JP4263009B2

JP4263009B2 - 太陽電池モジュール

Info

Publication number: JP4263009B2
Application number: JP2003089396A
Authority: JP
Inventors: 多彦坂
Original assignee: Sanyo Electric Co Ltd
Current assignee: Sanyo Electric Co Ltd
Priority date: 2003-03-27
Filing date: 2003-03-27
Publication date: 2009-05-13
Anticipated expiration: 2023-03-27
Also published as: JP2004296942A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池モジュールに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の太陽電池モジュールが、実開平６−３８２６４号に開示されている。この太陽電池モジュールは、受光面側のガラス基板と、裏面側の樹脂シートとの間に、複数の板状太陽電池素子を挟み、内部の隙間に封止樹脂を充てんした構造である。そして、裏面側の樹脂シートとしては、フッ素系樹脂又はPET系樹脂フィルム等が利用されている。
【０００３】
【特許文献１】
実開平６−３８２６４号
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の太陽電池モジュールにおいては、受光面側のガラス基板は耐候性が高いものの、裏面側の樹脂シートが長期的な使用においては、十分な耐候性に乏しいものであった。
【０００５】
このような耐候性の乏しい樹脂シートに代わって、特に水分の透過を防止するためにＡｌ等の金属箔を使用し、この金属箔の両面に樹脂フィルムを貼り合わせた３層構造のシートを採用する構造も利用されている。しかしながら、このような３層構造シートは、太陽電池モジュールの外周を、金属枠にて嵌合したとき、金属枠と３層構造シートの金属箔とが接触して絶縁性低下を引き起こすことがある。
【０００６】
本発明は、上述のような問題点を解決するために成されたものであり、絶縁性と耐候性とを兼ね備えた太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明の構成は、受光面側の透光性絶縁基板と、裏面側の樹脂製耐候性シートとの間に、板状太陽電池素子を挟み、内部の隙間に封止樹脂を充てんした構造を有する太陽電池モジュールであって、前記太陽電池素子と前記耐候性シートとの間に、樹脂製絶縁性シートと金属シートとからなる封止シートを、前記太陽電池素子側に前記絶縁性シートが対向した状態で、且つ太陽電池モジュールの外周より内部に位置するように配置したことを特徴とする。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施例を、図１を用いて詳細に説明する。図において、図１は太陽電池モジュールの斜視図、図２は、図１におけるＡ−Ａ線要部断面図である。図１において、太陽電池モジュール１０は、略矩形の板状であって、受光面側にガラス等の透光性絶縁基板１２と、裏面側にフッ素系樹脂又PET系樹脂フィルム（厚さ約４０〜５０μｍ）等の樹脂製耐候性シート１３とを有している。
【０００９】
そして、透光性絶縁基板１２と、耐候性シート１３との間に、充てんされた封止樹脂１４により、平面視矩形状の複数の板状太陽電池素子１１が、互いに間隔をおいて隣接して固定された状態で、配置されている。
【００１０】
また、太陽電池素子１１と耐候性シート１３との間に、封止シート１５を配置している。この封止シート１５は、ＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）、ＰＶＦ（ポリフッ化ビニル）等の樹脂製絶縁性シート１５ａ（厚さ約５０μｍ）と、Ａｌ箔（厚さ約２０μｍ）等の金属シート１５ｂとを貼り合わせた構造であり、絶縁性シート１５ａが太陽電池素子１１側に対向した状態で配置されている。そして、このような封止シート１５は、金属シート１５ｂを有することより、耐候性、特に、水分を透過させない耐湿性が良好である。ここで、封止シート１５は、太陽電池モジュール１０の外周（８９５×１３２０ｍｍ）より、内側に１０ｍｍ程度小さい寸法の矩形形状であって、外周に位置する太陽電池素子１１の外周辺よりも外側に大きい寸法である。もし、封止シートが外周まで配置される場合には、外周より水分等が封止シートに沿って進入して封止シートと封止樹脂とが剥離するという問題を生ずるが、本実施例において、封止シート１５が、太陽電池モジュール１０の外周より内部に位置していることより、このような問題を解消している。また、太陽電池モジュール１０の外周に、金属シート１５ｂがないことになるので、外周側と十分な絶縁性を維持することもできる。
【００１１】
また、封止シート１５は、外周に位置する太陽電池素子１１の外周辺よりも外側に大きい寸法であるので、たとえ、裏面側の耐候性シート１３及び封止樹脂１４を透過してきた水分があっても、十分な大きさの封止シート１５により、水分が太陽電池素子１１に到達することを防止することができる。
【００１２】
このような構造においては、金属シート１５ｂと太陽電池素子１１裏面との間には、絶縁性シート１５ａと封止樹脂１４が存在することになるので、太陽電池素子１１と金属シート１１ｂとの絶縁性を、十分に保つことができる。また、封止シート１５は、絶縁性シート１５ａと金属シート１５ｂの２層構造であるので、金属シートの両面に樹脂製絶縁性シートを貼り合わせたものを採用するより、安価であると共に、必要な信頼性を得ることができる。
【００１３】
そして、複数の太陽電池素子１１の封止方法、封止構造について、詳細に説明する。EVA（エチレンビニルアセテート）等の加圧真空加熱前にシート状の封止樹脂１４を、透光性絶縁基板１２、太陽電池素子１１、封止シート１５、耐候性シート１２の間に配置した状態で、太陽電池モジュール１０の表面及び裏面より、加圧しながら真空加熱することで、封止樹脂１４が軟化して、内部の隙間に封止樹脂１４が充てんされ、図２の構造が完成される。そして、完成後において、透光性絶縁基板１２と太陽電池素子１１と間の封止樹脂１４の厚みは、０．６〜１．０ｍｍ程度、太陽電池素子１１と封止シート１５との間の封止樹脂１４の厚みは、０．６〜１．０ｍｍ程度、封止シート１５と耐候性シート１３との間の封止樹脂１４の厚みは、０．３〜０．５ｍｍ程度である。
【００１４】
次に、太陽電池素子１１としては、シリコン単結晶又は多結晶系の太陽電池が利用できる。更には、太陽電池素子１１を、表面及び裏面で発電することができる両面発電型の構造として、表面側より透明導電膜／ｐ型非晶質半導体膜／ｉ型非晶質半導体膜／ｎ型結晶系半導体基板／ｉ型非晶質半導体膜／ｎ型非晶質半導体膜からなるものも利用できる。なお、複数の太陽電池素子１１は、太陽電池素子１１の表面及び裏面上の集電極（図示せず）に、適宜、細長い板状金属箔のリード線（図示なし）を接続して、電気接続されている。
【００１５】
本実施例の太陽電池モジュールは、その外周に、アルミ等の金属材料からなる外枠を設けて、屋根、傾斜面、建物の外壁等に取り付けることができる。また、太陽電池モジュール１１の裏面に接着剤を利用して、傾斜面、建物の外壁面に貼りつけることもできる。
【００１６】
【発明の効果】
本発明においては、太陽電池素子と樹脂製耐候性シートとの間に、樹脂製絶縁性シートと金属シートとからなる封止シートを、太陽電池素子側に絶縁性シートが対向した状態で配置されていることより、太陽電池モジュール裏面の耐候性シートの信頼性が不充分な場合であっても、封止シートにより信頼性を高めることができる。特に、樹脂製耐候性シートは、長期信頼性においては、水分を透過してしまうが、封止シートの金属シートにより、裏面側より透過した水分の進入を確実に阻止させ、水分が太陽電池素子に至ることを防止できる。また、太陽電池素子には、封止シートの絶縁性シートが対向するので、太陽電池素子と金属シートが接触することなく、確実に絶縁性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図２】図１のＡ−Ａ線要部断面図である。
【符号の説明】
１０太陽電池モジュール
１１太陽電池素子
１２透光性絶縁基板
１３耐候性シート
１４封止樹脂
１５封止シート
１５ａ絶縁性シート
１５ｂ金属シート

Claims

受光面側の透光性絶縁基板と、裏面側の樹脂製耐候性シートとの間に、板状太陽電池素子を挟み、内部の隙間に封止樹脂を充てんした構造を有する太陽電池モジュールであって、
前記太陽電池素子と前記耐候性シートとの間に、樹脂製絶縁性シートと金属シートとからなる封止シートを、前記太陽電池素子側に前記絶縁性シートが対向した状態で、且つ太陽電池モジュールの外周より内部に位置するように配置したことを特徴とする太陽電池モジュール。