上述した従来の平面照明装置は、導光板の表面部や裏面部に反射部材を設け、どちらか一方に帯状のスリットである欠切部を設け、欠切部が光源に近いほど小さくすることで、光源に近いほどスリットから漏れる光の量をコントロールし、全体を均一に出射するようにしているが、出射光がスリット状になってしまうため、見栄えが悪く、特に光源に近いところではスリットが小さいために、輝線として現れるとともに光源に近い光のためにエネルギが大きいためより強い輝線となってしまう課題がある。
また、光源が点状の場合には点光源の発光部を中心とする円弧状スリットを設け、光源からの距離が大となるにつれスリット間が狭くなるようにする場合も上記と同様な理由で円弧状の輝線が現れてしまう課題がある。
さらに、従来の平面照明装置は、表面や裏面全体に反射屈折させるV溝の窪みを入射方向に平行に多数断続的に千鳥状や円弧状に設け、光の進行方向に沿って窪み同士の間に隙間を設け、光源から遠ざかるにつれ間隔が徐々に小さくなるように導光板は、導光板内に入射された光が進行方向に対するV字溝の傾斜面によって反射され表面側に偏向させるので、特に強い出射光は光源に対して常に平行な出射光であるために、例えば光源の両端部等では出射光の輝度が低くなってしまう課題がある。
特に光源が点光源の場合には光源からの位置によって輝度分布が均一でない場合が多いために隅等で著しく輝度低下になってしまう課題がある。
また、従来の導光板は、表面や裏面全体に反射屈折させるV溝の窪みを入射方向に平行に多数断続的に千鳥状や円弧状に設け、光の進行方向に沿って窪み同士の間に隙間を設け、光源から遠ざかるにつれ間隔が徐々に小さくなるようにした導光板では、光源から遠ざかるにつれ間隔が徐々に小さくなるようにしても大きな導光板では窪みに遮られてしまう課題がある。
さらに、表面や裏面全体にV溝の窪みを入射方向に対して円弧状に多数断続的に設けて、陰極線管での中央部が強く、周辺部で弱くなっている場合にも一様な分布を期待しているが、陰極線管の中央部分からの光を反射させるために円弧状にするために、陰極線管からの平行光は利用できないで、陰極線管の中央部分からの光は斜方向からの光しか利用できず、陰極線管からの平行光よりもエネルギが低く、反射された光の出射位置(形状)が異なり(全体として一様の出射光でない)表面からの出射された輝度分布に課題がある。
(発明の目的)
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、2つの異なる曲率半径を有する半球の内、小さな曲率半径の半球を大きな曲率半径によって欠切した空間を出射面部や反出射面部に複数設け、さらに空間の高さや深さをコントロールしたり、小さな曲率半径による第1の傾斜曲面や大きな曲率半径による第2の傾斜曲面の傾きや面積量を変化させ第1の傾斜曲面や第2の傾斜曲面などで全反射させる空間を設けた反対方向に進ませ出射面部から出射させる。
また、第1の傾斜曲面や第2の傾斜曲面で屈折透過させ光線を偏向させたり、屈折透過させ光線を再度第1の傾斜曲面や第2の傾斜曲面から導光板内に進ませて偏向させる。
さらに、光線を直接第1の傾斜曲面や第2の傾斜曲面に進めさせず、一度出射面部や反出射面部で全反射した光線を第1の傾斜曲面や第2の傾斜曲面に進ませて全反射等を行う。
また、これら第1の傾斜曲面と第2の傾斜曲面との間を傾斜する傾斜面とし、傾斜面に対する入射角度を大きく取ることで大きな反射角で第1の傾斜曲面や第2の傾斜曲面に進ませて第1の傾斜曲面や第2の傾斜曲面に対しても大きな入射角度で進入することができ、出射面部から多くの光線を出射することができる導光板と、この導光板等を用いた平面照明装置を提供することにある。
本発明の請求項1に係る導光板は、出射面部と前記反出射面部との方向をZ方向とし、Z方向に直角に交差する方向をX−Y方向とした時に、出射面部または/および反出射面部に任意の曲率半径を有する半球をこの半球の任意の曲率半径よりも大きな曲率半径で欠切し、X−Y方向の曲率方向の出射面部および反出射面部での断面部分の形状が略三日月形状または/およびZ方向の曲率方向の断面部分の形状が略三日月形状の一部分になる様な任意の曲率半径の半球による第1の傾斜曲面と該第1の傾斜曲面より大きな曲率半径による第2の傾斜曲面との2つの傾斜曲面と出射面部または反出射面部とに囲まれた空間を複数設けたことを特徴とする。
請求項1に係る導光板は、出射面部と前記反出射面部との方向をZ方向とし、Z方向に直角に交差する方向をX−Y方向とした時に、出射面部または/および反出射面部に任意の曲率半径を有する半球をこの半球の任意の曲率半径よりも大きな曲率半径で欠切し、X−Y方向の曲率方向の出射面部および反出射面部での断面部分の形状が略三日月形状または/およびZ方向の曲率方向の断面部分の形状が略三日月形状の一部分になる様な任意の曲率半径の半球による第1の傾斜曲面と該第1の傾斜曲面より大きな曲率半径による第2の傾斜曲面との2つの傾斜曲面と出射面部または反出射面部とに囲まれた空間を複数設けたので、光が略三日月形状の第2の傾斜曲面の凹部の方向から第1の傾斜曲面の凸部の方向に進んだ場合には、略三日月形状の空間によって出射面部や反出射面部に対して横方向の拡散光または平行光となって透過および反射する。
また、光が略三日月形状の第1の傾斜曲面の凸部の方向から第2の傾斜曲面の凹部の方向に進んだ場合には、略三日月形状の空間によって出射面部や反出射面部に対して横方向の拡散光または平行光となって反射および透過する。
さらに、これら略三日月形状の第1の傾斜曲面の凸部や第2の傾斜曲面の凹部の傾斜曲線面を設けた面(出射面部および反出射面部)が互いに反対方向に向いているので、反射および透過によって傾斜曲線面の互いの反対方向(出射面部および反出射面部)に進む。
また、請求項2に係る導光板は、略三日月形状の凸部の方向の第1の傾斜曲面を入射端面部方向または/および略三日月形状の凹部の方向の第2の傾斜曲面を入射端面部方向に設ける空間としたことを特徴とする。
請求項2に係る導光板は、略三日月形状の凸部の方向の第1の傾斜曲面を入射端面部方向または/および略三日月形状の凹部の方向の第2の傾斜曲面を入射端面部方向に設ける空間としたので、入射端面部からの光を反射や透過によって拡散光または平行光として得ることができるとともに互いの設けた反対側方向へも反射や透過屈折し進行方向を偏向することができる。
さらに、請求項3に係る導光板は、任意の曲率半径に対する大きな曲率半径の比が、1より大きい範囲であることを特徴とする。
請求項3に係る導光板は、任意の曲率半径に対する大きな曲率半径の比が、1より大きい範囲であるので、略三日月形状の空間を得ることができ、空間の2つの曲面である第1の傾斜曲面と第2の傾斜曲面の大きさや曲面の曲率が異なるため、この略三日月形状の凸部の方向の第1の傾斜曲面表面や略三日月形状の凹部の方向の第2の傾斜曲面表面に於ける反射光の広がり方が異なる。同様に略三日月形状の空間に透過する時、さらに再度導光板内に入射する時の屈折された光の広がり方が異なる。
また、請求項4に係る導光板は、空間の高さまたは深さが、任意の曲率半径と同等もしくは任意の曲率半径よりも小さいことを特徴とする。
請求項4に係る導光板は、空間の高さまたは深さが、任意の曲率半径と同等もしくは任意の曲率半径よりも小さいので、空間の高さまたは深さが最大のものは任意の曲率半径の半球の高さに等しく、任意の曲率半径よりも小さいものは半球の高さ方向に半球の平面部方向を削除した高さに等しい。
さらに、請求項5に係る導光板は、空間の高さまたは深さが、2つの曲率半径の異なる球の交点のどちらか一方の交点と、交点から任意の曲率半径の球の90°以内の球の外周と中心点とを結ぶ線までの距離の範囲であることを特徴とする。
請求項5に係る導光板は、空間の高さまたは深さが、2つの曲率半径の異なる球の交点のどちらか一方の交点と、交点から任意の曲率半径の球の90°以内の球の外周と中心点とを結ぶ線までの距離の範囲であるので、略三日月形状の空間の凹部の方向の傾斜曲面が出射面部の基準面や反出射面部の基準面に対して広範囲角度を得ることができる。
また、請求項6に係る導光板は、出射面部および反出射面部が、空間の2つの傾斜曲面の略三日月形状の凸部の方向の第1の傾斜曲面と入射端面部または入射端面部の反対側に位置する反入射端面部方向に隣り合う略三日月形状の凹部の方向の第2の傾斜曲面とを傾斜面で接続することを特徴とする。
請求項6に係る導光板は、出射面部および反出射面部が、空間の2つの傾斜曲面の略三日月形状の凸部の方向の第1の傾斜曲面と入射端面部または入射端面部の反対側に位置する反入射端面部方向に隣り合う略三日月形状の凹部の方向の第2の傾斜曲面とを傾斜面で接続するので、導光板内に存在する光線の進む方向に導光板の厚さが増厚する様な傾斜面に対して傾斜角度に対応した角度分だけ光線の入射角度が大きくなり、光線の進む方向に導光板の厚さが減厚する様な傾斜面に対して傾斜角度に対応した角度分だけ光線の入射角度が小さくなる。
さらに、請求項7に係る平面照明装置は、光源と、この光源からの光を導く入射端面部と入射端面部からの光を出射する出射面部と当該出射面部の反対側に位置する反出射面部とを有し、出射面部と反出射面部との方向をZ方向とし、Z方向に直角に交差する方向をX−Y方向とした時に、出射面部または/および反出射面部に任意の曲率半径を有する半球をこの半球の曲率半径よりも大きな曲率半径で欠切し、X−Y方向の曲率方向の出射面部および反出射面部での断面部分の形状が略三日月形状または/およびZ方向の曲率方向の断面部分の形状が略三日月形状の一部分になる様な2つの傾斜曲面と出射面部または反出射面部とに囲まれた空間を複数設けた導光板とを少なくとも具備したことを特徴とする。
請求項7に係る平面照明装置は、光源と、この光源からの光を導く入射端面部と入射端面部からの光を出射する出射面部と当該出射面部の反対側に位置する反出射面部とを有し、出射面部と反出射面部との方向をZ方向とし、Z方向に直角に交差する方向をX−Y方向とした時に、出射面部または/および反出射面部に任意の曲率半径を有する半球をこの半球の曲率半径よりも大きな曲率半径で欠切し、X−Y方向の曲率方向の出射面部および反出射面部での断面部分の形状が略三日月形状または/およびZ方向の曲率方向の断面部分の形状が略三日月形状の一部分になる様な2つの傾斜曲面と出射面部または反出射面部とに囲まれた空間を複数設けた導光板とを少なくとも具備したので、これら略三日月形状の凸部や凹部の傾斜曲線面を設けた面(出射面部や反出射面部)が互いに反対方向に向いており、反射および透過によって傾斜曲線面の互いの反対方向(出射面部や反出射面部)に進むとともに横方向の拡散光または平行光となって透過屈折や反射し進行方向を偏向することができる。
以上のように、請求項1に係る導光板は、出射面部と前記反出射面部との方向をZ方向とし、Z方向に直角に交差する方向をX−Y方向とした時に、出射面部または/および反出射面部に任意の曲率半径を有する半球をこの半球の任意の曲率半径よりも大きな曲率半径で欠切し、X−Y方向の曲率方向の出射面部および反出射面部での断面部分の形状が略三日月形状または/およびZ方向の曲率方向の断面部分の形状が略三日月形状の一部分になる様な任意の曲率半径の半球による第1の傾斜曲面と該第1の傾斜曲面より大きな曲率半径による第2の傾斜曲面との2つの傾斜曲面と出射面部または反出射面部とに囲まれた空間を複数設けたので、光が略三日月形状の第2の傾斜曲面の凹部の方向から第1の傾斜曲面の凸部の方向に進んだ場合には、略三日月形状の空間によって出射面部や反出射面部に対して横方向の拡散光または平行光となって透過および反射をする。
さらに、これら略三日月形状の第1の傾斜曲面の凸部や第2の傾斜曲面の凹部の傾斜曲線面を設けた面(出射面部および反出射面部)が互いに反対方向に向いているので、反射および透過によって傾斜曲線面の互いの反対方向(出射面部および反出射面部)に進む。
そのため、導光板の出射面部に設けた場合には、第2の傾斜曲面で屈折して略三日月形状の空間に出射し、出射面部方向へ入射角の大きい光では外部に出射光として横方向の拡散光または横方向の平行光となって出射し、出射面部方向へ入射角の小さい光では1度横方向の拡散光または横方向の平行光となって空間に出射し、再度導光板内に屈折し、横方向の拡散光または横方向の平行光となって直進したり反出射面部方向へ進む。
さらに、導光板の反出射面部に設けた場合には、第2の傾斜曲面で屈折して略三日月形状の空間に出射し、反出射面部方向へ入射角の大きい光では外部に出射光として横方向の拡散光または横方向の平行光となって出射し、反出射面部方向へ入射角の小さい光では1度横方向の拡散光または横方向の平行光となって空間に出射し、再度導光板内に屈折し、横方向の拡散光または横方向の平行光となって直進したり出射面部方向へ進む。
また、光が略三日月形状の第1の傾斜曲面の凸部の方向から第2の傾斜曲面の凹部の方向に進んだ場合には、略三日月形状の空間によって出射面部や反出射面部に対して横方向の拡散光または平行光となって反射および透過する。
さらに、これら略三日月形状の第1の傾斜曲面の凸部や第2の傾斜曲面の凹部による傾斜曲線面を設けた面(出射面部および反出射面部)が互いに反対方向に向いているので、反射および透過によって傾斜曲線面の互いの反対方向(出射面部および反出射面部)に進む。
そのため、導光板の出射面部に設けた場合には、第1の傾斜曲面で屈折して略三日月形状の空間に出射し、出射面部方向へ入射角の大きい光では外部に出射光として横方向の拡散光または横方向の平行光となって出射し、出射面部方向へ入射角の小さい光では1度横方向の拡散光または横方向の平行光となって空間に出射し、再度導光板内に屈折し、横方向の拡散光または横方向の平行光となって直進したり反出射面部方向へ進む。
さらに、導光板の反出射面部に設けた場合には、第1の傾斜曲面で屈折して略三日月形状の空間に出射し、反出射面部方向へ入射角の大きい光では外部に出射光として横方向の拡散光または横方向の平行光となって出射し、反出射面部方向へ入射角の小さい光では1度横方向の拡散光または横方向の平行光となって空間に出射し、再度導光板内に屈折し、横方向の拡散光または横方向の平行光となって直進したり出射面部方向へ進む。
また、請求項2に係る導光板は、略三日月形状の凸部の方向の第1の傾斜曲面を入射端面部方向または/および略三日月形状の凹部の方向の第2の傾斜曲面を入射端面部方向に設ける空間としたので、入射端面部からの光を反射や透過によって拡散光または平行光として得ることができるとともに互いの設けた反対側方向へも反射や透過屈折し進行方向を偏向することができる。そのため、出射面部からの出射光を目的に合わせて出射することができる。
さらに、請求項3に係る導光板は、任意の曲率半径に対する大きな曲率半径の比が、1より大きい範囲であるので、略三日月形状の空間を得ることができ、空間の2つの曲面である第1の傾斜曲面と第2の傾斜曲面の大きさや曲面の曲率が異なるため、この略三日月形状の凸部の方向の第1の傾斜曲面表面や略三日月形状の凹部の方向の第2の傾斜曲面表面に於ける反射光の広がり方が異なる。同様に略三日月形状の空間に透過する時には、さらに再度導光板内に入射する時の屈折された光の広がり方が異なる。
そのため、反出射面部に設けて反射光を利用し出射面部方向に偏向したり、出射面部に設けて屈性光を利用し出射面部から出射させる様に、目的に合わせて出射面部からの出射光を出射することができる。
また、請求項4に係る導光板は、空間の高さまたは深さが、任意の曲率半径と同等もしくは任意の曲率半径よりも小さいので、空間の高さまたは深さが最大のものは任意の曲率半径の半球の高さに等しく、任意の曲率半径よりも小さいものは半球の高さ方向に半球の平面部方向を削除した高さに等しい。
そのため、空間に向かう光が空間の高さや深さが異なっても曲率半径が一定であるので、空間で反射する方向や空間で透過屈折する方向が同じであり、入射端面部からの距離によって高さや深さを変化させても反射方向や屈折方向が変化せずに高さや深さによる光線の反射量や屈折量をコントロールすることにより均一な光を出射させることができる。
さらに、請求項5に係る導光板は、空間の高さまたは深さが、2つの曲率半径の異なる球の交点のどちらか一方の交点と、交点から任意の曲率半径の球の90°以内の球の外周と中心点とを結ぶ線までの距離の範囲であるので、略三日月形状の空間の凹部の方向の傾斜曲線が出射面部の基準面や反出射面部の基準面に対して広範囲角度を得ることができる。そのため、実質的な空間の2つの傾斜曲線面部の面積等を同じにしたり大きな曲率半径による傾斜曲線面部の面積の方を任意の曲率半径による傾斜曲線面部の面積より大きくすることができ、光線の反射量や屈折量をコントロールすることにより均一な光を出射させることができる。
さらに、空間の2つの傾斜曲線面部の間の距離を変化することができるために、この空間を連続的に設ける場合のピッチをコントロールすることにより目的とする光を出射することができる。
また、請求項6に係る導光板は、出射面部および反出射面部が、空間の2つの傾斜曲面の略三日月形状の凸部の方向の第1の傾斜曲面と入射端面部または入射端面部の反対側に位置する反入射端面部方向に隣り合う略三日月形状の凹部の方向の第2の傾斜曲面とを傾斜面で接続するので、導光板内に存在する光線の進む方向に導光板の厚さが増厚する様な傾斜面に対して傾斜角度に対応した角度分だけ光線の入射角度が大きくなり、光線の進む方向に導光板の厚さが減厚する様な傾斜面に対して傾斜角度に対応した角度分だけ光線の入射角度が小さくなる。
そのため、一度導光板の厚さが増厚する様な傾斜面に進んだ光線は入射角度が大きい為に傾斜面での全反射が大きな反射角度で反射するので、第1の傾斜曲面や第2の傾斜曲面に多くの光線が進み、第1の傾斜曲面や第2の傾斜曲面で全反射を行うことができる。
また、一度導光板の厚さが減厚する様な傾斜面に進んだ光線は入射角度が小さい為に傾斜面での全反射が小さな反射角度で反射するので、第1の傾斜曲面や第2の傾斜曲面に進む光線は第1の傾斜曲面や第2の傾斜曲面で透過屈折を行い、一部の光線は全反射をすることができる(第1の傾斜曲線や第2の傾斜曲線で全反射する光線の量が少ない)。
さらに、請求項7に係る平面照明装置は、光源と、この光源からの光を導く入射端面部と入射端面部からの光を出射する出射面部と当該出射面部の反対側に位置する反出射面部とを有し、出射面部と反出射面部との方向をZ方向とし、Z方向に直角に交差する方向をX−Y方向とした時に、出射面部または/および反出射面部に任意の曲率半径を有する半球をこの半球の曲率半径よりも大きな曲率半径で欠切し、X−Y方向の曲率方向の出射面部および反出射面部での断面部分の形状が略三日月形状または/およびZ方向の曲率方向の断面部分の形状が略三日月形状の一部分になる様な2つの傾斜曲面と出射面部または反出射面部とに囲まれた空間を複数設けた導光板とを少なくとも具備したので、これら略三日月形状の凸部や凹部の傾斜曲線面が設けた面(出射面部や反出射面部)が互いに反対方向に向いているので反射および透過によって傾斜曲線面の互いの反対方向(出射面部や反出射面部)に進むとともに横方向の拡散光または平行光となって透過屈折や反射し進行方向を偏向することができる。
そのため、反出射面部に設けて反射光を利用し出射面部方向に偏向したり、出射面部に設けて屈折光を利用し出射面部から出射させる様に、目的に合わせて出射面部からの出射光を出射することができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
なお、本発明では、2つの異なる曲率半径を有する半球のうち、小さな曲率半径の半球を大きな曲率半径の半球によって切欠した空間を出射面部や反出射面部に複数設け、さらに空間の高さや深さをコントロールしたり、小さな曲率半径による第1の傾斜曲面や大きな曲率半径による第2の傾斜曲面の傾きや面積量を変化させ導光板に入った光を第1の傾斜曲面や第2の傾斜曲面などで全反射させる空間を設けた反対方向に進ませ出射面部から出射させる。
また、第1の傾斜曲面や第2の傾斜曲面で屈折透過させ光線を偏向させたり、屈折透過させ光線を再度第1の傾斜曲面や第2の傾斜曲面から導光板内に進ませて偏向させる。
さらに、一度出射面部や反出射面部で全反射した光線を第1の傾斜曲面や第2の傾斜曲面によって全反射等を行ったり、これら第1の傾斜曲面と第2の傾斜曲面との間を傾斜する傾斜面とし、傾斜面に対する入射角度を大きく取ることで大きな反射角で第1の傾斜曲面や第2の傾斜曲面に進ませて第1の傾斜曲面や第2の傾斜曲面に対しても大きな入射角度で進入することができ、出射面部から多くの光線を出射することができる導光板と、この導光板等を用いた平面照明装置を提供することにある。
図1は本発明に係る平面照明装置の略斜視図、図2は本発明に係る平面照明装置の略断面図、図3(a),(b)は本発明に係る導光板に設けた空間のX−Y方向の投射図、図4〜図7は本発明に係る導光板に設けた空間のZ方向の断面図、図8(a)〜(c)は本発明に係る導光板に設けた空間のZ方向の各種の断面図、図9は本発明に係る導光板に設けたX−Y方向の空間での光の軌跡図、図10〜図15は本発明に係る導光板に設けたZ方向の空間での光の軌跡図である。
図1および図2の平面照明装置1は、導光板2と、光源9と、リフレクタ10と、ケース11からなる構成である。
導光板2は、屈折率が1.4〜1.7程度の透明なアクリル樹脂(PMMA)やポリカーボネート(PC)等で形成され、光源9からの光を導く入射端面部5と、入射端面部5の反対側に位置する反入射端面部6のX方向と、入射端面部5からの光を出射する出射面部3と、この出射面部3の反対側に位置する反出射面部4のZ方向と、これら出射面部3と反出射面部4とに交わる側面部7のY方向とから成る。この導光板2は、出射面部3と反出射面部4に任意の曲率半径を有する半球をこの半球の任意の曲率半径よりも大きな曲率半径で欠切し、X−Y方向の曲率方向の出射面部および反出射面部での断面部分の形状が略三日月形状やZ方向の曲率方向の断面部分の形状が略三日月形状の一部分になる様な2つの傾斜曲面と出射面部または反出射面部とに囲まれた空間8を複数設けてある。
導光板2に入射した光は、屈折角γが0≦|γ|≦Sin-1(1/n)を満たす範囲で導光板2内に進む。例えば一般の導光板2に使用されている樹脂材料であるアクリル樹脂の屈折率はn=1.49程度であるので、最大入射角は、入射端面部5の出射面部3方向から反出射面部4方向への光および反出射面部4方向から出射面部3方向への光が入射角90°となり、入射端面部5で屈折する屈折角γはγ=0〜±42°程度の範囲内となり、入射端面部5から導光板2内を伝播する。
さらに、屈折角γ=0〜±42°の範囲内で導光板2内に入射した光は、導光板2と空気層(屈折率n=1)との境界面において、Sinα=(1/n)により臨界角を表わすことができる。例えば一般の導光板2に使用されている樹脂材料であるアクリル樹脂の屈折率はn=1.49程度であるので、臨界角αはα=42°程度になる。従って、導光板2内の光は、導光板2の出射面部3や反出射面部4に光線を偏向する凸や凹等が無かったり、臨界角αを越えなければ、出射面部3や反出射面部4で全て全反射しながら入射端面部5の反対方向である反入射端面部6方向へ進むことになる。
但し、上記の場合には、導光板2の厚さが均一で平坦であり、楔形状の導光板の場合には、楔形状のテーパ(傾斜度)により臨界角αを破りテーパーリークを引き起こす。
出射面部3および反出射面部4は、X−Y方向の断面部分の形状が略三日月形状の空間8を互いに異なる方向に複数設けてある。
また、Z方向の断面部分の形状が略三日月形状の一部分の空間8を互いに異なる方向に複数設けてある。
ここで、図3(a),(b)は空間8のX−Y方向の断面部分である投射図を示し、図4は空間8のZ方向の断面図を示しめしている。図3および図4に示すように、空間8は、任意の曲率半径rを有する半球に半球の曲率方向と同方向に任意の曲率半径rよりも大きな曲率半径Rで欠切し、曲率方向の断面部分の形状が略三日月形状(図4)になる様な任意の曲率半径rの半球による第1の傾斜曲面8eと、この第1の傾斜曲面8eより大きな曲率半径Rによる第2の傾斜曲面8dとの2つの傾斜曲面を得る。
また、空間8は、図3(a),(b)に示すように、任意の曲率半径rよりも大きな曲率半径Rで欠切する時に、任意の曲率半径rを有する半球を欠切する大きさに応じて空間8の大きさが変化し、欠切方向に対して直角方向の距離も変化する。
図3(a)は、大きな曲率半径Rで欠切する位置を任意の曲率半径rの半球の中心線と交わる所を交点として欠切した場合の例であり、空間8の大きさや第1の傾斜曲面8eおよび第2の傾斜曲面8dも大きい。
これに対し、図3(b)は、大きな曲率半径Rで欠切する位置を任意の曲率半径rの半球の中心線よりも欠切する方向に寄った所を交点として欠切した場合の例であり、空間8の大きさや第1の傾斜曲面8eおよび第2の傾斜曲面8dが小さくなる。
また、これら空間8は、図5(a),(b)のZ方向の断面図に示すような略三日月形状の一部分の空間を形成している。図5(a)に示す空間8は、任意の曲率半径rに対する大きな曲率半径Rの比が1であり、第1の傾斜曲面8eの曲率半径rと第2の傾斜曲面8dの曲率半径R(r)とが等しく、断面方向での中心位置P1とP2が異なっている。
また、図5(b)に示す空間8は、任意の曲率半径rに対する大きな曲率半径Rの比が1よりも大きく、第1の傾斜曲面8eの曲率半径rよりも第2の傾斜曲面8dの曲率半径Rが著しく大きい。
尚、これら図5(a)と図5(b)の例では、曲率半径が異なるが、断面の高さ(深さ)は等しい。
また、図6の例に示すように、図5(a)と同様に欠切する曲率半径が同じ(rd,rs)であっても、断面方向での中心位置Pが異なる(Pd,Ps)ことによって略三日月形状の空間8の形状が異なる。
さらに、図7に示すように、空間8の高さhまたは深さhが最大のものは、任意の曲率半径rの半球の平面部F(平面方向の最大面積)からの高さhr(または深さhr)と任意の曲率半径rと同等である。
また、空間8の高さhまたは深さhが任意の曲率半径rよりも小さいものは、任意の曲率半径rの半球の高さ方向hに半球の平面部Fl方向を削除した高さhsに等しい。
また、図4に示すように、空間8の高さhまたは深さhは、2つの曲率半径rおよびRの異なる球の交点Sのどちらか一方の交点Sと、交点Sから任意の曲率半径r(小さい曲率半径r)の球の90°(S−Pc−F)以内の球の外周(第1の傾斜曲面)8eと交点Sからの垂直に延びる中心交点Pcとを結ぶ直線AやBまでの距離hmやh1等の範囲である。
例えば、前述した空間8の最大高さhは、交点Sからの中心交点Pcまでの距離(高さh)hxが中心交点Pcで直角に交差する任意の曲率半径rの半球の平面部F(平面方向の最大面積)を基線とする水平線Fの距離が任意の曲率半径rに等しい時である。
さらに、中心交点Pcと任意の曲率半径rの球の外周(第1の傾斜曲面)8eに位置する点afとを結ぶ直線Aを基線として、直線Aによって任意の曲率半径rの半球を欠切する曲率半径Rの第2の傾斜曲面8dと交差する点af2によって囲まれる交点Sと点af(第1の傾斜曲面8e上)とを結ぶ傾斜曲線と、点afと点af2とを結ぶ直線と、点af2と交点Sとを結ぶ傾斜曲線とによって空間8を得、交点Sから基線Aに直角に交わる線hmが空間8(S−af−af2)の高さh(hm)となる。
同様に、中心交点Pcと任意の曲率半径rの球の外周(第1の傾斜曲面)8eに位置する点bfとを結ぶ直線Bを基線として、直線Bによって任意の曲率半径rの半球を欠切する曲率半径Rの第2の傾斜曲面8dと交差する点bf2によって囲まれる交点Sと点bf(第1の傾斜曲面8e上)とを結ぶ傾斜曲線と、点bfと点bf2とを結ぶ直線と、点bf2と交点Sとを結ぶ傾斜曲線とによって空間8を得、交点Sから基線Bに直角に交わる線hlが空間8(S−bf−bf2)の高さh(hl)となる。
このように、略三日月形状の空間8の凹部の方向の傾斜曲線8dが出射面部3の基準面や反出射面部4の基準面に対して広範囲角度を得ることができる。そのため、実質的な空間8の2つの傾斜曲線面8eや傾斜曲線面8d部の面積等を同じにしたり、大きな曲率半径Rによる傾斜曲線面8d部の面積の方を任意の曲率半径rによる傾斜曲線面8e部の面積より大きくすることができ、光線の反射量や屈折量をコントロールすることにより均一な光を出射させることができる。
さらに、空間8の2つの傾斜曲線面8dや8e部の間の距離を変化することができるために、この空間8を連続的に設ける場合のピッチをコントロールすることにより目的とする光を出射させることができる。
上記のように、曲率半径rの半球を曲率半径Rの半球によって欠切してなるZ方向の曲率方向の断面部分の形状(略三日月形状)は、2つの曲率半径の大きさ、欠切する側の2次元での位置、欠切量、基線の位置(単に高さ方向のみの場合、欠切される側任意の曲率半径rの第1の傾斜曲面8eの任意の点と中心交点Pcとを結ぶ直線を基線とした場合)等によって図8に示すように色々得られる。
例えば、図8(a)や図8(b)に示すような極浅く欠切した空間8や、先の図4に於ける直線Bを基線とすることで、傾斜曲線面8d(S−bf2)の長さを長く、傾斜曲線面8e(S−bf)の長さを短く取ることによって図8(c)に示すような直線(bf−bf2間)部分を長くした空間8を得ることができる。
また、図9(a),(b)は空間8のX−Y方向の断面部分である上方投射方向から見た図である。図9(a)の例では、略三日月形状の第2の傾斜曲面8dで反射された光が広がりを持って反射され、広がりの有る光が平行な反射光となる。
また、図9(b)に示す例では、略三日月形状の第1の傾斜曲面8eで反射された光が、第2の傾斜曲面8dで反射される光よりも広がりを持って反射され、集光の有る光が平行な反射光となる。
このように、略三日月形状の空間8の2つの曲面である第1の傾斜曲面8eと第2の傾斜曲面8dの大きさや曲面の曲率rや曲率Rが異なるため、この略三日月形状の凸部の方向の第1の傾斜曲面8e表面や略三日月形状の凹部の方向の第2の傾斜曲面8d表面に於ける反射光の広がり方が異なる。
また、図10は空間8のZ方向の断面での光の軌跡図を示している。この図10の例では、反出射面部4の入射端面部5の方向に空間8の第2の傾斜曲面8dが向かい、反入射端面部6方向に第1の傾斜曲面8eが向かう様に空間8を設けてある。
導光板2内に入射した光は屈折角γ=0〜±42°の範囲内で存在し、図10に示す反出射面部4に略平行な光線Lpは、空間8の第2の傾斜曲面8dで屈折透過する。この屈折透過した光線Lprは、第1の傾斜曲面8e方向に進み、さらに第1の傾斜曲面8eで屈折し、光線Lpriとして導光板2の出射面部3方向に進む。
同様に、図10に示す導光板2内に存在する入射屈折角の小さな光線Lmは、空間8の第2の傾斜曲面8dで屈折透過する。この屈折透過した光線Lmrは、第1の傾斜曲面8e方向に進み、さらに第1の傾斜曲面8eで屈折し、光線Lmriとして導光板2のやや反出射面部4方向に進む。
また、図10において導光板2内に存在する入射屈折角のやや大きな光線Lbは、空間8の第2の傾斜曲面8dで屈折透過し、この屈折透過した光線Lboが反出射面部4の外部に出射する。
同様に、図10において導光板2内に存在する入射屈折角の大きな光線Lbxは、空間8の第2の傾斜曲面8dで屈折透過し、この屈折透過した光線Lbxoが反出射面部4の外部に出射する。
尚、図10の例では空間8を反出射面部4に設けたが、出射面部3に設けても同様な光の軌跡を得る。そのために、出射面部3の入射端面部5の方向に空間8の第2の傾斜曲面8dが向かい、反入射端面部6方向に第1の傾斜曲面8eが向かう様に空間8を設けた場合には、導光板2に入射屈折角の大きな光線として入射された光線は空間8から大きな出射角で出射面部3から出射することができる。
また、図10において導光板2の出射面部3や反出射面部4に略平行な光線Lpの様な光線は、反対側の面(空間8を設けた反対側)に対して大きな入射角であるため、反対側の面で全反射をして反入射端面部6方向に進む。
さらに、図11は空間8の断面での光の軌跡図を示している。この図11の例では、反出射面部4の入射端面部5の方向に空間8の第1の傾斜曲面8eが向かい、反入射端面部6方向に第2の傾斜曲面8dが向かう様に空間8を設けてある。
導光板2内に入射した光は屈折角γ=0〜±42°の範囲内で存在し、図11に示す反出射面部4に略平行な光線Lp2は、空間8の第1の傾斜曲面8eで屈折透過する。この屈折透過した光線Lp2rは、第2の傾斜曲面8d方向に進み、さらに第2の傾斜曲面8dで屈折し、光線Lp2riとして導光板2のやや出射面部3方向に進む。
同様に、図11において導光板2内に存在する入射屈折角の小さな光線Lm2は、空間8の第1の傾斜曲面8eで屈折透過する。この屈折透過した光線Lm2rは、第2の傾斜曲面8d方向に進み、さらに第2の傾斜曲面8dで屈折し、光線Lm2riとして導光板2の反入射端面部6方向に進む。
また、図11において導光板2内に存在する入射屈折角のやや大きな光線Lb2は、空間8の第1の傾斜曲面8eで屈折透過し、この屈折透過した光線Lb2oが反出射面部4の外部に出射する。
同様に、図11において導光板2内に存在する入射屈折角の大きな光線Lbx2は、空間8の第1の傾斜曲面8eで屈折透過し、この屈折透過した光線Lbx2oが反出射面部4の外部に出射する。
尚、図11の例では空間8を反出射面部4に設けたが、出射面部3に設けても同様な光の軌跡を得る。そのために、出射面部3の入射端面部5の方向に空間8の第1の傾斜曲面8eが向かい、反入射端面部6方向に第2の傾斜曲面8dが向かう様に空間8を設けた場合には、導光板2に入射屈折角の大きな光線として入射された光線は空間8から大きな出射角で出射面部3から出射することができる。
また、図11において導光板2の出射面部3や反出射面部4に略平行な光線Lp2の様な光線は、反対側の面(空間8を設けた反対側)に対して大きな入射角であるため、反対側の面で全反射をして反入射端面部6方向に進む。
そのために、空間8に向かう光が空間8の高さhや深さhが異なっても曲率半径r(R)が一定であり、空間8で反射する方向や空間8で透過屈折する方向が同じであるので、入射端面部9からの距離によって高さhや深さhを変化させても反射方向や屈折方向が変化せずに高さhや深さhによる光線の反射量や屈折量をコントロールすることにより均一な光を出射させることができる。
また、図12の例では、図11と同様に反出射面部4の入射端面部5の方向に空間8の第1の傾斜曲面8eが向かい、反入射端面部6方向に第2の傾斜曲面8dが向かう様に空間8を設けている。以下、導光板2内に入射した光の内で、一度反出射面部4で全反射した光線についての軌跡を説明する。
図12において反出射面部4に略平行な光線Ltooは、一度反出射面部4に対して大きな入射角で進み、反出射面部4で全反射して入射角と同じ反射角の反射光Lto1として空間8の第1の傾斜曲面8eに進み屈折透過する。この屈折透過した光線Lto2は、第2の傾斜曲面8d方向に進み、さらに第2の傾斜曲面8dで屈折し、光線Lto3として導光板2のやや出射面部3方向に進む。
さらに、図12において導光板2内に存在する入射屈折角の大きな光線Lroは、一度反出射面部4に対して屈折角γ=42°に近い入射角で進み、反出射面部4で全反射して入射角と同じ反射角の反射光Lr1として空間8の第1の傾斜曲面8eに進み、再度空間8の第1の傾斜曲面8eで全反射を行い、反射光線Lr1iとして導光板2のやや入射端面部5側の出射面部3方向に進む。
また、図13の例では、図10と同様に反出射面部4の入射端面部5の方向に空間8の第2の傾斜曲面8dが向かい、反入射端面部6方向に第1の傾斜曲面8eが向かう様に空間8を設けている。以下、導光板2内に入射した光の内で、一度反出射面部4で全反射した光線についての軌跡を説明する。
図13において反出射面部4にやや平行な構成L1oや光線L2oは、一度反出射面部4に対して大きな入射角で進み、反出射面部4で全反射して入射角と同じ反射角の反射光L11やL21が空間8の第2の傾斜曲面8dに進み、再度空間8の第2の傾斜曲面8dで全反射を行い、反射光線L12や反射光線L22として導光板2の出射面部3方向に進む。
さらに、図13において導光板2内に存在する入射屈折角の大きな光線L3oは、一度反出射面部4に対して屈折角γ=42°に近い入射角で進み、反出射面部4で全反射して入射角と同じ反射角の反射光L31として空間8の第2の傾斜曲面8dに進み、再度空間8の第2の傾斜曲面8dで全反射を行い、反射光線L32として導光板2の出射面部3方向に進む。
また、図13では図示しないが、上記のような一度反出射面部4で全反射する光線は大部分が空間8の第2の傾斜曲面8dで全反射することができる。
尚、図13の例では空間8を反出射面部4に設けたが、出射面部3に設けても同様な光の軌跡を得る。そのために、反出射面部4に設けて反射光を利用し出射面部3方向に偏向したり、出射面部3に設けて屈折光を利用し出射面部3から出射させる様に、目的に合わせて出射面部3からの出射光を出射することができる。
次に、図14は導光板2の反出射面部4を互いに隣り合う空間8の第1の傾斜曲面8eと隣りの空間8の第2の傾斜曲面8dとの間を傾斜面で接続するものである。図14の例では、不図示の入射端面部5方向に隣り合う空間8の略三日月形状の凸部の方向の第1の傾斜曲面8eと空間8の略三日月形状の凹部の方向の第2の傾斜曲面8dとを傾斜面4b(3b)(図左の傾斜面)で接続し、空間8の略三日月形状の凸部の方向の第1の傾斜曲面8eと反入射端面部6方向に隣り合う不図示の空間8の略三日月形状の凹部の方向の第2の傾斜曲面8dとを傾斜面4b(3b)(図右の傾斜面)で接続する。
また、図14の例では、反出射面部4の入射端面部5の方向に空間8の第2の傾斜曲面8dが向かい、反入射端面部6方向に第1の傾斜曲面8eが向かう様に空間8を設けてある。
そして、入射端面部5から屈折角γ=0〜±42°の範囲内で導光板2内に入射した光の内、空間8の第2の傾斜曲面8dの入射端面部5側の傾斜面4bで、一度反出射面部4側の傾斜面4bで全反射した光線についての軌跡を説明する。
図14において入射端面部5からの入射屈折角の小さな光線Lsoは、一度反出射面部4側の傾斜面4bに対して大きな入射角で進み、傾斜面4bで全反射して入射角と同じ反射角の反射光Lsorとして空間8の第2の傾斜曲面8dに進む。この反射光Lsorは、再度空間8の第2の傾斜曲面8dで全反射を行い、反射光線Lsoroとして導光板2の出射面部3方向に進む。
また、図14において入射端面部5からの入射屈折角が屈折角γ=42°に近い光線Lseoは、一度反出射面部4側の傾斜面4bに対して傾斜面4bの傾斜角分だけ大きな入射角で進み、傾斜面4bで全反射して入射角と同じ反射角の反射光Lseorとして空間8の第2の傾斜曲面8dに進む。この反射光Lseorは、再度空間8の第2の傾斜曲面8dで全反射を行い、反射した反射光線Lseoroとして導光板2の出射面部3方向に進む。
尚、図14の例では空間8を反出射面部4に設け、反出射面部4側に傾斜面4bを設けたが、出射面部3側に空間8および傾斜面3bを設けても同様な光の軌跡を得ることができる。
さらに、図15の例では、不図示の入射端面部5方向に隣り合う空間8の略三日月形状の凹部の方向の第2の傾斜曲面8dと空間8の略三日月形状の凹部の方向の凸部の方向の第1の傾斜曲面8eとを傾斜面4b(3b)(図右の傾斜面)で接続し、空間8の略三日月形状の第2の傾斜曲面8dと反入射端面部6方向に隣り合う不図示の空間8の略三日月形状の凸部の方向の第1の傾斜曲面8eとを傾斜面4b(3b)(図左の傾斜面)で接続する。
また、図15の例では、反出射面部4の入射端面部5の方向に空間8の第1の傾斜曲面8eが向かい、反入射端面部6方向に第2の傾斜曲面8dが向かう様に空間8を設けてある。
そして、入射端面部5から屈折角γ=0〜±42°の範囲内で導光板2内に入射した光の内、空間8の第1の傾斜曲面8eの入射端面部5側の傾斜面4bで、一度反出射面部4側の傾斜面4bで全反射した光線についての軌跡を説明する。
図15において入射端面部5からの入射屈折角の小さな光線Ls1は、一度反出射面部4側の傾斜面4bに対して大きな入射角で進み、傾斜面4bで全反射して入射角と同じ反射角の反射光Ls1rとして空間8の第1の傾斜曲面8eに進む。この反射光Ls1rは、第1の傾斜曲面8eで屈折透過し、光線Ls1rpとして再度空間8の第1の傾斜曲面8eで屈折透過する。そして、この屈折透過したLs1rpoが導光板2の反出射面部6方向の出射面部3方向に進む。
また、図15において入射端面部5からの入射屈折角がやや大きい光線Ls2は、一度反出射面部4側の傾斜面4bで全反射して入射角と同じ反射角の反射光Ls2rとして空間8の第1の傾斜曲面8eに進み、再度空間8の第1の傾斜曲面8eで全反射を行い、反射した反射光線Ls2roが導光板2の出射面部3方向に進む。
さらに、図15において入射端面部5からの入射屈折角が屈折角γ=42°に近い光線Lse1は、一度反出射面部4側の傾斜面4bに対して傾斜面4bの傾斜角分だけ大きな入射角で進み、傾斜面4bで屈折透過し、傾斜面4bから反出射面部4側に光線Lse1oとして出射する。
尚、図15の例では空間8を反出射面部4に設け、反出射面部4側に傾斜面4bを設けたが、出射面部3側に空間8および傾斜面3bを設けても同様な光の軌跡を得ることができる。
このように、導光板2内に存在する光線の進む方向に導光板2の厚さが増厚する様な傾斜面4b(3b)に対して傾斜角度に対応した角度分だけ光線の入射角度が大きくなり、光線の進む方向に導光板2の厚さが減厚する様な傾斜面4b(3b)に対して傾斜角度に対応した角度分だけ光線の入射角度が小さくなる。
そのため、一度導光板2の厚さが増厚する様な傾斜面4b(3b)に進んだ光線は入射角度が大きい為に傾斜面4b(3b)での全反射が大きな反射角度で反射する。これにより、第1の傾斜曲面8eや第2の傾斜曲面8dに多くの光線が進み、第1の傾斜曲面8eや第2の傾斜曲面8dで全反射を行うことができる。
また、一度導光板2の厚さが減厚する様な傾斜面4b(3b)に進んだ光線は、入射角度が小さい為に傾斜面4b(3b)での全反射が小さな反射角度で反射する。これにより、第1の傾斜曲面8eや第2の傾斜曲面8dに進む光線は、第1の傾斜曲面8eや第2の傾斜曲面8dで透過屈折を行い、一部の光線は全反射をすることができる(第1の傾斜曲面8eや第2の傾斜曲面8dで全反射する光線の量が少ない)。
光源9は、一体化された赤色発光(R)、緑色発光(G)、青色発光(B)から成る半導体発光素子や、これら半導体発光素子の単色発光半導体発光素子、単色発光半導体発光素子をアレー状にしたもの、R,G,Bの三原光をアレー状にしたものや青色発光半導体発光素子と蛍光材とを用いた擬似白色半導体発光素子等で構成される。また、CCFL(冷陰極蛍光放電管)やHCFL(熱陰極蛍光放電管)等で光源9を構成することもできる。
リフレクタ10は、熱可塑性樹脂に例えば酸化チタンのような白色材料を混入した物や熱可塑性樹脂にアルミニウム等の金属蒸着を施したり、金属箔を積層した物、さらに薄板状の金属からなる。
ケース11は、熱可塑性樹脂に例えば酸化チタンのような白色材料を混入した物や熱可塑性樹脂にアルミニウム等の金属蒸着を施したり、金属箔を積層した物からなる。このケース11は、光源9や入射端面部5および出射面部3以外を覆い、光源9や出射面部3に出射した以外の漏れ光等の光を反射などし、再び導光板2に入射させる。
このように、平面照明装置1は、少なくとも光源9と、この光源9からの光を導く入射端面部5と入射端面部5からの光を出射する出射面部3と当該出射面部3の反対側に位置する反出射面部4とを有して、出射面部3や反出射面部4に任意の曲率半径rを有する半球を、この半球の曲率半径rよりも大きな曲率半径Rで欠切し、出射面部3や反出射面部4方向から投射したときの曲率方向の断面部分の形状が略三日月形状になる様な2つの傾斜曲面8e,8dによる空間8を複数設けた導光板2とを具備する。そして、これら略三日月形状の凸部の第1の傾斜曲線面8eや凹部の第2の傾斜曲線面8dが設けた面(出射面部3および反出射面部4)が互いに反対方向に向いているので、反射および透過によって傾斜曲面線8e,8dの互いの反対方向(出射面部3および反出射面部4)に進むとともに横方向の拡散光または平行光となって透過屈折や反射し進行方向を偏向することができる。
そのため、反出射面部4に設けて反射光を利用し出射面部3方向に偏向したり、出射面部3に設けて屈折光を利用し出射面部3から出射させる様に、目的に合わせて出射面部3からの出射光を出射することができる。
尚、ここでの平面照明装置1の導光板2は、第1の傾斜曲線面8eと第2の傾斜曲線面8dとを互いに反対方向に向いて設けたが、同方向でも良く、さらに出射面部3と反出射面部4とを同方向または出射面部3と反出射面部4とを互いに反対方向に向いて設けても良い。
また、第1の傾斜曲面8eや第2の傾斜曲面8dの向きを自由に選択することによって、導光板2内の光が反入射端面部6や側面部7で反射した光を利用できる。