL1’が得られる。
【0067】
次に、処理手段33により、必要に応じて、所望の(例えば強調処理など)処理が施され、その後、逆ウェーブレット変換部34において、信号LLn、HLk,LHkに対して、レベルnからレベル1まで、順次逆ウェーブレット変換が施される。
【0068】
図11は、逆ウェーブレット変換部34の構成を示す概略ブロック図である。図11に示すように、最低周波数帯域の信号HHn,HLn,LHn,LLnに対して逆ウェーブレット変換手段34aにおいて逆ウェーブレット変換を施して信号LLn−1を得る。
【0069】
図12は各逆ウェーブレット変換手段34aにおいて行われる逆ウェーブレット変換処理を説明するための機能ブロック図である。図12に示すように信号LLnおよび信号LHn(LHk)の副走査方向に対して画素間に1画素分の間隔をあける処理を行うとともに(図中↑2で表す)、ウェーブレット変換の際に用いた関数G0,H0に対応する逆ウェーブレット変換関数G0’,H0’によりフィルタリング処理を副走査方向に施してこれらを加算し、さらに加算により得られた信号(第1の加算信号とする)の主走査方向に対して画素間に1画素分の間隔をあける処理を行うとともに、関数G0’によりフィルタリング処理を主走査方向に施して第1の信号を得る。一方、信号HLn(HLk)および信号HHn(HHk)の副走査方向に対して画素間に1画素分の間隔をあける処理を行うとともに、関数G0’,H0’によりフィルタリング処理を副走査方向に施してこれらを加算し、さらに加算により得られた信号(第2の加算信号とする)の主走査方向に対して画素間に1画素分の間隔をあける処理を行うとともに、関数H0’によりフィルタリング処理を主走査方向に施して第2の信号を得る。そして第1および第2の信号を加算して信号LLn−1(LLk−1)を得る。
【0070】
次に、信号HHn−1,HLn−1,LHn−1,LLn−1に対して上記と同様に逆ウェーブレット変換手段34aにおいて逆ウェーブレット変換を行って、処理済み信号LLn−2を得る。そして、以下上記と同様にして逆ウェーブレット変換を解像度レベル1まで繰り返すことにより信号LL1が得られる。
【0071】
そして、原画像を表す解像度レベル0では、信号LL1、LH1,HH1および信号HL1’に対して、初段におけるウェーブレット変換の際に用いた関数G1,H1に対応する逆ウェーブレット変換関数G1’,H1’により逆ウェーブレット変換を施して画像を再構成する。ここで、信号HL1’はグリッド成分が低減されたものであり、再構成画像は、静止グリッド4の成分が軽減されている。
【0072】
図13は、本願発明の効果を説明する図であって、図13(a)は特願平10−164737号(以下従来例という)に記載の方法を適用した場合における周波数応答特性を示した図、図13(b)は本願発明を適用した場合における周波数応答特性を示した図、図13(c)は従来例および本願発明による方法におけるフーリエ空間での空間周波数特性を示した図である。なお、図13(c)は、主走査方向をv軸、副走査方向をu軸とするフーリエ空間上において、縦方向の静止グリッドを用いた場合を示したものである。
【0073】
従来例の方法を適用した場合には、使用される静止グリッドのグリッドピッチに対応する空間周波数付近だけでなく、それ以上の高周波成分のレスポンスもゼロとするフィルタを用いているので、図13(a)に示すように、グリッドピッチに対応する空間周波数以上の高周波成分までもが抑制され、静止グリッド4の縞模様だけでなく、本来の画像に含まれる高周波成分をも除去・低減してしまうことになり、鮮鋭度が低下した画像となってしまう。また、方向を考慮したフィルタリング処理となっていないため、図13(c)に示すように、フーリエ空間上における低周波領域(図中の中央部の空白部)の範囲外全て(図中の斜線部)が抑制される、つまり縦方向グリッドによる縦模様(本当に抑制したい成分)だけでなく、本来の画像に含まれる横模様や斜め模様などの、本来であれば抑制したくない高周波成分も抑制されることになる。
【0074】
これに対して、本願発明を適用した場合には、初段のウェーブレット変換の際に用いられるフィルタとして、特願平10−164737号に記載のものと同じ特性を示すものを使用したとしても、図13(b)に示すように、静止グリッド4の空間周波数成分近傍の所定範囲のみを抑制(カット)し、残りの高周波成分を保存することができるので、静止グリッドに起因する縞模様が目立たたず、しかも鮮鋭度の高い高画質な画像を得ることができる。また、信号HL1,LH1,HH1のうちのグリッド成分を含む信号のみが抑制対象となるようにグリッド方向に応じて切り替えることができるので、図13(c)に示すように、フーリエ空間上における、グリッド方向の軸上(縦グリッドのときはv軸)の近傍で(該軸と直交する方向に多少の幅を持って)、且つ静止グリッド4の空間周波数成分を含む高周波側の所定範囲のみを抑制することができるので、例えば縦方向グリッドの場合には、グリッドによる縦模様だけを抑制し、本来の画像に含まれる横模様や斜め模様などの高周波成分を抑制することがない。
【0075】
また、初段での2次元ウェーブレット変換により得られた変換係数信号HH1,HL1,LH1,LL1のうち、グリッド成分を含んでいる可能性のある各信号HH1,HL1,LH1に基づいて静止グリッドの方向を判定することができるので、静止グリッド成分の抑制処理に際して、どのようなグリッド方向のものを使用して撮影を行ったかを予め知る必要もない。
【0076】
また、レベル0まで復元することなく、解像度レベル1まで復元すれば、前述のように、信号LL1においては静止グリッドの空間周波数成分が十分に抑制されているので、静止グリッド4に起因する縞模様が殆ど現れない。また、グリッド成分が抑制された信号LL1に対してウェーブレット変換を施して得たレベル1以降のLLkにもモアレ成分が含まれないので、全ての縮小画像において、静止グリッドに起因するモアレが発生するということがなく、画像を任意に拡大あるいは縮小処理しても、モアレを発生する心配がない。したがって、強調処理などの所望の画像処理を施して、画像処理が施された画像を逆多重解像度変換することにより復元しても、いずれの解像度レベルの画像においても、復元された処理済画像にはモアレによるアーチファクトが含まれず、見やすい高画質の画像を提供することができる。
【0077】
このように、多重解像度変換としてのウェーブレット変換の初段においてグリッド成分が抑制され、それ以降の解像度レベルの画像にはモアレが現れなくなり、またウェーブレット変換を用いているので、拡大/縮小画像を得るのにも好都合であり、ネットワークを介して画像信号を転送する上でも都合がよい。
【0078】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更を行うことが可能である。
【0079】
例えば、上記静止グリッド成分抑制手段36における作用説明は、静止グリッド4が縦方向グリッドであるとして説明したが、グリッド方向が縦方向以外の場合には、取り扱う信号HL1を、そのグリッド方向に応じて信号LH1あるは信号HH1とすればよい。すなわち、静止グリッド4が横方向グリッドである場合には、信号LH1に対してさらに複数段の横方向(主走査方向)の1次元ウェーブレット変換を施し、低周波側の信号成分をゼロにした後、1次元逆ウェーブレット変換して画像を再構成するとよく、静止グリッド4がクロスグリッドである場合には、信号HLおよび信号LHそれぞれに対してさらに複数段の縦方向(信号HL)/横方向(信号LH)の1次元ウェーブレット変換を施し、低周波側の信号成分をゼロにした後、1次元逆ウェーブレット変換して画像を再構成するとよい。
【0080】
また、信号HLおよび/または信号LHに対する1次元ウェーブレット変換の代わりに、グリッド成分を低減させるようなハイパスフィルタを用いてもよい。
【0081】
また、実際に使用されるグリッド方向の如何に関わらず、使用が予定された静止グリッドの各グリッド方向について上述の処理を施す、例えば図9に示した処理に加えて、信号LH1に対して主走査方向について1次元ウェーブレット変換を繰り返し施すようにすれば、図13(c)に示すv軸の近傍の静止グリッド4の空間周波数成分を含む高周波側の所定範囲だけでなく、u軸の近傍の静止グリッド4の空間周波数成分を含む高周波側の所定範囲についても抑制効果を得ることができる。したがって、通常は主走査方向若しくは副走査方向のいずれかと同方向のグリッドが用いられることが多いので、この場合、グリッド成分は信号HL1(縦グリッドのとき),LH1(横グリッドのとき)のいずれかに含まれることになり、結果的に、グリッド方向を全く気にすることなく、上記抑制処理の効果を得ることができる。また、この場合においても、無制限な方向に対して抑制処理を施すものではなく、図13(C)に示すように、抑制処理の対象方向が使用が予定された静止グリッドの各グリッド方向についてのみに限られるので、画質に与える影響を従来よりも軽減することができる。なお、信号HH1に対して主/副の両走査方向について1次元ウェーブレット変換を繰り返し施すことにより、クロスグリッドの使用が予定される場合にも対応できる。
【0082】
また、上記説明は、画像信号Sに対して2次元ウェーブレット変換を施すものとして説明したが、グリッド方向が予め判っている場合には、図14に示すように、その方向に応じた(縦グリッドのときには副走査方向に)1次元ウェーブレット変換を原画像信号に対して施し、グリッド成分を含むウェーブレット変換係数信号(図14(B)の信号L1)に対してグリッド成分を低減する処理を施すようにしてもよい。なお、1次元ウェーブレット変換の際に用いられるウェーブレット関数は、静止グリッド4のグリッドピッチに拘わらず、任意のものであってもよく、上記H0,G0を用いることができる。
【0083】
図14に示した方法とすると、グリッドの目の方向(格子長さ方向)を表す極めて周波数の成分がウェーブレット変換係数信号のうちの低周波側の成分(信号L1)に現れるので、この低周波側のウェーブレット変換係数信号L1について、さらにグリッド成分を低減する処理、例えば同方向の1次元ウェーブレット変換を繰り返し施した後(図14(C)参照)に最も低周波のウェーブレット変換係数信号をゼロにしたり、あるいはハイパスフィルタでグリッド成分を除く原画像を表す信号成分のみを抽出することで、グリッド成分を表す極めて周波数の成分を抑制することができる。
【0084】
したがって、このグリッド成分が低減された信号を用いて1次元逆ウェーブレット変換を施して画像を復元したときには、復元の解像度レベルに拘わらず、グリッドの成分が低減された画像を復元することができる。
【0085】
なお、図14に示した態様においても、実際に使用されるグリッド方向の如何に関わらず、使用が予定された静止グリッドの各グリッド方向について上述の処理をそれぞれ施すものとすることができる。例えば図14に示した副走査方向の処理に加えて、主走査方向の処理を行なうものとし、最終的に得られた2つの画像のうち、グリッド成分の少ない方の画像を使用するようにすることもできる。
【0086】
また上記説明は、実空間領域で表される画像信号Sを周波数領域で取り扱うことのできる画像信号に変換するに際して、ウェーブレット変換処理を用いた多重解像度分解処理を使用するものとして説明したが、画像信号に含まれる静止グリッド成分を含む所望範囲の周波数成分を低減する処理を施すことができるものである限り、どのような変換方法を用いてもよい。例えばラプラシアンピラミッド展開を用いた多重解像度分解処理を使用することもできる。また、実空間領域表現された画像信号をフーリエ変換して周波数領域表現された信号(周波数スペクトル)にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】放射線画像撮影装置の概略を示した図
【図2】グリッド撮影により得られた放射線画像を示す図
【図3】放射線画像読取装置の一例を示す斜視図
【図4】走査方向と読取画像との関係を示した図
【図5】本発明による周期的パターン抑制処理装置の一態様としての画像信号処理部の概略を表すブロック図
【図6】ウェーブレット変換部において行われるウェーブレット変換処理を説明するための機能ブロック図
【図7】ウェーブレット変換手段の詳細を示したブロック図
【図8】ウェーブレット変換フィルタにおけるローパスフィルタの周波数応答特性を示す図
【図9】原画像信号をウェーブレット変換して各成分に分解した結果を示す図
【図10】1次元ウェーブレット変換を繰り返し施すことによる効果を説明する模式図
【図11】逆ウェーブレット変換部の構成を示す概略ブロック図
【図12】逆ウェーブレット変換手段において行われる逆ウェーブレット変換処理を説明するための機能ブロック図
【図13】本願発明の効果を説明する図
【図14】本願発明の他の態様を説明する図
【符号の説明】
4 静止グリッド
5 被写体像
6 グリッド像
11 蓄積性蛍光体シート
30 画像信号処理部(周期的パターン抑制装置の一態様)
32 ウェーブレット変換部(画像信号変換手段の一態様)
34 逆ウェーブレット変換部
35 静止グリッド方向判定手段
36 静止グリッド成分抑制手段
Claims (16)
- 画像信号中の周期的パターンを形成する空間周波数成分を低減する周期的パターン抑制処理方法であって、
実空間領域で表された前記画像信号を周波数領域で取り扱うことのできる変換画像信号に変換する第1のステップと、
該変換画像信号から、該周期的パターンの配列方向に垂直な方向における空間周波数が所定の値より小さい信号成分を低減することにより、該変換画像信号のうち、前記周期的パターンの配列方向近傍のみにおける少なくとも該周期的パターンの周波数に対応する空間周波数の成分を含む所望の周波数範囲の画像信号を低減する第2のステップとを有することを特徴とする周期的パターン抑制処理方法。 - 静止グリッドを使用した撮影により得られた画像信号中の、前記静止グリッドに起因する空間周波数成分を低減する周期的パターン抑制処理方法であって、
実空間領域で表された前記画像信号を周波数領域で取り扱うことのできる変換画像信号に変換する第1のステップと、
該変換画像信号から、該静止グリッドの格子長さ方向における空間周波数が所定の値より小さい信号成分を低減することにより、該変換画像信号のうち、前記静止グリッドの格子配列方向近傍のみにおける少なくとも該静止グリッドの格子配列周波数に対応する空間周波数の成分を含む所望の周波数範囲の画像信号を低減する第2のステップとを有することを特徴とする周期的パターン抑制処理方法。 - 前記第1のステップが、前記静止グリッドの空間周波数以上のレスポンスが略ゼロとなるように帯域分割するローパスフィルタを用いて前記画像信号に対して2次元ウェーブレット変換を施すことにより複数の前記変換画像信号を得るものであり、
前記第2のステップが、前記複数の変換画像信号のうちの、前記格子配列周波数に対応する空間周波数の成分を含む信号について、さらに、所定周波数以下の成分を低減する処理を施し、その後、逆ウェーブレット変換を行なうものであることを特徴とする請求項2記載の周期的パターン抑制処理方法。 - 前記第2のステップが、前記格子配列周波数に対応する空間周波数の成分を含む変換画像信号に対して、該静止グリッドの格子長さ方向について、所定の帯域分割フィルタを用いて1次元ウェーブレット変換を所定回数だけ再帰的に繰り返し施し、該1次元ウェーブレット変換により得られた複数の画像信号のうちの、低周波成分の変換係数をゼロにし、その後、1次元逆ウェーブレット変換を施すことにより、前記所定周波数以下の成分を低減するものであることを特徴とする請求項3記載の周期的パターン抑制処理方法。
- 前記第2のステップが、前記複数の変換画像信号のパワーをそれぞれ求め、求めた各パワーがそれぞれ所定の閾値よりも大きいか否かに基づいて、前記静止グリッドの格子長さ方向を判定し、この判定結果に基づいて、前記所定周波数以下の成分を低減する処理を施すものであることを特徴とする請求項3または4記載の周期的パターン抑制処理方法。
- 使用が予定された各静止グリッドについて、前記第2のステップによる処理を施すことを特徴とする請求項3または4記載の周期的パターン抑制処理方法。
- 前記第1のステップが、前記実空間領域で表された画像信号に対して、前記静止グリッドの格子長さ方向について、所定の帯域分割フィルタを用いて1次元ウェーブレット変換を施すことにより複数の前記変換画像信号を得るものであり、
前記第2のステップが、前記複数の変換画像信号のうちの、前記静止グリッドの格子配列周波数に対応する空間周波数の成分を含む低周波側の変換画像信号について、さらに、所定周波数以下の成分を低減する処理を施し、その後、逆ウェーブレット変換を行なうものであることを特徴とする請求項2記載の周期的パターン抑制処理方法。 - 使用が予定された各静止グリッドについて、前記第1および第2の各ステップによる処理を施すことを特徴とする請求項7記載の周期的パターン抑制処理方法。
- 画像信号中の周期的パターンを形成する空間周波数成分を低減する周期的パターン抑制処理装置であって、
実空間領域で表された前記画像信号を周波数領域で取り扱うことのできる変換画像信号に変換する画像信号変換手段と、
該変換画像信号から、該周期的パターンの配列方向に垂直な方向における空間周波数が所定の値より小さい信号成分を低減することにより、該変換画像信号のうち、前記周期的パターンの配列方向近傍のみにおける少なくとも該周期的パターンの周波数に対応する空間周波数の成分を含む所望の周波数範囲の画像信号を低減する周期的パターン成分抑制手段とを備えたことを特徴とする周期的パターン抑制処理装置。 - 静止グリッドを使用した撮影により得られた画像信号中の、前記静止グリッドに起因する空間周波数成分を低減する周期的パターン抑制処理装置であって、
実空間領域で表された前記画像信号を周波数領域で取り扱うことのできる変換画像信号に変換する画像信号変換手段と、
該変換画像信号から、該静止グリッドの格子長さ方向における空間周波数が所定の値より小さい信号成分を低減することにより、該変換画像信号のうち、前記静止グリッドの格子配列方向近傍のみにおける少なくとも該静止グリッドの格子配列周波数に対応する空間周波数の成分を含む所望の周波数範囲の画像信号を低減する静止グリッド成分抑制手段とを備えたことを特徴とする周期的パターン抑制処理装置。 - 前記画像信号変換手段が、前記静止グリッドの空間周波数以上のレスポンスが略ゼロとなるように帯域分割するローパスフィルタを用いて前記画像信号に対して2次元ウェーブレット変換を施すことにより複数の前記変換画像信号を得るものであり、
前記静止グリッド成分抑制手段が、前記複数の変換画像信号のうちの、前記静止グリッドの格子配列周波数に対応する空間周波数の成分を含む画像信号について、さらに、所定周波数以下の成分を低減する処理を施し、その後、逆ウェーブレット変換を行なうものであることを特徴とする請求項10記載の周期的パターン抑制処理装置。 - 前記静止グリッド成分抑制手段が、前記格子配列周波数に対応する空間周波数の成分を含む変換画像信号に対して、該静止グリッドの格子長さ方向について、所定の帯域分割フィルタを用いて1次元ウェーブレット変換を所定回数だけ再帰的に繰り返し施し、該1次元ウェーブレット変換により得られた複数の画像信号のうちの、低周波成分の変換係数をゼロにし、その後、1次元逆ウェーブレット変換を施すことにより、前記所定周波数以下の成分を低減するものであることを特徴とする請求項11記載の周期的パターン抑制処理装置。
- 前記複数の変換画像信号のパワーをそれぞれ求め、求めた各パワーがそれぞれ所定の閾値よりも大きいか否かに基づいて、前記静止グリッドの格子長さ方向を判定する静止グリッド方向判定手段をさらに備え、
前記静止グリッド成分抑制手段が、該静止グリッド方向判定手段による判定結果に基づいて、前記所定周波数以下の成分を低減する処理を施すものであることを特徴とする請求項11または12記載の周期的パターン抑制処理装置。 - 前記静止グリッド成分抑制手段が、使用が予定された各静止グリッドについて前記所定周波数以下の成分を低減する処理を施すものであることを特徴とする請求項11または12記載の周期的パターン抑制処理装置。
- 前記画像信号変換手段が、前記実空間領域で表された前記画像信号に対して、前記静止グリッドの格子長さ方向について、所定の帯域分割フィルタを用いて1次元ウェーブレット変換を施すことにより複数の前記変換画像信号を得るものであり、
前記静止グリッド成分抑制手段が、前記複数の変換画像信号のうちの、前記静止グリッドの格子配列周波数に対応する空間周波数の成分を含む低周波側の画像信号について、さらに、所定周波数以下の成分を低減する処理を施し、その後、逆ウェーブレット変換を行なうものであることを特徴とする請求項10記載の周期的パターン抑制処理装置。 - 前記画像信号変換手段が、使用が予定された各静止グリッドの格子長さ方向についいて、前記1次元ウェーブレット変換を施すものであり、
前記静止グリッド成分抑制手段が、前記使用が予定された各静止グリッドにつて前記低減する処理および前記逆ウェーブレット変換を行なうものであることを特徴とする請求項15記載の周期的パターン抑制処理装置。
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