JP4255103B2 - 落下式蒸気殺菌方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流動自在な粉粒状材料、例えば胡椒原粒、そば粉、茶葉、トウガラシ、スパイス、乾燥野菜及び小麦粉等の食材の殺菌に好適な落下式蒸気殺菌方法に関するものである。
【0002】
【発明の背景】
胡椒原粒やそば粉等の粉粒状素材(以下、被処理物とする)を、殺菌ないしは滅菌するにあたっては、例えば被処理物を受け入れるドラムを横臥状態に寝かせた、いわゆる横回転胴タイプの殺菌装置が知られている。しかしながら、このような横回転胴タイプのものは比較的長い処理時間を要することや、メンテナンスに手間が掛かる等の問題があった。このため、被処理物を受け入れるドラムを、ほぼ垂直に設置し、被処理物がドラム内を落下する間に高圧蒸気と接触させて、被処理物の乾燥を行う、いわゆる縦胴タイプのものが案出されてきている。
【0003】
このような状況下、本出願人も、この縦胴タイプの殺菌装置の開発を試み、特開2002−112749「落下式蒸気殺菌装置並びに落下式蒸気殺菌方法」の特許出願に至っている。この特開2002−112749は、いわゆる二重シャッター構造の採用により処理部を高いレベルで密閉できるようにするとともに、各構成部を分断可能としたものであり、縦胴タイプの殺菌装置が実機として要求される、汎用性、多様性及びサニタリイ性等を向上させ得るものである。しかしながら、このような殺菌装置においても、以下のような点においてまだ改良の余地があった。
【0004】
すなわち前記特開2002−112749では、被処理物の殺菌を行う際、外部との連通を遮断した処理室に、予め高圧の殺菌用蒸気を充満させた後、この処理室に被処理物を落下させて、殺菌を行うものであった。また被処理物は、落下以前の段階では、処理室前段の予備室等において、ある程度、塊状態で積層され、自重による圧縮を受けた状態で一時的に貯留されるものであった。このため、被処理物は処理室内を落下して行く際にも直ちに粒状にバラバラに解きほぐされるわけではなく、従って殺菌用の蒸気も、塊状の一部に局部的に作用する傾向となり、被処理物を均一に殺菌できない場合があった。
【0005】
【開発を試みた技術的課題】
本発明は、このような背景を認識してなされたものであって、被処理物がほぼ大気圧場の処理室内を落下している間に、処理室内に蒸気を導入できるようにし、被処理物を、より効率的に殺菌できるようにした新規な殺菌手法の開発を試みたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち請求項1記載の落下式蒸気殺菌方法は、ほぼ大気圧場に設定された密閉状態の処理室内において、粉粒体状の被処理物を落下させ、この落下中に高圧状態の蒸気を処理室に導入し、蒸気との接触によって被処理物の殺菌を行うようにした殺菌方法であって、
前記被処理物の殺菌にあたっては、蒸気の吐出口を被処理物で埋没させるように被処理物を処理室内に一時的に貯留した後、この被処理物群の中で下向きに蒸気を導き出すことにより、堆積状態に貯留した被処理物をバラバラに拡散し、この拡散状態で被処理物を落下させて、蒸気とほぼ満遍なく接触させるようにしたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、被処理物が、ほぼ大気圧状態に設定された処理室内を落下する間に、高圧蒸気と接触させて殺菌を行うため、効果的な殺菌が行える。また被処理物の落下や蒸気の供給タイミング等が、被処理物の比重等に応じて種々選択でき、好適な処理条件が選択できる。特に本発明では、ほぼ堆積状態の被処理物群の内部において、高圧状態の蒸気を吐き出させるため、被処理物が処理室内を舞い上がる、バラバラの状態となり易く、被処理物の拡散落下を促進させ得る。また蒸気が被処理物の粉粒状表面に全体的に接触し、均一な殺菌が行える。
【0007】
また請求項2記載の落下式蒸気殺菌方法は、前記請求項1記載の要件に加え、前記処理室に導入された蒸気は、殺菌処理後、外部に放出するようにしたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、殺菌処理後、処理室内の蒸気を外部に放出するため、残留蒸気による水分の発生を抑えることができ、被処理物の装置等への付着を防止することができる。また次の殺菌を行う際には、処理室内が、ほぼ大気圧場にリセットされるため、装置に与え得る急激な熱変化や圧力変化を抑制できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、被処理物Aを拡散状態で落下させながら、高圧の蒸気と接触させて、殺菌するものであり、まず実施の形態の説明に先立ち、殺菌対象となる被処理物Aについて説明する。被処理物Aとしては、流動自在な粉粒状の素材が好適であり、具体的には、胡椒原粒、そば粒、茶葉、トウガラシ、スパイス、乾燥野菜及び小麦粉等が挙げられる。なお被処理物Aと接触させる、殺菌用の蒸気Jとしては、一例として高圧の過熱蒸気を用いるが、その他、高圧の飽和蒸気を用いることも可能である。
【0009】
以下本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。説明にあたっては、まず本発明に係る落下式蒸気殺菌装置1について説明し、次いでこの装置の作動態様を説明しながら、実質的に本発明方法の落下式蒸気殺菌方法について併せて説明する。
落下式蒸気殺菌装置1は、一例として図1〜4に示すように、フレーム部材となる機枠2と、被処理物Aの殺菌を実質的に行う処理部3と、この処理部3を適宜閉鎖空間とするためのシャッタ部4と、処理部3に被処理物Aを供給する投入部5と、殺菌処理後の被処理物Aを取り出す排出部6とを具えて成るものである。以下各構成部について説明する。
【0010】
まず機枠2について説明する。このものは、処理部3、シャッタ部4、投入部5、排出部6等を支持するものであり、一例として直方体の枠型に形成されたメインフレーム11に、シャッタ部4を支持するためのサブフレーム12が取り付けられて成るものである。
そして機枠2に支持されるもののうち、処理部3、投入部5、排出部6が、昇降ブラケット13によりメインフレーム11の縦フレームに対して昇降自在に係止され、昇降シフタ14により上下動できるように構成されている。なお昇降シフタ14としては、エアシリンダ、油圧シリンダ、モータシリンダ等の適宜のシフト機器を用いることができる。
【0011】
一方、シャッタ部4は、水平方向にスライドできるように、サブフレーム12に対してハンガブラケット15によって吊持される(水平摺動を担うシフタは図示省略)。
なお図中符号Bに示す部材は、各部を一体的に連結固定する、固定金具であり、本落下式蒸気殺菌装置1は、このような構造によって、セグメント状に分断可能に支持されるものである。
【0012】
次に処理部3について説明する。処理部3は、蒸気殺菌を行うための処理室20を形成する円筒状の処理バレル21と、この内部に設けられるインナーホッパ22とを具えて成るものである。なお本実施の形態では、処理部3は、インナーホッパ22を内挿した処理バレル21を、一例として二基、縦に連接して構成されるが、この数は適宜変更可能である。
そして処理バレル21は、一例として上下端にフランジ23を有し、ここに前記固定金具Bを受け入れる切欠溝23aが形成されている。
【0013】
インナーホッパ22は、処理室20内において被処理物Aを一時的に貯留するとともに、被処理物Aを順次落下させるものである。このものは、上方に投入口24aが開口されるとともに下方に排出口24bが開口されたホッパー本体24と、この排出口24bを適宜開閉するダンパ25とを具えて成るものである。
【0014】
ホッパー本体24は、一例としてロート状の外観を呈するように形成され、下端はダンパ25が傾斜状態に取り付けられ、排出口24bを適宜開閉できるように回動自在に構成されている。なおダンパ25を作動させるにあたっては、リンク機構26を介してダンパ用シフタ27によって回動させるものである。因みにダンパ用シフタ27としては、エアシリンダ、油圧シリンダ、モータシリンダ等、適宜のシフト機器を用いることができる。
なおホッパー本体24やダンパ25等を上下二基の処理バレル21において区別したい場合には、上側のものを24A、25A等とし、下側のものを24B、25B等とし、「A」、「B」の末尾符号で区別する。
【0015】
そして二基のホッパー本体24のうち、上側のホッパー本体24Aのみに蒸気Jや熱風が導入されるものであり、これらを導く管を導入管28とする。また導入管28の吐出口を28aとするものであり、この位置は、ホッパー本体24A内に臨むように、より具体的には、投入口24aと排出口24bとの間に、下向きに設けられる。なお本発明では、吐出口28aは、被処理物Aがダンパ25上に貯留された際、被処理物Aに埋没するような位置に設けられる。このような構成を採ることにより、被処理物Aの落下とほぼ同時に、ないしは落下直後に蒸気Jを導くことで、ほぼ堆積状態の被処理物Aを、ホッパー本体24A内において舞い上げる、ないしは吹き上げるかのようにバラバラの状態に拡散させ、この拡散状態で被処理物Aを落下させ得るものである。
【0016】
また処理バレル21には、殺菌処理後、バレル内に残存する蒸気Jを大気中に放出し得る、排気管29が接続されるものである。この排気管29は、一例として上下の処理バレル21(処理室20)から各々導き出された後、これらを合流させてから大気中に放出するように、配管が成されている。またこの排気管29は、例えば弁の開閉操作により、処理バレル21内を大気中と連通させ、言わば自然放出させるものであるが、処理バレル21内に残留する蒸気Jや空気等を積極的に吸引することも可能である。
【0017】
なお排気管29は、各ダンパ25よりも上方に接続されるものであり、この位置は、ホッパー本体24内に一時貯留された被処理物Aが、排気とともに流出しないように考慮されている。
またホッパー本体24は、金属板により形成されるものであるが、被処理物Aの種類によっては金網やパンチングメタル等の通気性素材で形成するようにしてもよい。
【0018】
次に処理部3を適宜閉鎖状態とするシャッタ部4について説明する。シャッタ部4は、殺菌処理中、処理室20を閉鎖空間とすべく、外部との連通を遮断するものであり、処理部3の投入側及び排出側に各々設けられたバルブユニット31により構成される。このバルブユニット31には、一例としてバタフライ弁タイプのものが適用され、具体的にはバルブケージ(弁箱;valve cage)32に円板状のバルブエレメント(弁体;valve element)が回動自在に支持されて成るものである。
【0019】
なお本実施の形態では、上述したようにバタフライ弁タイプのものを採用するため、上記バルブエレメントを、以下、バタ弁33と称するものである。またこのときの回動軸をバルブステム34とする。そして、バタ弁33を回動させ、落下経路を適宜開閉するにあたっては、支持ブラケット35によって連結されたバルブシフタ36によって回動させるものであり、被処理物Aの比重等の性状に応じて、好適な開放量に設定され得る。
【0020】
またここでは、処理部3の前段(投入部5と処理部3との間)に設けられたものを投入側バルブユニット31Aとし、処理部3の後段(処理部3と排出部6との間)に設けられたものを排出側バルブユニット31Bとして区別している。更にバタ弁33も処理部3の前段に設けられるものを33A、後段のものを33Bとして区別するものである。
【0021】
次に投入部5について説明する。投入部5は、処理部3に被処理物Aを送り込むものであり、前記処理部3とほぼ同一の構成を採るものである。すなわち、投入部5は円筒状の投入バレル41と、この中に設置されるインナーホッパ42とを具えて成る。投入バレル41は、一例として上下端にフランジ43を有し、ここに固定金具Bを受け入れる切欠溝43aが形成される。一方、インナーホッパ42は、上方に投入口44aが開口されるとともに下方に排出口44bが開口されたホッパー本体44と、前記排出口44bに設けられるダンパ45とから成る。なおダンパ45は、図示を省略するリンク機構を介してダンパ用シフタにより開閉される。
また投入部5に連結される、図中符号7が投入移送部であり、具体的には例えば傾斜コンベヤ等が適用され、被処理物Aを所定量ずつ投入部5に送り込む作用を担っている。
【0022】
次に排出部6について説明する。排出部6は、処理部3で殺菌された被処理物Aを受け取り、外部に送り出す部位であり、上部にフランジ53を有した円筒状の排出バレル51により構成されるものである。
なお排出部6に連結される図中符号8は、排出移送部であり、このものは例えば振動コンベヤやスクリューコンベヤ等が適用されるものである。
【0023】
本発明に係る落下式蒸気殺菌装置1は、以上のような基本構造を有するものであり、以下この装置の作動態様を説明しながら、実質的に本発明の落下式蒸気殺菌方法について説明する。
(1)初期状態
まず実質的に被処理物Aの殺菌を行う以前の初期状態について説明する。この状態は、落下式蒸気殺菌装置1に被処理物Aが供給される以前の段階であり、処理室20の内部は大気圧とほぼ同じ状態に設定されている。すなわち処理室20は外部と連通した排気状態に設定され、ほとんど蒸気が存在しない状態となっている。また投入部5のダンパ45、処理部3の両ダンパ25A、25B、投入側のバタ弁33A、排出側のバタ弁33Bが全て閉鎖された状態となっている。
【0024】
(2)被処理物の投入部への供給
まず投入移送部7から、投入部5に被処理物Aが適量供給され、図5(a)に示すように、インナーホッパ42内に貯留される。なお図5〜7に示す(ア)〜(シ)までの符号は、装置の作動状況(段階)を順に示す、符号(通し番号)である。
【0025】
(3)投入部から処理部への供給
(i) 投入側バタ弁の開放
インナーホッパ42内に貯留されていた被処理物Aは、その後、処理部3に送られるが、これには図5(b)に示すように、まず投入側バルブユニット31Aのバタ弁33Aを開放させる。
【0026】
(ii)投入部ダンパの開放
そしてバタ弁33Aを開放させた状態で、図5(c)に示すように、投入部5のダンパ45を開放させ、被処理物Aをインナーホッパ42から落下させる。
【0027】
(iii) 投入部ダンパの閉鎖
このようにして全ての被処理物Aを処理部3のホッパー本体24A内に落下させたら、図5(d)に示すように、今度は投入部5のダンパ45を閉鎖する。なおホッパー本体24A内に貯留される被処理物Aは、吐出口28aを覆い、埋める程度の量である。
【0028】
(iv)投入側バタ弁の閉鎖
そして投入部5のダンパ45が閉鎖したら、図6(a)に示すように、投入側のバタ弁33Aを閉鎖して、被処理物Aの処理部3への供給(移送)を終了する。
【0029】
(4)被処理物の殺菌
これ以降、実質的に被処理物Aの殺菌を行うものであり、これには、図6(b)に示すように、上側のダンパ25Aを開放し、被処理物Aを下方のホッパー本体24Bに導く(落下させる)ものである。なお被処理物Aは、ホッパー本体24A内で貯留されている間、ある程度、塊状態で積層され、自重による圧縮も受けるものであるが、ホッパー本体24Aから落下する際には、排出口24bが傾斜状態に形成されていることや、ダンパ25Aが徐々に開放されること等に因み、被処理物Aは、バラバラになった拡散状態で落下するものである。そしてダンパ25Aの開放とほぼ同時に、ないしは被処理物Aの落下開始直後に、導入管28から蒸気Jを処理室20内に導き、拡散状態で落下する被処理物Aと、ほぼ満遍なく接触させ、被処理物Aの殺菌を行うものである。
【0030】
なおホッパー本体24A内に一旦収容される被処理物Aは、吐出口28aを埋没するような状態で貯留されるため、蒸気Jの吐出によって、この堆積状態の被処理物A(群塊状)が、ホッパー本体24A内において舞い上げられる(吹き上げられる)ようにバラバラの状態にされ、被処理物Aの拡散落下を、より促進させ得るものである。
【0031】
このように本発明においては、拡散状態で落下する被処理物Aに蒸気Jを接触させて殺菌を行うものであるが、ダンパ25Aの開放量や開放速度、あるいは蒸気Jの導入タイミングや供給量等について、種々の設定が採り得るものである。すなわち被処理物Aを拡散状態で落下させ、蒸気Jとほぼ均一に接触させることができれば、種々の設定が可能である。このため被処理物Aの性状や排出口24bの大きさ等によっては、例えばダンパ25Aを開放させたまま、あるいはダンパ25Aを設けることなく、被処理物Aを落下させ、殺菌を行うことが可能である。
【0032】
(5)上側ダンパの閉鎖・蒸気の大気中への放出
被処理物Aの実質的な殺菌が終了すると、図6(c)に示すように、ダンパ25Aが閉鎖され、これに伴い処理室20への蒸気Jの供給も停止される。この際、被処理物Aは、同図に示すように、下方のホッパー本体24Bに全て収容され、ここに貯留された状態となる。そして蒸気Jの供給停止とほぼ同時に、処理室20内に残存(存在)する蒸気Jを、排気管29から大気中に放出(排出)する。なお蒸気Jを放出する際には、一般に処理室20内に残存した蒸気Jが、依然として高圧状態であるため、排気管29は単にバルブの操作により、外部と連通状態とするだけで、排気が行えるものである。もちろん、このような単なるバルブ操作によって処理室20の圧力を外部とバランスさせることにとどまらず、処理室20から積極的に蒸気Jを吸引する手法も可能である。
【0033】
因みに従来の殺菌技術では、処理室20の空気を極力排除した、減圧下ないしは真空下において、被処理物Aの殺菌を行うのが一般的な技術思想であったが、本出願人が行った実験では、空気の存在が、殺菌に特別な悪影響を及ぼすことはなく、むしろ空気が存在していても、高いレベルでの殺菌が行えることが確かめられた。このため本発明においては、殺菌処理後に処理室20内の空気を吸引したり、処理室20内の気密を高度に維持することは可能であるが、これらは必須の構成ではない。
【0034】
(6)被処理物の排出
(i) 排出側バタ弁の開放
排気によって処理室20内の圧力がほぼ大気圧と同じになった後、図6(d)に示すように、排出部6側のバタ弁33Bを開放する。
【0035】
(ii)処理部の下側ダンパの開放
その後、バタ弁33Bを開放したまま、図7(a)に示すように、処理部3の下側のダンパ25Bを開放し、被処理物Aを排出移送部8に送る。
【0036】
(iii) 処理部の下側ダンパ及び排出側バタ弁の閉鎖
被処理物Aを排出移送部8に落下させたら、図7(b)(c)に示すように、下側のダンパ25Bを閉じ、次いで排出部6側のバタ弁33Bを閉鎖する。
【0037】
(iv)熱風供給・蒸気排出
その後、図7(d)に示すように、処理部3の上下のダンパ25A、25Bを共に開放し、導入管28から処理室20に熱風(空気)を供給し、処理室20内に残存した蒸気Jを、ほぼ完全に排気する。
その後、熱風の供給を停止するとともに、処理部3の上下のダンパ25A、25Bを共に閉鎖して、初期状態とし、再度殺菌を繰り返すものである。
【0038】
なお本装置の各部の制御手法、すなわちダンパやバタ弁の操作、あるいは蒸気や熱風の供給タイミング等の一例を、図8に示すものである。因みにこの図は、横軸が時間の経過を示している。なお本図中(ア)〜(シ)の符号は、上記図5〜7に示した符号(通し番号)であり、装置の作動状況(段階)を示している。また本図では、「排気」の項目は「ON」で排気状態(連通状態)を示している。すなわちここでは「排気」は、実質的な殺菌(上記図6(b))以外において常に「ON」であるため、処理室20は非殺菌時、常時外部と連通状態に設定されている。
【0039】
また本装置をメンテナンスする際には、シャッタ部4を装置から離反させるようにほぼ水平にスライドさせ、処理部3、投入部5、排出部6等を適宜昇降動させて行うものであるが、これについての詳細な説明は省略し、前記特開2002−112749「落下式蒸気殺菌装置並びに落下式蒸気殺菌方法」を援用するものである。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、粉粒体状の被処理物Aの、蒸気Jによる殺菌が、能率的に行える。特に、被処理物Aを、処理室20内でバラバラの拡散状態で落下させ、その間に蒸気Jを接触させることで、被処理物Aの粉粒体表面に、ほぼ満遍なく蒸気Jが作用し、均一に殺菌することができる。とりわけ堆積状態に貯留されている被処理物A中に、蒸気Jを導き出すことによって、被処理物Aの拡散落下を、より促進させることができる。更に、処理室20の密閉状態は、前後に設けられた一基ずつのバタ弁33A、33Bで実用上充分に確保できるため、装置の構造を比較的、簡略なものにでき、被処理物Aの落下(移送)もスムーズに行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る落下式蒸気殺菌装置を示す斜視図(a)、並びに被処理物の殺菌の様子を示す側面図(b)である。
【図2】 落下式蒸気殺菌装置の処理部を拡大して示す斜視図である。
【図3】 落下式蒸気殺菌装置を示す側面図である。
【図4】 同上正面図である。
【図5】 落下式蒸気殺菌装置の作動態様を段階的に示す側面図である。
【図6】 落下式蒸気殺菌装置の作動態様を段階的に示す側面図である。
【図7】 落下式蒸気殺菌装置の作動態様を段階的に示す側面図である。
【図8】 落下式蒸気殺菌装置の制御手法の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 落下式蒸気殺菌装置
2 機枠
3 処理部
4 シャッタ部
5 投入部
6 排出部
7 投入移送部
8 排出移送部
11 メインフレーム
12 サブフレーム
13 昇降ブラケット
14 昇降シフタ
15 ハンガブラケット
20 処理室
21 処理バレル
22 インナーホッパ
23 フランジ
23a 切欠溝
24 ホッパー本体
24A ホッパー本体(上側)
24B ホッパー本体(下側)
24a 投入口
24b 排出口
25 ダンパ
25A ダンパ(上側)
25B ダンパ(下側)
26 リンク機構
27 ダンパ用シフタ
28 導入管
28a 吐出口
29 排気管
31 バルブユニット
31A バルブユニット(投入側)
31B バルブユニット(排出側)
32 バルブケージ
33 バタ弁
33A バタ弁(前段)
33B バタ弁(後段)
34 バルブステム
35 支持ブラケット
36 バルブシフタ
41 投入バレル
42 インナーホッパ
43 フランジ
43a 切欠溝
44 ホッパー本体
44a 投入口
44b 排出口
45 ダンパ
51 排出バレル
53 フランジ
A 被処理物
B 固定金具
J 蒸気

Claims (2)

  1. ほぼ大気圧場に設定された密閉状態の処理室内において、粉粒体状の被処理物を落下させ、この落下中に高圧状態の蒸気を処理室に導入し、蒸気との接触によって被処理物の殺菌を行うようにした殺菌方法であって、
    前記被処理物の殺菌にあたっては、蒸気の吐出口を被処理物で埋没させるように被処理物を処理室内に一時的に貯留した後、この被処理物群の中で下向きに蒸気を導き出すことにより、堆積状態に貯留した被処理物をバラバラに拡散し、この拡散状態で被処理物を落下させて、蒸気とほぼ満遍なく接触させるようにしたことを特徴とする落下式蒸気殺菌方法。
  2. 前記処理室に導入された蒸気は、殺菌処理後、外部に放出するようにしたことを特徴とする請求項1記載の落下式蒸気殺菌方法。
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