JP4253132B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置に関し、特に、当該撮像装置と異なる手段により生成され、着脱可能な記憶媒体に格納されている特定情報を取り扱うことができる撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像情報を格納する記録媒体に本来の目的と異なる情報を保存し、ユーザに提供する技術として、例えば、特開平11−39804号公報、特開平8−320878号公報、および特開平7−319572号公報の各々に開示されている発明が知られている。
【0003】
特開平11−39804号公報は、広告が予め記憶される価値情報記憶領域と、ユーザが通常の記憶媒体として利用できるユーザデータ記憶領域とから構成される半導体メモリと、その半導体メモリを着脱可能なデジタル電子スチルカメラとからなる発明を開示している。この発明では、半導体メモリをデジタル電子スチルカメラに装着するたびに、半導体メモリに記憶されている広告がカメラの液晶表示部に表示される。また、半導体メモリには、広告を出力した回数をカウントし、その回数が所定値になった場合に広告の出力を禁止する手段、又は、広告を最初に出力した時からの時間を計測し、その時間が所定値に達した場合に広告の出力を禁止する手段が備えられている。この発明は、半導体メモリに価値情報記憶領域を設けることにより、半導体メモリの価格低減を可能としており、また、広告の出力を制限する手段を設けることにより、その半導体メモリの使い心地を悪化させることを防止している。
【0004】
特開平8−320878号公報は、本来提供すべき第1の情報と広告等の第2の情報とを記録している記録媒体から情報を再生する情報処理装置を開示している。この情報処理装置は、第1の情報を再生している途中で、記録媒体の巻き戻し等の割り込み処理が発生すると、その割り込み処理を実行しつつ、その間、第2の情報である広告を再生する。これにより、この情報処理装置は、第1の情報の提供を妨げることなく広告等の他の情報を提供することを可能としている。
【0005】
特開平7−319572号公報は、ガイド情報付きのディスクをセットしたカメラを開示している。カメラはユーザに貸し出され、ユーザはそのカメラでガイド情報を再生できる。カメラは、ユーザがガイド情報を再生すると、その履歴を記録する。ユーザがカメラを返却すると、カメラのディスク又はメモリに記録されているガイド情報の再生履歴に基づいてユーザが課金される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ユーザが本来得ようとしている情報と異なる情報が提供された場合、ユーザはその情報に対して関心を示さないことが多い。このために、上記の従来技術では、情報をユーザに提供しても、必ずしもユーザがその情報を目にするとは限らないという問題があった。特に、同じ情報が繰り返して提供された場合、上記問題は深刻になりやすい。
【0007】
また、ユーザが記録媒体に記録されている広告等を故意または過失により消去し、情報提供の機会が失われてしまうという問題もあった。
【0008】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできる撮像装置を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第1の形態に係る撮像装置は、被写体を撮像して画像情報を生成する撮像部と、画像又は音が含まれる特定情報が予め格納されており、着脱可能である記録媒体に画像情報を格納する画像情報格納部と、撮像部を撮像可能な状態にするための準備処理を行っている時に、特定情報から画像又は音を再生する特定情報再生部とを備える。撮像部は、沈胴式のレンズ鏡胴を含み、準備処理は、レンズ鏡胴の繰り出し処理であることが好ましい。
【0010】
記録媒体には、特定情報に関する付帯情報が格納されており、特定情報再生部は、付帯情報が所定条件を満たす場合に特定情報から画像又は音を再生することが好ましい。また、この場合には、撮像装置が現在の日付を出力する日付出力部をさらに備え、付帯情報は、特定情報の再生が認められる期限を含み、特定情報再生部は、日付出力部が出力する日付が期限を過ぎていないことを条件に特定情報から前記画像又は音を再生することが好ましい。さらに、付帯情報は、特定情報が過去に再生された回数をさらに含み、特定情報再生部は、日付出力部が出力する日付が期限を過ぎておらず、かつ、回数が所定値を越えていないことを条件に特定情報から画像又は音を再生することが好ましい。さらに、付帯情報は、特定情報が過去に再生された時間の合計をさらに含み、特定情報再生部は、日付出力部が出力する日付が期限を過ぎておらず、かつ、時間の合計が所定時間を超えていないことを条件に特定情報から前記画像又は音を再生することが好ましい。
【0011】
撮像装置は、現在の日付を出力する日付出力部をさらに備え、付帯情報は、特定情報の再生が認められる期間を含み、特定情報再生部は、日付出力部が出力する日付が期間内の日付であることを条件に特定情報から画像又は音を再生する ことことが好ましい。
【0012】
また、本発明の第1の形態に係る撮像装置は、利用者の音声を取得する音声取得部をさらに備え、特定情報再生部は、音声取得部が取得した音声が所定条件を満たす場合に特定情報から画像又は音を再生することが好ましい。この場合、撮像装置は、音声取得部が取得した音声に基づいて利用者の性別を特定する性別特定部を備え、記録媒体には、特定情報に関する付帯情報であって、特定情報を提供すべき対象者の性別を指定する付帯情報が格納されており、特定情報再生部は、付帯情報で指定されている性別が性別特定部が特定した性別と一致することを条件に特定情報から画像又は音を再生することが好ましい。
【0013】
本発明の第2の形態に係る撮像装置は、被写体を撮像して画像情報を生成する撮像部と、画像又は音を含む特定情報および特定情報に関する付帯情報が予め格納されている記録媒体に画像情報を格納する画像情報格納部と、記録媒体をフォーマットできるフォーマット部と、フォーマット部が記録媒体をフォーマットする前に、特定情報を記録媒体から退避させる特定情報退避部と、フォーマット部が記録媒体をフォーマットした後に、退避させている特定情報を記録媒体に再格納する特定情報再格納部とを備える。この撮像装置は、フォーマット部が記録媒体をフォーマットしている時に、特定情報から画像又は音を再生するフォーマット時再生部をさらに備えることが好ましい。
【0014】
本発明の第3の形態に係る撮像装置は、被写体を撮像して画像情報を出力する撮像部と、画像又は音が含まれる特定情報が予め格納されており、着脱可能である記録媒体に画像情報を格納する画像情報格納部と、撮像部が出力した画像情報が所定条件を満たす場合に、特定情報から画像又は音を再生する特定情報再生部とを備える。
【0015】
この撮像装置は、画像情報から被写体の色温度を求める色温度算出部をさらに備え、記録媒体には、特定情報に付帯して格納されている付帯情報であって、色温度を指定する付帯情報が格納されており、特定情報再生部は、色温度算出部が求めた色温度と、付帯情報が指定する色温度とが一致することを条件に特定情報から画像又は音を再生することが好ましい。
【0016】
また、撮像装置は、画像情報から被写体の輝度を求める輝度算出部をさらに備え、記録媒体には、特定情報に付帯して格納されている付帯情報であって、輝度を指定する付帯情報が格納されており、特定情報再生部は、輝度換算部が求めた輝度と、付帯情報が指定する輝度とが一致することを条件に特定情報から画像又は音を再生することが好ましい。
【0017】
本発明の第4の形態に係る撮像装置は、被写体を撮像して画像情報を生成する撮像部と、画像又は音が含まれる特定情報および特定情報に関する付帯情報が予め格納されており着脱可能である記録媒体に画像情報を格納する画像情報格納部と、記録媒体から読み出された特定情報および付帯情報を格納できる特定情報格納部と、記録媒体が装着された場合に、記録媒体に格納されている付帯情報を特定情報格納部に格納されている付帯情報と比較する比較部と、比較部の比較結果に基づいて、記録媒体および特定情報格納部の一方に格納されている特定情報を他方へ書き込む特定情報書込部とを備える。
【0018】
この撮像装置は、特定情報格納部に格納されている特定情報から画像又は音を再生する再生部をさらに備えることが好ましい。再生部は、電源立ち上げ時に特定情報から画像又は音を再生することが好ましい。付帯情報は、特定情報の作成日であることが好ましい。記録媒体は、書き換えの対象となっている特定情報と、書き換えの対象となっていない特定情報とを格納しており、特定情報書込部は、特定情報格納部に格納されている特定情報を記録媒体に書き込む場合は、書き換えの対象となっている特定情報に上書きすることが好ましい。
【0019】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態はクレームにかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0021】
はじめに、本発明の第1実施形態について説明する。本発明の第1実施形態は、デジタルカメラ10である。本実施形態のデジタルカメラ10は、例えばメモリカードなど、撮影された被写体の画像データを格納するための記憶媒体を着脱できる。本実施形態では、この着脱可能な記録媒体に画像又は音を含む情報(以下、「特定情報」という)が予め格納されている。そして、デジタルカメラ10は、予め定められているタイミングで、その特定情報を自動的に再生する。
【0022】
図1に、本実施形態で用いるデジタルカメラ10の構成を示す。デジタルカメラ10は、主に撮像ユニット20、撮像制御ユニット40、処理ユニット60、表示ユニット100、操作ユニット110、音再生ユニット120、及び性別特定ユニット130を含む。
【0023】
撮像ユニット20は、撮影および結像に関する機構部材および電気部材を含む。撮像ユニット20はまず、映像を取り込んで処理を施す撮影レンズ22、絞り24、シャッタ26、光学LPF(ローパスフィルタ)28、CCD30、および撮像信号処理部32を含む。撮影レンズ22は、フォーカスレンズやズームレンズ等からなる。この構成により、被写体像がCCD30の受光面上に結像する。結像した被写体像の光量に応じ、CCD30の各センサエレメント(図示せず)に電荷が蓄積される(以下その電荷を「蓄積電荷」という)。蓄積電荷は、リードゲートパルスによってシフトレジスタ(図示せず)に読み出され、レジスタ転送パルスによって電圧信号として順次読み出される。
【0024】
デジタルカメラ10は一般に電子シャッタ機能を有するので、シャッタ26のような機械式シャッタは必須ではない。電子シャッタ機能を実現するために、CCD30にシャッタゲートを介してシャッタドレインが設けられる。シャッタゲートを駆動すると蓄積電荷がシャッタドレインに掃き出される。シャッタゲートの制御により、各センサエレメントに電荷を蓄積するための時間、すなわちシャッタスピードが制御できる。
【0025】
CCD30から出力される電圧信号、すなわちアナログ信号は撮像信号処理部32でR、G、B成分に色分解され、まずホワイトバランスが調整される。つづいて撮像信号処理部32はガンマ補正を行い、必要なタイミングでR、G、B信号を順次A/D変換し、その結果得られたデジタルの画像データ(以下単に「デジタル画像データ」とよぶ)を処理ユニット60へ出力する
【0026】
撮像ユニット20は、さらに鏡胴繰出機構34を有する。鏡胴繰出機構34は、撮影レンズ22を収容する沈胴式レンズ鏡胴と、そのレンズ鏡胴を繰り出すための機械的機構および電気的機構を含む。
撮像ユニット20は、さらにストロボ36を有する。ストロボ36は、コンデンサ(図示せず)に蓄えられたエネルギが放電管36aに供給されたときそれが発光することで機能する。
【0027】
撮像制御ユニット40は、ズーム駆動部42、フォーカス駆動部44、絞り駆動部46、シャッタ駆動部48、それらを制御する撮像系CPU50、測距センサ52、および測光センサ54をもつ。ズーム駆動部42などの駆動部は、それぞれステッピングモータ等の駆動手段を有する。後述のレリーズスイッチ114の押下に応じ、測距センサ52は被写体までの距離を測定し、測光センサ54は被写体輝度を測定する。測定された距離のデータ(以下単に「測距データ」という)および被写体輝度のデータ(以下単に「測光データ」という)は撮像系CPU50へ送られる。撮像系CPU50は、ユーザから指示されたズーム倍率等の撮影情報に基づき、ズーム駆動部42とフォーカス駆動部44を制御して撮影レンズ22のズーム倍率とピントの調整を行う。
【0028】
撮像系CPU50は、1画像フレームのRGBのデジタル信号積算値、すなわちAE情報に基づいて絞り値とシャッタスピードを決定する。決定された値にしたがい、絞り駆動部46とシャッタ駆動部48がそれぞれ絞り量の調整とシャッタ26の開閉を行う。
撮像系CPU50はまた、測光データに基づいてストロボ36の発光を制御し、同時に絞り24の絞り量を調整する。ユーザが映像の取込を指示したとき、CCD30が電荷蓄積を開始し、測光データから計算されたシャッタ時間の経過後、蓄積電荷が撮像信号処理部32へ出力される。
撮像系CPU50は、さらに、鏡胴繰出機構34を制御して、レンズ鏡胴の繰り出しおよび沈胴を実行する。
【0029】
処理ユニット60は、デジタルカメラ10全体、とくに処理ユニット60自身を制御するメインCPU62と、これによって制御されるメモリ制御部64、YC処理部70、記録媒体制御部74、圧縮伸張処理部78、通信I/F部80を有する。メインCPU62は、シリアル通信などにより、撮像系CPU50との間で必要な情報をやりとりする。メインCPU62の動作クロックは、クロック発生器88から与えられる。クロック発生器88は、撮像系CPU50、表示ユニット100に対してもそれぞれ異なる周波数のクロックを提供する。
【0030】
メインCPU62には、キャラクタ生成部84とタイマ86が併設されている。タイマ86は電池でバックアップされ、つねに日時をカウントしている。このカウント値から現在の日付(年月日等)および時刻に関する情報がメインCPU62に与えられる。キャラクタ生成部84は、撮影日時、タイトル等の文字情報を発生し、この文字情報が適宜撮影画像に合成される。
【0031】
メモリ制御部64は、不揮発性メモリ66とメインメモリ68を制御する。不揮発性メモリ66は、EEPROM(電気的消去およびプログラム可能なROM)やFLASHメモリなどで構成され、ユーザーによる設定情報や出荷時の調整値など、デジタルカメラ10の電源がオフの間も保持すべきデータが格納されている。不揮発性メモリ66には、場合によりメインCPU62のブートプログラムやシステムプログラムなどが格納されてもよい。一方、メインメモリ68は一般にDRAMのように比較的安価で容量の大きなメモリで構成される。メインメモリ68は、撮像ユニット20から出力されたデータを格納するフレームメモリとしての機能、各種プログラムをロードするシステムメモリとしての機能、その他ワークエリアとしての機能をもつ。不揮発性メモリ66とメインメモリ68は、処理ユニット60内外の各部とメインバス82を介してデータのやりとりを行う。
【0032】
YC処理部70は、デジタル画像データにYC変換を施し、輝度信号Yと色差(クロマ)信号B−Y、R−Yを生成する。輝度信号と色差信号はメモリ制御部64によってメインメモリ68に一旦格納される。圧縮伸張処理部78はメインメモリ68から順次輝度信号と色差信号を読み出して圧縮する。こうして圧縮されたデータ(以下単に「圧縮データ」という)は、記録媒体制御部74を介して記録媒体76に書き込まれる。
【0033】
処理ユニット60はさらにエンコーダ72をもつ。エンコーダ72は輝度信号と色差信号を入力し、これらをビデオ信号(NTSCやPAL信号)に変換してビデオ出力端子90から出力する。記録媒体76に記録されたデータからビデオ信号を生成する場合、そのデータはまず記録媒体制御部74を介して圧縮伸張処理部78へ与えられる。つづいて、圧縮伸張処理部78で必要な伸張処理が施されたデータはエンコーダ72によってビデオ信号へ変換される。
【0034】
記録媒体制御部74は、記録媒体装置76に認められる信号仕様およびメインバス82のバス仕様にしたがい、メインバス82と記録媒体76の間で必要な信号の生成、論理変換、または電圧変換などを行う。デジタルカメラ10は、記録媒体76として前述のメモリカードのほかに、例えばPCMCIA準拠の標準的なI/Oカードをサポートしてもよい。その場合、記録媒体制御部74は、PCMCIA用バス制御LSIなどで構成してもよい。
【0035】
通信I/F部80は、デジタルカメラ10がサポートする通信仕様、たとえばUSB、RS−232C、イーサネットなどの仕様に応じたプロトコル変換等の制御を行う。通信I/F部80は、必要に応じてドライバICを含み、ネットワークを含む外部機器とコネクタ92を介して通信する。そうした標準的な仕様のほかに、例えばプリンタ、カラオケ機、ゲーム機等の外部機器との間で独自のI/Fによるデータ授受を行う構成としてもよい。
【0036】
表示ユニット100は、LCDモニタ102とLCDパネル104を有する。それらはLCDドライバであるモニタドライバ106、パネルドライバ108によってそれぞれ制御される。LCDモニタ102は、例えば2インチ程度の大きさでカメラ背面に設けられ、現在の撮影や再生のモード、撮影や再生のズーム倍率、電池残量、日時、モード設定のための画面、被写体画像などを表示する。LCDパネル104は例えば小さな白黒LCDでカメラ上面に設けられ、画質(FINE/NORMAL/BASICなど)、ストロボ発光/発光禁止、標準撮影可能枚数、画素数、電池容量などの情報を簡易的に表示する。
【0037】
操作ユニット110は、ユーザーがデジタルカメラ10の動作やそのモードなどを設定または指示するために必要な機構および電気部材を含む。パワースイッチ112は、デジタルカメラ10の電源のオンオフを決める。レリーズスイッチ114は、半押しと全押しの二段階押し込み構造になっている。一例として、半押しでAFおよびAEがロックし、全押しで撮影画像の取込が行われ、必要な信号処理、データ圧縮等の後、メインメモリ68、オプション装置76等に記録される。操作ユニット110はこれらのスイッチの他、回転式のモードダイヤルや十字キーなどによる設定を受け付けてもよく、それらは図1において機能設定部116と総称されている。操作ユニット110で指定できる動作または機能の例として、「ファイルフォーマット」、「特殊効果」、「印画」、「決定/保存」、「表示切換」等がある。ズームスイッチ118は、ズーム倍率を決める。
【0038】
音再生ユニット120は、音楽や人の声などの音声を再生するユニットである。音再生ユニット120は、デジタル音声データをアナログ音声データに変換する音声情報再生部124と、音声情報再生部122の出力するアナログ信号から音を再生するスピーカ122とを有する。
【0039】
性別特定ユニット130は、ユーザの音声を利用してユーザの性別を特定する。性別特定ユニット130は、マイク132と性別特定部134とを有する。マイク132は、ユーザの音声を取得する音声取得部の一例である。性別特定部134は、マイクが取得した音声を利用してユーザの性別を特定し、性別情報としてメインCPU62へ送る。本実施形態において性別特定部134は、マイク132が出力する音声信号の基本周波数を求める。さらに、性別特定部134は、求められた基本周波数を所定のしきい値と比較することで、ユーザの性別を特定し、その結果をCPU62へ送信する。
【0040】
図2に、記録媒体76のディレクトリ構造の一例を示す。本実施形態では、記録媒体76のルートディレクトリの下に、DCIMディレクトリ、MISCディレクトリ、およびDSAMディレクトリの3つのディレクトリが設けられる。
DCIMディレクトリには、デジタルカメラ10が再生できる画像データが格納される。したがって、デジタルカメラ10が被写体を撮像して得たデジタル画像データは、DCIMディレクトリへ格納される。
【0041】
DSAMディレクトリには、デジタルカメラ10が再生できる音声データが格納される。例えば、デジタルカメラ10が通信I/F80を介して取得した音楽データは、DSAMディレクトリに格納される。
MISCディレクトリは、デジタルカメラ10が再生できる画像データ及び音声データ以外のデータが格納される。本実施形態では、例えば、プリント指定ファイル(DPOFファイル)がMISCディレクトリに格納される。プリント指定ファイルとは、記録媒体76に格納されている画像データのうちプリントを希望する画像データ、枚数等を指定した情報が記録されているファイルである。
【0042】
本実施形態の記録媒体76では、DCIMディレクトリに特定情報が格納され、MISCディレクトリに属性データファイルが格納される。特定情報及び属性データファイルは、例えば記録媒体76の製造者又は販売者により、予め記録媒体76に格納される。予め格納されるには、例えば、記録媒体76がデジタルカメラ10に装着されて使用される前に格納する行為が含まれる。
【0043】
本実施形態の場合、特定情報は広告用の画像である。このために、特定情報は、画像データが格納されるDCIMディレクトリに格納されている。特定情報の内容は特に限定されない。したがって、特定情報は、広告の他、有名キャラクタの画像であってもよい。また、特定情報は、画像データに限定されず、音声データ又は文字データであってもよい。特定情報が音楽や人の声などの音声データである場合、特定情報は、DSAMディレクトリに格納されるのが好ましい。また、特定情報が文字データである場合には、特定情報はMISCディレクトリに格納することが好ましい。
【0044】
属性データファイルは、特定情報を識別するための情報、及びその特定情報に関する付帯情報が記録されるファイルである。図2に示したように、本実施形態の場合、属性データファイルは、MISCディレクトリに格納される。
なお、上記に説明した記録媒体76のディレクトリ構造、並びに、特定情報および属性データファイルの格納場所は単なる例示であり、何ら記録媒体76の構造や、データの格納場所を限定するものではない。また、本実施形態では、記録媒体76に特定情報が1つ格納される場合について説明するが、これは、記録媒体76に2以上の特定情報が格納される場合を除外する意味ではない。
【0045】
図3は、本実施形態で記録媒体76に格納されるデータ属性ファイルの一例を示す図である。
本実施形態の場合、属性データファイルには、記録媒体76に格納されている特定情報のファイル名と、その特定情報に関する付帯情報が互いに関連づけられて保存される。また、本実施形態の場合、付帯情報は、作成日、再生期間、再生期限、再生回数、再生時間、および対象性別の6つの情報を含む。
【0046】
作成日は、付帯情報に関連づけられている特定情報が作成された日時情報である。
再生期間は、付帯情報が関連づけられている特定情報の再生が認められる期間である。再生期間が例えば「10月−12月」と指定されている場合には、特定情報の再生は、10月から12月までの期間にのみ再生が認められる。なお、期間は、時分、日、月、年のいずれによって指定してもよい。つまり、再生期間は、午後5時から午後11時までと指定してもよく、あるいは、2000年1月15日から2001年1月14日までのように指定してもよい。
【0047】
再生期限とは、付帯情報が関連づけられている特定情報の再生が認められる期限をいう。再生期限が、例えば「2002年12月」と指定されている場合には、特定情報の再生は、2002年12月までしか認められない。
再生回数とは、付帯情報が関連づけられている特定情報がデジタルカメラ10によって過去に再生された回数をいう。再生回数は、0に初期設定され、デジタルカメラ10が特定情報を再生する度に1ずつ加算される。
【0048】
再生時間とは、付帯情報が関連づけられている特定情報がデジタルカメラ10によって過去に再生された時間の合計をいう。再生時間は、0に初期設定され、デジタルカメラ10が特定情報を再生する度に、再生された時間を加算される。対象性別とは、付帯情報が関連づけられている特定情報が提供されるべき対象者の性別をいう。特定情報を提供する対象として男性を指定する場合には、対象性別は「男」と記録される。
【0049】
図4は、本実施形態に係るデジタルカメラ10の主な機能を示す機能ブロック図である。本実施形態においてデジタルカメラ10は、画像情報格納部140、準備処理部142、特定情報再生部144、媒体初期化部146、指定画像消去部148、指定画像再生部150および撮像部152を有する。本実施形態では、撮像部152は、主に撮像ユニット20により実現され、他の各機能部は、主に、メインCPU62が不揮発性メモリ66又はメインメモリ68に格納されているプログラムを実行することにより実現される。
【0050】
撮像部152は、ユーザがレリーズスイッチ114を全押しすると、被写体を撮像して画像情報を生成する。本実施形態の場合、画像情報とは、撮像信号処理部32が出力するデジタル画像データである。
画像情報格納部140は、記録媒体制御部74を制御して、撮像部152が出力するデジタル画像データを記録媒体76に格納する。この場合、デジタル画像データは、DCIMディレクトリに格納される。
【0051】
準備処理部142は、デジタルカメラ10が撮像モードになった場合に、撮像部152を撮像可能な状態にするための準備処理を行う。ここで、デジタルカメラ10が撮像モードになった場合とは、デジタルカメラ10が撮像モードに設定されている状態で電源が入れられた場合、すなわち、パワースイッチ112がオンにされた場合と、電源が入っている状態でデジタルカメラ10が再生モードから撮像モードへ切り替えられた場合との双方を含む。また、撮像部152を撮像可能な状態にするための準備処理には、鏡胴繰出機構34を動作させて、撮像レンズ22を保持しているレンズ鏡胴を繰り出すこと、フォーカスレンズ、ズームレンズを初期位置に移動させること、及び、CCD30又は撮像信号処理部32を動作可能な状態に立ち上げること等が含まれる。
【0052】
特定情報再生部144は、記録媒体76に格納されている特定情報の中の画像又は音を再生する。特定情報が画像データ又は文字データである場合、特定情報再生部144は、画像を表示ユニット100に表示させる。特定情報が音声データである場合、特定情報再生部144は、音再生ユニット120に音声を再生させる。なお、説明の簡単のため、以下には、特定情報が画像データであり、特定情報再生部144は、特定情報に係る画像を表示ユニット100に表示させる場合について説明する。
【0053】
特定情報再生部144は、準備処理部が前述の準備処理を行っている時に特定情報を再生する。つまり、特定情報再生部144は、準備処理部が準備処理を開始してから終了するまでの間、又は、その間の任意の時間帯に特定情報を再生する。本実施形態では、特定情報再生部は、レンズ鏡胴が繰り出される間、特定情報を再生する。
【0054】
特定情報再生部144は、特定情報を再生する前に、記録媒体76からその特定情報の付帯情報を取得する。また、特定情報再生部144は、タイマ86からの日付情報、又は、性別特定ユニット130からユーザの性別に関する性別情報を取得する。特定情報再生部144は、取得した付帯情報を日付情報又は性別情報と比較する。そして特定情報再生部144は、比較の結果、付帯情報が予め定められている条件を満たしている場合、特定情報を再生する。したがって、本実施形態では、付帯情報が無制限に再生されることはない。
【0055】
媒体初期化部146は、記録媒体制御部74を制御して、記録媒体76をフォーマットする。媒体初期化部146は、記録媒体76をフォーマットする前に、記録媒体から特定情報およびその付帯情報を読み出し、例えばメインメモリ68に退避させる。また、記録媒体76のフォーマットが終了すると、媒体初期化部146は、メインメモリ68に退避させていた特定情報およびその付帯情報を記録媒体76に再格納する。したがって、記録媒体76をフォーマットしても特定情報が失われることはない。
【0056】
指定画像消去部148は、ユーザが機能設定部116を介して指定した画像を記録媒体76から消去する。指定画像消去部148は、画像を消去する前に、消去する画像が特定情報であるか否かを確認する。消去しようとする画像が特定情報である場合、指定画像消去部148は、さらに、その特定画像の付帯情報を確認し、付帯情報が所定条件を満たしていることを条件にその特定情報を消去する。
【0057】
指定画像再生部150は、ユーザが指定する画像を再生する。指定画像再生部150は、メモリ制御部64を介してメインメモリ68から最後に撮影した画像を読み出し、これを表示ユニット100のLCDモニタ102へ表示する。この状態でユーザーが機能設定部116にて「順送り」、「逆送り」を指示すると、指定画像再生部150は、その指示に従い、現在表示している画像の前後に撮影された画像を記録媒体76等から読み出し、LCDモニタ102に表示させる。
【0058】
図5は、特定情報再生部144の詳細な内容を示す機能ブロック図である。特定情報再生部144は、属性データファイル中の付帯情報が所定条件を満たしているか否かを判断する付帯情報判断部160と、付帯情報判断部160の判断結果に基づいて特定情報を再生すべきか否かを決定する再生決定部172とを有する。また、特定情報再生部144は、再生決定部172から再生命令があった場合に記録媒体76に格納されている特定情報を再生する再生実行部174を有する。さらに、特定情報再生部144は、再生実行部174が特定情報を再生した場合に、記録媒体76に格納されている付帯情報の内容を更新する付帯情報更新部176を有する。
【0059】
付帯情報判断部160は、現在、特定情報の再生が認められている期間内であるか否かを判断する期間判断部162と、現在、特定情報の再生が認められている期限前であるか否かを判断する期限判断部164とを含む。また、付帯情報判断部160は、特定情報が過去に再生された回数が所定回数に達しているか否かを判断する再生回数判断部166と、特定情報が過去に再生された合計時間が所定時間に達しているか否かを判断する再生時間判断部168と、ユーザの性別が特定情報を提供する対象性別と一致しているか否かを判断する性別判断部170を含む。
【0060】
期間判断部162は、属性データファイルに付帯情報として記録されている再生期間をタイマ68が出力する日付と比較する。比較の結果、タイマ68の出力した日付が再生期間内の日付であると、期間判断部162は、再生決定部172に条件一致通知を送る。また、タイマ68の出力した日付が再生期間外の日付であると、期間判断部162は、再生決定部172に条件不一致通知を送る。さらに、付帯情報に再生期間に関する情報が含まれていない場合には、期間判断部162は、特定情報を再生する期間は特に指定されていない旨の条件不指定通知を再生決定部172に送る。
【0061】
期限判断部164は、属性データファイル中の再生期限をタイマ68が出力する日付と比較する。期限判断部164は、比較の結果、タイマ68の出力した日付が再生期限前の日付であった場合には条件一致通知を、再生期限後の日付であった場合には条件不一致通知をそれぞれ再生決定部172に送る。また、付帯情報再生期限に関する情報が含まれていなかった場合には、期限判断部162は、再生決定部172に条件不指定通知を送る。
【0062】
再生回数判断部166は、属性データファイル中の再生回数を予め定められている上限回数と比較する。再生処理部172は、比較の結果、再生回数が上限回数以下であると条件一致通知を、再生回数が上限回数を超えていると条件不一致通知をそれぞれ再生決定部172に送る。また、付帯情報に再生回数に関する情報が含まれていない場合には、再生回数判断部162は、再生決定部172に条件不指定通知を送る。
【0063】
再生時間判断部168は、属性データファイル中の再生時間を予め定められている上限時間と比較する。再生時間判断部168は、比較の結果、再生時間が上限時間以下であると条件一致通知を、再生時間が上限時間を超えていると条件不一致通知をそれぞれ再生決定部172に送る。また、付帯情報に再生時間に関する情報が含まれていない場合には、再生時間判断部168は、再生決定部172に条件不指定通知を送る。
【0064】
性別判断部170は、属性データファイル中の対象性別を特定ユニット130が出力するユーザの性別情報と比較する。比較の結果、特定ユニット130が出力する性別情報と対象性別が一致すると性別判断部170は条件一致通知を、一致しないと条件不一致通知をそれぞれ再生決定部172に送る。また、付帯情報に対象性別に関する情報が含まれていない場合には、性別判断部170は、再生決定部172に条件不指定通知を送る。
【0065】
再生決定部172は、上記した複数の判断部(162〜170)のうち、予め定められている1つ又は2つ以上から条件一致通知を受けると、特定情報を再生すべき旨の再生命令を再生実行部174へ送る。
再生決定部172は、例えば、期限判断部164の出力のみを監視し、期限判断部164から条件一致通知又は条件不指定通知あった場合に、他の判断部からの通知内容によらず再生命令を再生実行部174へ送ることとしてもよい。
また、再生決定部172は、例えば、期限判断部164及び再生回数判断部166の双方から条件一致通知又は条件不指定通知があったことを条件に再生命令を再生実行部174へ送ることとしてもよい。
【0066】
また、再生決定部172は、属性データファイルに第1の付帯情報が格納されている場合には、その第1の付帯情報が満たされていることを条件に再生命令を出力し、属性データファイルに第1の付帯情報が格納されていない場合には、第1の付帯情報と異なる第2の付帯情報が満たされていることを条件に再生命令を出力することとしてもよい。第1の付帯情報が再生期限であり、第2の付帯情報が再生回数である場合を例に説明すると、再生決定部172は、期限判断部164から条件一致通知又は条件不一致通知があった場合には、再生回数判断部166からの通知によらず、期限判断部164の通知内容に基づいて再生命令を出力するか否かを決定する。一方、期限判断部164から条件不指定通知があった場合には、再生決定部172は、再生回数判断部166からの通知に基づいて再生命令を出力するか否かを決定する。
【0067】
再生実行部174は、再生命令を受けた場合、機能設定部116において撮影モードが設定されているのか、再生モードが設定されているのかを確認する。
撮影モードが設定されている場合、再生実行部174は、準備処理部142が準備処理を行っている時に記録媒体76に格納されている特定情報を再生する。本実施形態の場合、再生実行部174は、準備処理部142が準備処理を開始する前に表示ユニット100に特定情報の表示を開始させる。また、再生実行部174は、準備処理部142が準備処理を終了した後に、表示ユニット100に特定情報の表示を終了させる。
【0068】
再生モードが設定されている場合、再生実行部174は、一定時間の間、特定情報を再生する。特定情報を再生するのは、再生モードにより最初の画像が表示ユニット100で表示される前であってもよく、又は、表示されている画像をコマ送り等で変える間であってもよい。本実施形態では、再生実行部174は、表示ユニット100に最初の再生画像が表示される前の一定時間、特定情報を再生する。
【0069】
付帯情報更新部176は、再生実行部174が特定情報を再生した場合に、属性データファイル中の再生回数に1を加算する。また、付帯情報更新部176は、再生実行部174が特定情報を再生した時間を属性データファイル中の再生時間に加算する。これにより、属性データファイル中の再生回数および再生時間に、過去に特定情報が再生された回数および合計時間を常に正しく記録される。
【0070】
図6は、媒体初期化部146の詳細な内容を示す機能ブロック図である。媒体初期化部146は、特定情報退避部180、フォーマット時再生部182、フォーマット部184、および、特定情報再格納部186を有する。
特定情報退避部180は、ユーザが機能設定部116で記録媒体76のフォーマットを選択した場合に、記録媒体76に格納されている特定情報および付帯情報をデジタルカメラ10内のメモリに退避させる。本実施形態の場合、特定情報退避部180は、記録媒体76から特定情報およびその付帯情報を読み出し、メインメモリ68に書き込む。
【0071】
フォーマット部184は、特定情報退避部180が特定情報およびその付帯情報を退避させた後に、記録媒体制御部74を制御して記録媒体76をフォーマットする。
フォーマット時再生部182は、フォーマット部184が記録媒体76をフォーマットしている時に、特定情報退避部180によって退避された特定情報を再生し、表示ユニット100に表示させる。
特定情報再格納部186は、フォーマット部76が記録媒体のフォーマットを終了すると、特定情報退避部180が退避させた特定情報およびその付帯情報を記録媒体76に再格納する。
【0072】
図7は、指定画像消去部148の詳細な内容を示す機能ブロック図である。指定画像消去部148は、指定画像確認部190、画像消去部192、及び、消去可否判断部194を有する。
指定画像確認部190は、機能設定部116を介して、記録媒体76に格納されている画像データであって、削除すべき画像データの指定をユーザから受け付ける。画像データの指定があった場合、指定画像確認部190は、指定された画像データが特定情報であるか否かを確認する。本実施形態の場合、指定画像確認部190は、指定された画像データのファイル名と属性データファイルに格納されている特定情報のファイル名とを比較することにより、指定された画像データが特定情報であるか否かを確認する。
【0073】
消去可否判断部194は、指定画像確認部190が、指定された画像データが特定情報であると判断した場合に、当該特定情報の付帯情報に基づいて、当該特定情報を消去すべきか否かを判断する。本実施形態の場合、消去可否判断部94は、付帯情報として記録媒体76に格納されている再生回数を所定値と比較する。その結果、再生回数が所定値を越えている場合には、消去可否判断部94は、特定情報を消去できると判断し、再生回数が所定値以下ある場合には、特定情報を消去できないと判断する。なお、本実施形態において消去可否判断部194は、再生回数に基づいて特定情報の削除の可否を判断しているが、これは、他の付帯情報、例えば再生時間に基づいて特定情報の削除の可否を判断することであってもよい。
【0074】
画像消去部192は、指定画像確認部190の判断結果、又は、消去可否判断部194の判断結果に基づいて、指定されている画像データを記録媒体76から削除する。すなわち、指定画像確認部190は、ユーザが削除指定した画像データが特定情報でないと指定画像確認部190が判断した場合に、その画像データを記録媒体76から消去する。また、指定画像確認部190は、指定されている特定情報を削除してもよいと消去可否部194が判断した場合にも、その特定情報及びその特定情報に関する付帯情報を記録媒体76から削除する。したがって、本実施形態では、例えば過去の再生回数が一定回数を超えないなど、付帯情報が所定の条件を満たしていない特定情報がユーザによって削除されてしまうことはない。
【0075】
図8は、本実施形態において被写体の撮影又は撮影画像の再生が行われる場合のデジタルカメラ10の動作を示すフローチャートである。
本実施形態では、ユーザがデジタルカメラ10のパワースイッチ112をオンにすると、はじめに特定情報再生部144が記録媒体76に格納されている付帯情報が所定の条件を満たしているか否かを判断する(S102)。
S102において付帯情報が所定の条件を満たしている場合、特定情報再生部144は、機能設定部の状態を調べ、撮影モードおよび再生モードのうちいずれが設定されているのかを判断する(S104)。
【0076】
S104において撮影モードが設定されている場合、特定情報再生部144は、記録媒体76に格納されている特定情報の表示を表示ユニット100に開始させる(S106)。次に、準備処理部142が、レンズ鏡筒を繰り出す等の準備処理を行う(S108)。準備処理が終了すると、特定情報再生部144が表示ユニット100に特定情報の表示を終了させる(S110)。次に、LCDモニタ102に撮像部152が撮像している画像が表示される(S112)。この状態でユーザがレリーズスイッチ114を全押しすると、撮像部152が被写体の撮像を行い、その結果得られた画像情報が画像情報格納部により記録媒体76に格納される(S114)。その後、特定情報再生部144が記録媒体76に格納されている付帯情報の内容を更新し(S116)、一連の処理を終了する。
【0077】
S104において再生モードが設定されている場合には、次に、特定情報再生部144が一定時間、特定情報の画像を表示ユニット100に表示させる(S118)。その後、指定画像再生部150がユーザの指示する画像を再生する(S120)。最後に、特定情報再生部144が記録媒体76に格納されている付帯情報の内容を更新し(S116)、一連の処理を終了する。
【0078】
S102において付帯情報が所定の条件を満たしていなかった場合、特定情報再生部144が特定情報を再生することなく、撮影モード又は再生モードが実行される(S122〜S130)。すなわち、機能設定部116において撮影モードが選択されている場合には、次に準備処理部142がレンズ鏡胴の繰り出し等の準備処理を行う(S124)。準備処理が終了すると、LCDモニタ102に撮像部152が撮像した画像が表示される(S126)。その後、撮像部152による撮像等、S114と同じ処理が行われ(S128)、一連の処理が終了する。一方、S122で再生モードが選択されている場合には、指定画像再生部150がS120と同一の処理を行い(S130)、一連の処理を終了する。
【0079】
図9は、本実施形態において記録媒体のフォーマットを行う場合のデジタルカメラの動作を示すフローチャートである。本実施形態では、ユーザが機能設定部116を操作して記録媒体76のフォーマットを選択すると、はじめに、特定情報退避部180が特定情報およびその付帯情報を記録媒体76からメインメモリ68へ退避させる(S140)。次に、フォーマット時差遺影部182が表示ユニット100に退避させてある特定情報の画像を表示ユニット100に表示させる(S142)。次にフォーマット部184が記録媒体制御部74に記録媒体76をフォーマットさせる(S144)。フォーマットが終了すると、フォーマット時再生部182が表示ユニット100に特定情報の表示を終了させる(S146)。最後に、特定情報再格納部186がメインメモリ68に退避させてある特定情報および付帯情報を記録媒体76に再格納し(S148)、一連の処理を終了する。
【0080】
図10は、本実施形態においてユーザが指定する画像データを記録媒体76から消去する場合のデジタルカメラ10の動作を示すフローチャートである。本実施形態では、ユーザが機能設定部116を操作して、記録媒体76に格納されている画像データを指定し、その削除を要求すると、指定画像確認部190が属性データファイルに格納されている特定情報ファイル名を調べて、指定された画像データが特定情報であるか否かを判断する(S152)。指定された画像データが特定情報である場合、消去可否判断部194が記録媒体76に格納されている再生回数が所定値を越えているか否かを判断する(S154)。S152において、ユーザが指定した画像情報は特定情報ではないと指定画像確認部190が判断した場合、又は、S154で再生回数は所定値を超えていると消去可否判断部194が判断した場合、画像消去部192が記録媒体制御部74を制御して、指定された画像データを記録媒体76から削除し(S156)、一連の処理が終了する。
【0081】
以上説明したように、本実施形態では、デジタルカメラ10が記録媒体76に格納されている特定情報を自動的に再生する。特定情報は、例えば、デジタルカメラ10がレンズ鏡筒の繰り出し等の撮影処理を行っているときに再生される。デジタルカメラ10が撮影準備を行っている間、ユーザは、通常、デジタルカメラが撮影可能な状態になった時を知るためにデジタルカメラに注目している。したがって、デジタルカメラ10が撮影準備を行っているときに特定情報を再生すると、特定情報の内容をユーザに効果的に提供できるという利点がある。
【0082】
また、本実施形態では、再生期限等、特定情報に関する付帯情報が所定の条件を満たす場合に特定情報を再生する。したがって、本実施形態では、特定情報を無制限に再生してユーザに煩わしい思いをさせることがない。
さらに、本実施形態では、記録媒体76をフォーマットするときに、特定情報を記録媒体76から退避させ、フォーマット終了後に退避させた特定情報を記録媒体76に再格納する。したがって、記録媒体76をフォーマットしても特定情報が失われることはない。
【0083】
次に本発明の第2実施形態に係るデジタルカメラ300ついて説明する。本実施形態のデジタルカメラ300は、撮像ユニット20で得られた被写体の画像情報、例えば色温度又は輝度が所定の条件を満たす場合に記録媒体76に格納されている特定情報を再生する点で第1実施形態のデジタルカメラ10と異なる。
【0084】
図11は、本発明の第2実施形態に係るデジタルカメラ300の構成図である。本実施形態のデジタルカメラ300は、色温度算出部312と、輝度算出部314とをさらに備えている点で第1実施形態のデジタルカメラ10と異なっている。他の点においては、デジタルカメラ300の構成は、第1実施形態のデジタルカメラ10と同じである。そこで、以下の説明では、第1実施形態で既に説明したのと同一の構成要素および機能ブロック図に第1実施形態で用いたのと同一の符号を付すことで、その詳細な説明を省略する。
【0085】
色温度算出部312は、CCD30が出力する画像情報から被写体の色温度を求める。求められた色温度情報は、色温度算出部312からメインCPU62へ送られる。一方、輝度算出部314は、CCD30が出力する画像情報から被写体の輝度を求める。求められた輝度情報は、輝度算出部314からメインCPU62へ送られる。
【0086】
図12に、本発実施形態で用いる記録媒体76に格納される属性データファイルの一例を示す。本実施形態における属性データファイルは、付帯情報として色温度範囲および輝度範囲が格納される点で、第1実施形態の属性データファイルと異なっている。
【0087】
図13は、本実施形態における特定情報再生部144の詳細な内容を示す機能ブロック図である。本実施形態における特定情報再生部144は、付帯情報判断部160が第1実施形態で説明した期間判断部162から性別判断部170までの5つの判断部に代えて色温度判断部316と輝度判断部318とを有する点で第1実施形態と異なる。また、本実施形態の特定情報再生部144では、再生実行部174が特定情報を再生するタイミングが第1実施形態と異なる。さらに、本実施形態の特定情報再生部144は、付帯情報再生部176を有していない点で第1実施形態と異なる。他の点では、本実施形態の特定情報再生部144は、第1実施形態の特定情報再生部144と同一である。
【0088】
色温度判断部316は、属性データファイルの付帯情報で指定されている色温度範囲と、色温度算出部312が出力する色温度とを比較する。比較の結果、色温度算出部312が出力する色温度が付帯情報で指定されている色温度範囲内にある場合、色温度判断部316は、再生決定部172に条件一致通知を送る。一方、色温度算出部312が出力する色温度が付帯情報で指定されている色温度範囲外にある場合、色温度判断部316は、再生決定部172に条件不一致通知を送る。さらに、付帯情報で色温度範囲が指定されていない場合には、色温度判断部316は、色温度範囲は指定されていない旨の条件不指定通知を再生決定部172に送る。
【0089】
輝度判断部318は、属性データファイルの付帯情報で指定されている輝度と、輝度算出部314が出力する輝度とを比較する。比較の結果、輝度算出部314が出力する輝度が付帯情報で指定されている輝度範囲内にある場合、輝度判断部318は、再生決定部172に条件一致通知を送る。一方、輝度算出部314が出力する輝度が付帯情報で指定されている輝度範囲外にある場合、輝度判断部318は、再生決定部172に条件不一致通知を送る。さらに、付帯情報で輝度範囲が指定されていない場合には、輝度判断部318は、輝度範囲は指定されていない旨の条件不指定通知を再生決定部172に送る。
【0090】
再生決定部172は、色温度判断部316又は輝度判断部318の判断結果に基づいて、特定情報を再生するか否かを決定する。例えば、再生決定部172は、色温度判断部316から条件一致通知があった場合に、輝度判断部318からの通知内容によらず再生命令を再生実行部174へ送ることとしてもよい。あるいは、再生決定部172は、輝度判断部316から条件一致通知があった場合に、色温度判断部316からの通知内容によらず再生命令を再生実行部174へ送ることとしてもよい。本実施形態では、再生決定部172は、色温度判断部316および輝度判断部318の双方から条件一致通知があった場合に再生命令を再生実行部174へ送る。
【0091】
図14は、本実施形態において被写体の撮影又は画像の再生が行われる場合のデジタルカメラ300の動作を示すフローチャートである。
本実施形態では、ユーザが再生モードを選択すると(S202;no)、メインメモリ68から最後に撮影した画像が読み出され、表示ユニット100のLCDモニタ102に表示される。この状態でユーザーが機能設定部116にて「順送り」、「逆送り」を指示すると、さらに、表示されている画像の前後に撮影された画像が読み出され、LCDモニタ102に表示される(以上、S204)。
【0092】
一方、ユーザが撮影モードを選択すると(S202;yes)、まず、準備処理部142がレンズ鏡筒を繰り出す等の準備処理を行う(S206)。準備処理が終了すると、CCD30が出力する画像情報に基づいて色温度算出部316が色温度を算出し、また、輝度算出部318が輝度を算出する(S208)。次に、付帯情報判断部160がS208で算出された色温度および輝度を記録媒体76に付帯情報として格納されている色温度範囲および輝度範囲と比較する(S210)。この結果、S208で算出された色温度および輝度がそれぞれ付帯情報で指定されている色温度範囲および輝度範囲に含まれている場合、再生決定部172が特定情報の再生を決定し、再生実行部が特定情報を表示ユニット100に一定時間だけ表示させる(S210;yesS212)。S208で算出された色温度および輝度がそれぞれ付帯情報で指定されている色温度範囲および輝度範囲に含まれていない場合、S212は行われない(S210;no)。
【0093】
次に、LCDモニタ102に撮像部152で撮像されている画像が表示される(S214)。この状態でユーザがレリーズスイッチ114を全押しすると、撮像部152が被写体を撮影する(S216)。以上で、本実施形態に係るデジタルカメラ300の一連の動作は終了する。
【0094】
以上説明したように、本実施形態では、CCD30が出力した画像情報の色温度および輝度が所定の範囲内にあることを条件に記録媒体に格納されている特定情報を再生する。一般に被写体の色温度および輝度は、被写体がおかれている環境、例えば晴れた日の屋外に被写体がおかれているのか、あるいは、屋内において蛍光灯の照明下におかれているのかにより異なる。したがって、本実施形態では、記録媒体76に格納する付帯情報で適当な色温度範囲および輝度範囲を指定することにより、例えば屋外又は屋内など、特定情報が再生される場所を指定できる。
【0095】
次に本発明の第3実施形態に係るデジタルカメラ400について説明する。デジタルカメラ400の構成は、図1に示したデジタルカメラ10の構成と同様である。そこで、以下の説明では、既に第1実施形態で説明したのと同一の構成要素及び機能ブロックに第1実施形態で用いたのと同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0096】
図15に、本実施形態で用いる記録媒体76に格納されて属性データファイルの一例を示す。本実施形態で用いる属性データファイルには、1又は2以上の特定情報のファイル名がそれぞれの付帯情報と関連づけられて格納される。図示の例では、2つの特定情報のファイル名が属性データファイルに格納されている。また、属性データファイルには、付帯情報として消去可否情報および作成日が属性データファイルに格納されている。消去可否情報とは、当該付帯情報に関連づけられている特定情報の消去が認められているか否かを示す情報である。作成日とは、当該付帯情報に関連づけられている特定情報が作成された日付であり、特定情報に関連した時間情報の一例である。
【0097】
図16は、本実施形態に係るデジタルカメラ400の主な機能を示す機能ブロック図である。
デジタルカメラ400は、例えば不揮発性メモリ66によって実現される特定情報格納部402を有する。本実施形態では、この特定情報格納部402に記録媒体76から読み出された特定情報および付帯情報が格納される。
【0098】
デジタルカメラ400は、さらに、画像情報格納部404、特定情報提供部406、オープニング画面表示部408、比較部410、および、特定情報書込部418を有する。本実施形態の場合、これらの機能部は、主にメインCPU62がメインメモリ68又は不揮発性メモリ66に格納されているプログラムを実行することにより実現される。
【0099】
画像情報格納部404は、第1実施例で説明した画像情報格納部140と同一の機能を果たす。
特定情報提供部406は、記録媒体76に格納されている特定情報から画像又は音を再生して、表示ユニット100又は音再生ユニット120を介してユーザに提供する。本実施形態のように記録媒体76に画像データを含む2つの特定情報が格納されている場合、情報提供部406は、LCDモニタ102に表示画面を2分割させ、各特定情報から再生された画像を同時に表示させてもよい。あるいは、情報提供部406は、LCDモニタ102に、各特定情報から再生された画面を順次表示させてもよい。特定情報提供部406は、デジタルカメラ400の電源立ち上げ時以外の予め定めらた時間帯に特定情報をユーザに提供する。本実施形態の場合には、比較部410から指示があったときに特定情報のユーザへの提供を開始し、特定情報書込部418から指示があったときにその提供を終了する。
【0100】
オープニング画面表示部408は、電源立ち上げ時に、特定情報格納部66に格納されている特定情報から画像又は音を再生し、表示ユニット100又は音再生ユニット120を介してユーザに提供する。
比較部410は、記録媒体76がデジタルカメラ400に装着された場合に、記録媒体76に格納されている付帯情報と、特定情報格納部402に格納されている付帯情報と比較する。比較部410は、装着検出部412、比較対象選択部414、および、付帯情報比較部416を有する。
装着検出部412は、例えば記録媒体制御部74の出力を監視することで、記録媒体76がデジタルカメラ400に装着されたことを検出する。記録媒体76の装着を検出すると、装着検出部412は、特定情報提供部406に特定情報をユーザに提供すべき旨を指示する。
【0101】
比較対象選択部414は、装着検出部412が記録媒体76の装着を検出すると、記録媒体76に格納されている特定情報の中から消去が認められている特定情報を選択する。本実施形態の場合、比較対象選択部414は、属性データファイル中の消去可否情報が消去可となっている特定情報を選択する。
付帯情報比較部416は、比較対象選択部414が選択した特定情報の作成日を、不揮発性メモリ66の特定情報格納部402に格納されている特定情報の作成日と比較する。さらに、付帯情報比較部416は、作成日がより新しい特定情報が記録媒体76と特定情報格納部402とのいずれに格納されているかを特定情報書込部418に通知する。
【0102】
特定情報書込部418は、比較部の比較結果に基づいて、記録媒体76および特定情報格納部402の一方に格納されている特定情報を他方へ書き込む。本実施形態の場合、特定情報書込部418は、記録媒体76に格納されている特定情報の作成日がより古い場合に、特定情報格納部402に格納されている特定情報および付帯情報を記録媒体76に書き込む。この場合、特定情報書込部418は、比較対象選択部414が選択した特定情報およびその付帯情報に上書きする。一方、記録媒体76に格納されている特定情報の作成日がより新しい場合には、特定情報書込部418は、比較対象選択部414が選択した特定情報およびその付帯情報を特定情報格納部402に格納されている特定情報および付帯情報に上書きする。また、特定情報書込部418は、特定情報等の書き込みが終了すると、特定情報提供部406へ特定情報のユーザへの提供を終了すべき旨を指示する。
【0103】
図17は、本実施形態に係るデジタルカメラ400の主な動作を示すフローチャートである。本実施形態では、まず、デジタルカメラ400の電源立ち上げ時に、オープニング画面表示部408が特定情報格納部402に格納されている特定情報を再生し、例えばLCDモニタ102に表示させる(S300)。次に、装着検出部412が記録媒体制御部74に記録媒体76が装着されたか否かを監視する(S302)。記録媒体76が装着されると、特定情報提供部406が記録媒体76に格納されている特定情報を再生し、表示ユニット100に再生された画像の表示を開始させる(S304)。
【0104】
次に、比較対象選択部414が記録媒体76に格納されている特定情報から、消去が認められているものを選択する(S306)。次に、付帯情報比較部416が選択された特定情報の作成日を特定情報格納部402に格納されている特定情報の作成日と比較する(S308)。比較の結果、記録媒体76に格納されている特定情報の作成日の方が新しい場合、特定情報書込部418がS306で選択した特定情報およびその付帯情報を特定情報格納部402へ書き込む(S310)。一方、記録媒体76に格納されている特定情報の作成日の方が古い場合、特定情報書込部418は、特定情報格納部402に格納されている特定情報および付帯情報をS306で選択された記録媒体76の特定情報およびその付帯情報に上書きする(S312)。
特定情報等の書込が終了すると、特定情報提供部406がS304で表示を開始した特定情報の表示を終了し(S314)、デジタルカメラ400の一連の処理が終了する。
【0105】
以上に説明したように、本実施形態では、記憶媒体76がデジタルカメラ400に装着される度に、記録媒体76又は特定情報格納部402に格納されている特定情報のうち古い方がより新しい特定情報に更新される。したがって、本実施形態では、記録媒体76および特定情報格納部402に格納されている特定情報が古くなることを防止することができる。
【0106】
また、本実施形態では、付帯情報に消去許否情報を含め、デジタルカメラ400は、記録媒体76の特定情報のうち、消去許否情報が消去可となっている特定情報のみを書き換えることとしたので、その作成日等によらず、いつまでも再生されることが要求される特定情報を記録媒体76に格納することも可能である。
【0107】
次に、本発明の第4実施形態に係るプリント装置500ついて説明する。プリント装置500は、第1実施形態で説明した記録媒体76に格納されている画像データをプリントする装置である。
【0108】
図18は、本実施形態に係るプリント装置500の主な機能を示す機能ブロック図である。
プリント装置500は、プリント用データ読出部502と、プリント部508とを有する。プリント用データ読出部502は、不図示の装着部に装着された記録媒体76からプリントすべき画像の画像データ読み出す。また、プリント部508は、プリント用データ読出部502によって読み出された画像データに基づいて画像をプリントする。
【0109】
プリント装置500は、さらに、特定情報保持部514を有する。特定情報保持部514は、1又は2以上の特定情報およびその付帯情報を保持する。本実施形態では、説明の簡単のため、特定情報保持部514が1つの特定情報とその付帯情報とを保持していることとする。なお、特定情報保持部514に保持されている付帯情報の内容は、第1実施形態の図3で説明した付帯情報の内容と同じである。
【0110】
プリント装置500は、さらに、付帯情報読出部504、日付出力部512、書換判断部510、および特定情報書換部506を有する。
付帯情報読出部504は、記録媒体76から、属性データファイルに格納されている付帯情報を読み出す。
書換判断部510は、付帯情報読出部504が読み出した付帯情報の内容に基づいて、記録媒体76に格納されている特定情報を特定情報保持部514に保持されている特定情報に書き換えるか否かを判断する。
【0111】
日付出力部512は、現在の日付を書換判断部510に与える。
特定情報書換部506は、書換判断部510が特定情報を書き換えると判断した場合、特定情報保持部514に格納されている特定情報および付帯情報を記録媒体76に格納されている特定情報およびその付帯情報に上書きする。
【0112】
図19は、書換判断部510の詳細な内容を示す機能ブロック図である。図示する書換判断部510は、第1実施形態の図5で既に説明した期間判断部162、期限判断部164、再生回数判断部166、および再生時間判断部168を有する。
本実施形態の場合、期間判断部162および期限判断部164は、付帯情報読出部504が読み出した再生期間および再生期限と、日付出力部512が出力する日付情報とに基づいて、第1実施形態で説明した判断を行う。また、再生回数判断部160および再生時間判断部168は、付帯情報判断部504が読み出した再生回数および再生時間に基づいて第1実施形態で説明した判断を行う。
【0113】
書換判断部510は、さらに、書換決定部522を有する。書換決定部522は、期間判断部162から再生回数判断部168までの各判断部のうち、予め定められている1つ又は2つ以上から条件一致通知を受けると、特定情報を書き換えるべき旨の命令を特定情報書換部506へ送る。
【0114】
図20は、本実施形態に係るプリント装置500の主な動作を示す機能ブロック図である。本実施形態では、記録媒体76をプリント装置500に装着すると、はじめにプリント用データ読出部502が記録媒体76からプリントすべき画像の画像データを読み出す(S400)。次にプリント部508が、読み出された画像データに基づいて画像をプリントする(S508)。
【0115】
次に、付帯情報読出部504が記録媒体76に格納されている属性データファイルから付帯情報を読み出す(S404)。次に、書換判断部510が読み出された付帯情報に基づいて記録媒体76に格納されている特定情報を書き換えるべきか否かを判断する(S406)。この結果、特定情報を書き換えると決定された場合には、特定情報書換部506が、特定情報保持部514に格納されている特定情報および付帯情報を記録媒体76に格納されている特定情報およびその付帯情報に上書きする(S408)。一方、S406で特定情報は書き換えないと決定された場合には、S408は実行されない。
【0116】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることができる。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0117】
例えば、上記第1から第3実施形態では、デジタルカメラを一例として本発明について説明したが、本発明はデジタルカメラ以外にも、着脱可能な記憶媒体からデータ取得して再生する情報処理装置に対して広く適用することができる。このような情報処理装置には、例えば、リームーバブルな記憶メディアを使用できるモニタ、画像再生可能なプリンタ、モニタ等に画像再生可能な画像ファイリングシステムがある。
【0118】
また、第1実施形態では、付帯情報に再生期限を含め、再生期限が過ぎている特定情報は再生しない場合について説明したが、これは、再生期限の代わりに特定情報の作成日又は保存日を記録しておいて、作成日又は保存日から一定期間を過ぎている場合には特定情報を再生しないこととしてもよい。
【0119】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、本発明の第1の態様によれば、撮像部を撮像可能な状態にするための準備処理を行っている時に、特定情報が再生されるので、ユーザに特定情報を効果的に提供することができる。
また、本発明の第2の態様によれば、記録媒体をフォーマットするときに、記録媒体に格納されている特定情報が退避されるので、特定情報がユーザの故意又は過失で消去されるという事態を防止できる。
【0120】
さらに本発明の第3の態様によれば、撮像部が出力した画像情報が所定条件を満たす場合に、特定情報を再生するので、撮像装置がおかれている場所又は環境に合った特定情報をユーザに提供することが可能になる。
さらに、本発明の第4の態様によれば、記録媒体又は特定情報格納部に格納されている特定情報の内容が書き換えられるので、ユーザにいつまでも同じ特定情報が提供される事態を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るデジタルカメラの構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態で用いる記録媒体のディレクトリ構造の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形他で記録媒体に格納されるデータ属性ファイルの一例を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るデジタルカメラの主な機能を示す機能ブロック図である。
【図5】特定情報再生部の詳細な内容を示す機能ブロック図である。
【図6】媒体初期化部の詳細な内容を示す機能ブロック図である。
【図7】指定画像消去部の詳細な内容を示す機能ブロック図である。
【図8】本発明の第1実施形態において被写体の撮影又は撮影画像の再生が行われる場合のデジタルカメラの動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1実施形態において記録媒体のフォーマットを行う場合のデジタルカメラの動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第1実施形態において記録媒体からユーザが指定する画像データを消去する場合のデジタルカメラの動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2実施形態に係るデジタルカメラの構成図である。
【図12】本発明の第2実施形態で用いる記録媒体に格納される属性データファイルの一例を示す図である。
【図13】本発明の第2実施形態における特定情報再生部144の詳細な内容を示す機能ブロック図である。
【図14】本発明の第2実施形態において被写体の撮影又は画像の再生が行われる場合のデジタルカメラの動作を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第3実施形態で用いる記録媒体に格納されている属性データファイルの一例を示す図である。
【図16】本発明の第3実施形態に係るデジタルカメラの主な機能を示す機能ブロック図である。
【図17】本発明の第3実施形態に係るデジタルカメラの主な動作を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第4実施形態に係るプリント装置の主な機能を示す機能ブロック図である。
【図19】本発明の第4実施形態に係る書換判断部の詳細な内容を示す機能ブロック図である。
【図20】本発明の第4実施形態に係るプリント装置の主な動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 デジタルカメラ
20 撮像ユニット
40 撮像制御ユニット
60 処理ユニット
100 表示ユニット
110 操作ユニット
120 音再生ユニット
130 性別特定ユニット
140 画像情報格納部
142 準備処理部
144 特定情報再生部
146 媒体初期化部
148 指定画像消去部
150 指定画像再生部
152 撮像部
312 色温度算出部
314 輝度算出部
402 特定情報格納部
408 オープニング画面表示部
410 比較部

Claims (11)

  1. 被写体を撮像して画像情報を生成する撮像部と、
    画像又は音が含まれる特定情報が予め格納されており、着脱可能である記録媒体に前記画像情報を格納する画像情報格納部と、
    前記撮像部を撮像可能な状態にするための準備処理を行っている時に、前記特定情報から前記画像又は音を再生する特定情報再生部と、
    ユーザによって指定された前記特定情報が再生された再生回数が所定値を超えている場合又は再生された再生時間が所定時間を越えている場合に、指定された前記特定情報を前記記録媒体から削除する指定画像消去部と
    を備える撮像装置。
  2. 前記撮像部は、沈胴式のレンズ鏡胴を含み、
    前記準備処理は、前記レンズ鏡胴の繰り出し処理である
    請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記記録媒体には、前記特定情報に関する付帯情報が格納されており、
    前記特定情報再生部は、前記付帯情報が所定条件を満たす場合に前記特定情報から前記画像又は音を再生する
    請求項1または2に記載の撮像装置。
  4. 現在の日付を出力する日付出力部をさらに備え、
    前記付帯情報は、前記特定情報の再生が認められる期限を含み、
    前記特定情報再生部は、前記日付出力部が出力する日付が前記期限を過ぎていないことを条件に前記特定情報から前記画像又は音を再生する
    請求項3に記載の撮像装置。
  5. 前記付帯情報は、前記特定情報が過去に再生された前記再生回数をさらに含み、
    前記特定情報再生部は、前記日付出力部が出力する日付が前記期限を過ぎておらず、かつ、前記再生回数が前記所定値を越えていないことを条件に前記特定情報から前記画像又は音を再生する
    請求項4に記載の撮像装置。
  6. 前記付帯情報は、前記特定情報が過去に再生された前記再生時間の合計をさらに含み、
    前記特定情報再生部は、前記日付出力部が出力する日付が前記期限を過ぎておらず、かつ、前記再生時間の合計が前記所定時間を超えていないことを条件に前記特定情報から前記画像又は音を再生する
    請求項4に記載の撮像装置。
  7. 現在の日付を出力する日付出力部をさらに備え、
    前記付帯情報は、前記特定情報の再生が認められる期間を含み、
    前記特定情報再生部は、前記日付出力部が出力する日付が前記期間内の日付であることを条件に前記特定情報から前記画像又は音を再生する
    請求項3に記載の撮像装置。
  8. 利用者の音声を取得する音声取得部をさらに備え、
    前記特定情報再生部は、前記音声取得部が取得した音声が所定条件を満たす場合に前記特定情報から前記画像又は音を再生する
    請求項1に記載の撮像装置。
  9. 前記音声取得部が取得した音声に基づいて前記利用者の性別を特定する性別特定部を備え、
    前記記録媒体には、前記特定情報に関する付帯情報であって、前記特定情報を提供すべき対象者の性別を指定する付帯情報が格納されており、
    前記特定情報再生部は、前記付帯情報で指定されている性別が前記性別特定部が特定した性別と一致することを条件に前記特定情報から前記画像又は音を再生する
    請求項8に記載の撮像装置。
  10. 前記記録媒体をフォーマットできるフォーマット部と、
    前記フォーマット部が前記記録媒体をフォーマットする前に、前記特定情報を前記記録媒体から退避させる特定情報退避部と、
    前記フォーマット部が前記記録媒体をフォーマットした後に、退避させている前記特定情報を前記記録媒体に再格納する特定情報再格納部と
    を備える請求項1から9のいずれかに記載の撮像装置。
  11. 前記フォーマット部が前記記録媒体をフォーマットしている時に、前記特定情報から前記画像又は音を再生するフォーマット時再生部をさらに備える
    請求項10に記載の撮像装置。
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