JP2013193085A - 溶接システム - Google Patents
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Abstract
【課題】被溶接物の溶接位置にレーザを照射しながらワイヤを送給してアーク溶接を同時に行う際、溶接部位に応じて諸パラメータを自由に調整することのできる溶接システムを提供する。
【解決手段】レーザ発振器8から発生したレーザを伝送するファイバ9に接続され、前記レーザを集光して被溶接物2の溶接位置に照射しレーザ溶接を行うヘッド10を搭載した第1ロボット7と、送給装置12とトーチ13とを搭載し、ワイヤ3を前記溶接位置に送給してアーク溶接を行う第2ロボット11と、前記第1ロボット7を制御する第1ロボット制御装置14と、前記第2ロボット11を制御する第2ロボット制御装置15とを備えることによってレーザ・ワイヤ間距離と、レーザ照射角度と、レーザビームの焦点位置と、レーザ出力と、トーチ角度と、ワイヤの突き出し長さと、などの諸パラメータを自由に調整することができ溶接部位に応じた溶接結果をえることができる。
【選択図】図1
【解決手段】レーザ発振器8から発生したレーザを伝送するファイバ9に接続され、前記レーザを集光して被溶接物2の溶接位置に照射しレーザ溶接を行うヘッド10を搭載した第1ロボット7と、送給装置12とトーチ13とを搭載し、ワイヤ3を前記溶接位置に送給してアーク溶接を行う第2ロボット11と、前記第1ロボット7を制御する第1ロボット制御装置14と、前記第2ロボット11を制御する第2ロボット制御装置15とを備えることによってレーザ・ワイヤ間距離と、レーザ照射角度と、レーザビームの焦点位置と、レーザ出力と、トーチ角度と、ワイヤの突き出し長さと、などの諸パラメータを自由に調整することができ溶接部位に応じた溶接結果をえることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、被溶接物にレーザ溶接とアーク溶接とを同時に行う溶接システムに関するものである。
レーザ溶接は高速溶接のできる方法であるが、被溶接物にギャップがあると、レーザビームがギャップから抜けてしまい、良好な溶接ができなくなる恐れがあった。この欠点を補うために、消耗電極(ワイヤ)式アーク溶接と併用する方法、すなわちハイブリッド溶接方法またはその装置が多数提案されている。図3にハイブリッド溶接を行う際のレーザビームとワイヤの配置を表す模式図を示す。1は被溶接物2に照射するレーザビームで、Fは前記レーザビーム1の前記被溶接物2におけるレーザ照射点である。3はトーチの先端に取り付けられるチップ4を通して前記被溶接物2に送給されるワイヤで、Wは前記ワイヤ3の前記被溶接物2におけるワイヤ狙い位置である。EXTは、前記ワイヤ3が前記チップ4の先端から前記ワイヤ狙い位置Wまでの距離を示すチップ・被溶接物間距離である。前記レーザ照射点Fと前記ワイヤ狙い位置Wとの間の距離はレーザ・ワイヤ間距離ΔLである。5は前記ワイヤ3と前記被溶接物2との間に形成されたアークで、6は前記ワイヤ3が前記アーク5によって溶融されて形成された溶滴である。
従来から、レーザビームとワイヤの配置関係、またはハイブリッド溶接の専用ヘッドが多数提案されている。これは、レーザビームとワイヤを同軸に配置する加工ヘッド(特許文献1)と、レーザビームとワイヤをサイドに配置する加工ヘッド(特許文献2、特許文献3)とに大別される。前者では、レーザビームはレンズによってワイヤの狙い位置と同一の点に集光されるので、どの溶接方向においてもこの配置関係は変化しない。したがって、溶接方向による制限がない。但し、溶接電流または溶接部位に応じてワイヤのチップ・被溶接物間距離EXTを変えようとすると、レーザビームの集光点の位置ずれと集光スポットサイズの変化が発生し、その都度調整しなければならない煩わしさが発生してしまう。一方、後者では、レーザビームとワイヤをサイドに配置するが(図3参照)、ワイヤのチップ・被溶接物間距離EXTを変えようとしても、やはりその都度レーザ照射点とワイヤ狙い位置を調整する煩わしさが解消されない。また、溶接中には溶接部位に応じて、例えばワイヤのチップ・被溶接物間距離EXTまたはレーザ・ワイヤ間距離ΔLを変えなければならないことがしばしば要求されるが、従来から提案された加工ヘッドうではこれらの調整をリアルタイムに実施することが不可能である。また、後者では、加工ヘッドが一旦でき上がると、レーザビームの光軸とトーチの中心軸との角度が決まってしまうので、良好な溶接を得るために、または被溶接物の溶接位置への接近性を高めるために、この角度を調整しようと思ってもできなくなってしまう欠点があった。すなわち、従来の何れの方法でも、溶接中に溶接部位に応じてレーザ・ワイヤ間距離ΔLとワイヤのチップ・被溶接物間距離EXTとをはじめ、レーザビームとトーチとの角度やレーザビームの焦点位置などの諸パラメータを自由に調整することが不可能であり、使用上の制限があった。
従来の技術の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、レーザビームを集光してレーザ溶接を行うヘッドを搭載した第1ロボットと、送給装置とトーチとを搭載してアーク溶接を行う第2ロボットと、前記第1ロボットと前記第2ロボットとをそれぞれ制御する第1ロボット制御装置と第2ロボット制御装置とを備え、被溶接物における溶接位置にレーザ溶接とアーク溶接とを同時に行う溶接システムにおいて、溶接部位に応じレーザ・ワイヤ間距離と、レーザ照射角度と、レーザビームの焦点位置と、レーザ出力と、トーチ角度と、ワイヤの突き出し長さと、などの諸パラメータを自由に調整することのできる溶接システムを提供することにある。
上記目的を達成するため本発明は、レーザ発振器から発生したレーザを伝送するファイバに接続され、前記レーザビームを集光して被溶接物の表面における溶接位置に照射してレーザ溶接を行うヘッドを搭載した第1ロボットと、送給装置とトーチとを搭載し、ワイヤをトーチ先端から前記被溶接物における溶接位置に向かって送給してアーク溶接を行う第2ロボットと、前記第1ロボットを制御する第1ロボット制御装置と、前記第2ロボットを制御する第2ロボット制御装置とを備え、前記被溶接物における溶接位置にレーザ溶接とアーク溶接とを同時に行う溶接システムである。
また、本発明は、第1ロボット制御装置と第2ロボット制御装置とは通信手段によって接続され、第1ロボットまたは第2ロボットのいずれかは、前記通信手段を通して反対のロボット制御装置によって制御されることのできる溶接システムである。
また、本発明は、ヘッドによって集光されたレーザビームの被溶接物の表面における照射位置とトーチ先端からでたワイヤの狙い位置との距離であるレーザ・ワイヤ間距離と、前記レーザビームの光軸が前記被溶接物の法線となす角度であるレーザ照射角度と、前記レーザビームの焦点位置と、レーザ出力と、トーチの被溶接物の法線となす角度であるトーチ角度と、前記ワイヤの突き出し長さとなどの諸パラメータは、溶接中に溶接する部位に応じ第1ロボットまたは第2ロボットによって自由に変えることのできる溶接システムである。
以上のように本発明は、レーザビームを集光してレーザ溶接を行うヘッドを搭載した第1ロボットと、送給装置とトーチとを搭載してアーク溶接を行う第2ロボットと、前記第1ロボットと前記第2ロボットとをそれぞれ制御する第1ロボット制御装置と第2ロボット制御装置とを備え、溶接部位に応じレーザ・ワイヤ間距離と、レーザ照射角度と、デフォーカス値と、レーザ出力と、トーチ角度と、ワイヤの突き出し長さと、などの諸パラメータを自由に調整することによって溶接部位に応じた溶接結果を得ることができる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における溶接システムの構成を示す模式図である。
図1は、本発明の実施の形態1における溶接システムの構成を示す模式図である。
7は、レーザ発振器8から発生したレーザを伝送するファイバ9に接続され、前記レーザを集光してレーザビーム1を被溶接物2の表面における溶接位置に照射してレーザ溶接を行うヘッド10を搭載した第1ロボットである。
11は、送給装置12と、前記送給装置12に接続されたトーチ13とを搭載し、ワイヤ3を前記トーチ13から前記被溶接物2における前記溶接位置に向かって送給してアーク溶接を行う第2ロボットである。
14は前記第1ロボット7を制御するロボット制御装置で、15は前記第2ロボット11を制御するロボット制御装置である。前記ロボット制御装置14は前記レーザ発振器8をも制御するが、前記ロボット制御装置15は溶接機16をも制御する。
前記送給装置12は、前記溶接機16は、前記送給装置12を制御する。また、図示していないが、前記溶接機16は、ケーブルを通して前記送給装置12と前記被溶接物2とに接続され、前記ワイヤ3と前記被溶接物2との間に電力を供給してアーク5を発生する。17は、前記ロボット制御装置14と前記ロボット制御装置15とを接続する通信手段である。
本発明の実施の形態1における溶接システムの動作について説明する。
溶接する際に、図示していないが、溶接線に対してロボット制御装置14は前記第1ロボット7を制御し、あらかじめ教示したプログラムに従って被溶接物2の溶接位置に向かって走行してレーザ溶接を行う。
同時に、前記ロボット制御装置14は、通信手段17と前記通信手段17に接続されるロボット制御装置15とを通して第2ロボット11を制御し、前記第2ロボット11が前記第1ロボット7に追随して前記レーザ溶接で形成した同一の溶融池に対してアーク溶接を行う。
以上のようにして、被溶接物2に対しレーザ溶接とアーク溶接とを同時に実現するハイブリッド溶接を行う。本発明の実施の形態1における溶接システムの構成では、ヘッド10とトーチ13はそれぞれ第1ロボット7と第2ロボット11に搭載されるので、両者が独立に動作することができる。したがって、レーザ・ワイヤ間距離ΔLと、レーザ照射角度と、レーザビームの焦点位置と、レーザ出力と、トーチ角度と、ワイヤのチップ・被溶接物間距離EXTとなどの諸パラメータを溶接部位または使用する溶接電流に応じて自由に調整することができ、それぞれの溶接部位に応じた溶接結果を得ることができる。
以上のように本発明の実施の形態1における溶接システムによれば、レーザビームを集光してレーザ溶接を行うヘッドを搭載した第1ロボットと、送給装置とトーチとを搭載してアーク溶接を行う第2ロボットと、前記第1ロボットと前記第2ロボットとをそれぞれ制御する第1ロボット制御装置と第2ロボット制御装置とを備え、溶接部位に応じレーザ・ワイヤ間距離と、レーザ照射角度と、レーザビームの焦点位置と、レーザ出力と、トーチ角度と、ワイヤの突き出し長さと、などの諸パラメータを自由に調整することによって、溶接部位に応じた溶接結果を得ることができる。
以上の説明では、ロボット制御装置14は、通信手段17と前記通信手段17に接続されるロボット制御装置15とを通して第2ロボット11を制御し、前記第2ロボット11が前記第1ロボット7に追随して前記レーザ溶接で形成した同一の溶融池に対してアーク溶接を行うと説明したが、言うまでもなく、ロボット制御装置15は、通信手段17と前記通信手段17に接続されるロボット制御装置14とを通して第1ロボット7を制御し、前記第1ロボット7が前記第2ロボット11に追随して、前記第2ロボット11によって形成したアーク溶接の溶融池に対してレーザ溶接を行っても同様の効果を得ることができる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における溶接システムの構成を示す模式図である。なお、本発明の実施の形態1における溶接システムの構成の模式図を示した図1と同様の機能または動作のものを同一の記号を付してその詳細の説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
図2は、本発明の実施の形態2における溶接システムの構成を示す模式図である。なお、本発明の実施の形態1における溶接システムの構成の模式図を示した図1と同様の機能または動作のものを同一の記号を付してその詳細の説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
18は、第2ロボット11と送給装置12とを制御するロボット制御装置である。なお、前記ロボット制御装置18は、図示していないが、ケーブルを通して前記送給装置12と被溶接物2とに接続され、ワイヤ3と前記被溶接物2との間に電力を供給してアーク5を発生して、アーク溶接を行う機能を備える。以上の本発明の実施の形態2における溶接システムの構成によれば、本発明の実施の形態1におけるレーザ溶接と同様の効果を得ることができる。
以上のように本発明によれば、レーザビームを集光してレーザ溶接を行うヘッドを搭載した第1ロボットと、送給装置とトーチとを搭載してアーク溶接を行う第2ロボットと、前記第1ロボットと前記第2ロボットとをそれぞれ制御する第1ロボット制御装置と第2ロボット制御装置とを備え、溶接部位に応じレーザ・ワイヤ間距離と、レーザ照射角度と、レーザビームの焦点位置と、レーザ出力と、トーチ角度と、ワイヤの突き出し長さと、などの諸パラメータを自由に調整することによって溶接部位に応じた溶接結果を得ることのできる溶接システムを提供できる。
1 レーザビーム
2 被溶接物
3 ワイヤ
4 チップ
5 アーク
6 溶滴
7 第1ロボット
8 レーザ発振器
9 ファイバ
10 ヘッド
11 第2ロボット
12 送給装置
13 トーチ
14 ロボット制御装置
15 ロボット制御装置
16 溶接機
17 通信手段
18 ロボット制御装置
F レーザ照射点
W ワイヤ狙い位置
ΔL レーザ・ワイヤ間距離
EXT チップ・被溶接物間距離
2 被溶接物
3 ワイヤ
4 チップ
5 アーク
6 溶滴
7 第1ロボット
8 レーザ発振器
9 ファイバ
10 ヘッド
11 第2ロボット
12 送給装置
13 トーチ
14 ロボット制御装置
15 ロボット制御装置
16 溶接機
17 通信手段
18 ロボット制御装置
F レーザ照射点
W ワイヤ狙い位置
ΔL レーザ・ワイヤ間距離
EXT チップ・被溶接物間距離
Claims (4)
- レーザ発振器から発生したレーザビームを伝送するファイバに接続され、前記レーザビームを集光して被溶接物の表面における溶接位置に照射してレーザ溶接を行うヘッドを搭載した第1ロボットと、送給装置とトーチとを搭載し、ワイヤをトーチ先端から前記被溶接物における溶接位置に向かって送給してアーク溶接を行う第2ロボットと、前記第1ロボットを制御する第1ロボット制御装置と、前記第2ロボットを制御する第2ロボット制御装置とを備え、前記被溶接物における溶接位置にレーザ溶接とアーク溶接とを同時に行う溶接システム。
- 第1ロボット制御装置と第2ロボット制御装置とは通信手段によって接続され、第1ロボットまたは第2ロボットのいずれかは、前記通信手段を通して反対のロボット制御装置によって制御されることを特徴とする請求項1記載の溶接システム。
- ヘッドによって集光されたレーザビームの被溶接物の表面における照射位置とトーチ先端からでたワイヤの狙い位置との距離であるレーザ・ワイヤ間距離と、前記レーザビームの光軸が前記被溶接物の法線となす角度であるレーザ照射角度と、前記レーザビームの焦点位置と、レーザ出力と、トーチの被溶接物の法線となす角度であるトーチ角度と、前記ワイヤの突き出し長さとは、溶接中に溶接する部位に応じ第1ロボットまたは第2ロボットによって自由に変えることのできる請求項1または請求項2記載の溶接システム。
- 第1ロボットと第2ロボットは共に多関節ロボットである請求項1から請求項3記載の溶接システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012059798A JP2013193085A (ja) | 2012-03-16 | 2012-03-16 | 溶接システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012059798A JP2013193085A (ja) | 2012-03-16 | 2012-03-16 | 溶接システム |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2012059798A Pending JP2013193085A (ja) | 2012-03-16 | 2012-03-16 | 溶接システム |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2013193085A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104096971A (zh) * | 2014-06-24 | 2014-10-15 | 嘉兴永发电子有限公司 | 激光填料焊机及其焊接方法 |
CN104972223A (zh) * | 2014-04-08 | 2015-10-14 | 丰田自动车株式会社 | 激光熔接方法和熔接结构 |
CN110539079A (zh) * | 2019-09-29 | 2019-12-06 | 华南理工大学 | 一种基于等离子束-激光复合热源的增材制造设备与方法 |
-
2012
- 2012-03-16 JP JP2012059798A patent/JP2013193085A/ja active Pending
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