JP4265028B2 - 二本鎖dnaの特異的切断方法およびそのためのキット - Google Patents

二本鎖dnaの特異的切断方法およびそのためのキット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二本鎖DNAの特異的切断方法および該切断方法に使用するためのキットに関する。
【0002】
【従来の技術】
二本鎖DNAの特異的切断は、組換えDNA実験やヒトゲノムプロジェクトをはじめとする生物体ゲノムプロジェクトにおける遺伝子の解析において欠くことのできない手段である。このような特異的切断の有力なツールとしては、特定位置で二本鎖DNAを切断するクラスII制限酵素が挙げられる。これらの酵素としては、個々にDNA上の約60種を超える特異的塩基(またはヌクレオチド)配列を切断するものが知られている。特定位置でDNAを切断する制限酵素はある面では上記組換えDNA実験やゲノムプロジェクトにおいて有利に使用できるが、特定位置をもたないDNAは切断できず、逆に特定位置を複数もつDNAは一箇所のみで切断することが困難である。
【0003】
たとえば、上記のようなゲノムプロジェクトから得られる遺伝子情報をより有効に活用するためには、所望の位置で二本鎖DNAを特異的に切断する技法を確立する必要がある。このような技法として、三重鎖DNAの形成を介する化学的方法(S. A. Strobel et al., Science, 249,73−75(1990))、および同様に三重鎖DNAの形成を介する酵素法が提案されている。後者の酵素法のうち興味深いものとしては、切断すべき箇所を相同組換え反応に関与するrecAタンパク質および二本鎖DNAと相同な配列を有する一本鎖DNAを用いる三重鎖形成により保護し、三重鎖以外の二重鎖DNAをメチラーゼで処理し次いで、三重鎖解離後にこの部分だけを制限酵素で1箇所切断しようとするものが挙げられる(L. J. Ferrin, et al., Science, 254,1494−1497(1991))。さらに、三重鎖形成の別法としては、ポリプリン・ポリピリミジン配列を有する二本鎖DNAとポリピリミジンの一本鎖DNAとの間でフーグスティーン(Hoogsteen)または逆フーグスティーン構造の三重鎖を形成する方法も知られている。
【0004】
しかし、化学的方法はDNAの特異的切断方法としてはすぐれているものの、一般に切断効率が低く、一方、上記酵素法はDNAを1箇所のみ切断するとの観点ではすぐれているものの特定位置を切断する制限酵素を使用するためメチラーゼ処理を必要とすると同時に、そのような制限酵素が切断できる特定位置を有するDNAにしか適用できない点で、適用範囲が限定される。
【0005】
したがって、ヌクレオチド配列に関係なく所望の位置を特異的に簡易かつ効率よく切断しうる技法の開発が待たれていた。
【0006】
【発明の構成】
本発明者は、二本鎖DNAと一本鎖DNAまたはPNAとから形成された三重鎖DNA部分を有する二本鎖DNAが、メチラーゼ処理を要することなく、直接一定のヌクレアーゼにより該二本鎖DNAにおける三重鎖DNA部分のいずれかの位置またはそれに隣接する位置におけるホスホジエステル結合を特異的に切断できることを見いだした。また逆に、二本鎖DNAもしくは二本鎖DNA部分は、三重鎖DNAの形成を促進しうる相同的組換えタンパク質およびヌクレオシド三リン酸またはその類似体の共存下では、ヌクレアーゼによる切断に対する耐性が増強されることも見いだした。すなわち、本発明はかかる知見に基づくものである。
【0007】
したがって、本発明は、酸素を使用する二本鎖DNAの特異的切断方法であって、
(A) 切断すべき二本鎖DNAと、該DNAにおける特定領域のヌクレオチド配列に対して実質的に相同なヌクレオチド配列を含んでなる一本鎖DNA分子または相同な塩基配列を含むPNAとの三重鎖DNA部分を有する複合体を形成し、
(B) こうして得られた複合体を、該二本鎖DNAにおける三重鎖DNA部分を認識しかつ該三重鎖DNA部分のいずれかまたはそれに隣接する部分のホスホジエステル結合を切断しうるヌクレアーゼにより切断し、そして
(C) 必要により、該ヌクレアーゼを不活化する、
工程を含んでなることを特徴とする方法に関する。
【0008】
本発明の好適な態様としては、上記二本鎖DNAと一本鎖DNA分子との三重鎖DNA部分を有する複合体の形成工程は、相同的組換えタンパク質およびヌクレオシド三リン酸またはその類似体の共存下で実施される。
【0009】
別の態様の本発明は、二本鎖DNA含有組成物中に相同的組換えタンパク質およびヌクレオチド三リン酸を共存させることを特徴とする二本鎖DNAのヌクレアーゼによる切断に対する耐性の増強方法に関する。
【0010】
また別の態様の本発明は、酵素を使用する二本鎖DNAの特異的切断用のキットであって、
(a) 二本鎖DNAと、該DNAにおける特定領域のヌクレオチド配列に対して実質的に相同なヌクレオチド配列を含んでなる一本鎖DNA分子または相同な塩基配列を含むPNAとから形成される三重鎖DNA部分を有する複合体を該二本鎖DNAにおける三重鎖DNA部分を認識しかつ該三重鎖DNA部分のいずれかまたはそれに隣接する部分のホスホジエステル結合を切断しうるヌクレアーゼ、
(b) 相同的組換えタンパク質、
(c) ヌクレオシド三リン酸またはその類似体、および
(d) 場合により、緩衝剤
の組み合わせを含んでなるキットに関する。
【0011】
なお、本明細書において、核酸、ペプチド核酸(PNA)、ヌクレオチドおよびその他の化合物もしくは試薬について略号を用いて記載している場合は、当該技術分野で慣用されている様式に従っている。
【0012】
本発明に従い切断できる二本鎖DNAは、その中にポリプリン・ポリピリミジン配列、具体的にはポリアデニンとポリチミンの間、ポリグアニンとポリシトシンの間の結合により二本鎖を形成しているか、あるいはクラスII制限酵素による切断部位を有するか否かにかかわりなく、如何なる種類の配列を有するものであってもよい。また、二本鎖DNAは直鎖状および環状のいずれの形状をしているものであってもよく、さらに、理論上それらの鎖長に上限は存在しない。すなわち、本発明に従って、一本鎖DNA分子またはPNAと三重鎖DNA部分を有する複合体を形成しうるのに必要な最低鎖長を有する二本鎖DNAであれば、3000Mbpといわれるヒトゲノムの全長をもつものであっても、本発明の特異的切断方法の対象とすることができる。勿論、上記最低鎖長を有する二本鎖DNAであればゲノムDNAクローンから取得されるもの、全もしくは半化学合成的に生成されたものであるか否かを問うことなく、すべて上記の対象となりうる。
【0013】
さらにまた、切断の対象となる二本鎖DNAは上記三重鎖DNA部分を有する複合体を形成しうるものであるかぎり、該部分の二本鎖DNA内に1以上の不適正塩基対部位を有しうるものであってもよい。したがって、本発明にいう「三重鎖DNA」の語は、二本鎖DNAと一本鎖DNAもしくはPNAとの間で、必ずしも、ワトソン・クリック型塩基対もしくはフーグスティーン型塩基対のような特定の構造をとっていることを意味するものでなく、三重鎖の形成に関与する二本鎖DNAにおける塩基配列と一本鎖DNAもしくはPNAにおける塩基配列の間で何等かの特異的な相互作用によって三重鎖が形成されているものを意味する。
【0014】
本発明に従えば、上記のような二本鎖DNA中に切断を起こさせるためには、該二本鎖DNAと、該二本鎖DNA中に切断を起こさせるべき箇所(ホスホジエステル結合部)を包含するかまたはその箇所に隣接するヌクレオチド配列に相同なヌクレオチド配列を有する一本鎖DNA分子または相同な塩基配列を有するPNAとの間で三重鎖(triplex)DNA部分を有する複合体を形成する必要がある。
【0015】
そのために、「一本鎖DNA分子」は、二本鎖DNAの一方の鎖に実質的に相同なヌクレオチド配列を少なくとも分子中に有するものである。実質的に相同な程度は、相同なヌクレオチド配列の鎖長によって若干変動するが、少なくとも70%、好ましくは90%以上のヌクレオチドが対応する二本鎖DNAのそれらと同一であることが必要である。この相同性は、例えば、Lion,Heidelberg により市販されているプログラム bio SCOUT を用いて決定することもできる。しかし、切断箇所により厳密な特異性をもたせるには、100%のヌクレオチドが二本鎖DNAと同一であることがより好ましい。該一本鎖DNA分子は上記相同なヌクレオチド配列部分に加えて、追加のヌクレオチド配列を含んでいてもよく、さらにはペプチドが付加されていてもよい。ペプチドが付加されている一本鎖DNAの例としては、所謂、PNAと称されている、Igloi GL,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.1998,95(15):8562−7;Kuhn H.et al.,J.Mol.Biol.1999.286(5):1337−1345に記載されているものを挙げることができる。しかし、一本鎖DNA分子は、その全体が切断すべき(もしくは標的)二本鎖DNAの特定領域のヌクレオチド配列と実質的に相同なヌクレオチド配列からなるものが好ましい。この相同なヌクレオチド配列部分の鎖長は、4mer以上、好ましくは15mer以上、さらに好ましくは20mer以上であり、理論上、上限はないが、好ましくは150mer以下である。
【0016】
また、上述のように、三重鎖DNA部分を有する複合体には二本鎖DNAと、二本鎖DNAにおける特定のヌクレオチド配列と相同な塩基(すなわち、アデニン(A)、グアニン(G)、チミン(T)またはシトシン(C))配列をもつペプチド核酸(PNA)とによって形成されたものも包含される。PNAは、核酸を構成するA、G、T、Cの塩基がリン酸結合でなくペプチド結合によって連結された配列を有するものとして、一般的に公知の化合物である。このようなPNAは、塩基の単位を少なくとも4個有するものでも本発明にいう三重鎖DNA部分を有する複合体を形成できる。したがって、PNAは比較的短い鎖長の二本鎖DNAの特定位置(ホスホジエステル結合)を切断するのに好都合であろう。PNAを用いる三重鎖(Triplex)DNAの形成については、例えば、Frank-Kamenetskii et al.,の Ann. Rev. Biochem. 1995,64:65−95参照されたい。
【0017】
本発明に従えば「三重鎖DNA部分を有する複合体」は、本発明の目的に沿うものである限り、如何なる様式もしくは技法によって形成されたものであってもよい。しかし、三重鎖DNAの形成は、一般的に、三重鎖DNAの形成を促進することが知られている相同的組換えタンパク質およびヌクレオシド三リン酸またはその類似体の存在下で行うのが好ましい。相同的組換えタンパク質(または普遍的組換えに関与する多機能性タンパク質)は、その存在下で上記二本鎖DNAと上記一本鎖DNA分子またはPNAが、該タンパク質を介して安定な複合体を形成しうるものであれば、起源を問うことなく、いかなるタンパク質であってもよい。しかし、かようなタンパク質の具体的なものとしては、大腸菌(Escherichia coli)に由来するrecAタンパク質、耐熱性細菌(Thermus thermophilus)、他の腸内細菌において、recA遺伝子によりコードされている多機能性タンパク質、また、アグロバクテリウム ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、枯草菌(Bacillus subtilis)、メチロフィルス メチロトローファス(Methylophilus methylotrophus)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、ウスティラゴ メイディス(Ustilago maydis)等に由来する、それ自体既知のrecA類似タンパク質が挙げられる。その他、酵母(Saccharomyces cerevisiae)やヒトに由来するrecA類似タンパク質も、上記相同的組換えタンパク質に包含される。これらのうち、入手容易性、安定性、機能性の観点から、大腸菌に由来するrecAタンパク質またはそれに類似する機能を有するタンパク質(例えば、該タンパク質に由来する改変タンパク質もしくはその断片)を使用することが好ましい。改変タンパク質としては、recA遺伝子の部位特異的変異誘発等により作出されたrecA遺伝子産物であって、recAタンパク質において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつrecAタンパク質と同様に上記三重鎖DNA部分を有する複合体を形成しうる機能を有するものを挙げることができる。数個のアミノ酸が欠失したものには、recAタンパク質の一本鎖DNAへの結合ドメインを含むタンパク質もしくはペプチドが包含される。このようなペプチドの例としては、Voloshin et al., Science, Vol. 272,1996:868−872に記載されているものを挙げることができる。なお、以上より理解できるように、本発明にいうタンパク質の語は、ペプチドをも包含する概念で使用している。
【0018】
ヌクレオシド三リン酸またはその類似体としては、アデノシン5′−三リン酸(ATP)またはその類似体、例えばアデノシン(γ−チオ)−三リン酸(ATP−γS)、あるいはdATP、UTP、dUTP、CTP、dCTPまたはGTPなどを挙げることができる。これらは、さらにヌクレオシド二リン酸(例えば、ADP)と組み合わせて使用することもできる。なお、上記複合体を形成する系において、ATPが生物学的な分解を伴うような場合には、ヌクレオシド三リン酸の類似体(例えば、ATP−γS)を使用するのが好ましい。
【0019】
上記のような二本鎖DNAと一本鎖DNA分子またはPNAとの間における三重鎖形成反応条件について、本発明の好ましい態様である大腸菌由来のrecAタンパク質とATP−γSを使用する場合を例に説明する。この反応は、適当な緩衝剤によって緩衝化されていてもよい水溶液中で行う。緩衝剤を使用する場合は、例えばトリス[すなわち、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン]と適当な酸(例えば酢酸、塩酸、等)とによりpHを6.5〜7.5、好ましくは約7.2に調節したトリス系の緩衝液を使用する。緩衝剤は一般に10mM〜50mM、好ましくは約30mMで使用する。
【0020】
このような緩衝液中に二本鎖DNAおよび一本鎖DNAもしくはPNAを溶解する。これらの核酸類を溶解する濃度は、それらが十分に溶解するものであればよく、当業者であれば後述する実施例に従って小実験を行うことにより最適濃度を決定できるであろう。二本鎖DNAに対する一本鎖DNAもしくはPNAの使用割合は、約2〜10倍モルとするのがよい。recAタンパク質は、一本鎖DNAもしくはPNAの塩基3単位当たりrecA 1分子に相当するように加え、またATP−γSはrecA反応緩衝液に0.5mM〜5mMになるように加える。recAタンパク質は、一本鎖DNAもしくはPNAと複合体を形成するのに必要な割合以上で使用されるのが好ましい。過剰なrecAタンパク質は三重鎖の形成に関与しない二本鎖DNA部分をヌクレアーゼの攻撃に対して耐性にすることができる。こうして調製した反応液を、4〜54℃、好ましくは約37℃において5分以上、一般に約30分インキュベートすることにより、目的とする三重鎖DNAの複合体を形成することができる。
【0021】
本願発明によれば、上記のように形成された複合体が、二本鎖DNAにおける三重鎖DNA部分を認識しかつ該三重鎖DNA部分のいずれかまたはそれに隣接する部分のホスホジエステル結合を切断しうるヌクレアーゼ、好ましくはエンドヌクレアーゼによる切断反応に供される。上記三重鎖DNA部分を認識するとは、ヌクレアーゼが選択的に三重鎖DNA部分に基づき作用しうることを意味する。こうして、本発明で使用するヌクレアーゼは、三重鎖DNA部分の5′末端側に隣接するもしくはその近傍の二本鎖DNAにおけるホスホジエステル結合を優先的に切断し、また、場合によって、三重鎖DNA部分の3′末端側に隣接するもしくはその近傍の二本鎖DNAにおけるホスホジエステル結合もしくは三重鎖DNA部分の二本鎖DNA内のいずれかのホスホジエステル結合をも切断することができるものである。
【0022】
本発明で使用するヌクレアーゼには上記の機能を有するヌクレアーゼのすべてが包含される。かりに、ヌクレアーゼが上記機能以外に三重鎖以外の二本鎖DNA部分を切断する能力を有する場合には、上述したように、recAタンパク質をはじめとする相同的組換えタンパク質を一本鎖DNAもしくはPNAとの複合体を形成するのに必要とされる以上の量存在させ、そして、必要によりヌクレオシド三リン酸またはその類似体を共存させることにより、ヌクレアーゼの攻撃から二本鎖DNA部分を防ぐことができるので、かようなヌクレアーゼも本発明にいうヌクレアーゼに包含される。限定されるものでないが、ヌクレアーゼとしてはアスペルギルス オリーゼ(Aspergillus oryzae)を起源とするヌクレアーゼS1、Mung bean sprouts を起源とするマングビーンヌクレアーゼ、アルテロモナス エスペジアナ(Alteromonas espejiana)BAL31を起源とするBAL31ヌクレアーゼを挙げることができる。
【0023】
以上のようなエンドヌクレアーゼによる二本鎖DNAの切断反応は、使用する酵素の種類に応じて最適条件が変動するが、例示したヌクレアーゼはいずれも市販されており、各種研究で使用されているので、本発明においてもそれらに準じた条件下または改善した条件下で使用することができる。参考までに、ヌクレアーゼS1を使用する場合について、説明を加える。先行する三重鎖DNAを形成した反応液を、例えば酢酸を加えて、pHを4.0〜4.6に調節した後、ヌクレアーゼS1を添加するか、あるいはヌクレアーゼS1を含む溶液を別途調製しておき、これに上記反応液を加えて、必要により、pHを4.0〜4.6に調節する。さらにこれらの混合液には、適当濃度のNaCl水溶液およびZnSO4水溶液を加え、次いで25℃〜85℃、好ましくは45℃以上、より好ましくは約55℃において混合液をインキュベートする。インキュベートする時間は、上記条件下で60分以上を選ぶことにより、二本鎖DNAの上述したホスホジエステル結合を少なくとも40%、さらには約80%もしくはそれ以上切断することができる。
【0024】
必要により、この混合液におけるヌクレアーゼを不活化するには、混合液を適当な緩衝剤でpH8.8付近に高めるか、該混合液にキレート剤(例、エチレンジアミン四酢酸)を加えるか、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を加えるか、またはタンパク質分解酵素(例、プロティナーゼK)を加え、あるいはこれらの処置を組み合わせて行った後、例えば、37℃で10分以上インキュベートすればよい。こうして得られる反応混合から切断された二本鎖DNAの回収は、それ自体公知の溶媒(例、フェノール、クロロホルム等)抽出により除タンパク質処理を行った後、適当なカラムクロマトグラフィーを使用して行うことができる。
【0025】
上述したように、部分的に三重鎖DNA構造を有する二本鎖DNAの二本鎖部分は、ヌクレアーゼによる処理に際して、相同的組換えタンパク質およびヌクレオシド三リン酸またはその類似体の共存下が該酵素による作用を実質的に受けなくなる。このことは、本発明に従う、二本鎖DNAの切断の特異性を高めるのに寄与する。本発明者は、このような相同的組換えタンパク質およびヌクレオシド三リン酸の奏する効果が、三重鎖DNA部分の有無にかかわりなく、広く二本鎖DNAにおいて達成され、また、エンドヌクレアーゼのみならず、エキソヌクレアーゼに対しても発揮されることを見い出した。
【0026】
したがって、別の態様の本発明として、二本鎖DNA含有組成物中に相同的組換えタンパク質およびヌクレオチド三リン酸またはその類似体を共存させることを特徴とする二本鎖DNAのヌクレアーゼによる切断に対する耐性の増強方法が提供される。ここにいう相同的組換えタンパク質およびヌクレオシド三リン酸またはその類似体の具体例な説明は上記に同じである。
【0027】
また、別の態様の本発明として、上記二本鎖DNAの特異的切断に使用することのできる試薬類の組み合わせからなるキットも提供される。かかるキットは、
(a)二本鎖DNAと、該DNAにおける特定領域のヌクレオチド配列に対して実質的に相同なヌクレオチド配列を含んでなる一本鎖DNA分子または相同な塩基配列を含むPNAから形成される三重鎖DNA部分を有する複合体を該二本鎖DNAにおける該三重鎖DNA部分を認定しかつ該三重鎖DNA部分のいずれかまたはそれに隣接する部分もしくは近傍のホスホジエステル結合を切断しうるヌクレアーゼ、
(b)相同的組換えタンパク質、
(c)ヌクレオシド三リン酸またはその類似体、および
(d)場合により、緩衝剤
の組み合わせを含んでなる。
【0028】
ここに記載されているエンドヌクレアーゼ、相同的組換えタンパク質、ヌクレオシド三リン酸は、前述の二本鎖DNAの特異的切断について説明したとおりである。また、「組み合わせ」とは、上記の各試薬類が同一の場所で組み合わされるか、または異なる場所(例えば、試薬の一部がある供給業者から、そして他の試薬が別の供給業者から)提供され、使用者の実験室等で組み合わされる場合をも包含される概念として使用されている。さらに、本発明に従うキットには、二本鎖DNAの特異的切断方法についての説明書、該方法を実施するための実験器具等(例えば、除タンパク質のクロマトグラフィー用カラム、タンパク質吸着フィルター付きチューブ)を含めることができる。
【0029】
本発明によれば、如何なるヌクレオチド配列を含む二本鎖DNAであっても、その特定のホスホジエステル結合を1箇所、所望により複数箇所切断することができ、また、二本鎖DNAの鎖長は、理論上、無限大のものであっても特異的に切断できる。したがって、本発明は、遺伝子組換え実験、特定のタンパク質をコードするDNA断片の調製、ゲノムからの目的とするエキソン部位の切り出しとその部位のクローニング、ゲノムライブラリーの解析、等の技術分野において有用である。
【0030】
【実施例】
以下、具体例を挙げて本発明をさらに説明するが、これらの具体例の提示は本発明の範囲をこれらに限定することを意図するものでない。
【0031】
実施例1:反応の酵素依存性
プローブとして、長さ60−merのオリゴヌクレオチド1(配列番号:1;60C−pBRt)と、標的DNA(pBR322DNA−具体的な配列については、Sutcliffe,J.G.,“Complete nucleotide sequence of the Escherichia coli plasmid pBR322”、JOURNAL,Cold Spring Harb. Symp. Quant.Biol.43Pt 1,77−90(1979)参照−を制限酵素EagIで直鎖状にしたもの)との間でrecA組み換え三本鎖形成反応を行った。
オリゴヌクレオチド1:
5′-actcac cagtcacaga aaagcatctt acggatggca tgacagtaag agaattatgc agtg -3′
その反応は、5pmolの60−merのオリゴヌクレオチド1、6.0μgのrecAタンパク(エピセンターテクノロジー社)、600ngの標的DNA、最終濃度0.48mMになるように加えたATP−γS(ベーリンガーマンハイム社)を、30mM酢酸トリス(pH7.2)、2.15mM酢酸マグネシウム緩衝液中に混ぜた。37℃で30分間インキュベートした。この時点での、反応液量は20μlである。次にその全量を、1000ユニットのS1ヌクレアーゼ(宝酒造社)、30mM酢酸ナトリウム(pH4.6)、280mM NaCl、1mM ZnSO4、を含むS1ヌクレアーゼ反応液に混ぜ、全量120μlとし、55℃で60分間インキュベートした。
【0032】
その後、その反応液に、150mM Tris−HCl(pH8.8)、20mM EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、0.5%(W/Vol)SDS、0.7mg/mlプロティナーゼKをこの順に加え、37℃で10分間インキュベートし、S1ヌクレアーゼを失活させた。さらに、フェノール・クロロフォルム抽出を1回、クロロフォルム抽出をI回行うことにより、除タンパク質処理を行った。
【0033】
その反応液全量に対し、1/10倍量3M酢酸ナトリウム、2倍量のエタノールを加え、冷却・遠心を行い、含まれるDNA分子を濃縮分離した後、DNA沈殿を10.0μlのTE緩衝液(10mM Tris−HCl pH8.0、1mMEDTA)に溶かし、その全量について、1%アガロースゲル電気泳動を行った。泳動後にエチジウムブロミド染色を行いゲルの写真を記録した。
【0034】
その結果を図1のレーン1に示す。レーンMはサイズマーカーで、そのサイズを図の左端に示す。レーン2は、recAタンパクを入れないで、レーン1と同じ反応を行った結果を示す。レーン3は、ATP−γSを入れないで、レーン1と同じ反応を行った結果を示す。レーン4は、オリゴヌクレオチドを入れないで、レーン1と同じ反応を行った結果を示す。レーン5は、オリゴヌクレオチド2(配列番号:2;60C−MBt2)を用いて、レーン1と同じ反応を行った結果を示す。
オリゴヌクレオチド2:
5′-gtattttacc cgtttaatgg aaacttcctc atgaaaaagt ctttagtcct caaagcctct- 3′
レーン6は、オリゴヌクレオチド2を用いて、標的DNAを制限酵素Hincllで切断したM13mp18RFに代えて、レーン1と同じ反応を行った結果を示す。M13mp18RFの塩基配列に関する情報は、Yanisch−Perron,C et.al.,Gene 33(1),103−119(1985)参照。
【0035】
図1によれば、全ての反応成分が加えてあるときのみ、標的DNAが切断されることがわかる。
【0036】
実施例2:反応に必要なオリゴヌクレオチドの長さ
図2を参照されたい。レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズを図の左端に示す。レーン1は、100−merの長さをもつオリゴヌクレオチド3(配列番号:3;100−pBR)を用いて、図1のレーン1と同じ反応を行った結果を示す。レーン2は、80−merの長さをもつオリゴヌクレオチド4(配列番号:4;80−pBR)を用いて、図1のレーン1と同じ反応を行った結果を示す。レーン3は、60−merの長さをもつオリゴヌクレオチド5(配列番号:5;60−pBR)を用いて、図1のレーン1と同じ反応を行った結果を示す。レーン4は、40−merの長さをもつオリゴヌクレオチド6(配列番号:6;40-pBR)を用いて、図1のレーン1と同じ反応を行った結果を示す。レーン5は、30−merの長さをもつオリゴヌクレオチド7(配列番号:7;30−pBR)を用いて、図1のレーン1と同じ反応を行った結果を示す。レーン6は、20−merの長さをもつオリゴヌクレオチド8(配列番号:8;20−pBR)を用いて、図1のレーン1と同じ反応を行った結果を示す。
オリゴヌクレオチド3:
5′-gtgtcacgct cgtcgtttgg tatggcttca ttcagctccg gttcccaacg atcaaggcga gttacatgat cccccatgtt gtgcaaaaaa gcggttagct-3′
オリゴヌクレオチド4:
5′-cgtcgtttgg tatggcttca ttcagctccg gttcccaacg atcaaggcga gttacatgat cccccatgtt gtgcaaaaaa-3′
オリゴヌクレオチド5:
5′-tatggcttca ttcagctccg gttcccaacg atcaaggcga gttacatgat cccccatgtt- 3′
オリゴヌクレオチド6:
5′-ttcagctccg gttcccaacg atcaaggcga gttacatgat-3′
オリゴヌクレオチド7:
5′-ctccg gttcccaacg atcaaggcga gttac-3′
オリゴヌクレオチド8:
5′-gttcccaacg atcaaggcga-3′
これらの結果によれば、切断に必要なオリゴヌクレオチドの長さは、20−mer以上が好ましく、60−mer以上がより好ましいことがわかる。
【0037】
実施例3:反応に必要なrecAタンパク濃度
図3を参照されたい。レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズを図の左端に示す。レーン1は8μgのrecAタンパク質を、レーン2は6μgのrecAタンパク質を、レーン3は4μgのrecAタンパク質を、そしてレーン4は2μgのrecAタンパク質を、それぞれ用いて図1のレーン1と同じ反応を行った結果を示す。レーン5はrecAタンパク質を用いないで同様の反応を行った結果を示す。この結果によれば、切断に必要なrecAタンパク質濃度は、20μlの三本鎖形成反応液量当たり、4μg以上のrecAタンパク量が望ましいことがわかる。
【0038】
実施例4:反応に必要なS1ヌクレアーゼ濃度
図4を参照されたい。レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズを図の左端に示す。レーン1は1000ユニットのS1ヌクレアーゼを、レーン2は800ユニットのS1ヌクレアーゼを、レーン3は600ユニットのS1ヌクレアーゼを、レーン4は400ユニットのS1ヌクレアーゼを、そしてレーン5は200ユニットのS1ヌクレアーゼを、それぞれ用いて、図1のレーン1と同じ反応を行った結果を示す。レーン6はS1ヌクレアーゼを用いないで同様の反応を行った結果を示す。
【0039】
これらの結果によれば、切断に必要なS1ヌクレアーゼ濃度は、120μlのS1ヌクレアーゼ反応液量当たり、好ましくは、600ユニット以上であることがわかる。
【0040】
実施例5:切断に必要なS1ヌクレアーゼ反応温度
図5を参照されたい。レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズを図の左端に示す。レーン1は37℃で、レーン2は45℃で、レーン3は55℃で、レーン4は65℃で、そしてレーン5は75℃で、それぞれ図1のレーン1と同じ反応を行った結果を示す。
【0041】
これらの結果によれば、切断に必要なS1ヌクレアーゼ反応温度は、好ましくは45℃以上であることがわかる。
【0042】
実施例6:変異を入れたオリゴヌクレオチドの使用
図6を参照されたい。レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズを図の左端に示す。レーン1は、図1のレーン1はオリゴヌクレオチド5を、レーン2は、変異が1個入ったオリゴヌクレオチド9(配列番号:9)を、レーン3は変異が3個入ったオリゴヌクレオチド10(配列番号:10)を、レーン4は変異が5個入ったオリゴヌクレオチド11(配列番号:11)を、そしてレーン5は変異が7個入ったオリゴヌクレオチド12(配列番号:12)を、それぞれ用いて図1のレーン1と同じ反応を行った結果を示す。
オリゴヌクレオチド9:
5′-tatggcttca ttcagctccg gttcccaacg gtcaaggcga gttacatgat cccccatgtt- 3′
オリゴヌクレオチド10:
5′-tatggcttca ttcagctcca gttcccaacg gtcaaggcga attacatgat cccccatgtt- 3′
オリゴヌクレオチド11:
5′-tatggcttca ctcagctcca gttcccaacg gtcaaggcga attacatgat accccatgtt- 3′
オリゴヌクレオチド12:
5′-catggcttca ctcagctcca gttcccaacg gtcaaggcga attacatgat accccatgtg- 3′
これらの結果によれば、オリゴヌクレオチド中の5個以内の変異では、切断が可能であることがわかる。
【0043】
実施例7:recAタンパク質の、ターゲットDNAブロッキング効果
標的DNA(M13mp18RF DNAを制限酵素Hinc IIで直鎖状にしたもの)を、recAタンパク質で覆う反応を行った。その反応は、6.0μgのrecAタンパク質(エピセンターテクノロジー社)、600ngの標的DNA、最終濃度0.48mMになるように加えたATP−γS(ベーリンガーマンハイム社)を、30mM酢酸トリス(pH7.2)、2.15mM酢酸マグネシウム緩衝液中に混ぜた。37℃で30分間インキュベートした。この時点での、反応液量は20μlである。次に、その全量を、1000ユニットS1ヌクレアーゼ(宝酒造社)、30mM酢酸ナトリウム(pH4.6)、280mM NaCl、1mM ZnSO4、を含むS1ヌクレアーゼ反応液に混ぜ、全量120μlとし、55℃で60分間インキュベートした。その後、その反応液に、150mM Tris−HCl(pH8.8)、20mM EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、0.5%(W/Vol)SDS、0.7mg/mlプロティナーゼKを加え、37℃で10分間インキュベートし、S1ヌクレアーゼを失活させた。さらに、フェノール・クロロフォルム抽出を1回、クロロフォルム抽出を1回行うことにより、除タンパク質処理を行った。その反応液全量に対し、1/10倍量5M酢酸ナトリウム、2倍量のエタノールを加え、冷却・遠心を行い、含まれるDNA分子を濃縮分離した後、DNA沈殿を10.0μlのTE緩衝液(10mM Tris−HCl pH8.0、1mM EDTA)に溶かし、その全量について、1%アガロースゲル電気泳動を行った。泳動後にエチジウムブロミド染色を行いゲルの写真を記録した。
【0044】
その結果を図7のレーン1に示す。レーン2は、標的DNAを制限酵素Eaglで直鎖状にした、pBR322DNAを用いて、レーン1と同じ反応を行った結果を示す。レーン3は、ATP−γSを入れないで、レーン1と同じ反応を行った結果を示す。レーン4は、ATP−γSを入れないで、レーン2と同じ反応を行った結果を示す。レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズを図の左端に示す。
【0045】
これらの結果によれば、活性型、つまり、DNAに結合能のあるrecAタンパク質が、標的DNAを、ヌクレアーゼによる非特異的な切断から保護していることがわかる。
【0046】
実施例8:オリゴヌクレオチドの末端塩基による、切断の影響
図8を参照されたい。レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズをデータの左に示す。レーン1は、5′末端がAである、オリゴヌクレオチド13(配列番号:13)を用いて、図1のレーン1と同じ反応を行った結果を示す。レーン2は、5′末端がGである、オリゴヌクレオチド14(配列番号:14)を用いて、図1のレーン1と同じ反応を行った結果を示す。レーン3は、5′末端Cである、オリゴヌクレオチド15(配列番号:15)を用いて、図1のレーン1と同じ反応を行った結果を示す。レーン4は、5′末端がTである、オリゴヌクレオチド16(配列番号:16)を用いて、図1のレーン1と同じ反応を行った結果を示す。
オリゴヌクレオチド13:
5′-agctagagta agtagttcgc cagttaatag tttgcgcaac gttgttgcca ttgctgcagg- 3′
オリゴヌクレオチド14:
5′-gctagagtaa gtagttcgcc agttaatagt ttgcgcaacg ttgttgccat tgctgcaggc- 3′
オリゴヌクレオチド15:
5′-ctagagtaag tagttcgcca gttaatagtt tgcgcaacgt tgttgccatt gctgcaggca- 3′
オリゴヌクレオチド16:
5′-tagagtaagt agttcgccag ttaatagttt gcgcaacgtt gttgccattg ctgcaggcat- 3′
これらの結果によれば、標的DNAの切断は、オリゴヌクレオチドの末端塩基に影響されないことがわかる。
【0047】
実施例9:ATP−γSに代え、ATP−γS・ADP混合液の使用
図9を参照されたい。レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズを図の左端に示す。レーン1は、図1のレーン1と同じ結果を示す。レーン2は、ATP−γSのかわりに、ATP−γS・ADP混合液(濃度比:1:3)を用いて、レーン1と同じ実験を行った結果を示す。
【0048】
これらの結果によれば、ATP−γSのかわりに、ATP−γS・ADP混合液を用いることで、切断が可能である。また、その効率は、ATP−γSのみで反応させる場合にくらべて、多少高い効率が得られる傾向にある。
【0049】
実施例10:良好なDNA切断効率が得られる、反応条件
図10を参照されたい。レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズを図の左端に示す。レーン1は、S1ヌクレアーゼを加えないで、図1のレーン1と同じ反応を行った結果を示す。レーン2は、図1のレーン1と同じ反応を行った結果を示す。レーン3は、以下の反応条件により、標的DNAを切断した結果を示す。プローブとして、長さ60−merのオリゴヌクレオチド1(配列番号:1;60C−pBRt)と、標的DNA(pBR322 DNAを制限酵素Eaglで直鎖状にしたもの)との間でrecA組み換え三本鎖形成反応を行った。その反応は、5pmolの60−merのオリゴヌクレオチド、6.0μgのrecAタンパク質(エピセンターテクノロジー社)、600ngの標的DNA、最終濃度0.48mMになるように加えたATP−γS(ベーリンガーマンハイム社)を、30mM酢酸トリス(pH7.2)、2.15mM酢酸マグネシウム緩衝液中に混ぜた。37℃で30分間インキュベートした。この時点での反応液量は20μlである。次にその全量を、1000ユニットS1ヌクレアーゼ(MBl Fermentas 社)、40mM酢酸カリウム(pH4.6)、338mM NaCl、1.35mM ZnSO4、6.8%グリセロールを含むS1ヌクレアーゼ反応液に混ぜ、全量120μlとし、55℃で60分間インキュベートした。その後の実験操作は、図1のレーン1と同じである。
【0050】
これらの結果によれば、反応に用いるS1ヌクレアーゼの購入先、または、S1ヌクレアーゼの反応液組成を至適化することで、標的DNAの切断効率80%以上を達成することができることがわかる。
【0051】
実施例11:中性付近で作用する、ヌクレアーゼによる切断
図11を参照されたい。レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズを図の左端に示す。レーン1は、ヌクレアーゼを加えないで、図1のレーン1と同じ反応を行った結果を示す。レーン2は、図1のレーン1と同じ反応を行った結果を示す。レーン3は、反応の至適pHが中性付近である、BAL31ヌクレアーゼを用いて下記に示す反応を行った結果を示す。プローブとして、長さ60−merのオリゴヌクレオチド1(配列番号:1;60C−pBRt)と、標的DNA(pBR322 DNAを制限酵素Eaglで直鎖状にしたもの)との間でrecA組み換え三本鎖形成反応を行った。その反応は、5pmolの60−merのオリゴヌクレオチド、6.0μgのrecAタンパク質(エピセンターテクノロジー社)、600ngの標的DNA、最終濃度0.48mMになるように加えたATP−γS(ベーリンガーマンハイム社)を、30mM酢酸トリス(pH7.2)、2.15mM酢酸マグネシウム緩衝液中に混ぜた。37℃で30分間インキュベートした。この時点での、反応液量は20μlである。次にその全量を、25ユニットBAL31ヌクレアーゼ(宝酒造社)、20mM Tris−NCl(pH8.0)、600mM NaCl、12mM CaCl2、12mM MgCl2、1mM EDTA、を含むBAL31ヌクレアーゼ反応液に混ぜ、全量120μlとし、55℃で60分間インキュベートした。その後の実験操作は、図1のレーン1と同じである。
【0052】
これらの結果によれば、recA反応液のpHと同じpHに至適反応条件をもつ、BAL31ヌクレアーゼでも二本鎖DNAが切断が可能であることがわかる。このことより、三本鎖形成とヌクレアーゼの反応を同時に行うことも可能であり、それにより、切断の効率も向上させることができる。また、この実験データでは、標的DNAの切断効率は若干低いが、用いるBAL31ヌクレアーゼの量を増やすことで、S1ヌクレアーゼと同程度の切断効率を得ることができる。
【0053】
実施例12:標的DNAの切断箇所の検討1
オリゴヌクレオチド17(配列番号:17)を用いて、図1のレーン1と同じ反応を行った。次に、電気泳動を行う前のDNAを、制限酵素Pstlで切断することにより小断片化した。フェノール・クロロフォルム抽出を1回、クロロフォルム抽出を1回行った後、エタノール沈殿法により、含まれるDNA分子を濃縮した。常法に従い、[γ−32P]ATPによりDNAの5′末端標識反応を行った後、再度、エタノール沈殿法により、含まれるDNA分子を濃縮した。DNA沈殿を10.0μlのTE緩衝液(10mM Tris−HCl pH8.0、1mM EDTA)に溶かした後、その適量について、4.0%変性ポリアクリルアミドゲルで電気泳動した。そのゲルのオートラジオグラフィーの結果を図12のレーン1に示す。レーン2は、オリゴヌクレオチド1(配列番号:1)を用いて、レーン1と同じ反応を行った結果を示す。レーン3は、40−merの長さをもつ、オリゴヌクレオチド(配列番号:18)を用いて、レーン1と同じ反応を行った結果を示す。レーン4は、40−merの長さをもつ、オリゴヌクレオチド19(配列番号:19)を用いて、レーン1と同じ反応を行った結果を示す。レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズを図の左端に示す。
オリゴヌクレオチド17:
5′-cact gcataattct cttactgtca tgccatccgt aagatgcttt tctgtgactg gtgat- 3′
オリゴヌクレオチド18:
5′-ttct cttactgtca tgccatccgt aagatgcttt tctgtg-3′
オリゴヌクレオチド19:
5′-cacaga aaagcatctt acggatggca tgacagtaag agaa-3′
これらの結果によれば、ポリアクリルアミドゲル電気泳動で、60−merオリゴヌクレオチドを用いたときは、約277bpと217bpの長さのシグナルが、40−merオリゴヌクレオチドを用いたときは、約267bpと207bpの長さのシグナルが出現していることから、切断される部位は、オリゴヌクレオチドの5′末端付近であることがわかる。
【0054】
実施例13:標的DNAの切断箇所の検討2
ゲルから切り出し抽出したDNA断片の解析結果[下線を引いた配列はベクターDNAの配列であり、その後に続く配列は、インサートDNA(pBR322DNA)の配列である]を示す図13を参照されたい。図1のレーン1と同じ反応を行い、アガロースゲル電気泳動した後のDNA切断をゲルから切り出し抽出した。その切り出したDNA断片を、プラスミドpGEM−3Z Vector(Promega 社)のHinc II部位にサブクローニングした後、断片の含まれるプラスミドDNAに対して、塩基配列の決定を行った。その結果、標的DNAが切断されている部位は、大部分がオリゴヌクレオチドの5′末端の一カ所、もしくは、5′末端付近であることが判明した。
【0055】
これらの結果によれば、切断されたDNA断片の塩基配列を決定した結果、標的DNAの切断される部位は、1カ所であることがわかる。
【0056】
実施例14:2本のオリゴヌクレオチドの使用(その1)
図14を参照されたい。レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズをデータの左に示す。レーン1は、標的DNAとしてpBR322DNAを制限酵素Scalで切断したものを用いて、かつ、下記のオリゴヌクレオチドを加えないで、図1のレーン1と同様の反応を行った。レーン2は、オリゴヌクレオチド20(配列番号:20,60−pBRtet1)を加えて、レーン1と同じ反応を行った結果を示す。レーン3は、オリゴヌクレオチド21(配列番号:21,60−pBRtet2)を加えて、レーン1と同じ反応を行った結果を示す。レーン4は、オリゴヌクレオチド20と、オリゴヌクレオチド21を同時に加えて、レーン1と同じ反応を行った結果を示す。
【0057】
オリゴヌクレオチド20:
5'-atgaa atctaacaat gcgctcatcg tcatcctcgg caccgtcacc ctggatgctg taggc -3'
オリゴヌクレオチド21:
5'-tcaggt cgaggtggcc cggctccatg caccgcgacg caacgcgggg aggcagacaa ggta -3'
この結果から、2本のオリゴヌクレオチドを用いることで、標的DNAを2カ所同時に切断することができることがわかる。
【0058】
実施例15:2本のオリゴヌクレオチドの使用(その2)
図15を参照されたい。レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズをデータの左に示す。レーン1は、標的DNAとして、環状pBR322DNAを用いて、かつ、オリゴヌクレオチドを加えないで、図1のレーン1と同じ反応を行った結果を示す。レーン3は、オリゴヌクレオチド21を加えて、レーン1と同じ反応を行った結果を示す。レーン4は、オリゴヌクレオチド と、オリゴヌクレオチド を同時に加えて、レーン1と同じ反応を行った結果を示す。
【0059】
この結果から、プラスミドのような環状DNAを標的とした場合でも、2本のオリゴヌクレオチドを用いることで、標的DNAを2カ所同時に切断することができることがわかる。
【0060】
【配列表】
Figure 0004265028
Figure 0004265028
Figure 0004265028
Figure 0004265028
Figure 0004265028
Figure 0004265028
Figure 0004265028

【図面の簡単な説明】
【図1】三重鎖DNA形成反応の酵素依存性を調べた実施例1のアガロースゲル電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
【図2】三重鎖DNA形成反応に必要なオリゴヌクレオチドの長さを調べた実施例2のゲル電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
【図3】三重鎖DNA形成反応に用いられるrecAタンパク質の濃度の影響について調べた実施例3のゲル電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
【図4】三重鎖DNA部分を有する二本鎖DNAの切断に用いられるヌクレアーゼの濃度の影響について調べた実施例4のゲル電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
【図5】三重鎖DNA部分を有する二本鎖DNAの切断反応温度について調べた実施例5のゲル電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
【図6】置換変異を有するオリゴヌクレオチドを用いる三重鎖DNA形成反応について調べた実施例6のゲル電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
【図7】recAタンパク質を用いる二本鎖DNAのヌクレアーゼ作用のブロッキング効果について調べた実施例7のゲル電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
【図8】三重鎖DNA形成に用いるオリゴヌクレオチドの両末端の変化が、切断反応に影響を及ぼすか、否かを調べた実施例8のゲル電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
【図9】三重鎖DNA形成反応におけるヌクレオシド三リン酸(ATP−γS)とヌクレオシド二リン酸(ADP)の組み合わせ使用の効果について調べた実施例9のゲル電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
【図10】三重鎖DNA部分を有する二本鎖DNAのさらなる切断条件について調べた実施例10のゲル電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
【図11】三重鎖DNA部分を有する二本鎖DNAの切断反応におけるpHの影響を調べた実施例11のゲル電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
【図12】三重鎖DNA部分を有する二本鎖DNAの切断箇所について調べた実施例12のゲル電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
【図13】三本鎖DNA部分を有する二本鎖DNAの切断箇所の塩基配列を調べた実施例13の塩基配列表の結果を示す図面である。
【図14】三本鎖DNA形成反応によって、二本のオリゴヌクレオチドを用いて直鎖状標的DNAの任意の部位を切り出した実施例14のゲル電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
【図15】三本鎖DNA形成反応によって、二本のオリゴヌクレオチドを用いて環状標的DNAの任意の部位を切り出した実施例15のゲル電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。

Claims (10)

  1. 素を使用する二本鎖DNAの特異的切断方法であって、
    (A) 切断すべき二本鎖DNAと、該DNAにおける特定領域のヌクレオチド配列に対して相同なヌクレオチド配列を含んでなる一本鎖DNA分子または相同な塩基配列を含むPNAとの三重鎖DNA部分を有する複合体を形成する工程
    (B) 複合体を、該二本鎖DNAにおける三重鎖DNA部分を認識しかつ該三重鎖DNA部分に隣接する部分のホスホジエステル結合を切断しうるヌクレアーゼにより切断し、こうして該二本鎖DNAの両鎖が該隣接する部分のホスホジエステル結合において切断された二本鎖DNA断片を形成する工程、および
    (C) ヌクレアーゼを不活化する工程、
    を含ことを特徴とする方法。
  2. 複合体の形成が相同的組換えタンパク質およびヌクレオシド三リン酸の存在する水性溶液中でのインキュベーションにより行われる請求項1記載の方法。
  3. 相同的組換えタンパク質が大腸菌(Escherichia coli)のrecAタンパク質である請求項2記載の方法。
  4. ヌクレオシド三リン酸がATP、GTP、CTP、TTP、UTPおよびATP−γSからなる群より選ばれる1種以上である請求項2または3記載の方法。
  5. ヌクレアーゼがヌクレアーゼS1、マングビーンヌクレアーゼおよびBAL31ヌクレアーゼからなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 三重鎖DNA部分を有する複合体が一本鎖DNA分子を用いて形成される請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 切断すべき二本鎖DNAと、該DNAにおける特定領域のヌクレオチド配列に対して相同なヌクレオチド配列を含んでなる一本鎖DNA分子が、15mer以上である請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 酵素を使用する二本鎖DNAの両鎖の特異的切断用のキットであって、
    (a) 二本鎖DNAと、該DNAにおける特定領域のヌクレオチド配列に対して相同なヌクレオチド配列を含んでなる一本鎖DNA分子または相同な塩基配列を含むPNAとから形成される三重鎖DNA部分を有する複合体を該二本鎖DNAにおける該三重鎖DNA部分を認識しかつ該三重鎖DNA部分に隣接する部分のホスホジエステル結合を切断しうるヌクレアーゼ、
    (b) 相同的組換えタンパク質、および
    (c) ヌクレオシド三リン
    組み合わせを含んでなるキット。
  9. ヌクレアーゼがヌクレアーゼS1、マングビーンヌクレアーゼおよびBAL31ヌクレアーゼからなる群より選ばれる請求項記載のキット。
  10. 相同的組換えタンパク質が大腸菌(Escherichia coli)のrecAタンパク質であり、そしてヌクレオシド三リン酸がATP、GTP、CTP、TTP、UTPおよびATP−γSからなる群より選ばれる請求項または記載のキット。
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