JP4264883B2 - ハイブリッド溶接装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献2に拠れば、ハイブリッド溶接装置のレーザ光のビーム直径は0.65mmから0.9mmの間に設定するのが好ましいとされている。
また、本発明者の実験によると、多関節ロボットにハイブリッド溶接機を取り付けて溶接を行う場合、継ぎ手に対するロボットの軌跡のずれをカバーするために、レーザのピントをわざとぼかして、レーザビームの直径を1mm以上にするとよいことがわかっているが、アークが発生していない状態で、ビーム直径が1mm以上のレーザ光を照射しても、レーザ光だけでは金属を溶かすことができないため、ほとんどのレーザ光が金属表面から反射され、この反射されたレーザ光がレーザ装置のレンズを傷めたり、レーザ装置の光ファイバーを傷めたりする問題があった。
特に、溶接の対象材料がアルミの場合、アルミの表面はレーザ光を反射しやすいため、わざとピントをぼかしたレーザ光をハイブリッド溶接に適用すると、レーザのレンズや光ファイバーが容易に損傷してしまうという問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、レーザ装置のレンズや光ファイバーの損傷を防止できるハイブリッド溶接装置を提供することを目的とする。
4はアーク溶接機であり、ロボットコントローラ2に接続されている。アーク溶接機4には、電圧検出器5と電流検出器6が内蔵されるとともに、トーチケーブル7でアーク溶接トーチ8と接続されている。図示は省略しているが、トーチケーブル7の中には、溶接ワイヤとシールドガスと溶接用パワーケーブルが内蔵されており、アーク溶接トーチ8には、溶接ワイヤとシールドガスと溶接用パワーが供給されている。また、アーク溶接機4は、アーク溶接用アースケーブル9を介して溶接対象物10に接続されている。
11はレーザ発振機であり、12はレーザ発振機11の信号受け部である。レーザ発振機11は、光ファイバー13によりレーザヘッド14と接続されている。レーザヘッド14には、複数枚のレーザ用レンズが内蔵されている。レーザヘッド14には、光センサが内蔵されており、レーザ光が照射されると信号を信号受け部12に送信する。
(STEP11)産業用ロボット1が溶接開始部までレーザヘッド14とアーク溶接トーチ8を移動させる。
(STEP12)ロボットコントローラ2は、アーク溶接機4に溶接開始を指令する。
(STEP13)アーク溶接機4は、シールドガスを出し、溶接ワイヤ送給し、溶接電圧をかけることでアーク溶接を開始する。溶接ワイヤが溶接対象10に到達すると溶接電流が流れる。
(STEP14)溶接電流は電流検出器6で検出される。
(STEP15)アーク溶接機4は、アーク電流が検出されたことをロボットコントローラ2に通知する。
(STEP16)ロボットコントローラ2は、レーザ発振機11にレーザの照射を指令する。またアークスタート時は、アークが不安定なため、電圧検出器5で電圧を検出し、単なるワイヤの短絡では無く、アークの電圧、つまり、12V〜40Vの電圧に数ミリ秒間なっていることを検出して、アークとなったことを判定する場合もある。
図3は、本発明の第2の実施例を示すフローチャートである。以下、このフローを図に付した符号を引用して説明する。
(STEP21)前述の第1の実施例のフローにしたがって、溶接を開始する。
(STEP22)アーク溶接機4は、溶接中、常に溶接電流を電流検出器6で監視している。溶接電流が一定値以下の状態が数十ミリ秒続いた場合は、溶接電流が異常であると判定して、状態をロボットコントローラ2に送信する。
(STEP23)溶接電流が正常と判定された場合は、溶接を継続する。
(STEP24)溶接電流が異常と判定された場合は、ロボットコントローラ2は、レーザ発振機11にレーザ発振を直ちに停止するよう指令する。
(STEP25)溶接電流が異常と判定された場合は、ロボットコントローラ2は、アーク溶接機4に溶接を停止するよう指令する。
図4は本発明の第3の実施例を示すフローチャートである。以下、このフローを図に付した符号を引用して説明する。
(STEP31)溶接終了時、ロボットコントローラ2は、レーザ発振機11に停止指令を出す。
(STEP32)レーザ発振機11がレーザ発振を停止すると、信号受け部12がレーザ光が停止したことを確認する。
(STEP33)ロボットコントローラ2は、レーザ光が停止した後に、アーク溶接機4に停止指令を出す。
図5は本発明の第4の実施例を示すフローチャートである。以下、このフローを図に付した符号を引用して説明する。
(STEP41)産業用ロボット1が溶接開始部までレーザヘッド14とアーク溶接トーチ8を移動させる。
(STEP42)ロボットコントローラ2は、アーク溶接機4に低電流での溶接開始を指令する。
(STEP43)アーク溶接機4は、シールドガスを出し、溶接ワイヤ送給し、溶接電圧をかけることでアーク溶接を開始する。
(STEP44)溶接電流は電流検出器6で検出される。
(STEP45)アーク溶接機4は、アーク電流が検出されたことをロボットコントローラ2に通知する。
(STEP46)ロボットコントローラ2は、レーザ発振機11にレーザの照射を指令する。
(STEP47)ロボットコントローラ2は、アーク溶接機4に本来の電流での溶接開始を指令する。
以上のようにして、レーザと同期を取るまでは、低い溶接電流で溶接を行い、レーザが照射されてから本アーク溶接に移行することができる。
図6は本発明の第5の実施例を示すフローチャートである。以下、このフローを図に付した符号を引用して説明する。
(STEP51)産業用ロボット1が、溶接開始部までレーザヘッド14とアーク溶接トーチ8を移動させる。
(STEP52)ロボットコントローラ2より、アーク溶接機4に対し、本来の溶接電流より低い電流値で溶接開始を指令する。
(STEP53)アーク溶接機4は、本来の溶接電流より低い電流値で溶接を開始する。(STEP54)電流検出器6がアーク溶接電流を検出するまで待つ。
(STEP55)電流検出器6がアーク溶接電流を検出すると、アーク溶接機4は、アーク電流が検出されたことをロボットコントローラ2に通知する。
(STEP56)ロボットコントローラ2は、レーザ発振機11に本来より低いレーザパワーでのレーザ照射開始を指令する。
(STEP57)レーザ照射が開始された後に、ロボットコントローラ2は、アーク溶接機4に対し、産業用ロボット1の動作速度に見合ったアーク溶接電流での溶接開始を指令する。
(STEP58)ロボットコントローラ2より、レーザ発振機11に対し、産業用ロボット1の動作速度に見合ったレーザパワーでのレーザ照射を指令する。
Claims (1)
- レーザとアークを複合して被溶接材の溶接を行うハイブリッド溶接装置において、
溶接開始時には、アーク溶接電流が流れたことを確認してから、レーザ照射を開始し、
溶接終了時には、レーザ照射が停止したことを確認してから、アーク溶接を停止し、
溶接実施中にアーク溶接電流が一定値以下になると、レーザ照射を停止した後、アーク溶接を停止することを特徴とするハイブリッド溶接装置。
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