JP4260978B2 - 延伸フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な延伸フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物(以下、単にフィルム用樹脂組成物ともいう)に関する。詳しくは、これを延伸して得られる延伸ポリプロピレンフィルム(以下、単に延伸PPフィルムともいう)の外観、透明性、耐ブロッキング性が良好であり、かつフィルム加工時に発生するブロッキング防止剤の脱落が防止された延伸ポリプロピレンフィルムを得ることができる延伸フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
延伸PPフィルムは、優れた機械特性、高光沢、透明性を兼ねたフィルムであり、その特徴を生かして、繊維製品や雑貨品等の包装に多量に使用されている。
【0003】
上記延伸PPフィルムは、ダイスより押出されたシート状ポリプロピレン系樹脂に延伸を施して製造され、これを巻き取り機により巻き取り、フィルムロールの形態で製品化されるのが一般的である。
【0004】
ところが、延伸PPフィルム表面は平滑であるため、フィルム同士がくっつき合うという、いわゆるブロッキング現象が生じ、かかる現象を防止するため、さまざまな改良がなされてきた。
【0005】
例えば、特開昭56−30855公報には耐ブロッキング剤を含有させたポリプロピレン樹脂を用いて共押出多層複合延伸フィルムのブロッキング性を改良する方法が知られている。また、特開昭58−42432公報では、微粉シリカを適合量配合して透明性、滑り性、ブロッキング性を改良する方法が示されている。また、特開平5−84818公報、特開平8−269265公報には平均粒径の異なる2種類以上の無機系及び有機系耐ブロッキング剤を併用することにより滑り性、ブロッキング性を改良する方法が示されている。
【0006】
一方、延伸PPフィルムを、繊維製品や雑貨品等の包装用として使用するには、溶断シール法を用いて製袋される場合が多い。この場合、製袋物に必要な物性としては、透明性等の外観の他に、内容物の充填作業時、包装物の移送や取扱い、及び落下時における耐破袋性がある。破袋は、通常、製袋品の溶断シール部において発生し、特に、溶断シール部において破断に至るまでの伸び率が小さいと顕著に発生する。
【0007】
上記溶断シール性を改良するため、特開平7−241906公報に示されるように、α−オレフィンを特定量共重合させた比較的結晶性の低いポリプロピレン系樹脂を原料として用いて、フィルムの流れ方向(以下、MDと略す)において、特定の引張伸度、引張弾性率に調整して、耐破袋性を改良することが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、α−オレフィンを共重合させたポリプロピレン系樹脂から製膜されたフィルムは、その機械強度(腰)が弱いこと、原料系が有する低分子量成分がフィルム表面へブリードすることによって引き起こされるフィルム表面の粘着性のために、一般のポリプロピレンフィルムと比較してブロッキング性が高い。
【0009】
このブロッキング性を改良する方法として、耐ブロッキング剤の添加量を増やしたり、平均粒径の大きい耐ブロッキング剤を添加する方法が考えられるが、これらの方法は、フィルムの透明性の低下を引き起こす。さらに、多量の耐ブロッキング剤の添加は、製袋機のフィルム折り込み部分上(3角板)や印刷機のガイドロール表面に耐ブロッキング剤が脱落して白粉が付着するなど、耐脱落性が低下するという問題をも有していた。
【0010】
従って、本発明の目的は、外観、透明性、耐ブロッキング性、耐脱落性に優れた、繊維製品や雑貨品等の包装に好適なフィルム用樹脂組成物を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成すべく、鋭意研究を行った。その結果、昇温溶離分別法により求めた溶出曲線における特定のピーク温度を有する、比較的低結晶のポリプロピレン系樹脂を延伸PPフィルムの原料として使用する場合には、、耐ブロッキング剤として、特定の粒径を有する多面体状無機粒子という特殊な無機粒子と球状の有機又は無機粒子(以下、単に球状粒子ともいう)を併せて含有せしめることにより、得られる延伸PPフィルムの外観、透明性、耐ブロッキング性及び耐脱落性の全てに優れ、繊維製品や雑貨品等の包装に好適なフィルム用樹脂組成物となることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、本発明は、昇温溶離分別法により求めた溶出曲線において、そのピーク温度が、80〜115℃の範囲にあるポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、平均粒径が0.1〜4μmである立方体状無機粒子(A)と、架橋ポリメタクリル酸メチル、非溶融型シリコーン樹脂粉末、メラニン樹脂粉末、ポリアミド樹脂粉末及びシリカ粉末からなる群から選択される材質からなる、平均粒径が0.1〜3μmである球状の有機又は無機粒子(B)とを合計で0.01〜0.5重量部の割合で含有してなり、且つ該立方体状無機粒子(A)と球状の有機又は無機粒子(B)との重量比((B)/(A))が1を超え、9以下の範囲にあることを特徴とする延伸フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明でいう昇温溶離分別法(以下、単にTREFと略す。)とは、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィンを結晶性の分布、すなわち、溶剤への溶解温度の差により分別する方法である。詳しくは、クロモソルブを充填剤として用い、そのカラム内に試料溶液を導入し、試料を充填剤表面に吸着させていき、各温度で溶出してくるポリマー濃度を検出することにより測定することができる。
【0014】
ここで、溶出ピーク温度(以下、Tpと略す。)とは溶出温度(℃)と溶出量(重量%)の関係を示す溶出曲線において溶出量が最大となるピーク位置(℃)を示す。図1は、後述する実施例1で製造したポリプロピレン樹脂の溶出温度(℃)と溶出量(重量%)との関係を示す溶出曲線であり、ここで、C点で示されるピーク位置の温度100.2℃がTpとなる。
【0015】
本発明のフィルム用樹脂組成物において、ポリプロピレン系樹脂は、かかるTREFによるピーク温度が、80〜120℃の範囲であるポリプロピレン系樹脂が延伸PPフィルムとした場合の前記包装特性や耐破体性を達成するために必要であり、且つ本発明の効果が顕著に現れる。上記ポリプロピレン系樹脂のピーク温度は、特に、85〜115℃の範囲であることが好ましく、さらには、90〜110℃の範囲であることがより好ましい。
【0016】
上記ポリプロピレン系樹脂のTpが80℃未満の場合は、繊維製品や雑貨品等の包装に必要な機械強度が得られず、一方、Tpが120℃以上の場合は、溶断シール部において破断に至るまでの伸び率が小さくなりすぎて破袋性が低下するために好ましくない。また、上記ピーク温度を有するポリプロピレン系樹脂は、前記耐ブロッキング剤の脱落が起こり易いという問題を有する。
【0017】
本発明のポリプロピレン系樹脂は、TREFによるピーク温度が上記範囲であれば、公知のポリプロピレン系樹脂が特に制限なく使用される。該ポリプロピレンとしては、プロピレン単独重合体、または、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとのプロピレン−α−オレフィン共重合体、および、これらの混合物等を挙げることができる。
【0018】
上記のプロピレン単独重合体について、その結晶性を示す13C−NMRによるアイソタクチックペンタッド分率は、特に制限されるものではないが、0.80〜0.93の範囲であることが好ましく、さらに0.85〜0.90の範囲であることがより好ましい。なお、ここで言うアイソタクチックペンタッド分率は、エー.ザンベリ(A.Zambelli)らによってマクロモレキュールズ(Macromolecules),13,267(1980)に発表された13C−NMRスペクトルのピ−クの帰属に基づいて定量されたプロピレンユニット5個が連続して等しい立体配置をとる分率である。
【0019】
また、α−オレフィンとのプロピレン−α−オレフィン共重合体は、プロピレン以外の1種または2種以上のα−オレフィンに基づく単量体単位の含有量が1〜15モル%の範囲であることが好ましく、3〜10モル%であることがより好ましい。α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン等を挙げることができる。また、上記プロピレン−α−オレフィン共重合体としては、ランダム共重合体およびブロック共重合体のいずれでもよく、その中でもランダム共重合体が好ましい。
【0020】
上記ポリプロピレン系樹脂のメルトフロ−レイトは、特に制限されるものではないが、フィルムへの成形性を考えると、通常は0.1〜20g/10分の範囲のものが好ましく、さらに、1〜10g/10分の範囲であることがより好ましい。また、重量平均分子量は、200,000〜800,000、好ましくは250,000〜450,000の範囲が好適である。
【0021】
上記ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表される分子量分布は、特に制限されるものではないが、フィルム成形時の容易さや、溶融張力を増加させ加工性を向上させることを勘案すると、2〜20であることが好ましく、さらに4〜10の範囲であることがより好ましい。なお、上記分子量分布はo−ジクロルベンゼンを溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフ法(以下、GPCともいう)で測定された値であり、検量線は標準ポリスチレンで較正されたものである。
【0022】
上記ポリプロピレン系樹脂の室温p−キシレン可溶分量は、特に制限されるものではないが、15重量%以下の範囲であることが好ましく、さらに10重量%以下の範囲であることがより好ましい。
【0023】
上記ポリプロピレン系樹脂の融点は、特に制限されるものではないが、130〜160℃の範囲であることが好ましく、135〜155℃であることがより好ましい。なお、ここで言うポリプロピレンの融点は、示差走査熱計(以下、DSCともいう)で測定された昇温時の結晶融解曲線のピーク温度である。
【0024】
本発明は、上記ポリプロピレン系樹脂に対して、耐ブロッキング剤として、特定の粒径範囲を有する多面体状無機粒子と球状粒子を特定の範囲の比率で含有させることを特徴としている。即ち、ポリプロピレン系フィルムの耐ブロッキング剤として、球状粒子は、摩擦係数を小さくし、滑り性を向上させるには非常に効果的であるが、耐脱落性に劣るという欠点を有する。本発明にあっては、これに特定の割合、特定の粒径の多面体状無機粒子を併用せしめることにより、単に球状粒子の割合の減少による効果ではなく、相互の粒子の作用によって脱落を防止でき、優れた滑り性等の物性を確保しながら、耐脱落性を著しく向上することができたのである。
【0025】
本発明において、多面体状無機粒子(A)は、複数の平面で構成された多面形状を有するものが特に制限なく使用される。例えば、三角錐、直方体、7面体、8面体体等が挙げられるが、特に、走査電子顕微鏡(以下SEMと略す)で観察した粒子に頂点とする角部分が6点〜8点存在したものが好ましく、そのうち、角部分が8点存在する完全な直方体、中でも立方体が、フィルム加工時の脱落が少なくなるために好適である。
【0026】
上記の多面体状無機粒子(A)は、頂点の角部分ががやや丸みを有しておりシャープなエッジ部分が極めて少ないものが耐スクラッチ性が良好であり、特に望ましい。
【0027】
また、多面体状無機粒子(A)の材質は、特に制限されないが、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸金属塩やゼオライト、タルク、シリカ、燐酸カルシウム、等が一般的であり、特に、炭酸カルシウムが好ましい。これらの材質よりなる多面体状無機粒子は、公知の方法によって得られたものが特に制限なく使用される。
【0028】
特に、特開平5−117442、特開平7−196316で示された製法による炭酸カルシウム等の炭酸金属塩は、ほぼ完全なサイコロ状の立方体であるため好適である。
【0029】
また、これら多面体状無機粒子(A)は、その表面をシランカップリング剤、シリコンオイル、アミノメチル処理、有機カルボン酸および有機カルボン酸金属塩による化学的および物理的処理、いわゆる表面処理を施したものが、延伸PPフィルムに剥離ボイドを一層抑えることができ、好適に使用される。
【0030】
また、本発明において、多面体状無機粒子(A)の平均粒径(長径と短径を持つ粒子の場合は平均長径)は、0.1〜4μmの範囲であることが必要であり、0.5μmを超え、3.5μm以下の範囲が好ましく、さらに、1.0〜3μmの範囲がより好ましい。かかる平均粒径は、SEMで100個以上の粒子を観察し、それぞれの粒径を平均した値である。
【0031】
上記多面体状無機粒子平均粒径が0.1μm未満の場合はブロッキング防止の性能が発現せず、一方、4.0μmを超える場合は得られる延伸PPフィルムの透明性及び外観が低下するために好ましくない。
【0032】
一方、本発明において、球状の有機又は無機粒子(B)は、粒径比(粒子の長径/短径)が1〜1.5の範囲であるものが、摩擦係数を効果的に小さくし、得られる延伸PPフィルムに良好な滑り性を与えるために好ましく、特に、1〜1.3の範囲であることが好ましい。
【0033】
また、上記球状粒子(B)の平均粒径(長径と短径を持つ粒子は平均長径)は、0.1〜3μmの範囲であることが必要であり、0.5〜2.5μmの範囲が好ましく、さらに、1〜2μmの範囲がより好ましい。上記球状粒子の平均粒径が0.1μm未満の場合はブロッキング防止の性能が発現せず、一方、3μmを超える場合は得られる延伸PPフィルムの透明性及び外観が低下するために好ましくない。
【0034】
また、上記球状粒子(B)の材質は、特に制限されないが、例えば、架橋ポリメタクリル酸メチル(以下架橋PMMAと示す)、非溶融型シリコーン樹脂粉末、メラニン樹脂粉末、ポリアミド樹脂粉末、シリカ粉末等が一般的である。これらの材質よりなる球状粒子は、公知の方法で得られたものが特に制限なく使用される。
【0035】
また、上記多面体状有機粒子(A)の平均粒径(La)と、球状粒子(B)の平均粒径(Lb)とが(La)≧(Lb)の関係を満足することが、耐ブロッキング剤の脱落をより効果的に減少させるために好ましい。
【0036】
本発明のフィルム用樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、上記多面体状無機粒子(A)と球状の有機又は無機粒子(B)とを合計で0.01〜0.5重量部の割合で含有してなることが必要であり、0.02〜0.4重量部の範囲が好ましく、さらには、0.03〜0.3重量部の範囲であることがより好ましい。0.01重量部未満の場合、十分なブロッキング防止性能が発揮されず、また、0.5重量部を超えると、フィルムの外観及び透明性が低下し、また耐ブロッキング性の脱落が多くなるため好ましくない。
【0037】
また、上記耐ブロッキング剤の構成比として、多面体状無機粒子(A)と球状の有機又は無機粒子(B)との重量比((B)/(A))が1を超え9以下の範囲にあることが必要であり、1.2〜5.5の範囲であることが好ましく、さらには、1.5〜4の範囲であることがより好ましい。
【0038】
即ち、重量比((B)/(A))が1以下の場合は得られる延伸PPフィルムの透明性及び外観が低下し、一方、該重量比が9を超える場合は、フィルム加工時に発生するブロッキング防止剤、特に球状粒子(B)の脱落が多くなるために好ましくない。
【0039】
本発明のフィルム用樹脂組成物において、上記ポリプロピレン系樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記ポリプロピレン系樹脂の他に、他の樹脂が配合されていてもよい。配合される樹脂としては、特に制限されないが、一般的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンの単独重合体、これらのα−オレフィン同士の共重合体、または、これらの重合体の2種以上の混合物等のポリオレフィン系樹脂や、脂肪族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、ロジン誘導体、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等およびこれらの水素添加系樹脂等の石油樹脂等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。
【0040】
また、上記フィルム用樹脂組成物には、必要に応じて、結晶核剤、安定剤、酸化防止剤、塩素捕捉剤、帯電防止剤、防曇剤、紫外線吸収剤、滑剤、界面活性剤、顔料、充填剤、発泡剤、発泡助剤、可塑剤、架橋剤、架橋助剤、難燃剤、分散剤、加工助剤、フィラー等の公知の各種添加剤が、本発明の効果を阻害しない範囲で配合されていてもよい。
【0041】
本発明のフィルム用樹脂組成物を使用した延伸PPフィルムの製造方法は、公知の方法を特に制限なく採用することができる。
【0042】
例えば、上記フィルム用樹脂組成物をTダイ法またはインフレーション法等により、シートまたはフィルム(以下、未延伸シートと略す)に成形する。次いで、未延伸シートをMD延伸装置に供給し、加熱ロール温度100〜170℃で4〜10倍、好ましくは5〜8倍でMD延伸し、つづいてテンターを用いてテンター温度110〜180℃で4〜15倍、好ましくは5〜13倍でTD延伸し、かつ上記延伸において、MD延伸倍率とTD延伸倍率の積である面積延伸倍率が25〜70倍の範囲となるように延伸条件を調整する方法が挙げられる。
【0043】
さらに、二軸延伸後に必要に応じてMDおよびTDに0〜15%の緩和を許しながら80〜180℃で熱処理する方法を併用してもよい。もちろん、これらの延伸の後に、必要に応じて、再びMD、TDに延伸してもよく、またMD延伸において多段延伸、圧延等の延伸方法を組み合わせることができる。
【0044】
本発明のフィルム用樹脂組成物から得られる延伸PPフィルムの層構成は、単層および多層であっても良い。多層の場合、多層ダイスを用いて製膜するいわゆる共押出法、あるいは成形されたシートに溶融樹脂を積層するインラインラミネートいずれの方法でも使用できる。この場合、少なくとも表層を本発明のフィルム用樹脂組成物により構成することが好ましく、かかる態様において、中心層には、その他の添加剤の配合量、種類を変えたポリプロピレン組成物よりなる層を積層することができる。特に好適なのは、表層に上記多面体状無機粒子(A)、上記球状粒子(B)、スリット助剤、滑剤を処方した原料を使用し、中心層には帯電防止剤、結晶核剤等を処方した3層構成が、フィルムの光学物性および表面物性上好ましい。
【0045】
また、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物から得られる延伸フィルムの一方あるいは両方の表面には、必要に応じてコロナ放電処理等の表面処理が施されてもよい。
【0046】
また、得られるフィルムの厚みは特に制限されないが公知の10μm〜100μmの範囲が延伸性、フィルムの巻き取り特性等の生産性および市場のニーズより一般的である。
【0047】
【発明の効果】
本発明のフィルム用樹脂組成物を用いることにより、従来公知の延伸PPフィルムに比べて、外観、透明性、耐ブロッキング性に良好で、かつ二次加工時にフィルムと接触するロール表面等に耐ブロッキング剤の脱落が極めて少ない、品質面、生産性を兼ね備えた延伸PPフィルムを得ることができる。また、本発明の延伸PPフィルムは、製袋後の溶断シール部の耐破袋性に優れるため、繊維製品や雑貨品等の包装に好適に使用することができる。
【0048】
【実施例】
本発明を更に具体的に説明するため以下に実施例および比較例を掲げて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例および比較例で用いた原料及び得られた延伸ポリプロピレン系フィルムの評価は次の方法によって行った。
【0049】
1.原料の評価方法
1−1.昇温溶離分別法(TREF)による溶出曲線における溶出ピーク温度(Tp)
センシュー科学社製の自動TREF装置SSC−7300ATREFを用い、次の条件で測定した。
【0050】
溶媒:オルトジクロルベンゼン
流速:150ml/時間
昇温速度:4℃/時間
検出機:赤外検出器
測定波数:3.41μm
カラム:30mmφ×300mm
充填剤:クロモソルブP
濃度:1g/120ml
注入量:100ml
この場合、カラム内に試料溶液を145℃で導入した後、2℃/時間の速度で10℃まで徐冷して試料ポリマーを充填剤表面に吸着させた後、カラム温度を上記条件で昇温することにより、各温度で析出してきたポリマー濃度を赤外検出器で測定した。
【0051】
上記測定で得られた溶出温度(℃)と溶出量(重量%)の関係を示す溶出曲線において溶出量が最大となるピーク位置(℃)を溶出ピーク温度(Tp)とした。
【0052】
1−2.アイソタクチックペンタッド分率(mmmm)、α−オレフィン含有量
日本電子社製のJNM-GSX-270(13C−核共鳴周波数67.8MHz)を用い、次の条件で測定した。
【0053】
測定モード:1H−完全デカップリング
パルス幅 :7.0マイクロ秒(C45度)
パルス繰り返し時間:3秒
積算回数 :10000回
溶媒 :オルトジクロルベンゼン/重ベンゼンの混合溶媒(90/10容量%)
試料濃度 :120mg/2.5ml溶媒
測定温度 :120℃
この場合、アイソタクチックペンタッド分率は13C−NMRスペクトルのメチル基領域における分裂ピークの測定により求めた。また、メチル基領域のピークの帰属は前記のエー.ザンベリ(A.Zambelli)ら[マクロモレキュールズ(Macromolecules),13,267(1980)]によった。
【0054】
1−3.メルトフローレイト(MFR)
ASTM−1238に準じて測定した。
【0055】
1−4.重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)
センシュー科学社製の高温GPC装置SSC−7100を用い、次の条件で測定した。
【0056】
溶媒 :オルトジクロルベンゼン
流速 :1.0ml/分
カラム温度:145℃
検出機 :高温示差屈折検出器
カラム :昭和電工社製「SHODEX UT」807,806M,806M,802.5の4本を直列につないで使用
試料濃度 :0.1重量%
注入量 :0.50ml
1−5.室温p−キシレン可溶分量[p-Xy.sol.]
原料のポリマー1gをp−キシレン100mlに加え、攪拌しながら120℃まで昇温した後、さらに30分攪拌を続け、ポリマーを完全に溶解させ均一な溶液を調製した。そのp−キシレン溶液を室温(23℃)まで放冷後、室温(23℃)で24時間放置した。その後、析出したゲル状物は櫨別し、p−キシレン溶液を完全に濃縮することで可溶分量を求めた。
【0057】
室温p−キシレン可溶分量[p-Xy.sol.]は下記式で求められる。
【0058】
[p-Xy.sol.](重量%)={p-キシレン可溶分(g)/ポリマー1(g)}×100
1−6.融点
セイコー電子社製のDSC装置DSC6200を用い、次の条件で測定した。
【0059】
試料量 :約5mg
雰囲気ガス:窒素(流量20ml/分)
温度条件 :230℃に10分間保持した後、10℃/分で30℃まで降温し、引き続いて10℃/分で昇温した時の融解の吸熱挙動を測定した。
【0060】
2.延伸フィルムの評価方法
2−1.フィルム外観
目視による4段階評価(◎、○、△、×)を行った。
【0061】
2−2.透明性(ヘイズ値)
JIS K 7105に準じて行った。
【0062】
2−3.耐ブロッキング性
フィルムの縦(MD)方向に対して300mm、幅(TD)方向に対して40mmの短冊状に切り出したサンプルを3mmとなるようにフィルムを重ねてサンプルを作成する。
【0063】
このサンプルを30℃、湿度70%の雰囲気下で24時間放置後、プレス機を用いてフィルムサンプルを20kg/cm2の圧力を30秒間かけた。フィルムサンプルの両端を治具で固定し、引張試験機を用いて折り曲げ強度を測定した。
【0064】
2−4.耐脱落性
溶断シール製袋機(共栄印刷機械材料株式会社製;PP500型)を用い、25m/分の速度でフィルム(幅800mm)の巻き出しおよび製袋を行った。この時、フィルム折り込み部分上部(3角板の頂点部付近)からフィルムとの接触部分が5cm×60cmとなるように黒色の布を巻き、フィルムの巻き出し長が2000mに達するまで製袋を行った。製袋後の黒色布の重量変化を測定した。白色粉付着量が0mg以上2mg未満を◎、2mg以上6mg未満を○、6mg以上10mg未満を△、10mg以上を×とし、4段階評価を行った。
【0065】
2−5.滑り性
ASTM−D−1894に準じ動摩擦係数および静摩擦係数の測定を行った。
【0066】
2−6.耐破袋性
溶断シール製袋機(共栄印刷機械材料株式会社製;PP500型)を用いて、製袋速度80枚/分で250×300mmの袋を製造した。なお溶断シール温度は、使用したポリプロピレン系樹脂で最適な強度が得られるよう、表1に示すポリプロピレンA、Bについては、380℃、ポリプロピレンC、Dについては、400℃に設定した。
【0067】
製造された袋にジャガイモ1kgを入れ、高さ0.75mより床面に自然落下させた。床面は東洋リノリュウム社性の塩化ビニルタイルを用いた。
【0068】
評価方法は、同一袋で15回まで落下させ、破袋までの落下回数を計測した。これをn=20で行い、破袋落下回数とした。破袋性は、破袋落下回数が12回以上が◎、8回以上12回未満が○、4回以上8回未満が△、4回未満が×とし、4段階評価を行った。
【0069】
実施例1
(樹脂ペレットの作製)
表1に示したポリプロピレンAのパウダー100重量部に、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエンを0.1重量部、塩素捕捉剤としてステアリン酸カルシウムを0.1重量部、帯電防止剤としてステアリルジエタノールアミド0.3重量部を添加し、さらにブロッキング防止剤として表2に示すように平均粒径2.1μmの立方体状炭酸カルシウムを0.04重量部、平均粒径2.0μmの球状架橋ポリメタクリル酸メチル(PMMA)0.10重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで5分間混合した後、スクリュー径65mmφの押出造粒機を用いて混練し、樹脂ペレットを得た。
【0070】
(製膜)
得られたポリプロピレン樹脂ペレットを用いて以下の方法で二軸延伸フィルムの製膜を行なった。ポリプロピレン樹脂ペレットを、スクリュー径90mmφのTダイシート押出機を用いて、260℃で押し出し、30℃の冷却ロールで厚さ約2mmの原反未延伸シートを成形した。次いで、この未延伸シートをテンター方式の逐次二軸延伸装置を用いて以下のように二軸延伸フィルム製膜した。まず、未延伸シートを加熱ロール延伸機によりMDに4倍縦延伸した。引き続いて、テンター横延伸機でTDに機械倍率で9倍延伸した後、TDに8%緩和させて熱処理を行ない、厚さ30μmの二軸延伸フィルムを成形した。なお、二軸延伸フィルムの厚さは、Tダイシート押出機の押出量(原反未延伸シートの厚さ)により調整した。
【0071】
二軸延伸フィルムの片面には常法に従い30W 分/m2のコロナ放電処理を施し、巻取った後、得られた二軸延伸フィルムは40℃で3日間エージングした。
【0072】
得られたフィルムの各種物性の測定結果を表3に示した。
【0073】
実施例2
(樹脂ペレットの作製)
表1に示したポリプロピレンAのパウダー100重量部に、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエンを0.1重量部、塩素捕捉剤としてステアリン酸カルシウムを0.1重量部、さらにブロッキング防止剤として表2に示すように平均粒径2.1μmの立方体状炭酸カルシウムを0.02重量部、平均粒径2.0μmの球状架橋ポリメタクリル酸メチル(PMMA)0.05重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで5分間混合した後、スクリュー径65mmφの押出造粒機を用いて混練し、樹脂ペレットSを得た。
【0074】
また、表1に示したポリプロピレンAのパウダー100重量部に、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエンを0.1重量部、塩素捕捉剤としてステアリン酸カルシウムを0.1重量部、帯電防止剤としてステアリルジエタノールアミド0.3重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで5分間混合した後、スクリュー径65mmφの押出造粒機を用いて混練し、樹脂ペレットCを得た。
【0075】
(製膜)
得られたポリプロピレン系樹脂ペレットS及びCを用いて以下の方法で二軸延伸フィルムの製膜を行なった。ポリプロピレン系樹脂ペレットを、メイン押出機1基、サテライト押出機2基による3層シート押出機を用い、260℃で押し出し、30℃の冷却ロールで厚さ1mmのシートを成形した。サテライト押出機には樹脂ペレットSを、メイン押出機には、樹脂ペレットCを供給し、各押出量比サテライト押出機1に対してメイン押出機8の割合でT−ダイより押出した。それ以外は実施例1と同様に行った。
【0076】
得られたフィルムの各種物性の測定結果を表3に示した。
【0077】
実施例3
実施例1に示すブロッキング防止剤を平均粒径2.1μmの立方体状炭酸カルシウムを0.02重量部、平均粒径2.0μmの球状架橋PMMAを0.12重量部、すなわち重量比(B)/(A)を6.0となるように配合した以外は実施例1と同様に行った。
【0078】
得られたフィルムの各種物性の測定結果を表3に示した。
【0079】
実施例4
実施例1に示す二軸延伸倍率についてMD延伸倍率を7倍、TD延伸倍率を11倍にした以外は実施例1と同様に行った。
【0080】
得られたフィルムの各種物性の測定結果を表3に示した。
【0081】
実施例5
実施例1に示す二軸延伸倍率についてMD延伸倍率を3倍、TD延伸倍率を8倍にした以外は実施例1と同様に行った。
【0082】
得られたフィルムの各種物性の測定結果を表3に示した。
【0083】
実施例6
実施例1に示すブロッキング防止剤を平均粒径2.1μmの立方体状炭酸カルシウムを0.04重量部、平均粒径1.9μmの球状メラニン樹脂粉末を0.10重量部、すなわち重量比(B)/(A)を2.5となるように配合した以外は実施例1と同様に行った。
【0084】
得られたフィルムの各種物性の測定結果を表3に示した。
【0085】
実施例7
実施例1に示すブロッキング防止剤を平均粒径2.1μmの立方体状炭酸カルシウムを0.04重量部、平均粒径2.0μmの球状シリカ粉末を0.10重量部、すなわち重量比(B)/(A)を2.5となるように配合した以外は実施例1と同様に行った。
【0086】
得られたフィルムの各種物性の測定結果を表3に示した。
【0091】
比較例1
実施例1に示すブロッキング防止剤を平均粒径2.1μmの立方体状炭酸カルシウムを0.14重量部配合した以外は実施例1と同様に行った。
【0092】
得られたフィルムの各種物性の測定結果を表3に示した。
【0093】
比較例2
実施例1に示すブロッキング防止剤を平均粒径2.0μmの球状架橋PMMAを0.14重量部配合した以外は実施例1と同様に行った。
【0094】
得られたフィルムの各種物性の測定結果を表3に示した。
【0095】
比較例3
実施例1に示すブロッキング防止剤を平均粒径2.0μmの球状炭酸カルシウムを0.04重量部、平均粒径2.0μmの球状架橋PMMAを0.10重量部、すなわち重量比(B)/(A)を2.5となるように配合した以外は実施例1と同様に行った。
【0096】
得られたフィルムの各種物性の測定結果を表3に示した。
【0097】
比較例4
実施例1に示すブロッキング防止剤を平均粒径2.1μmの立方体状炭酸カルシウムを0.04重量部、平均粒径2.0μmの板状合成タルクを0.10重量部、すなわち重量比(B)/(A)を2.5となるように配合した以外は実施例1と同様に行った。
【0098】
得られたフィルムの各種物性の測定結果を表3に示した。
【0099】
比較例5
実施例1に示すブロッキング防止剤を平均粒径4.5μmの立方体状炭酸カルシウムを0.04重量部、平均粒径2.0μmの球状架橋PMMAを0.10重量部、すなわち重量比(B)/(A)を2.5となるように配合した以外は実施例1と同様に行った。
【0100】
得られたフィルムの各種物性の測定結果を表3に示した。
【0101】
比較例6
実施例1に示すブロッキング防止剤を平均粒径2.1μmの立方体状炭酸カルシウムを0.04重量部、平均粒径3.5μmの球状架橋PMMAを0.10重量部、すなわち重量比(B)/(A)を2.5となるように配合した以外は実施例1と同様に行った。
【0102】
得られたフィルムの各種物性の測定結果を表3に示した。
【0103】
比較例7
実施例1に示すブロッキング防止剤を平均粒径2.1μmの立方体状炭酸カルシウムを0.10重量部、平均粒径2.0μmの球状架橋PMMAを0.04重量部、すなわち重量比(B)/(A)を0.4となるように配合した以外は実施例1と同様に行った。
【0104】
得られたフィルムの各種物性の測定結果を表3に示した。
【0105】
比較例8
実施例1に示すブロッキング防止剤を平均粒径2.1μmの立方体状炭酸カルシウムを0.20重量部、平均粒径2.0μmの球状架橋PMMAを0.50重量部、すなわち重量比(B)/(A)を2.5となるように配合した以外は実施例1と同様に行った。
【0106】
得られたフィルムの各種物性の測定結果を表3に示した。
【0107】
実施例10
実施例1に示すポリプロピレン樹脂をポリプロピレンBにした以外は実施例1と同様に行った。
【0108】
得られたフィルムの各種物性の測定結果を表3に示した。
【0109】
実施例11
実施例1に示すブロッキング防止剤を平均粒径2.1μmの立方体状炭酸カルシウムを0.02重量部、平均粒径2.0μmの球状架橋PMMAを0.12重量部、すなわち重量比(B)/(A)を6.0となるように配合した以外は実施例10と同様に行った。
【0110】
得られたフィルムの各種物性の測定結果を表3に示した。
【0111】
実施例12
実施例1に示すブロッキング防止剤を平均粒径2.1μmの立方体状炭酸カルシウムを0.04重量部、平均粒径2.0μmの球状架橋PMMAを0.16重量部、すなわち重量比(B)/(A)を4.0となるように配合した以外は実施例10と同様に行った。
【0112】
得られたフィルムの各種物性の測定結果を表3に示した。
【0113】
比較例9
実施例1に示すブロッキング防止剤を平均粒径2.1μmの立方体状炭酸カルシウムを0.10重量部、平均粒径2.0μmの球状架橋PMMAを0.04重量部、すなわち重量比(B)/(A)を0.4となるように配合した以外は実施例10と同様に行った。
【0114】
得られたフィルムの各種物性の測定結果を表3に示した。
【0115】
比較例10
実施例1に示すブロッキング防止剤を平均粒径2.0μmの球状シリカを0.04重量部、平均粒径2.0μmの球状架橋PMMAを0.10重量部、すなわち重量比(B)/(A)を2.5となるように配合した以外は実施例10と同様に行った。
【0116】
得られたフィルムの各種物性の測定結果を表3に示した。
【0117】
参考例1
実施例1に示すポリプロピレン樹脂をポリプロピレンCにし、ブロッキング防止剤を平均粒径2.1μmの立方体状炭酸カルシウムを0.06重量部、平均粒径2.0μmの球状架橋PMMAを0.08重量部、すなわち重量比(B)/(A)を1.3となるように配合した以外は実施例1と同様に行った。
【0118】
得られたフィルムの各種物性の測定結果を表3に示した。
【0119】
比較例11
実施例1に示すブロッキング防止剤を平均粒径2.1μmの球状シリカを0.04重量部、平均粒径2.0μmの球状架橋PMMAを0.10重量部、すなわち重量比(B)/(A)を2.5となるように配合した以外は参考例1と同様に行った。
【0120】
得られたフィルムの各種物性の測定結果を表3に示した。
【0121】
比較例12
実施例1に示すポリプロピレン樹脂をポリプロピレンDにした以外は実施例1と同様に行った。
【0122】
得られたフィルムの各種物性の測定結果を表3に示した。
【0123】
【表1】
【0124】
【表2】
【0125】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で使用したポリプロピレンAについてのTREF溶出曲線
Claims (5)
- 昇温溶離分別法により求めた溶出曲線において、そのピーク温度が、80〜115℃の範囲にあるポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、平均粒径が0.1〜4μmである立方体状無機粒子(A)と、架橋ポリメタクリル酸メチル、非溶融型シリコーン樹脂粉末、メラニン樹脂粉末、ポリアミド樹脂粉末及びシリカ粉末からなる群から選択される材質からなる、平均粒径が0.1〜3μmである球状の有機又は無機粒子(B)とを合計で0.01〜0.5重量部の割合で含有してなり、且つ該立方体状無機粒子(A)と球状の有機又は無機粒子(B)との重量比((B)/(A))が1を超え、9以下の範囲にあることを特徴とする延伸フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物。
- 立方体状無機粒子(A)が、炭酸カルシウムからなることを特徴とする請求項1に記載の延伸フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物。
- 立方体状無機粒子(A)の平均粒径(La)、球状の有機または無機粒子(B)の平均粒径(Lb)とが(La)≧(Lb)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の延伸フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂組成物からなる延伸ポリプロピレンフィルム。
- 包装用である請求項4に記載の延伸ポリプロピレンフィルム。
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