JP4253120B2 - 新規な細胞外セリンプロテアーゼ - Google Patents

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Description

【0001】
発 明 の 背 景
発 明 の 分 野
本発明は、概して、細胞生物学の分野および腫瘍性疾患の診断に関する。より詳しくは、本発明は、腫瘍抗原由来遺伝子−14(TADG−14)と称する新規な細胞外セリンプロテアーゼに関する。
【0002】
関連する従来技術の説明
細胞外プロテアーゼは、腫瘍の増殖、腫瘍細胞の発散および標的器官の侵入に直接的に関連してきた。個々の種類のプロテアーゼは、以下に制限されるものではないが、(1)初期腫瘍区域を囲む基質の消化、(2)腫瘍細胞を解離させる、細胞付着分子の消化、および(3)転移性増殖のための基底膜の侵入および腫瘍増殖因子と血管形成因子両方の活性化に関係する。
【0003】
従来技術には、癌腫中に過剰発現されるプロテアーゼを同定するためにスクリーニングを行う効果的な手段がない。本発明は、この技術において長年に亘る必要性を満たす。
【0004】
発 明 の 概 要
本発明は、初期段階の腫瘍、転移性腫瘍、および正常な卵巣上皮から増幅したPCR産物を検査することにより癌腫中に過剰発現されたプロテアーゼを同定するスクリーニングシステムを開示する。
【0005】
本発明のある実施の形態において、(a)TADG−14タンパク質をコードする単離DNA;(b)前記(a)の単離DNAに対してハイブリッド形成し、TADG−14タンパク質をコードする単離DNA;および(c)遺伝コードの縮重のためにコドン配列が前記(a)および(b)の単離DNAとは異なる、TADG−14タンパク質をコードする単離DNA;からなる群より選択されるTADG−14タンパク質をコードするDNAが提供される。
【0006】
本発明の別の実施の形態において、組換え細胞中の発現に適応した本発明のDNAおよび前記細胞中の該DNAの発現に必要な調節要素を発現できるベクターが提供される。
【0007】
本発明のさらに別の実施の形態において、TADG−14タンパク質を発現する本発明のベクターによりトランスフェクションされた宿主細胞が提供される。
【0008】
本発明のさらにまた別の実施の形態において、TADG−14 mRNAの発現を検出する方法であって、(a)前記細胞から得られたmRNAを、標識されたハイブリッド形成プローブと接触させ、(b)該プローブの該mRNAとのハイブリッド形成を検出する各工程を含む方法が提供される。
【0009】
本発明の他とさらなる態様、特徴、および利点は、開示を目的として与えられた本発明の現在好ましい実施の形態の以下の説明から明らかになる。
【0010】
図 面 の 説 明
本発明の上述した特徴、利点および目的、並びにこれから明らかとなる他の事項が達成され、また詳細に理解できるように、上述のごとく簡単に要約した本発明が、添付した図面に示された本発明のある実施の形態を参照してより詳しく説明される。これらの図面は、この明細書の一部を構成する。しかしながら、添付した図面は、本発明の好ましい実施の形態を示し、したがって、本発明の範囲を限定するものと考えるべきではないことに留意されたい。
【0011】
図1は、アガロースゲル中の染色により示された正常および癌腫cDNA由来のPCR産物の比較を示す。二つの明確なバンド(第二列)がプライマー対センス−His−アンチセンスAsp(AS1)中に存在した。また、約500塩基対の多重バンドが、センス−His アンチセンス−Ser(AS2)プライマー対(第四列)の癌腫列において見られる。
【0012】
図2は、TADG−14の触媒ドメインのアミノ酸配列の比較を示す。
【0013】
図3は、卵巣癌中のTADG−14の過剰発現を示す。
【0014】
図4は、腫瘍中のTADG−14発現および細胞系統を示す。
【0015】
図5は、胎児、成人および卵巣癌の組織中のTADG−14発現のブロットを示す。
【0016】
図6は、読み取り枠および共通のドメインを含むTADG−14転写産物の完全配列を示す。
【0017】
図7および8は、TADG−14のマウスニューロプシンとの相同性を示す。読み取り枠に関しては約76%の同一性があり、この読み取り枠の外側の相同性は低かった。
【0018】
図9は、TADG−14のマウスニューロプシンとのアミノ酸相同性を示す。
【0019】
図10および11はノーザンブロット分析を示す。(A)メッセンジャーRNAを、関心のある組織から単離し、無作為にラベルされた230bpのTADG14特異的RT−PCR産物を用いてノーザンハイブリッド形成を施した。そのブロットを取り出し、β−チューブリンについてプローブした。(B、C、D)多数の組織ノーザンブロット(クロンテック(Clontech))を同一のTADG14およびβ−チューブリン特異的RT−PCR産物でプローブした。TADG14 mRNAは、腫瘍中に1.4kbの転写産物として検出されたが、研究したどのような正常な細胞中にも検出されなかった。
【0020】
図12および13は、TADG14のcDNA配列および演繹したアミノ酸配列および予測したTADG14配列と既知のプロテアーゼとの比較を示す。TADG14のcDNA配列が、各々の残基に関して一文字のコードにより示された演繹された260のアミノ酸配列と共に示されている。cDNA内では、下線の引かれた部分が、それぞれ、翻訳の開始のためのコザック(Kozak)のコンセンサス配列およびポリアデニル化シグナルを示す。TADG14タンパク質配列は、アミノ末端近辺に分泌シグナル配列を含む(緑色の陰影)。触媒三連構造の重要な残基が黄色の陰影により同定され、一方で潜在的なグリコシル化部位が紫色の陰影で印付けられている。停止コドンが(*)印により示されている。GCG PILEUPプログラム(REF)を用いて、TADG14のアミノ酸配列を、ヒト腺状カリクレイン(hHk2、受入番号P06870)、ヒトPSA(hPSA、受入番号P07288)、マウスニューロプシン(mNeur、受入番号D30785)およびヒトプロテアーゼM(hProM、受入番号U62801)と比較した。5個の配列の内少なくとも3個の配列が同一であるアミノ酸残基に緑色で陰影が付けられている。黄色の陰影が付けられた残基は、少なくとも3個の配列が似ているアミノ酸を示す。触媒三連構造の残基の部分に印が付いている。
【0021】
図14および15はTADG14定量PCRを示す。TADG14定量PCR実験の典型的な結果が示されている(A)。反応産物を2%アガロースTAEゲルに電気泳動させ、エチジウムブロミドで染色した。この図において、454bpのバンドが前記βチューブリン産物を示し、230bpのバンドが前記TADG14産物を示す。放射線標識されたPCR産物が定量されている(B)。スチューデントt検定により測定したように、TADG14 mRNA発現レベルは、正常な卵巣中に見られたレベルと比較したLMP腫瘍(、P=0.05)および癌腫(P<0.0001)において著しく上昇した。個々の場合が散布ブロットで示されている。これは、これら腫瘍試料の中でのTADG14発現の異質性を示す。
【0022】
図16はウエスタンブロットを示す。TADG14の演繹したアミノ酸配列由来の多数の抗原ペプチドに結合した3つのポリリシンの内の1つでウサギを免疫化することにより、ポリクローナル抗体を産生した。これらの配列は、KYTVRLGDHSLQ(T14−1)、GHECQPHSQPWQ(T14−2)、およびLDWIKKIIGSKG(T14−3)である。(A)ウエスタンブロット分析に関して、約20gのMDA−MB−435SおよびHeLa細胞溶解物を15%SDS−PAGEゲル上で分離し、4℃で40分間に亘り100VでPVDFにエレクトロブロッティングした。このブロットを、0.2%の脱脂乳を含有するトリス緩衝生理食塩水(TBS)、pH7.8中で一晩遮断した。一次抗体を0.2%の乳/TBS中で1:100に希釈して膜に加え、2時間に亘り室温でインキュベートした。このブロットを洗浄し、1時間に亘り室温で、アルカリ性ホスファターゼ接合ヒツジ抗ウサギIgG抗体(バイオラド(Bio-Rad))の1:3000の希釈物と共にインキュベートした。このブロットを洗浄し、視覚化するためのX線フイルムへの10秒間の露光前に化学発光基質と共にインキュベートした。
【0023】
図17は免疫組織化学を示す。染色は、正常な卵巣、卵巣の2つの漿液性癌腫、粘液性癌腫、子宮内膜様癌腫および透明細胞癌腫(それぞれ、A、B、C、D、EおよびF)に関して、TADG14−1抗体により行った。正常な卵巣においては、染色が観察されなかった。図Bに示された漿液性癌腫は腫瘍の表面に最も強く関連したTADG14を有し、一方で図Cの漿液性癌腫において、TADF14は、見たところ分泌経路中に粒状形態で見られる。粘液性癌腫において、TADG14は、腫瘍の侵入前面の沿って最も多く発現されたようである。TADG14は、図Eの子宮内膜様癌腫により形成された腺状構造の内腔中に分泌される。図F中で染色された透明細胞癌腫は、全ての腫瘍細胞全体に亘る広汎性染色を示す。
【0024】
発明の詳細な説明
ここで用いているように、用語「cDNA」は、遺伝子のmRNA転写産物のDNAコピーを称するものとする。
【0025】
ここで用いているように、用語「演繹したアミノ酸配列」は、前記cDNA中のヌクレオチド塩基のトリプレット配列を読み取ることにより決定されるアミノ酸配列を意味するものとする。
【0026】
ここで用いているように、用語「ライブラリーのスクリーニング」は、標識されたプローブを用いて、適切な条件下で、特定のDNAライブラリー中に存在する該プローブに対して相補的な配列があるか否かを検査するプロセスを称するものとする。さらに、「ライブラリーのスクリーニング」は、PCRにより行っても差し支えない。
【0027】
ここで用いているように、用語「PCR」は、マリス(Mullis)に発行された米国特許第4,683,195号および同第4,683,202号の主題であるポリメラーゼ連鎖反応、並びに従来技術において現在知られている他の改良を称する。
【0028】
TADG−14 cDNAは、1343塩基対の長さ(配列番号第6番)であり、260のアミノ酸タンパク質(配列番号第7番)をコードしている。このTADG−14を利用できるために、様々な用途に至る数多くの研究方法が切り開かれた。例えば、TADG−14遺伝子が特定のヒト遺伝病の背後にあり、そのcDNAが診断予測検査の基礎となり得る。
【0029】
本発明にしたがって、従来の分子生物学、微生物学、および組換えDNA技術を用いることも従来技術の技能に含まれる。そのような技術が、文献に十分に説明されている。例えば、Maniatis, Fritsch & Sambrook, "Molecular Cloning: A Laboratory Manual" (1982); "DNA Cloning: A Practical Approach," Volumes I and II (D.N.Glover ed. 1985); "Oligonucleotide Synthesis" (M.J.Gait ed. 1984); "Nucleic Acid Hybridyzation" [B.D.Hames & S.J.Higgins eds. (1985)]; "Transcription and Translation" [B.D.Hames & S.J.Higgins eds. (1984)]; "Aminal Cell Culture" [R.I.Freshney, ed. (1986)]; "Immobilized Cells And Enzymes" [IRL Press, (1986)]; B.Perbal, "A Practical Guide To Molecular Cloning" (1984)を参照のこと。
【0030】
したがって、この明細書に出てくれば、次の用語は、以下に述べた定義を有するものとする。
【0031】
ここに記載されているアミノ酸は、「L」異性体型にあることが好ましい。しかしながら、「D」異性体型の残基は、免疫グロブリン結合の所望の機能特性がそのポリペプチドにより維持されている限り、どのようなL−アミノ酸残基も置換することができる。NHは、ポリペプチドのアミノ末端に存在する自由なアミノ基を称する。COOHは、ポリペプチドのカルボキシル末端に存在する自由なカルボキシル基を称する。標準的なポリペプチドの用語法を用いる上で、アミノ酸の省略形を用いてもよい(J Biol.Chem., 243:3552-59 (1969) )。
【0032】
全てのアミノ酸残基配列は、左右の方向付けが、アミノ末端からカルボキシル末端までの従来の方向にある化学式によりここに示されていることに留意されたい。さらに、アミノ酸残基配列の始めまたは終りにあるダッシュは、1つ以上のアミノ酸残基のさらなる配列に結合したペプチドを示すことに留意されたい。ここに示した表は、ここに代わるがわる現れるかもしれない三文字と一文字の表記を関係付けるために示されている。
【0033】
「レプリコン」は、インビボでのDNA複製の自律単位として機能する、すなわち、それ自体の制御下で複製できるあらゆる遺伝要素(例えば、プラスミド、染色体、ウイルス)である。
【0034】
「ベクター」は、別のDNA部分が、付着した部分の複製を行うように付着することのできる、プラスミド、ファージまたはコスミドのようなレプリコンである。
【0035】
「DNA分子」は、一本鎖形態または二本鎖ヘリックスいずれかのデオキシリボヌクレオチド(アデニン、グアニン、チミン、またはシトシン)の高分子形態を称する。この用語は、該分子の一次および二次構造のみを称し、いかなる特定の三次構造にも限定しない。したがって、この用語は、特に、線状DNA分子(例えば、制限断片)で見つかった二本鎖DNA、ウイルス、プラスミド、および染色体を含む。ここで構造を論じる上で、DNAの非転写鎖(すなわち、この鎖はmRNAと相同の配列を有する)に沿った5’から3’方向にのみ配列を与える通常の慣習に従う。
【0036】
「複製の起源」は、DNA合成に参加するDNA配列を称する。
【0037】
DNA「暗号配列」は、適切な調節配列の制御下に配置されたときに、インビボで転写され、ポリペプチドに翻訳される二本鎖DNA配列である。この暗号配列の境界は、5’(アミノ)末端にある開始コドンおよび3’(カルボキシル)末端にある翻訳終止コドンにより決定される。暗号配列は、以下に限定されるものではないが、原核配列、真核mRNAからのcDNA、真核(例えば、ほ乳類)DNAからのゲノムDNA配列、および合成DNA配列でさえも含む。ポリアデニル化シグナルおよび転写終止配列は通常、前記暗号配列に対して3’に位置する。
【0038】
転写および翻訳制御配列は、宿主細胞中での暗号配列に備える、プロモータ、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル、ターミネータ等のようなDNA調節配列である。
【0039】
「プロモータ配列」は、細胞中でRNAポリメラーゼに結合でき、下流(3’方向)の暗号配列の転写を開始できるDNA調節領域である。本発明を定義する目的のために、このプロモータ配列は、転写開始部位によりその3’末端で制限され、バックグラウンドより大きい検出可能なレベルで転写を開始するのに必要な最小数の塩基または要素を含むように上流(5’方向)に延在する。このプロモータ配列の中には、転写開始部位、並びにRNAポリメラーゼの結合の原因となるタンパク質結合ドメイン(コンセンサス配列)が見つかる。真核プロモータは、常にではないがしばしば、「TATA」箱および「CAT」箱を含む。原核プロモータは、前記-10および-35コンセンサス配列に加えて、シャイン−ダルガーノ配列を含む。
【0040】
「発現制御配列」は、別のDNA配列の転写および翻訳を制御し調節するDNA配列である。暗号配列は、RNAポリメラーゼがこの暗号配列をmRNAに転写するときに細胞中で転写および翻訳制御配列の「制御下」にあり、このmRNAは、次いで、この暗号配列によりコードされたタンパク質に翻訳される。
【0041】
「シグナル配列」は、前記暗号配列の近くに含むことができる。この配列は、宿主細胞に連絡して、ポリペプチドを細胞表面に向ける、またはポリペプチドを培地中に分泌する、ポリペプチドに対してN末端のシグナルペプチドをコードし、また、このシグナルペプチドは、前記タンパク質が宿主細胞から離れる前にこの細胞により切り取られる。シグナル配列は、原核生物および真核生物に特有の様々なタンパク質と関連して見つけることができる。
【0042】
用語「オリゴヌクレオチド」は、本発明のプローブを称する際にここに用いられているように、2つ以上の、好ましくは3より多いリボヌクレオチドを含む分子として定義される。その正確なサイズは多くの要因に依存し、これら要因はオリゴヌクレオチドの最終的な機能および用途に依存する。
【0043】
用語「プライマー」は、ここで用いているように、核酸鎖に対して相補的なプライマー伸長産物の合成が誘発される条件下、すなわち、DNAポリメラーゼのような誘発剤およびヌクレオチドの存在下で適切な温度およびpHに置かれたときに、合成の開始点として機能できる、精製された制限消化物中のように天然に存在するかまたは合成により生成された、オリゴヌクレオチドを称する。このプライマーは、一本鎖または二本鎖のいずれであってもよく、前記誘発剤の存在下で所望の伸長産物の合成を開始するほど十分に長くなければならない。このプライマーの正確な長さは、温度、プライマーの供給源、および使用方法を含む多くの要因に依存する。例えば、診断用途に関しては、標的配列の複雑さに依存して、オリゴヌクレオチドプライマーは典型的に15-25以上のヌクレオチドを含むが、それより少ないヌクレオチドを含んでもよい。
【0044】
ここでのプライマーは、特定の標的DNA配列の異なる鎖に対して「実質的に」相補的であるように選択される。これは、該プライマーがそれぞれの鎖とハイブリッド形成するのに十分に相補的でなければならないことを意味する。したがって、プライマー配列は、鋳型の正確な配列を反映する必要はない。例えば、非相補的ヌクレオチド断片がプライマーの5’末端に付着し、そのプライマー配列の残りがその鎖に対して相補的であってもよい。あるいは、非相補的塩基またはより長い配列は、プライマー配列がその配列との十分な相補性を有するかまたは該配列とハイブリッド形成し、それによって伸長産物の合成のための鋳型を形成するとすれば、プライマー中に散在させても差し支えない。
【0045】
ここで用いているように、用語「制限エンドヌクレアーゼ」および「制限酵素」は、各々が、特定のヌクレオチド配列でまたはその近くで二本鎖DNAを切断する酵素を称する。
【0046】
細胞は、外因性または異種DNAがその細胞の内側に導入されるときに、そのようなDNAにより「形質転換」される。その形質転換DNAは、前記細胞のゲノム中に組み込まれ(共有結合され)てもされていないてもよい。例えば、原核生物、酵母、およびほ乳類細胞において、形質転換DNAは、プラスミドのようなエピソーム要素上に保持されていてもよい。真核細胞に関して、安定に形質転換される細胞は、前記形質転換DNAが、染色体複製によって娘細胞により遺伝的に受け継がれるように染色体中に組み込まれるものである。この安定性は、真核細胞が、前記形質転換DNAを含有する娘細胞の個体群を含む細胞系またはクローンを樹立する能力により示される。「クローン」は、有糸分裂により一つの細胞すなわち祖先由来の細胞の個体群である。「細胞系」は、多くの世代に亘りインビトロで安定に増殖できる一次細胞のクローンである。
【0047】
2つのDNA配列は、このDNA配列の所定の長さに亘り、ヌクレオチドの少なくとも約75%(好ましくは、少なくとも約80%、最も好ましくは少なくとも約90%または95%)が一致するときに「実質的に相同」である。実質的に相同である配列は、配列データバンクで入手できる標準的なソフトウェアを用いて、または例えば、特定のシステムに関して定義されたストリンジェントな条件下でのサザンハイブリッド形成実験において、前記配列を比較することにより同定することができる。適切なハイブリッド形成条件の定義は、従来技術の技能に含まれる。例えば、Maniatis et al., 前出; DNA Cloning, Vols.I & II, 前出; Nucleic Acid Hybridization, 前出を参照のこと。
【0048】
DNA構成物の「異種」領域は、天然に存在するより大きい分子に関して見つからないより大きなDNA分子内のDNAの同定可能な部分である。したがって、この異種領域がほ乳類遺伝子をコードするときに、この遺伝子には通常、その供給源生物のゲノム中のほ乳類ゲノムDNAに隣接しないDNAが隣接する。別の実施例において、暗号配列は、この暗号配列自体が天然には見つからない構成物(例えば、ゲノム暗号配列がイントロンを含むときのcDNA、または天然に存在する遺伝子とは異なるコドンを有する合成配列)である。対立変異株または天然に生じる突然変異の結果からは、ここに定義したようなDNAの異種領域は生じない。
【0049】
これらの研究に最も一般的に用いられている標識は、放射性要素、酵素、紫外線に露出されたときに蛍光を発する化学物質等である。多数の蛍光物質が知られており、標識として使用することができる。これらの物質としては、例えば、フルオレセイン、ローダミン、オーラミン、テキサスレッド、AMCAブルーおよびルシフェル(Lucifer)イエローが挙げられる。特別な検出物質は、ヤギ中で調製され、イソチオシアネートによりフルオレセインに接合された抗ウサギ抗体である。
【0050】
タンパク質も放射性要素または酵素で標識することができる。この放射性標識は、現在利用できるどのような計数方法により検出しても差し支えない。好ましい同位元素は、H、14C、32P、35S、36Cl、51Cr、57Co、58Co、59Fe、90Y、125I、131I、および186Reから選択することができる。
【0051】
酵素標識も同様に有用であり、現在用いられるどのような比色、分光光度、蛍光分光光度、電流またはガス技術により検出しても差し支えない。前記酵素は、カルボジイミド、ジイソシアネート、グルタルアルデヒド等のような架橋分子との反応により選択された粒子に接合される。これらの方法に用いることのできる多くの酵素が知られており、それらを用いても差し支えない。好ましい酵素は、ペルオキシダーゼ、β−グルクロニダーゼ、β−D−グルコシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、ウレアーゼ、ペルオキシダーゼが加えられたグルコースオキシダーゼおよびアルカリ性ホスファターゼである。他の標識物質および方法の開示に関して、例として、米国特許第3,654,090号、同第3,850,752号、および同第4,016,043号を参照する。
【0052】
従来技術において開発され用いられた特定のアッセイ系が、レセプターアッセイとして知られている。レセプターアッセイにおいて、アッセイすべき物質が適切に標識され、次いで、ある細胞試験群体に多量の標識を接種し、その後、結合研究を行って、標識された物質が細胞レセプターに結合する程度を決定する。このようにして、物質間のアフィニティーの差を確認することができる。
【0053】
従来技術において有用なアッセイの一つが、「シス−トランス」アッセイとして知られている。手短に言えば、このアッセイでは2つの遺伝子構成物を用いる。その内の一つは、典型的に、適切な細胞系中にトランスフェクションされたときに関心のある特定のレセプターを絶えず発現するプラスミドであり、もう一つは、レセプターと配位子との複合体の制御下で、ルシフェラーゼのようなレセプターを発現するプラスミドである。したがって、例えば、ある化合物を特定のレセプターに関する配位子として評価することが望ましい場合には、前記プラスミドの内の一方が、選択された細胞系中でレセプターを発現することとなる構成物であり、他方のプラスミドが、前記特定のレセプターに対して応答要素が挿入されるルシフェラーゼ遺伝子に結合したプロモータを有するであろう。試験が行われる化合物が前記レセプターの作動物質である場合には、前記配位子はそのレセプターと複合体を形成し、形成された複合体は前記応答要素と結合し、前記ルシフェラーゼ遺伝子の転写を開始する。次いで、生じた化学発光が光度測定され、用量応答曲線が得られ、既知の配位子のものと比較される。上述した実験方法が米国特許第4,981,784号に詳しく記載されている。
【0054】
ここに用いているように、用語「宿主」は、原核生物だけでなく、酵母、植物および動物細胞のような真核生物を含むことを意味する。本発明のヒトTADG−14タンパク質をコードする組換えDNA分子または遺伝子は、当業者に通常知られているいずれの技術を用いても宿主を形質転換するのに使用することができる。原核生物の形質転換の目的のために、本発明のヒトTADG−14タンパク質をコードする遺伝子の暗号配列を含むベクターを使用することが特に好ましい。
【0055】
原核生物宿主としては、大腸菌、S.tymphimurium、レイ菌および枯草菌が挙げられる。真核宿主としては、Pichia pastorisのような酵母、ほ乳類細胞および昆虫細胞が挙げられる。
【0056】
一般的に、挿入されたDNA断片の効率的な転写を促進させるプロモータ配列を含む発現ベクターが、前記宿主と一緒に用いられる。この発現ベクターは典型的に、複製の起源、プロモータ、ターミネータ、並びに形質転換された細胞中で表現型選択を行える特定の遺伝子を含む。この形質転換された宿主を、従来技術において知られた手段に従って発酵させ培養して、最適な細胞増殖を行うことができる。
【0057】
本発明は実質的に純粋な、TADG−14タンパク質をコードするDNAを含み、このDNAの鎖は、高いストリンジェンシーで、配列番号第6番の少なくとも15の隣接ヌクレオチドの配列を含むプローブに対してハイブリッド形成する。本発明のDNAによりコードされたタンパク質は、図6に列記されたアミノ酸(配列番号第7番)と少なくとも80%の配列同一性(好ましくは85%、より好ましくは90%、最も好ましくは95%)を有するであろう。より好ましくは、前記DNAは、図6のヌクレオチドの暗号配列(配列番号第6番)、またはそのような配列の縮重変異株を含む。
【0058】
本発明のDNAがハイブリッド形成するプローブは好ましくは、図6に列記したヌクレオチドの暗号配列(配列番号第6番)の、少なくとも20の隣接ヌクレオチド、より好ましくは40のヌクレオチド、さらにより好ましくは50のヌクレオチド、そして最も好ましくは100以上のヌクレオチド(100%まで)の配列またはその補体からなる。そのようなプローブは、ヒト細胞中のTADG−14の発現を、(a)前記細胞から得られたmRNAを、標識されたハイブリッド形成プローブと接触させ、(b)該プローブのmRNAとのハイブリッド形成を検出する各工程を含む方法により検出するのに有用である。
【0059】
本発明はまた、図6に列記したヌクレオチドのヌクレオチド1から1343までの領域の、少なくとも15の連続ヌクレオチド(好ましくは20、より好ましくは30、さらにより好ましくは50、最も好ましくは全て)の配列を含有する実質的に純粋なDNAを含む。
【0060】
「高いストリンジェンシー」は、高温および低塩濃度により特徴付けられるDNAハイブリッド形成および洗浄条件、例えば、約0.1×SSCの塩濃度での65℃の洗浄条件、またはその機能的に同等な条件を意味する。例えば、高いストリンジェンシー条件は、約50%のホルムアルデヒドの存在下の約42℃でのハイブリッド形成、1%のSDSを含有する約2×SSCによる約65℃での第一の洗浄、その後の約0.1×SSCによる約65℃での第二の洗浄を含む。
【0061】
「実質的に純粋なDNA」は、該DNAが天然に存在するミリューの分子のいくつかまたは全ての分離(部分的または全体の精製)により、または請求項に記載されたDNAに隣接する配列の変更により、そのミリューの一部ではないDNAを意味する。したがって、その用語は、例えば、ベクター中、自律複製プラスミドまたはウイルス中、または原核生物または真核生物のゲノムDNA中に含まれる組換えDNA;もしくは他の配列とは独立した別の分子(例えば、cDNAまたはゲノムまたはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)もしくは制限エンドヌクレアーゼ消化により産生されたcDNA断片)として存在する組換えDNAを含む。その用語はまた、追加のポリペプチド配列、例えば、融合タンパク質をコードする雑種遺伝子の一部である組換えDNAも含む。また、TADG−14の別のスプライス変異株をコードする図6に列記されたヌクレオチド(配列番号第6番)の一部を含む組換えDNAも含まれる。
【0062】
前記DNAは、図6に列記したヌクレオチドの暗号配列(配列番号第6番)に対して少なくとも70%の配列同一性、好ましくは少なくとも75%(例えば、少なくとも80%)、最も好ましくは少なくとも90%の配列同一性を有する。二つの配列間の同一性は、一致または同一位置の数の直接的関数である。この二つの配列の両方におけるサブユニット位置が同一の単量体サブユニットで占められている場合、例えば、二つのDNA分子の各々において所定の位置がアデニンにより占められている場合、それらの分子はその位置で同一である。例えば、長さが10のヌクレオチドの配列において7つの位置が第二の10のヌクレオチドの配列中の対応する位置に対して同一であれば、それら二つの配列は70%の配列同一性を有する。比較配列の長さは、一般的に、少なくとも50のヌクレオチド、好ましくは少なくとも60のヌクレオチド、より好ましくは少なくとも75のヌクレオチド、最も好ましくは100のヌクレオチドである。配列同一性は典型的に、配列分析ソフトウェア(例えば、53705ウィスコンシン州、マジソン、ユニバーシティーアベニュー1710、ユニバーシティー・オブ・ウィスコンシンバイオテクノロジーセンター、遺伝子コンピュータグループの配列分析ソフトウェアパッケージ)を用いて測定される。
【0063】
本発明は、ヒトTADG−14タンパク質をコードするDNA配列を含むベクターを含み、このベクターは、操作できるリンケージ中に、a)複製の起源、b)プロモータ、およびc)前記タンパク質をコードするDNA配列を含む宿主中で複製することができる。好ましくは、本発明のベクターは、配列番号第6番に示したDNA配列の一部を含有する。「ベクター」は、複製できる核酸構成物、例えば、プラスミドまたはウイルス核酸として定義してもよい。ベクターは、TADG−14タンパク質をコードする核酸の増幅および/また発現に用いてもよい。発現ベクターは、ポリペプチドをコードする核酸配列が、細胞中でそのポリペプチドの発現を行うことのできる適切な制御配列に実行可能に結合している複製可能な構成物である。そのような制御配列の必要性は、選択した細胞および選択した形質転換方法に応じて異なる。一般的に、制御配列は、mRNAリボソーム結合部位に適した転写プロモータおよび/またはエンハンサ、および転写と翻訳の終了を制御する配列を含む。当業者によく知られている方法を用いて、適切な転写および翻訳制御信号を含有する発現ベクターを構成することができる。例えば、Sambrook et al., 1989, Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd Ed.), Cold Spring Harbor Press, N.Y.に記載されている技術を参照のこと。遺伝子およびその転写制御配列は、該転写制御配列がこの遺伝子の転写を効果的に制御する場合に「実行可能に結合している」と定義される。本発明のベクターは、以下に限定されるものではないが、プラスミドベクターおよびウイルスベクターを含む。本発明の好ましいウイルスベクターは、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ関連性ウイルス、SV40ウイルス、またはヘルペスウイルス由来のものである。
【0064】
「実質的に純粋なタンパク質」は、そのタンパク質に天然に伴うタンパク質成分の少なくともいくつかから分離されたタンパク質を意味する。典型的に、そのタンパク質は、前記タンパク質成分およびインビボで天然に関連した他の天然に存在する有機分子が少なくとも60重量%含まれないときに実質的に純粋である。好ましくは、調製物の純度は、少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくは少なくとも99重量%である。実質的に純粋なTADG−14タンパク質は、例えば、天然の供給源からの抽出により;TADG−14ポリペプチドをコードする組換え核酸の発現により;または前記タンパク質を化学的に合成することにより得られる。純度は、いずれの適切な方法、例えば、TADG−14に特異的な抗体を用いたイムノアフィニティークロマトグラフィーのようなカラムクロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、またはHPLC分析により測定しても差し支えない。タンパク質は、天然の状態においてそのタンパク質に伴う不純物の少なくともいくつかから分離されているときに、天然に関連した成分が実質的に含まれていない。したがって、化学的に合成された、または天然にそこから生じた細胞とは異なる細胞系中で産生されたタンパク質は、定義により、その天然に関連した成分が実質的に含まれないことになる。したがって、実質的に純粋なタンパク質は、大腸菌、他の原核生物、または該タンパク質がその中には天然には存在しないいずれの他の生物中で合成された真核タンパク質を含む。
【0065】
実質的に全長のタンパク質に加えて、本発明はまた、TADG−14タンパク質(配列番号第7番)の断片(例えば、抗原断片)も含む。ここで用いているように、「断片」は、ポリペプチドに適用されるように、完全な無傷な配列未満であるが、長さで、普通は少なくとも10の残基、より典型的には少なくとも20の残基、そして好ましくは少なくとも30(例えば、50)の残基である。前記TADG−14タンパク質の断片は、当業者に知られている方法により、例えば、天然に存在するまたは組換えTADG−14タンパク質の酵素消化により、TADG−14の所定の断片をコードする発現ベクターを用いた組換えDNA技術により、または化学的合成により産生することができる。候補の断片の、TADG−14の特性(例えば、TADG−14に特異的な抗体への結合)を示す能力は、ここに記載した方法により評価することができる。精製TADG−14またはTADG−14の抗原断片は、当業者に知られた標準的な実験方法を用いることにより、新たな抗体を産生する、または存在する抗体を(例えば、診断アッセイにおける陽性対照として)検査するのに用いることができる。本発明には、例えば、ウサギにおける免疫原としてTADG−14またはTADG−14の断片を用いることにより産生されたポリクローナル抗血清が含まれる。当業者に知られたモノクローナルおよびポリクローナル抗体産生の標準実験方法が用いられる。この方法により産生されたモノクローナル抗体は、組換えTADG−14 cDNAクローンを同定し、これらを既知のcDNAクローンから区別する能力に関してスクリーニングすることができる。
【0066】
さらに、本発明には、配列番号第7番の一部分により少なくとも一部がコードされたTADG−14タンパク質、例えば、代わりのmRNAスプライシングまたは代わりのタンパク質処理工程の産物、もしくはTADG−14配列の一部分が欠失されたTADG−14タンパク質が含まれる。前記断片、または無傷なTADG−14ポリペプチドは、別のポリペプチド、例えば、標識、配位子または抗原性を増大させる手段として機能するポリペプチドに共有結合していてもよい。
【0067】
本発明はまた、TADG−14に特異的に結合するポリクローナルまたはモノクローナル抗体も含む。本発明は、無傷なモノクローナル抗体だけでなく、免疫活性抗体断片、例えば、Fabまたは(Fab)断片;操作された一本鎖Fv分子;またはキメラ分子、例えば、マウス起源の一つの抗体の結合特異性、および例えば、ヒト起源の別の抗体の残りの部分を含有する抗体を包含する。
【0068】
ある実施の形態において、前記抗体、またはその断片は、毒素に、もしくは検出可能な標識、例えば、放射性標識、非放射性同位元素標識、蛍光標識、化学発光標識、常磁性標識、酵素標識、または比色標識に結合していてもよい。適切な毒素の例としては、ジフテリア毒素、シュードモナス外毒素A、およびコレラ毒素が挙げられる。適切な酵素標識の例としては、リンゴ酸ヒドロゲナーゼ、ブドウ球菌ヌクレアーゼ、デルタ−5−ステロイドイソメラーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、アルファ−グリセリンリン酸脱水素酵素、トリオースホスフェートイソメラーゼ、ペルオキシダーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、アスパラギナーゼ、グルコースオキシダーゼ、ベータガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼ、アセチルコリンエステラーゼ等が挙げられる。適切な放射性同位元素標識の例としては、H、125I、131I、32P、35S、14C等が挙げられる。
【0069】
インビボ診断の目的のために、本発明の方法に従って、常磁性同位元素を用いても差し支えない。磁気共鳴イメージングに有用な要素には数多くの例がある。インビボ核磁気共鳴イメージングについての議論に関しては、例えば、Schaefer et al., (1989) JACC 14, 472-480; Shreve et al., (1986) Mang.Reson.Med. 3, 336-340; Wolf,G.L., (1984) Physiol.Chem.Phys.Med.NMR 16, 93-95; Wesbey et al., (1984) Physiol.Chem.Phys.Med.NMR 16, 145-155; Runge et al., (1984) Invest.Radiol. 19, 408-415を参照のこと。適切な蛍光標識の例としては、フルオレセイン標識、イソチオシアネート標識、ローダミン標識、フィコエリトリン標識、アロフィコシアニン標識、オフトアルデヒド標識、フルオレサミン標識等が挙げられる。化学発光標識の例としては、ルミナール標識、イソルミナール標識、芳香族アクリジニウムエステル標識、イミダゾール標識、アクリジニウム塩標識、シュウ酸エステル標識、ルシフェリン標識、ルシフェラーゼ標識、エクオリン標識等が挙げられる。
【0070】
当業者は、本発明による用いてもよい他の適切な標識を知っている。コレラの標識の抗体またはその断片への結合は、当業者に通常知られた標準的技術を用いて行うことができる。典型的な技術は、Kennedy et al., (1976) Clin.Chim.Acta 70, 1-31;およびSchurs et al., (1977) Clin.Chim.Acta 81, 1-40に記載されている。後者の文献に述べられた結合技術は、グルタルアルデヒド法、過ヨウソ酸塩法、ジマレイミド法、m−マレイミドベンジル−N−ヒドロキシ−スクシンイミドエステル法である。
【0071】
生物学的試料中においてTADG−14タンパク質を検出する方法であって、その試料を標識された抗体、例えば、TADG−14に特異的な放射性標識抗体と接触させ、この抗体が前記試料の成分と結合したか否かを決定する各工程を含む方法も本発明に含まれる。
【0072】
ここに記載するように、本発明は数多くの診断の利点および用途を提供する。例えば、前記TADG−14タンパク質は、このタンパク質が高度に増殖している細胞中には含まれないので、異なる組織中の癌の診断に有用である。TADG−14に特異的なエピトープに結合する抗体(またはその抗原結合断片)は、癌または新生物形質転換の診断のために生物学的試料中でTADG−14タンパク質を検出する方法に有用である。この方法は、癌を有する疑いのある患者から生物学的試料(例えば、細胞、血液、組織等)を得て、この試料をTADG−14に特異的な標識抗体(例えば、放射線標識抗体)に接触させ、ELISAのような標準的な免疫検定技術を用いてそのTADG−14タンパク質を検出する各工程を含む。前記生物学的試料に結合した抗体は、その試料がTADG−14内のエピトープに特異的に結合する成分を含むことを示す。
【0073】
本発明は、(a)TADG−14タンパク質をコードする単離DNA;(b)前記(a)の単離DNAに対してハイブリッド形成し、TADG−14タンパク質をコードする単離DNA;および(c)遺伝コードの縮重のためにコドン配列が前記(a)および(b)の単離DNAとは異なる、TADG−14タンパク質をコードする単離DNA;からなる群より選択されるTADG−14タンパク質をコードするDNAに関する。好ましくは、前記DNAは、配列番号第6番に示した配列を有する。より好ましくは、前記DNAは、配列番号第7番に示したアミノ酸配列を有するTADG−14タンパク質をコードする。
【0074】
本発明は、組換え細胞中の発現に適応した本発明のDNAおよび前記細胞中の該DNAの発現に必要な調節要素を発現できるベクターにも関する。好ましくは、前記ベクターは、配列番号第7番に示したアミノ酸配列を有するTADG−14タンパク質をコードするDNAを含有する。
【0075】
本発明は、TADG−14タンパク質を発現する、ここに記載したベクターによりトランスフェクションされた宿主細胞にも関する。代表的な宿主細胞としては、細菌細胞、ほ乳類細胞および昆虫細胞が挙げられる。
【0076】
本発明はまた、(a)TADG−14タンパク質をコードする単離DNA;(b)前記(a)の単離DNAに対してハイブリッド形成し、TADG−14タンパク質をコードする単離DNA;および(c)遺伝コードの縮重のためにコドン配列が前記(a)および(b)の単離DNAとは異なる、TADG−14タンパク質をコードする単離DNA;からなる群より選択されるDNAによりコードされた、単離され精製されたTADG−14タンパク質にも関する。好ましくは、この単離され精製された、請求項9記載のTADG−14タンパク質は、配列番号第7番に示したアミノ酸配列を有する。
【0077】
本発明はまた、請求項1記載のタンパク質の発現を検出する方法であって、(a)細胞から得られたmRNAを、標識されたハイブリッド形成プローブと接触させ、(b)該プローブの該mRNAとのハイブリッド形成を検出する各工程を含む方法にも関する。
【0078】
以下の実施例は、本発明の様々な実施の形態を説明する目的のために与えたものであり、本発明をいかようにも制限することを意図したものではない。
【0079】
実施例1
組織の採取および貯蔵
患者の子宮摘出、両側卵管卵巣摘出、または新生物組織の外科的除去の際に、検体を回収し、氷上に配置する。次いで、この検体を、特定の組織試料の単離および同定のために専門病理学者の所に持って行った。最終的に、この試料を液体窒素中で凍結させ、研究室の記録簿に記録し、-80℃で貯蔵した。追加の検体は、コーポレイティブ・ヒューマン・ティッシュー・ネットワーク(CHTN)から頻繁に得た。これらの試料は、CHTNにより調製され、ドライアイス上で我々に発送された。到着したら、これらの検体を研究室の記録簿に記録し、-80℃で貯蔵した。
【0080】
実施例2
mRNAの単離およびcDNAの合成
メッセンジャーRNA(mRNA)の単離は、ベクトンディキンソン(Becton Dickinson)から購入したMini RiboSepTM Ultra mRNA単離キット(カタログ番号30034)を用い、製造業者の指示に従って行った。これは、mRNA単離のオリゴ(dt)クロマトグラフィーに基づくシステムであった。回収したmRNAの量を紫外線分光光度法により定量した。
【0081】
第一鎖相補DNA(cDNA)を、クロンテックより得た第一鎖合成キット(カタログ番号K1402-1)を用い、製造業者の指示に従い、5.0mgのmRNAおよびランダムヘキサマー(random hexamer)またはオリゴ(dT)プライマーを用いて合成した。このcDNAの純度は、p53遺伝子に特異的なプライマーを用いてPCRにより評価した。これらのプライマーは、純粋なcDNAが、ゲノムDNAの混入したcDNAから区別できるようなイントロンを含む。
【0082】
実施例3
PCR反応
反応は以下のように行った:50ngのmRNAより産生した第一鎖cDNAを、1.0mMのMgCl2、0.2mMのdNTP、反応物1ml当たり0.025UのTaqポリメラーゼ、および酵素を補給した1×緩衝液の存在下で鋳型として用いる。さらに、プライマーをこのPCR反応物に加えなければならない。様々なcDNAを増幅できる縮重プライマーを各々2.0mMの最終濃度で用い、一方で、特定のcDNAを増幅するプライマーを各々0.2mMの最終濃度まで加える。
【0083】
3分間に亘り95℃で最初の変性を行った後、パーキンエルマージーンアンプ2400サーマルサイクラー中で30サイクルのPCRを行った。各々のサイクルは、95℃での30秒間の変性、適切なアニーリング温度での30秒間のプライマーアニーリング、および72℃での30秒間の伸長からなる。最後のサイクルは、72℃での7分間に延長する。反応がうまくいったことを保証するために、混合物の分画を、エチジウムブロミド(最終濃度 1mg/ml)で染色した2%アガロース/TAEゲル中を電気泳動させる。前記アニーリング温度は、PCR反応に使用するプライマーに応じて異なる。縮重プライマーを含む反応に関しては、48℃のアニーリング温度を用いた。TADG14およびβ−チューブリンに特異的なプライマーの適切なアニーリング温度は62℃である。
【0084】
実施例4
T−ベクターのライゲーションおよび形質転換
製造業者の指示に従って(プロメガカタログ番号A3610)、精製したPCR産物をプロメガT−ベクターにライゲーションし、このライゲーション産物を用いて、JM109コンピテント細胞を形質転換する。陽性の個体群を増幅のために培養し、そのプラスミドDNAを、WizardTM Minipreps DNA精製装置(プロメガカタログ番号A7500)により単離し、このプラスミドをApaIおよびSacI制限酵素で消化して、インサートのサイズを決定した。以前に記載したPCR産物のゲル電気泳動により視覚化した、前記サイズのインサートを有するプラスミドを塩基配列決定した。
【0085】
実施例5
DNA塩基配列決定
クローニング部位近くのプラスミド特異的プライマーを用い、製造業者の指示に従って、PRISMTM Ready Reaction Dye DeoxyTM ターミネータ(アプライドバイオシステムスカタログ番号401384)を用いて塩基配列決定反応を行った。残留した色素ターミネータを、Centri-sepTM スピンカラム(プリンストンセパレーションカタログ番号CS-901)を用いて完了した塩基配列反応物から分離した。アプライドバイオシステムス社のモデル373ADNA塩基配列決定装置が利用でき、塩基配列決定分析に用いた。決定した配列に基づいて、関心のある遺伝子を特異的に増幅するプライマーを設計し、合成した。
【0086】
実施例6
ノーザンブロット分析
mRNA(約5mg)を、0.02MのMOPS、0.05Mの酢酸ナトリウム(pH7.0)、および0.001MのEDTA中の6.3%のホルムアルデヒド、1.2%のアガロースゲル中の電気泳動によりサイズ分離した。次いで、このmRNAを、20×SSPE中の毛管作用によりHybond-N(アメルシャム)にブロッティングした。このRNAを、80℃で2時間に亘りベーキングすることにより膜に固定する。追加のマルチプルティッシュノーザン(MTN)ブロットをクロンテックラボラトリーズから購入した。これらのブロットは、ヒトMTNブロット(カタログ番号7760-1)、ヒトMTN IIブロット(カタログ番号7759-1)、ヒト胎児MTN IIブロット(カタログ番号7756-1)、およびヒト脳MTN IIIブロット(カタログ番号7750-1)を含む。適切なプローブを、プロメガから入手できるPrime-a-Gene Labelling System(カタログ番号第U1100)を用いて放射線標識した。これらブロットをクロンテックより入手できるエキスプレスハイブ・ハイブリッド形成溶液プロトコル(ExpressHyb Hybridization Solution protocol)(カタログ番号8015-1または8015-2)に従って、プローブし、ストリップに切断した。
【0087】
実施例7
定量PCR
最終容積で25mlの1×緩衝液中の50ngのmRNA由来のcDNA、TADG14および内部制御β−チューブリンのための5ピコモルのセンスおよびアンチセンスプライマー、0.2ミリモルのdNTP、0.5mCiの[α−32P]dCTP、および0.625UのTaqポリメラーゼからなる反応混合物中で定量PCRを行った。この混合物に、1分間の95℃での変性を行い、続いて、95℃での30秒間の変性、62℃での30秒間のアニーリング、72℃での1分間の伸長の30サイクルと、最後のサイクルでの追加の7分間の伸長を行った。この産物を、分離のために2%アガロースゲル中で電気泳動させ、このゲルを真空乾燥させ、オートラジオグラフの撮影を行った。各々のバンドの相対的放射性を、モレキュラーダイナミクスからのホスホイメージャー(PhosphoImager)により測定した。
【0088】
実施例8
本発明は、癌中で過剰発現される部類のものを同定するために、セリンプロテアーゼの部類の保存区域に向けられたプライマーの使用を説明する。いくつかの遺伝子が同定され、他の組織中でクローンされたが、以前には卵巣癌には関連付けられていなかった。本発明は、卵巣癌中で同定された新規なプロテアーゼを説明する。この遺伝子は、カルボキシル末端に向かって約150のアミノ酸だけ下流にある、触媒ドメインアミノ酸ヒスチジンおよび触媒ドメインアミノ酸セリンを囲む保存区域に対してプライマーを使用することにより同定された。
【0089】
本発明の新規な細胞外セリンプロテアーゼをコードする遺伝子は、適切なPCR産物をサブクローニングし塩基配列決定することにより、癌中で過剰発現されたプロテアーゼの群から同定された。そのようなPCR反応の例が図1に示されている。そのような増幅からの個々のバンドのサブクローニングおよび塩基配列決定が、本発明の新規なプロテアーゼを同定する原理を与えた。
【0090】
実施例9
TADG−14の触媒ドメインに関して決定された配列が図2に示されており、他のセリンプロテアーゼと一致しており、セリンプロテアーゼの一群の触媒ドメインに適した保存アミノ酸を特異的に含んでいる。この配列から由来の特異的プライマー(20mers)を用いた。
【0091】
一連の正常なcDNAおよび腫瘍DNAを検査して、TADG−14タンパク質の発現を決定した。β−チューブリンをPCR増幅の内部対照として用いて9つの癌と比較した一連の3つの正常なcDNAにおいて、TADG−14は、9つの癌の内8つにおいて著しく過剰に発現され、正常な上皮組織においては検出されなかったかたまは非常に低いレベルでしか検出されなかった(図3)。この評価を約35の腫瘍の標準的なパネルに施した。これらの特異的プライマーを用いて、この遺伝子の発現を、図4に示したように、腫瘍細胞系および他の腫瘍組織の両方においても検査した。TADG−14の発現は、乳癌および結腸癌においても観察された。TADG−14発現は、他の組織においては見られなかった。例えば、TADG−14は、以下の正常な組織のいずれにおいてもノーザンブロット分析により検出可能なレベルでは存在しなかった:胎児の肺、胎児の心臓、胎児の脳、胎児の腎臓、成人の脾臓、胸腺、前立腺、精巣、卵巣、小腸、結腸、末梢血白血球、心臓、胎盤、肝臓、骨格筋、腎臓、膵臓、小脳扁桃、尾状核、脳梁、海馬、全脳、視床下核および視床。
【0092】
ノーザンブロット分析のためのプローブとして触媒部位の全ドメインを含むTADG−14に関する特異的配列を用いて、3つのノーザンブロットを検査した:一つは、正常と癌の両方の卵巣組織由来であり;一つは、胎児組織からのものであり;一つは成人の正常組織からのものである。図5に示したように、TADG−14の多量の転写産物が卵巣癌中に見られた。転写産物は全ての癌中に見られたが、卵巣癌のいくつかの亜類型においてはより低いレベルでしか見られなかった。さらに、正常の卵巣組織からは転写産物は観察されなかった。前記転写産物のサイズは、約1.4kbであることが分かった。脳、肺、肝臓、腎臓を含む検査した胎児の組織、および検査した多数の成人の組織において、これらのブロットのいずれもがTADG−14の転写産物の発現を示さなかったという事実は、特に注目に値する。胎児と成人のブロットのハイブリッド形成は、適切であり、卵巣組織に行ったのと同様のプローブで行った。この検査に引き続き、これらのブロットが他の検出可能なmRNA転写産物を含むことを確認した。
【0093】
ライブラリーをスクリーニングするためのプローブとして、前記触媒ドメインのヌクレオチド713-1160に対応する元の全長PCRクローン由来の塩基配列を用いて、腹水腫瘍細胞由来の卵巣癌ライブラリーを、TADG−14の存在に関して検査した。4つのクローンを得た。その内の2つは、TADG−14遺伝子の完全mRNAの1.4kbの転写産物を含んだ。全ヌクレオチド配列(配列番号第6番)が、読み取り枠の翻訳(配列番号第7番)とともに図6に示されている。
【0094】
このヌクレオチド配列には、翻訳の開始部位から上流の配列に典型的なコザック配列がある。また、ポリアデニル化シグナル配列およびポリ−A尾もある。前記読み取り枠は、前記プロテアーゼの細胞外処理を確実にする最初の25のアミノ酸中に分泌シグナル配列を含む260のアミノ酸配列からなる(配列番号第7番)。また、セリンプロテアーゼの一群中に保存された一連のアミノ酸と共に、触媒ドメイン保存ヒスチジン、アスパラギン酸、セリンの一群の明確な図が示されている。
【0095】
発現されたtag配列および完全転写産物の両方に関するデータベースを調査することにより、この新しく同定されたセリンプロテアーゼに対して著しい相同性を有する7つの遺伝子が得られた。1つの遺伝子は、マウスの脳から同定した。そのヌクレオチド相同性の比較が図7および8に示されている。そのアミノ酸配列の相同性の比較が図9に示されている。TADG−14のマウスニューロプシンとの配列合せにより、これら2つの遺伝子に関するアミノ酸レベルで、77.2%の類似性および72.2%の同一性が示された。マウス転写産物のサイズが1.4kbであり、マウスの遺伝子が260のアミノ酸を含有し、70%より大きい相同性があるとすると、この遺伝子は、マウスのニューロプシン遺伝子またはニューロプシン様遺伝子のもののヒト同等物であるかもしれない。
【0096】
TADG−14は、腫瘍の発達の初期において分泌され発現され、侵入能力を有する。したがって、TADG−14は、卵巣癌および他の癌に関する潜在的な病気の徴候である。TADG−14はまた、阻害、遺伝療法、抗体不活化技術により腫瘍の蔓延を調節する際の関与の標的であるかもしれない。乳癌および前立腺癌の予備データを含む卵巣癌および他の癌において明らかに有用であることに加えて、前記ニューロプシン様特性が、神経病障害において有用である可能性もある。
【0097】
実施例10
発現されたセリンプロテアーゼを同定するために、触媒三連構造の不変HisおよびSer残基を囲む前記保存されたアミノ酸配列に対して設計された縮重オリゴヌクレオチドプライマーを、鋳型としての正常な卵巣組織また卵巣癌いずれかからのcDNAによるPCR反応に用いた。適切なサイズのPCR産物をT−ベクター中にサブクローニングし、塩基配列決定した。この手法を用いてすでに同定したプロテアーゼの中で、例えば、ヘプシン(hepsin)およびストラタムコーネウムキモトリプシン酵素(stratum corneum chymotryptic enzyme: SCCE)が、卵巣癌中で以上に高いレベルで発現されたことが示された。この新規なプロテアーゼTADG14に関する相同性研究により、卵巣癌から得られたサブクローンの内の一つが、マウスニューロプシン、ヒト腺カリクレインおよびヒトPSAを含む他の既知のプロテアーゼに対して著しい配列類似性を有する新しい406塩基対(bp)を示したことが分かった。この新しい配列の完全cDNAはクローニングされ、TADG14と称されるトリプシン様セリンプロテアーゼをコードすることが分かった。より重要なことには、TADG14転写産物が、正常な卵巣組織によっては発現されないが、大多数の卵巣腫瘍中で高度に発現されることが分かった。TADG14の高レベルの発現は腫瘍に制限されているようであり、このプロテアーゼは、侵入および転移における潜在的な役割を示唆する様式で分泌されるようである。さらに、この酵素の細胞外特性のために、卵巣癌の診断手段として、その発現を活用できるであろう。
【0098】
この新しい406bpの配列をプローブとして用い、ノーザンブロット分析を行って、転写産物のサイズおよびその発現の組織特異性を決定した。このクローンのmRNAが約1.4キロ塩基(kb)であり(図10のA)、そのクローンが正常な卵巣中ではなく、卵巣癌中で強烈に発現されることが分かった。より重要なことには、前記転写産物が、研究した28の正常なヒト組織中ではノーザンブロット分析により検出不可能であることが分かった(図10のB、図11のCおよびD、いくつかのデータは示されていない)。50の正常なヒトの組織のより感度のよいアッセイ(クロンテック)において、RNAドットブロット分析により、このクローンが、これら50の組織の内のたった3つ、すなわち、腎臓、肺および乳腺中のみに非常に弱く発現された(データは示さない)ことが分かった。
【0099】
標準的なハイブリッド形成技術を用いて、卵巣嚢胞腺癌患者の腹水から単離したmRNAから構成したcDNAライブラリーをスクリーニングした。5つのクローンを得た。その内の2つは、1343のヌクレオチドに及び重複していた(図12)。ポリ(A)尾の前の最後の2つのヌクレオチドおよびおよびポリ(A)尾自体は、NCBIで入手できるESTデータベースから得た(受入番号AA343629)。このcDNAの5’および3’末端近くの配列から由来のプローブによるその後のノーザンブロット分析は、得られたクローンが同一の遺伝子により産生されたことを示す以前の結果と一致した(データは示さず)。このcDNAは、翻訳の開始のためのコザックのコンセンサス配列、およびポリアデニル化シグナルを含む。前記mRNAは260のアミノ酸の読み取り枠を提供し、この読み取り枠は、このタンパク質をトリプシン様セリンプロテアーゼとして分類するために適切な意味で必要な残基(His73、Asp120、Ser212)を含有する。そのアミノ末端近くには、予測したタンパク質が、分泌シグナル配列として機能するかもしれない一繋がりの疎水性アミノ酸を含む。さらに、残基110から112までが、PSAのようなカリクレイン亜類群のセリンプロテアーゼに共通するグリコシル化のための潜在的な部位をコードする。この酵素はTADG14と称される。演繹したTADG14アミノ酸配列の既知のプロテアーゼの配列との比較により、TADG14アミノ酸配列が、ヒト腺カリクレイン(hHk2)、PSA、プロテアーゼKおよびマウスニューロプシンとの著しい類似性を有することが分かった。アミノ酸レベルでは、TADG14は、プロテアーゼMに対して48%同一であり、hHk2に対しては46%同一であり、PSAに対しては43%同一である。より関心を引くことには、前記マウスプロテアーゼニューロプシンおよびTADG14は、72%のアミノ酸同一性を共有する。タンパク質配列の類似性に加えて、ニューロプシンおよびTADG14mRNAは、同様のサイズ(1.4kb)並びにほぼ同量の5’および3’未翻訳領域を有する構造のものであり、オルソロジー(orthology)の可能性を示唆している。ニューロプシンは、もとはマウスの海馬からクローニングしたものであり、シミュレーションの元では特異的に発現されることを示した。しかしながら、TADG14mRNAは、ノーザンブロットによりヒト海馬中では検出できなかった(データは示さず)。
【0100】
卵巣腫瘍中のTADG14遺伝子の発現の程度と頻度を特徴付けるために、鋳型としての、正常な卵巣、卵巣癌または低悪性潜在(LMP)腫瘍由来のcDNAに、定量PCRを用いた。この技術は、ノーザンブロットおよびウエスタンブロットにより以前に証明され立証されている。TADG14特異的230bp産物を増幅するPCRプライマーを合成し、β−チューブリンに関して特異的454bpPCR産物を産生するプライマーとの反応に同時に用いた。TADG14特異的PCRに関して、PCRプライマーは:センス、5’−ACAGTACGCCTGGG AGACCA−3’;アンチセンス、5’−CTGAGACGGTGCAATTCTGG−3’であった。前記チューブリンプライマーは、文献11に記載されているようなものであった。反応は以下のように行った:1.0mMのMgCl、0.2mMのdNTP、反応液1ml当たり0.025UのTaqポリメラーゼ、および酵素を補給した1×緩衝液の存在下で、50ngのmRNAから産生した第一鎖cDNAを鋳型として用いた。特異的cDNAを増幅するプライマーを、各々0.2mMの最終濃度となるまで加える。3分間に亘る95℃での最初の変性後、パーキンエルマーGene Amp 2400 サーマルサイクラー中で30サイクルのPCRを行った。各々のサイクルは、95℃での30秒間の変性、62℃での30秒間のプライマーアニーリングおよび72℃での30秒間の伸長からなる。最後のサイクルは、7分間に亘る72℃に延長した。放射線標識ヌクレオチドをこの反応に含み、前記PCR産物を2%のアガロースゲル上で分離し、各々のバンドの強度をホスホイメージャー(モレキュラーダイナミクス)により定量した。図14は、分離した定量PCR産物を有するエチジウムブロミド染色したアガロースゲルを示し、観察された典型的な結果を示している。
【0101】
TADG14 PCR産物のβ−チューブリン産物に対する比率(平均±SD)を、全て比較的低発現レベルを示した正常な卵巣(0.034±0.024)試料について計算した。TADG14過剰発現は、正常の試料に関するTADG14対β−チューブリンの比率の平均を、2標準偏差(SD)より大きく越えるものとして定義された。TADF14は、10のLMP腫瘍のうちの4つ(40%)、および検査した30の卵巣癌のうちの20(67%)が過剰発現されたことが分かった。腫瘍の個々の組織亜類型に関して、発現比率は、漿液性LMP腫瘍に関して0.110±0.092、粘液性LMP腫瘍に関して0.096±0.142、漿液性癌に関して0.457±0.345、粘液性癌に関して0.171±0.300、透明細胞癌に関して0.308±0.144、および子宮内膜癌に関して0.485±0.325であった。研究した30の癌の中で、17の漿液性腫瘍の内の13こ、7つの粘液性腫瘍の内の1つ、3つの透明細胞腫瘍の内の3つ、および3つの子宮内膜腫瘍の内の3つがTADG14を過剰産生した(図15)。
【0102】
免疫原のポリリシン結合多重抗原ペプチドを、TADG14の演繹したアミノ酸配列に基づいて合成し、ポリクローナル抗体の産生のためにウサギを免疫化するのに用いた。ペプチド配列LDWIKKIIGSKGまで上昇した抗血清をウエスタンブロット分析に用いて、この抗体が28kDaの予測したサイズの部分を認識するか否かを決定した。子宮頸癌由来HeLa細胞系および乳癌由来MD−MBA−435S細胞系からのタンパク質を実験に用い、前記抗体が両方において一つの30kDaのタンパク質を認識したことが分かった(図16、第3列および第4列)。このサイズは、予測した分子量の常識的な範囲内にある。陰性の対照として、重複HeLaおよびMD−MB435S溶解物をウサギ前免疫血清について検査した(図16、第1列および第2列)。より重要なことには、この実験は、TADG14の異なる領域からのペプチドに対する抗血清について再現性があり、培養した癌細胞がTADG14タンパク質を産生することを示唆した。
【0103】
免疫組織化学染色は、図17に示したように、定量PCRおよびノーザンブロットにより得られたデータを支持した。TADG14ペプチド指向性(directed)抗体を用いた場合、正常な卵巣組織試料について染色は観察されなかった。しかしながら、検査した卵巣癌の様々な組織亜類型の全ての腫瘍細胞に強力な染色が関連した。漿液性癌に関して、前記抗原は、粒状形態の腫瘍細胞に関連するようであった。これらの粒状構造は、TADG14の分泌に最終的に導かれる経路における中間体であろう。粘液性および透明細胞癌の試料において、TADG14は、腫瘍細胞と高度に関連する。子宮内膜癌において、前記抗原は腫瘍細胞により形成された粒状管腔中で最も多く見られる。
【0104】
癌細胞の致死性は、異常に増殖し、正常な宿主組織を侵す能力にある。悪性度はプロテアーゼを用いて、増殖の活性化および脈管形成因子を含む腫瘍の進行の過程を助ける様々な事象を提供し、侵入および転移の基礎を提供する。これらの酵素を研究する過程において、既知のプロテアーゼ、ヘプシンおよびSCCEの過剰発現を同定した。この研究において、cDNAをクローニングして、新規なセリンプロテアーゼTADG14をコードした。このプロテアーゼは、研究した卵巣癌の67%(20/30)において非常に高度に発現されたことが分かったが、正常な卵巣組織においては検出されなかった。研究した50の正常なヒト組織のいずれにおいても、腫瘍試料に似たレベルでのTADG14転写産物は全く検出されなかった。このことは、この遺伝子が、卵巣腫瘍中で最も活性であるプロモータの制御下にある可能性を示唆し、このことを治療手段に活用できるかもしれない。
【0105】
アミノ酸レベルでは、TADG14は、元はマウス海馬からクローンした、ニューロプシンとして知られているマウスプロテアーゼに最もよく似ている。ニューロプシンは神経塑性に関連しており、このことは、TADG14が非常にうまく、腫瘍細胞の発散または正常な宿主細胞の侵入を行える腫瘍の三次元構造を再構成できるであろうことを示唆している。卵巣腫瘍の免疫組織化学染色により、TADG14が、腫瘍細胞および腫瘍細胞の侵入前部近くの細胞に非常に関連することが分かった。したがって、TADG14は、腫瘍の発達の阻害にとって重要な標的である。
【0106】
最も重要なことには、卵巣癌患者の5年後の生存率は、この病気を初期段階で診断できないために、50%より低いままとなっている。TADG14は分泌シグナル配列を含み、免疫組織化学データはTADG14が分泌されることを示唆している。さらに、ノーザンブロットおよびRNAドットブロット分析により、TADG14がやや腫瘍特異的であるように思われる。この結果として、卵巣癌の早期検出のためにこのタンパク質の検出に基づくアッセイを設計できるであろう。現在、利用できる最良の卵巣癌腫瘍マーカーはCA125である。しかしながら、この抗原の高内循環レベルのために、SN比により診断ツールとしての有用さが制限されている。したがって、TADG14は、他の組織中の制限された発現のために、卵巣癌、特に最も一般的な漿液性嚢胞腺癌亜類型を診断する価値のあるツールであることが証明されるであろう。
【0107】
この明細書に述べられたいずれの特許または出版物も、本発明が関連する従来技術の熟練者のレベルを示している。これらの特許および出版物は、各々個々の出版物が特別に個別に参照により含まれることを示すような程度までここに含まれる。
【0108】
当業者は、本発明が、目的を実行し、ここに述べられた結果と利点、並びに固有の結果と利点を得るようによく適合されることが容易に理解されよう。本発明の実施例は、ここに記載された方法、手順、処理、分子および特異的化合物と共に、現在好ましい実施の形態を示し、例示であり、本発明の範囲についての制限を意図するものではない。当業者は、特許請求の範囲により定義された本発明の精神に含まれる本発明の変更および他の用途を思いつくであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、アガロースゲル中の染色により示された正常および癌腫cDNA由来のPCR産物の比較を示す。
【図2】 図2は、TADG−14の触媒ドメインのアミノ酸配列の比較を示す。
【図3】 図3は、卵巣癌中のTADG−14の過剰発現を示す。
【図4】 図4は、腫瘍中のTADG−14発現および細胞系統を示す。
【図5】 図5は、胎児、成人および卵巣癌の組織中のTADG−14発現のブロットを示す。
【図6】 図6は、読み取り枠および共通のドメインを含むTADG−14転写産物の完全配列を示す。
【図7】 図7は、TADG−14のマウスニューロプシンとの相同性を示す。
【図8】 図8は図7の続きである。
【図9】 図9は、TADG−14のマウスニューロプシンとのアミノ酸相同性を示す。
【図10】 図10はノーザンブロット分析を示す。
【図11】 図11はノーザンブロット分析を示す。
【図12】 図12は、TADG14のcDNA配列および演繹したアミノ酸配列を示す。
【図13】 図13は、予測したTADG14配列と既知のプロテアーゼとの比較を示す。
【図14】 図14はTADG14定量PCRを示す。
【図15】 図15は、放射線標識されたPCR産物の定量を示す。
【図16】 図16はウエスタンブロットを示す。
【図17】 図17は免疫組織化学を示す。

Claims (10)

  1. TADG−14タンパク質をコードするDNAであって、
    (a) TADG−14タンパク質をコードする配列番号第6番に示した配列を有する単離DNA、
    (b) 該(a)の単離DNAに対して高ストリンジェンシーでハイブリッド形成し、TADG−14タンパク質をコードする単離DNA、および
    (c) 遺伝コードの縮重のためにコドン配列が前記(a)および(b)の単離DNAとは異なり、TADG−14タンパク質をコードする単離DNAからなる群より選択され、
    前記TADG−14タンパク質が、配列番号第7番に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するセリンプロテアーゼであることを特徴とするDNA。
  2. 前記TADG−14タンパク質が配列番号第7番に示したアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項1記載のDNA。
  3. 組換え細胞中の発現に適用された請求項1記載のDNAを発現できるベクターであって、該ベクターが前記DNAおよび該細胞中のDNAの発現に必要な調節要素を含むことを特徴とするベクター。
  4. 前記DNAが配列番号第7番に示したアミノ酸配列を有するTADG−14タンパク質をコードすることを特徴とする請求項記載のベクター。
  5. TADG−14タンパク質を発現する請求項記載のベクターによりトランスフェクションされた宿主細胞。
  6. 前記細胞が、細菌細胞、ほ乳類細胞、植物細胞および昆虫細胞からなる群より選択されることを特徴とする請求項記載の宿主細胞。
  7. 前記細菌細胞が大腸菌であることを特徴とする請求項記載の宿主細胞。
  8. (a) TADG−14タンパク質をコードする配列番号第6番に示した配列を有する単離DNA、
    (b) 該(a)の単離DNAに対して高ストリンジェンシーでハイブリッド形成し、TADG−14タンパク質をコードする単離DNA、および
    (c) 遺伝コードの縮重のためにコドン配列が前記(a)および(b)の単離DNAとは異なり、TADG−14タンパク質をコードする単離DNAからなる群より選択されるDNAによりコードされ、
    前記TADG−14タンパク質が、配列番号第7番に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の相同性を有するセリンプロテアーゼであることを特徴とする単離され精製されたTADG−14タンパク質。
  9. 配列番号第7番に示したアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項記載の単離され精製されたTADG−14タンパク質。
  10. 請求項1記載のタンパク質の発現を検出する方法であって、
    (a) 細胞から得られたmRNAを、標識されたハイブリッド形成プローブと接触させ、
    (b) 該mRNAを有するプローブのハイブリッド形成を検出する、
    各工程を含み、
    前記標識されたハイブリッド形成プローブが、配列番号第6番のオープンリーディングフレームまたはその相補体の少なくとも20の隣接ヌクレオチドを含むことを特徴とする方法。
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