JP4254499B2 - 質量分析用マイクロチップおよびこれを用いた質量分析装置 - Google Patents

質量分析用マイクロチップおよびこれを用いた質量分析装置 Download PDF

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Description

本発明は、質量分析装置に供給する分析試料の調製を行うための質量分析用マイクロチップに関し、さらに詳細には分析試料をイオン化する際に用いるマイクロチップ型のイオン化部品に関する。また、本発明は質量分析用マイクロチップを用いて質量分析を行う質量分析装置に関する。
質量分析装置のイオン源は、各種方法が考案されている。
固体や半固体上の試料をTOFMS(飛行時間型質量分析装置)で測定する場合には、レーザ照射により試料を飛散させてイオン化するMALDI法が多用されている。これは、MALDI法が試料中の高分子イオンを高分子イオンとしての特徴を残したままソフトにイオン化できる特徴を有するとともに、パルス的なレーザ照射によるイオン化が、間欠的に測定が行なわれるTOFMS測定に適しているからである。
しかしながら、MALDI法による測定では、あらかじめ別の工程で試料の分離精製を行った後、MALDI照射用のマイクロセルプレートに分注し、試料が注入されたマイクロセルプレートを質量分析装置に取り付けて測定を行う。これらの作業は独立して処理される複数の工程が介在する不連続な作業であり自動化が困難である。もちろんロボット機構を用いて自動化を進めることもできないわけではないが、たとえ自動化したとしても不連続な作業は、作業中に試料内にコンタミ物質が混入しやすく、微量試料の測定ではコンタミ物質の混入は測定結果に不確かさを与える原因となる。
また、ESI(エレクロトスプレーイオン化法)等の大気圧イオン化法を用いた質量分析装置と液体クロマトグラフ装置とを結合したLCMS(液体クロマトグラフ質量分析装置)では、カラムにより成分分離された液体試料が連続的にイオン源に送り込まれ、イオン源に送り込まれた液体試料が順次イオン化されて質量分析装置の検出器(この場合の検出器にはイオントラップ型検出器、四重極型検出器が用いられる)に送られ、連続測定が行われる。
しかしながら、ESI等の大気圧イオン化法をTOFMSやイオントラップ型質量分析装置のイオン源として組み合わせた場合、TOFMSやイオントラップ型質量分析装置では、間欠的に測定が行われるため、測定タイミング以外にイオン源に導入された試料は測定されずに廃棄されることとなり、試料の利用効率は決してよくない。
近年、生体試料などを扱うバイオ分野での質量分析の重要さが増すにつれて、蛋白などの微量試料を質量分析する機会が増えており、質量分析装置側では微量試料の利用効率を高め、試料を有効に利用した測定を行う必要が生じている。
特に、イオントラップ検出器を用いるイオントラップ型質量分析装置では試料の有効利用に対する要求が強く、微量試料での測定が可能なパルスイオン源が求められている。
特開平9−320515号公報 特開2003−16992号公報
そこで本発明は、微量試料を有効に利用して質量分析を行うことができる質量分析装置および微量試料の質量分析に適した新しいイオン化用部品を提供することを目的とする。
また、本発明は、TOFMSやイオントラップ型質量分析装置のように、間欠的に測定がなされる質量分析装置のイオン化に適したイオン化部品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、質量分析のための試料を調製するための質量分析用マイクロチップであって、試料導入部と、試料導入部に連通する流路上に形成され、試料導入部から流れてくる試料の一部を順次切り取る試料切取部と、複数の試料貯蔵部と、試料切取部と各試料貯蔵部とを流路接続し、試料切取部で切り取られた試料の一部をそれぞれいずれかの試料貯蔵部に送るための分岐流路と、分岐流路にそれぞれ設けられる分岐流路開閉バルブと、試料貯蔵部に連通し、試料貯蔵部に貯留された試料を取り出す取出流路とを備えるようにしている。
この発明によれば、試料導入部から注入された試料は試料切取部に送られて一定量ずつ切り取られる。切り取られた各微量試料は、それぞれ分岐流路開閉バルブにより選択されたいずれかの分岐流路に送られ、各分岐流路に設けられた試料貯蔵部に貯留される。このようにして試料切取部で切り取られた各微量試料はそれぞれ別々の試料貯蔵部に独立して貯留される。そして質量分析装置で測定を行う際に、測定対象の微量試料を選択して試料貯蔵部から取出流路を介して質量分析装置に導入する。このようにして試料貯蔵部に貯留された試料を必要なタイミングで順次取り出すようにして質量分析を行う。
また、第2の発明の質量分析用マイクロチップは、取出流路が、マイクロチップ外壁に形成された吐出用ノズルに連通するようにしている。この発明によれば、チップ外壁のノズルから吐出する試料を質量分析装置に送るようにして質量分析を行う。
また、第3の発明の質量分析用マイクロチップは、試料導入部と試料切取部との間の流路に、試料導入部から導入された試料を成分ごとに分離する試料分離部をさらに備えるようにしている。この発明によれば、注入された試料は試料分離部において成分ごとに分離されるので、成分ごとに分離した微量試料を各試料貯蔵部に貯留する。
また、第4の発明の質量分析用マイクロチップは、試料分離部には成分ごとに分離するためのクロマトグラフィ用カラムまたは電気泳動用カラムが形成されるようにしている。この発明によれば、クロマトグラフィ用カラム剤または電気泳動用カラム剤がチップ上に形成された流路に形成されており、これにより試料が成分ごとに分離される。
また、第5の発明の質量分析用マイクロチップは、試料切取部が、前側流路切替部と後側流路切替部とに挟まれた切取流路と、前側流路切替部から分岐しベントポートに接続されるベント流路と、後側流路切替部から分岐し排出ポートに接続される排出流路とからなるようにしている。この発明によれば、切り取りたい試料部分が前側流路切替部と後側流路切替部との間に来るまでは後側流路切替部は排出流路側に流れるようにして試料導入部側から試料を下流側に駆動して排出ポートにするようにする。切り取りたい試料部分が前側流路切替部と後側流路切替部との間に来ると、後側流路切替部は流路を分岐流路の方に切り替える。そして、前側流路切替部をベント流路側に切り替えて、ベント流路から選択された一つの分岐流路開閉バルブを介して試料貯蔵部に送るように試料を駆動するようにする。そして試料が試料貯蔵部に貯留されると、後側流路切替部が再び排出流路側に切り替わり、次に切り取りたい試料が来るまで待つ。以下、同様の手順で順次切り取りたい試料部分を試料導入部に貯留する。
なお、切り取りたい試料位置を確認するための検出機構を設けてもよい。例えばバルブの前に光検出器や蛍光センサーなどのセンサーを設けることができる。また、試料分離部から導入した試料量により位置決めしてもよい。
また、第6の発明の質量分析用マイクロチップは、前側流路切替部および後側流路切替部が、三方バルブにより形成されるようにしている。この発明によれば、三方弁によりベント流路の切り替え、排出流路の切り替えが簡単に行うことができる。
また、第7の発明の質量分析用マイクロチップは、試料切取部と分岐流路との間に試薬または溶媒を注入するための試薬溶媒導入部をさらに設けるようにしている。
この発明によれば、試薬溶媒導入部から試薬や溶媒を注入することにより、試料を希釈したり、反応させたりして質量分析前に種々の前処理を行うようにすることができる。
また、第8の発明の質量分析用マイクロチップは、さらにレーザ照射によるイオン化のためのイオン化用の開口部が形成され、取出流路は開口部に連通するようにしている。
この発明によれば、質量分析用マイクロチップを質量分析装置本体のイオン化部に直接取り付ける。そして選択した一つの試料貯蔵部から試料取出用開閉バルブを介して微量試料をイオン化開口部に送り、質量分析装置のレーザ光源からレーザ照射を行うことによりイオン化が行われる。
また、第9の発明の質量分析用マイクロチップは、イオン化用の開口部にレーザ光を導く導波路をさらに形成するようにしている。
この発明によれば導波路を介してレーザ光を正確かつ効率的にイオン化開口部に導く。
また、第10の発明の質量分析用マイクロチップは、上述した吐出用ノズルを備えた質量分析用マイクロチップと、試料の質量分析を行う質量分析部を有する質量分析装置本体と、質量分析用マイクロチップの吐出用ノズルから吐出される試料を質量分析部に導入するためのインターフェース部とを備えるようにしている。
この発明によれば、吐出用ノズルから吐出される試料がインターフェース部から質量分析部に導入され、質量分析部にて試料の質量分析を行われる。
また、第11の発明の質量分析装置は、上述した質量分析装置のインターフェース部において、質量分析用マイクロチップの吐出ノズルに対向する位置に配置され、吐出ノズルから吐出される試料を質量分析部に導入するための小孔が形成されるようにしている。
この発明によれば、大気圧下に置かれた質量分析用マイクロチップの吐出ノズルがインターフェース部の小孔に対向している。質量分析部は真空に維持されているので、この小孔により差圧が形成されている。吐出ノズルから微量試料が吐出されると、試料がこの小孔を通過して質量分析部に導入され、質量分析が行われる。
また、第12の発明である質量分析装置は、上述したイオン化開口部を有する質量分析用マイクロチップと、イオン化部およびイオン化部でイオン化された試料の質量分析を行う質量分析部とを有する質量分析装置本体とを備え、イオン化部はレーザ光源を有し、質量分析用マイクロチップ上のイオン化開口部にレーザ光を照射するようにしてイオン化を行うようにしている。
この発明によれば、質量分析用マイクロチップを質量分析装置のイオン化部に取り付けて、レーザ光源からレーザをイオン化開口部に照射してイオン化し、イオン化された試料を質量分析部に導いて質量分析を行う。
第1の発明の質量分析用マイクロチップによれば、導入された試料のうち分析に必要な一部分のみを微量ずつ切り取って一旦試料貯蔵部に貯留することができるので、必要最小限の試料のみを供給すればよい。また、試料を必要なときに必要な試料のみを質量分析装置に送り出すことができるので、廃棄される試料を見越して多めに試料を準備する必要がなく、無駄に試料を廃棄することがなくなる。
第2の発明の質量分析用マイクロチップによれば、マイクロチップ外壁の吐出用ノズルから試料が吐出されるので、吐出用ノズルに配管を接続して質量分析装置に送るようにすれば試料貯蔵部に貯留された微量試料を必要なときに簡単に質量分析装置に送ることができる。
第3の発明の質量分析用マイクロチップによれば、試料導入部と試料切取部との間の流路に導入された試料を成分ごとに分離する試料分離部をさらに備えている。
この発明によれば、注入された試料は試料分離部において成分ごとに分離した上で試料貯蔵部に貯留することができるので、あらかじめ成分分離した試料を供給する必要がなくなる。
第4の発明の質量分析用マイクロチップによれば、試料分離部にクロマトグラフィ用カラムまたは電気泳動用カラムが形成されているので、クロマトグラフィや電気泳動法により分離された成分を成分ごとに試料貯蔵部に貯留することができ、さらに貯留した微量試料を必要な時期に質量分析装置本体に送ることができる。
第5の発明の質量分析用マイクロチップによれば、前側流路切替部と後側流路切替部との流路切替により、必要な微量試料部分のみを試料貯蔵部に送って貯留することができ、その他の溶媒、不要試料成分は質量分析装置に送らずにベントポート、排出ポートを利用して排出ポートから廃棄することができるので、不要な測定が行われずに済ませることができ、また配管洗浄も減らすことができる。
第6の発明の質量分析用マイクロチップによれば、前側流路切替部および後側流路切替部は、三方バルブより簡単に流路切替を行うことができる。
第7の発明の質量分析用マイクロチップによれば、試薬溶媒導入部から試薬や溶媒を注入することにより、試料を希釈したり、反応させたりして質量分析前に種々の前処理を行うようにすることができる。また、試料貯蔵部での貯留時間を調整して質量分析装置に送ることにより、反応後の経時的な変化についても分析を行うことができる。
第8の発明の質量分析用マイクロチップによれば、当該チップを質量分析装置本体のイオン化部に直接取り付けてレーザ照射することにより、必要な微量試料を必要なときに簡単にイオン化することができる。特にTOFMSやイオントラップ型質量分析装置における間欠的な分析をレーザ照射のタイミングに同期させることで効率的な分析と行うことができる。
第9の発明の質量分析用マイクロチップによれば、チップに形成された導波路を介してイオン化用の開口部にレーザ光を導くようにしているので、レーザ光源の光路を単に導波路に導けばよく、光学系の位置合わせが簡単にできる。
また、第10の発明である質量分析装置によれば、質量分析用マイクロチップの試料貯蔵部に一旦必要な試料のみを貯留し、貯留された微量試料を適当な時期にインターフェース部を介して質量分析装置本体に送ることができるので、準備できる試料量が微量であっても確実に分析を行うことができる。
また、第11の発明の質量分析装置によれば、吐出ノズルから微量試料が吐出されるとほぼすべての試料がこの小孔を通過して質量分析部に導入されるので、微量試料で質量分析を行うことができる。
第12の発明である質量分析装置によれば、質量分析用マイクロチップが直接質量分析装置本体のイオン化部に取り付けられ、イオン化開口部にレーザ照射されることでイオン化された試料の質量分析を行うので、レーザ照射と質量分析部による質量分析とを簡単に同期させて分析することができる。特にTOFMSやイオントラップ型質量分析装置で間欠的な測定を行う際に測定のタイミングとの同期を簡単にとることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。なお、以下に説明する実施例は一例にすぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変形実施することが可能である。
マイクロチップの構成
図1は、本発明の一実施例である質量分析用マイクロチップの構成を示す平面図、図2はその斜視図である。
この質量分析用マイクロチップ1は、必要な孔加工や溝加工を施したベースプレート、カバープレートからなる2枚の石英ガラスを貼り合わせるようにして形成される。
マイクロチップ1の上面には、試料導入部となる試料導入ポート12、ベントポート14、排出ポート16の3つの開口が形成され、各ポートは図示しない外部流路から試料液や溶媒液を供給したり排出したりできるようにしてある。
マイクロチップ1の内部には、上流側から順に、試料導入ポート12に連通する分離流路18、分離流路18に対して三方バルブVA(前側流路切替部)を介して流路接続される切取流路20、切取流路20に対して三方バルブVB(後側流路切替部)を介して流路接続され、末端側が複数に分岐する分岐流路22(各分岐部分は分岐流路22−1、22−2、22−3とする)、分岐流路22の末端に連通し、試料を貯留するための試料貯蔵部24(各試料貯蔵部は24−1、24−2、24−3とする)が形成される。また、分岐流路22の途中には分岐流路開閉バルブVC(各分岐流路開閉バルブはVC−1、VC−2、VC−3とする)が形成され、それぞれの分岐流路22−1、22−2、22−3を開閉可能にしている。試料貯蔵部24の下流側には、マイクロチップ外壁に設けられるノズル26と連通する取出流路28(各取出流路は28−1、28−2、28−3とする)が形成される。
マイクロチップ1に用いられる開閉バルブや三方バルブは、ダイアフラムバルブのような可動部が機械的に動作するバルブに限られず、EWOD(electro wetting on Dielectric)を用いて流路内面の濡れ性を制御して流体の方向を切り替えるバルブ、あるいは流路内面を構成する素材の濡れ性の違いと流体にかかる圧力を利用して流体の方向を切り替えるパッシブバルブのような可動部がないバルブでもよい。要するに流路切り替えが可能であればよい。
また、三方バルブVAから分岐するベント流路30が形成され、ベントポート14に連通する。同様に三方バルブVBから分岐する排出流路32が形成され、排出ポート16に連通する。
分離流路18は、導入された試料をマイクロチップ1内で成分ごとに分離するための流路部分であり、試料に応じてクロマトグラフィ用カラム剤が用いられたり、電気泳動用カラムが用いられたりする。なお、試料導入部12に導入する前工程であらかじめ分離した試料を導入する場合は、この流路部分で分離を行う必要はないので、単なる接続流路として用いられる。また、前工程で分離した試料をマイクロチップ1内の分離流路18でさらに分離するようにしてもよい。
三方バルブVAは、分離流路18と切取流路20との間、ベント流路30と切取流路20との間のいずれかを選択的に接続するように切り替えられる。三方バルブVBは、切取流路20と排出流路32との間、切取流路20と分岐流路22との間のいずれかを選択的に接続するように切り替えられる。
切取流路20は、2つの三方バルブVA、VBではさまれた流路であり、バルブ操作により2つのバルブVA、VB間に閉じ込められた試料部分の下流側の流れ方向を切り替えることにより、当該試料部分を切り取る。
分岐流路22は三方バルブVBの下流で分岐し、各分岐流路22−1、22−2、22−3のうち分岐流路開閉バルブVC−1、VC−2、VC−3のいずれか1つが選択的に開くと、対応する分岐流路22に試料が送られるようになっている。
各試料貯蔵部24−1、24−2、24−3には孔加工が施され、その底部には開口が形成してある。そして試料貯蔵部それぞれの底部の開口を塞ぐようにプラスチック製の底部材が取り付けてあり、さらにこの底部材の下方に底部材を昇降させるための圧電素子からなる吐出用アクチュエータ34(各吐出用アクチュエータは34−1、34−2、34−3という)が取り付けてある(図1、図4参照)。そして吐出用アクチュエータ34が通電されることにより、底部材が上昇して試料貯蔵部24内の液体が加圧され、取出流路28を流れてノズル26から吐出されるようにしてある。
質量分析装置の構成
次に、上記のマイクロチップ1を用いて質量分析を行うための質量分析装置について図を用いて説明する。図3は本発明の一実施例である質量分析装置の構成を示す概略平面図である。
この質量分析装置50は、マイクロチップ1と、マイクロチップ1の吐出ノズル26(図1参照)に対向する位置にあるインターフェース部60と、インターフェース部60に流路接続され試料の質量分析を行う質量分析装置本体70とからなる。本実施例では、質量分析装置本体70はイオンガイド73を有するイオンガイド部71とイオントラップ75を有する質量分析部72とが組み合わされた構成としてある。なお、インターフェース部60や質量分析部72はこれらに限られるものではない。
インターフェース部60は、密閉された空間となっており、インターフェース部60の壁面の一部には小孔61が形成された試料導入部62が設けられており、この小孔61を介して質量分析装置本体70のイオンガイド部71と連通するようにしてある。マイクロチップ1から吐出される試料の流れの周囲には乾燥ガス(例えば加温した窒素ガス)が流れるようにマイクロチップ1と試料導入部62との間に図示しないガス供給系が形成されている。さらに小孔61を有する試料導入部62は場合により、部分的に加熱されることもあり、加熱機構が組み込まれている。
また、マイクロチップ1と試料導入部62との間には高圧電源80が接続されており、電圧を印加できるようにしてある。
質量分析装置本体70は、イオンガイド部71と質量分析部72とが隔壁により仕切られており、質量分析部72は高真空(およそ10−4Pa)に、イオンガイド部71は中真空(およそ10−1〜10−2Pa)に保たれている。なお、インターフェース部60はおおよそ大気圧である。
また、この質量分析装置50は、質量分析の際にマイクロチップ1、インターフェース部60、質量分析装置本体70を含むシステム全体の制御を行う制御部82を有する。すなわち、マイクロチップ1に対しては、三方バルブVA、VBの流れ方向制御、分岐流路開閉バルブVCの開閉制御、圧電素子34による試料液の吐出制御、さらにはマイクロチップ1の底面側に取り付けた試料位置をモニタするための図示しない試料モニタ(例えば吸光度検出器)の制御を行い、インターフェース部60に対しては高電圧電源80の印加制御を行い、質量分析装置本体70に対しては、イオンガイド73、イオントラップ75の制御を行う。
マイクロチップによる試料の分取貯蔵工程
次に、マイクロチップ1を用いて試料を貯蔵する際の手順について図を用いて説明する。ここでは便宜上マイクロチップ1の前段にある図示しない流路から供給される試料が、既に成分分離された状態で送られるものとして説明するが、分離流路18において成分されるものであっても構わない。また、試料液は、マイクロチップ1の前段で加圧されており、圧力差が駆動力となって下流側のマイクロチップ1に流れてくるものとする。例えば前段に液体クロマトグラフ装置が接続されている場合が一例として挙げられるが、これに限られるわけではない。
図4は、三方バルブVA、VBの切替操作によって微量試料の分取および貯蔵を行う工程を説明する図であり、以下の(a)工程から(h)工程を順次実行することにより必要な微量試料成分をそれぞれ試料貯蔵部に別々に貯留する。
(a)工程
前側流路切替部として機能する三方バルブVAは分離流路18と切取流路20とが連通する状態(分離流路側状態という)におかれ、後側流路切替部として機能する三方バルブVBは切取流路20と分離流路32とが連通する状態(排出流路側状態という)におかれる。
マイクロチップ1の前段から試料導入ポート12に導入されて分離流路18を流れる試料液体は、順次下流側に流れるが、このとき分離流路18の底部に設けた図示しない試料モニタでモニタされており、最初の成分1が切取流路20に達するまでこの状態が維持される。したがって成分1より前を流れる不要な溶媒、不要な成分については排出ポートに廃棄される。
(b)工程
成分1が切取流路20に達すると、成分1を第1の貯留部である試料貯蔵部24−1に導くため、分岐流路開閉バルブVC−1を開き、他の分岐流路開閉バルブVC−2、VC−3を閉じた状態で、三方バルブVBを切取流路20と分岐流路22とが連通する状態(分岐流路側状態という)に切り替える。
(c)工程
成分1を第1の貯留部である試料貯蔵部24−1に導くため、分岐流路開閉バルブVC−1を開き、他の分岐流路開閉バルブVC−2、VC−3を閉じたままの状態で、三方バルブVAをベント流路30と切取流路20とが連通する状態(ベント流路側状態という)に切り替える。そして成分2が三方バルブVAに達する前に成分1を試料貯蔵部24−1に達するように圧送する。
(d)工程
成分1が試料貯蔵部24−1に達すると三方バルブVAを分離流路側状態に切り替え、三方バルブVBを排出流路側状態に切り替え、試料を流す。そして成分2が切取流路20に達するまで待つ。
そして成分2が切取流路20に達すると、成分2を第2の貯留部である試料貯蔵部24−2に導くため、分岐流路開閉バルブVC−2を開き、他の分岐流路開閉バルブVC−1、VC−3を閉じた状態で、三方バルブVBを分岐流路側状態に切り替える。
(e)工程
成分2を第2の貯留部である試料貯蔵部24−2に導くため、分岐流路開閉バルブVC−2を開き、他の分岐流路開閉バルブVC−1、VC−3を閉じたままの状態で、三方バルブVAをベント流路側状態に切り替える。そして成分3が三方バルブVAに達する前に成分2を試料貯蔵部24−2に圧送する。
(f)工程
成分2が試料貯蔵部24−2に達すると三方バルブVAを分離流路側状態に切り替え、三方バルブVBを排出流路側状態に切り替え、試料を流す。そして成分3が切取流路20に達するまで待つ。
そして成分3が切取流路20に達すると、成分3を第3の貯留部である試料貯蔵部24−3に導くため、分岐流路開閉バルブVC−3を開き、他の分岐流路開閉バルブVC−1、VC−2を閉じた状態で、三方バルブVBを分岐流路側状態に切り替える。
(g)工程
成分3を第3の貯留部である試料貯蔵部24−3に導くため、分岐流路開閉バルブVC−3を開き、他の分岐流路開閉バルブVC−1、VC−2を閉じたままの状態で、三方バルブVAをベント流路側状態に切り替える。そして成分3を試料貯蔵部24−3に圧送する
(h)工程
成分1から成分3をそれぞれ別の試料貯蔵部24−1、24−2、24−3に貯留し終えると、三方バルブVAを分離流路側状態、三方バルブVBを排出流路側状態に切り替え、分岐流路開閉バルブVC1〜VC3を閉じる。これにより、後から流れてくる不要な試料や溶媒は排出ポートに廃棄される。
質量分析装置による分析工程
次にマイクロチップに分取貯蔵された微量試料を質量分析装置本体に送り、分析する動作について説明する。ここでは、試料貯蔵部24−1、24−2、24−3に貯留されている微量試料をこの順で測定するものとする。分析は以下の(i)工程から(h)工程を順次実行することにより微量試料をそれぞれ所望のタイミングで別々に分析する。
(i)工程
あらかじめ、質量分析装置本体70をいつでも測定可能なスタンバイ状態まで立ち上げ、試料が供給されるのを待つ。
(j)工程
分岐流路開閉バルブVC−1〜VC−3を閉じ、成分1が貯留してある試料貯蔵部24−1内を吐出用アクチュエータ34−1により加圧し、一定量の試料となる試料液滴を高電界が印加されたインターフェース部60の空間に吐出する。
(k)工程
吐出された成分1の微量試料はイオン化され、インターフェース部60の小孔61(キャピラリー)を通過する。微量試料は小孔61を通過する間に脱溶媒化され微細化されてイオンガイド部71に入り、イオンガイド73により導かれて質量分析部72に入る。質量分析部72では、入ってきたイオンをイオントラップ型検出器75により電磁的に処理しつつ質量分析がなされる。
(l)工程
成分1の質量分析が終了すると、成分2が貯留してある試料貯蔵部24−2内を吐出用アクチュエータ34−2により加圧し、一定量の試料となる試料液滴を高電界が印加されたインターフェース部60の空間に吐出する。以下同様の工程で質量分析がなされる。
(m)工程
成分2の質量分析が終了すると、成分3が貯留してある試料貯蔵部24−3内を吐出用アクチュエータ34−3により加圧し、一定量の試料となる試料液滴を高電界が印加されたインターフェース部60の空間に吐出する。以下同様の工程で質量分析がなされる。
マイクロチップの変形例
次に、図1、図2に示したマイクロチップの変形実施例について説明する。
図5は本発明の他の一実施例である質量分析用マイクロチップの概略構成を示す図である。図5において図1、図2と同じものについては同符号を付すことにより説明を省略する。
図5のマイクロチップ2では、試料貯蔵部24−1、24−2、24−3の下流側の取出流路に開閉バルブ25−1、25−2、25−3をさらに設けている点が図1、図2の実施例と異なる。
このマイクロチップ2によれば、試料貯蔵部24を挟んだ両側の開閉バルブを閉じておくことにより、試料貯蔵部24内の試料を密閉状態で貯留しておくことができるのでコンタミ物質の影響を受けにくくすることができる。
図6は本発明の他の一実施例である質量分析用マイクロチップの概略構成を示す図である。図6において図1、図2と同じものについては同符号を付すことにより説明を省略する。本実施例は、マイクロチップ内で電気泳動法により試料を成分分離した上で試料を貯蔵し、その後質量分析を行うものである。
本実施例のマイクロチップ3は、分離流路18に交差点Xで交差するように試料導入流路13が形成され、その両端に試料導入ポート12a、第2電極ポート12bが形成される。また、分離流路18の上流端には第3電極ポート12cが形成される(すなわち、本実施例では図1における試料導入ポート12が第3電極ポート12cとなる)。また、分離流路18は電気泳動用カラムである。
これらの試料導入ポート12a、第2電極ポート12b、第3電極ポート12cおよび排出ポート16aには各ポート内の試料液に外部から電圧が印加できるように電極が形成されている。
本実施例のマイクロチップ3では、試料導入ポート12aから切取流路20までの試料の移動には、電位勾配により生じる泳動現象が利用される。すなわち、試料導入ポート12aから導入された試料は、試料導入ポート12aと第2電極ポート12b間の電位差により交差点Xに向けて泳動する。測定しようとする試料の一部が交差点Xに達すると第3電極ポート12cと排出ポート16a間に電位差がかかるように電圧が調整される。
これにより試料の一部が分離流路18側に泳動し、分離流路18内で成分ごとに分離しながら三方バルブVAの方に流れていく。そして、最初の分離成分が切取流路20に達すると、実施例1と同様の手順によりベントポート14から圧縮空気を導入し圧力差により試料を試料貯蔵部24−1導く。これ以降、実施例1と同様の手順で成分ごとに順次別の試料貯蔵部に貯留していく。
図7は、本発明の他の一実施例である質量分析用マイクロチップの概略構成を示す図である。図7において図1、図2と同じものについては同符号を付すことにより説明を省略する。本実施例は、マイクロチップ内で親水性度を変化させることにより、分岐流路22での試料の流れ方向の切り替えを行うものである。
本実施例のマイクロチップ4は、分岐流路22における分岐点Y0直後の各分岐流路22−1、22−2、22−3の位置に狭窄部分Y1、Y2、Y3を形成し、この部分に電圧が印加できるようにしてある。そして切取流路20で切り取られた微量試料が分岐点に近づいたときに狭窄部Y1、Y2、Y3に印加する電圧を制御する(試料表面のゼータ電位を変化させて、流れ性を変化させる)ことにより、いずれかの分岐流路に進むようにする。これにより分岐点Y0でむだなく正確に流路切り替えすることができる。
図8は本発明の他の一実施例である質量分析用マイクロチップの概略構成を示す図である。図8において図1、図2と同じものについては同符号を付すことにより説明を省略する。本実施例は、マイクロチップ内で試料に試薬、溶媒を混合できるようにしてある。
本実施例のマイクロチップ5は、試薬、溶媒を供給するための試薬・溶媒導入ポート40と試薬溶媒流路42とからなる試薬溶媒導入部が形成され、分岐流路22における分岐点Y0の直前に連通するようにしてある。そして必要に応じて試料貯蔵部24に試薬あるいは溶媒を供給し、試料貯蔵部24内で化学反応を起こしたり希釈したりした上で質量分析装置に送るようにする。
以上いくつかの変形例を説明したが、これらは一例にすぎない。また、マイクロチップに形成される試料貯蔵部の数や形状は、必要に応じて変形してもよいことはいうまでもない。
図9は本発明の他の一実施例である質量分析用マイクロチップの平面図、図10はその斜視図である。
この質量分析用マイクロチップ6は、実施例1で説明したようなインターフェース部60を介して質量分析装置に接続されるマイクロチップ1〜5と異なり、直接マイクロチップ自体を質量分析装置のイオン化部に入れて用いるものである。なお、図1、図2と同じものは同一符号を付すことにより説明を省略する。
このマイクロチップ6では、試料にレーザを照射するための有底の開口44が形成されるとともに試料貯蔵部24−1、24−2、24−3の下流側の取出流路28−1、28−2、28−3が開口44に連通するように形成されている。また、取出流路28−1、28−2,28−3の途中には開閉バルブ25−1、25−2、25−3が設けられている。さらにマイクロチップ6の側壁面から開口44に至る導波路46が形成され、側壁面の導波路部分からレーザ光を照射することにより、開口44内の試料にレーザが照射され試料がイオン化できるようになっている。
図11は上述したマイクロチップ6(図9)を用いて質量分析を行うための質量分析装置の概略構成を示す図である。
この質量分析装置90は、飛行時間型(TOF)の検出器92と、マイクロチップ6の開口44にレーザ光を照射するためのレーザ光源94と、レーザ光により励起されて開口44から飛び出したイオンを所望の方向に進行させるためのイオンレンズ96とからなる。そして、検出器92、レーザ光源94、イオンレンズ96の制御およびマイクロチップ6のバルブ制御は制御部98により制御される。
次に、本装置による質量分析の動作について説明する。ここでは実施例1と同様の手順により、既にマイクロチップ6の試料貯蔵部24−1、24−2、24−3に微量試料が貯留されているものとする。
分岐流路開閉バルブVC1〜VC3を閉じ、開閉バルブ25−1を開き、開閉バルブ25−2、25−3を閉じた状態で試料貯蔵部24−1の吐出アクチュエータ34−1を駆動して試料貯蔵部24−1に貯留されていた成分1の微量試料を開口44に送り出す。
検出器92が測定可能な状態であるときに、レーザ光源94からマイクロチップの開口44にレーザを照射することにより、開口44内の試料は励起されてイオン化し、空間に飛び出す。飛び出したイオンはイオンレンズ96により検出器92に送られ、その質量分析が行われる。
最初の質量分析を行った後、しばらくして検出器92が測定可能になるとレーザ光源94から再びレーザが照射され2回目の質量分析が行われる。このように間欠的に測定が繰り返される。
成分1の測定が終わると、開閉バルブ25−2を開き、他の開閉バルブを閉じ、吐出用アクチュエータ34−2を駆動して試料貯蔵部24−2に貯留された成分2の微量試料を開口44に送って同様の質量分析を行う。以下、同様の操作を繰り返すことにより順次微量試料の質量分析がなされる。
本発明は、質量分析装置のイオン化過程で消費する試料量を微量にすることができるので、希少試料の質量分析装置に有用である。また、TOFやイオントラップ型質量分析装置のように間欠的に分析を行う質量分析装置でのイオン化に有用である。
本発明の一実施例である質量分析用マイクロチップの平面構成図。 本発明の一実施例である質量分析用マイクロチップの斜視図。 本発明の一実施例である質量分析装置の概略構成を説明する図。 本発明の一実施例である質量分析用マイクロチップによる試料の分取貯蔵工程を説明する図。 本発明の他の一実施例である質量分析用マイクロチップの平面構成図。 本発明の他の一実施例である質量分析用マイクロチップの平面構成図。 本発明の他の一実施例である質量分析用マイクロチップの平面構成図。 本発明の他の一実施例である質量分析用マイクロチップの平面構成図。 本発明の他の一実施例である質量分析用マイクロチップの平面構成図。 本発明の他の一実施例である質量分析用マイクロチップの斜視図。 本発明の他の一実施例である質量分析装置の概略構成を説明する図。
符号の説明
1〜6:マイクロチップ
12:試料導入ポート(試料導入部)
14:ベントポート
16:排出ポート
18:分離流路
20:切取流路
22:分岐流路
24:試料貯蔵部
26:吐出用ノズル
28:取出流路
30:ベント流路
32:排出流路
34:吐出用アクチュエータ
40:試薬溶媒ポート
42:試薬溶媒流路
44:開口
46:導波路
50:質量分析装置
60:インターフェース部
61:小孔
62:試料導入部
70:質量分析装置本体
72:質量分析部
90:質量分析装置
92:検出器(TOF)
94:レーザ光源
VA:三方バルブ(前側流路切替部)
VB:三方バルブ(後側流路切替部)
VC:分岐流路開閉バルブ

Claims (12)

  1. 質量分析のための試料を調製するための質量分析用マイクロチップであって、
    試料導入部と、
    試料導入部に連通する流路上に形成され、試料導入部から流れてくる試料の一部を順次切り取る試料切取部と、
    複数の試料貯蔵部と、
    試料切取部と各試料貯蔵部とを流路接続し、試料切取部で切り取られた試料の一部をそれぞれいずれかの試料貯蔵部に送るための分岐流路と、
    分岐流路にそれぞれ設けられる分岐流路開閉バルブと、
    試料貯蔵部に連通し、試料貯蔵部に貯留された試料を取り出す取出流路とを備えたことを特徴とする質量分析用マイクロチップ。
  2. 取出流路は、マイクロチップ外壁に形成された吐出用ノズルに連通することを特徴とする請求項1に記載の質量分析用マイクロチップ。
  3. 試料導入部と試料切取部との間の流路に、試料導入部から導入された試料を成分ごとに分離する試料分離部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の質量分析用マイクロチップ。
  4. 試料分離部には成分ごとに分離するためのクロマトグラフィ用カラムまたは電気泳動用カラムが形成されることを特徴とする請求項3に記載の質量分析用マイクロチップ。
  5. 試料切取部は、前側流路切替部と後側流路切替部とに挟まれた切取流路と、前側流路切替部から分岐しベントポートに接続されるベント流路と、後側流路切替部から分岐し排出ポートに接続される排出流路とからなる請求項1に記載の質量分析用マイクロチップ。
  6. 前側流路切替部および後側流路切替部は、三方バルブにより形成されることを特徴とする請求項5に記載の質量分析用マイクロチップ。
  7. 試料切取部と分岐流路との間に試薬または溶媒を注入するための試薬溶媒導入部をさらに設けたことを特徴とする請求項1に記載の質量分析用マイクロチップ。
  8. 質量分析用マイクロチップには、さらにレーザ照射によるイオン化のための開口部が形成され、取出流路は開口部に連通することを特徴とする請求項1に記載の質量分析用マイクロチップ。
  9. イオン化用の開口部にレーザ光を導く導波路をさらに形成したことを特徴とする請求項8に記載の質量分析用マイクロチップ。
  10. 請求項2に記載の質量分析用マイクロチップと、試料の質量分析を行う質量分析部を有する質量分析装置本体と、質量分析用マイクロチップの吐出用ノズルから吐出される試料を質量分析部に導入するためのインターフェース部とを備えたことを特徴とする質量分析装置。
  11. インターフェース部には、質量分析用マイクロチップの吐出ノズルに対向する位置に配置され吐出ノズルから吐出される試料を質量分析部に導入するための小孔が形成されることを特徴とする請求項10に記載の質量分析装置。
  12. 請求項8に記載の質量分析用マイクロチップと、イオン化部およびイオン化部でイオン化された試料の質量分析を行う質量分析部とを有する質量分析装置本体とを備え、イオン化部はレーザ光源を有し、質量分析用マイクロチップ上のイオン化用開口部にレーザ光を照射するようにしてイオン化を行うことを特徴とする質量分析装置。
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