JP4264508B2 - クラウノファン、クラウノファンの製造法および二酸化炭素固定化法 - Google Patents

クラウノファン、クラウノファンの製造法および二酸化炭素固定化法 Download PDF

Info

Publication number
JP4264508B2
JP4264508B2 JP2003308375A JP2003308375A JP4264508B2 JP 4264508 B2 JP4264508 B2 JP 4264508B2 JP 2003308375 A JP2003308375 A JP 2003308375A JP 2003308375 A JP2003308375 A JP 2003308375A JP 4264508 B2 JP4264508 B2 JP 4264508B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chemical formula
represented
macrocyclic
carbon dioxide
following chemical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003308375A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005075773A (ja
Inventor
和久 平谷
吉信 名川
雅敏 金里
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2003308375A priority Critical patent/JP4264508B2/ja
Publication of JP2005075773A publication Critical patent/JP2005075773A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4264508B2 publication Critical patent/JP4264508B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)

Description

大環状クラウノファンは多重水素結合能により、二酸化炭素を水と結合させてできる炭酸の形で常温またはそれ以下の温度で錯体を形成し、二酸化炭素を固定化することが可能になり、二酸化炭素の有効利用への応用も期待される。また、二酸化炭素のセンサーの部品となることも期待できる。
二酸化炭素はアルカリによりカルバメート塩の形や触媒により有機分子中へ取り込まれることは知られているが、大環状化合物をホストとして中性条件下、炭酸という形で常温常圧での水素結合により包接される例は知られていない(特許文献1参照)。また、
下記化学式
Figure 0004264508
で表わされる2つのアミド基を持たない25員環のクラウノファン(非特許文献1参照)では同条件下、二酸化炭素の取り込みは全く見られなかった。
特許出願2001-259431. Tetrahedron Lett., 41, 9261(2000).
水中に二酸化炭素ガスをふき込む(溶解させる)と、平衡反応でわずかの炭酸が生成することが知られている。しかしながら炭酸を単離することは困難であり、−30℃でエーテルとの錯体として単離されたという報告があるのみである。炭酸は、宇宙にも存在する物質として興味がもたれている物質であり、常温常圧で単離することは学問的のみならず技術的にも重要な課題である。
本発明は、化3で表わされる大環状化合物の製造方法、化3で表わされる大環状化合物から得られる化4で表わされる大環状クラウノファン化合物及びその製造方法、及びこの大環状クラウノファン化合物を用いた二酸化炭素の固定化方法を提供する。
本発明は、化1で表わされるビスナフトール誘導体と化2で表わされるジクロリドを反応させることにより、化3で表わされる分子内に2つのアミド基を有する大環状化合物を得る製造方法、化3で表わされる分子内に2つのアミド基を有する大環状化合物を熱転移反応により得られる化4で表わされる分子内に2つのアミド基と2つのナフトール性水酸基を有する大環状クラウノファン及びその製造方法並びにこの大環状クラウノファンを用いた二酸化炭素固定化法を提供する。
本発明によれば、化3で表される分子内に2つのアミド基を有する大環状化合物類及びその熱転位反応により得られる化4で表わされる2つのアミド基と2つのナフトール性水酸基を有する大環状クラウノファン類を得ることができる。また、本発明で得られた2つのアミド基と2つのナフトール性水酸基を有する大環状クラウノファン類は二酸化炭素を捕捉することができるので、二酸化炭素除去剤の部品となることが期待できる。また、二酸化炭素のセンサーの部品になることも期待できる。
化3で表わされる分子内に2つのアミド基を有する大環状化合物は、水素が低級アルキル類で置換されたものであっても、同様に合成することが出来ることは言うに及ばない。また、化3で表わされる分子内に2つのアミド基を有する大環状化合物を熱転位反応により、化4で表わされる2つのアミド基と2つのナフトール性水酸基を有する大環状クラウノファン化合物にするには、120〜200℃の熱処理を1〜10時間程度行うことにより行う。好適には、160℃のオイルバスを持ちいて、3時間程度が良い。
大環状クラウノファン化合物は、常温常圧で炭酸ガスと反応して錯体を形成することが出来るので、炭酸ガスを常温常圧で捕捉することができる。
炭酸セシウム(7.85g)、ヨウ化カリウム(2.13g)、DMF(400ml)を1000ml二つ口ナスフラスコに入れ、70℃のオイルバス中で撹拌する。化1で表される化合物(3.73g)と化2で表されるジクロリド(3.09g)をDMF(150ml)に溶解し滴下漏斗に入れ、上記のナスフラスコにセットし、溶液を滴下した。滴下終了後も撹拌を続け、137時間反応させた後、室温に戻し反応を停止した。反応液を濃縮し、クロロホルムで抽出を行い、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濾過濃縮により、茶色固体化合物を得た。これをフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製し、25員環大環状ポリエーテル
Figure 0004264508
を黄色粉末固体(1.15g, 収率19.2%)として得た。
この化合物の物性値は、次のとおりであった。
1H NMR (300MHz, CDCl3, ppm)
δ=3.514, 4.666, 4.896, 5.608, 7.172, 7.217, 7.379, 7.448, 7.651, 7.694
IR(KBr, cm-1)
3334.6, 1675.8
ESIマス 623.3 (計算値600+Na+
実施例1で得た25員環大環状ポリエーテル(0.74g)、NMP(120ml)を200mlナスフラスコに入れ、アルゴンガスで置換を行った後に、160℃のオイルバスにいれ、3時間転位反応を行った。室温に戻して反応を停止後、反応液を濃縮した。フラッシュシリカゲルクロマトグラフィーで分離精製することにより、25員環クラウノファン
Figure 0004264508
を白色固体粉末(0.59g, 収率80.2%)として得た。
この化合物の物性値は、次のとおりであった。
1H NMR (300MHz, CDCl3, ppm)
δ=3.285, 3.497, 3.941, 4.716, 4.745, 6.781, 7.099, 7.080, 7.353, 7.687, 7.851
IR(KBr, cm-1)
3334.3, 1655.6
ESIマス 623.3 (計算値600+Na+
NMRサンプルチューブに実施例2で得た25員環クラウノファン(化4)0.005gを入れ、重クロロホルム0.6mlに溶解した。炭酸ナトリウムに濃硫酸を滴下することにより発生した二酸化炭素を注射針から、NMRサンプルチューブに10分間吹き込んだ。吹き込み終了後に、NMRサンプルチューブの蓋をして、NMRスペクトルの測定を行った。
二酸化炭素を捕捉した25員環クラウノファンのスペクトルデータは、次のとおりであった。
1H NMR (300MHz, CDCl3, ppm)
δ=3.532, 3.586, 3.945, 4.719, 7.115, 7.341, 7.381, 7425, 7.706, 7.750, 7.928
IR(KBr, cm-1)
3437.5, 1668.1
本発明によれば、化3で表される分子内に2つのアミド基を有する大環状化合物類及びその熱転位反応により得られる化4で表わされる2つのアミド基と2つのナフトール性水酸基を有する大環状クラウノファン類を得ることができる。また、本発明で得られた2つのアミド基と2つのナフトール性水酸基を有する大環状クラウノファン類は二酸化炭素を捕捉することができるので、二酸化炭素除去剤の部品となることが期待できる。また、二酸化炭素のセンサーの部品になることも期待できる。






























Claims (4)

  1. 下記の化学式
    Figure 0004264508
    で表わされる有機試薬(ビスナフトール誘導体)と下記の化学式
    Figure 0004264508
    で表わされる有機試薬(直鎖状のオリゴエチレン部位を有するジクロリド)を反応させることにより得られる下記化学式、
    Figure 0004264508

    化3で表わされる分子内に2つのアミド基を有する大環状化合物の合成方法。
  2. 化学式
    Figure 0004264508
    で表わされる大環状クラウノファン。
  3. 下記の化学式
    Figure 0004264508
    を加熱することによる熱転位反応により得られる下記の化学式で表わされる
    Figure 0004264508
    で表わされる2つのアミド基と2つのナフトール性水酸基を有する大環状クラウノファン類の合成方法。
  4. 下記の化学式
    Figure 0004264508
    で表わされる大環状クラウノファンを用いる二酸化炭素固定化法。











JP2003308375A 2003-09-01 2003-09-01 クラウノファン、クラウノファンの製造法および二酸化炭素固定化法 Expired - Lifetime JP4264508B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003308375A JP4264508B2 (ja) 2003-09-01 2003-09-01 クラウノファン、クラウノファンの製造法および二酸化炭素固定化法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003308375A JP4264508B2 (ja) 2003-09-01 2003-09-01 クラウノファン、クラウノファンの製造法および二酸化炭素固定化法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005075773A JP2005075773A (ja) 2005-03-24
JP4264508B2 true JP4264508B2 (ja) 2009-05-20

Family

ID=34410864

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003308375A Expired - Lifetime JP4264508B2 (ja) 2003-09-01 2003-09-01 クラウノファン、クラウノファンの製造法および二酸化炭素固定化法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4264508B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005075773A (ja) 2005-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100426030B1 (ko) 락톤계 당화합물에서의 키랄성 전환방법
CN102584795A (zh) 一种克里唑替尼的制备方法
CN105801575A (zh) 一种咪唑并[1,2-a]吡啶的合成方法
CN108148069A (zh) 一种呋喃酮并吡啶酮类化合物的合成方法
CN105061405A (zh) 非马沙坦钾盐三水合物的制备方法
CN105218540B (zh) 一种C‑3位硫代咪唑并[1,2‑a]吡啶类化合物的制备方法
CN110357801A (zh) 一种碘催化三组分反应合成含氮五元杂环化合物的方法
JP6423936B2 (ja) 放射ヨウ素標識された3−フルオロプロピル−NOR−β−CITの調製
JP4264508B2 (ja) クラウノファン、クラウノファンの製造法および二酸化炭素固定化法
CN114573512B (zh) 一种合成c2-二氟烷基苯并咪唑衍生物的方法
CN114805231B (zh) 一种p-NH2-Bn-NOTA的合成方法
CN107513056B (zh) 一种含四氢呋喃基团的喹啉类化合物的合成方法
JP4961568B2 (ja) 配位子及びその製造方法、並びに該配位子を用いた触媒
JPWO2019069828A1 (ja) 光学活性な2,3−ビスホスフィノピラジン誘導体、その製造方法、遷移金属錯体及び有機ホウ素化合物の製造方法
CN115215814A (zh) 异恶唑烷类化合物的合成方法
CN115850304A (zh) 立体选择性制备2-烷基-4-硼基杂环类化合物的方法
US20100036137A1 (en) Process for the preparation of alkylene carbonates
CN113214124A (zh) 一氟甲硒基化试剂及其制备方法和应用
CN107129464B (zh) 一种2,3,5,6-四取代对称吡啶的制备方法
CN105294531B (zh) 红藻氨酸的合成方法
CN109456185A (zh) 以N-Boc酰胺为原料合成酯类化合物的制备方法
JP6202431B2 (ja) かご型シルセスキオキサン誘導体
CN113754616B (zh) 一种反式-3-苯硫基-γ-内酯的制备方法
CN105037411B (zh) 一种新型吡哆素衍生物及其制备方法
JP2006232743A (ja) 1,3−ジベンジル−2−オキソイミダゾリジン−4,5−ジカルボン酸ジメチルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050315

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081021

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20081208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090120

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4264508

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term