JP4254690B2 - 室内音響生成装置 - Google Patents

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Description

この発明は、音楽練習用防音室等の小規模空間で用いるに好適な室内音響生成装置に関するものである。
従来、室内音響生成装置としては、室内天井部に4群(1群3個として12個)のスピーカを設置すると共に室内天井部(又は前後の内壁面上部)に設けた2個のマイクロホンからの音信号に基づいて4チャンネルの残響音信号を形成して4群のスピーカにそれぞれ供給することにより残響効果を得るようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この場合、床面近傍の4つのコーナー部に4つの追加スピーカをそれぞれ設置すると共に4チャンネルの残響音信号を4つの追加スピーカにそれぞれ供給することにより残響感を高めることも知られている(特許文献1参照)。
一方、他の室内音響生成装置としては、室内天井部に1個のマイクロホンを設置すると共に室内床面に1個のスピーカを下向きに設置し、マイクロホンからの音信号に基づいて処理ユニットで初期反射音信号、残響音信号等の間接音信号を形成してスピーカに供給することにより間接音を含む室内音響を生成するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
米国特許第5,525,765号明細書 米国特許第5,559,891号明細書
上記した4チャンネル形式の室内音響生成装置によると、室内天井部に12個のスピーカを設置すると共にスピーカ群の近くに2個のマイクロホンを設けたので、マイクロホンとスピーカの距離が短く、安定な状態で拡声ゲインを増大させることができない。また、床面近傍の4つのコーナー部に4個の追加スピーカをそれぞれ設けたとしても、音の伝播方向が天井から床面に向かう方向と、床面近傍で床面に平行な方向とに限定され、生成音としても残響音のみであるため、楽器演奏者等のリスナーには演奏ホールのような音の拡がりが感じられない。従って、空間感や音の拡がり感のある音場効果を得るのが困難であり、音場効果を高めようとすると、カラーレーション等の音質低下やハウリングを招くおそれがある。また、スピーカ数が12個又は16個と多いため、コスト高になると共に施工性が良好でないという問題点もある。
上記した1チャンネル形式の室内音響生成装置によると、初期反射音、残響音等の間接音を生成できるものの、処理ユニットが1チャンネルしかなく、スピーカとしても床面に下向きに設けた1個のスピーカしかないため、十分な音場効果を得るのが困難である。
この発明の目的は、少ないスピーカ数で空間感や音の拡がり感のある音場効果を得ることができる新規な室内音響生成装置を提供することにある。
この発明に係る室内音響生成装置は、
部屋内で発生される音に基づいて間接音を含む室内音響を生成する室内音響生成装置であって、
前記部屋内の上部で互いに離間した位置に外向きにそれぞれ設けられた複数の第1のスピーカと、
前記部屋内において前記複数の第1のスピーカより下方で且つ床面より上方で互いに離間した位置に内向きにそれぞれ設けられた複数の第2のスピーカであって、前記複数の第1のスピーカとそれぞれ組をなし、各組毎に第1のスピーカに第2のスピーカを逆位相となるように接続したものと、
前記部屋内において前後左右の壁面、天井面及び床面のうちの1又は複数の面あるいは稜線上に互いに離間して前記音を受取るべく設けられた複数のマイクロホンと、
前記複数の第1及び第2のスピーカが構成する複数の組にそれぞれ対応し且つ前記複数のマイクロホンにそれぞれ対応する複数の信号処理チャンネルを有する処理手段であって、各信号処理チャンネルが対応するマイクロホンからの音信号に基づいて間接音信号を形成して対応する組の第1及び第2のスピーカに供給するものと
を備え、前記複数の組の第1及び第2のスピーカを介して前記室内音響を生成するものである。
この発明の室内音響生成装置によれば、部屋内の上部で互いに離間した位置に複数の第1のスピーカを外向きにそれぞれ設けたので、各第1のスピーカ毎に音を部屋内に広くゆきわたらせることができる。また、部屋内において第1のスピーカより下方で且つ床面より上方(好ましくは約1〜1.5mの範囲内の高さ)で互いに離間した位置に複数の第2のスピーカを内向きにそれぞれ設けたので、第2のスピーカにより音像位置を下げることができ、音の拡がり感が一層増す。さらに、複数の第2のスピーカを複数の第1のスピーカとそれぞれ組にすると共に各組毎に第1のスピーカに第2のスピーカを逆位相となるように接続することで各組毎に音像定位を不明瞭にしたので、より方向感の少ない音場効果となる。その上、複数のマイクロホン及び複数の信号処理チャンネルを用いて初期反射音信号、残響音信号等の間接音信号を形成すると共に各信号処理チャンネル毎に間接音信号を対応する組の第1及び第2のスピーカに供給するので、音の拡がり感が一層増すと共に演奏ホール等の規模に応じた空間感をリスナーに与えることができる。従って、部屋が音楽練習用防音室のような圧追感や閉塞感のある小規模空間であっても、演奏ホールのような空間感や音の拡がり感のある音場効果を得ることができる。スピーカ数は、チャンネル数を2とすれば少なくとも4つあればよく、チャンネル数を4とすれば少なくとも8つあればよい。
この発明に係る室内音響生成装置にあっては、前記複数の第1のスピーカを前記部屋内の上部で対角をなすコーナー位置にそれぞれ設けるのが好ましい。部屋内の上部で対角をなすコーナー位置は、スピーカ設置場所としては効果が最大の場所(指向係数Q≒8)であり、部屋内のすべての振動モードが励振される。従って、音の拡がり感が最も良好となる。
上記のように部屋内の上部で対角をなすコーナー位置に複数の第1のスピーカをそれぞれ設けた場合には、複数の第2のスピーカを部屋内において複数の第1のスピーカの設置位置に対応するコーナー以外で対角をなすコーナー位置にそれぞれ設けるのが好ましい。このようにすると、部屋内に第1及び第2のスピーカを広く分散して配置することができ、音の拡がり感を向上させることができる。
上記のように部屋内の上部で対角をなすコーナー位置に複数の第1のスピーカをそれぞれ設けた場合には、複数のマイクロホンを部屋内の上部において複数の第1のスピーカの設置位置に対応するコーナー以外で対角をなすコーナー位置にそれぞれ設けるのが好ましい。部屋内の上部で対角をなすコーナー位置は、部屋のすべての振動モードにおいて音圧が高くなる場所であり、振動モードによる特定周波数におけるディップが生じにくいので、マイクロホンの設置個所としては最適である。
この発明によれば、上記したようなスピーカ配置を工夫すると共に間接音発生を複数チャンネル化したので、空間感や音の拡がり感のある音場効果を小規模空間にて得ることができる。また、スピーカ数が少なくて済むので、コスト低減が可能になると共に施工性が改善される効果もある。
図1は、この発明の一実施形態に係る室内音響生成装置が用いられる音楽練習用の防音室を示すもので、A−A’線に沿う横断面は図2に、B−B’線に沿う横断面は図3に、C−C’線に沿う縦断面は図4に、D−D’線に沿う縦断面は図5にそれぞれ示されている。
防音室10は、床12、前壁14、後壁16、右壁18、左壁20及び天井22により取り囲まれた直方体状の演奏空間を備えている。床12、前後左右の壁14〜20及び天井22は、いずれも吸音材を内蔵した遮音パネルにより構成されている。前壁14には、前壁14と同様の遮音パネルからなるドアDRが開閉自在に装着されており、ドアDRには、ガラス窓WDが設けられている。右壁18及び左壁20には、それぞれガラス窓WD及びWDが設けられている。ガラス窓WD,WD,WDは、いずれもガラス部の共振を抑制して振動が生じない構成になっている。
防音室10の遮音性能は、演奏空間内で例えばピアノを演奏しても約90dBのピアノ音が外部では約60dB(「人の話し声」程度)又はそれ以下になるように設定されている。演奏空間内は、ピアノ音の平均吸音率が0.25〜0.35程度であり、一般住宅空室(洋室)の平均吸音率0.1前後に比べて「デッド」に近い状態(エコー発生が抑制された状態)にある。
一例として、床12の広さは1〜4畳程度であり、室内寸法は、幅Wが1654mm、奥行きKが2536mm、高さHが1747mm程度である。壁14〜20の内面には、必要に応じて音反射性の音場パネルを装着してライブ/デッド感を調整可能である。
図1,2,4,5に示すように、防音室10内の上部で対角をなすコーナー位置には、スピーカS11,S21が外向き(3つの稜線が交わるコーナー向き)にそれぞれ配置される。また、スピーカS11,S21の設置位置に対応するコーナー以外で対角をなすコーナー位置には、無指向性(又は指向性)のマイクロホンM,Mがそれぞれ配置される。マイクロホンM,Mからの音信号は、後述するようにそれぞれ2チャンネルの間接音信号に変換され、これら2チャンネルの間接音信号がスピーカS11,S21にそれぞれ供給される。
図1,3,4,5に示すように、防音室10内においてスピーカS11,S21より下方で且つ床12の面から所定の高さhで対角をなすコーナー位置であってスピーカS11,S21の設置位置に対応するコーナーとは異なるコーナー位置には、スピーカS12,S22が内向き(設置する壁に対向する壁向き)にそれぞれ配置される。スピーカS12,S22は、それぞれスピーカS11,S21と組をなすもので、それぞれスピーカS11,S21に逆位相となるように接続される。
スピーカS11,S21,S12,S22は、いずれも支柱による支持方式、金具等による取り付け方式又はテープ等による接着方式などにより配置することができ、マイクロホンM,Mについても同様にして配置を行なうことができる。床12の面からスピーカ中心までの高さhは、約1〜1.5mの範囲内に設定するのが好ましい。スピーカS11,S21,S12,S22は、いずれも一例として口径10cm以下のフルレンジが使用される。
図6は、防音室10で用いられる室内音響生成装置を示すもので、この装置は、防音室10内で発生される音を受取るマイクロホンM,Mと、マイクロホンM,Mからの音信号をそれぞれ入力とする信号処理チャンネルSP,SPと、信号処理チャンネルSPに接続されたスピーカS11,S12と、信号処理チャンネルSPに接続されたスピーカS21,S22と、信号処理チャンネルSP,SPの動作を制御するコントローラCNTとを備えている。
信号処理チャンネルSP,SPは、それぞれマイクロホンM,Mからの音信号に基づいて初期反射音信号、残響音信号等の間接音信号を形成するもので、チャンネルSP及びSPからの間接音信号は、それぞれスピーカS11,S12の組及びスピーカS21,S22の組に供給される。スピーカS12は、スピーカS11に逆位相となるように直列接続されており、スピーカS22は、スピーカS21に逆位相となるように直列接続されている。スピーカS11,S12は、逆位相となるように並列接続してもよい。このことはスピーカS21,S22についても同様である。
コントローラCNTには、液晶又はLED(発光ダイオード)等からなる表示器DPと、操作子AS,FC,VR,SW…と、読み書き可能なデータメモリDMと、録音端子J及び再生端子Jと、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)専用のインターフェースIFと、RS−232C等の汎用インターフェースIFとが設けられている。インターフェースIFには、MIDI形式のコントローラMDを接続可能であり、インターフェースIFには、パーソナルコンピュータ(PC)形式のコントローラPNを接続可能である。
信号処理チャンネルSP,SPは、互いに同一の構成であり、代表としてチャンネルSPの構成を図7に関して説明する。マイクロホンMからの音信号は、ヘッドアンプ(AMP)30で増幅されてA/D(アナログ/ディジタル)変換器32に供給され、ディジタル形式の音信号に変換される。A/D変換器32からのディジタル形式の音信号は、初期遅延回路34に供給される。
図8は、演奏ホールにおける種々の音についてレベルと発生タイミングとの関係を示すものである。Tは、ユーザーが演奏する楽器等の音源の音であり、ソース音と称される。時刻Tで発生されたソース音Tは、ユーザーの耳では、壁等の反射経路を経由することなく直接音Tdとして聴取される。初期反射音Tiは、直接音Tdから初期遅延時間tだけ遅れて聴取される反射音であり、残響音Trは、初期反射音群中の最初の音から遅延時間tだけ遅れて聴取される反復的な反射音であって徐々に減衰するものである。初期反射音Ti及び残響音Trは、直接音Tdに対して間接音と称される。
図7の信号処理チャンネルSPでは、演奏ホール等の音場効果を模擬するため、マイクロホンMからの音信号に基づいて間接音信号として初期反射音信号及び残響音信号を形成する。初期遅延回路34は、A/D変換器32からの音信号に対して初期遅延時間tに相当する遅延を付与するものである。初期遅延時間tは、ホール規模、ライブネス等に応じて変化するので、初期遅延回路34には、遅延時間を制御するため、制御信号CSが供給されている。初期遅延回路34からの音信号Sdは、初期反射音形成回路36及び残響音形成回路38に供給される。
初期反射音形成回路36は、FIR(Finite Impulse Response)型ディジタルフィルタ36a,36bを縦続接続したもので、フィルタ36aに入力される音信号Sdをフィルタ36bから初期反射音信号Siとして送出するようになっている。初期反射音Tiのレベルや発生期間の長さは、ホール規模、ライブネス等に応じて変化するので、初期反射音信号Siのレベルや発生期間の長さを制御するため、フィルタ36a,36bにはそれぞれ制御信号CS,CSが供給されている。
残響音形成回路38は、遅延回路38a、残響ユニット38b及びアッテネータ(ATT)38cを縦続接続したもので、遅延回路38aに入力される音信号Sdをアッテネータ38cから残響音信号Srとして送出するようになっている。遅延回路38aは、音信号Sdに対して遅延時間tに相当する遅延を付与するものである。遅延時間tは、ホール規模、ライブネス等に応じて変化するので、遅延回路38aには、遅延時間を制御するため、制御信号CSが供給されている。残響音Trのレベルや残響期間の長さは、ホール規模、ライブネス等に応じて変化するので、残響音信号Srのレベルや残響時間の長さを制御するため、アッテネータ38cには、制御信号CSが供給されている。
加算器40は、初期反射音信号Si及び残響音信号Srを加算するもので、加算出力としての音信号Smは、ハウリング防止回路42に供給される。ハウリング防止回路42は、イコライザ(EQ)42a及びアッテネータ(ATT)42bを縦続接続したもので、マイクロホンMとスピーカS11,S12とに関連してハウリングが生じないようにイコライザ42aでは周波数特性を、アッテネータ42bでは減衰特性をそれぞれ制御している。イコライザ42aとしては、グラフィックイコライザ、パラメトリックイコライザ、最小位相イコライザ等のうち任意のものを使用できるが、位相変化の少ない最小位相イコライザを用いるのが好ましい。ハウリング防止回路42からの音信号は、ハイパスフィルタ(HPF)44に供給される。ハイパスフィルタ44は、IIR(Infinite Impulse Response)型ディジタルフィルタからなるもので、音信号からノイズ成分を除去するために用いられる。ハイパスフィルタ44からの音信号は、音色調整用のローパスフィルタ(LPF)46に供給される。ローパスフィルタ46は、IIR型ディジタルフィルタからなるもので、周波数特性及び遮断周波数Fcが制御信号CS及びCSによってそれぞれ制御されるようになっている。
図9は、ローパスフィルタ46で選択的に設定される周波数特性を示すものである。一例として、周波数特性F,F,F,Fは、それぞれ小ホール、中ホール、大ホール、教会の4種類の音場に対応するもので、遮断周波数fcがそれぞれf,f,f,fとなっている。減衰率(スロープ)aは、周波数特性F〜Fについては−6dB/oct、周波数特性Fについては−12dB/octとなっている。4種類の音場にそれぞれ対応して制御信号CS〜CSの内容が予め設定されている。図6のコントローラCNTでは、操作子ASを操作するたびに異なる音場が選択されるようになっており、例えば教会の音場を選択すると、教会の音場に対応した制御信号CS〜CSが信号処理チャンネルSPに供給され、ローパスフィルタ46の出力信号としては、教会の音場を模擬した初期反射音信号及び残響音信号を含む音信号が送出される。このとき、ローパスフィルタ46では、周波数特性Fが設定される。このように音場選択に応じて選択に係る音場を模擬した音信号が得られる動作は、小ホール等の他の音場についても同様である。音場が選択された状態にあるときは、コントローラCNTの操作子FCの操作によりローパスフィルタ46の遮断周波数fc(f〜fのいずれか)を上下に任意に変更制御することができる。
ローパスフィルタ46からの音信号は、ユーザー用のボリューム(UVR)回路48に供給される。ボリューム回路48では、図6のコントローラCNTの操作子VRの操作に応じて音信号のレベルが調整され、ボリューム回路48からは、レベル調整された音信号Saが送出される。音信号Saは、システムオン/オフスィッチSWを介してD/A(ディジタル/アナログ)変換器50に供給される。スィッチSWは、図6のコントローラCNTの操作子SWの操作によりオン状態又はオフ状態になるもので、スィッチSWがオン状態のときに音信号がD/A変換器50に供給される。
D/A変換器50は、ディジタル形式の音信号をアナログ形式の音信号に変換するもので、アナログ形式の音信号は、出力アンプ(AMP)52に供給される。出力アンプ52としては、20〜40W程度のアナログアンプを用いることができる。出力アンプ52で電力増幅された音信号は、スピーカS11,S12に供給され、音響に変換される。
図6のコントローラCNTにおいて、データメモリDMは、制御信号CS〜CSの初期値を記憶したもので、電源スィッチ(図示せず)のオン時には、メモリDMに記憶した制御信号CS〜CSに基づいて初期音場に対応する音響特性が設定される。この後は、操作子ASの操作により前述したような複数の音場のうち任意の音場を選択することができる。メモリDMには、制御信号CS〜CSの内容や操作子AS,FC,VR…等の操作状態を記憶させ、次回の使用時に前回の音響特性を操作子の操作により呼び出して再現するようにしてもよい。
コントローラCNTにおいて、録音端子Jには、CD(コンパクトディスク)レコーダ等の記録手段を接続可能であり、例えばボリューム回路48からのディジタル形式の音信号を記録することができる。この場合、A/D変換器32に入力されるアナログ形式の音信号又はD/A変換器50から出力されるアナログ形式の音信号を記録可能としてもよい。また、再生端子Jには、上記のような記録手段を接続可能であり、記録手段に記録した音信号を防音室10内で再生することができる。この場合、記録手段に記録したアナログ形式の音信号に回路34〜46に基づく音場効果が付加されていないときは、音信号をA/D変換器32又はアンプ30に入力可能とすればよい。
コントローラCNTにおいて、インターフェースIFにコントローラMDを接続したときは、コントローラCNTに関して上記したような音場制御をコントローラMDにより行なうことができる。この場合、コントローラMDを有線又は無線によりコントローラCNTに接続することにより遠隔地から制御を行なうようにしてもよい。また、インターフェースIFにコントローラPNを接続したときは、コントローラCNTに関して上記したような音場制御をコントローラPNにより行なうことができる。この場合、コントローラPNを有線又は無線によりコントローラCNTに接続する(例えばインターネット接続する)ことにより遠隔地から制御を行なうようにしてもよい。
上記した実施形態によれば、スピーカS11,S21を防音室10内で最も効果が大きい上部で対角をなすコーナー位置に外向きにそれぞれ設けると共にマイクロホンM,MをスピーカS11,S21の設置位置に対応するコーナー以外で音収集効率のよい対角をなすコーナー位置にそれぞれ設け、スピーカS12,S22をスピーカS11,S21より下方で且つ床面から約1〜1.5mの範囲内でスピーカS11,S21の設置位置に対応するコーナー以外の対角をなすコーナー位置にそれぞれ設け、しかもマイクロホンM,Mからの音信号をそれぞれ入力とする信号処理チャンネルSP,SPにより初期反射音信号及び残響音信号を含む間接音信号を形成して逆位相接続の2組のスピーカS11−S12,S21−S22にそれぞれ供給するようにしたので、圧迫感や閉塞感のある防音室10の狭い空間を有効に活用して演奏ホールのような空間感や音の拡がり感が豊かな音場効果を得ることができる。
図10は、スピーカ接続の変形例を示すものである。出力アンプ52のプラス端子及びマイナス端子には、アッテネータ53を介してスピーカS11のプラス端子及びマイナス端子がそれぞれ接続されると共に、アッテネータ53を介さずにスピーカS12のマイナス端子及びプラス端子がそれぞれ接続される。
図10の変形例によれば、スピーカS11,S12は互いに逆位相となるように並列接続された状態となる。また、スピーカS11は、アッテネータ53を介して音信号を受取るので、スピーカS12より音量が小さくなる。図10の接続形態は、スピーカS21,S22にも適用することができる。スピーカS11,S21は、部屋の上部でコーナー位置に設置されるので、音量が大き目になることがあり、図10のような接続にすることで音量の適正化を図ることができる。
この発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、種々の改変形態で実施可能なものである。例えば、次のような変更が可能である。
(1)スピーカS11,S21は、部屋内の上部のコーナー位置に限らず、部屋内の上部で稜線上等の互いに離間した位置にそれぞれ設けてもよい。
(2)スピーカS12,S22は、コーナー位置に限らず、稜線上、壁面上等の互いに離間した位置にそれぞれ設けてもよい。
(3)マイクロホンM,Mは、部屋内の上部のコーナー位置に限らず、前後左右の壁面、天井面及び床面のうちの1又は複数の面あるいは稜線上等の互いに離間した位置に設けてもよい。
(4)信号処理チャンネルを4チャンネルとして、スピーカを各チャンネル毎に2個で合計8個設けるようにしてもよい。また、スピーカは、1つの信号処理チャンネルにつき2個設ける例を示したが、2個以上の複数設けることも可能であり、その際には直並列接続方式を利用してもよい。
(5)間接音信号としては、初期反射音信号及び残響音信号を形成する例を示したが、残響音信号を省略することもできる。
この発明の一実施形態に係る室内音響生成装置が用いられる音楽練習用防音室を示す斜視図である。 図1のA−A’線に沿う横断面図である。 図1のB−B’線に沿う横断面図である。 図1のC−C’線に沿う縦断面図である。 図1のD−D’線に沿う縦断面図である。 図1の防音室で用いられる室内音響生成装置を示すブロック図である。 図6の室内音響生成装置における第1の信号処理チャンネルを示すブロック図である。 演奏ホールにおける種々の音を示すタイミング図である。 ローパスフィルタにおいて選択的に設定される周波数特性を示す特性図である。 スピーカ接続の変形例を示す回路図である。
符号の説明
10:防音室、34:初期遅延回路、36:初期反射音形成回路、38:残響音形成回路、42:ハウリング防止回路、音色調整用ローパスフィルタ、M,M:マイクロホン、SP,SP:信号処理チャンネル、CNT:コントローラ、S11,S12,S21,S22:スピーカ。

Claims (4)

  1. 部屋内で発生される音に基づいて間接音を含む室内音響を生成する室内音響生成装置であって、
    前記部屋内の上部で互いに離間した位置に前記部屋の外側に向けてそれぞれ設けられた複数の第1のスピーカと、
    前記部屋内において前記複数の第1のスピーカより下方で且つ床面より上方で互いに離間した位置に前記部屋の内側に向けてそれぞれ設けられた複数の第2のスピーカであって、前記複数の第1のスピーカとそれぞれ組をなし、各組毎に第1のスピーカに第2のスピーカを逆位相となるように接続したものと、
    前記部屋内において前後左右の壁面、天井面及び床面のうちの1又は複数の面あるいは稜線上に互いに離間して前記音を受取るべく設けられた複数のマイクロホンと、
    前記複数の第1及び第2のスピーカが構成する複数の組にそれぞれ対応し且つ前記複数のマイクロホンにそれぞれ対応する複数の信号処理チャンネルを有する処理手段であって、各信号処理チャンネルが対応するマイクロホンからの音信号に基づいて間接音信号を形成して対応する組の第1及び第2のスピーカに供給するものとを備え、前記複数の組の第1及び第2のスピーカを介して前記室内音響を生成する室内音響生成装置。
  2. 前記複数の第1のスピーカを前記部屋内の上部で対角をなすコーナー位置にそれぞれ設けた請求項1記載の室内音響生成装置。
  3. 前記複数の第2のスピーカを前記部屋内において前記複数の第1のスピーカの設置位置に対応するコーナー以外で対角をなすコーナー位置にそれぞれ設けた請求項2記載の室内音響生成装置。
  4. 前記複数のマイクロホンを前記部屋内の上部において前記複数の第1のスピーカの設置位置に対応するコーナー以外で対角をなすコーナー位置にそれぞれ設けた請求項2又は3記載の室内音響生成装置。
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