JP4261784B2 - 印刷制御方法、印刷制御システム、プログラム及び記憶媒体 - Google Patents

印刷制御方法、印刷制御システム、プログラム及び記憶媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のプリンタをグループ化する構築技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ネットワーク機器が一般に利用され、ネットワーク上に多数のパソコン(以下、PC)やプリンターが接続されるようになった。このようなネットワーク環境において、印刷を行う際、ページ数の多いドキュメントあるいは部数の多いドキュメントについては、印刷時間の短縮を図るために、いったん印刷ジョブをスプールし、複数のプリンタに頁ごとあるいは部数ごとに分散して出力するシステム(分散印刷システム)が知られている。
【0003】
さらに、このようなネットワーク環境において、カラー頁、モノクロ頁が混在する一つのドキュメントに対して、印刷時のコストおよび印刷時間の短縮を図るために、カラー頁はカラープリンタへ、モノクロ頁はモノクロプリンタへ分散して出力するシステム(カラー・モノクロ分散印刷システム)が知られている。
【0004】
さらに、このようなネットワーク環境において、一つのドキュメントを一度の印刷指示で、複数のプリンタに同時に送信し印刷するシステム(同報印刷システム)が知られている。
【0005】
さらに、このようなネットワーク環境において、一つのプリンタに送信したドキュメントに対し、そのプリンタでエラーが発生した場合は、自動的に他のプリンタに切り替えて印刷するシステム(エラー代行印刷システム)が知られている。
【0006】
また、一般のプリンタドライバは、通常の印刷処理に必要な基本的な設定情報(たとえば、印刷の部数、両面印刷の可否情報)をドライバ設定情報の共通領域(Public DEVMODE)と呼ばれる領域に記憶している。この領域に設定されている情報は異なるプリンタベンダにおいても、設定項目の読み書きが可能であることが知られている。
【0007】
一方、プリンタ固有の機能として、たとえば、ステイプル機能、パンチ機能、製本印刷機能といったものは、ドライバ設定情報の拡張領域(拡張 DEVMODE)に記憶しており、この領域の設定情報はプリンタベンダによってフォーマットが異なることも知られている。
【0008】
そして、上に説明したような複数のプリンタデバイスに対して一括して印刷指示を行う為の仮想プリンタドライバも知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の複数プリンタへの印刷指示を行う為の仮想プリンタドライバユーザインターフェイスにおいては、一度登録させて印刷処理の対象としたプリンタの組合せは固定的なものであり、例えば、複数のプリンタのうちで故障したプリンタなどが発生した場合には、対象となるプリンタを再び登録し直す必要があった。また、前回削除されたプリンタを元の通りにする為に追加するには、やはり、対象プリンタとしてもう一度登録処理を行う必要があった。
【0010】
一方、上に説明した分散印刷やカラー/白黒分散印刷や同報印刷や代行印刷等では夫々の出力方法に応じて、対象となる最適なプリンタの組み合わせは適宜異なってくることが想定され、複数のプリンタの組み合わせを、出力方法毎に覚えておくような事はユーザにとっては非常に煩雑且つ困難なもの考えられる。
【0011】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、プリンの組み合わせの再構築を容易に実現することができる仕組みを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的と達成する為に、複数のメンバプリンタが関連付けられ、前記複数のメンバプリンタを利用した印刷処理が可能なグループプリンタを含む印刷システムにおける印刷制御方法であって、前記グループプリンタに対して複数のメンバプリンタを一次登録する登録ステップと、前記登録ステップにおいて一次登録された複数のメンバプリンタに印刷前のステータスを対応付けたステータス表示を、二次登録用ユーザインタフェースに表示させる表示制御ステップと、前記登録ステップにて一次登録された複数のメンバプリンタの何れかを、前記二次登録用ユーザインタフェースを介したユーザの指示に応じて印刷処理に利用するメンバプリンタから、前記登録ステップにおける一次登録を再度行うことなく前記グループプリンタに対するメンバプリンタとして再選択が可能な形態で解除する解除ステップとを有することを特徴とする。
【0014】
或は、複数のメンバプリンタが関連付けられ、前記複数のメンバプリンタを利用した印刷処理が可能なグループプリンタを含む印刷制御システムであって、
前記グループプリンタに対して複数のメンバプリンタを一次登録する登録手段と、前記登録手段により一次登録された複数のメンバプリンタに印刷前のステータスを対応付けたステータス表示を、二次登録用ユーザインタフェースに表示させる表示制御手段と、前記登録手段によって一次登録された複数のメンバプリンタの何れかを、前記二次登録用ユーザインタフェースを介したユーザの指示に応じて印刷処理に利用するメンバプリンタから、前記登録手段による登録を再度行うことなく前記グループプリンタに対するメンバプリンタとして再選択が可能な形態で解除する解除手段とを有することを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1の実施例)
以下、本発明を適用するのに好適である実施形態について説明を行う。
【0027】
図1は、本発明を適用可能な情報処理システムの構成を説明するブロック図である。なお、本システムにおけるクライアントコンピュータは、1台、または複数台接続されていることを仮定している。
【0028】
図1において、102、103、104はクライアントコンピュータ(クライアント)としての情報処理装置であり、イーサネット(登録商標)などのネットワークケーブルによって、ネットワーク106に接続され、アプリケーションプログラム等の各種のプログラムを実行可能であり、印刷データをプリンタに対応するプリンタ言語に変換する機能を有するプリンタドライバを搭載している。なお、プリンタドライバは複数のプリンタドライバをサポートするものとする。
【0029】
101は本実施形態のサーバ(以下、プリントサーバと呼ぶ)としての情報処理装置であり、ネットワークケーブルによって、ネットワーク106に接続され、ネットワークで使用されるファイルを蓄積したり、ネットワーク106の使用状態を監視したりする。プリントサーバ101は、ネットワーク106に接続されている複数のプリンタを管理している。
【0030】
構成としては、クライアント102〜104とプリントサーバ101は、一般的な情報処理装置であり、クライアントとプリントサーバには、それぞれ異なる制御を行う印刷制御プログラムが実行可能に格納されている。
【0031】
また、プリントサーバ101は、一般的な情報処理装置であり、クライアント102〜104の機能を同時に持つこともできる。
【0032】
本実施形態におけるプリントサーバ101は、さらにクライアントコンピュータ102、103、104から印刷要求が出された印字データを含む印刷ジョブを格納して印刷したり、または、クライアントコンピュータ102、103、104から印字データを含まないジョブ情報のみ受け取り、クライアントコンピュータ102、103、104の印刷順序を管理し、印刷順序になったクライアントに対して印字データを含む印刷ジョブの送信許可を通知したり、ネットワークプリンタ105のステータスや印刷ジョブの各種情報を取得し、クライアントコンピュータ102、103、104に通知したりする機能を揃えている。
【0033】
105は印刷制御装置であるネットワークプリンタであり、図示省略したネットワークインタフェースを介してネットワーク106と接続されており、クライアントコンピュータから送信される印字データを含む印刷ジョブを解析して1ページずつドットイメージに変換して、1ページ毎に印刷する。106はネットワークであり、クライントコンピュータ102、103、104、サーバ101、ネットワークプリンタ105等と接続している。
【0034】
図2は、本発明の情報処理装置の構成を説明するブロック図であり、情報処理装置であるクライントコンピュータ102、103、104も同じ構成であり、さらにサーバ101も同様あるいは同等のハードウエア構成とする。よって、クライアントとサーバの構成を説明するブロック図として説明する。
【0035】
図2において、200は情報処理装置の制御手段であるCPUであり、ハードディスク(HD)205に格納されているアプリケーションプログラム、プリンタドライバプログラム、OSや本発明のネットワークプリンタ制御プログラム等を実行し、RAM202にプログラムの実行に必要な情報、ファイル等を一時的に格納する制御を行う。
【0036】
201は記憶手段であるROMであり、内部には、基本I/Oプログラム等のプログラム、文書処理の際に使用するフォントデータ、テンプレート用データ等の各種データを記憶する。202は一時記憶手段であるRAMであり、CPU200の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0037】
203は記憶媒体読み込み手段としてのフロッピー(登録商標)ディスク(FD)ドライブであり、後述する図5に示すようにFDドライブ203を通じて記憶媒体としてのFD204に記憶されたプログラム等を本コンピュータシステムにロードすることができる。なお、記憶媒体は、FDに限らず、CD−ROM、CD−R、CD−RW、PCカード、DVD、ICメモリカード、MO、メモリスティック等、任意である。
【0038】
204は記憶媒体であるフロッピーディスク(FD)であり、コンピュータが読み取り可能なプログラムが格納された記憶媒体である。
【0039】
205は外部記憶手段の一つであり、大容量メモリとして機能するハードディスク(HD)であり、アプリケーションプログラム、プリンタドライバプログラム、OS、ネットワークプリンタ制御プログラム、関連プログラム等を格納している。さらにスプール手段であるスプーラはここに確保される。スプール手段は、クライアントではクライアントスプーラのことであり、プリントサーバではサーバスプーラのことである。また、プリントサーバでは、クライアントから受けたジョブ情報を格納し、順序制御を行うためのテーブルもこの外部記憶手段に生成されて格納される。
【0040】
206は指示入力手段であるキーボードであり、ユーザがクライアントコンピュータに対して、また、オペレータや管理者がプリントサーバに対して、デバイスの制御コマンドの命令等を入力指示するものである。
【0041】
207は表示手段であるディスプレイであり、キーボード206から入力したコマンドや、プリンタの状態等を表示したりするものである。
【0042】
208はシステムバスであり、クライアントやプリントサーバであるコンピュータ内のデータの流れを司るものである。
【0043】
209は入出力手段であるインタフェースであり、該インタフェース209を介して情報処理装置は外部装置とのデータのやり取りを行う。
【0044】
図3は、図2に示したRAM202のメモリマップの一例を示す図であり、FD204からロードされる上記ネットワークプリンタ制御プログラムが、RAM202にロードされ実行可能となった状態のメモリマップである。
【0045】
本実施形態では、FD204からネットワークプリンタ制御プログラムおよび関連データを直接RAM202にロードして実行させる例を示すが、これ以外にも、FD204からネットワークプリンタ制御プログラムを動作させる度に、既にネットワークプリンタ制御プログラムがインストールされているHD205からRAM202にロードするようにしてもよい。
【0046】
また、本ネットワークプリンタ制御プログラムを記憶する媒体は、FD以外にCD−ROM、CD−R、PCカード、DVD、ICメモリカードであってもよい。さらに、本ネットワークプリンタ制御プログラムをROM201に記憶しておき、これをメモリマップの一部となすように構成し、直接CPU200で実行することも可能である。
【0047】
また、以上の各装置と同等の機能を実現するソフトウェアをもって、ハードウェア装置の代替として構成することもできる。
【0048】
また、本ネットワークプリンタ制御プログラムのことを、簡単に印刷制御プログラムと呼ぶこともある。印刷制御プログラムは、クライアントにおいて印刷ジョブの印刷先の変更を指示したり、印刷順序を変更する指示をするための制御を行うプログラムを含み、また、プリントサーバにおいて、印刷ジョブの順序制御を行ったり、印刷ジョブの印刷終了や印刷先変更要求などを通知するためのプログラムを含んでいる。また、このような制御を行う本発明の印刷制御プログラムは、クライアントにインストールされるモジュールと、プリントサーバにインストールされるモジュールを別々に分けてもよいし、ひとつの印刷制御プログラムが、実行される環境によりクライアント用として機能したり、またはプリントサーバ用として機能するようにしてもよい。あるいは一台のコンピュータに、クライアント用の機能を持つモジュールと、プリントサーバ用として機能するモジュールをともにインストールし、同時に、あるいは時分割で擬似的に平行動作させる構成も可能である。
【0049】
301は基本I/Oプログラムであり、本制御装置の電源がONされたときに、HD205からOSがRAM202に読み込まれ、OSの動作を開始させるIPL(イニシャルプログラムローデイング)機能などを有しているプログラムが入っている領域である。
【0050】
302はオペレーティングシステム(OS)であり、303はネットワークプリンタ制御プログラムで、RAM202上に確保される領域に記憶される。304は関連データで、RAM202上に確保される領域に記憶される。305はワークエリアで、CPU200が本プリンタ制御プログラムを実行する領域が確保されている。
【0051】
図4は、図2に示したFD204のメモリマップの一例を示す図である。
【0052】
図4において、400は前記FD204のデータ内容であり、401はデータの情報を示すボリューム情報であり、402はディレクトリ情報、403は本実施形態で説明する印刷制御プログラムであるネットワークプリンタ制御プログラム、404はその関連データである。403のネットワークプリンタ制御プログラムは、実施形態で説明するフローチャートに基づいてプログラム化したものであり、本実施例では、クライアント、サーバ共、同様の構成をとっている。
【0053】
図5は、図2に示したFDドライブ203に対して挿入されるFD204との関係を示す図であり、図2と同一のものには同一の符号を付してある。
【0054】
図5において、FD204には、本実施形態で説明するネットワークプリンタ制御プログラムおよび関連データを格納している。
【0055】
次に本実施の形態における、プリンタを複数台使用して、前述の分散、同報、代行といった印刷処理を行う、印刷ジョブ制御システムについて説明する。
【0056】
なお、本実施の形態では、複数のプリンタを1台のプリンタとして仮想的に束ねるプリンタをグループプリンタ、束ねられるプリンタをメンバプリンタと呼ぶ。また、それに対応するプリンタドライバをそれぞれグループプリンタドライバ、メンバプリンタドライバと呼ぶ。
【0057】
図6は本システムのクライアントサーバモデルにおいてMicrosoft Wordなどの一般的なアプリケーションから発行された印刷ジョブが、印刷ジョブ制御システムにおいてどのように処理されるかを示した図である。図6において、600はクライアントマシンで、印刷ジョブ制御システムのクライアントモジュールが動作するマシンを指す。
【0058】
通常、印刷の指示がされるとアプリケーションプログラムは一連の描画命令を生成し、プリンタドライバを経てWindows Spoolerに渡される。Windows Spoolerは、ユーザが選択したポートモニタにプリントジョブデータを渡してプリンタデバイスに送信させる手順をとる。
【0059】
本実施の形態では、ユーザはあらかじめ印刷ジョブ制御システム用のポートモニタ621(以降、本実施例ではジョブ制御ポートモニタと略記)を指定して印刷を指示する。アプリケーションプログラム601は一連の描画命令を生成する。描画命令を受け取ったグループプリンタドライバ603では、汎用印刷ファイルを生成し、プリンタデバイスへプリントジョブデータを送信するポートモニタではなく、ジョブ制御ポートモニタ621にプリントジョブデータとして送信する。ジョブ制御ポートモニタ621はプリントジョブデータをプリンタデバイス650に送信するのではなく、印刷ジョブ制御システム用プリントサービス622(以降、本実施例ではジョブ制御プリントサービスと略記)に送信する。ジョブ制御プリントサービス622は、プリントジョブデータに対して、後述するような印刷ジョブ制御処理を行う。
【0060】
印刷ジョブ制御システム用プリントマネージャ623(以降、本実施例ではジョブ制御プリントマネージャと略記)は、ユーザがジョブ制御プリントサービス622内部でプリントジョブがどのような状態にあるかを調べたり、プリントジョブを操作したりするためのユーザインタフェース(UI)を提供するプログラムである。
【0061】
ジョブ制御プリントマネージャ623はジョブ制御プリントサービス622のソフトウェアのインタフェース(API)を介して、ジョブ制御プリントサービス622と情報・指示をやり取りしている。
【0062】
印刷ジョブ制御システム用サーバ630(以降、本実施例ではジョブ制御サーバと略記)は、個々のクライアント600上のジョブ制御プリントサービス622がプリンタデバイス650にプリントジョブデータを送信するタイミングを集中制御(スケジューリング)している。
【0063】
印刷ジョブ制御システム用マネージメントコンソール633(以降、本実施例ではジョブ制御マネージメントコンソールと略記)は、ジョブ制御サーバ630が持つソフトウェアがアクセスするためのAPIを介してジョブ制御サーバ630と情報・指示をやり取りすることで、印刷ジョブ制御システム全体を監視することができる。
【0064】
また、ジョブ制御サーバ630はデバイス情報コントロールモジュール631を用いて各プリンタデバイス650と通信を行い、各プリンタ内の印刷ジョブや動作状態に関する情報を入手したり、操作を行ったりする。入手した情報はクライアント600側のジョブ制御プリントサービス622に渡すことができる。
【0065】
次に本実施の形態におけるグループプリンタドライバ603からの印刷について説明する。
【0066】
グループプリンタドライバ603はアプリケーションプログラムが生成した一連の描画コマンドを、プリンタデバイスの種類に依存しない中間フォーマットのファイルである汎用印刷ファイルに変換する。この汎用印刷ファイルの構成については後述する。
【0067】
この汎用印刷ファイルは前述したようにWindows スプーラ604からジョブ制御ポートモニタ621を経て(a)、ジョブ制御プリントサービス622に導かれる(b)。ジョブ制御プリントサービス622はこのプリントジョブに対して行うジョブ制御の種類に応じて、汎用印刷ファイルをもとに描画コマンドを生成し(c)、続いてPDLドライバ602がその描画コマンドをプリンタデバイス650が解釈可能なPDLファイルにする。図6では、ジョブ制御プリントサービス622で、このプリントジョブに対してプリントジョブをふたつに分けるジョブ制御が行われる例で、2つのメンバジョブが生成された例を2つの矢印(c)で示している。PDLドライバ602で生成されたPDLファイルはWindows スプーラ604、ジョブ制御ポートモニタ621を経て(d)、再びジョブ制御プリントサービス622に渡される (e)。ジョブ制御プリントサービス622は、ジョブ制御サーバ630の指示に従ってPDLのプリントジョブデータをプリンタデバイス650に送信する(f)。
【0068】
ジョブ制御プリントサービス622は、汎用印刷ファイル中の印刷指示書の指示にしたがって、一つの汎用印刷ファイルを複数のプリントジョブに論理的に分割してそれぞれ別のプリンタデバイスに送信したり、一度送信したプリントジョブデータを別のプリンタデバイスに送信し直したりする。図A中の(c)(d)(e)(f)はそのような場合のプリントジョブデータの経路を示している。
【0069】
一方、汎用印刷ファイルをアプリケーションソフトウェアが作成し、そのアプリケーションソフトウェアが直接汎用印刷ファイルを印刷ジョブとして投入する場合、一般のアプリケーションとはグループプリンタドライバ603への情報の渡し方や、グループプリンタドライバ603での処理内容が異なる。前述のように、一般のアプリケーションの場合、アプリケーションはグループプリンタドライバ603に描画情報を渡す際、通常のプリンタドライバと同じようにWindowsのGDI関数を呼び出し、グループプリンタドライバ603がそれに応じて汎用印刷ファイルを生成する。これに対して汎用印刷ファイルを直接作成するアプリケーションの場合は、アプリケーションが汎用印刷ファイルをすでに持ち、それをグループプリンタドライバ603に供給する。グループプリンタドライバ603は必要に応じてあらかじめ設定された印刷方法にもとづいて汎用印刷ファイル内部の印刷指示書を書き換えてWindows Spooler604に送る。
【0070】
図8は、汎用印刷ファイルの構成の一例を示した図である。
【0071】
本実施の形態で使用される汎用印刷ファイルは、印刷指示部8-aと、ドキュメントデータ部8-bからなる。印刷指示部は、ドキュメントの情報と印刷指示を記述した部分である。また、ドキュメントデータは、アプリケーションのドキュメントのデータを汎用的な形式のデータに変換したものであり、プリンタ言語に依存しないデータフォーマットとなっている。
【0072】
印刷指示部はヘッダ部、ページ情報部、印刷体裁指示部、出力方法指定部、グループプリンタドライバ設定情報部、メンバプリンタ数、メンバプリンタドライバ名、メンバプリンタドライバ設定情報部などから構成されている。
【0073】
ヘッダ部は本ファイルのバージョン識別やファイル情報などの情報を格納する部分である。
【0074】
ページ情報部は、ドキュメントデータ部8-bのドキュメントデータのページ数、各ページのサイズなどの情報を格納する部分である。
【0075】
印刷体裁指示部は、印刷ページ範囲、印刷部数、ドキュメントデータの面付け情報(N-UPや製本印刷など)、ステイプル指示やパンチ指示など、出力体裁に関する情報を格納する部分である。
【0076】
出力方法指定部は、出力方法として、分散印刷、カラーモノクロ分散印刷、代行印刷、同報印刷などの情報を格納する部分である。
【0077】
グループプリンタドライバ設定情報部は、後述するグループプリンタドライバのUIの設定情報を格納する部分である。
【0078】
メンバプリンタ数はグループプリンタドライバが関連付けているメンバプリンタの数を格納する部分である。
【0079】
メンバプリンタドライバ名は、メンバプリンタのプリンタドライバ名を格納する部分である。
【0080】
メンバプリンタドライバ設定情報部はメンバプリンタのドライバUIの設定情報として例えばDEVMODE情報を格納する部分である。
【0081】
このメンバプリンタドライバ名とメンバプリンタドライバ設定情報部は、前述のメンバプリンタ数に格納された数だけの格納エリアを持っている。
【0082】
前述の図6で説明したグループプリンタドライバ603では、汎用印刷ファイルを生成する際、グループプリンタドライバGUI上の設定を印刷指示部8-aへ記録する。さらに、グループプリンタドライバ603はGDIで受け取ったデータを汎用的なデータに変換しドキュメントデータとして、本汎用印刷ファイルのドキュメントデータ部に記録することとなる。
【0083】
なお、本ファイルは、印刷指示部8-aとドキュメントデータ部8-bが異なるファイルであってもかまわない。その場合、印刷指示部は印刷指示書ファイルとして、ドキュメントデータ部はドキュメントデータファイルとしてそれぞれ存在し、これらを一つのアーカイブ形式でまとめて同様に一つのファイルのように扱うことも可能である。
【0084】
次に図7でWindowsが提供するPrintSystemと印刷ジョブ制御システムにおける印刷ジョブの関係と処理概要をさらに詳しく述べる。
【0085】
図7中で印刷ジョブ制御システム700は、サーバとクライアントの制御プログラムが動作する物理的なマシンをまたいだ、印刷ジョブ制御システムの範囲を示している。また、サーバが管理している出力ポート(Output Port)711は、クライアントのジョブ制御プリントサービス622のプロキシ出力ポート(Proxy Output Port)712と関連付けられ、ひとつのポートに関連づけられた各クライアント上のプロキシ出力ポート全てを統一的に管理している。本実施例では、実際のプリントジョブデータはおのおののクライアントのプロキシ出力ポート712に保持される。ジョブ制御サーバ630は、プリントジョブデータ自体の送信処理は行わず、ジョブ制御プリントサービス622に対して印刷ジョブの送信指示のみを行う。その指示に応じてクライアントのジョブ制御プリントサービス622はプリントジョブデータをデバイス650に送信する。
【0086】
次に、印刷ジョブ制御システム700が、代行印刷、分散印刷、同報印刷などの付加価値的な印刷を行う場合の処理を説明する。
【0087】
印刷ジョブ制御システム700が、代行印刷、分散印刷、同報印刷などの付加価値的な印刷を行う場合には、前述のようにユーザまたはアプリケーション601はグループプリンタドライバ603が割り当てられたプリンタに印刷ジョブを発行しなければならない。ジョブ制御プリントサービス622は、グループプリンタドライバ603によって処理されたジョブデータをジョブ制御ポートモニタ621を介して汎用印刷ファイルとして受け取る。ジョブ制御プリントサービス622はこのジョブを受け取り、Despooler701を介してPDLドライバが割り当てられた別のプリンタにジョブ(メンバジョブ)を発行して印刷を行わせる。この時、Despooler701は前述の図8で説明した汎用印刷ファイルの印刷指示部8-aを解釈し、ドキュメントデータ部8-bのドキュメントデータを加工して、WindowsのGDIに変換し、各プリンタドライバに対して印刷指示を行い印刷ジョブを発行する。例えば印刷体裁指定部に、2-UPの指示が記録されていた場合、用紙1枚に2ページ分のドキュメントデータを縮小レイアウトする。また分散印刷あるいは同報印刷の場合には、それらの設定に応じて印刷指示部8-aに記述されている複数のメンバプリンタにジョブを発行する。代行印刷の場合は、代行する条件が満たされた時に、自動代行では事前の設定、手動代行ではユーザの操作に応じてメンバジョブを発行する。
【0088】
また、Despooler701は各メンバプリンタにジョブを発行する際、メンバプリンタドライバに対応する印刷指示として、各メンバプリンタのDEVMODEを作成する必要があるが、このDEVMODEは印刷指示部8-aに記載された内容を適宜各メンバプリンタのDEVMODEに反映させて生成する。
【0089】
クライアント側のジョブ制御プリントサービス622は、PDLドライバ602によってレンダリングされた、それぞれのメンバジョブのPDLデータをジョブ制御ポートモニタ621を介して受け取り、受け取ったジョブに関する情報をサーバ側に知らせ、ジョブデータは自身のプロキシ出力キュー(Proxy Output Port)712で一時保持する。その後、ジョブ制御サーバ630からの送信指示を受けた後にプリントデバイス650に送信する。
【0090】
次に本実施の形態における、共通設定領域と、拡張設定領域といった記憶領域をもつプリンタドライバを持つプリンタを複数台使用して、前述の分散、同報、代行といった印刷処理を行う、印刷ジョブ制御システムのためのプリンタドライバのUI制御について説明する。
【0091】
図9は、本発明のグループプリンタドライバのUI制御フローを示すフローチャートである。尚、図9のフローチャートの各ステップの処理は上に説明した情報処理装置に設けられたCPU(中央演算処理装置)が、ROM、FD、ハードディスク(HD)等の所定の不揮発性記憶手段に記憶された制御プログラムを読込み、該読込んだプログラムに基づく処理を実行することに応じて実現されるものとする。また、後述する図13、14、15、18、24の各フローチャートにおいても同様のものとする。
【0092】
ステップS901では、アプリケーションからOSを介して本制御プログラムに対してグループプリンタドライバへのUI表示要求を受け付ける。
【0093】
ステップS902では、ステップS901のUI表示要求を受けて、印刷ジョブ制御システムAPIを使って、グループプリンタドライバを構成するメンバプリンタドライバの識別ID問い合わせるステップであり、グループプリンタドライバを構成する全てのメンバプリンタドライバの識別IDを獲得する。該識別IDとしては、各メンバプリンタドライバの名称や、そのほか識別するための情報であれば適用可能である。
【0094】
ステップS903では、前記ステップS902で獲得した各メンバプリンタドライバの識別IDよりメンバプリンタドライバの能力を収得(問合せて応答を得る)する。グループプリンタを構成する全てのメンバプリンタドライバに対して、ドライバ機能の収得がドライバ設定情報の拡張領域の部分まで可能でドライバUI制御が可能な、"機能制御可能なドライバ"か、或は、それ以外のドライバ"機能制御不可なドライバ"かを読み出す処理に相当する。
【0095】
ステップS904では、ステップS903で読み出した機能制御可否の情報より、メンバプリンタドライバの構成を判定する。そして、ステップS904の判定により、"機能制御可能なドライバ"のみで構成されている場合にはステップS905へ処理を移行し、それ以外の構成と判定された場合には処理をステップS906へ移行させる。
【0096】
図10に本発明のグループプリンタドライバを構成するメンバプリンタドライバの構成の種類と、設定可能項目の対応を示す。
【0097】
また、図11に、共通設定項目・拡張設定項目と各設定項目の対応を示す。
【0098】
なお、本特許では共通設定項目は、前記、共通設定領域に存在する項目、拡張設定項目は、前記、拡張設定領域に存在する項目として分類し規定しているが、印刷ジョブ制御システムを運用するOSの違いによっては、設定項目の分類が異なる場合や設定可能項目に変更がある場合があるが、本特許のUI制御フローが有効なのは言うまでもない。
【0099】
図13は、ステップS905の詳細な処理を表したフローチャートである。
【0100】
ステップS1301は各メンバプリンタドライバの個々の共通設定項目に関する能力を問い合わせて、機能のコンフリクト処理を行い、その結果に基づきグループプリンタドライバUIで表示する項目の選択を行うステップである。
【0101】
ここで、機能のコンフリクト処理とは、グループプリンタドライバの対象となる各メンバプリンタドライバに対して、各設定項目の機能のあり・なしをチェックし、各設定項目毎に対象となるメンバープリンタドライバ全てに機能(項目)がある場合に、グループプリンタドライバUIでその機能(項目)を設定可能項目するようにUI表示制御を行い、また、1台でも、機能がないものがあればその項目については、設定不可項目とするようにUI表示制御を行う処理を指す。
【0102】
具体例を示して前記UI制御を説明する。
【0103】
図12中のプリンタドライバAは、グループプリンタドライバを表しプリンタドライバ、B,C,Dはグループプリンタドライバを構成するメンバプリンタドライバを表す。表中の、”あり”、”なし”は本制御プログラムにより取得されるものであり、各メンバプリンタドライバが製本印刷機能、ステイプル印刷機能、パンチ機能をサポートしているかどうかを示す。無論、その他の所定の機能(設定項目)についても同様のものとする。
【0104】
まず製本印刷機能に着目すると、ドライバA、Bは製本印刷機能があるが、ドライバCにはその機能がないため、グループプリンタドライバAの製本印刷機能は”なし”となる。
【0105】
同様に、ステイプル機能は、B,C,D全てのメンバプリンタドライバに機能があるため、グループプリンタドライバAのステイプルは、”あり”となり、パンチ機能は、B,C,D全てのメンバプリンタドライバに機能がないため、グループプリンタドライバAのパンチ機能は、”なし”となる。
【0106】
ステップS1302は、前記ステップで示した機能のコンフリクト処理を各メンバプリンタドライバの拡張設定項目に関して行うステップである。
【0107】
ステップS1303では、ステップS1301、1302で行ったコンフリクト処理の結果に基づきグループプリンタドライバUI表示行い、ユーザの操作指示に応じて各設定項目に対する設定が行われる。
【0108】
前記コンフリクトの結果、機能のないもの(例えば、図12における「製本印刷機能」)については、UI上で設定が行えないよう、例えば、設定を行えないようにする対象となる所定の項目をグレーアウト表示、もしくは非表示といったように表示するよう制御し、機能がある項目についてはそのような表示制御は施さない。
【0109】
図16の(a)、(b)にステップS1303に対応するユーザインターフェイスのグレーアウト制御、非表示制御の具体例を示す。設定項目の両面印刷、製本印刷のダイアログボックスが前記UI制御を施した部分である。
【0110】
また、ステップS1303では、ユーザの指定により、たとえば「製本印刷」が指定された時のパンチや、ステイプルの指定といった、機能上ありえない組み合わせが設定できないようUI制御を行い設定項目に矛盾が発生しないようにする。
【0111】
ステップS1304では、グループプリンタドライバUI上に設定項目がない項目、即ち上に説明したような非表示のUI表示制御が施された項目を対象に、メンバプリンタドライバのユーザインターフェイスを個別に表示させ、該表示されたメンバプリンタドライバ個別のユーザインターフェイスを介して詳細な設定を行う為に、グループプリンタドライバUI上でから、設定対象のメンバプリンタドライバ指定するステップである。ここで、指定の対象となるメンバプリンタドライバは、グループプリンタドライバを構成するメンバプリンタドライバであり、例えば、図18のPrinter A、Printer B、Printer Cなどからマウス等のポインティングデバイスの入力に応じて選択された所定のメンバプリンタドライバに相当する。
【0112】
ステップS1305は、ステップS1304ステップで指定されたメンバプリンタドライバUIを開き、詳細設定を行うステップである。
【0113】
なお、グループプリンタドライバUIを介してメンバプリンタドライバUIが呼び出された表示された場合、グループプリンタドライバを介して設定可能な所定の項目についても、メンバプリンタドライバUIを介して設定可能である場合、同一機能が両者に設定される為に設定処理が2重に施される。そこで、本発明では、次に示すUI制御を施しメンバプリンタドライバの表示処理を実行する。
【0114】
▲1▼ メンバプリンタドライバが”機能制御可能なドライバ”である場合、グループプリンタドライバUI上の設定項目と競合する項目については、メンバプリンタドライバUIでの設定が行えないように、項目をグレーアウト表示、或は、非表示など、設定が行えないようにUI制御する。また、設定指示は行えるようにUIを表示させて、設定が施されると警告などを表示させて指示された設定を無効にするようにしても良い。
【0115】
▲2▼ メンバプリンタドライバが”機能制御不可なドライバ”である場合、共通設定項目についてはグループプリンタドライバUIを介して設定された設定様子でUIを表示させる。メンバプリンタドライバUIの表示制御後、該メンバプリンタドライバUIを介して予めグループプリンタドライバUIを介して設定された項目について変更がなされた場合には、メンバプリンタドライバUIが閉じられる処理が施される際に、グループプリンタドライバで設定された設定項目の情報を対応するメンバプリンタドライバの共通設定項目に上書きし、メンバプリンタUI上での設定変更を許さないように制御をする。
【0116】
また、上書き処理を行う際に、メンバプリンタドライバUI上での設定変更が無効であるといった警告表示をような表示制御も想定される。
【0117】
なお、ステップS1305では、対象となるメンバプリンタドライバの全てが"機能制御可能なドライバ"であるとのステップS904の判定処理に対応する処理なので、前記▲1▼のUI制御が実行される。
【0118】
図14は、ステップS906の詳細な処理を表したフローチャートである。
【0119】
本フローチャートにおける処理は、メンバプリンタドライバの構成が、ステップS905に移行する場合とは異なり、”機能制御可能なドライバ”と”機能制御不可能なドライバ”との混合や、”機能制御不可能なドライバ”によってのみメンバプリンタドライバが構成される場合の処理に対応する。したがって、グループプリンタドライバUIで設定可能な項目は、共通に設定情報の読み書きが可能な共通設定項目に限定される。
【0120】
ステップS1401では、前記ステップ1301と同様に各メンバプリンタドライバの個々の共通設定項目に関する能力を問い合わせて、各機能(各項目)についてのコンフリクト処理が実行され、その結果に基づきグループプリンタドライバUIで表示する項目が共通設定項目の中から更に選択(抽出)される。
【0121】
ステップS1402では、ステップS1401で行われたUIコンフリクト処理の結果に基づきグループプリンタドライバUI表示を行うステップでありコンフリクトの結果、機能のないもの及び拡張設定項目については、UI上で設定が行えないよう項目を上に説明したようにグレーアウト表示もしくは非表示等になるような制御が行われる。
【0122】
ステップS1403では、ステップS1402で設定が行えないように制御された各項目や拡張設定項目(各メンバプリンタが持つ固有の設定項目)の設定を行うためにメンバプリンタドライバのUIを開く指示が為されたか否かの判定が行われる。
【0123】
グループプリンタドライバUIを介して詳細に設定するべくメンバプリンタドライバが指定されたことが認識されると処理をステップS1404に移行する。
【0124】
ステップ1404では、ステップ1403において指定されたメンバプリンタドライバのUIを開き、マウス等のポインティングデバイスを介して入力された指示に応じてメンバプリンタドライバ個別の設定を行わせる。ここで、所定のメンバプリンタドライバのシテは、図13と同様に、例えば、図18に示されるグループプリンタドライバのUIを介して行われる。
【0125】
図15は、ステップS1404の処理の更なる詳細を表したフローチャートである。
【0126】
ステップS1501では、メンバプリンタドライバの種別判定を行う。
【0127】
対象となる指定されたメンバプリンタドライバが”機能制御可能なドライバ”であれば、ステップS1502へ、それ以外であればステップS1503へ処理を進める。
【0128】
ここで、メンバプリンタドライバの種別の判定とは、例えば、拡張項目をOSを介して読込んだ場合に、得られたデータが認識可能なデータであるか否か、即ち認識されれば機能制御可能なドライバと判定するような処理や、若しくは、メンバプリンタドライバに付された提供元識別情報などを判定することによって実現される。
【0129】
ステップS1502は、ステップS1305の▲1▼で示した規則に則して、メンバプリンタドライバの共通設定項目UIの制御を行うステップであり、共通設定項目に対してUIのグレーアウト制御等を施したUI表示制御が行われ、該表示制御が施されたメンバプリンタドライバUIを介して所定の印刷設定が行われる。
【0130】
ステップS1503では、ステップS1305の▲2▼で示した規則に則して、メンバプリンタドライバの共通設定項目UIの表示制御が行われる。そして、該表示制御が施されたUIを介して詳細な印刷設定が行われる。
【0131】
そして、ステップS907において、グループプリンタドライバUI上で全ての設定が終わった場合、設定終了ボタンが押下されると設定終了の一連の処理に移行される。
【0132】
ステップS908では、グループプリンタドライバで設定した項目が、各メンバプリンタドライバの設定項目として矛盾がないかどうかのチェックが行われる。
【0133】
具体的には、例えば、
プリンタAでは、A4用紙にステイプル可能な位置は用紙左上のみ
プリンタBでは、A4用紙にステイプル可能な位置は用紙左下のみ
といった様に、プリンタにはデバイスのもつ機能に密接に関連した項目がある。
【0134】
本ステップでは、各メンバプリンタにステップS1303で行われた、設定機能上ありえない組み合わせについてのコンフリクトチェックの他に、各メンバプリンタドライバに対して、グループプリンタドライバUI上で設定した項目が、各メンバプリンタドライバの設定項目として反映可能かどうかを、メンバプリンタドライバを対象にチェックを行う。
【0135】
ステップS909では、ステップS908で行われたコンフリクトチェックの結果を判定する。
【0136】
ここで、グループプリンタドライバUI上で設定した設定項目が、全てのメンバプリンタで妥当であった場合には、ステップS912に処理を進め、グループプリンタドライバUIの表示の処理を終了する。
【0137】
また、ステップS909で、設定項目にコンフリクト(不都合)が発生する項目があると判定された場合には、ステップS910へ進み、「グループプリンタドライバUI上で設定項目を再設定するか」、或は、「現状の設定項目で印刷処理を行うか」といったメッセージと共に、再設定、強行ボタンをUI表示させる。
【0138】
ステップS911では、再設定、強行ボタンのどちらが押されたかを判定するステップであり、再設定ボタンが押された場合には、メンバプリンタドライバの構成によって、ステップS1303(メンバプリンタドライバが機能制御可能な場合)または、ステップS1402(メンバプリンタドライバが機能制御不可の場合)の直前に処理を戻す。
【0139】
また、強行ボタンが押された場合には、ステップS912に処理を進め、グループプリンタドライバUIの表示の処理を終了させる。
【0140】
次に、本実施の形態における前述のUIで設定された情報の記録と前述の図8における汎用印刷ファイルとの関係について説明する。
【0141】
本実施の形態においては、前述のUIで設定された情報について、グループプリンタドライバのドライバ設定情報(DEVMODE)は共通領域、拡張領域共に、前述の図8で説明した汎用印刷ファイル内の印刷指示部に記録される。また、各メンバプリンタのドライバ設定情報(DEVMODE)は、共通領域、拡張領域共に、汎用印刷ファイル内のメンバプリンタのドライバ情報設定部に記録されることとなる。
【0142】
その後、本汎用印刷ファイルは前述の印刷ジョブ制御システムを使ったプリンティング処理にて利用され、本実施の形態における印刷を行うことが可能となる。
【0143】
次に前述のステップS1303、或は、ステップS1402におけるグループプリンタドライバのユーザインターフェイスの表示様子について説明する。
【0144】
本実施の形態では、本グループプリンタドライバUIを開くことにより、複数種類の出力方法から適宜ユーザ所望の出力方法を選択することができ、例えば、割合分散、カラー/白黒分散、同報、自動代行の何れかの出力方法を設定することができる。また、夫々に対してメンバプリンタドライバの指定および設定を行うことにより、1つのプリンタドライバから複数の印刷指示が可能となるものである。
【0145】
図17は本実施の形態のUI操作フローを示したフローチャートである。
【0146】
まずステップS1701において、出力方法を指定する。出力方法には、前述のとおり割合分散、カラー/白黒分散、同報、自動代行等が選択が可能であるが、これに限定されるものではなく、その他の複数のプリンタデバイスを対象にした印刷処理の出力方法を適用可能であることは、言うまでもない。
【0147】
次にステップS1702に進み、それぞれの出力方法において指定されたメンバプリンタの登録が行われる。尚、ここで、各出力方法毎に登録されたメンバプリンタドライバは、本制御プログラムにより、指定された出力方法に応じて表示されるメンバプリンタドライバに対応するものとなる。ここで、出力方法毎に登録された、各出力方法毎に構築されるメンバプリンタドライバの組合せは、本制御プログラムが、グループプリンタドライバUIを介して指定された出力方法を認識し、認識した所定の出力方法に対応するメンバプリンタドライバを切り換えて表示させるよう制御する処理に結びつくものとなる。
【0148】
次にステップS1703に進み、それぞれの出力方法の詳細指定を行う。尚、夫々の出力方法に関する詳細な設定は後述にて行うものとする。
【0149】
次にステップS1704に進み、それぞれの出力方法におけるコンフリクト対象のメンバプリンタドライバを設定する。ここで、各出力方法に対応するコンフリクト対象のメンバプリンタドライバはステップS1702にて登録されたメンバプリンタドライバに対応する。さらには、ここで設定されたメンバプリンタドライバに対して、図9〜図16で説明したグループプリンタドライバ、メンバプリンタドライバについてのコンフリクト処理が実行される。
【0150】
該図17のフローチャートの処理により、複数のメンバプリンタドライバを制御可能なグループプリンタドライバによって、出力方法の選択に応じて出力方法の設定が切り替えられると、切り替えられた出力方法の種別に応じて、出力方法の設定を行う為のユーザインターフェイスの表示を切り替えられるような制御が行われるので、ユーザは、出力方法を適宜変更しても、変更した出力方法に対して最適な印刷設定を行う為のユーザインターフェイスを得ることができる。また、ここでの出力方法に応じた最適な印刷設定をするためのユーザインターフェイスとは図9〜16に説明してきなコンフリクト処理によるものであったり,後述にて説明する各出力方法に固有の印刷設定に関するものであったりする。また、後述にても説明するがコンフリクト処理の詳細な方法が出力方法毎によっても異なり、それに応じて出力方法に応じた印刷設定の為のユーザインターフェイスも異なる。
【0151】
本実施の形態の1つの例として、出力方法として割合分散(分散印刷と同義)が選択されていた場合、コンフリクト対象のメンバプリンタは、分散先のすべてのメンバプリンタのプリンタドライバが対象となるものとする。
【0152】
次にステップS1705に進み、上記設定した各項目の記録を行う。この設定項目の記録は、図8で説明した汎用印刷ファイルに記録することで実現する。例えば、上記設定項目は、本汎用印刷ファイルの印刷指示部8−b中、特に、ステップS1701の設定項目においては出力方法指定部を利用して記録する。また、ステップS1702の設定項目においては、メンバプリンタ数およびメンバプリンタドライバ名、メンバプリンタドライバ情報設定部を利用して記録する。また、ステップS1703の設定項目においては、グループプリンタドライバ設定情報部を利用して記録する。
【0153】
次に図18を用いて本実施の形態のユーザインターフェイス(グループプリンタドライバUI)を具体的に示して説明する。
【0154】
図18において、図1801は前述の図17のステップS1701で説明した、出力方法を選択し、指定する為のコンボボックスである。この1801のコンボボックスをマウス等のポインティングデバイスを介して指示すると、複数の出力方法のリストが表示され、該表示されたリストより所定の出力方法の指定が為される。
【0155】
図1802は図17のステップS1702で説明した、メンバプリンタドライバの登録を行うためのUIを開くボタンである。ここで開かれるUIについては後述する。
【0156】
図18の1803はメンバプリンタを登録した後に、登録されたメンバプリンタドライバの一覧を表示するリストボックスである。
【0157】
このUIの例では、メンバプリンタドライバの名称とともにそのメンバプリンタに関する各種情報も表示している。また、この一覧表示の内容は前述の1601で指定した出力方法に従って、その表示内容も変更される。即ち複数種類の出力方法毎に夫々メンバープリンタドライバの構成を有している。これによって、ユーザは出力方法毎に適したメンバプリンタドライバを容易に呼び出すことができ、わざわざ出力方法を変更する度に新たなメンバプリンタドライバを登録する必要がなくなる。
【0158】
また、1807は前述の図17のS1702において説明した、登録したメンバプリンタドライバを出力対象のプリンタドライバとして、一時的に構成に含まれないようにしたり、或は、含まれないような状態からメンバプリンタドライバの構成に追加したりするチェックボックスである。このチェックボックスのチェックが有りの時は、そのメンバプリンタを対象プリンタドライバとみなし、チェックが無しの時にはそのメンバプリンタドライバを一時的に対象プリンタドライバから外す処理が施される。即ち、前述のステップS1702メンバプリンタドライバの一次登録処理に相当し、また、チェックボックスをチェックすることによりメンバプリンタドライバを実際の印刷処理の対象プリンタドライバとすることは二次登録処理に相当する。
【0159】
このようにメンバプリンタドライバの登録において、一次登録と二次登録の二段階の設定の仕組みが本発明により可能になり、例えば、通常の分散印刷では、印刷処理の対象としているような所定のメンバプリンタドライバに対して、該メンバプリンタドライバに対応する印刷装置が故障などしていることにより、一次的に該所定のメンバプリンタドライバを対象から外すことができたり、また逆に故障していた印刷装置が復帰したような場合には、チェックボックスの操作により再び実際の印刷処理の際に起動されるメンバプリンタドライバとすることができる。これは、ステップS1702において、出力方法毎に登録されたメンバプリンタと、チェックボックスにより、利用されるメンバプリンタドライバとされているか否かを夫々別々に、所定の記憶部に保持させる構成により実現される。
【0160】
更に、本発明においては、上に説明した一次登録、二次登録が、複数の出力方法毎に設定可能であり、割合分散印刷を始め、後述する同報印刷、カラー/白黒分散印刷、代行印刷の夫々に独立して一次登録、二次登録が処理されるようになっている。これは、出力方法毎に一次登録、二次登録の設定様子を所定の記憶部に記憶し保持する構成を有し、さらに該保持された情報を参照し表示させる構成をも有することによって可能とされる。また、出力方法毎に一次登録、二次登録の設定様子を保持させておくことは、完全に複数の出力毎に一次登録、二次登録の設定情報を記憶させておくことのみではなく、少なくとも二つ以上の出力方法に対して独立して一次登録、二次登録の設定をさせるようにすることでも、同様の効果は得られる。
【0161】
また、図1806は各デバイスの属性情報の表示欄である。グループプリンタドライバに設定されている各メンバプリンタドライに対応するデバイスの属性情報を、メンバプリンタドライバの名称と共に、本制御プログラムの表示制御に応じて表示されたものに相当する。
【0162】
図18の1804は、前述の図17のステップS1703における出力方法の詳細指定を行うためのUIを開くボタンである。この詳細設定の内容は前述の1601で指定した出力方法に従って、その表示内容も変更される。
【0163】
図18の1805は、メンバプリンタドライバの詳細な印刷設定を行うためのメンバプリンタドライバUIを表示させる為のボタンである。1803の一覧の中からマウス等のポインティングデバイスを介して入力指示された所定のメンバプリンタドライバに対して、1805のボタンの押下信号が情報処理装置に入力されると、該選択されていると認識されているメンバプリンタドライバのUIが呼び出され表示される。
【0164】
また、メンバプリンタドライバ個別のUIが呼び出され表示される際には、前述の図17のステップS1704で設定されたメンバプリンタドライバに対して、コンフリクト処理を行う。そして、このコンフリクト処理の結果を反映させたメンバプリンタドライバのUIを表示させる。
【0165】
次に、メンバプリンタドライバの登録/削除について、図19を参照しつつ説明する。
【0166】
図19は先に説明した図18における1802の「デバイスの追加/削除」ボタンの押下信号を本制御プログラムが認識した際に表示されるUIである。
【0167】
図19において、1901は選択可能なメンバプリンタドライバの一覧を表示するリストボックスである。選択可能なメンバプリンタドライバとは、本システムがハンドリング可能なポートを割り付けてインストールしてあるプリンタドライバであり、本制御プログラムが存在を認識することができるプリンタドライバとなる。
【0168】
1902は選択したメンバプリンタドライバの一覧を表示するリストボックスである。1903、1904、1905、1906の夫々のボタンにより、選択可能なメンバプリンタ一覧よりメンバプリンタに追加、削除を行うことが可能となっている。
【0169】
1903の押下信号を認識した際には、1901にて押下時に選択されているプリンタドライバをメンバプリンタドライバの一構成として追加する処理を行う。
【0170】
また、1904の押下信号を認識した際には、1901のリストに示される全てのプリンタドライバを対象として1902に表示されるメンバプリンタドライバを構成するものとするよう制御する。
【0171】
また、1905は、1903、1904とは逆でメンバプリンタドライバから外すためのボタンを示し、1903、1905の押下信号が認識されると1902のメンバプリンタドライバの構成から外されるよう、対象となるメンバプリンタドライバは制御される。
【0172】
次に前述の図17のステップS1703における出力方法の詳細指定について、図20を用いて説明する。
【0173】
図20は前述の図18における1804のボタンが押下されることにより表示されるUIである。図18の1803より選択されているメンバプリンタドライバに対する詳細設定を可能とするUIに相当する。
【0174】
ここでは、図18において出力方法として割合分散が選択、指定されているので、ここで表示されるUIは、分散印刷時の夫々のメンバプリンタドライバの印刷処理の割合設定を行う為のUIとなっている。指定されたメンバプリンタの分散比率をそれぞれ整数値で指定することが可能となっている。
【0175】
(第2の実施例)
第2の実施例では、第1の実施例における図17のステップS1701で出力方法として、カラー/白黒分散が選択され設定された場合の例について説明する。
【0176】
第2の実施例においては、基本的な処理の流れは第1の実施例と同じであり、図17におけるステップS1702、S1703で表示されるUIおよび、S1704で設定されるコンフリクト対象のメンバプリンタの設定が異なるだけで、あとは同じである。従って、これらの例に特有の部分のみを抽出して説明することとする。
【0177】
図21は図17のステップS1701で出力方法として、カラー/白黒分散が選択された場合のグループプリンタドライバのUIの表示様子を示したものである。
【0178】
カラー/白黒分散とは、ドキュメント中のカラーページはカラープリンタドライバに処理されるよう制御し、白黒ページはモノクロプリンタドライバに処理させるよう制御し、夫々カラープリンタデバイス、モノクロプリンタデバイスにより印刷出力が行われる形態を指す。メンバプリンタ構成としては、カラープリンタおよびモノクロプリンタそれぞれ1台ずつとなっている。即ち,カラープリンタデバイスに対応したプリンタドライバと、白黒プリンタデバイスに対応した夫々のプリンタドライバがメンバプリンタドライバを構成している。また、夫々のメンバプリンタドライバの詳細な設定を行うためのメンバプリンタドライバUIを表示させるためには、図18にて説明した場合と同様の操作で可能である。
【0179】
また図21に示したような形態に対応して、図17のステップS1702ではカラープリンタドライバおよびモノクロプリンタドライバが夫々登録され、図21のようなユーザインターフェイスが構築される。
【0180】
また、図17のステップS1703における出力方法の詳細指定は、本実施の形態では図18にて説明した「割合設定」のような、出力方法のさらなる詳細指定の指示をするためのボタンは表示されていないが、例えば、図21の表示に、例えば、カラープリンタにおける障害代行時に代行先に白黒プリンタによる代行印刷を許可するか否かなどの代行先について詳細な設定を施すためのボタンを設けることなどが考えられる。
【0181】
さらに、図17のステップS1704におけるコンフリクト対象のメンバプリンタの設定については、本実施例2において、出力方法としてカラー/モノクロ分散が選択されていた場合、コンフリクト対象のメンバプリンタは、カラーに関する設定項目については、カラープリンタに対応するメンバプリンタドライバにおいてコンフリクト処理が行われ、その他の印刷項目については、カラープリンタに対応するメンバプリンタドライバとモノクロプリンタに対応するメンバプリンタドライバを合わせてコンフリクト処理を行うような形態も想定される。即ち、カラープリンタのプリンタドライバとモノクロプリンタのプリンタドライバが、夫々カラー/白黒分散におけるメンバプリンタドライバとして選択されていたような場合には、カラープリンタ固有の項目についてはカラープリンタのメンバプリンタドライバの設定可能情報が参照され、カラープリンタ及びモノクロプリンタに共通して参照されるような項目(例えば用紙サイズ等)については、双方のメンバプリンタドライバの項目が参照されて、コンフリクト処理が行われる。
【0182】
例えば、図11におけるカラーに関する設定項目は共通設定項目のグレースケールのみであるが、これは一例であり、メンバプリンタドライバの機能によって項目を変更/追加されるのは適宜想定される。
【0183】
(第3の実施例)
第3の実施例では、第1の実施例における図17のS1701において出力方法として、同報を選択され、出力方法として設定された場合の例について説明する。
【0184】
第3の実施例においては、基本的な処理の流れは第1の実施例と同じであり、図17におけるステップS1702、S1703で表示されるUIおよび、S1704で設定されるコンフリクト対象のメンバプリンタドライバの設定が異なる点として挙げられるが、その他の処理については同様のものする。従って、異なる点を特に詳しく説明していくことにする。
【0185】
図22は図17のステップS1701において、同報印刷がマウスなどの所定のポインティングデバイスを介して選択され、出力方法として設定された場合のUIの表示様子の例を示したものである。
【0186】
同報印刷とは、部数が一部のドキュメント(印刷データ)を指定した複数のメンバプリンタドライバ全てに印刷処理をさせ、複数のメンバプリンタドライバ夫々に対応したデバイスに対して同じドキュメント印刷を実行させる印刷出力方法を指す。
【0187】
メンバプリンタドライバの構成としては、割合分散(分散印刷)の場合にて説明したものと同様に、複数のメンバプリンタドライバが登録可能となっている。
【0188】
また、それぞれのメンバプリンタドライバの個別に対応したUIを開くことも可能であり、これは、図18にて説明したものと同様の操作に応じて実現されるものであり、図22中の複数の出力先デバイス(図22中では、PrinterA、PrinterB、PrinterC)からマウス等のポインティングデバイスを介して入力指示された所定のメンバプリンタドライバに対して、図22中の「プリンタプロパティ」に対する押下信号が情報処理装置に入力されると、該選択されていると認識されているメンバプリンタドライバのUIが呼び出され表示される。
【0189】
また、出力方法として同報印刷が図17のステップS1701に対応して設定された場合には、上に説明した割合分散の場合と同様、図19に示したようなUIを「図22中のデバイスの追加/削除」ボタンの押下信号の入力に応じて表示させ、同報印刷において起動させるメンバプリンタドライバの登録/削除が実現される(図17のステップS1702に相当)。
【0190】
また、図17のステップS1703に対応する出力方法(第3の実施例では同報印刷に関する詳細設定)の詳細設定に関しては、図22の場合には、同報印刷に対して特に詳細な設定を行う為のボタンは表示されてはいないが、例えば、同報先のプリンタ、或いは、プリンタドライバにおいて、何らかのトラブルが生じ、正常に生成された印刷データ(PLDLや中間ファイルデータ)が送信されなかった場合に印刷データの送信をリトライする回数などを設定することができるようにしても良い。
【0191】
また、第3の実施例における出力方法として同報印刷が設定されているような場合には、図17のステップS1704のコンフリクト処理に相当する処理では、対象のメンバプリンタドライバの設定は、コンフリクト対象のメンバプリンタドライバは、割合分散印刷の場合と同様に全てのメンバプリンタドライバが対象コンフリクト処理の対象となるので、詳細な説明は省略することとする。
【0192】
(第4の実施例)
第4の実施例では、第1の実施例における図17のステップS1701において、出力方法として、自動代行印刷が選択され指定された場合の例について説明する。
【0193】
第4の実施例においては、基本的な流れは第1の実施例と同じであり、図17のステップS1702、ステップS1703で表示されるUIおよび、ステップS1704においてなされるコンフリクト処理の対象のメンバプリンタドライバの抽出の制御が異なる点として挙げられる。その他の処理について、前の実施の形態における処理と同様の部分については、ここでは詳細な説明は省略する。
【0194】
図23は図17のステップS1701で自動代行印刷が選択され出力方法として設定された場合のUIの表示様子の例を示したものである。
【0195】
本実施例4における自動代行印刷では、メンバプリンタドライバの夫々に優先順位が設けられており、設定された優先順位の1番高いメンバプリンタドライバによりまず優先的に印刷が行われ、現在印刷処理を行わせようとしているプリンタデバイスにトナー無し等のエラーが発生し印刷不可能になった場合、自動的に次の優先順位のメンバプリンタドライバに印刷処理をさせるように制御が行われる処理が行われる。
【0196】
この場合メンバプリンタドライバの構成としては、割合分散(分散印刷)の場合と同様、複数登録可能であり、本制御プログラムは夫々のメンバプリンタドライバに対して優先順位を設定する機能を有している。
【0197】
図23の2101、2102は、メンバプリンタドライバの優先順位を変更する為のボタンである。このUIの例ではメンバプリンタの優先順位は、メンバプリンタ一覧2103にリスティングされている順番と一致している。
【0198】
従って、2303のリストの一覧よりメンバプリンタドライバを選択し、2101のボタンにより、メンバプリンタリスト上の順番を1つ上げる(上のほうに移動表示)ると共に、優先順位も上げることが可能である。
【0199】
また2302のボタンにより、メンバプリンタリスト上の順番を1つ下げる(下のほうに移動表示)するとともに、優先順位も下げることが可能である。また、それぞれのメンバプリンタのGUIを開くためには、図18等にて説明した処理と同様の処理により実現可能であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0200】
また、図17のステップS1702に対応するメンバプリンタドライバの登録(追加/削除)についても、第2の実施の形態において説明した通りであり、図19に示されるものと同様なUIが表示されるような制御が行われ、メンバプリンタの登録削除処理が行われる。
【0201】
また、図17のステップS1703における出力方法の詳細設定の処理は、本実施の形態では特に存在していないので、図19のUIでは、ボタンを設けていない。
【0202】
また、図17のステップS1704におけるコンフリクト処理の対象となるメンバプリンタドライバの設定については、出力方法として自動代行印刷が設定されている場合には、コンフリクト対象のメンバプリンタドライバとしては、優先順位が1番高いメンバプリンタドライの設定条件を優先的に採用するような形態が想定される。このように優先順位が最も高いメンバプリンタドライバの設定を選択するようにすれば、仮に代行印刷処理が実行されたとしても、優先順位が最も高いメンバプリンタドライバでの設定を制限させないようにすることが出きるようになる。無論、第1の実施例と同様に登録されたメンバプリンタドライバの全てを対象に、各設定項目の有り/なしのAND処理を行うようなコンフリクト処理を実行させるようにするような形態も想定される。
【0203】
このように、図18、21、22、23、に示したように、出力方法の指定に応じて、夫々の出力方法毎に登録することができ、また、登録されたメンバプリンタドライバの構成が出力方法の指定に応じて切り替え表示されるので、ユーザは容易に出力方法毎に管理されるメンバプリンタドライバを認識することができると共に、利用することができる。
【0204】
次に図24で、図18の1806で示されたデバイス情報(デバイスの属性情報)の設定、取得の処理について説明する。
【0205】
図24は本システムをセットアップする際、システムにインストールするプリンタドライバを本メンバプリンタの対象となるべく設定を行い、同時にデバイスの情報を設定(取得)するフローチャートを示したものである。
【0206】
まずステップS2401でセットアップを開始する。
【0207】
次にステップS2402でメンバープリンタの対象となるべきプリンタドライバを選択し、インストール対象とする。
【0208】
次にステップS2403で、前記選択したプリンタドライバをインストールし、メンバプリンタドライバとして登録設定を行う。即ち、このステップS2403にてインストールされたドライバが上に説明した図17のS1702でのメンバプリンタドライバとして登録されることになる。
【0209】
次にステップS2403でインストールされた各プリンタドライバのデバイス情報を取得する。デバイス情報としては、概インストールしたプリンタドライバの対象デバイスの属性として、例えば、サポート用紙サイズがA3,A4,B5であるといった情報や、両面可能かどうか、ステイプル可能かどうか、その他、フィニシングの機能として、パンチ穴が可能か、Z折りが可能かなどを入力する。また、デバイス情報の取得としては、各インストールされたプリンタドライバが対応するプリンタデバイスに所定のネットワークを介して問い合わせ取得したデバイス情報を本制御プログラムが取得するような形態、或いは、予めメンバプリンタドライバがデフォルト値として有するデバイス情報を本制御プログラムが取得するような形態、或いは、キーボード等から入力された設定値をデバイス情報として登録させるような処理の形態が想定される。
【0210】
次にステップS2405で対象となるメンバプリンタドライバのインストールを完了させるか否か判断し、完了でなければ前記ステップS2402に戻り、次に所定の選択操作に応じて選択されたプリンタドライバをメンバプリンタドライバとして登録させる処理を繰り返す。一方、完了であればステップS2406に進む。この完了か否かの判断は、例えば、情報処理装置の表示部に表示された「インストールを完了しますか?」なる表示に対してユーザが「Yes」/「No」を選択したことを認識することに応じて処理される。
【0211】
ステップS2406では、ステップS2404で取得されたデバイスの属性情報の設定値を、例えばシステムのレジストリなどにプリンタドライバの名称とともに記憶し保持する。また、該ステップS2404で取得されたデバイスの属性はステップS1702にて登録された各出力方法に応じてメンバプリンタドライバの構成とともに所定の記憶部に保持される。
【0212】
前述の図18の1806に示されたデバイス情報は、前記ステップS2406で保存した情報を該当するメンバプリンタごとに表示したものに相当する。
【0213】
このように、グループプリンタドライバを構成するメンバプリンタドライバの名称と共に、それぞれのプリンタドライバに対応するデバイスの属性情報が表示されるので、ユーザは複数のメンバプリンタドライバに対応したデバイスがどのような属性(機能)を有しているのかを一目瞭然に知ることができる。また、図18の1806にて説明した、一次登録、二次登録についても、図24のフローチャートによる処理により各メンバプリンタドライバに対応する属性情報が表示されるので、ユーザは印刷の要望に応じて、適宜一次登録されたメンバプリンタドライバから二次登録をさせるか否かを容易に決定することができるようになる効果が得られる。
【0214】
(その他の実施例)
なお、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成される。
【0215】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0216】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0217】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0218】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0219】
このように本実施の形態によれば、一つの仮想的な画像入出力装置に束ねられた複数の画像入出力装置に対して印刷ジョブを制御する印刷処理システムにおいて、一つの仮想的な画像入出力装置に対するドライバ上で、割合分散、カラー/白黒分散、同報、自動代行などの出力方法を切り替えて印刷することが可能となった。また、1つの仮想的な画像入出力装置に対応するドライバ上で束ねられた複数の画像入出力装置の構成を変更することが可能となった。
【0220】
また、出力方法の変更に伴って、1つの仮想的な画像入出力装置に対応するドライバとそれに束ねられた複数の画像入出力装置に対応した各ドライバのUI制御を切り替えて出力することが可能となった。
【0221】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、プリンの組み合わせの再構築を容易に実現することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用可能な情報処理システムの構成を説明するブロック図。
【図2】本発明の情報処理装置の構成を説明するブロック図。
【図3】図2に示したRAM202のメモリマップの一例。
【図4】図2に示したFD204のメモリマップの一例。
【図5】図2に示したFDドライブ203に対して挿入されるFD204との関係を示す図。
【図6】本発明の情報処理装置のプリント制御モジュール構成を説明するブロック図。
【図7】プリントサーバで管理されるジョブ情報のデータ構造の一例。
【図8】汎用印刷ファイルの構造を示す図。
【図9】グループプリンタドライバの動作を示す制御フローチャート。
【図10】メンバプリンタドライバの構成と設定可能項目との対応表。
【図11】共通設定項目、拡張設定項目と設定項目との対応表。
【図12】コンフリクト処理の仕組みを説明するための表。
【図13】グループプリンタドライバの動作を示す制御フローチャート。
【図14】グループプリンタドライバの動作を示す制御フローチャート。
【図15】グループプリンタドライバの動作を示す制御フローチャート。
【図16】表示制御が施されたグループプリンタドライバUIの表示様子例。
【図17】指定された出力方法に対応したグループプリンタドライバの動作を示す制御フローチャート。
【図18】出力方法に割合分散印刷が指定された際のUIの表示様子例。
【図19】メンバプリンタドライバの追加/削除(登録)機能を有するUIの表示様子例。
【図20】出力方法の詳細設定を行うUIの表示様子例。
【図21】出力方法にカラー/白黒分散印刷が指定された際のUIの表示様子例。
【図22】出力方法に同報印刷が指定された際のUIの表示様子例。
【図23】出力方法に自動代行印刷が指定された際のUIの表示様子例。
【図24】グループプリンタドライバにおけるメンバプリンタドライバの属性情報を取得する動作フローチャート。
【符号の説明】
101 サーバ
102 クライアント
103 クライアント
104 クライアント
105 ネットワークプリンタ

Claims (14)

  1. 複数のメンバプリンタが関連付けられ、前記複数のメンバプリンタを利用した印刷処理が可能なグループプリンタを含む印刷システムにおける印刷制御方法であって、
    前記グループプリンタに対して複数のメンバプリンタを一次登録する登録ステップと、
    前記登録ステップにおいて一次登録された複数のメンバプリンタに印刷前のステータスを対応付けたステータス表示を、二次登録用ユーザインタフェースに表示させる表示制御ステップと、
    前記登録ステップにて一次登録された複数のメンバプリンタの何れかを、前記二次登録用ユーザインタフェースを介したユーザの指示に応じて印刷処理に利用するメンバプリンタから、前記登録ステップにおける一次登録を再度行うことなく前記グループプリンタに対するメンバプリンタとして再選択が可能な形態で解除する解除ステップとを有することを特徴とする印刷制御方法。
  2. 前記登録ステップは、前記グループプリンタを構成するメンバプリンタを、グループプリンタの複数種類の出力方法毎に登録することを特徴とする請求項1に記載の印刷制御方法。
  3. 前記解除ステップは、グループプリンタの複数種類の出力方法毎に対応した複数のメンバプリンタにおいて実行可能であり、前記複数種類の出力方法毎において登録された複数のメンバプリンタのうち、何れかのメンバプリンタが前記解除ステップによって解除されているかを、前記出力方法毎に保持させる保持制御ステップを更に有することを特徴とする請求項2に記載の印刷制御方法。
  4. 前記複数種類の出力方法には、割合分散印刷、及び、カラー白黒分散印刷、及び、同報印刷、及び、代行印刷のうちの少なくとも2つ以上が含まれていることを特徴とする請求項2又は3に記載の印刷制御方法。
  5. 前記解除ステップにより印刷処理に利用しないプリンタとして解除されたメンバプリンタを前記二次登録用ユーザインタフェースを介したユーザの指示に応じて印刷処理に利用するメンバプリンタとして再度設定する設定ステップを更に有することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の印刷制御方法。
  6. 複数のメンバプリンタの能力を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップによって取得された複数のメンバプリンタの各々の能力に基づきグループプリンタの設定画面における設定可能項目を決定する決定ステップとを有し、前記決定ステップは、前記解除ステップにより解除されたメンバプリンタ以外の複数のメンバプリンタの能力に基づき前記設定可能項目を決定することを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の印刷制御方法。
  7. 複数のメンバプリンタが関連付けられ、前記複数のメンバプリンタを利用した印刷処理が可能なグループプリンタを含む印刷制御システムであって、
    前記グループプリンタに対して複数のメンバプリンタを一次登録する登録手段と、
    前記登録手段により一次登録された複数のメンバプリンタに印刷前のステータスを対応付けたステータス表示を、二次登録用ユーザインタフェースに表示させる表示制御手段と、
    前記登録手段によって一次登録された複数のメンバプリンタの何れかを、前記二次登録用ユーザインタフェースを介したユーザの指示に応じて印刷処理に利用するメンバプリンタから、前記登録手段による登録を再度行うことなく前記グループプリンタに対するメンバプリンタとして再選択が可能な形態で解除する解除手段とを有することを特徴とする印刷制御システム。
  8. 前記登録手段は、前記グループプリンタを構成するメンバプリンタを、グループプリンタの複数種類の出力方法毎に登録することを特徴とする請求項7に記載の印刷制御システム。
  9. 前記解除手段は、グループプリンタの複数種類の出力方法毎に対応した複数のメンバプリンタにおいて実行可能であり、前記複数種類の出力方法毎において登録された複数のメンバプリンタのうち、何れかのメンバプリンタが前記解除手段によって解除されているかを、前記出力方法毎に保持させる保持制御手段を更に有することを特徴とする請求項8に記載の印刷制御システム。
  10. 前記複数種類の出力方法には、割合分散印刷、及び、カラー白黒分散印刷、及び、同報印刷、及び、代行印刷のうちの少なくとも2つ以上が含まれていることを特徴とする請求項8又は9に記載の印刷制御システム。
  11. 前記解除手段により印刷処理に利用しないプリンタとして解除されたメンバプリンタを前記二次登録用ユーザインタフェースを介したユーザの指示に応じて印刷処理に利用するメンバプリンタとして再設定する設定手段を更に有することを特徴とする請求項7から10の何れかに記載の印刷制御システム。
  12. 複数のメンバプリンタの能力を取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された複数のメンバプリンタの各々の能力に基づきグループプリンタの設定画面における設定可能項目を決定する決定手段とを有し、前記決定手段は、前記解除手段により解除されたメンバプリンタ以外の複数のメンバプリンタの能力に基づき前記設定可能項目を決定することを特徴とする請求項7から11の何れかに記載の印刷制御システム。
  13. 請求項1から6の何れかに記載された印刷制御方法をコンピュータに実行させる為のプログラム。
  14. 請求項1から6の何れかに記載された印刷制御方法をコンピュータに実行させる為のプログラムをコンピュータ可読の形態で記憶した記憶媒体。
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