JP4264565B2 - デジタル信号処理装置およびデジタル信号処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、デジタルオーディオデータなどのデジタル信号を処理するデジタル信号処理装置およびデジタル信号処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
楽曲などのオーディオデータを入手する方法としては、いくつかの方法がある。例えば媒体そのものを購入する方法が知られている。この方法は、レコード盤やコンパクトディスク(CD)等で知られる方法である。また、ラジオ放送などを受信して、目的とするオーディオデータを記録可能な記録媒体に記録する方法もある。
【0003】
また最近では、大量の楽曲のオーディオデータ(楽曲データ)を、ハードディスク等に蓄積しておき、ハードディスク内の楽曲データを購入者が持ち込んだ外部記録媒体に転送して記録することにより楽曲データを提供するサーバシステムによるものも知られている。
【0004】
このサーバシステムによる方式では、例えばサーバシステムを店頭などに設置しておく。購入者は自分で所有している記録媒体(外部記録媒体)をもって店頭に行き、所定の金額を支払うことで、サーバシステムより、目的とする楽曲データを自分の記録媒体に記録して、楽曲の購入を実現する。
【0005】
一般に、サーバシステム内に蓄積された楽曲データは、サーバシステムの蓄積容量や、転送容量等を考慮して、圧縮処理がなされている。したがって、サーバシステムは、要求された楽曲データを、その楽曲データの実際の演奏時間よりも短い時間で、購入者の記録媒体に転送し、記録することができるようにされている。
【0006】
また、購入する楽曲データの選択については、楽曲のタイトル、演奏者、演奏時間等の付加情報を、テキスト形式で、あるいは、画像からの選択形式で、サーバシステムに入力し、サーバシステムにおいて確認できるために、購入者は、簡単に目的とする楽曲データを選択し、自分の記録媒体に記録して、これを利用することができるようにされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、楽曲データを提供する前述したサーバシステムの場合、複数の連続した楽曲(楽曲データ)がハードディスクに蓄積され、この複数の連続した楽曲について、そのそれぞれを単独でも購入することができるようにされている場合がある。
【0008】
ここで複数の連続した楽曲は、例えば、楽曲としては全く別のものであるが、そのそれぞれがリズムなどによりスムーズにつながっているようなものや、いわゆるライブ盤などで拍手などの種々の音が入っているために音がとぎれることがなく結果として前後の楽曲同士がつながっているようなものである。
【0009】
このような複数の連続した楽曲の中から目的とする楽曲データを単独で購入する場合、その楽曲データの先頭部分と最終部分とのうちの少なくとも一方あるいは両方において、その目的とする楽曲に連続する楽曲データがないために、不自然な再生音となってしまう可能性がある。
【0010】
これを防止するため、再生音が不自然とならないようにした単独購入用の楽曲データを別途用意しておく方法が考えられる。すなわち、複数の連続した楽曲については、各楽曲ごとに分離し、分離した各楽曲データの先頭部分と最終部分とのうちの少なくとも一方あるいは両方に、いわゆるフェード処理を施したデータを付加することにより、再生音が不自然となることがないようにした楽曲データを別ファイルに用意しておく。
【0011】
そして、複数の連続した楽曲のうちのいづれかの楽曲の単独購入の場合には、その別ファイルに用意されているフェード処理済みの楽曲データを提供する。しかしながら、この別ファイルを用意する方法の場合には、結果的に同じ楽曲データをハードディスクに重複して記憶保持しておくことになり、ハードディスクを有効に活用することができない。
【0012】
また、本来複数の連続した楽曲の中の楽曲であるが、前述もしたように、単独での販売用にフェード処理されて別ファイルに記憶保持されている楽曲データを購入した後、この購入した楽曲データに連続する楽曲データを購入する場合には、本来連続するはずの楽曲同士の連続性を確保することができず、そのそれぞれは独立した楽曲データとして利用することができるにすぎなくなってしまう。
【0013】
以上のことにかんがみ、この発明は、連続した複数のデジタル信号の中の1つデジタル信号を単独で提供を受けた場合であってもそのデジタル信号の再生が不自然となることがなく、連続した複数のデジタル信号のうち、先に提供を受けたものと、後から提供を受けたものとの連続性を再確保することも可能なデジタル信号処理装置およびデジタル信号処理方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明のデジタル信号処理装置は、
デジタル信号についての選択情報を受け付ける受付手段と、
上記選択情報にて指定された所定のデジタル信号に連続して再生されるべき異なるデジタル信号が有るか否かを判別する判別手段と、
上記判別手段において上記所定のデジタル信号に連続して再生されるべき異なるデジタル信号が有ると判別された場合には、上記所定のデジタル信号に隣接する上記異なるデジタル信号の冒頭部又は終端部を上記所定のデジタル信号に付加して出力するように制御し、上記判別手段において上記所定のデジタル信号に連続して再生されるべき異なるデジタル信号が無いと判別された場合には上記選択情報にて指定された上記所定のデジタル信号のみを出力するように制御する制御手段と
を備えてなることを特徴とする。
【0015】
この請求項1に記載のデジタル信号処理装置によれば、受付手段を通じて受け付けた選択情報により指示される所定のデジタル信号に連続して再生されるべき異なるデジタル信号があると判別された場合には、所定のデジタル信号には、これに連続する異なるデジタル信号の冒頭部又は終端部が付加されて出力される。
【0016】
この場合、所定のデジタル信号の冒頭側と終端側との両方に連続した異なるデジタル信号が存在する場合には、所定のデジタル信号の冒頭側と終端側との両方に、当該所定のデジタル信号のそれぞれの端部側に隣接する異なるデジタル信号の終端部または冒頭部が付加されることになる。
【0017】
また、所定のデジタル信号に連続して再生されるべき異なるデジタル信号がないと判断された場合には、所定のデジタル信号はそのまま出力するようにされる。
【0018】
これにより、複数の連続したデジタル信号の中から所定のデジタル信号を単独で提供を受けるようにした場合であっても、その提供を受けた所定のデジタル信号の再生出力が不自然とならないようにされる。
【0019】
また、請求項2に記載の発明のデジタル信号処理装置は、請求項1に記載のデジタル信号処理装置であって、
提供済デジタル信号に関する情報を受け付ける第2の受付手段と、
上記第2の受付手段を通じて受け付けた上記情報に基づいて、上記選択情報にて指定された上記所定のデジタル信号に連続して再生されるべき異なるデジタル信号が既に提供済であるか否かを判別する第2の判別手段と
を備え、
上記第2の判別手段にて上記連続して再生されるべき異なるデジタル信号が提供済であると判別された場合には、上記制御手段は上記異なるデジタル信号の冒頭部又は終端部の付加を禁止することを特徴とする。
【0020】
この請求項2に記載のデジタル信号処理装置によれば、異なるデジタル信号が既に提供済みのものである場合には、新たに提供する所定のデジタル信号には当該異なるデジタル信号の冒頭部または終端部の付加が禁止される。
【0021】
これにより、先に提供されたデジタル信号と、後から提供されるデジタル信号との連続性の再確保をしやすくすることができるようにされる。例えば、先に提供されたデジタル信号に付加されている後から提供されたデジタル信号の冒頭部又は終端部を再生時において無視するようにすれば、先に提供されたデジタル信号と、後から提供されるデジタル信号との連続性は確保される。
【0022】
また、請求項3に記載の発明のデジタル信号処理装置は、請求項1または請求項2に記載のデジタル信号処理装置であって、
上記所定のデジタル信号に付加する上記異なるデジタル信号の冒頭部又は終端部に対してフェード処理を施すフェード処理手段を更に備えてなることを特徴とする。
【0023】
この請求項3に記載の発明のデジタル信号処理装置によれば、所定のデジタル信号に付加される異なるデジタルデータの終端部はフェードイン処理され、所定のデジタル信号に付加される異なるデジタルデータの冒頭部はフェードアウト処理される。
【0024】
これにより、所定のデジタル信号の提供を受けてこれを再生する場合に、その再生出力をより自然なものとすることができるようにされる。
【0025】
また、請求項4に記載の発明のデジタル信号処理装置は、請求項2に記載のデジタル信号処理装置であって、
出力するようにされる上記デジタル信号を記録媒体に記録する記録手段と、
上記第2の判別手段にて上記連続して再生されるべき異なるデジタル信号が提供済であると判別された場合には、上記記録媒体に記録されている既に提供済みである上記異なるデジタル信号に付加されている上記所定のデジタル信号の冒頭部または終端部に対応する部分に対して所定の処理を施す処理手段と
を備えることを特徴とする。
【0026】
この請求項4に記載のデジタル信号処理装置によれば、所定のデジタル信号に連続する先に提供されたデジタル信号については、付加された当該所定のデジタル信号の冒頭部又は終端部のデータに対して所定の処理を施し、両デジタルデータの連続性を再確保して、両デジタルデータを連続したデジタル信号として再生して利用することができるようにされる。
【0027】
これにより、複数の連続したデジタル信号のそれぞれを単独で提供を受けるようにした場合であっても、それらを記録媒体に記録した場合には、連続性を確実に再確保して連続したデジタル信号として利用することができるようにされる。
【0028】
また、請求項5に記載の発明のデジタル信号処理装置は、請求項4に記載のデジタル信号処理装置であって、
上記処理手段にて施される上記所定の処理は、上記記録媒体に記録されている上記異なるデジタル信号に付加されている上記所定のデジタル信号の冒頭部または終端部に対応する部分を削除する処理であることを特徴とする。
【0029】
この請求項5に記載のデジタル信号処理装置によれば、所定のデジタル信号に連続する異なるデジタル信号が、先に記録媒体に記録されていた場合には、その記録媒体に記録されている異なるデジタル信号に付加されている当該所定のデジタル信号の冒頭部又は終端部が削除される。
【0030】
これにより、先に提供され記録媒体に記録されているデジタル信号と、これに連続する後から提供される当該記録媒体に記録される所定のデジタル信号との連続性を再確保して、両デジタル信号を連続性のあるものとして利用することができるようにされる。
【0031】
また、請求項6に記載の発明のデジタル信号処理装置は、請求項4に記載のデジタル信号処理装置であって、
上記記録媒体に記録されているデジタル信号は、正規化処理を伴う所定の高能率符号化処理によりデータ圧縮されており、
上記処理手段にて施される上記所定の処理は、上記記録媒体に記録されている上記異なるデジタル信号に付加されている上記所定のデジタル信号の冒頭部または終端部に対応する部分に対する正規化情報の更新処理であることを特徴とする。
【0032】
この請求項6に記載の発明のデジタル信号処理によれば、扱われるデジタル信号は、正規化処理を伴う高能率符号化処理されたものであり、上記記録媒体に記録されている上記異なるデジタル信号に付加されている上記所定のデジタル信号の冒頭部又は終端部に対応する部分の正規化情報が更新されることにより、その付加部分が再生時に及ぼす影響を低減させるようにする。
【0033】
これにより、先に提供され記録媒体に記録されているデジタル信号と、これに連続する後から提供される当該記録媒体に記録される所定のデジタル信号との連続性を再確保して、両デジタル信号を連続性のあるものとして利用することができるようにされる。
【0034】
また、請求項7に記載のデジタル信号処理装置は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5に記載のデジタル信号処理装置であって、
上記デジタル信号は、いずれも所定の高能率符号化方式によりデータ圧縮するようにされており、データ圧縮されたデジタル信号を処理することを特徴とする。
【0035】
この請求項7に記載の発明によれば、処理されるデジタル信号は、高能率符号化処理されデータ圧縮されたものであり、デジタル信号の出力にかかる時間を短縮することができるようにされる。また、正規化処理を伴う高能率符号化処理によりデータ圧縮されている場合には、正規化情報の変更により、デジタル信号に対して、フェード効果を与えたり、また、そのフェード効果を除去するなどのことも比較的に簡単にできるようにされる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながらこの発明の一実施の形態について説明する。
[音楽サーバシステムについて]
まず、楽曲(音楽)の楽曲データを蓄積すると共に、利用者からの要求に応じた楽曲データを利用者の記録媒体(外部記録媒体)に記録することにより、楽曲を利用者に提供するようにする音楽サーバシステム30の構成について図1を用いて説明する。
【0037】
図1において、メインコントローラ11は、音楽サーバシステム30内の全ての装置部に接続され、その制御を行うものである。ハードディスク12は、利用者に提供する楽曲データを主に蓄積するものである。この音楽サーバシステム30のハードディスク12に蓄積される楽曲データは、実際の楽曲データとなるメイン情報(デジタルオーディオデータ)と、楽曲のタイトル、演奏時間、ジャケット写真等の付加情報からなる。
【0038】
この実施の形態において、メイン情報であるデジタルオーディオデータは、ハードディスク容量の効率的な使用と、音楽サーバシステムへの転送時の、通信線の容量等を考慮し、圧縮がなされたものである。また、圧縮フォーマットについては、後述する記録媒体へ記録可能なものとなっていれば、当該記録媒体に対して、高速での記録が可能となる。なお、この実施の形態において、デジタルオーディオデータのデータ圧縮を行う方法であるいわゆる高能率符号化の具体例については、後に詳しく説明する。
【0039】
メイン情報であるデジタルオーディオデータに付随する付加情報の管理は、例えば、図2に示すような構成の管理テーブルファイルを用意し、メイン情報のファイル名と付加情報との対応を記し、この更新、読み取り操作等をメインコントローラ11によって行うことによって実現することができる。
【0040】
図2の例では付加情報となる文字情報や画像情報もファイルとなっており、そのファイル名を管理する例を示しているが、例えば文字情報等に関しては、直接テキスト形式で記しておいてもよい。また、図2におけるその他の情報としては、例えば楽曲の著作権情報や、いわゆるエンファシス情報等が挙げられる。
【0041】
この他に、楽曲の演奏時間等も同様の方法で管理できるが、演奏時間については、楽曲情報の表示や、楽曲の記録等を行う必要時に、メイン情報のファイルサイズと、高能率符号化の圧縮率から随時算出することも可能である。図2に示す単独購入処理フラグに関する部分については、後述もするが、複数の連続した楽曲を形成する楽曲である場合に、単独購入時においては、例えば、フェード処理などの所定の信号処理が施されるか否かを示すものである。
【0042】
なお、ここでは図2に示したように、いわゆるテーブルファイルにより付加情報を管理する例について説明した。しかし、これに限るものでなない。例えば、メイン情報にいわゆるヘッダとして種々の付加情報を付加する形をとることも可能である。
【0043】
表示部13は、メインコントローラ11に接続され、前述したハードディスク12内の楽曲データの詳細や、記録、再生等の状態を使用者に表示するためのものである。操作部14は、メインコントローラ11を介して、記録媒体への記録や、再生処理等の実行を行うものである。
【0044】
図1では、音楽サーバシステムとして単一の構成とした例を示しているが、表示部13と操作部14に関しては、外部装置として例えばパーソナルコンピュータ等を利用して、そのディスプレイ表示部と、キーボード及びマウス等を利用する方法も考えられる。
【0045】
この場合、音楽サーバシステムとパーソナルコンピュータについては、付加情報と制御信号をやりとりする専用信号線、あるいは、いわゆるシリアル接続、USB(Universal Serial Bus)、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394等のデジタルインターフェースを利用することで実現できる。
【0046】
また、メモリを含めた詳細は図示しないが、図1に示した音楽サーバシステム30の要素の全てをパーソナルコンピュータ内で構成することも可能である。すなわち、図1に示した音楽サーバシステム30は、店頭などに設置されるいわゆるスタンドアロン方式の専用装置として実現することも可能であるし、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ内に音楽サーバシステムを構成することにより実現することも可能である。
【0047】
また、図1において、記録部15は、操作部14からの指示に応じたメインコントローラ11からの制御に基づいて、ハードディスク12に記録されている楽曲データの中から読み出される使用者により選択された楽曲データを、記録部15に装填された使用者の記録媒体19に記録するものである。
【0048】
この実施の形態において、記録媒体19は、いわゆるパッケージの形で、外部への持込みが容易であり、かつ小型の再生装置などで、当該記録媒体に記録された楽曲データの再生が行えるものである。この記録媒体としては、例えば音楽用として普及しているMD(ミニディスク)と呼ばれる小型の光磁気ディスクやメモリカードの一種であるメモリスティック(以下、MSと略称する。)等である。異なる記録媒体に対応した記録部を複数設けることによって、異なる記録媒体のそれぞれに対応することも可能である。
【0049】
この実施の形態においては、記録媒体19がMDである場合を例にして説明を進める。記録媒体としてMDを用いる記録部15は、MDを回転駆動するためのスピンドルモータ、光学ヘッド、磁気ヘッド、サーボ回路等により構成されている。
【0050】
すなわち、記録媒体19であるMDは、スピンドルモータにより回転駆動され、例えば光学ヘッドからのレーザ光をMDに照射した状態で記録データに応じた変調磁界を磁気ヘッドにより印加することによって、いわゆる磁界変調記録を行う。この場合、光学ヘッドは、サーボ回路からのサーボ信号に基づいて、トラッキング制御、フォーカス制御がなされ、MDのトラックを適正なスポット形状のレーザ光によって正確に走査することができるようにされ、MDのトラックに正確に楽曲データの記録が行われる。
【0051】
また、この実施の形態において、ハードディスク12に蓄積されている楽曲データのメイン情報であるデジタルオーディオデータは、MDで用いられている圧縮フォーマット(高能率符号化方式)でデータ圧縮されたものである。データ圧縮されたデジタルオーディオデータを記録する場合には、データ圧縮がなされている分、実際の楽曲の再生相当時間より記録時間の高速化を実現できる。
【0052】
また、MDの場合、ディスク内には、TOC(Table of Contents)と呼ばれる楽曲管理情報を記録する領域が設けられており、楽曲のタイトルやその他の管理情報等の種々付加情報は、このTOCに記録されることとなる。したがって、メインコントローラ11は、記録部15を通じて、図2に示した管理情報を基に、ハードディスク12に記録されている楽曲についての付加情報を、MDのTOCのフォーマットに従って記録するように制御している。このようにして、MDのような記録媒体でも、図1で管理されていたメイン情報と付加情報の対応付けが同様に可能となる。
【0053】
デコーダ16は、この実施の形態の音楽サーバシステム内のハードディスク12に蓄積されたデジタルオーディオデータによる音声(楽曲)を実際に音で聞くための圧縮復号化装置である。このデコーダ16の構成については後に詳しく説明する。デコーダ16によって復号化されたデジタルオーディオデータは、いわゆるD/Aコンバータやアンプ、スピーカ等で構成される再生処理部17によって再生処理が行われる。
【0054】
再生処理部17による再生処理は、使用者が目的とする楽曲データを自己の記録媒体に記録等を行う前に、実際のデジタルオーディオデータによる楽曲を試聴するために用いられるものである。なお、図1において、正規化調整部18は、詳しくは後述もするが、高能率符号化されたデジタルオーディオデータを利用者の記録媒体に記録する際に、当該デジタルオーディオデータに対してフェードイン、フェードアウトなどのフェード効果を付けるようにする部分である。
【0055】
[メインサーバ10との関係、および、音楽サーバシステムの利用形態]
次に、この実施の形態の音楽サーバシステム30のハードディスク12に蓄積される楽曲データを提供するメインサーバ10との関係を含め、この実施の形態の音楽サーバシステム30の利用形態について説明する。
【0056】
図1におけるメインサーバ10は、楽曲データの販売権などの権利を所有し、楽曲データ販売する、いわゆる正当な販売元のサーバシステムであり、その構成は、この実施の形態の音楽サーバシステム30とほぼ同様のものである。図3は、メインサーバ10の構成を説明するための図である。
【0057】
図3に示すように、メインサーバ10は、図1における音楽サーバシステム30とほぼ同様の構成となっており、図1におけるメインコントローラ11、ハードディスク12、表示部13、操作部14、デコーダ16、再生処理部17が、それぞれ図3におけるメインコントローラ41、ハードディスク42、表示部43、操作部44、デコーダ47、再生処理部48に相当し、同様の働きをなすものである。
【0058】
図3における課金処理部45は、音楽サーバシステム30における課金情報を受信し処理するものである。通信部46は、各地に設置される音楽サーバシステム30(1)、30(2)、…、30(N)のそれぞれとの間で通信を行なう部分であり、楽曲データや付加情報、課金情報等のやりとりを行う部分である。音楽サーバシステム30においてもメインサーバとやりとりを行なう通信部は存在するが、前述した図1においてはこれを省略している。
【0059】
そして、図3にしたメインサーバ10において、エンコーダ40は、PCMサンプルの高能率符号化を行なうもので、詳しくは図6を用いて後述する高能率圧縮符号化回路からなるものである。すなわちソース音源となるPCM信号は、メインコントローラ41の制御のもと、エンコーダ40によって高能率符号化がなされ、ハードディスク42に蓄積される。
【0060】
図3のメインサーバ装置10においてのエンコード処理は、一般にはデジタルオーディオデータの配信事業を行なうために、大量の楽曲を自動的に効率よく処理していく必要があり、この実施の形態のメインサーバ装置10においては、ソフトウエアによる方法で実現している。もちろん、ハードウエアによって構成することも可能である。
【0061】
そして、この実施の形態のメインサーバ10は、新しい楽曲(新曲)の楽曲データを音楽サーバシステム30に提供したり、また、音楽サーバシステム30のハードディスク12に記録されている古くなった楽曲データや人気のない楽曲データの削除などを指示することができるものである。すなわち、メインサーバ10は、各地に配置される多数の音楽サーバシステム30(1)、30(2)、…、30(N)を管理、制御し、楽曲データの更新などを行うことができるものである。
【0062】
次に、音楽サーバシステム30であるが、この実施の形態において、音楽サーバシステム30は、前述もしたように、例えば、CDショップ等の店頭に設置されるものである。この場合、図1における音楽サーバシステム30は、課金装置21を通じて課金に対する使用者からの入金受付け処理などの一連の課金処理を行うことができるとともに、例えば、メインコントローラ11と課金装置21とが協働して楽曲データの値段管理等も行う機能を備えるものである。
【0063】
そして、使用者は自分のMDなどの記録媒体を店頭へ持込み、店頭に設置されているこの実施の形態の音楽サーバシステムに自分の記録媒体を装着する。そして、この音楽サーバシステム30のハードディスク12に蓄積されている楽曲データの中から視聴したい目的とする楽曲データを選択する指示を音楽サーバシステム30の表示部13と操作部14とを通じて入力する。
【0064】
音楽サーバシステム30は、使用者からの要求に応じて、選択された楽曲データをハードディスク12から読み出し、デコーダ16、再生処理部17を通じて試聴を可能にする。この試聴によって、目的とする楽曲データを確認した使用者は、その目的とする楽曲データの自分の記録媒体への記録を行うべく、当該楽曲データの記録に係る課金に応じた金銭を音楽サーバシステム30の課金装置21に投入し、操作部14を通じて記録指示を入力することによって、目的とする楽曲データを自分の記録媒体19に記録することができる。
【0065】
このように、この実施の形態において、使用者は、音楽サーバシステム30を通じて、使用者が目的とする楽曲データを自分が持ち込んだ記録媒体、この実施の形態の場合にはMDに記録する形態で、その目的とする楽曲データを購入することができるようにされている。
【0066】
なお、この実施の形態においては、音楽サーバシステム30と楽曲データの販売元であるメインサーバシステム10とは、例えば専用回線などにより接続されている。そして、前述もしたように、メインサーバ10は、この実施の形態の音楽サーバシステム30に対して、一定期間単位で(例えば一ヶ月に一回等)楽曲データを送りこみ、音楽サーバシステム30のハードディスク12に蓄積されている楽曲データの更新を行うことができるようにされている。
【0067】
また、もし音楽サーバシステム30と、メインサーバ10が高速の専用回線で接続されている場合は、購入の度にメインサーバ10上のハードディスク内にある楽曲データを直接利用する方法も考えられる。この様な形で図1に示した音楽サーバシステム30は、楽曲データのいわゆる自動販売機として機能することとなる。
【0068】
また別の音楽サーバシステムの利用例としては、家庭内に置く方法も考えられる。この場合、メインサーバ10からの楽曲データの伝送経路としては、例えばインターネット等が挙げられる。また、CSなどの衛星からのデジタル信号通信による方法も可能である。
【0069】
この場合、前述した店頭に設置される音楽サーバシステム30とは異なり、音楽サーバシステム自体に課金装置を設ける必要はなく、既存のインターネットや、電話回線等を用いた、課金処理を行うようにする。つまり、会員識別情報やクレジットカード番号などを他者に漏れることがないように、例えば暗号化して楽曲データの販売元などに送信し、銀行口座からの自動引き落としやクレジットカード決済、あるいは、請求書を発行し、入金受け付けるなどといった方法により課金についての処理を行うことができる。
【0070】
また、音楽提供事業者(販売元)からの楽曲データの購入だけでなく、すでに所有しているパッケージの楽曲データを、蓄積保存するシステムとして利用する方法も考えられる。この時、場合によっては記録媒体の読み取り以外に、所望の符号化を行う符号化器(エンコーダ)が必要となる。
【0071】
[複数の連続した楽曲についての処理]
次に、前述した音楽サーバシステム30において行われる複数の連続した楽曲データを使用者が持ち込んだ記録媒体であるMDに記録する場合の処理について説明する。図4は、音楽サーバシステム30において行われる複数の連続した楽曲データについての処理を説明するための概念図である。
【0072】
この図4に示した例は、図1に示した音楽配信システム30において、例えば、Song−A〜Song−Fまでの6つ楽曲の楽曲データが蓄積されており、前述した方法により試聴等を行ってSong−BとSong−Cの2つの楽曲を選択(購入)して、記録媒体に記録するようにしている場合を示している。この購入は、記録媒体の容量の許容する範囲内で行うことが可能であり、曲順等も任意に選択できる。
【0073】
ここで、Song−BとSong−Cとが、音として連続した楽曲である場合について説明する。連続した楽曲とは、前述もしたように、楽曲としては別であるが、前後の曲はリズム等でスムーズにつながっているものや、ライブ盤などで拍手等の音がとぎれずに前後の曲がつながっている様な場合の複数楽曲を示すものである。
【0074】
この場合、図4に示したように、Song−BとSong−Cとの2曲を購入した場合には、Song−BとSong−Cとの連続性は失われることはないので、Song−BとSong−Cとを連続して聴取する場合には、その再生音は何等の不自然さを生じさせることもない。しかし、これらが単独で購入された場合には、問題が生じる可能性がある。
【0075】
図5は、音楽サーバシステム30において行われる複数の連続した楽曲データのうちの1曲を単独で購入する場合についての処理を説明するための概念図である。この図5の例の場合においても、Song−BとSong−Cとは、前述した図4の例の場合と同様に連続した楽曲である。そして、例えば図5(A)に示すように、Song−Cのみを購入した場合、Song−Cの再生は、Song−Bの最終部分が無いため、突然楽曲が始まるような、不自然なものとなってしまう。
【0076】
これに対応するために、図5(B)に示すように、Song−Bの最終部分(終端部)をフェードイン処理することにより形成したデータ(塗りつぶし部)をSong−Cの先頭部分(冒頭部)に付加した形で、Song−Cの購入ができるようにしておくことが考えられる。このようにフェードイン処理されたデータを付加することで、Song−Cのみを購入しても、自然な再生が行われるような形で、記録媒体に記録することが可能となる。
【0077】
しかし、Song−Bに連続した形態でのSong−Cと、Song−Bの最終部分をフェードイン処理したデータが先頭部分に付加されたSong−Cとを別途に音楽サーバシステム30のハードディスク12に用意しておくのでは、Song−Cについては、音楽サーバシステム30に二重に用意されることになり、音楽サーバシステム30のハードディスク12を有効活用することができなくなってしまう。
【0078】
そこで、この実施の形態の音楽サーバシステム30においては、複数の連続した楽曲のうちの1つが単独で購入される場合など、複数の連続した楽曲のうちの1部分の楽曲が購入される場合に、フェードイン処理するようにしたデータやフェードアウト処理するようにしたデータを付加する処理を行って、不自然な再生音とならないようにした楽曲データを提供するようにする。
【0079】
このために、図2に示した楽曲データについての管理テーブルファイルの単独購入処理フラグを用いるようにする。図2に示した管理テーブルファイルの単独購入処理フラグは、前述もしたように、連続した楽曲等において、連続して購入される場合と、単独での購入が行われる場合の処理を区別するためのものである。例えば、図2においてSong−Cの単独購入処理フラグは「1」となっているため、単独で楽曲が購入された場合は、自動的に一つ前の楽曲である、Song−Bの最終部分がフェードイン処理されたデータを付加するようにする。
【0080】
ここでは最も単純な例として、単独購入処理フラグが1の場合に、前の部分に相当する楽曲の最終部分をフェードインしたものを付加するという例を示している。例えばSong−Bを単独購入した場合はSong−Cの先頭部をフェードアウトしたものを付加する場合も考えられるので、それに相当するフラグの値を用意する事も可能である。
【0081】
したがって、上述の例えばSong−Bを単独購入した場合はSong−Cの先頭部をフェードアウトしたものを付加する場合のように、フェードアウトしたデータを付加する場合の単独購入処理フラグは「2」にし、フェードインしたデータを付加するとともに、フェードアウトしたデータを付加する場合、すなわち、目的とする楽曲データの両端部にデータを付加する場合の単独購入処理フラグは「3」にするというように取り決めることができる。更にここではフェードに関する遷移形状や、遷移時間等を管理することで、より精緻な場合分けが可能となる。
【0082】
なお、単独購入処理フラグが「0」の場合には、連続した楽曲データはなく、単独購入される場合であっても、フェード処理したデータを付加する必要がないことを示している。
【0083】
[デジタルオーディオデータの高能率符号化方式について]
次に、楽曲データのフェード処理、および、フェード処理した楽曲データの付加処理についての説明を簡単にするためにデジタルオーディオデータの高能率符号化方式の具体例と、高能率符号化処理されたデジタルオーディオデータの復号処理について説明する。
【0084】
まず、この実施の形態の音楽サーバシステムのハードディスク12に記録されるメイン情報であるデジタルオーディオデータのデータ圧縮方式、すなわち、デジタルオーディオデータの高能率符号化方式の具体例について説明する。ここでは、音楽用として広く普及しているMDに記録されるデジタルオーディオデータについて用いられるATRAC(Adaptive Transform Acoustic Coding)方式の高能率符号化方式について説明する。
【0085】
図6は、デジタルオーディオデータについてATRAC方式の高能率符号化を行う高能率符号化装置の一例を説明するためのブロック図である。図6に示す高能率符号化装置では、入力デジタルオーディオ信号を複数の周波数帯域に分割すると共に、各周波数帯域毎に直交変換を行って、得られた周波数軸のスペクトルデータを、低域では、後述する人間の聴覚特性を考慮したいわゆる臨界帯域幅(クリティカルバンド)毎に、中高域ではブロックフローテイグ効率を考慮して臨界帯域幅を細分化した帯域毎に、適応的にビット割当して符号化している。
【0086】
通常、このビット割り当てを行うブロックが量子化雑音発生ブロックとなる。さらに、この実施の形態の高能率符号化装置においては、直交変換の前の入力信号に応じて、ビット割り当てを行うブロックサイズ(ブロック長)を適応的に変化させている。
【0087】
即ち、図6において、入力端子100には、例えばサンプリング周波数が44.1kHzの時、0〜22kHzのデジタルオーディオデータ(オーディオPCM信号)が供給される。この入力信号は、例えばいわゆるQMF(Quadrature Mirror Filter)等の帯域分割フィルタ101により0〜11kHz帯域と11kHz〜22kHz帯域との信号に分割され、0〜11kHz帯域の信号は同じくQMF等の帯域分割フィルタ102により0〜5. 5kHz帯域と5. 5kHz〜11kHz帯域との信号に分割される。
【0088】
帯域分割フィルタ101からの11kHz〜22kHz帯域の信号は、直交変換回路の一例であるMDCT(Modified Discrete Cosine Transform)回路103に供給されると共に、ブロック決定回路109、110、111に供給される。
【0089】
また、帯域分割フィルタ102からの5. 5kHz〜11kHz帯域の信号はMDCT回路104に供給されると共に、ブロック決定回路109、110、111に供給される。また、帯域分割フィルタ102からの0〜5. 5kHz帯域信号はMDCT回路105に供給され、ブロック決定回路109、110、111に供給される。
【0090】
ブロック決定回路109は、これに供給される信号に基づいてブロックサイズを決定し、決定したブロックサイズを示す情報をMDCT回路103、適応ビット割り当て符号化回路106および出力端子113に供給する。同様に、ブロック決定回路110は、これに供給される信号に基づいてブロックサイズを決定し、決定したブロックサイズを示す情報をMDCT回路104、適応ビット割り当て符号化回路107および出力端子115に供給する。また、ブロック決定回路111は、これに供給される信号に基づいてブロックサイズを決定し、決定したブロックサイズを示す情報をMDCT回路105、適応ビット割り当て符号化回路107および出力端子117に供給する。
【0091】
各ブロック決定回路109、110、111は、これに供給される信号の時間特性、周波数分布に応じて適応的にブロックサイズ(ブロック長)を設定する。また、MDCT回路103、104、105のそれぞれは、これに対応するブロック決定回路109、110、111から供給されるブロックサイズの下で、QMF101、または、QMF102から供給される信号に対してMDCT処理を施す。
【0092】
図7は、MDCT回路103、104、105に供給される各帯域毎のブロックについての標準的な入力信号に対する具体例を説明するための図である。この図7に示す例においては、3つのフィルタ出力信号、すなわち、QMF101からの11kHz〜22kHzの信号、QMF102からの5.5kHz〜11kHzの信号、0kHz〜5.5kHzの信号は、各帯域毎に独立におのおの複数の直交変換ブロックサイズを持ち、信号の時間特性、周波数分布等により時間分解能を切り換えられるようにしている。
【0093】
すなわち、直交変換の対象となる信号が時間的に変化が激しくない準定常的な信号である場合には、直交変換ブロックサイズを11.6mS、即ち、図7における(A)Long Modeと大きくする。また、信号が時間的に変化の激しい非定常的な信号である場合には、直交変換ブロックサイズを更に2分割、4分割とする。
【0094】
したがって、信号が非定常的である場合には、図7における(B)ShortModeのように、すべてを4分割、2.9mSとしたり、あるいは、図7における(C)Middle Mode A、(D)Middle Mode Bのように、一部を2分割、5.8mS、1部を4分割、2.9mSの時間分解能とすることで、実際の複雑な入力信号に適応するようになっている。この直交変換ブロックサイズの分割は処理装置の規模が許せば、さらに複雑な分割を行なうと、より効果的である。
【0095】
そして、図6において、各MDCT回路103、104、105にてMDCT処理されて得られた周波数軸上のスペクトルデータ又はMDCT係数データは、低域はいわゆる臨界帯域(クリティカルバンド)毎にまとめられて、中高域はブロックフローティングの有効性を考慮して、臨界帯域幅を細分化して適応ビット割当符号化回路106、107、108、及びビット割り当て算出回路118に供給される。
【0096】
ここで、臨界帯域とは、人間の聴覚特性を考慮して分割された周波数帯域であり、ある純音の周波数近傍の同じ強さの狭帯域バンドノイズによって当該純音がマスクされるときのそのノイズの持つ帯域のことである。この臨界帯域は、高域ほど帯域幅が広くなっており、上記0〜22kHzの全周波数帯域は例えば25のクリティカルバンドに分割されている。
【0097】
図6において、ビット割当算出回路118は、前述のブロックサイズを示す情報、および、スペクトルデータ又はMDCT係数データに基づき、いわゆるマスキング効果等を考慮して、前述の臨界帯域及びブロックフローティングを考慮した各分割帯域毎の、マスキング量、及び、各分割帯域毎のエネルギあるいはピーク値等を算出し、その結果に基づき、各帯域毎に割当ビット数を求め、図6における適応ビット割当符号化回路106、107、108へ供給する。
【0098】
適応ビット割当符号化回路106、107、108では、前述のブロックサイズを示す情報、及び、臨界帯域及びブロックフローティングを考慮した各分割帯域毎に割り当てられたビット数に応じて、各スペクトルデータ又はMDCT係数データを再量子化(正規化して量子化)するようにしている。
【0099】
このようにして符号化されたデータは、図6において、出力端子112、114、116を介して出力され、例えば、記録媒体に対して記録を行う処理系に供給されたり、メインサーバ10から音楽サーバシステム30にデジタルオーディオデータを送信するための処理系に供給される。なお、以下の説明においては、ビット割当の単位となる、各分割帯域を単位ブロックと言う。
【0100】
ビット割り当て算出回路118では、スペクトルデータ又はMDCT係数を基に、トーン成分等の状態を分析すると共に、いわゆるマスキング効果や、人間の聴覚に関する最小可聴カーブ、等ラウドネスカーブなどの既存の効果を考慮し、単位ブロック毎のビット割り当て量を算出して、情報配分を決定している。この際、前述したブロックサイズを示す情報についても考慮するようにしている。
【0101】
また、ビット割り当て算出回路118では、単位ブロックのブロックフローティングの状態を示す正規化データであるスケールファクタ値についても決定する。具体的には、例えば予めスケールファクタ値の候補として幾つかの正の値を用意し、その中から単位ブロック内のスペクトルデータ又はMDCT係数の絶対値の最大値以上の値をとる中で、最小のものを当該単位ブロックのスケールファクタ値として採用する。
【0102】
スケールファクタ値については、実際の値と対応した形で、数ビットを用いて番号付けを行ない、その番号をROM等(図示せず)により記憶させておけばよい。番号に対応したスケールファクタ値については、番号順に例えば2dBの間隔で値を持つように規定しておく。ここで、ある単位ブロックにおいて前述した方法で決定されたスケールファクタ値は、決定された値に対応する番号を当該単位ブロックのスケールファクタ情報(スケールファクタ値)を示すサブ情報として使用する。
【0103】
[デジタルオーディオデータの高能率符号化フォーマット]
次に、実際に符号化が行なわれた後のデジタルオーディオデータのフォーマットである符号化フォーマットについて図8を参照しながら説明する。図8において左側および右側に示した数値はバイト数を表しており、この実施の形態においては、212バイトで1フレーム(1サウンドフレーム)としている。
【0104】
図8において、一番先頭に位置する0バイト目の位置には、図6におけるブロック決定回路109、110、111において決定された各帯域のブロックサイズ情報を記録する。
【0105】
次の1バイト目の位置には、記録する単位ブロックの個数の情報を記録する。これは例えば高域側になる程、ビット割当が0となり記録が不必要な場合が多いため、これに対応するように単位ブロックの記録個数を設定することにより、聴感上の影響が大きい中低域に多くのビットを配分するようにしている。
【0106】
また、この1バイト目の位置にはビット割当情報の二重書きを行なっている単位ブロックの個数、および、スケールファクタ情報の二重書きを行なっている単位ブロックの個数を記録する。ここで二重書きは、エラー訂正用に、あるバイト位置に記録されたデータと同一のデータを他の場所に記録するものである。この二重書き情報を多くすればするほど、エラーに対する強度が上がるが、この情報を少なくすれば、実際のデジタルオーディオデータであるスペクトルデータに使用できるビットが多くなる。
【0107】
この実施の形態においては、前述したビット割当情報、および、スケールファクタ情報のそれぞれについて独立に、二重書きを行なっている単位ブロックの個数を設定し、エラーに対する強度と、スペクトルデータへの使用可能ビット数の調整を行なうようにしている。尚、それぞれの情報について、規定されたビット内でのコードと単位ブロックの個数の対応は、あらかじめフォーマットとして定めている。
【0108】
図8の1バイト目の位置の8ビットに記録される情報の内容の一例を図9に示す。図9に示すように、この1バイトの位置の8ビットのうち3ビットを実際に記録される単位ブロックの個数の情報とし、残り5ビット中の2ビットをビット割当情報の二重書きを行なっている単位ブロックの個数の情報とし、残り3ビットをスケールファクタ情報の二重書きを行なっている単位ブロックの個数を示す情報としてそのそれぞれが記録される。
【0109】
図8の2バイト目からの位置には単位ブロックのビット割当情報が記録される。ビット割当情報の記録については一つの単位ブロックに対して例えば4ビット使用することをフォーマットとして定めておく。これにより0番目の単位ブロックより順番に、前述した図8の実際に記録される単位ブロックの個数分のビット割当情報が記録されることになる。
【0110】
このようにして記録されたビット割当情報のデータの後に、単位ブロックのスケールファクタ情報を記録している。スケールファクタ情報の記録については1つの単位ブロックに対して例えば6ビット使用することをフォーマットとして定めておく。これにより、ビット割当情報の記録と全く同様に、0番目の単位ブロックより順番に、実際に記録される単位ブロックの個数分だけスケールファクタ情報が記録されることになる。
【0111】
そして、スケールファクタ情報の後に、単位ブロックのスペクトルデータが記録される。スペクトルデータについても、0番目の単位ブロックより順番に、実際に記録される単位ブロックの個数分だけ記録するようにする。各単位ブロック毎に何本のスペクトルデータが存在するかは、あらかじめフォーマットで定められているので、前述したビット割当情報によりデータの対応をとることが可能となる。尚、ビット割当が0の単位ブロックについては、記録を行なわないようにしている。
【0112】
このスペクトラム情報の後に前述したスケールファクタ情報の二重書き、および、ビット割当情報の二重書きを行なう。この記録方法については、個数の対応を図9で示した二重書きの情報に対応させるだけで、その他については上述のスケールファクタ情報、および、ビット割当情報の記録と同様である。
【0113】
一番後ろの2バイト分については、図8に示したように0バイト目と1バイト目の情報をそれぞれ二重書きしている。この2バイト分の二重書きはフォーマットとして定めておき、スケールファクタ情報の二重書きや、ビット割当情報の二重書きのように二重書き記録量の可変の設定は出来ない。
【0114】
すなわち、図6におけるビット割当算出回路118では、メイン情報として直交変換出力スペクトラムをサブ情報により処理したデ−タと、サブ情報としてブロックフロ−ティングの状態を示すスケ−ルファクタ情報および語長を示すワ−ドレングスが得られ、これを基に、図6における、適応ビット割当符号化回路106、107、108に於て、実際に再量子化を行い、必要があれば正規化情報調整回路119からの出力により正規化情報を調整し、符号化フォーマットに則した形で符号化する。
【0115】
この実施の形態において、高能率符号化されたデジタルデータは、図8を用いて説明した符号化フォーマットで音楽サーバシステム30のハードディスク12に記憶保持され、使用者からの要求に応じて、使用者が持ち込んだMDに記録部15を通じて記録されることになる。なお、以上説明した符号化方式は一例であり、この実施の形態の音楽サーバシステム30は、他の高能率符号化方式により高能率符号化されたデジタルオーディオデータを扱うこともできるものである。
【0116】
[高能率符号化されたデジタルオーディオデータの復号化処理について]
次に、前述のようにして高能率符号化されたデジタルオーディオデータの復号化処理について説明する。図10は、図6を用いて前述した高能率符号化回路で高能率符号化されたデジタルオーディオデータを復号化する復号化回路を説明するためのブロック図である。すなわち、図10に示す高能率復号化回路は、図1に示した音楽サーバシステム30のデコーダ16に相当するものである。
【0117】
各帯域の量子化されたMDCT係数、すなわち、図6における出力端子112、114、116の出力信号と等価のデータ(スペクトラムデータ)は、図10に示すように、復号回路入力端子707を通じて適応ビット割当復号化回路706に供給される。また、使用されたブロックサイズ情報、すなわち、図6における出力端子113、115、117の出力信号と等価のデータは、図10に示すように、入力端子708を通じて、逆直交変換(IMDCT)回路703、704、705に供給される。
【0118】
適応ビット割当復号化回路706に供給されたスペクトラムデータは、ここで、適応ビット割当情報が用いられてビット割当が解除され、高帯域、中帯域、低帯域の各スペクトラムデータが対応する逆直交変換回路703、704、705に供給される。逆直交変換回路703、704、705では、周波数軸上の信号であるスペクトラムデータを逆直交変換処理することによって、時間軸上の信号に変換する。
【0119】
各帯域の時間軸上信号は、図10に示すように、帯域合成フィルタ(IQMF)回路702、701に供給される。帯域合成フィルタ回路702、701は、これに供給された時間軸上信号を合成して、全帯域信号のデジタルオーディオデータに復号化する。
【0120】
このように、高能率符号化されたデジタルオーディオデータは、ビット割当て復号化、逆直交変換、帯域合成の各段階をへて、復号化され高能率符号化前のデジタルオーディオデータに復号するようにされる。そして、復号化されたオーディオデータが再生処理され聴取することが可能となる。
【0121】
また、MDを記録媒体として用いるMDの記録再生装置においても、オーディオデータの高能率符号化、および、高能率符号化されたオーディオデータの復号化は、同様にして行われることになる。
【0122】
[スケールファクタ情報の調整によるフェード処理について]
そして、この実施の形態においては、高能率圧縮されたデジタルオーディオデータについて、スケールファクタ情報(正規化情報)を調整することによって、デジタルオーディオデータによる再生音声のレベル調整を行うようにすることによって、フェードイン、フェードアウトなどのフェード処理を行うことができるようにしている。
【0123】
これにより、前述したように複数の連続した楽曲データの中の1曲を試聴するようにした場合であっても、その目的の楽曲を自然な再生音として聴取できるようにする。すなわち、試聴を希望した楽曲の再生音がいきなり放音されるような不自然なものとはならないようにする。
【0124】
このための設けられたのが、図10に示した正規化情報調整回路709、加算器710、入力端子712、調整値演算回路713である。ここでは、まず、正規化情報調整回路709、加算回路710について説明する。正規化情報調整回路709は、単位ブロック毎のレベル調整を行うために、正規化情報に対して加算する数値を出力する回路である。また、加算器710は、正規化情報調整回路709からの数値を単位ブロックのスケールファクタ情報(正規化情報)に加算するものである。
【0125】
正規化情報調整回路709から出力される数値が負の数の場合は、加算器710は減算器として作用するものとする。すなわち符号化の場合と同様に全単位ブロックに対して、正規化情報調整回路709から出力信号を全ての帯域のデータについて加算することのみによって、全帯域について2dBづつのレベル調整を可能にし、また各単位ブロック毎に異なる数値を加算することのみによって、いわゆるフィルタ効果を得ることをできるようにしている。
【0126】
このとき加算結果については、フォーマットで定められたスケールファクタ情報の数値の範囲内に収まるような制限を行う。加算器710によって単位ブロックのレベル調整が行われたスケールファクタ情報については、適応ビット割当復号化回路706における復号化の行程に使用されることにより、復号化信号のレベル調整を行うのみに利用することが可能である。
【0127】
また、加算器710によって単位ブロックのレベル調整が行われたスケールファクタ情報は、例えば符号化情報が記録された記録媒体よりスケールファクタ情報値を読み込み、調整が行われたスケールファクタ情報を出力端子711を通じて出力することによって、記録媒体に記録されているスケールファクタ情報を調整された値に変更することも可能である。
【0128】
出力端子711を通じて出力されるデータによる記録媒体の情報の変更については、必要に応じて行えるものとする。これにより非常に簡単なシステムで、記録媒体のレベル情報を変更できる。
【0129】
次に、高能率符号化されたデジタルオーディオデータに対する正規化情報調整回路709による作用について、図11、図12を用いて更に詳しく説明する。図11は、各単位ブロック毎に正規化が行われたデジタルオーディオデータの様子を示す図である。即ち、デジタルオーディオデータは、単位ブロック内で最大の周波数軸上のスペクトラムデータ又はMDCT係数に相当する正規化候補を選択し、その正規化候補の番号が、該当単位ブロックの正規化情報となる。
【0130】
この図11に示す例においては、ブロック番号0番のブロックの正規化情報は5となり、ブロック番号1の正規化情報の正規化情報は7となる。他のブロックについても同様に正規化情報の番号が対応している。符号化されたデータはこれらの正規化情報を持つため、復号化の際には、一般にはこれらの正規化情報を基に復号化を行う事となる。
【0131】
これに対し、図12は単位ブロック内で最大の周波数軸上のスペクトラムデータ又はMDCT係数を基に決定された正規化情報を正規化情報調整回路709からの情報に基づいて操作するようにした場合の例を示している。このようなデジタルオーディオデータについてのレベル調整は、符号化時と復号化時とのどちらでも行うことは可能である。
【0132】
しかし、ここでは記録媒体に記録された符号化データを復号化する際に、図10における正規化情報調整回路709により操作した例について説明する。実際に記録媒体には、図11に示すような形で決定された正規化情報、すなわちスケールファクタ情報が、図8で示したフォーマットにより記録されている。
【0133】
この記録情報をそのまま復号化することにより図11の形に再現することが可能である、しかし、ここで図10における正規化情報調整回路709より全単位ブロックに対して−1の値を算出する。この値が図10における加算器710により、正規化情報に加算されると図12に示すような形になる。すなわち、正規化情報が元の状態より1少ない値となる。これは正規化情報を2dB低い値に設定したことに相当する。
【0134】
各単位ブロック内のスペクトラムデータ又はMDCT係数は、正規化情報を基にその値が決定されているので、正規化情報を2dB低い値に設定したことで、スペクトルデータ又はMDCT係数のそれぞれが、記録媒体に記録された情報より2dB小さい値として算出される事になる。
【0135】
他の単位ブロックについても同様であるので、図10における正規化情報調整回路709より全単位ブロックについて−1の値を算出し、その値を加算器710により加算することにより図11に示したような形となり、その結果2dB低いレベルでの復号化が実現できる。
【0136】
尚、この例では説明の便宜上、単位ブロックの個数を0〜4の5個、正規化候補番号の個数を0〜9の10個としているが、例えばミニディスクに用いられているフォーマットでは、単位ブロックの個数が0〜51の52個、正規化候補番号の個数が0〜63の64個となっており、この範囲内での単位ブロックや正規化調整情報を細かに指定する事により、より精緻なレベル調整操作、あるいはフィルタ処理操作を行う事が可能となる。
【0137】
このように、高能率符号化されたデジタルオーディオデータについて、スケールファクタ情報(正規化情報)を補正する処理を行うことによって、再生音声のレベルを調整することができる。これを応用することによって、高能率符号化されたデジタルオーディオデータについて、復号化処理を行わなくてもフェードイン、フェードアウトを実現することができる。
【0138】
高能率符号化されたデジタルオーディオデータのフェード処理についての説明を簡単にするために、高能率符号化方式の処理を行う時間単位および図10に示した調整値演算回路713について説明する。まず、高能率符号化方式の処理を行う時間単位について説明する。
【0139】
図6における入力端子100にはオーディオのPCMサンプルが供給されるが、入力後に行われる103、104、105でのMDCT処理では、いわゆる直交変換処理を行う為のサンプル数が規定され、それが1つの単位となり、繰り返し行われる事になる。
【0140】
ここでは入力端子100から入力された1024サンプルのPCMサンプルが、512本のMDCT係数、またはスペクトラムデータとして、103、104、105より出力されるものとする。具体的には入力端子100より入力された1024個のPCMサンプルがQMF101により512個の高域サンプルと512個の低域サンプルとなり、更に低域サンプルについてはQMF102により、256サンプルの低域サンプルと256個の中域サンプルになる。
【0141】
この後、QMF102からの256個の低域サンプルは、MDCT回路105により、128個の低域スペクトラムデータとなり、QMF102からの256個の中域サンプルは、MDCT回路104により、128個の中域スペクトラムデータとなり、QMF101からの512個の高域サンプルは、MDCT回路103により、256個の高域スペクトラムデータとなり、合計512個のスペクトラムデータが1024個のPCMサンプルより作成されることになる。
【0142】
この1024個が上記説明してきた高能率符号化の一回の処理を行う時間単位となり、これを1フレームとする。高能率符号化された1フレームは、先に図8で示した212バイト分である。尚、図6における入力端子100より入力されるPCMサンプルについては、1フレーム1024サンプルだが、前後512サンプルはそれぞれ前後の隣接フレームでも使用される事になる。これはMDCT処理でのオーバーラップを鑑みた処理である。
【0143】
次に、図10における調整値算出回路713について説明する、調整値算出回路713は、入力端子712より前述した高能率符号化方式のフレームの番号(順番)に関する情報の供給を受ける。例えば、正規化情報調整を行う最初のフレームから、現在が何番目のフレームであるかを入力端子712を通じて取得する。具体的には、最初のフレームを0としてチャンネルを考慮した形で、図8で示した高能率符号化の212バイト単位毎に、インクリメント処理を行えばよい。調整値算出回路713はこのフレームの番号を基に、調整値を算出する。
【0144】
次に、図13、図14を用いて、調整値算出回路713により正規化情報の調整値を算出して、いわゆるフェードイン効果を単純な形で実現する例を示す。正規化情報を何も操作しない場合、図13に示すような形でフレーム0からフレーム4の状態に処理がなされるものとする。
【0145】
調整値算出回路713はフェードイン処理を行う最初のフレーム、即ち図13におけるフレーム0に対して正規化情報の調整値としてー8を算出し、その後1フレーム毎に2づつ調整値を増加する様な演算式に従って、調整値を算出し、調整値が0になるまで正規化情報を調整するようにする。
【0146】
この調整値に従って調整した様子を図14に示す。図14に示した通りレベルが時間パラメータとともに増加していく結果となり、フェードイン効果が実現される。ここでは説明の便宜上、非常に簡単な例を示したが、調整値算出回路713では、フェードアウトも含め、一般的なフェーダーとしての、より細かな設定も行う事が出来る。
【0147】
例えば1フレームは約11.6msecに相当するので、フェードインの所望のレベル遷移時間が何フレーム分に相当するかは除算を行う事で算出可能となる。また、レベル遷移の形状に関しても、直線形状のみならず、例えばサインカーブやログカーブ等に当てはめる事が出来る。このように、調整値算出回路713が、時間、レベル等に関して、より細かな設定を行い正規化情報の調整値を算出することで、フェーダーとしての機能の精緻化が可能となる。
【0148】
このようにして、高能率符号化されたデジタルオーディオデータであっても、これを復号化することなく、フェードイン、フェードアウトなどの効果を付けることができる。つまり、フェードインのためのデータやフェードアウトのためのデータや、フェードインのためのデータやフェードアウトのためのデータを付加した楽曲データを予め用意しておかなくても、楽曲データを使用者が持ち込んだ記録媒体に楽曲データを記録する場合に、その楽曲データに対してフェードインやフェードアウトなどのフェード効果を付加することができる。
【0149】
[楽曲データの提供時(記録時)のフェード処理について]
図1に示したこの実施の形態の音楽サーバシステム30においては、ハードディスク12に蓄積されている高能率符号化された楽曲データについて、正規化調整部18において、スケールファクタ値を調整することによって、フェード効果を実現するようにしている。すなわち、図10における、入力端子707、正規化情報調整回路709、加算器710、出力端子711を、図1におけるサーバシステムの正規化調整部18と記録部15に応用している。
【0150】
このようにすることによって、図1における音楽サーバシステム30のハードディスク12に蓄積された、高能率符号化データの所望の部分に関して、フェード処理を行う事で、例えば、図5(B)において塗りつぶしで示したようなフェードイン効果を実現するためのデータを容易に作成し、楽曲データに付加することが可能となる。
【0151】
フェードイン効果を付けるためのデータについては予めメインサーバ10側で作成して、そのデータそのものを蓄積する方法も充分に有効である。しかし、図1における正規化調整部18と記録部15とにより、記録媒体への楽曲データの記録時にフェード効果を付けるための部分データを作成し付加することによって、記憶容量が限られたハードディスク12をより効率的に使用することができる。
【0152】
[フェード効果が付加されて先に購入された楽曲データが記録媒体に、当該先に購入された楽曲データに連続した楽曲データを別途購入する場合について]次に、前述したようにフェード効果が付加されて再生音声が不自然にならないようにされて単独購入された楽曲データが記録されている記録媒体に、当該先に単独購入された楽曲データに連続した楽曲データを別の機会に購入する場合の処理について説明する。
【0153】
図5(B)に示したように、フェードイン効果が付加するようにされて単独購入されたSong−Cが記録されている外部記録媒体に、追加記録する形態でSong−Bを購入する場合には、図4に示したように、Song−BとSong−Cとを連続曲として扱えるようにするのが望ましい。
【0154】
この場合、Song−Bを購入後に、Song−Cに付加されたSong−Bの最終部分をフェードイン処理した図5(B)における塗りつぶし部分を削除してやればよい。Song−BとSong−Cとが、販売元が同じ音楽サーバシステムから購入されたものであれば、メインコントローラ11によって、塗りつぶし部分に相当する部分の長さは特定できる。
【0155】
すなわち、フェードイン効果を出すために、レベル調整を行った部分は、その楽曲データの先頭からどれだけのデータ部分であるかは、メインコントローラ11によって一意に特定できる。フェードイン効果を出すために、レベル調整を行ったデータを付加したのは、メインコントローラ11の制御によるためである。
【0156】
このため、メインコントローラ11は、フェードイン効果を出すために付加したデータ部分は、指示された楽曲データの例えば先頭からどれだけの部分であるかを示す情報を記録部15に供給し、このメインコントローラ11からの指示に応じて記録部15が楽曲記録媒体19に記録されている楽曲データのフェードイン効果部分の楽曲データ(塗り潰し部分の楽曲データ)の削除を行う。この場合、フェードイン効果部分の楽曲データの範囲指定は、ブロック単位やサウンドフレーム単位などの処理単位により指定することが可能である。
【0157】
このように、連続した楽曲データの追加購入時をも考慮した音楽サーバシステム30においての楽曲購入時の処理の一連の工程について、図15のフローチャートを参照しながら更に説明する。
【0158】
図15は、図1に示した音楽サーバシステム30を通じて楽曲データを購入する場合の当該音楽サーバシステム30の主にメインコントローラ11において行われる処理を説明するためのフローチャートである。音楽サーバシステム30は、まず、使用者が持ち込んだ記録媒体の挿入(装着)を受け付ける(ステップS201)。
【0159】
次に、音楽サーバシステム30のメインコントローラ11は、使用者からの楽曲データの購入指示、この例の場合には、単独購入指示を受け付け(ステップS202)、例えば、ハードディスク12に形成されている管理テーブルファイルを参照し、指定された楽曲に連続した楽曲があるか否かを判断する(ステップS203)。
【0160】
ステップS203の判断処理において、指定された楽曲に連続した楽曲が無いと判断した場合には、メインコントローラ11は、指示された楽曲データをハードディスク12から読み出して、これを使用者が持ち込んだ記録媒体に記録部15を通じて記録する通常の購入楽曲の書き込み処理を行う(ステップS204)。
【0161】
ステップS203の判断処理において、指定された楽曲に連続した楽曲があると判断したときには、メインコントローラ11は、使用者に対して、ステップS201において記録部15に装着された記録媒体に、連続した楽曲を購入して記録したかどうかの問い合わせを行う(ステップS205)。
【0162】
ステップS205において、使用者からの解答が、連続した楽曲を当該記録媒体に購入したことがないことを示すものであると判断した場合には、前述したように、不自然な再生音とならないように、管理テーブルファイルの単独購入処理フラグの情報に基づいて、フェードイン処理、あるいは、フェードアウト処理、あるいは、その両方を行うようにした楽曲データを形成し、これを記録媒体に記録する単独購入処理を行う(ステップS206)。このステップS206の処理についての詳細は後述する。
【0163】
ステップS205において、使用者からの解答が、連続した楽曲を当該記録媒体に購入したことがあることを示すものであると判断した場合には、メインコントローラ11は、既に記録済みであるその連続した楽曲のTrack−Noをユーザーに問い合わせて、これを取得する(ステップS207)。
【0164】
この後、メインコントローラ11は、ステップS202において指示された楽曲データを記録部15を通じてこれに装着されている記録媒体への書き込みを行う(ステップS208)。このステップS208の処理は、ステップS204の処理と同様に、フェード処理したデータを付加するなどのことはなく、購入指示された楽曲データをそのまま記録媒体に記録する。すなわち、このステップS208においては、フェード処理したデータの付加は禁止される。
【0165】
そして、メインコントローラ11は、記録部15を通じて、ステップS207において取得したTrack−Noにより特定される楽曲データのフェード効果を付けるための付加部分(フェード処理したデータを付加した部分)の削除を実行する(ステップS209)。
【0166】
最後に、メインコントローラ11は、新たに購入した楽曲に所望のTrack−Noを割り当て、新たに購入されたSong−Bと、先に購入されていたSong−Cとを記録媒体上において連続して再生されるようにする(ステップS210)。
【0167】
MDの場合、ステップS209、および、ステップS210については、先に説明したTOCと呼ばれる楽曲管理情報を編集することで、実現することが可能である。尚、ステップS208、ステップS209、ステップS210については順序を前後させてもよい。
【0168】
新たな楽曲の購入処理であるので、例えば、ステップS202の直後において、使用者からの入金を受け付けるようにし、入金金額が正当である場合に、以後の処理に進めるようにしてももちろんよい。
【0169】
[複数の連続した楽曲データの中の目的とする楽曲データが単独購入される場合の処理について]
次に、図15に示した処理のステップS206において実行される連続した楽曲データから目的の楽曲データを単独購入するようにされた場合に行われる処理について説明する。図16は、図15のステップS206において実行される処理を説明するためのフローチャートである。
【0170】
すなわち、図15に示した処理において、購入が指示された楽曲データに連続した楽曲があるとステップS203において判断し、さらにその連続した楽曲が装着した記録媒体に記録されていないと判断した場合に、メインコントローラ11は、ステップS206において、図15の処理を実行する。
【0171】
そして、メインコントローラ11は、ハードディスク12の図2に示した管理テーブルファイルの購入が指示された楽曲データの単独購入処理フラグを参照し(ステップS301)、単独購入処理フラグが購入指示された楽曲の冒頭側に連続した楽曲データがあることを示す「1」であるか否かを判断する(ステップS302)。
【0172】
ステップS302の判断処理において、単独購入処理フラグが「1」であると判断した場合には、購入が指示された楽曲データの冒頭側に、これに連続する楽曲データの終端部をフェードイン処理したデータを付加し(ステップS303)、そのデータが付加された楽曲データを装着された記録媒体に書き込む(ステップS304)。そして、この図16に示す処理を終了する。
【0173】
また、ステップS302の判断処理において、単独購入処理フラグが「1」でないと判断した場合には、メインコントローラ11は、単独購入処理フラグが購入指示された楽曲の終端側に連続した楽曲データがあることを示す「2」であるか否かを判断する(ステップS305)。
【0174】
ステップS305の判断処理において、単独購入処理フラグが「2」であると判断した場合には、購入が指示された楽曲データの終端側に、これに連続する楽曲データの冒頭部をフェードアウト処理したデータを付加し(ステップS306)、そのデータが付加された楽曲データを装着された記録媒体に書き込む(ステップS304)。そして、この図16に示す処理を終了する。
【0175】
また、ステップS302の判断処理において、単独購入処理フラグが「2」でないと判断した場合には、その購入指示された楽曲データの単独購入処理フラグは「3」であると判断し、購入が指示された楽曲データの冒頭側に、これに連続する楽曲データの終端部をフェードイン処理したデータを付加するとともに、購入が指示された楽曲データの終端側に、これに連続する楽曲データの冒頭部をフェードアウト処理したデータを付加し(ステップS307)、そのデータが付加された楽曲データを装着された記録媒体に書き込む(ステップS304)。そして、この図16に示す処理を終了する。
【0176】
このようにして、購入が指示された楽曲データに連続した楽曲データが存在していても、連続した楽曲データの終端部をフェードイン処理して付加することにより、または、連続した楽曲データの終端部をフェードイン処理して付加することにより、購入が指示された楽曲データを再生した場合に不自然な再生となることがないようにされる。
【0177】
また、図15を用いて前述したように、連続した楽曲がある楽曲の楽曲データが、単独購入された後、その単独購入された楽曲データに連続した異なる楽曲データが後に購入するようにされた場合には、先に購入された楽曲データにフェード処理されて付加された部分は削除されるので、本来連続した楽曲同士である楽曲データが、異なるタイミングで別々に購入された場合であっても、記録媒体に記録されたときには、それらを連続した楽曲として利用することができるようにされる。
【0178】
したがって、以上、説明してきた方法を用いて、連続した楽曲データを単独で購入する場合、より自然な形での購入記録を行う事が可能となる。また、連続した楽曲データを同一記録媒体に別の機会に記録するような場合においても、最終的に連続性を鑑みた形で楽曲データの購入記録を行う事が可能となる。
【0179】
また、前述の実施の形態の記載からも分かるように、前述の実施の形態の音楽サーバシステム30において、受付手段の機能は、ユーザインターフェースである表示部13、操作部14が実現し、また、購入指示された楽曲データに連続した楽曲データがあるか否かを判断したり、また、購入指示された楽曲データに連続するデータが既に購入されているか否かを判断する判別手段、第2の判別手段としての機能をメインコントローラ11が実現している。
【0180】
また、購入指示された楽曲データにフェード部分を付加して提供するように各部を制御したり、そのまま提供するように各部を制御する制御手段としての機能もメインコントローラ11が実現している。また、記録手段としての機能は、記録部11が実現している。さらに、フェード処理手段としての機能は、正規化調整部18が実現するようにしている。
【0181】
なお、前述の実施の形態においては、連続した楽曲データが異なるタイミングで購入される場合、後の購入タイミングにおいては、先に購入された楽曲データに付加されたフェード部分(フェード処理されたデータ部分)を削除するものとして説明した。しかし、これに限るものではない。
【0182】
例えば、スケールファクタを調整し、フェード部分を無音化にしたり、フェード部分を元の状態に戻すようにしてもよい。そして、例えば、スケールファクタを調整することによって先に購入された楽曲データのフェード部分を無音化した場合には、後の購入タイミングにおいて購入するようにされる楽曲データにフェード処理したデータを付加するのを禁止するとともに、先に購入された楽曲データのフェード部分を削除することなく、TOCの情報を書き換えるなどすることにより、先の購入タイミングで購入された楽曲データに付加されているフェード部分を無効化するようにして、先の購入タイミングで購入された楽曲データと、後の購入タイミングで購入された楽曲データとの連続性を確保するようにすることもできる。
【0183】
また、フェード部分を元に戻すようにした場合には、後の購入タイミングにおいて購入するようにされる楽曲データの冒頭部、あるいは、終端部をTOCの情報を書き換えるなどすることによって短くすることにより、連続する両楽曲データの連続性を確保することができる。
【0184】
このように、TOCの情報を書き換えることにより再生する楽曲データの記録媒体上の記録位置を変更できる場合には、先に購入された楽曲データのフェード部分が特に悪影響を及ぼさない場合には、そのフェード部分を削除したり、無音化したりする必要もない。
【0185】
また、前述の実施の形態においては、購入された楽曲データの再生音が不自然なものとならないようにするために、隣接して連続する楽曲データの終端部や冒頭部をフェード処理し、フェードイン効果やフェードアウト効果を出すようにしたデータを付加するものとして説明したが、フェード処理を施すは必要は必ずしもない。
【0186】
すなわち、いきなり楽曲が始まるような不自然さを解消するだけであれば、例えば、隣接して連続する楽曲データの終端部や冒頭部をフェード処理することなく、そのまま付加するだけでもよい。しかし、より自然な再生を行うためには、前述した実施の形態の場合のように、フェード処理したデータを付加することが望ましい。
【0187】
また、前述の実施の形態においては、記録部15を備えた音楽サーバシステムを例にして説明したが、これに限るもの出はない。記録部は備えないが、楽曲データを出力して使用者に提供する音楽提供システムにこの発明を適用することができる。
【0188】
また、前述した実施の形態において、扱われる楽曲データは、高能率符号化処理が施されてデータ圧縮されたものである場合を例にして説明したが、扱われる楽曲データは、データ圧縮されていない例えばPCMデータであってももちろんよい。しかし、記録時間の短縮などを考慮に入れた場合には、扱われるデータは、高能率符号化処理が施されてデータ圧縮されたものであることが望ましい。
【0189】
また、高能率符号化方式が、前述の実施の形態において用いるようにしたATRAC方式に限るものではなく、種々の方式を用いることができる。例えば、MPEG(Moving Picture Expert Group)方式、MP3(MPEG Audio Layer 3)方式、AAC(Advanced Audio Coding)方式、WMA(Windows Media Audio)方式、ATRAC方式を発展させたATRAC3方式、Twin−VQ(Transform−Domain Weighted Interleave Vector Quantization)方式などの種々の高能率符号化方式を用いることができる。
【0190】
また、前述した実施の形態においては、店頭などの設置される音楽サーバシステムに、この発明によるデジタル信号処理装置、デジタル信号処理システムを適用した場合を例にして説明したが、これに限るもの出はない。この発明によるデジタル信号処理装置、デジタル信号処理方法を、図1、図3に示したメインサーバに適用することも可能である。
【0191】
この場合には、購入する楽曲データの選択情報や、先に購入した楽曲データに関する情報(提供済みデジタル信号に関する情報)は、店頭に設置された音楽サーバシステムや、家庭に設置されるパーソナルコンピュータに形成された音楽サーバシステム通じて入力し、専用回線、電話回線などの所定の伝送路を通じてメインサーバに送信する。
【0192】
そして、所定の伝送路を通じて伝送されてくる購入する楽曲データの選択情報や、先に購入した楽曲データに関する情報を受信し、購入希望の楽曲データに連続する楽曲データがある時には、購入指示された楽曲データにフェード処理したデータを付加して提供したり、また、購入済みの楽曲データがある場合には、購入希望の楽曲データをそのまま提供するとともに、先に購入された楽曲データのフェード部分を削除したり、無効化するなどの指示(コマンド)を送信することによって、この発明によるデジタル信号処理装置、デジタル信号処理方法を実現することができる。
【0193】
また、この場合であっても、購入指示された楽曲データに隣接する楽曲データの一部分をフェード処理して付加するのは、メインサーバ10に接続された音楽サーバシステムに行うようにしてもよい。
【0194】
このため、多数の楽曲データが蓄積されるハードディスクなどの大容量記録媒体は、どこに設けられてもよいし、購入の指示がされた楽曲データに連続する楽曲データがあるか否かの判断や、実際に購入指示された楽曲データに隣接する楽曲データの一部分をフェード処理して付加する処理は、メインサーバ10側、音楽サーバシステム30側のいずれにおいても行うようにすることができる。
【0195】
また、楽曲データを記録するために使用者が持ち込む記録媒体は、MDなどの光自機ディスクの他、記録が可能な種々の光ディスク、磁気記録媒体、半導体メモリを用いたいわゆるメモリカードなどの種々のものを用いることができる。
【0196】
また、前述した実施の形態においては、購入される楽曲データの冒頭部分と終端部分の一方あるいは両方に、その購入される楽曲データに隣接する異なる楽曲データの終端部分、冒頭部分をフェード処理して付加するようにした。しかし、これに限るものではない。その購入する楽曲の冒頭部分、終端部分の一方あるいは両方をフェード処理するようにしてもよい。
【0197】
例えば、購入される楽曲データの前、あるいは、後ろ、あるいは、その両方に、連続する異なる楽曲データがあり、それらが、例えば、ライブ盤のように拍手でつながっていたり、あるいは、リズムなどによりつながっている場合などにおいては、購入する楽曲データの冒頭部分、終端部分をフェード処理することによって、楽曲自体に影響を与えることなく、自然な再生音とするようにして楽曲データを提供することができる。
【0198】
また、冒頭部、終端部の一方あるいは両方をフェード処理した楽曲データに連続する楽曲データを後で購入するようにされる場合には、先に購入された楽曲データについても後に購入される楽曲データの購入時に再提供するようにしたり、また、後に購入される楽曲データの当該先に購入された楽曲データにつながる冒頭部あるいは終端部についてフェードを行なうようにすることによって、それら連続する双方の楽曲データについて、自然な再生音とするようにして提供することができる。
【0199】
また、前述した実施の形態においては、処理するデジタル信号が、楽曲データ(デジタルオーディオデータ)である場合を例にして説明したが、これに限るものではない。処理の対象となるデジタル信号は、例えば、デジタルビデオデータであってももちろんよいし、デジタルオーディオデータとデジタルビデオデータの両方であってもよい。
【0200】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、連続したデジタル信号を単独で提供を受ける場合に、その再生出力が不自然となることがないような状態にして提供することができる。また、連続したデジタル信号を同一記録媒体に別の機会に提供するような場合においても、最終的に連続性を鑑みた形でデジタル信号の提供を行うようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるデジタル信号処理装置の一実施の形態が適用された音楽サーバシステムの基本構成を説明するためのブロック図である。
【図2】図1に示したメインサーバ内、あるいは、音楽サーバシステム内においての情報の対応管理テーブルを説明するための図である。
【図3】図1に示したメインサーバ10を説明するための図である。
【図4】音楽サーバシステムから連続した2曲の楽曲の転送記録(購入)した場合の例を説明するための図である。
【図5】サーバシステムから連続した楽曲のうちの一方を単独で転送記録(購入)した場合の例を説明するための図である。
【図6】デジタルオーディオデータの高能率符号化エンコ−ダの一例を説明するためのブロック図である。
【図7】ビット圧縮の際の直交変換ブロックの構造を表す図である。
【図8】高能率符号化フォーマットを説明するための図である。
【図9】図7における1バイト目のデータの詳細を示す図である。
【図10】 図6の高能率符号化エンコ−ダによりエンコードされたデジタルオーディオデータをデコードする高能率符号化デコ−ダ−の一例を説明するためのブロック図である。
【図11】図1に示したメインサーバの基本構成を示すブロック図である。
【図12】デジタルオーディオデータについての正規化情報の決定の過程を説明するための図である。
【図13】デジタルオーディオデータについての単位ブロックより構成されたフレームの時間経過による変化を説明するための図である。
【図14】図12にしめした正規化情報に、フレーム毎に算出した値を作用させ、フェードイン効果を実現する場合の例を説明するための図である。
【図15】記録済楽曲の連続性を考慮した記録処理を説明するためのフローチャート図である。
【図16】連続した楽曲のある楽曲の単独購入時の記録処理を説明するためのフローチャート図である。
【符号の説明】
10メインサーバ、30…音楽サーバシステム、11…メインコントローラ、12…ハードディスク、13…表示部、14…操作部、15、16…読取り記録部、17…デコーダ、18…再生処理部、19…記録媒体、20…記録媒体、21…課金装置、101、102…帯域分割フィルタ、103、104、105…直交変換回路(MDCT)、109、110、111…ブロック決定回路、118…ビット割り当て算出回路、106、107、108…適応ビット割当符号化回路、701、702…帯域合成フィルタ(IQMF)、703、704、705…逆直交変換回路(IMDCT)、706…適応ビット割当復号化回路、709…正規化情報調整回路、710…加算器
Claims (14)
- デジタル信号についての選択情報を受け付ける受付手段と、
上記選択情報にて指定された所定のデジタル信号に連続して再生されるべき異なるデジタル信号が有るか否かを判別する判別手段と、
上記判別手段において上記所定のデジタル信号に連続して再生されるべき異なるデジタル信号が有ると判別された場合には、上記所定のデジタル信号に隣接する上記異なるデジタル信号の冒頭部又は終端部を上記所定のデジタル信号に付加して出力するように制御し、上記判別手段において上記所定のデジタル信号に連続して再生されるべき異なるデジタル信号が無いと判別された場合には上記選択情報にて指定された上記所定のデジタル信号のみを出力するように制御する制御手段と
を備えてなるデジタル信号処理装置。 - 請求項1に記載のデジタル信号処理装置であって、
提供済デジタル信号に関する情報を受け付ける第2の受付手段と、
上記第2の受付手段を通じて受け付けた上記情報に基づいて、上記選択情報にて指定された上記所定のデジタル信号に連続して再生されるべき異なるデジタル信号が既に提供済であるか否かを判別する第2の判別手段と
を備え、
上記第2の判別手段にて上記連続して再生されるべき異なるデジタル信号が提供済であると判別された場合には、上記制御手段は上記異なるデジタル信号の冒頭部又は終端部の付加を禁止することを特徴とするデジタル信号処理装置。 - 請求項1に記載のデジタル信号処理装置であって、
上記所定のデジタル信号に付加する上記異なるデジタル信号の冒頭部又は終端部に対してフェード処理を施すフェード処理手段を更に備えてなるデジタル信号処理装置。 - 請求項2に記載のデジタル信号処理装置であって、
出力するようにされる上記デジタル信号を記録媒体に記録する記録手段と、
上記第2の判別手段にて上記連続して再生されるべき異なるデジタル信号が提供済であると判別された場合には、上記記録媒体に記録されている既に提供済みである上記異なるデジタル信号に付加されている上記所定のデジタル信号の冒頭部または終端部に対応する部分に対して所定の処理を施す処理手段と
を備えることを特徴とするデジタル信号処理装置。 - 請求項4に記載のデジタル信号処理装置であって、
上記処理手段にて施される上記所定の処理は、上記記録媒体に記録されている上記異なるデジタル信号に付加されている上記所定のデジタル信号の冒頭部または終端部に対応する部分を削除する処理であることを特徴とするデジタル信号処理装置。 - 請求項4に記載のデジタル信号処理装置であって、
上記記録媒体に記録されているデジタル信号は、正規化処理を伴う所定の高能率符号化処理によりデータ圧縮されており、
上記処理手段にて施される上記所定の処理は、上記記録媒体に記録されている上記異なるデジタル信号に付加されている上記所定のデジタル信号の冒頭部または終端部に対応する部分に対する正規化情報の更新処理であることを特徴とするデジタル信号処理装置。 - 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5に記載のデジタル信号処理装置であって、
上記デジタル信号は、いずれも所定の高能率符号化方式によりデータ圧縮するようにされており、データ圧縮されたデジタル信号を処理することを特徴とするデジタル信号処理装置。 - 選択されたデジタル信号を出力する場合のデジタル信号処理方法であって、
前記デジタル信号についての選択情報を受け付けて、
上記選択情報により指定される所定のデジタル信号に連続して再生されるべき異なるデジタル信号が有るか否かを判別し、
上記所定のデジタル信号に連続して再生されるべき異なるデジタル信号が有ると判別した場合には、上記所定のデジタル信号に隣接する上記異なるデジタル信号の冒頭部又は終端部を上記所定のデジタル信号に付加して出力し、
上記所定のデジタル信号に連続して再生されるべき異なるデジタル信号が無いと判別した場合には上記選択情報にて指定された上記所定のデジタル信号のみを出力する
ことを特徴とするデジタル信号処理方法。 - 請求項8に記載のデジタル信号処理方法であって、
提供済デジタル信号に関する情報を受け付けるようにし、
上記提供済デジタル信号に関する情報に応じて、上記選択情報にて指定された上記所定のデジタル信号に連続して再生されるべき異なるデジタル信号が既に提供済であるか否かを判別し、
上記連続して再生されるべき異なるデジタル信号が提供済であると判別した場合には、上記異なるデジタル信号の冒頭部又は終端部の付加を禁止することを特徴とするデジタル信号処理方法。 - 請求項8に記載のデジタル信号処理方法であって、
上記所定のデジタル信号に付加する上記異なるデジタル信号の冒頭部又は終端部に対してフェード処理を施すことを特徴とするデジタル信号処理方法。 - 請求項9に記載のデジタル信号処理方法であって、
出力するようにされる上記デジタル信号を記録媒体に記録するようにしており、
上記連続して再生されるべき異なるデジタル信号が提供済であると判別した場合には、上記記録媒体に記録されている既に提供済みである上記異なるデジタル信号に付加されている上記所定のデジタル信号の冒頭部または終端部に対応する部分に対して所定の処理を施すことを特徴とするデジタル信号処理方法。 - 請求項11に記載のデジタル信号処理方法であって、
上記所定の処理は、上記記録媒体に記録されている上記異なるデジタル信号に付加されている上記所定のデジタル信号の冒頭部または終端部に対応する部分を削除する処理であることを特徴とするデジタル信号処理方法。 - 請求項11に記載のデジタル信号処理方法であって、
上記記録媒体に記録されているデジタル信号は、正規化処理を伴う所定の高能率符号化処理によりデータ圧縮されており、
上記所定の処理は、上記記録媒体に記録されている上記異なるデジタル信号に付加されている上記所定のデジタル信号の冒頭部または終端部に対応する部分に対する正規化情報の更新処理であることを特徴とするデジタル信号処理方法。 - 請求項8、請求項9、請求項10、請求項11または請求項12に記載のデジタル信号処理方法であって、
上記デジタル信号は、いずれも所定の高能率符号化方式によりデータ圧縮するようにされており、データ圧縮されたデジタル信号を処理することを特徴とするデジタル信号処理方法。
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