JP4261247B2 - 摺動回転体の鋳造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスクブレーキ用ディスクロータ、ブレーキ用ドラムあるいはクラッチ用フライホイール等の摺動回転体の鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用ディスクブレーキにおいては、ディスクロータが偏摩耗してその厚みにバラツキを生じると、それが原因となって制動時にパッド(摩擦材)に変位を与え、乗員に不快な振動(ブレーキ振動と呼ばれる)を感じさせることが知られている。ブレーキ振動の発生は制動を不安定にするのみならず走行安定性をも低下させるため、ディスクロータの偏摩耗防止が重要な技術課題となっている。例えば特許文献1では、片状黒鉛鋳鉄にNi,Mo更にはCu,Cr,V等の金属元素を添加することで、基地組織をマルテンサイト組織又はパーライト組織としディスクの耐摩耗性を向上させている。また、特許文献2では、母材(鋳鉄)にレーザビームを照射して再溶融処理を施すことにより、チル及びマルテンサイト組織による硬化層を形成し、ディスクの耐摩耗性を向上させている。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−65673号公報
【特許文献2】
特開平5−157134号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術のような手法によれば、ディスクロータの耐摩耗性を向上させることはできるが、特殊な金属を添加することや高エネルギーを必要とするという点で地球環境面での配慮に欠ける。また、ディスクの耐摩耗性が必要以上に向上し、パッドとの接触摺動時に却って滑りが生じ、ブレーキ本来の効き(摩擦力)が得られない虞れがある。
【0005】
本発明は、摺動回転体の耐摩耗性を単に向上させるという観点からでは無く、従来とは全く異なる観点から摺動回転体の偏摩耗を未然防止する技術として、摺動回転体の新規な鋳造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(着想の背景説明)
本件発明者は、代表的な摺動回転体である鋳鉄製ブレーキ用ディスクロータの製造技術を長年にわたり研究した結果、ディスク偏摩耗の一因として「組織の差による摩耗量の違い」があることを発見した。ここで言う「組織の差」には、硬さの差として現われる基地組織の差と、鋳鉄に含まれる黒鉛形態の差とがある。更に発明者は、鋳造品における黒鉛形態は鋳造条件と密接な関係があって溶湯凝固時に黒鉛形態の大半が決定されること(知見1)、黒鉛の摩耗は黒鉛と基地組織との界面で起き黒鉛形態の変化は界面長の変化と相関すること(知見2)、黒鉛組織はパッドと凝着して摩擦力の発現に大きく影響すること(知見3)等を把握している。
【0007】
本件発明者は上記のような技術的知見に基づいて、鋳鉄製品における黒鉛形態を表わす指標として定量表現可能な黒鉛長さを用い、その黒鉛長さが鋳鉄製摺動回転体の摩耗(特にブレーキ用ディスクの偏摩耗)に及ぼす影響を各種の試作実験を通じて明らかにした。一般にブレーキ用ディスクロータのように、円盤状あるいは円筒形状をなす(即ち平面視状態で円形状の外周部又は内周部を持った)物体を鋳造で作る場合、その形状に対応した平面視円形状の外周縁部及び/又は内周縁部を持ったキャビティ(鋳物成形空間)を構築する鋳型が使用されるが、試作実験の結果、キャビティと湯道とをつなぐ堰のあり方が、堰を介してキャビティ内に注ぎ込まれる溶湯の凝固速度又は冷却速度に大きく影響することを把握した。そして、以下に述べるように鋳造方案を工夫することで、摺動回転体表面の一円周に沿った領域において黒鉛長さのバラツキを少なくし(即ち黒鉛長さを均一化し)、摺動回転体の偏摩耗を従来よりも低減することに成功した。
【0008】
(手段及び作用)
本発明は、鋳物成形空間、堰及び湯道を具備した鋳型を用い、平面視状態で円形状の外周部又は内周部を持った摺動回転体を鋳造する方法であって、前記鋳物成形空間は、摺動回転体の形状に対応した平面視円形状の外周縁部又は内周縁部を有しており、その鋳物成形空間を湯道に連通させる堰は、前記鋳物成形空間の外周縁部又は内周縁部に隣接する位置においてその外周縁部又は内周縁部の全周の28%〜100%を占拠するように設置されており、前記鋳物成形空間のうちの少なくとも一部と堰とが直接つながる位置において、当該鋳物成形空間の少なくとも一部の外周縁部又は内周縁部における周縁全体の表面積に対する堰の連通断面積の比率(断面比)が10%〜60%となるように、堰の寸法が設定されていることを特徴とする。
【0009】
この鋳造方法によれば、鋳型内に構築される鋳物成形空間を湯道に連通させる堰は、鋳物成形空間の外周縁部又は内周縁部に隣接する位置に存在すると共に、鋳物成形空間の外周縁部又は内周縁部の全周の28%〜100%を占拠するように設置されている。また、鋳物成形空間のうちの少なくとも一部と堰とが直接つながる位置において、当該鋳物成形空間の少なくとも一部の外周縁部又は内周縁部における周縁全体の表面積に対する堰の連通断面積の比率(断面比)が10%〜60%となるように、堰の寸法が設定されている。このように、鋳物成形空間の外周縁部又は内周縁部の全周に対する堰の占拠比率が十分に大きいこと、及び、堰の連通断面積の比率(断面比)が10%〜60%となるように堰の寸法が設定されていることにより、注湯時に、鋳物成形空間の外周縁部又は内周縁部のうちの堰に直接連通している部分(直接連通部分)と、堰に直接連通していないその他部分(非連通部分)との間で大きな熱量差が生じ難くなる。つまり、堰を介して溶湯が直接注ぎ込まれる直接連通部分と、その直接連通部分を経由して溶湯の供給を受ける非連通部分とで、溶湯の熱量分布がほぼ均一化する。仮に鋳物成形空間内で熱勾配が生じるとしてもその熱勾配は鋳物成形空間の半径方向に存在し、その場合の等温点は同心円状に分布して同じ半径の同一円周内ではほぼ等温化する。このため、注湯後の凝固冷却過程でも、鋳物成形空間における任意の同一円周内では凝固速度又は冷却速度が均一化し、その同一円周内では組織(例えば黒鉛長さを指標とする黒鉛形態)がそろい易くなる。そして、この鋳造方法で得られた摺動回転体は、回転軸線周りの任意の円周内において組織(例えば黒鉛形態)が均一化しているため、従来の鋳造方案に従った摺動回転体に比べて偏摩耗し難いという特徴を有する。
【0010】
【発明の実施の形態】
この「発明の実施の形態」の欄では、本発明のより好ましい態様や追加的構成要件等について説明する。
【0011】
本発明の鋳造目的物は平面視状態で円形状の外周部又は内周部を持った摺動回転体であり、回転軸線の周りで回転させたときに軸対称な物体である。摺動回転体の鋳造に際しては、鋳物成形空間、堰及び湯道を具備した鋳型が使用される。鋳型とは、主型及びその内部に配置される中子を含む概念であり、例えば主型及び中子により、鋳造目的物たる摺動回転体の形状をかたどった鋳物成形空間(キャビティ)が構築される。主型及び中子の構成材料としては、いわゆる砂(例えば生砂、シェル砂)を例示できる。尚、鋳型内に設定された堰及び湯道は、湯口系の少なくとも一部を構成する。
【0012】
鋳物成形空間は、摺動回転体の形状に対応した平面視円形状の外周縁部又は内周縁部を有しており、その鋳物成形空間を湯道に連通させる堰は、前記鋳物成形空間の外周縁部又は内周縁部に隣接する位置においてその外周縁部又は内周縁部の全周の28%〜100%(より好ましくは39%〜100%)を占拠するように設置される。鋳物成形空間の周縁部全周に対する堰の占拠率(s)が28%未満になると、堰を介して溶湯が直接注ぎ込まれる前記直接連通部分と、その直接連通部分を経由して溶湯の供給を受ける前記非連通部分とで溶湯の熱量分布を均一化することが難しくなり、摺動回転体の偏摩耗低減を図れない虞れがある。
【0013】
本発明では、鋳物成形空間の周縁部全周に対する堰の占拠率(s)を100%とすることが理想である。即ち、堰が、鋳物成形空間の外周縁部又は内周縁部に隣接する位置においてその外周縁部又は内周縁部の全周を占拠するように設置されること(即ちs=100%)は好ましい。この場合の堰は、平面視状態で円環状をなす単一の堰となる。あるいは互いに不連続な堰が複数個存在してもよい。即ち、堰が、鋳物成形空間の外周縁部又は内周縁部に隣接する位置において複数個存在し、且つそれら複数個の堰によって鋳物成形空間の外周縁部又は内周縁部の全周の28%〜100%(より好ましくは39%〜100%)を占拠するように設置されることは好ましい。
【0014】
本発明では、鋳物成形空間と堰との連通関係における連通断面積の設定も重要な要素となる。即ち、鋳物成形空間のうちの少なくとも一部と堰とが直接つながる位置において、当該鋳物成形空間の少なくとも一部の外周縁部又は内周縁部における周縁全体の表面積に対する堰の連通断面積の比率(断面比)が10%〜60%(より好ましくは20%〜60%)となるように、堰の寸法が設定されていることは好ましい。上記堰の連通断面積の比率(断面比)が10%未満になると、堰を経由して鋳物成形空間に注ぎ込まれる溶湯の注湯速度が非常に遅くなり、溶湯が直接注ぎ込まれる前記直接連通部分と、その直接連通部分を経由して溶湯の供給を受ける前記非連通部分とで溶湯の熱量分布を均一化することが難しくなる虞れがある。他方、堰の連通断面積の比率(断面比)が60%を超えると、堰と鋳物成形空間との区別が付け難くなり、堰の存在意義(即ち、堰で溶湯の流れを絞ることにより不純物の進入を防いだり溶湯の流れを極力均一化するとの意義)が失われる虞れがある。
【0015】
本発明では、堰と、それに隣接する湯道との寸法関係も重要な要素となる。即ち、堰の外側又は内側の隣接位置には、底が堰よりも低位置にあって鋳物成形空間の外周縁部又は内周縁部の全周の70%〜100%に対応する範囲を占拠する湯道が設置されていることは好ましく、更には、湯道の高さ(h1)と堰の高さ(t)との比(h1/t)に対し、鋳物成形空間の外周縁部又は内周縁部の全周に対する堰の占拠率(s)を乗算して得られる湯道堰比(s・h1/t)が1.2以上の値(より好ましくは1.2〜7.0の値)となるように、湯道の寸法が設定されていることは好ましい。上記湯道堰比(s・h1/t)が1.2未満になると、湯道から堰を通過して鋳物成形空間に注ぎ込まれる溶湯の注湯速度が非常に遅くなり、溶湯が直接注ぎ込まれる前記直接連通部分と、その直接連通部分を経由して溶湯の供給を受ける前記非連通部分とで溶湯の熱量分布を均一化することが難しくなる虞れがある。他方、湯道堰比(s・h1/t)が7.0を超えると、堰と湯道との区別が付け難くなり、堰の存在意義(即ち、堰で溶湯の流れを絞ることにより不純物の進入を防いだり溶湯の流れを極力均一化するとの意義)が失われる虞れがある。
【0016】
この鋳造方法で用いる鋳造材料(金属溶湯)としては、鋳鉄などの鉄系金属を例示できる。特に、鉄系金属のうちの片状黒鉛鋳鉄を用いることは好ましい。鋳造材料が片状黒鉛鋳鉄の場合には、鋳造で得られた摺動回転体の摺動表面上の任意の一円周内における黒鉛組織の均一化を図ることが可能となる。
【0017】
堰を鋳物成形空間の外周縁部に隣接設置する場合の好ましい態様として、図1に示すような鋳造方案を例示することができる。これはベンチレーテッド型ディスクロータの鋳造方案である(具体例として実施例1を後述する)。図1では、上型1及び下型2からなる主型並びにその内部に配置された中子3によって鋳物成形空間(キャビティ)Cが鋳型内に構築される。キャビティCには、ベンチレーテッド型ディスクロータを構成する二つの摺動板部のうちの下側摺動板部の鋳造に関与するキャビティC1と、上側摺動板部の鋳造に関与するキャビティC2とが少なくとも存在する。
【0018】
好ましくは、堰10は鋳物成形空間Cの外周縁部に隣接する位置において、その外周縁部の全周を占拠又は包囲するように設置される(即ち占拠率s=100%)。堰10の外側隣接位置には、底が堰10よりも低位置にあって鋳物成形空間Cの外周縁部全周の70%〜100%に対応する範囲を占拠する第1の湯道11が設置される。第1の湯道11の高さh1は、好ましくは堰10の高さ又は厚みtの1.5倍以上、より好ましくは2〜7倍に設定される。
【0019】
好ましくは第1の湯道11の外側隣接位置には第2の湯道12が設置される。第2の湯道12が板状湯道であること、更には鋳物成形空間Cの全体を環状に包囲する全周湯道であることは好ましい。第2の湯道12の高さh2は、好ましくは堰10の高さtの1.5倍以上、より好ましくは1.5〜3倍に設定される。更に好ましくは第2の湯道12の外側隣接位置には、底が第2の湯道12よりも低位置にあって第2の湯道12の周長の50%以上を占拠又は包囲する第3の湯道13が設置される。その第3の湯道13の高さh3は、好ましくは堰10の高さtの2倍以上、より好ましくは2.5〜15倍に設定される。尚、図1に示すように、第3の湯道13の外側位置に、湯口(図示略)からの溶湯を第3の湯道13に導くための第4の湯道14を設けることは好ましい。
【0020】
堰を鋳物成形空間の内周縁部に隣接設置する場合の好ましい態様として、図3に示すような鋳造方案を例示することができる。これはベンチレーテッド型ディスクロータの鋳造方案である(具体例として実施例2,3及び4を後述する)。図3では、上型1及び下型2からなる主型並びにその内部に配置された中子3によって鋳物成形空間(キャビティ)Cが鋳型内に構築される。キャビティCには、ベンチレーテッド型ディスクロータを構成する二つの摺動板部のうちの下側摺動板部の鋳造に関与するキャビティC1と、上側摺動板部の鋳造に関与するキャビティC2とが少なくとも存在する。
【0021】
好ましくは、堰20は鋳物成形空間Cの内周縁部に隣接する位置において、その外周縁部の全周又はその一部を占拠するように設置される。堰20の内側隣接位置には、底が堰20よりも低位置にあって鋳物成形空間Cの内周縁部全周の70%〜100%に対応する範囲を占拠する湯道21が設置される。この湯道21の高さh1は、好ましくは堰20の高さ又は厚みtの1.5倍以上、より好ましくは2〜7倍に設定される。尚、図3に示すように、鋳物成形空間C、堰20及び湯道21の下方に、これらを迂回しながら鋳型の半径方向に延びると共に、湯口(図示略)からの溶湯を湯道21に導くためのトンネル湯道22を設けることは好ましい。
【0022】
なお、堰を鋳物成形空間(キャビティ)の内周縁部に隣接設置することの利点としては、鋳造設備の一枠内におけるキャビティの設置密度を高め得ることがあげられる(堰をキャビティの外周縁部に設置する場合との比較で)。
【0023】
【実施例】
本発明をベンチレーテッド型ディスクロータの鋳造方案に具体化した実施例1〜4、並びに、従来技術の範疇に属する比較例1及び2について説明する。尚、実施例及び比較例の各々につきディスクロータを試作する際には、二種類の片状黒鉛鋳鉄(FC200相当の鋳鉄及びFC150相当の鋳鉄)を使用した。溶湯の調製にあたっては、ねずみ鋳鉄の戻し材、鋼屑、加炭材及びFe−Si合金を高周波誘導炉にて溶解し、誘導炉からの出湯時に接種剤(Fe−75%Si)を添加して成分調整を行った。成分調整後のFC200の組成は、C:3.37%,Si:2.16%,Mn:0.57%,P:0.046%,S:0.082%である。また、成分調整後のFC150の組成は、C:3.82%,Si:2.08%,Mn:0.61%,P:0.051%,S:0.080%である。
【0024】
(実施例1)
図1に示す実施例1の鋳造方案では、板状の堰10(高さt=2mm,水平距離=5mm)が、ディスクロータ下側摺動板部の鋳造に関与するキャビティC1の外周縁部の全周を占拠する(s=100%)。堰10の外側全周に沿った全周湯道11は、高さh1=10mm、径方向長さ約10mmである。全周湯道11の内部には、ディスクロータの風穴部を形成するための中子3を支持固定するための中子固定台座(図示略)が6個配置される。中子固定台座一つあたりの湯道内占拠率は1.3%であるため、湯道11は堰10の全周の92.2%(=100−1.3×6)を実質的に占拠する。湯道11の外側全周に沿った板状全周湯道12は、高さh2=4mm、径方向長さ約5mmである。板状全周湯道12の外側全周に沿った全周湯道13は、高さh3=25mm、径方向長さ約20mmである。全周湯道13の外側全周の約40%の範囲に沿った半周湯道14は、高さh4=15mm、径方向長さ約15mmである。この湯道14は上型1に設定され、それ以外の堰及び湯道10〜13は下型2に設定されている。湯道14と湯道13とは径方向長で5mm重なっており湯道14は湯口につながっている。実施例1の鋳造方案では、キャビティC1の外周縁部全周に対する堰10の占拠率sは100%であり、キャビティC1の外周縁部全体の表面積に対する堰10の連通断面積の比率(断面比)は22%である。また、h1/t=10/2=5,h2/t=4/2=2,h3/t=25/2=12.5である。s=100%であるため、堰10と湯道11との間の湯道堰比(s・h1/t)は5.00となる(後記表1参照)。
【0025】
湯口から供給される溶湯(片状黒鉛鋳鉄)は、湯道14、湯道13及び板状湯道12を経由して湯道11に達しそこを満たす。そして溶湯は、平面視円環状の湯道11から全周堰10を乗り越えて、キャビティC1の外周縁部の全体にほぼ同時に注ぎ込まれ、最終的にキャビティC内全体に満たされる。図2(A)は、鋳造完了直後に鋳型から取り出したときの一次製品を示す。一次製品は堰や湯道に由来する余分な肉部を伴う。この図で、余分な肉部のうちの湯道11部に存在する6つの貫通孔15は前記中子固定台座の痕跡(抜き跡)である。尚、図1の方案断面は、図2(A)のA−A線に沿った断面に対応する。一次製品から余分な肉部を除去し、それに対し加工取り代2mmで表面切削加工を施し、その後に各摺動面に対して鏡面研磨を施して、二次製品(供試品)を得た。
【0026】
そして、二次製品のロータ摺動板部における各摺動面上の特定の一円周に沿って黒鉛長さを測定した。即ち図2(B)に示すように、二次製品の第1摺動面の最外周から2mm内側に位置する一円周(「面1外」と呼ぶ)、第1摺動面の最内周から2mm外側に位置する一円周(「面1内」と呼ぶ)、第2摺動面の最外周から2mm内側に位置する一円周(「面2外」と呼ぶ)、及び、第2摺動面の最内周から2mm外側に位置する一円周(「面2内」と呼ぶ)、をそれぞれ黒鉛長さの測定対象部位として選択した。測定に際しては、各一円周を30等分し各箇所ごとに光学顕微鏡(倍率100倍)で観察すると共に、黒鉛組織の画像をサンプリングして画像処理を行った。「黒鉛長さ」を連続した一つの片状黒鉛に外接する楕円における長軸の長さと定義し、測定一視野(0.9mm×0.5mm)の中で測定された黒鉛長さの平均値をそのサンプリング箇所での黒鉛長さとした。そして、一円周30箇所の中での黒鉛長さの最大値と最小値との差を当該一円周における「黒鉛長さの差」とした。実施例1で得られた二次製品(供試品)における黒鉛長さの差の測定結果を表1に示す。
【0027】
(実施例2)
図3に示す実施例2の鋳造方案では、板状の堰20(高さt=3mm、水平距離5mm)が、ディスクロータ下側摺動板部鋳造用のキャビティC1の内周縁部の全周を占拠する(s=100%)。全周堰20の内側全周に沿った全周湯道21は、高さh1=10mm、径方向長さ約15mmである。また、トンネル湯道22は、高さh5=10mm、幅50mmである。実施例2の鋳造方案では、キャビティC1の内周縁部全周に対する堰20の占拠率sは100%であり、キャビティC1の内周縁部全体の表面積に対する堰20の連通断面積の比率(断面比)は33%である。また、h1/t=10/3=約3.33である。s=100%であるため、堰20と湯道21との間の湯道堰比(s・h1/t)は約3.33となる(後記表1参照)。
【0028】
実施例2の鋳造方案に基づいて得た一次製品に対し、上記実施例1と同様の後加工を施して二次製品(供試品)を得た。そして、その二次製品について上記実施例1と同様の黒鉛長さ測定を行った。実施例2の二次製品(供試品)における黒鉛長さの差の測定結果を表1に示す。
【0029】
(実施例3)
図4(B)及び(C)は実施例3の鋳造方案の概略断面を示し、図4(A)は実施例3の鋳造方案から得られる一次製品の底面を示す。図4(B)の方案断面は図4(A)のX−X線断面に対応し、図4(C)の方案断面は図4(A)のY−Y線断面に対応する。実施例3の鋳造方案は、堰折り性を改善するために上記実施例2の全周堰20を複数分割したものに相当する。即ち、ディスクロータ下側摺動板部鋳造用のキャビティC1の内周縁部に沿って、都合5つの堰23を設けた。各堰23は、高さt=3.5mm、水平距離15mm、周方向の幅40mmである。これらの堰23の内側に設けられた全周湯道21は、高さh1=15mm、径方向長さ約20mmである。前記5つの堰23は、全周湯道21とトンネル湯道22(高さh5=10mm、幅50mm)との結合部を除く範囲において等角度間隔で配置されている。実施例3の鋳造方案では、キャビティC1の内周縁部全周に対する5つの堰23の合計占拠率sは39%であり、キャビティC1の内周縁部全体の表面積に対する5つの堰23の連通断面積の比率(断面比)は15%である。また、h1/t=15/3.5=約4.3である。s=39%であるため、5つの堰23と湯道21との間の湯道堰比(s・h1/t)は約1.67となる(後記表1参照)。
【0030】
実施例3の鋳造方案に基づいて得た一次製品に対し、上記実施例1と同様の後加工を施して二次製品(供試品)を得た。そして、その二次製品について上記実施例1と同様の黒鉛長さ測定を行った。実施例3の二次製品(供試品)における黒鉛長さの差の測定結果を表1に示す。
【0031】
(実施例4)
図5(B)及び(C)は実施例4の鋳造方案の概略断面を示し、図5(A)は実施例4の鋳造方案から得られる一次製品の底面を示す。図5(B)の方案断面は図5(A)のX−X線断面に対応し、図5(C)の方案断面は図5(A)のY−Y線断面に対応する。実施例4の鋳造方案は、堰折り性を改善するために上記実施例2の全周堰20を複数分割したものに相当する。即ち、ディスクロータ下側摺動板部鋳造用のキャビティC1の内周縁部に沿って、都合3つの堰24,25を設けた。全周湯道21(高さh1=15mm、径方向長さ約20mm)及びトンネル湯道22(高さh5=10mm、幅50mm)の結合部と反対側に位置する堰24は、高さt=3.5mm、水平距離15mm、周方向の幅60mmである。堰24の左右90度の位置にある二つの堰25の各々は、高さt=3.5mm、水平距離15mm、周方向の幅40mmである。全周湯道21は、これらの堰24,25の内側にある。実施例4の鋳造方案では、キャビティC1の内周縁部全周に対する3つの堰24,25の合計占拠率sは28%であり、キャビティC1の内周縁部全体の表面積に対する3つの堰24,25の連通断面積の比率(断面比)は11%である。また、h1/t=15/3.5=約4.3である。s=28%であるため、3つの堰24,25と湯道21との間の湯道堰比(s・h1/t)は1.20となる(後記表1参照)。
【0032】
実施例4の鋳造方案に基づいて得た一次製品に対し、上記実施例1と同様の後加工を施して二次製品(供試品)を得た。そして、その二次製品について上記実施例1と同様の黒鉛長さ測定を行った。実施例4の二次製品(供試品)における黒鉛長さの差の測定結果を表1に示す。
【0033】
なお、実施例3は、各堰を幅狭にして堰折り性を向上する一方で堰の数を多くすることで溶湯の充填性を補う方案である。これに対し実施例4は、各堰を幅広にして溶湯の充填性を高める一方で堰の数を少なくすることで堰折り性を改善する方案である。
【0034】
(比較例1及び比較例2)
図6(A)は比較例1の鋳造方案の平面配置を示す。比較例1では、一つの枠31内に6つのキャビティCが設置されると共に、一つのキャビティCにつき一つの堰32が設けられている。他方、図6(B)は比較例2の鋳造方案の平面配置を示す。比較例2では、一つの枠31内に6つのキャビティCが配置されると共に、一つのキャビティCにつき三つの堰32が設けられている。いずれの比較例でも堰32は、枠31内を折れ線状に巡る湯道33を介して湯口34に連結されている。また、各堰32は下型2に設置されている(図6(C)参照)。
【0035】
比較例1の鋳造方案では、キャビティC1の外周縁部全周に対する堰32の占拠率sは7%であり、キャビティC1の外周縁部全体の表面積に対する堰32の連通断面積の比率(断面比)は4%であり、堰32の高さt=5mm、湯道33の高さh1=20mmであって、堰32と湯道33との間の湯道堰比(s・h1/t)は0.28である。他方、比較例2の鋳造方案では、キャビティC1の外周縁部全周に対する三つの堰32の合計占拠率sは13%であり、キャビティC1の外周縁部全体の表面積に対する三つの堰32の連通断面積の比率(断面比)は6%であり、堰32の高さt=4mm、湯道33の高さh1=15mmであって、三つの堰32と湯道33との間の湯道堰比(s・h1/t)は約0.49である。
【0036】
各比較例の鋳造方案に基づいて得た一次製品に対し、上記実施例1と同様の後加工を施して二次製品(供試品)を得た。そして、その二次製品について上記実施例1と同様の黒鉛長さ測定を行った。比較例1及び2の二次製品(供試品)における黒鉛長さの差の測定結果を表1に示す。
【0037】
(ブレーキ制動試験)
上記実施例1〜4並びに比較例1及び2の各供試品について、実際のブレーキの使用環境下でのブレーキ制動試験を行い各供試品の摩耗状況を調査した。まず各供試品のディスク最外周から10mm内側の一円周上でロータ角度30度毎に摩耗量を測定し、それらの平均値を平均摩耗量とした。図7は実施例2(FC150)についての摩耗量の測定結果を示す。図7の結果から実施例2(FC150)の平均摩耗量は110μm(マイクロメートル)と判明した。また、各供試品のディスク最外周から10mm内側の一円周上でのディスクの厚み(即ち第1摺動面と第2摺動面との間の距離)の変化をブレーキ制動試験の前と後に測定した。図8の上段のグラフはブレーキ制動試験前における実施例2(FC150)のディスクの厚みの変化を示し、図8の下段のグラフはブレーキ制動試験後における実施例2(FC150)のディスクの厚みの変化を示す。試験前及び試験後の各グラフにおける最大値と最小値との差がブレーキ振動の因子となる肉厚差である。この結果から実施例2(FC150品)の試験前肉厚差は3μmであり、試験後肉厚差は5μmであることが判明した。その他の実施例及び比較例についても同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
Figure 0004261247
【0039】
(結果の考察)
表1を参照しながら実施例と比較例とで鋳造方案の特徴を対比する。キャビティC1の周縁部全周に対する堰の占拠率sについては、実施例1〜4の占拠率sが28%以上であるのに対し、比較例1及び2の占拠率sはその値よりも低くなっている。キャビティC1の周縁部全体の表面積に対する堰の連通断面積の比率(断面比)については、実施例1〜4の断面比が11%以上であるのに対し、比較例1及び2の断面比はその値よりも低くなっている。堰とその隣接位置にある湯道との間の湯道堰比(s・h1/t)については、実施例1〜4の湯道堰比が1.20以上であるのに対し、比較例1及び2の湯道堰比はその値よりも低くなっている。
【0040】
上述のような鋳造方案の差異は、各供試品における黒鉛長さの差及びブレーキ制動試験の結果に顕著に反映されている。まず黒鉛長さの差について言えば、実施例1〜4のいずれの供試品も、どの測定円周(面1外、面2外、面1内、面2内)においても黒鉛長さの差が10μmを超えることはなかった。これに対し、比較例1及び2の供試品では黒鉛長さの差が10μmを超える測定円周が存在している。つまり、実施例1〜4では同一測定円周内で黒鉛長さが比較的均一化しているのに対し、比較例1及び2では同一測定円周内で黒鉛長さに大きなバラツキを生じている。
【0041】
ブレーキ制動試験での平均摩耗量については各実施例と比較例とで大きな違いはみられないが、試験後のディスク肉厚差については実施例と比較例とで顕著な差が生じた。即ち、実施例1〜4のいずれの供試品も試験後のディスク肉厚差が7μm以下であるのに対し、比較例1及び2の供試品では試験後のディスク肉厚差が11μm以上となっており、ディスク偏摩耗の兆候が見られた。経験則によれば、ディスク肉厚差が10μmを超えると、実車でのブレーキ振動の発生率が急激に高くなる。つまり、実施例1〜4の供試品ではディスク偏摩耗に起因するブレーキ振動が顕在化する可能性が極めて低いが、比較例1及び2の供試品ではディスク偏摩耗に起因するブレーキ振動が顕在化する可能性が非常に高い。
【0042】
このように、実施例1〜4の鋳造方案によれば、ディスクロータの第1及び第2摺動面上の任意の円周内において黒鉛長さを比較的均一化することができる。そして、実施例1〜4の鋳造方案に従ったディスクロータは、使用時にある程度の摩耗はするものの、偏摩耗は起こし難いという優れた特性を有する。
【0043】
【発明の効果】
本発明の摺動回転体の鋳造方法によれば、比較的簡易な鋳造方案で、摺動回転体表面上の任意の円周内において組織(例えば黒鉛形態)がほぼ均一化した摺動回転体を鋳造することができる。特に本発明の鋳造方法は、従来技術と異なり特殊な材料や高エネルギーを必要とせず、ごく普通の材料を用いて実施可能な汎用性の高い技術であるため、LCA(ライフサイクルアセスメント)的にも優れている。そして、この鋳造方法で作られた摺動回転体は、従来の鋳造方案に従った摺動回転体よりも偏摩耗し難いという特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の鋳造方案の概略を示す断面図。
【図2】(A)実施例1の鋳造方案から得られる一次製品の平面図、(B)実施例1の二次製品(供試品)の部分断面図。
【図3】実施例2の鋳造方案の概略を示す断面図。
【図4】(A)は実施例3における一次製品の底面図、(B)及び(C)は実施例3の鋳造方案の一部概略断面図。
【図5】(A)は実施例4における一次製品の底面図、(B)及び(C)は実施例4の鋳造方案の一部概略断面図。
【図6】(A)は比較例1の鋳造方案の平面図、(B)は比較例2の鋳造方案の平面図、(C)は比較例1及び2の鋳造方案の一部概略断面図。
【図7】ブレーキ制動試験での実施例2の摩耗量測定結果を示すグラフ。
【図8】ブレーキ制動試験の前後における実施例2のディスク厚みの変化を示すグラフ。
【符号の説明】
1…上型、2…下型、3…中子(1〜3は鋳型を構成する)、10…鋳物成形空間の外周縁部に隣接する堰、11…堰の外側隣接位置にある湯道、12,13,14…湯道、20…鋳物成形空間の内周縁部に隣接する堰、21…堰の内側隣接位置にある湯道、22…トンネル湯道、23,24,25…堰、C,C1,C2…キャビティ(鋳物成形空間)。

Claims (2)

  1. 鋳物成形空間、堰及び湯道を具備した鋳型を用い、平面視状態で円形状の外周部又は内周部を持った摺動回転体を鋳造する方法であって、
    前記鋳物成形空間は、摺動回転体の形状に対応した平面視円形状の外周縁部又は内周縁部を有しており、その鋳物成形空間を湯道に連通させる堰は、前記鋳物成形空間の外周縁部又は内周縁部に隣接する位置においてその外周縁部又は内周縁部の全周の28%〜100%を占拠するように設置されており、
    前記鋳物成形空間のうちの少なくとも一部と堰とが直接つながる位置において、当該鋳物成形空間の少なくとも一部の外周縁部又は内周縁部における周縁全体の表面積に対する堰の連通断面積の比率(断面比)が10%〜60%となるように、堰の寸法が設定されていることを特徴とする摺動回転体の鋳造方法。
  2. 前記堰の外側又は内側の隣接位置には、底が堰よりも低位置にあって前記鋳物成形空間の外周縁部又は内周縁部の全周の70%〜100%に対応する範囲を占拠する湯道が設置されており、
    更に、前記湯道の高さ(h1)と堰の高さ(t)との比(h1/t)に対し、鋳物成形空間の外周縁部又は内周縁部の全周に対する堰の占拠率(s)を乗算して得られる湯道堰比(s・h1/t)が1.2以上の値となるように、湯道の寸法が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の摺動回転体の鋳造方法。
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