JP4262876B2 - 不完全燃焼防止装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は燃焼用空気を強制的に取り込んで燃焼する強制燃焼式ガス給湯器等の燃焼器に組み込んで、その不完全燃焼を防止する不完全燃焼防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、燃焼器においては、排気の漏洩による室内酸欠状態や燃焼器の給排気系不良によって起きる不完全燃焼を検知して一酸化炭素中毒を防止する安全装置が設けられている。
こうした安全装置は、図7に示されるように、燃料ガスと燃焼用空気とが吸入される導入管71と、導入管71から吸入されたガスと空気とが混合される混合管72と、この混合管72で混合された混合気が噴出する多数の炎口を配置開口したセラミックス製のバーナプレート73と、このバーナプレート73の全周を囲んでバーナプレート73の上に形成される火炎への燃焼用二次空気の接触を妨げる円筒形の燃焼筒75と、この燃焼筒75を混合管72に装着して固定するビス76とから、全一次空気式のバーナ本体70を構成する。
このバーナ本体70は、導入管71の開口部71a近傍にガスノズル81を設け、燃焼に必要な空気を導入管71を介して混合管72へ吸入して、基本的に燃焼用二次空気を必要としない全一次空気燃焼を行うものである。
【0003】
このバーナ本体70上部の燃焼筒75には、熱電対90(炎検知素子)がその先端感熱部90aを燃焼筒75内に臨ませてロー95付けにより固定される。
熱電対90は、コンスタンタン芯91と、コンスタンタン芯91を絶縁被覆94を介して覆うと共に先端でコンスタンタン芯91と溶接され温接点(先端感熱部90a)を形成するステンレス管92と、ステンレス管92の末端外表面に溶接される銅製のリード線93と、コンスタンタン芯91の末端で接続される銅製のリード線96とから構成される。このリード線93とリード線96とが燃焼コントローラに接続される。
尚、熱電対90は、ステンレス管92とリード線93との接合部90bの温度と、コンスタンタン芯91とリード線96との接合部90cの温度とが等しくなるような位置に各接合部90b,90cを配置して、各接合部90b,90cを冷接点としている。
熱電対90は、先端感熱部90aが火炎により加熱されることにより、温接点と冷接点との間で電位差が生じて熱起電力Vが発生し、この起電力Vからコントローラにて火炎温度を検知する。この熱電対90とバーナ本体70とからセンサーバーナ2が構成される。
【0004】
こうした構成のセンサーバーナ2では、全一次空気燃焼が行われ、火炎の内炎(図7中、実線)がバーナプレート73から熱電対90の先端感熱部90a近傍まで形成され、外炎(図7中、破線)が燃焼筒75の先端開口75a近傍で形成される。
この状態から、風量の低下による一次空気比λの低下等に伴って供給酸素が不足すると、燃焼状態が悪化して燃料ガスの燃焼速度が噴出速度より遅くなり、バーナプレート73上でバランスすることができなくなり、火炎がリフトして燃焼筒75の先端開口75aに保炎される(図7中、破線)。このように火炎が大きくリフトして熱電対90が低温の未燃ガスによって囲まれるため、その起電力Vは急激に低くなる。
【0005】
このような火炎の形成位置変化による起電力Vの急激な低下を捉えることにより、給湯器のメインバーナが不完全燃焼を起こす前に、燃料ガスの供給を遮断し燃焼を停止させる。
従って、酸素供給不足の検知が容易であり、確実に不完全燃焼を防止できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この不完全燃焼検知方法は、燃焼筒75の中に形成される火炎中に熱電対90の先端感熱部90aを挿入しているため、以下のような問題があった。
第一には、熱電対90が、その取付位置によっては、燃焼筒75内を流れる混合気の流れを乱して起電力Vを大きく変動させてしまうことがあるという問題があった。
例えば、取付位置が正規位置に対して下方にずれている場合には、混合気が下方から熱電対90上部に巻き込んで、火炎の内炎が熱電対90上部に形成され、まるで熱電対90が保炎器のようになってしまい、熱電対90の先端感熱部90aが内炎の内部に入って温度が低くなり、起電力Vが小さくなってしまう。従って、製品開発時において、このような保炎現象が起きないように熱電対90の取付最適位置を決定することは非常に困難であった。
また、保炎現象は、熱電対90の取付位置だけでなく、混合気の流速によっても起きることがあり、火炎の形成状態が変化しやすい。
こうした保炎現象により、起電力Vのばらつきが大きかった。
【0007】
第二には、先端感熱部90aが燃焼筒75内のある一点での温度変化を検知する構造であるため、熱電対90の組み付け誤差を生じても正規の起電力Vの出力が得られる位置に先端感熱部90aを配置しなくてはならないという厳しい条件があった。
例えば、先端感熱部90aのバーナプレート73に対する位置が前後・左右・上下の全方向に0.2mmずれても、温度が変化しない位置、或いは、変化しても許容範囲内である位置に先端感熱部90aを取り付ける必要がある。
【0008】
更に、先端感熱部90aの配置は、組み付け誤差が生じても、一次空気量の減少に対する熱電対90の出力特性が同様になるような位置にする必要がある。加えて、全種類のガスに対してこうした条件を満たす必要があり、取付位置の決定が非常に困難であった。
また、燃料ガスの種類によって火炎の形状が変化するため、先端感熱部90a周囲の温度も変化してしまい、やはり検知される起電力Vのばらつきが大きかった。
そこで、本発明の不完全燃焼防止装置は上記課題を解決し、酸素供給状態の悪化を検知する炎検知素子の検知信号のばらつきを抑えることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載の不完全燃焼防止装置は、
酸素供給状態に応じて燃焼状態が変化するセンサーバーナを備え、該センサーバーナの燃焼状態に応じた検知信号を出力する炎検知素子によりメインバーナの酸素供給状態の悪化を検知して不完全燃焼を防止する不完全燃焼防止装置において、
上記炎検知素子を上記センサーバーナの火炎の周囲を囲む形状に形成した不完全燃焼防止装置であって、
上記炎検知素子は、異種金属となる内筒と外筒とを同軸上に径方向に重ねて形成した熱電対であることを要旨とする。
【0011】
また、本発明の請求項記載の不完全燃焼防止装置は、上記請求項記載の不完全燃焼防止装置において、
上記外筒を上記内筒の筒長よりも短く形成して、該内筒の外周壁の任意の位置に装着したことを要旨とする。
【0012】
また、本発明の請求項記載の不完全燃焼防止装置は、上記請求項記載の不完全燃焼防止装置において、
上記外筒が上記内筒の受熱面全体と接触するように該外筒を該受熱面と同じ筒長に形成したことを要旨とする。
【0013】
また、本発明の請求項記載の不完全燃焼防止装置は、上記請求項1〜3の何れかに記載の不完全燃焼防止装置において、
上記熱電対は、上記外筒の外周に装着し上記内筒の少なくとも一部に密接する防風筒を備え、該防風筒の材料に該内筒と同種金属を用いることを要旨とする。
【0014】
また、本発明の請求項記載の不完全燃焼防止装置は、上記請求項1〜の何れかに記載の不完全燃焼防止装置において、
火炎を形成するバーナプレートで全一次空気燃焼をし、酸素供給不足時に該火炎を囲む筒状ガードの先端開口でブンゼン燃焼により保炎されるセンサーバーナを備え、
上記筒状ガードを上記炎検知素子として兼用したことを要旨とする。
【0016】
上記構成を有する本発明の請求項1記載の不完全燃焼防止装置は、炎検知素子が、センサーバーナの火炎の中に設けられるのではなく、火炎の周囲を囲んで形成されるため、火炎の形成を乱さず、検知信号の出力が安定する。
しかも、炎検知素子は、従来のように火炎の一点について検知するのではなく、火炎のまわりの状態を平均的に検知するため、炎検知素子の取り付け誤差による出力のずれが非常に少ない。
このように、炎検知素子の検知信号の出力がばらつきにくいため、給排気系の閉塞等による空気比の低下を正確に検知して、メインバーナの不完全燃焼を防止できる。尚、不完全燃焼防止は、例えば、燃料ガスの供給を停止したり、燃料ガス量や空気量を調節することによって行われる。
【0017】
また、本発明の請求項記載の不完全燃焼防止装置は、内筒の外周に外筒を装着させた筒状の熱電対を構成して火炎の周囲を囲み、この熱電対により火炎温度に応じた起電力を出力する。供給酸素が不足してくると、火炎が正常燃焼時よりも伸びて筒体の上方に形成され、熱電対の起電力が急激に低下し、火炎の燃焼状態を捉えて不完全燃焼の防止処理を迅速に行う。
【0018】
また、本発明の請求項記載の不完全燃焼防止装置は、外筒を内筒の筒長よりも短く形成したため、外筒装着位置が線状の感熱部となり、供給酸素が不足して火炎形成位置がこの装着位置に対して変化すると、例えば、リフトにより火炎が装着ラインをまたいで上方へ移動すると、起電力が大きく変化する。このようにして、供給酸素不足時に火炎の形成位置の変化を鋭敏に捉えて、迅速に不完全燃焼防止処理を行うことができる。
【0019】
また、本発明の請求項記載の不完全燃焼防止装置は、内筒の受熱面部と同じ筒長に形成された外筒が内筒の受熱面全体を囲むため、熱電対が内筒内の火炎全体の温度を検知する。
従って、燃料ガスの種類等の燃焼条件が異なって火炎の形成状態が変わっても、内筒内の火炎の発生燃焼熱量を捉えているため、ガス種に関係なく同じ熱電対を用いて火炎の燃焼状態を検知できる。
【0020】
また、本発明の請求項記載の不完全燃焼防止装置は、外筒の外周に防風筒が装着されるため、強制的に取り込まれる燃焼用空気によって外筒が冷却されにくく、熱電対が火炎温度を良好に検知する。
しかも、防風筒と内筒とは同種金属で互いに密接しているため、内側の内筒ではなく外側の低温の防風筒から熱電対の導線を接続して冷接点とすることができる。これにより、冷接点が火炎によって加熱されにくくなり、温接点と冷接点との間に温度差が十分生じて、大きな熱起電力を得ることができ、確実に火炎温度を検知できる。
【0021】
また、本発明の請求項記載の不完全燃焼防止装置は、筒状に形成された炎検知素子で火炎を囲むことにより、火炎の基部が周囲の燃焼用空気と接触できないようにしているため、供給酸素が十分である場合には、バーナプレート上で全一次空気燃焼をして火炎が筒体内で形成される。一方、供給酸素が不足してくると、火炎がリフトして筒体の先端開口で保炎されてブンゼン燃焼する。
従って、供給酸素量に応じて火炎の形成位置を鋭敏に変化させる筒状ガードを炎検知素子として兼用できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の不完全燃焼防止装置の好適な実施形態について説明する。
《第1実施形態》
第1実施形態は、従来例と熱電対の形状が異なる。尚、従来例と重複するものに関しては同じ符号を用いて説明を省略する。
図4は、センサーバーナ1を備えた強制燃焼式ガス給湯器の燃焼部を上から見た説明図である。この給湯器は、燃焼室50内には偏平な複数のメインバーナ51が並設され、それらのスロート52先端に一次空気調整用のダンパー53が設けられ、ノズル台54に設けられたガスノズル55から燃料ガスが供給される。このノズル台54に設けられたガス流路には能力(燃焼量)を調整するための比例制御弁やガス流路を開閉する電磁弁が設けられる。また、燃焼室50の下部には送風ファン(図示略)が設けられ、燃焼用空気を燃焼室50に強制供給しメインバーナ51でブンゼン燃焼を行い、この燃焼熱で熱交換器を加熱して出湯するように構成されている。
【0024】
図1は、メインバーナ51に並設され、混合管72の上部に熱電対10を装着したセンサーバーナ1を表す。
この熱電対10は、図1,図2に示すように、バーナプレート73上部で形成される火炎を筒状に囲むように設けられる燃焼筒12(内筒)と、燃焼筒12の筒下部の外側にバーナプレート73と平行に装着されるリング体11a(外筒)と、リング体11aと一体形成されるコンスタンタン棒11bと、燃焼筒12,リング体11a,バーナプレート73を外側から覆う防風筒13と、防風筒13と混合管72とを固定するビス76に共締めされる銅製のリード線14と、コンスタンタン棒11bの末端と接続される銅製のリード線17と、コンスタンタン棒11bとリード線17とを覆う絶縁用被覆15と、リード線14を覆う絶縁用被覆16とから構成される。このリード線14,17は給湯器の燃焼コントローラに接続される。
【0025】
燃焼筒12は、ステンレス製で筒下部の外径が筒上部よりも小さくて段差12aがあり、全体の筒長が16mmである。一方、リング体11aは、コンスタンタン製で、筒長が1mmで燃焼筒12よりも短く、燃焼筒12の中間位置に取り付けられる。また、防風筒13は、燃焼筒12と同じステンレス製である。尚、バーナプレート73の下部には、混合気漏出防止用のパッキン74が設けられる。また、防風筒13には、コンスタンタン棒11b挿入用の溝13aが形成される。
【0026】
こうした構成部品からなる熱電対10は、図2に示されるように、燃焼筒12にリング体11aを下方から位置決め用の段差12aに当接するまで圧入して密着させている。そして、リング体11aと一体形成されたコンスタンタン棒11bを防風筒13の溝13aに挿入させながら、リング体11aを装着した燃焼筒12に防風筒13を下からはめ込み、燃焼筒12の上部をカシメにより防風筒13と密着して接続し、リード線14を防風筒13に接続して、熱電対10が一体的に形成される。
尚、このリング体11aとバーナプレート73の上表面との距離z1は4mmである。また、燃焼筒12の内周側は、バーナプレート73上面からh1(8mm)の位置で(つまり、リング体11aよりも上方で)段差が設けられ、段差下部の小径側面が火炎からの受熱面となっている。
【0027】
筒形状の熱電対10は、リング体11aと燃焼筒12との接触円周部10aが温接点となっている。
また、リード線14と防風筒13との接合部10bと、リード線17とコンスタンタン棒11bとの接合部10cとが冷接点となる。
但し、冷接点となる接合部10bと温接点となる接触円周部10aとの間で大きな温度差を生じさせて発生起電力Vを大きくするために、接合部10bをバーナプレート73より下方となる防風筒13の下部に配置し、できるだけ低温になるようにしている。
【0028】
しかも、2つの冷接点間の温度差による発生起電力の誤差が生じないように、各接合部10b,10cの温度を等しくする必要があるため、接触円周部10a,接合部10b間の距離(ステンレス側)と接触円周部10a,接合部10c間の距離(コンスタンタン側)との比を、ステンレスの熱伝導率とコンスタンタンの熱伝導率との比(16:27)と等しくして、これらの接合部10b,10cを配置する。
不完全燃焼防止装置は、熱電対10を備えたセンサーバーナ1と、熱電対10の起電力Vに基づいて電磁弁を開閉制御するコントローラとにより構成される。
【0029】
上述した構成のセンサーバーナ1は、点火操作により給湯器のメインバーナ51からセンサーバーナ1に火移りしてバーナプレート73の表面上で火炎を形成する。この場合、火炎を囲む燃焼筒12,防風筒13により二次空気の供給が遮られ、全一次空気燃焼が行われる。
【0030】
次に、室内の酸素濃度の低下や、給湯器の排気部の閉塞により、センサーバーナ1への供給酸素が不足する時の燃焼停止制御について説明する。
給排気系が閉塞して風量が減少する場合には、燃焼用の空気量が減少するため混合気の空気比λが低下し、一方、室内の酸素濃度が低下する場合には、風量(空気比λ)が同じであっても燃焼に寄与する酸素量が減少し、何れにしても供給酸素が減少する。センサーバーナ1は、メインバーナ51に併設されているため、メインバーナ51の酸素供給状態に合わせてその酸素供給状態が変化する。
【0031】
このように供給酸素が減少すると、混合管72内の空気比λが減少し燃焼速度が低下して、火炎はバーナプレート73上からリフトして、燃焼筒12の上端開口で保炎され、周囲から二次空気が供給されブンゼン燃焼に切り替わる。
特に、燃焼筒12が火炎への二次空気の接触を妨げる筒状ガードの役割を果たすため、酸素供給量が減少すると火炎が鋭敏にリフトし、全一次空気燃焼からブンゼン燃焼に迅速に切り替わる。
この結果、熱電対10の出力する起電力Vは、図3の実線Bに示されるように、供給酸素が不足すると急激に低下するため、センサーバーナ1の燃焼状態の悪化の検知が容易である。尚、図3の実線は本実施形態を示し、破線は従来例を示す。
そして、起電力Vが予め設定しておいた判定基準値Vsを下回った時に、電磁弁を閉成し、燃料ガスの供給を停止する。
つまり、メインバーナ51が不完全燃焼を起こす前に、火炎が酸素供給不足に対して敏感に変化するセンサーバーナ1によって酸素不足を捉えて、燃焼を停止する制御を行ってメインバーナ51の不完全燃焼を防止する。
【0032】
熱電対10は、火炎の中に挿入して設けられるのではなく、火炎を取り囲んで形成されるため、火炎の形成を妨害せず、起電力Vを不安的に変化させることなく出力する。
しかも、この熱電対10による温度変化の検知は、従来のように熱電対を火炎に挿入して一点を対象にするのではなく、リング体11aの内側の火炎の外周となる高さ1mm程度の線(円周)を対象にするため、バーナプレート73上で火炎がアンバランスに形成されても、平均的に検知を行うことができる。
【0033】
これは、図3において、本実施形態の取り付け誤差に関する起電力特性を表した実線と、従来例の起電力特性を表した破線とを比較すれば明らかである。尚、どちらの場合も、熱電対とバーナプレート上面との上下方向の距離z(従来はz3,本実施形態はz1)を基準B,bから0.5mmずらして起電力特性を比較したものである。基準B,bの上側をA,a、一方、下側をC,cとして示す。
この特性図から分かるように、従来では起電力Vが熱電対の取り付け誤差によって大きくずれていたが、本実施形態ではそのばらつきが非常に小さい。
またに、従来のセンサーバーナでは、熱電対の挿入量によっても起電力がかなり変化するが、本実施形態では、こうした構成に起因した出力値のばらつきがない。
【0034】
また、バーナプレート73の各炎口の位置や炎口径の大きさの寸法精度が悪い場合でも出力のずれが非常に少ない。
従って、上述のような誤差が多少生じても、一次空気量の減少による起電力Vの各出力変化は、誤差が無い場合の出力変化とほぼ同じになり、熱電対10は、給排気系の閉塞等による空気比λの低下をセンサーバーナ1で正確に検知して、メインバーナ51の不完全燃焼防止処理を迅速に行うことができる。
【0035】
これに加えて、熱電対10は、燃焼筒12の外周にリング体11aを装着させて、リング体11aを火炎に接触させずに、燃焼筒12を介してリング体11aの内側の火炎の温度を検知しているため、コンスタンタンのような耐熱性が比較的低い材料を用いることができる。
また、リング体11aに沿った部分の火炎の温度を検知するため、供給酸素が不足してくると、正常燃焼時ではリング体11a近傍に位置していた火炎の高温部がリング体11aの上方へ移動し、熱電対10の起電力Vが急激に低下し、火炎の形成位置の変化を鋭敏に捉えることができ、不完全燃焼の防止処理を迅速に行うことができる。
しかも、リング体11aがバーナプレート73から所定距離をあけていて火炎高温領域に位置するため、酸素供給不足時と正常燃焼時との比較が容易になり酸素供給不足を判定しやすい。
加えて、リング体11aの筒長が燃焼筒12の16分の1と小さいため、リング体11aの材料費を抑えることができる。
【0036】
また、熱電対10の起電力Vの殆どを発生するコンスタンタン製のリング体11aの外周に防風筒13が装着されるため、送風ファンによって燃焼用空気が送り込まれてもリング体11aはあまり冷却されず、高い起電力が得られ熱電対10は火炎温度を良好に検知する。
更に、供給酸素量に応じて火炎の形成位置を鋭敏に変化させる筒状ガードを熱電対10の燃焼筒12(または防風筒13)に兼用するため、新たに筒状ガードを設けなくてよく、製造コストを抑えることができる。
しかも、防風筒13と燃焼筒12とは同じ種類の金属で互いに密接されているため、熱電対10のリード線14を外側の防風筒13に接続できる。従って、接触円周部10aの温接点から接合部10bの冷接点を十分に離すことができ、温接点と冷接点との間の温度差が大きくなって高い起電力Vを得ることができ、確実に火炎温度を検知できる。
【0037】
また、リード線14を外側の防風筒13に接続することで熱電対10の構造が簡単になり、しかも、その接続は、防風筒13と混合管72とを固定するビス76に共締めするだけなので新たな締結部品を必要とせず、製造コストを抑えることができる。
【0038】
《第2実施形態》
次に、第2実施形態について図5を用いて説明する。尚、第1実施形態と異なる部分について説明し、重複する部分に関しては同一符号を付してその説明を省略する。第2実施形態の熱電対20は、第1実施形態の熱電対10のリング体11aを延ばした点が基本的に異なる。
【0039】
熱電対20は、燃焼筒22の受熱面の高さh2が燃焼筒22の3分の2程度になるように形成して、第1実施形態の受熱面高さh1よりもかなり大きくする。そして、第1実施形態のリング体11aに代えて、リング体11aと同径で燃焼筒22の受熱面全体を囲む筒長のコンスタンタン筒21aを用いる。また、燃焼筒22を上部で防風筒23と共にカシメて、コンスタンタン筒21aを固定している。尚、コンスタンタン筒21aにはコンスタンタン棒21bが設けられる。
【0040】
この熱電対20では、火炎の先端から基部に渡って全体の温度を平均的に検知し、センサーバーナの燃焼発生熱量を把握することができるため、熱電対20の取り付け位置等に多少誤差が生じても、一次空気量の減少,ガスの種類,インプットの増減による各起電力Vの変化は、正しい位置に取り付けられた熱電対20の起電力Vの変化とほぼ同じになる。
【0041】
従って、これらの燃焼条件が異なる状況においても同じ熱電対20を用いることができ、燃焼条件に対して個別にリング体(ここでは、コンスタンタン筒21a)の位置を設定する必要がなく、製品開発時の仕様決定が簡単である。しかも、熱電対20の種類が増えず、在庫管理が容易になる。
しかも、起電力Vがばらつきにくいため、給排気系の閉塞等による空気比λの低下を正確に検知して、メインバーナ51の不完全燃焼を防止できる。
加えて、燃料ガスの種類により火炎の大きさが異なっても、インプットが同じであれば、燃焼発生熱量も同じなので起電力Vも等しく、ガスの種類に応じて個々に熱電対20を作り分ける必要が無い。従って、在庫管理が容易になり、また、ユーザーが異なるガス種の地域へ引っ越しても、熱電対20を取り替える必要が無い。
【0042】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、センサーバーナは、ブンゼンバーナであってもよい。
また、第1実施形態の燃焼筒12の受熱部の高さhを低くして、火炎の基部の温度を検知してもよい。この場合には、燃料ガスの種類,インプットの増減によって火炎の大きさが変化しても、正常燃焼時は火炎が常に受熱部近傍に形成しているため、このような燃焼条件に関係なく、起電力Vの出力を確実に得ることができる。
【0043】
また、燃焼筒12を筒形状に代えてリング体11aと同程度の筒長のリング形状にしてリング体11aと向かい合わせて防風筒13に取り付けてもよい。
また、防風筒13を一枚のステンレス板を丸めて形成してもよい。この板にコンスタンタン棒11b挿入用の切り欠きを形成しておけば、第1実施形態の溝13aとは異なり、コンスタンタン棒11bの上方も防風筒13に覆われて、燃焼筒12の温度低下を一層防止できる。
【0044】
また、異種金属の筒体を上下に接合して熱電対を構成してもよい。例えば、図6に示す熱電対30は、バーナプレート73を囲むステンレス製の下筒33と、下筒33と同径でコンスタンタン製の上筒31aとを溶接して構成される。上筒31aと一体形成されるコンスタンタン棒31bの末端にリード線17が接続され、下筒33にもリード線14が接続されビス76によって共締めされる。
こうした構成の熱電対30は、上筒31aと下筒33との溶接部が温接点となり、酸素供給不足時の火炎形成位置の変化を捉えて、メインバーナ51の不完全燃焼防止処理を迅速に行う。また、構造が簡単であり、製造コストを低減できる。
熱電対に耐熱性の高い異種金属、例えば、アルメルクロメルを用いてもよい。
【0045】
また、防風筒13と燃焼筒12とを異種金属にしてもよい。例えば、内側の燃焼筒12とリード線14とを溶接し防風筒13に形成した溝にリード線14を挿入することで、防風筒13を介さない熱電対を製造することができる。
この熱電対では、燃焼筒12とリード線14との溶接部がステンレス側の冷接点になり、温接点となる接触円周部10aとの距離が第1実施形態よりも短くなる。このため、ステンレス側の冷接点の温度と温接点の温度との差が殆ど無くなって十分な起電力Vが得られないと懸念される。
しかしながら、リード線は銅製でコンスタンタンよりもかなり発生起電力が小さいので、ステンレス側の冷接点の温度とコンスタンタン側の冷接点の温度とが等しくなくても、温接点の温度に対する冷接点の温度がそれぞれ安定していれば、相対的な温度変化から起電力Vの差を検知でき、こうしたタイプの熱電対も製品化が可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載の不完全燃焼防止装置によれば、炎検知素子が火炎の周囲を囲んで形成されるため、火炎の形成を妨害せず、しかも、火炎の円周上における燃焼状態を検知し、検知信号の出力がばらつきにくくなり、給排気系の閉塞等による空気比の低下を正確に検知できる。この検知に基づいてメインバーナの不完全燃焼を防止できる。
【0047】
更に、本発明の請求項記載の不完全燃焼防止装置によれば、熱電対は、内筒の外周に外筒を装着して形成されるため、簡単に製造でき、また、火炎を囲むための取り付けが容易である。
【0048】
更に、本発明の請求項記載の不完全燃焼防止装置によれば、外筒を内筒の筒長よりも短く形成したため、外筒を内筒の所望の位置に装着できる。この結果、酸素供給不足時に火炎の形成位置の変化を鋭敏に捉えることができ、迅速に不完全燃焼防止処理を行うことができる。
【0049】
更に、本発明の請求項記載の不完全燃焼防止装置によれば、外筒が内筒の受熱面全体を囲むため、熱電対が内筒内の火炎の発生燃焼熱量を捉えて、火炎の燃焼状態を検知できる。
従って、燃料ガスの種類が異なって火炎形成状態が異なっても、同じ熱電対を用いることができるため、ガス種毎に製品開発時における仕様決定の手間を省くことができ、しかも、熱電対の種類が増えず、在庫管理も容易になる。
また、耐熱性の低い材料で外筒を構成することができる。
【0050】
更に、本発明の請求項記載の不完全燃焼防止装置によれば、外筒の外周に防風筒が装着されるため、燃焼用空気が熱電対の周囲を流れても外筒を殆ど冷却せず、熱電対は火炎温度を良好に検知できる。
また、防風筒と内筒とは同種金属で互いに密接しているため、熱電対の導線を外側の防風筒と接続することにより、冷接点と温接点との温度差を大きくして高い起電力を得ることができ、確実に火炎温度を検知できる。また、熱電対の構造が簡単になり、製造コストを低減できる。
【0051】
更に、本発明の請求項記載の不完全燃焼防止装置によれば、供給酸素量に応じて火炎の形成位置を鋭敏に変化させる筒状ガードを炎検知素子として兼用でき、迅速に不完全燃焼防止処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態としての不完全燃焼防止装置を側面から見た断面図である。
【図2】第1実施形態としての熱電対の一部の斜視図である。
【図3】一次空気比と起電力との関係を示した図である。
【図4】第1実施形態としての不完全燃焼防止装置を備えた強制燃焼式ガス給湯器の燃焼部を上から見た説明図である。
【図5】第2実施形態としての不完全燃焼防止装置を側面から見た断面図である。
【図6】変更例としての不完全燃焼防止装置を側面から見た断面図である。
【図7】従来例の不完全燃焼防止装置を側面から見た断面図である。
【符号の説明】
1,2…センサーバーナ、10,20,30,90…熱電対、11a…リング体、11b,21b,31b…コンスタンタン棒、12,22…燃焼筒、13…防風筒、14,17…リード線、21…コンスタンタン筒、上筒…31a、下筒…33、70…バーナ本体、73…バーナプレート、ガスノズル…81。

Claims (5)

  1. 酸素供給状態に応じて燃焼状態が変化するセンサーバーナを備え、該センサーバーナの燃焼状態に応じた検知信号を出力する炎検知素子によりメインバーナの酸素供給状態の悪化を検知して不完全燃焼を防止する不完全燃焼防止装置において、
    上記炎検知素子を上記センサーバーナの火炎の周囲を囲む形状に形成した不完全燃焼防止装置であって、
    上記炎検知素子は、異種金属となる内筒と外筒とを同軸上に径方向に重ねて形成した熱電対であることを特徴とする不完全燃焼防止装置。
  2. 上記外筒を上記内筒の筒長よりも短く形成して、該内筒の外周壁の任意の位置に装着したことを特徴とする請求項1記載の不完全燃焼防止装置。
  3. 上記外筒が上記内筒の受熱面全体と接触するように該外筒を該受熱面と同じ筒長に形成したことを特徴とする請求項記載の不完全燃焼防止装置。
  4. 上記熱電対は、上記外筒の外周に装着し上記内筒の少なくとも一部に密接する防風筒を備え、該防風筒の材料に該内筒と同種金属を用いることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の不完全燃焼防止装置。
  5. 火炎を形成するバーナプレートで全一次空気燃焼をし、酸素供給不足時に該火炎を囲む筒状ガードの先端開口でブンゼン燃焼により保炎されるセンサーバーナを備え、
    上記筒状ガードを上記炎検知素子として兼用したことを特徴とする請求項〜4の何れかに記載の不完全燃焼防止装置。
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