JP4262820B2 - トリコスポロン属由来のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規フルクトシルアミノ酸オキシダーゼに関する。
【0002】
【従来の技術】
血液中の糖化タンパク質、例えば、糖化アルブミンや、赤血球中の糖化ヘモグロビン(以下、「HbA1c」という)等は、生体内血糖値の過去の履歴を反映しているため、糖尿病の診断や治療等における重要な指標とされている。
【0003】
このような糖化タンパク質の測定方法としては、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法、ミニカラム法、免疫法、酵素法等があげられる。この中でも、特にフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)を用いた酵素法は、他の測定方法に比べ、正確かつ迅速に糖化タンパク質を測定できる方法である。
【0004】
このFAODを用いた測定方法は、例えば、以下に示すようにして行うことができる。まず、FAODが糖化タンパク質に作用し易いように、糖化タンパク質をプロテアーゼで分解する。そして、この分解物をFAODで処理し、FAODの酸化還元反応により生成する過酸化水素量または消費される酸素量を測定することによって、前記糖化タンパク質の量を測定する。
【0005】
しかしながら、従来のFAODは、HbA1cに対しての作用に問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、HbA1cに対して良く作用する新規FAODの提供である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
HbA1cの糖化部分は、そのN末端のバリン残基である。そこで、本発明者らは、ヘモグロビンを単一炭素源及び窒素源として生育し、かつフルクトシルバリン(以下、「FV」という)を単一窒素源として生育することを条件として、自然界の様々な菌体を分離培養し、それらが産生する酵素について、FVに対する酸化分解能等を調べた。その結果、下記式(1)で示される反応を触媒する新規FAODを産生する菌体を分離することに成功し、本発明に至った。なお、本発明のFAODは、下記式(1)で示すように、FVに限らず、α−アミノ基が糖化された他のアミノ酸に対して活性が極めて高い。また、本発明のFAODは、糖化ペプチドまたは糖化タンパク質に対して、下記式(1)と同様の触媒機能を発揮してもよく、さらにその他の触媒機能を有していてもよい。本発明のFAODを使用することにより、HbA1cの測定を高精度かつ迅速に行うことが可能となる。また、本発明のFAODは、HbA1cの測定以外にも、他の糖化タンパク質、糖化ペプチドまたは糖化アミノ酸の測定や、その他の用途に使用できる。
【0008】
【化1】
R1−CO−CH2−NH−CHR2−COOH + O2 + H2O
→R1−CO−CHO + NH2−CHR2−COOH + H2O2…(1)
[前記式中、R1は糖残基を示し、R2はアミノ酸側鎖基を示す。]
【0009】
前記式(1)において、糖残基(R1)は、糖化反応前の糖に由来する残基を意味し、反応前の糖がアルドースの場合はアルドース残基であり、反応前の糖がケトースの場合、ケトース残基である。例えば、反応前の糖がグルコースの場合は、アマドリ転位により、反応後の構造はフルクトース構造をとるが、この場合、糖残基(R1)は、グルコース残基(アルドース残基)となる。また、この糖残基(R1)は、例えば、−[CH(OH)]n−CH2OHで示すことができる。なお、nは、0〜6の整数である。
【0010】
また、前記式(1)において、アミノ酸側鎖基を示すR2は、例えば、アミノ酸が、グリシン、アラニン、セリン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシン、バリン、アルギニン、メチオニン、スレオニン、ヒスチジン等の場合、それぞれ−H(グリシンの場合)、アラニン側鎖基、セリン側鎖基、アスパラギン側鎖基、アスパラギン酸側鎖基、グルタミン酸側鎖基、イソロイシン側鎖基、ロイシン側鎖基、フェニルアラニン側鎖基、チロシン側鎖基、バリン側鎖基、アルギニン側鎖基、メチオニン側鎖基、スレオニン側鎖基、ヒスチジン側鎖基等を示す。
【0011】
また、本発明のFAODとしては、前記式(1)で示される反応触媒機能を有していれば、配列番号1〜6に記載のいずれかのアミノ酸配列において、一個以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されていてもよい。
【0012】
本発明のFAOD産生菌体として、本発明者らにより単離された菌体としては、トリコスポロン属(Trichosporon)の菌体があり、その種類としては、新菌体であるトリコスポロン ムコイデス KDK4001(Trichosporon mucoides KDK4001)(FERM P−17134)があげられる。なお、本発明のFAODは、これらの菌体由来には制限されず、例えば、前述のようなアミノ酸配列をコードするDNA配列を含む遺伝子を組み込んだ組換え体由来等であってもよい。
【0013】
本発明のFAODにおいて、α―アミノ基が糖化されたアミノ酸(以下、「α―GA」という)を基質としたときの比活性が、α―アミノ基以外のアミノ基が糖化されたアミノ酸を基質としたときの比活性よりも高いことが好ましい。また、前述のように、HbA1cは、そのN末端バリン残基が糖化されていることから、前記α―GAが、α−アミノ基が糖化されたバリン(以下、「α―GV」という)であることが好ましく、特に好ましくはFVである。また、前記α―アミノ基以外のアミノ基が糖化されたアミノ酸が、ε−アミノ基が糖化されたリジンであることが好ましく、特に好ましくはε−アミノ基が糖化されたフルクトシルリジン(以下、「ε−FL」という)である。
【0014】
つぎに、本発明のFAODの理化学的性質の一例を以下に示す。この理化学的性質は、本発明のFAODを産生する菌体であるトリコスポロン ムコイデス KDK4001(Trichosporon mucoides KDK4001)(FERM P−17134)を後述する方法により培養し、精製することによって得られたFAOD単一標品を用いて、以下に示す方法により明らかにされたものである。
【0015】
(1)力価の測定方法
酵素反応により生成する過酸化水素量の測定を用いる方法と、酵素反応により消費する酸素量の測定を用いる方法がある。
【0016】
A.過酸化水素量の測定
(A−1:速度法)
以下に示すFAOD反応液組成になるように、各試薬を混合して、前記FAODの添加により反応を開始する。そして、4−アミノアンチピリンの酸化生成物であるキノン色素の波長505nmにおける吸収(吸光度)を、ShimadzuUV−2200A分光光度計(島津製作所社製)を用いて、経時的に測定する。生成されたキノン色素の分子吸光係数(ε=5.16×103)と吸光度とから、反応温度30℃で、1分間に生成する過酸化水素量(μmol)を算出し、この値をFAOD活性とする(単位:U)。
【0017】
【0018】
(A−2:終末法)
前記速度法(A−1)と同様にして反応を開始し、反応液の一定時間(通常、10分間)における吸光度の増加を測定する。そして、予め、標準過酸化水素を用いて作成した検量線から、反応温度30℃で、1分間に生成した過酸化水素量(μmol)を算出し、この値をFAOD活性(U)とする。
【0019】
B.酸素量の測定
0.1Mトリス−HCl緩衝液(pH7.5)1mlと前記FAOD溶液50μl(約0.01〜1.0U)とを測定容器内で混合し、これに蒸留水を加え全量を2.9mlにする。この混合液中に酸素電極(ランクブラザース社製)のセルを入れ、30℃で攪拌し、前記混合液中の溶存酸素および前記混合液の温度を平衡化する。そして、前記混合液に50mM FV100μlを添加し、消費された酸素量を記録計で連続的に計測し、初速度を求める。そして、予め、測定容器内の酸素濃度とその記録値とから標準曲線を作成し、この標準曲線から、反応温度30℃で、1分間に消費された酸素量(μmol)を求め、これを酵素単位(U)とする。
【0020】
(2)至適pH
以下に示す各種緩衝液を用いた以外は、前記速度法(A−1)と同様に活性測定を行い、各条件における相対活性(%)を求めた。前記緩衝液としては、0.1M リン酸カリウム緩衝液(以下、「KPB」という)(pH5.5、pH6.0、pH6.5、pH7.0、pH7.5、pH8.0)、0.1Mトリス−HCl緩衝液(pH7.5、pH8.0、pH8.5、pH9.0)および0.1Mグリシン−NaOH緩衝液(pH8.5、pH9.0、pH9.5、pH10.0、pH10.5)を使用した。この結果を、図1のグラフに示す。同図において、◯はKPB、●はトリス(Tris)−HCl緩衝液、□はグリシン(Gly)−NaOH緩衝液をそれぞれ示す。図示のように、至適pHは、pH6.5〜9.0の範囲であり、pH7.5〜8.0の場合に優れた活性を示した。
【0021】
(3)pH安定性
以下に示す各種緩衝液を使用し、反応前に前記FAODを前記各種緩衝液と混合し、30℃で10分間インキュベートした以外は、前記速度法(A−1)と同様に活性測定を行い、各条件における残存活性(%)を求めた。前記緩衝液は、0.1M酢酸緩衝液(pH4.0、pH4.5、pH5.0、pH5.5)および前記至適pHの検討に使用した3種類の緩衝液である。この結果を、図2のグラフに示す。同図において、▲は酢酸緩衝液、□はKPB、●はTris−HCl緩衝液、△はGly−NaOH緩衝液をそれぞれ示す。図示のように、pH4.5〜9.5の範囲で安定であり、pH4.0以下およびpH10.5以上で処理した場合に、その残存活性は10%以下であった。
【0022】
(4)至適温度
各温度(20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃)で反応を行った以外は、前記速度法(A−1)と同様に活性測定を行い、各条件における相対活性(%)を求めた。この結果を図3のグラフに示す。図示のように、至適温度は、30〜55℃の範囲であり、45℃の場合に優れた活性を示した。
【0023】
(5)熱安定性
前記FAODをトリス−HCl緩衝液(pH7.5)と混合し、反応前に各温度(25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃)で10分間インキュベートした以外は、前記速度法(A−1)と同様に活性測定を行い、各条件における残存活性(%)を求めた。この結果を図4のグラフに示す。図示のように、本発明のFAODは、25〜50℃の範囲で安定であるが、55℃で処理した場合、約90%失活した(残存活性約10%)。
【0024】
(6)基質に対する比活性
基質としてFVを用いた場合の比活性を前記速度法(A−1)により測定した。また、前記FVの代わりにε−FLを使用した以外は、前記速度法(A−1)と同様にして、ε−FLを用いた場合の比活性を測定した。その結果、FVを用いた場合の比活性が、79.5U/mgであり、ε−FLを用いた場合の比活性(41.4U/mg)よりも高かった。
【0025】
(7)基質特異性
各種基質を用いた以外は、前記速度法(A−1)と同様に活性測定を行い、各基質に対する相対活性(%)を求めた。これらの結果を下記表1に示す。前記相対活性は、基質としてFVを用いた場合の比活性を100%として表した。
【0026】
【表1】
【0027】
前記表1に示すように、FVに対する活性が最も高かった。また、上記の糖化アミノ酸以外の糖化アミノ酸(α−アミノ基が糖化されたもの)に対しても、活性が確認された。なお、D−バリンが糖化したもの(フルクトシル−D−バリン)については、活性はみられなかった。
【0028】
(8)ミカエリス定数(Km値)
前記速度法(A−1)により活性測定を行い、基質FVに対するミカエリス定数を求めた。また、基質ε−FLに対するミカエリス定数は、基質FVの代わりにε−FLを用いた以外は、前記速度法(A−1)と同様に活性測定を行って、求めた。この結果を図5および図6に示す。図5は、FVについてのラインウェーバー−バークの逆数プロットを示すグラフであり、図6は、ε−FLについてのラインウェーバー−バークの逆数プロットを示すグラフである。
【0029】
図5および図6からVmaxおよびKm値を求めた結果、基質がFVの場合、Vmax=110μmol・min-1・mg-1、Km=0.86mMであり、基質がε−FLの場合、Vmax=49.3μmol・min-1・mg-1、Km=0.50mMであった。
【0030】
(9)金属の影響
予め、前記FAODに、金属イオンが終濃度1mMになるようにその金属塩を添加して、30℃で5分間インキュベートした後、前記速度法(A−1)により活性測定を行い、これらの相対活性(%)を求めた。これらの結果を下記表2に示す。なお、相対活性は、金属塩無添加の場合の比活性を100%として表した。
【0031】
【表2】
【0032】
前記表2に示すように、本発明FAODは、Cuイオン、Agイオン、Hgイオンによりほぼ完全に阻害され、Coイオンにより若干阻害されることがわかった。
【0033】
(10)阻害剤による影響
予め、前記FAOD溶液に、終濃度1mMになるように各種阻害剤を添加して、30℃で10分間インキューベートを行った後、前記速度法(A−1)により活性測定を行い、これらの残存活性(%)を求めた。この結果を、下記表3に示す。前記残存活性は、前記FAODが阻害剤未処理の場合の比活性を100%として表した。下記表3において、PCMBはp−クロロメルクリ安息香酸、DTNBは5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)、EDTAはエチレンジアミン四酢酸を示す。
【0034】
【表3】
【0035】
前記表3に示すように、前記FAODは、チオール(SH)基阻害剤であるPCMBによりほぼ完全に阻害されたが、その他のSH基阻害剤による阻害は見られなかった。また、フェニルヒドラジンにより阻害がみられたが、同じくカルボニル基に作用するヒドラジンおよびヒドロキルアミンによる阻害は見られなかった。
【0036】
(11)分子量
分子量の決定は、ゲルろ過法、およびドデシル硫酸ナトリウム・ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)法により行った。
【0037】
A.ゲルろ過法
カラムは、スーパーデックス200pg(Superdex200pg)(ファルマシア社製)カラム(カラムサイズ:16/60)、溶出溶媒は、0.1MNaCl含有の0.1M KPB(pH8.5)、分子量の標準タンパク質は、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(分子量290,000)、ラクテートデヒドロゲナーゼ(分子量140,000)、エノラーゼ(分子量67,000)、ミオキナーゼ(分子量32,000)およびシトクロームc(分子量12,400)をそれぞれ用いた。前記カラムにより前記FAODおよび前記標準タンパク質の分画をそれぞれ行い、これらの溶出体積から、前記FAODの分子量を求めた。この結果を図7のグラフに示す。このグラフは、各種タンパク質の溶出体積と分子量の対数との関係を示す。このグラフから、ゲルろ過法によるFAODの分子量は、約46,000(46kDa)であることがわかった。
【0038】
B.SDS−PAGE法
まず、デービスの方法に従い、10%ゲル(pH8.8)を用いて、20mAで2時間電気泳動した後、クーマシーブリリアントブルーG−250(和光純薬工業社製)によりタンパク染色を行った。なお、分子量の標準タンパクとして、ウシ血清アルブミン(分子量67,000)、オボアルブミン(分子量43,000)、カルボニックアンヒドラーゼ(分子量30,000)、トリプシンインヒビター(分子量20,100)およびリゾチーム(分子量14,300)についても同様に電気泳動を行った。この結果を図8および図9に示す。図8は、各種タンパク質の泳動パターンを表し、図9は、前記泳動パターンをもとに、各種タンパク質の移動度(Rf値)と、分子量の対数との関係を示したグラフである。この結果から、SDS−PAGE法による前記FAODの分子量は、約50,000(50kDa)であることがわかった。
【0039】
(12)サブユニット構造
前記ゲルろ過法およびSDS−PAGE法による分子量の結果からモノマー構造であることが推測された。
【0040】
(13)補酵素の関与
前記FAOD溶液および10mM FVを含有するFAOD溶液のそれぞれの吸収スペクトルを、ShimadzuUV−2200A分光光度計(島津製作所社製)を用いて測定した。その結果を図10に示す。同図において、実線はFAOD溶液のスペクトル、破線はFVを含有するFAOD溶液の吸収スペクトルをそれぞれ示す。図示のように、FVを添加することにより、波長450nmの吸収ピークが消失した。これによりFAODには補酵素フラビンが関与していることが推測された。
【0041】
(14)アミノ酸配列
前記FAODの単一標品を用いて、常法のエドマン分解法によりアミノ酸配列の決定を行った。その結果、配列番号1〜6に記載のアミノ酸配列を有することが確認できた。
【0042】
(15)既知のFAODとの理化学的性質の比較
下記表4に既存のFAODおよび前記トリコスポロン ムコイデス KDK4001(Trichosporon mucoides KDK4001)(FERM P−17134)由来FAODの諸性質を示す。
【0043】
なお、下記表4において、各種菌体由来のFAODの諸性質についての出典は、アスペルギルス テレウスGP−1(Aspergillus terreus GP-1)(FERMBP−5684)は、国際公開公報WO97/20039号、ペニシリウム ジャンシネルムS−3413(Penicilium janthinellumS−3413)(FERM BP−5475)は、特開平8−336386号公報、ギベレラ フジクロイIFO6356(Gibberella fujikuroi IFO6356)は、特開平7−289253号公報、フサリウム オキスポルムS−1F4(Fusarium oxysporum S-1F4)(FERM BP−5010)は、特開平7−289253号公報である。
【0044】
【表4】
【0045】
前記表4に示すようにトリコスポロン ムコイデス KDK4001(Trichosporon mucoides KDK4001)(FERM P−17134)由来のFAODは、他のFAODに比べ、FVに対する比活性が優れており、かつε−アミノ基が糖化されているε−FLよりもFVに対する比活性が高い点で他のFAODとは異なっていた。
【0046】
つぎに、本発明のFAODを産生する新規菌体について説明する。この菌体としては、例えば、前述のように、トリコスポロン属(Trichosporon)の菌体があり、この中でも特に好ましくは、トリコスポロン ムコイデス KDK4001(Trichosporon mucoides KDK4001)である。
【0047】
このトリコスポロン ムコイデス KDK4001(Trichosporon mucoides KDK4001)は、本発明者らが、土壌中より新規に単離した菌体であり、工業技術院生命工学工業技術研究所に、受託番号FERM P−17134(寄託日:平成11年1月11日)で、寄託されている。本菌体の形態を表す顕微鏡写真(1000倍)を図11に示す。なお、本菌体の菌学的特性は、下記に示すとおりである。
【0048】
(形態学的性質)
ピンクコロニー −
出芽細胞(Budding cells) +
レモン型細胞(Lemon-shaped cells) −
出芽突起(Buds on stalks) −
分裂細胞(Splitting cells) −
糸状(Filamentous) +
偽分節菌(Pseudohyphae) +
分節分生子(Arthroconidia) +
出芽分生子(Ballistoconidia) −
対象型出芽分生子(Symmetric ballostconidia) −
【0049】
(発酵学的性質)
D−グルコース −
マルトース −
ラクトース −
D−ガラクトース −
スクロース −
ラフィノース −
【0050】
(生育学的性質)
D−グルコース +
マルトース +
グリセロール +
D−ガラクトース +
α,α−トレハロース +
エリトリトール +
L−ソルボース +
メチル−α−D−グルコシド +
D−グルシトール +
D−グルコサミン +
セロビオース +
D−マンニトール +
D−リボース +
メリビオース +
myo−イノシトール +
D−キシロース +
ラクトース +
2−ケト−D−グルコン酸 +
L−アラビノース −
ラフィノース +
D−グルコン酸 +
L−ラムノース +
メレチトース +
D−グルクロン酸 +
スクロース +
ガラクチトール +
グルコノ−δ−ラクトン +
硝酸 −
エチルアミン +
L−リジン +
カダベリン +
クレアチン −
クレアチニン −
0.01%シクロヘキサミド +
酢酸生成物 −
【0051】
(生育)
酵母MY培地における生育は、25〜35℃で生育良好であり、37℃では生育が弱く、40℃では生育しない。
【0052】
(生育pH)
生育pHは、pH7.0が最適である。
【0053】
本発明のFAODを用いれば、糖化アミノ酸と前記FAODとを反応させ、この酸化還元反応を測定することにより、前記糖化アミノ酸の量を測定することができる。また、糖化タンパク質または糖化ペプチドの量を測定する場合は、これらをプロテアーゼで分解した後、この分解物と前記FAODとを反応させ、この酸化還元反応を測定することが好ましい。
【0054】
【発明の実施の形態】
本発明のFAODは、例えば、本発明のFAODを産生する菌体であるトリコスポロン属(Trichosporon)の菌体を培養することによって製造できるが、その最適条件は菌体ごとに異なる。以下に、トリコスポロン ムコイデス KDK4001(Trichosporon mucoides KDK4001)(FERM P−17134)の培養条件を示す。
【0055】
培養に使用する液体培地としては、例えば、炭素源、窒素源、無機塩、その他栄養素等を適宜含有する培地が使用できる。前記炭素源としては、通常、グルコース、フルクトース、キシロース、グリセリン等、前記窒素源としては、ペプトン、カゼイン消化物、大豆粉等のタンパク質またはその消化物、あるいは酵母エキス等の窒素性有機物等がそれぞれ使用できる。また、前記無機物としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マンガン、マグネシウム、鉄、コバルト等の塩類が使用できる。
【0056】
前記培地組成は、特に制限されないが、本発明のFAOD収率が良いことから、糖およびアミノ酸を含有することが好ましい。前記糖としては、例えば、グルコースが好ましく、アミノ酸としてはロイシンが好ましい。前記培地中における糖の含量は、0.5〜1.0重量%の範囲が好ましく、前記アミノ酸の含量は、0.5〜1.0重量%の範囲が好ましい。このような培地の特に好ましい一例として、グルコース−ロイシン褐変化培地を以下に示す。なお、このグルコース−ロイシン褐変化培地は、グルコースとロイシンとを高温高圧条件下で褐変反応(メイラード反応)させた培地である。
【0057】
(グルコース−ロイシン褐変化培地:pH6.0)
グルコース 2.0重量%
ロイシン 1.5重量%
K2HPO4 0.1重量%
NaH2PO4 0.1重量%
MgSO4・7H2O 0.05重量%
CaCl2・2H2O 0.01重量%
酵母エキス 0.2重量%
水 残分
【0058】
培養時間は、特に制限されない。ただし、本発明のFAODは、通常、菌体中に存在する菌体内酵素であるが、培養を長く行うと菌体外に放出されるおそれがあるため、例えば、後述のように培養後の菌体中からFAODを回収する場合は、15〜24時間の範囲で培養することが、特に好ましい。
【0059】
培養温度は25〜30℃の範囲が好ましく、特に好ましくは28℃、pHはpH5.5〜6.0の範囲が好ましく、特に好ましくはpH6.0であり、好気条件下で培養することが好ましい。
【0060】
なお、前述のように培養条件は、培養する菌体により適宜決定されるため、前述の条件には制限されない。
【0061】
つぎに、前記培養により得られた培養液から、本発明のFAODを常法により分離精製することにより、前記FAODの単一標品を得ることができる。
【0062】
分離精製を行うにあたって、前述のように、本発明のFAODは菌体内酵素であるため、まず、菌体を破砕して、酵素を抽出する。前記菌体破砕の方法としては、摩砕用アルミナ等を用いた摩砕法、フレンチプレス等による高圧法、超音波処理法、酵素処理法、凍結融解法等があげられる。例えば、前記フレンチプレスを用いる場合、菌体を緩衝液に懸濁し、この懸濁液に、20,000〜30,000psiの圧力をかけ、瞬間的に常圧にまで減圧することにより前記菌体を破砕できる。
【0063】
そして、菌体破砕後、遠心分離等によってFAODを含有する上清を回収し、前記上清中のFAODを分離精製する。この精製は、既知の方法である、硫安等による塩析法、等電点沈殿法、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、HPLC等の組み合わせにより行うことができる。これらの組み合わせとしては、特に制限されないが、例えば、(1)交換基がジエチルアミノエチル(以下、「DEAE」という)基である陽イオン交換クロマトグラフィー、(2)硫安分画、(3)交換基がフェニル基である疎水性クロマトグラフィー、(4)交換基がブチル基である疎水性クロマトグラフィー、(5)交換基が4級アンモニウム(以下、「Q」という)基である強陰イオンクロマトグラフィー、(6)分画分子量が10,000〜200,000の範囲であるゲルクロマトグラフィーの組み合わせ等が採用でき、これにより単一標品が得られる。
【0064】
【実施例】
(実施例1)
トリコスポロン ムコイデス KDK4001(Trichosporon mucoides KDK4001)(FERM P−17134)を培養してFAODを製造し、前記FAODの精製を行った。
【0065】
(1)培養方法
前々培養として、下記YEPD培地5mlに、トリコスポロン ムコイデス KDK4001(Trichosporon mucoides KDK4001)(FERM P−17134)を一白金耳植菌して、28℃で、24時間培養した後、前培養として、前記グルコース−ロイシン褐変化培地100mlに前記培養液を植菌して、28℃で48時間培養した。そして、本培養として、新たな前記グルコース−ロイシン褐変化培地10リットル(15リットルジャー)に、前培養の培養液を植菌して、28℃、12時間、攪拌速度500rpm、通気量5リットル/分の条件で培養した。
【0066】
(YEPD培地:pH6.0)
酵母エキス(DIFCO社製) 1.0重量%
バクトペプトン(DIFCO社製) 2.0重量%
デキストロース(DIFCO社製) 2.0重量%
水 残分
【0067】
(2)精製方法
前記培養液から遠心分離(12,000rpm、10min、4℃)により菌体を回収し(湿重量50g)、1mM DTTを含む50mM KPB(pH8.0)(以下、「緩衝液A」という)に懸濁して、菌体をフレンチプレスにより破砕した。菌体破砕後、遠心分離(4℃、15,000g、20分間)して上清を回収し、これを無細胞抽出液とした。
【0068】
前記無細胞抽出液を、前記緩衝液Aで一晩透析した後、予め前記緩衝液Aで平衡化したDEAE−セファセル(ファルマシア社製)カラムに吸着させ、このカラムを前記緩衝液Aで洗浄した後、0−0.5M塩化カリウム濃度勾配により吸着タンパク質を溶出させた。そして、溶出後の活性画分を回収し、硫安分画を行った。まず、前記活性画分溶液に40%飽和になるように硫安を添加し、充分に攪拌した後、遠心分離(4℃、12,000rpm、10分、以下同じ)して上清を回収し、前記上清に50%飽和になるように硫安を添加し、攪拌した後、遠心分離により沈殿を回収した。この沈殿を前記緩衝液Aに懸濁して、この懸濁液を前記緩衝液Aで一晩透析した。
【0069】
前記透析物に40%飽和になるように硫安を添加し、予め40%硫安飽和の前記緩衝液Aで平衡化したフェニル−セファロース(ファルマシア社製)カラムに吸着させ、このカラムを40%硫安飽和の前記緩衝液Aで洗浄した後、硫安濃度40−0%飽和の直線濃度勾配により吸着タンパク質を溶出させた。そして、溶出後の活性画分を回収し、これを前記緩衝液Aで一晩透析した。
【0070】
前記透析物に40%飽和になるように硫安を添加し、これを予め40%硫安飽和の前記緩衝液Aで平衡化したブチル−トヨパール(東ソー社製)カラムに吸着させ、このカラムを40%硫安飽和の前記緩衝液Aで洗浄した後、硫安濃度40−0%飽和の直線濃度勾配により吸着タンパク質を溶出させた。そして、溶出後の活性画分を回収し、前記緩衝液Aで一晩透析を行った。
【0071】
前記透析物を、予め前記緩衝液Aで平衡化したQ−セファロース(ファルマシア社製)カラムに吸着させ、このカラムを前記緩衝液Aで洗浄した後、0−1.0M KClの直線濃度勾配により吸着タンパク質を溶出させた。そして、溶出後の活性画分を回収した。
【0072】
前記活性画分を、予め0.1M NaCl含有の0.1M KPB(pH8.5)で平衡化したスーパーデックス200pg(ファルマシア社製)カラムにアプライして、タンパク質を溶出させた。そして、溶出後の活性画分を回収し、単一の精製酵素を得た。
【0073】
各精製工程における、各活性画分のFAOD活性およびタンパク質量を測定した。その結果を下記表5に示す。なお、活性は、基質としてFVを用いて前述の速度法(A−1)により測定し、タンパク質は、Bio−Radタンパク質分析キット(Bio−Rad社製)と、標準タンパク質であるウシ血清アルブミンとを用いて、常法により定量した。
【0074】
【表5】
【0075】
前記表5に示すように、最終的に79.5U/mgの比活性である、単一精製されたFAODが得られた。
【0076】
【発明の効果】
以上のように、本発明の新規FAODは、糖化アミノ酸の中でもα―GAに対して良く作用し、特にHbA1cのN末端アミノ酸残基に対応するFVに対する比活性が高い。したがって、例えば、このFAODをHbA1cの測定に使用すれば、その測定を正確かつ簡便に行うことができるようになり、HbA1cの糖尿病診断の指標としての有用性をさらに高めることに貢献できる。
【0077】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のFAODの至適pHを示すグラフである。
【図2】前記FAODのpH安定性を示すグラフである。
【図3】前記FAODの至適温度を示すグラフである。
【図4】前記FAODの熱安定性を示すグラフである。
【図5】前記FAODのFVを基質としたときのラインウェバー−バークの逆数プロットを示すグラフである。
【図6】前記FAODのε−FLを基質としたときのラインウェバー−バークの逆数プロットを示すグラフである。
【図7】前記FAODのゲルろ過による溶出体積と分子量との関係を示すグラフである。
【図8】前記FAODのSDS−PAGEパターンを示す図である。
【図9】前記SDS−PAGEにおけるタンパク質の移動度と分子量との関係を示すグラフである。
【図10】前記FAODおよび前記FAODとFVとの混合液の吸収スペクトルを示すグラフである。
【図11】本発明のFAODを産生するトリコスポロン属(Trichosporon)の菌体の一例の顕微鏡写真である。
Claims (4)
- トリコスポロン ムコイデス KDK4001( Trichosporon mucoides KDK4001 )(FERM P−17134)が産生するフルクトシルアミノ酸オキシダーゼであって、ゲルろ過法による分子量が約46,000(46kDa)、SDS−PAGE法による分子量が約50,000(50kDa)であり、配列番号1〜6に記載のアミノ酸配列を有する、フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ。
- 酵素活性の至適温度が30〜55℃であり、酵素活性の至適pHが6.5〜9.0である、請求項1記載のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ。
- トリコスポロン ムコイデス KDK4001(Trichosporon mucoides KDK4001)(FERM P−17134)が産生するフルクトシルアミノ酸オキシダーゼであって、ゲルろ過法による分子量が約46,000(46kDa)、SDS−PAGE法による分子量が約50,000(50kDa)であり、酵素活性の至適温度が30〜55℃であり、酵素活性の至適pHが6.5〜9.0である、フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ。
- α―アミノ基が糖化されたアミノ酸を基質としたときの比活性が、α―アミノ基以外のアミノ基が糖化されたアミノ酸を基質としたときの比活性よりも高い、請求項1から3のいずれかに記載のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ。
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