JP4256960B2 - 開閉表示装置付きバルブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、開閉表示装置付きバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のバルブでは、全閉から全開までのハンドルの回転数が1回転未満の場合には、そのバルブの固定側部分またはハンドルに円周方向へ延びる開閉表示部を設けることにより、簡素な構造で開閉状態を表示することが可能であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、バルブの用途や使用目的などによっては、全閉から全開までにハンドルを1回転以上回転させることが要求される場合がある。
この場合、開閉表示部の全閉表示位置と全開表示位置とが周方向でオーバーラップするのを防止するため、その開閉表示部を三次元的に造る必要があり、その結果、開閉表示装置の構造が複雑になっていた。
本発明の目的は、上記の問題点を解消して簡素な構造で開閉表示を行えるようにすることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、例えば、図1から図3に示すように、開閉表示装置付きバルブを次のように構成した。
即ち、ハウジング2に回転自在に支持した推進ネジ部材23と、その推進ネジ部材23に連結されて締付け状態から緩め方向へ1回転以上回転される回転操作部24と、その回転操作部24の1回転未満の回転によって全閉状態から全開状態へ切換えられる閉鎖部材12と、上記の推進ネジ部材23とほぼ同軸上で軸心回りに回転自在に配置した表示筒31と、その表示筒31の外面に形成されて上記の閉鎖部材12の開閉状態を表示する開閉表示部41と、その開閉表示部41の表示領域内で上記の表示筒31を上記の緩め方向へ付勢する弾性手段38と、上記の回転操作部24から上記の表示筒31に締付け方向へ回転力を伝達するのに対して上記の緩め方向へは回転力の伝達を解除する係合具32とを備えたものである。
【0005】
上記の請求項1の発明は次の作用効果を奏する。
ハンドル等の回転操作部を締付けて閉鎖部材を全閉に切換えた状態では、係合具が弾性手段の付勢力に抗して表示筒を締付け方向へ回転させて、その表示筒の開閉表示部が全閉状態を表示している。
上記の締付け状態の回転操作部を緩め方向へ回転させて閉鎖部材を開いていくと、その回転操作部によって上記の係合具が緩め方向へ回転されていくと共に、弾性手段の付勢力によって上記の表示筒も緩め方向へ回転されていく。そして、上記の閉鎖部材がほぼ全開になって上記の表示筒の開閉表示部が全開状態を表示したときに、その表示筒は、弾性手段の付勢力が作用しなくなって回転を停止する。
上記の回転操作部をさらに緩め方向へ回転していくと、係合具も緩め方向へ回転していくが、上記の表示筒は全開表示状態のままに置き残され、上記の係合具だけが緩め方向へさらに回転していく。
【0006】
これとは逆に、その緩め状態の回転操作部を締付け方向へ回転させていくと、上記の係合具も締付け方向へ回転されていくが、その係合具は表示筒に係合するまでの空走回転領域では上記の表示筒を回転させず、前記の開閉表示部が全開表示状態に保持される。
そして、上記の回転操作部がさらに締付け方向へ回転されて係合具が表示筒に係合すると、その回転操作部に加えられた締付け方向の回転力が係合具を介して表示筒へ伝達される。これにより、その表示筒が締付け方向へ回転されていき、上記の回転操作部が締付け状態になって閉鎖部材が全閉したときに、上記の開閉表示部が全閉状態を表示するのである。
【0007】
請求項1の発明によれば、ハンドル等の回転操作部を締付け状態から緩め方向へ1回転以上回転させる場合に、表示筒の開閉表示部が全開状態を表示したときに係合具だけを緩め方向へ回転させて上記の表示筒を置き残すことができ、これにより、全閉表示状態と全開表示状態とが周方向へオーバーラップするのを防止できる。
従って、上記の閉表示部を三次元的で複雑な構造に造る必要がなくなり、開閉表示装置を簡素化できる。
【0008】
上記の請求項1の発明においては、請求項2の発明に示すように、前記の推進ネジ部材23の外周に配置した捩りコイルバネ38によって前記の弾性手段を構成し、その捩りコイルバネ38の一端38aを前記の表示筒31に連結すると共に他端38bを前記ハウジング2の固定側部分に連結することが好ましい。
その請求項2の発明は、弾性手段である捩りコイルバネの装着空間として推進ネジ部材の外周空間を利用できるので、開閉表示装置をコンパクトに造れる。
【0009】
さらには、上記の請求項1又は2の発明においては、請求項3の発明に示すように構成することが好ましい。
即ち、前記ハウジング2に蓋部材20の外ネジ20aを進退可能に螺合すると共に、上記の蓋部材20の内ネジ20bに前記の推進ネジ部材23を進退可能に螺合し、上記の蓋部材20の上記の外ネジ20aに螺合させたロックナット21の外周面を前記の表示筒31によって覆い、その表示筒31内に前記の係合具32および前記の弾性手段38を装着するのである。
その請求項3の発明によれば、上記の表示筒によってロックナットを覆うことにより、そのロックナットが誤って緩められるのを防止できる。これにより、ハウジングに対して蓋部材を適正な高さ位置に保持できる。
その結果、その蓋部材に螺合させた推進ネジ部材の締付け用螺進距離を一定に保つことが可能となり、過度の押圧または押圧不足を防止できる。
【0010】
また、前記の目的を達成するため、請求項4の発明は、例えば図4に示すように、開閉表示装置付きバルブを次のように構成した。
即ち、ハウジング2に回転自在に支持した推進ネジ部材23と、その推進ネジ部材23に連結されて締付け状態から緩め方向へ1回転以上回転される回転操作部24と、その回転操作部24の1回転未満の回転によって全閉状態から全開状態へ切換えられる閉鎖部材と、上記の推進ネジ部材23とほぼ同軸上で上記ハウジング2に回転不能に支持した中空リング46と、その中空リング46内に挿入した表示具47と、その表示具47を全開位置Xへ付勢する押圧バネ48と、上記の表示具47を上記の全開位置Xで受け止めるストッパー49と、上記の推進ネジ部材23と上記の回転操作部24との少なくとも一方に設けられて上記の表示具47を上記の押圧バネ48に抗して磁力によって追従させる操作具50とを備えるものである。
【0011】
上記の請求項4の発明は次の作用効果を奏する。
ハンドル等の回転操作部を締付けて閉鎖部材を全閉に切換えた状態では、操作具が押圧バネの付勢力に抗して表示具を締付け方向へ回転させて、その表示具が全閉位置へ切換えられている。
上記の締付け状態の回転操作部を緩め方向へ回転させて閉鎖部材を開いていくと、上記の操作具が緩め方向へ回転されていくと共に、押圧バネの付勢力によって上記の表示具も緩め方向へ回転されていく。そして、上記の閉鎖部材がほぼ全開になって上記の表示具が全開位置へ切換えられたときに、その表示具はストッパーで受け止められて全開位置に保持される。
上記の回転操作部をさらに緩め方向へ回転していくと、操作具も緩め方向へ回転していくが、上記の表示具は全開位置に置き残され、上記の操作具だけが緩め方向へさらに回転していく。
【0012】
これとは逆に、その緩め状態の回転操作部を締付け方向へ回転させていくと、上記の操作具も締付け方向へ回転されていくが、その操作具は表示具に対面するまでの空走回転領域では前記の表示具を回転させず、その表示具が全開位置に保持される。
そして、上記の回転操作部がさらに締付け方向へ回転されて表示具に対面すると、その操作具が表示具を押圧バネに抗して締付け方向へ回転させていき、上記の回転操作部が締付け状態になって前記の閉鎖部材が全閉したときに、上記の表示具が全閉位置へ切換えられるのである。
【0013】
請求項4の発明によれば、ハンドル等の回転操作部を締付け状態から緩め方向へ1回転以上回転させる場合でも、前記の表示具が全開位置に切換えられたときに操作具だけを緩め方向へ回転させて上記の表示具を置き残すことができ、これにより、全閉表示状態と全開表示状態とが周方向へオーバーラップするのを防止できる。
従って、上記の開閉表示部を三次元的で複雑な構造に造る必要がなくなり、開閉表示装置を簡素化できる。
【0014】
上記の請求項4の発明においては、請求項5の発明に示すように、次のように構成することが好ましい。
即ち、前記ハウジング2に蓋部材20の外ネジ20aを進退可能に螺合すると共に、上記の蓋部材20の内ネジ20bに前記の推進ネジ部材23を進退可能に螺合し、上記の蓋部材20の上記の外ネジ20aに螺合させたロックナット21の外周面をカバー筒45によって覆うと共に、そのカバー筒45を上記ハウジング2に回転不能に連結し、上記カバー筒45に前記の中空リング46を取り付けるのである。
その請求項5の発明によれば、上記のカバー筒によってロックナットを覆うことにより、そのロックナットが誤って緩められるのを防止できる。これにより、ハウジングに対して蓋部材を適正な高さ位置に保持できる。その結果、その蓋部材に螺合させた推進ネジ部材の締付け用螺進距離を一定に保って、過度の押圧または押圧不足を防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の第1実施形態を図1から図3によって説明する。
図1はバルブの縦断面図である。図2は、上記バルブに設けた開閉表示装置の展開斜視図である。図3は、上記の開閉表示装置の作動説明図である。
【0016】
上記の図1では、本発明に係るバルブをガスボンベ用の容器弁1に適用したものを例示している。
その容器弁1のハウジング2は、ハウジング本体である下ハウジング部分2aと、その下ハウジング部分2aの上部にネジ止めした上ハウジング部分2bとを備えている。なお、その上ハウジング部分2bは、複数の六角穴付きボルト3によって回り止めされている。
【0017】
上記の下ハウジング部分2aの脚ネジがガスボンベ(図示せず)に接続可能とされ、その下ハウジング部分2aの途中高さ部から横向きに突設した出口ノズル6にガス取出し金具(図示せず)が接続可能となっている。上記の脚ネジの下面に開口させた入口路7が、弁室8を経て出口路9へ連通されている。なお、上記の入口路7の途中部からガス放出路10が分岐されて、そのガス放出路10が安全弁(図示せず)へ連通される。その安全弁の形式は、破裂板式・溶栓式・破裂板と溶栓との併用式などが考えられる。
【0018】
上記の弁室8に、閉鎖部材である金属製ダイヤフラム12が装着される。そのダイヤフラム12の周縁部が、押圧スリーブ13と筒状ボルト14を介して上記の弁室8の周壁に保密状に固定されるとともに、上記ダイヤフラム12の中央部が、合成樹脂製の弁座15に上側から対面される。
なお、容器弁1の組立て後には、上記の金属製ダイヤフラム12の下側空間のガスが同上ダイヤフラム12の上側空間を通って漏れチェック用ポート16へ漏出してないことをチェックし、その後、図示のように、六角穴付きビス17によって上記ポート16を気密状に封止するようになっている。
【0019】
前記の上ハウジング部分2bの上部には、上スリーブ18と下スリーブ19とによって構成した蓋部材20が配置される。その蓋部材20の外ネジ20aが上記の上ハウジング部分2bに上下方向へ進退可能に螺合され、その外ネジ20aにロックナット21が螺合される。
上記の蓋部材20の内ネジ20bには推進ネジ部材23が進退可能に螺合される。上記の推進ネジ部材23の四角柱部分23aには、回転操作部であるハンドル24を着脱可能に取り付けてある。また、同上の推進ネジ部材23の下部の押圧部26を中間伝動具27と出力円盤28とを順に介して前記の金属製ダイヤフラム12に接当させてある。
【0020】
上記の中間伝動具27は、上昇バネ29によって上記の押圧部26へ付勢してある。
なお、前記ハンドル24の回転トルクが上記ダイヤフラム12へ伝達されるのは、推進ネジ部材23の押圧部26と中間伝動具27の上部との間で防止され、さらには、その中間伝動具27の下部と前記の出力円盤28との間でも防止されるようになっている。
上記の蓋部材20の下スリーブ19にストップ部Aが設けられると共に前記の中間伝動具27の上部に受止め部Bが設けられ、その受止め部Bに対して上記ストップ部Aが下側から対面している。
【0021】
上記の容器弁1は次のように使用される。
前記ガスボンベからガスを取出すときには、上記ハンドル24を平面視で反時計回りの緩め方向へ回転して、上記の推進ネジ部材23を上向きに螺進させる。すると、金属製ダイヤフラム12が自己の弾性復元力と入口路7から作用する圧力とによって弁座15から離間する。これにより、ガスボンベ内のガスが、入口路7と弁室8と出口路9とを順に通って外部へ取り出される。
なお、図3に示すように、上記のハンドル24は、締付状態から反時計回りの緩め方向へ約450度回転(1.25回転)可能に構成されている。また、前記の金属製ダイヤフラム12は、上記ハンドル24を同上の締付状態から緩め方向へ約180度回転(約0.5回転)したときに全閉状態から全開状態へ切換えられるようになっている。
【0022】
上記のガス取出しを停止するときには、上記ハンドル24を締付け方向へ回転して、上記の推進ネジ部材23を下向きに螺進させる。すると、前記の中間伝動具27と出力円盤28とが下向きに押圧され、その下向き推力によって金属製ダイヤフラム12が弁座15へ押圧されていく。そして、上記の推進ネジ部材23がさらに下降して前記の受止め部Bが前記ストップ部Aに接当すると、上記の推進ネジ部材23と中間伝動具27と出力円盤28の下降が阻止され、上記の金属製ダイヤフラム12の閉弁移動が停止する。このため、上記の弁座15は、過度に押圧されるのを防止でき、寿命が長くなる。
なお、上記ハンドル24の回転操作は、作業者の人手で行う場合と、そのハンドル24に電動機や空圧モータ等のアクチュエータを連結して、そのアクチュエータによって自動的に行う場合とが考えられる。
【0023】
上記の容器弁1の開閉表示装置は次のように構成される。
前記の推進ネジ部材23とほぼ同軸上で表示筒31が軸心回りに回転自在に配置される。即ち、上記の推進ネジ部材23の四角柱部分23aの下部に、係合具32が下降を阻止した状態で回り止め状に外嵌されると共に、その係合具32と前記ハンドル24との間にワッシャー33が挟み付けられる。上記の表示筒31の上壁35が、上記の係合具32によって下から支持されると共に上記ワッシャー33に回転自在に外嵌される。これにより、上記の表示筒31の周壁36によって前記ロックナット21の外周面が覆われる。
【0024】
上記の表示筒31の上記の周壁36と前記の上スリーブ18との間の環状空間に、弾性手段である捩りコイルバネ38が装着される。その捩りコイルバネ38の上端(一端)38aが上記の表示筒31の上壁35に連結され、同上の捩りコイルバネ38の下端(他端)38bが上記ロックナット21に連結される。
上記の捩りコイルバネ38は、前記ハンドル24を全閉状態から緩め方向へ約180度回転させたときに自然状態になるようにセットしてある。
さらに、前記の係合具32から半径方向の外方へ突起39が突出され、その突起39が上記のバネ上端38aに係合可能になっている。
【0025】
図3に示すように、前記の上ハウジング部分2bの外周面には開度指示マーク40が設けられる。また、上記の表示筒31の周壁36の外周面には、前記の金属製ダイヤフラム12の開閉状態を表示する開閉表示部41が約180度の範囲で設けられる。
上記の開閉表示部41は、周方向へ延びる開度表示帯42と全閉位置に表示した「C」の文字と全開位置に表示した「O」の文字とによって構成される。
なお、上記の「C」及び「O」の文字に代えて、「閉」及び「開」の文字を表示してもよい。
【0026】
上記の開閉表示装置の作動を、図1を参照しながら図3によって説明する。
ハンドル24及び推進ネジ部材23の回転角度が0度の締付け状態では、そのハンドル24を平面視で時計回りの方向へ締付けて、前記ダイヤフラム12を全閉にしてある。この締付け状態では、係合具32の突起39がバネ上端38aを時計回りの方向へ回転させて捩りコイルバネ38に付勢力を蓄えるとともに、その係合具32が上記のバネ上端38aを介して表示筒31を時計回りの方向へ回転させて、前記の開度指示マーク40が開閉表示部41の「C(閉)」を指している。
【0027】
上記の締付け状態のハンドル24を平面視で反時計回りの方向へ緩め回転させていくと、上記の表示筒31が次のように作動する。
上記のハンドル24を0度から90度を経て180度の回転角度へ緩め回転させると、前記ダイヤフラム12が半開を経てほぼ全開に操作される。これと同時に、前記の推進ネジ部材23によって上記の係合具32が反時計回りの方向へ回転されていくと共に、前記の捩りコイルバネ38の付勢力によって上記の表示筒31も反時計回りの方向へ回転されていく。そして、上記ハンドル24の回転角度が180度付近になると、上記の捩りコイルバネ38が自然状態に復帰して付勢力が消失するので、上記の表示筒31の回転が停止し、前記の開度指示マーク40が開閉表示部41の「O(開)」を指している。
換言すれば、弾性手段である捩りコイルバネ38は、上記の開閉表示部41の表示領域内で上記の表示筒31を反時計回りの緩め方向へ付勢するようになっている。
【0028】
上記ハンドル24を上記の180度の回転角度からさらに反時計回りの方向へ緩め回転していくと、係合具32も反時計回りの方向へ回転されていくが、上記の捩りコイルバネ38の付勢力が消失しているので、上記の表示筒31が180度の回転位置に置き残され、前記の開度指示マーク40が開閉表示部41「O(開)」を指した状態に保持される。そして、上記ハンドル24と推進ネジ部材23と係合具32だけが270度と360度の回転角度を経て450度の回転角度まで反時計回りの方向へ回転されていく。
【0029】
これとは逆に、上記ハンドル24を回転角度が450度の緩め状態から平面視で時計回りの締付け方向へ回転していくと、上記の係合具32も時計回りの方向へ回転するが、180度の回転角度までは前記の突起39が空走回転するだけで前記の表示筒31を回転させず、このため、前記の開度指示マーク40が開閉表示部41の「O(開)」を指した状態に保持される。
【0030】
そして、上記ハンドル24がさらに時計回りの方向へ回転されて180度付近になると、上記の突起39がバネ上端38aに係合して、そのハンドル24に加えられた締付け方向の回転力が係合具32とバネ上端38aとを順に介して表示筒31へ伝達される。これにより、その表示筒31が時計回りの方向へ回転されていき、上記ハンドル24の回転角度がO度になったときに、前記の開度指示マーク40が開閉表示部41の「C(閉)」を指すのである。
【0031】
上記の第1実施形態は次のように変更可能である。
前記の捩りコイルバネ38のバネ下端38bは、ハウジング2の固定側部分に連結するものであればよく、前記ロックナット21に連結することに代えて、前記の蓋部材20または前記の上ハウジング部分2bなどに連結することも可能である。
【0032】
前記の表示筒31を付勢する弾性手段は、上記の捩りコイルバネ38に代えて、圧縮コイルバネやゴム等の他の種類のものを利用可能である。
前記の開閉表示部41は、例示した開度表示帯42に代えて、周方向へ所定の間隔をあけて設けた数値や絵記号を備えたものであってもよい。さらには、その開閉表示部41を、「全閉」と「全開」の文字だけで構成してもよい。
【0033】
前記の金属製ダイヤフラム12の全閉状態から全開状態への切換えは、前記のハンドル24の1回転未満の回転によって行われものであればよく、例示した約180度の回転に限定されるものでないことは勿論である。
また、上記ハンドル24は、締付け状態から緩め方向へ1回転以上回転されるように構成されておればよく、前記の約450度の回転に限定されるものでないことは勿論である。
さらには、前述したようにハンドル24に空走回転領域を設けてあるので、上記ダイヤフラム12が例えば90%程度開かれたときに「全開」を表示するように開度表示装置を構成しても差し支えない。
【0034】
本発明の閉鎖部材は、例示した金属製ダイヤフラム12に代えて、ポペット形などの別の形式の部材であってもよい。
前記の弁座15は、例示した合成樹脂で構成することに代えて、金属で構成したものであってもよい。
【0035】
図4は、本発明の第2実施形態を示している。図4(A)は、前記の図1に相当する部分図である。図4(B)は、上記の図4(A)中の4A−4A線矢視に相当する断面図である。
この第2実施形態は、上記の第1実施形態と同じ構成の部材には原則として同一の符号を付けてあり、その第1実施形態とは異なる構成について説明する。
【0036】
前記の上ハウジング部分2bの上部にカバー筒45が上側から回り止め状に外嵌され、そのカバー筒45によって前記ロックナット21の外周面が覆われる。上記カバー筒45の上端に、透明な合成樹脂によって構成した中空リング46が前記の推進ネジ部材23とほぼ同軸上に取り付けられる。その中空リング46内に挿入した磁石製の表示具47が押圧バネ48によって反時計回りの方向へ付勢される。その付勢された表示具47が、図4(B)中の一点鎖線図の全開位置Xでストッパー49によって受け止められる。そして、上記の推進ネジ部材23に設けた磁石製の操作具50によって、上記の表示具47を上記の押圧バネ48に抗して磁力によって追従させるようになっている。
【0037】
ハンドル24を時計回りの方向へ締付け回転した状態では、図4(B)中の実線図に示すように、操作具50が表示具47を全閉位置Yへ移動させている。
その締付け状態のハンドル24を反時計回りの方向へ緩めていくと、推進ネジ部材23を介して操作具50が反時計回りの方向へ回転し、これと同時に、押圧バネ48によって表示具47が反時計回りの方向へ回転していく。次いで、その表示具47が前記の全開位置Xでストッパー49で受け止められると共に押圧バネ48の付勢力によって上記の全開位置Xに保持されるのに対して、上記の推進ネジ部材23および操作具50だけが反時計回りの方向へ回転されていくのである。
上記とは逆に、上記の緩め状態のハンドル24を時計回りの方向へ締付け回転していくと、まず、操作具50が空走回転し、次いで、その操作具50が表示具47を上記の全開位置Xから全閉位置Yへ押圧バネ48に抗して回転させていくのである。
【0038】
上記の第2実施形態は次のように変更可能である。
上記の操作具50は、推進ネジ部材23に設けることに代えてハンドル24に設けてもよく、さらには、推進ネジ部材23とハンドル24との両方に設けてもよい。
また、前記の表示具47と操作具50との両者は、磁力によって追従可能なものであればよく、少なくとも一方を磁石で構成しておけばよい。
前記の中空リング46は、透明体で構成することに代えて、不透明体で構成することも可能である。この場合には、その不透明の中空リング46の周壁には、表示具47の回転位置を外部から視認するための覗き窓を開口することが考えられる。
【0039】
上記の第1と第2の各実施形態は、さらに次のように変更可能である。
前記ハウジング2は、例示したように二つのハウジング部分2a・2bによって構成することに代えて、三つ以上のハウジング部分によって構成してもよい。さらには、そのハウジング2は、一体もので構成することも可能である。
前記の推進ネジ部材23に連結される回転操作部は、例示した車輪状のハンドル24に代えて、レバー形や角形などの他の形状であっても差し支えない。
本発明が適用される止め弁は、例示した容器弁1に代えて、配管の途中に設ける配管弁であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示し、バルブの縦断面図である。
【図2】上記バルブに設けた開閉表示装置の展開斜視図である。
【図3】上記の開閉表示装置の作動説明図である。
【図4】本発明の第2実施形態を示している。図4(A)は、前記の図1に相当する部分図である。図4(B)は、上記の図4(A)中の4A−4A線矢視に相当する断面図である。
【符号の説明】
2…ハウジング、12…閉鎖部材(ダイヤフラム)、20…蓋部材、20a…外ネジ、20b…内ネジ、21…ロックナット、23…推進ネジ部材、24…回転操作部(ハンドル)、31…表示筒、32…係合具、38…弾性手段(捩りコイルバネ)、38a…捩りコイルバネの一端(上端)、38b…捩りコイルバネの他端(下端)、41…開閉表示部、45…カバー筒、46…中空リング、47…表示具、48…押圧バネ、49…ストッパー、50…操作具、X…全開位置。
Claims (5)
- ハウジング(2)に回転自在に支持した推進ネジ部材(23)と、その推進ネジ部材(23)に連結されて締付け状態から緩め方向へ1回転以上回転される回転操作部(24)と、その回転操作部(24)の1回転未満の回転によって全閉状態から全開状態へ切換えられる閉鎖部材(12)と、上記の推進ネジ部材(23)とほぼ同軸上で軸心回りに回転自在に配置した表示筒(31)と、その表示筒(31)の外面に形成されて上記の閉鎖部材(12)の開閉状態を表示する開閉表示部(41)と、その開閉表示部(41)の表示領域内で上記の表示筒(31)を上記の緩め方向へ付勢する弾性手段(38)と、上記の回転操作部(24)から上記の表示筒(31)に締付け方向へ回転力を伝達するのに対して上記の緩め方向へは回転力の伝達を解除する係合具(32)とを備える、ことを特徴とする開閉表示装置付きバルブ。
- 請求項1の開閉表示装置付きバルブにおいて、
前記の推進ネジ部材(23)の外周に配置した捩りコイルバネ(38)によって前記の弾性手段を構成し、その捩りコイルバネ(38)の一端(38a)を前記の表示筒(31)に連結すると共に他端(38b)を前記ハウジング(2)の固定側部分に連結した、ことを特徴とする開閉表示装置付きバルブ。 - 請求項1又は2の開閉表示装置付きバルブにおいて、
前記ハウジング(2)に蓋部材(20)の外ネジ(20a)を進退可能に螺合すると共に、上記の蓋部材(20)の内ネジ(20b)に前記の推進ネジ部材(23)を進退可能に螺合し、
上記の蓋部材(20)の上記の外ネジ(20a)に螺合させたロックナット(21)の外周面を前記の表示筒(31)によって覆い、
その表示筒(31)内に前記の係合具(32)および前記の弾性手段(38)を装着した、ことを特徴とする開閉表示装置付きバルブ。 - ハウジング(2)に回転自在に支持した推進ネジ部材(23)と、その推進ネジ部材(23)に連結されて締付け状態から緩め方向へ1回転以上回転される回転操作部(24)と、その回転操作部(24)の1回転未満の回転によって全閉状態から全開状態へ切換えられる閉鎖部材と、上記の推進ネジ部材(23)とほぼ同軸上で上記ハウジング(2)に回転不能に支持した中空リング(46)と、その中空リング(46)内に挿入した表示具(47)と、その表示具(47)を全開位置(X)へ付勢する押圧バネ(48)と、上記の表示具(47)を上記の全開位置(X)で受け止めるストッパー(49)と、上記の推進ネジ部材(23)と上記の回転操作部(24)との少なくとも一方に設けられて上記の表示具(47)を上記の押圧バネ(48)に抗して磁力によって追従させる操作具(50)とを備える、ことを特徴とする開閉表示装置付きバルブ。
- 請求項4の開閉表示装置付きバルブにおいて、
前記ハウジング(2)に蓋部材(20)の外ネジ(20a)を進退可能に螺合すると共に、上記の蓋部材(20)の内ネジ(20b)に前記の推進ネジ部材(23)を進退可能に螺合し、
上記の蓋部材(20)の上記の外ネジ(20a)に螺合させたロックナット(21)の外周面をカバー筒(45)によって覆うと共に、そのカバー筒(45)を上記ハウジング(2)に回転不能に連結し、
上記カバー筒(45)に前記の中空リング(46)を取り付けた、ことを特徴とする開閉表示装置付きバルブ。
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