JP4253035B1 - 昇降ピン内側にて駆動されるピン出力装置 - Google Patents

昇降ピン内側にて駆動されるピン出力装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
従来のピン出力装置は、昇降ピン駆動機構が昇降ピン間の空間を占有していたため、昇降ピン間に隙間が存在していた。そのため、滑らかな3次元形状を表現することが困難であり、また、昇降ピンの実装密度を高めることが困難であった。本発明の課題は、昇降ピン間の隙間を無くす(又は該隙間を小さくする)ことが出来る技術を提供することにより、触覚情報提示においても視覚情報提示においても、滑らかな3次元形状を表現しうるピン出力装置を実現しうるようにすることである。また、同時に屋外での使用を想定して簡易な防水性を付与することにある。
【解決手段】
昇降ピンを、その側面に貫通長穴を有するものとし、昇降ピン駆動機構構成要素を柵状に設け、その柵棒部を前記貫通長穴を通した状態で配置することにより、前記貫通長穴の内側から昇降ピンを駆動しうるよう構成する。貫通長穴の幅を狭いものとし、前記柵棒部を薄いものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンピュータに接続され該コンピュータからの出力によって昇降ピンの突出量が制御される出力装置に関するものであり、詳しくは、昇降ピンの駆動機構に関するものである。本発明によるピン出力装置には、従来「3次元触覚ディスプレイ」や「ピンディスプレイ」などと呼ばれてきた装置が含まれる。しかし、本発明によるピン出力装置は「ディスプレイ」の枠(視覚情報提示機能及び触覚情報提示機能)に制約されるものではなく、アクチュエータとして使用する場合も含まれる。
実開平3−14674は、ピンの没入端を重力に抗して支持しうる昇降板、及びピンを個別に任意の軸方向位置にて制動しうるブレーキ機構を有するピン出力装置である。昇降板を突出方向へ移動させることによって複数のピンをいったん初期位置まで突出させ、次にブレーキ機構を没入方向へ移動させることにより、ピンは重力の作用によって昇降板に追従して没入方向へ移動する。ピンの該没入方向移動過程において、ブレーキ機構にてピンを個別に任意の軸方向位置にて制動することにより、3次元表現を実現している。
特開2007−310345も、同様に、触知ピンを重力に抗して支持しうる昇降ピン支持台を移動させ、重力の作用によって触知ピンを触知ピン支持台に追従させて没入方向移動させ、触知ピンの該没入方向移動の過程において、触知ピンの没入方向移動を個別に任意の軸方向位置にて制動することによって3次元形状を表現するピン出力装置である。
特開2007−310864は、触知ピンと磁力にて相互に吸着されうる触知ピン吸着台を、触知ピンと相互に吸着した状態のまま移動させることによって、触知ピンを軸方向に移動させ、触知ピンの該軸方向移動の過程において、触知ピンの軸方向移動を個別に任意の軸方向位置にて制動することによって3次元形状を表現するピン出力装置である。
特開2004−219558は、各ピンの突出量を個別に制御しうるピン出力装置であり、ソレノイドとばねによってピンの突出量を制御する機構が示されている(特開2004−219558の図4)。
特開2005−338382は、各ピンの突出量を個別に制御しうるピン出力装置であり、コイル状形状記憶合金を各昇降ピンの内側に配置し、ピンの側面を貫通しているスリットに導線(形状記憶合金への通電用)を通し、該スリットに送風して形状記憶合金を冷却しうるよう構成したものである。
特開2002−268791は、各ピンの突出量を個別に制御しうるピン出力装置であり、各ピンに送りねじとステッピングモータを設けたものが示されている(特開2002−268791の図4)。
実開平3−14674 特開2007−310345 特開2007−310864 特開2004−219558 特開2005−338382 特開2002−268791
ピン出力装置の従来技術における構造上の問題点として、ピン間に大きな隙間が生じてしまうこと、及び、ピンの実装密度を高めることが困難であるということが挙げられる。例えば、実開平3−14674においては、ピンを制動するブレーキ機構(実開平3−14674の図3の10)が示されているが、該先行技術においては、ピン間において該ブレーキ機構を配置する空間が必要とされるため、ピン間の隙間を無くす(あるいは該隙間を小さくする)ことは困難であり、またピンの実装密度を高めることが困難である。特開2007−310345及び特開2007−310864においても同様のことが言える。このように、従来技術においては、昇降ピンの駆動機構を構成する要素(以下、「昇降ピン駆動機構構成要素」と呼ぶ)がピン間の空間を占有してしまうため、ピン間に大きな隙間が生じてしまい、また、ピンの実装密度を高めることが困難であるという構造上の問題点があった。
従来技術における前記構造上の問題点は、次のような使用上の問題点をもたらしていた。すなわち、ピン間に大きな隙間が生じてしまうことにより、隙間の無い(あるいは該隙間が小さい)滑らかな連続性を有する3次元形状の表現が困難であった。また、ピンの実装密度を高くすることが困難であることにより、ピン出力装置による出力の情報密度を高くすることが困難であった(ピン出力装置の単位面積あたりの情報量を多くすることができない)。
ピン出力装置を「3次元触覚ディスプレイ」や「ピンディスプレイ」などと呼ばれる「ディスプレイ」として用いる場合、視覚障害者に対して3次元形状や点字などの触覚情報を呈示しうるのみならず、晴眼者に対しては触覚情報のみならず3次元視覚情報を呈示しうるものでもある。前記使用上の問題点は、視覚障害者に対する触覚情報の呈示の際のみならず、晴眼者に対する3次元視覚情報の呈示の際にも言えることである。本発明の課題は、前記構造上の問題点及び使用上の問題点を解決しうる機構からなるピン出力装置を提供することである。
また、ピン出力装置は「ディスプレイ」として視覚情報提示及び触覚情報提示に用いられるのみならず、アクチュエータとしても用いることができる。例えば、ピン出力装置によって出力された3次元形状(当然、凸凹の2値出力形状でも良い)は、粘土等の可塑性材料に押し付けることにより、該可塑性材料の成型に用いることもできる。このように、ピン出力装置をアクチュエータとして用いる場合も、ピン間に隙間が無い(あるいは該隙間が小さい)滑らかな3次元形状であることが求められる。ピン間の隙間を無くしうる(あるいは該隙間を小さくしうる)機構からなるピン出力装置を提供することにより、ピン出力装置をアクチュエータとして用いた場合の、これら問題点を解決しうるものとすることも、本発明の課題である。
また、ピン出力装置は、屋外で視覚障害者の歩行補助(地図情報などの呈示)に用いることも想定される。屋外での使用においては、簡易な防水性を有することが望ましいが、このように簡易な防水性を得ることも、本発明の課題である。
先行技術である特開2004−219558において、ソレノイドとばねによってピンの突出量を個別に制御しうる機構が示されている(特開2004−219558の図4)。該先行技術を応用した場合においても、設計次第でピン間の隙間を無くすことは可能である。図14は、ピンを覆うカバーを付加することによってピン間の隙間を無くした例を示している。図15は、ピンの突出側の断面積を大きくすることによって突出部分のピン間の隙間を無くした例を示している。このように、本先行技術を用い、設計にてピン間の隙間を無くした場合において、様々な問題が指摘されうる。すなわち、図14においては、各ピンごとにソレノイド及びばねを内蔵するため、該ソレノイド及びばねが重くて嵩張る。そのため、ピンの軸に垂直な断面積を小さくすることが難しく、ピンの実装密度を高くすることが困難である。また、重量が大きくなる。また、各ソレノイドの電力を制御する必要があるため、各ピンごとに電力制御回路を設ける必要があるので、制御回路が複雑になり、コストが増大する。また、ばねの力に逆らって駆動されるため、消費エネルギーの無駄が多い。図15においては、前記の諸問題に加え、ピンの全長の一部しか突出されないので、空間効率が低い。すなわち、ピン出力装置の厚みに対してピンの突出可能量が少ない。昇降ピン間の隙間を無くしうる(あるいは該隙間を小さくしうる)機構からなるピン出力装置を提供することと、先行技術使用時のこれら諸問題の解決を両立することも、本発明の課題である。
特開2005−338382は、コイル状形状記憶合金をピンの内側に配置することにより、ピン間の隙間を無くしている。しかし、本先行技術は、様々な問題が指摘されうる。すなわち、本先行技術は、ピンの突出量を熱によって制御するものであるが、熱による制御は、原理的に正確な制御が難しい。そのため、熱を用いてピンの突出量を個別に精確に制御することは難しい。また、各ピンごとに電力制御回路を設ける必要があるので、制御回路が複雑になり、コストが増大する。また、本先行技術においても、形状記憶合金はばねの力に逆らって駆動されるため、消費エネルギーの無駄が多い。昇降ピン間の隙間を無くしうる(あるいは該隙間を小さくしうる)機構からなるピン出力装置を提供することと、先行技術におけるこれら諸問題の解決を両立することも、本発明の課題である。
特開2002−268791には、各ピンの突出量を、送りねじとステッピングモータにて制御する機構が示されており(特開2002−268791の図4)、本先行技術によってもピン間の隙間を無くすことが出来る。しかし、本先行技術は、各ピンごとにステッピングモータを用意しなければならない。そのため、ステッピングモータが嵩張るためにピンの実装密度を上げることが困難である。また、重量も大きくなる。昇降ピン間の隙間を無くしうる(あるいは該隙間を小さくしうる)機構からなるピン出力装置を提供することと、先行技術使用時のこれら諸問題の解決を両立することも、本発明の課題である。
但し、本発明において、必ずしも昇降ピン間の隙間を無くす(あるいは該隙間を小さくする)必要は無いのであり、昇降ピン間の隙間を無くしうる(あるいは該隙間を小さくしうる)機構を実現することが本発明の課題である。本発明で提供される機構・方法を用いたピン出力装置において、昇降ピン間の隙間を無くす(あるいは該隙間を小さくする)設計とするか否かは、設計者の自由であり、本発明で示す機構・方法を提供することにより、ピン出力装置における設計の幅(自由度)を広げることを課題としている。
上記の目標を達成するため、次のような構成とした。すなわち、
コンピュータに接続され、該コンピュータからの出力によって昇降ピンの突出量が制御されうるピン出力装置であり、複数の昇降ピンを有し、前記各昇降ピンは、その側面を貫通している貫通長穴を有するものであり、前記複数の昇降ピンを一括して重力に抗して支持しうる昇降ピン支持板を有し、前記昇降ピン支持板を、前記昇降ピンの軸方向へ移動させうる移動機構を有し、柵状に設けられた昇降ピン制動機構を有し、前記昇降ピン制動機構は、その柵棒部が前記貫通長穴を通した状態で配置され、前記貫通長穴の内側から前記昇降ピンの没入方向移動を個別に制動しうるものである構成とした。
また、コンピュータに接続され、該コンピュータからの出力によって昇降ピンの突出量が制御されうるピン出力装置であり、複数の昇降ピンを有し、前記各昇降ピンは、その側面を貫通している貫通長穴を有するものであり、柵状に設けられた昇降ピン吸着板を有し、前記昇降ピン吸着板は、その柵棒部が前記貫通長穴を通した状態で配置され、前記貫通長穴の内側から前記複数の昇降ピンと一括して磁力にて相互に吸着されうるものであり、前記昇降ピン吸着板を、前記昇降ピンの軸方向へ移動させうる移動機構を有し、柵状に設けられた昇降ピン制動機構を有し、前記昇降ピン制動機構は、その柵棒部が前記貫通長穴を通した状態で配置され、前記貫通長穴の内側から前記昇降ピンの軸方向移動を個別に制動しうるものである構成とした。
また、コンピュータに接続され、該コンピュータからの出力によって昇降ピンの突出量が制御されうるピン出力装置であり、複数の昇降ピンを有し、前記各昇降ピンは、その側面を貫通している貫通長穴を有するものであり、前記複数の昇降ピンを一括して重力に抗して支持しうる昇降ピン支持板を有し、前記昇降ピン支持板を、前記昇降ピンの軸方向へ移動させうる移動機構を有し、柵状に設けられた昇降ピン制動機構を有し、前記昇降ピン制動機構は、その柵棒部が前記貫通長穴を通した状態で配置され、前記貫通長穴の内側から前記昇降ピンの没入方向移動を個別に制動しうるものであり、前記各昇降ピンは、その貫通長穴の内側に軸方向のリブを有するものであり、柵状に設けられた耐圧固定機構を有し、前記耐圧固定機構は、その柵棒部が前記貫通長穴を通した状態で配置され、前記リブの軸方向位置を一括して固定しうるものである構成とした。
また、コンピュータに接続され、該コンピュータからの出力によって昇降ピンの突出量が制御されうるピン出力装置であり、複数の昇降ピンを有し、前記各昇降ピンは、その側面を貫通している貫通長穴を有するものであり、柵状に設けられた昇降ピン吸着板を有し、前記昇降ピン吸着板は、その柵棒部が前記貫通長穴を通した状態で配置され、前記貫通長穴の内側から前記複数の昇降ピンと一括して磁力にて相互に吸着されうるものであり、前記昇降ピン吸着板を、前記昇降ピンの軸方向へ移動させうる移動機構を有し、柵状に設けられた昇降ピン制動機構を有し、前記昇降ピン制動機構は、その柵棒部が前記貫通長穴を通した状態で配置され、前記貫通長穴の内側から前記昇降ピンの軸方向移動を個別に制動しうるものであり、前記各昇降ピンは、その貫通長穴の内側に軸方向のリブを有するものであり、柵状に設けられた耐圧固定機構を有し、前記耐圧固定機構は、その柵棒部が前記貫通長穴を通した状態で配置され、前記リブの軸方向位置を一括して固定しうるものである構成とした。
また、コンピュータに接続され、該コンピュータからの出力によって昇降ピンの突出量が制御されうるピン出力装置であり、複数の昇降ピンを有し、前記各昇降ピンは、その側面を貫通している貫通長穴を有するものであり、前記複数の昇降ピンを一括して重力に抗して支持しうる昇降ピン支持板を有し、前記昇降ピン支持板を、前記昇降ピンの軸方向へ移動させうる移動機構を有し、柵状に設けられた昇降ピン制動機構を有し、前記昇降ピン制動機構は、その柵棒部が前記貫通長穴を通した状態で配置され、前記貫通長穴の内側から前記昇降ピンの没入方向移動を個別に制動しうるものであり、制動力完結機構を有する、又は軸外力対抗機構を有する構成とした。
また、コンピュータに接続され、該コンピュータからの出力によって昇降ピンの突出量が制御されうるピン出力装置であり、複数の昇降ピンを有し、前記各昇降ピンは、その側面を貫通している貫通長穴を有するものであり、柵状に設けられた昇降ピン吸着板を有し、前記昇降ピン吸着板は、その柵棒部が前記貫通長穴を通した状態で配置され、前記貫通長穴の内側から前記複数の昇降ピンと一括して磁力にて相互に吸着されうるものであり、前記昇降ピン吸着板を、前記昇降ピンの軸方向へ移動させうる移動機構を有し、柵状に設けられた昇降ピン制動機構を有し、前記昇降ピン制動機構は、その柵棒部が前記貫通長穴を通した状態で配置され、前記貫通長穴の内側から前記昇降ピンの軸方向移動を個別に制動しうるものであり、制動力完結機構を有する、又は軸外力対抗機構を有する構成とした。
以下、より詳しく説明する。本発明は、ピン出力装置において、昇降ピンに貫通長穴(昇降ピンの軸方向に対して垂直な貫通穴であり、かつ、昇降ピンの軸方向に長いもの)を設け、該貫通長穴の内側から該昇降ピンを駆動しうるよう構成したものである。
本発明を用いることにより、昇降ピン駆動機構構成要素は、前記貫通長穴の内側から昇降ピンを駆動しうるよう配置されるため、昇降ピン駆動機構構成要素が昇降ピン間の空間を占有することが無く、したがって、昇降ピン間の隙間を無くしうる(あるいは該隙間を小さくしうる)機構となり、また、昇降ピンの実装密度を高くすることが可能となる。
また、本発明において、貫通長穴の横幅(図2aの6)を狭いものとし、該貫通長穴を通した状態で配置される柵棒部を(軸方向から見て)薄いものとすることにより、貫通長穴に水滴が浸入するのを最小限に抑えることができる。具体的には、例えば「貫通長穴の側面開口部の幅を狭くする」「柵棒部について、貫通長穴の側面開口部と対偶する部位の幅を狭いものとする(昇降ピンの軸方向から見て薄いもの(例えば、フィルム状のもの)とする)」などの構成にすることにより、貫通長穴への水滴の浸入を最小限に抑えることが出来るため、貫通長穴の内側から昇降ピンを駆動しうるよう配置された昇降ピン駆動機構に、簡易な防水性を得ることができる。特に、貫通長穴の側面開口部の横幅を狭くすることにより、水の表面張力によって、貫通長穴の内側への水の浸入をある程度抑えることができる。但し、本発明における簡易な防水性の付与について、必ずしも水の表面張力を利用しなければならないわけではなく、貫通長穴の側面開口部の横幅はどのようなものでも良い。
本発明でいう「ピン出力装置」とは、コンピュータからの出力によってピンの突出量が制御されうる出力装置であり、ディスプレイとして用いる場合と、アクチュエータとして用いる場合が含まれる。ディスプレイとして用いる場合の1つの利用形態としては、視覚障害者に対して触覚情報を提示することができる。視覚障害者に対する触覚情報の提示としては、3次元形状のみならず、点字や墨字や2次元図形の呈示など、昇降ピンの突出高さを低く抑えた2値出力(凸凹など)も含まれる。また別の利用形態としては、晴眼者に対して前記触覚情報のみならず視覚情報を提示することができる。晴眼者に対する視覚情報の提示としても、3次元形状のみならず、前記2値出力も含まれる。前記2値出力について、3次元表現ができるピン出力装置を、2値出力に用いても良いし、突出量を少なく抑えた設計とすることにより、2値出力に特化した製品とした場合も、本発明でいうピン出力装置に含まれる。アクチュエータとして用いる場合の利用形態の一例として、例えば、ピン出力装置によって出力された3次元形状を、粘土等の可塑性材料に押し付けることにより、該可塑性材料の成型・刻印に用いることもできる。但し、これらはあくまで本発明によるピン出力装置の用途に関する一例であり、本発明からなるピン出力装置は、どのような用途に用いても良いのであり、これによって本発明が制約されることは無い。
本発明でいう「昇降ピン」とは、後述する貫通長穴を有するものであれば、どのようなものでも良いのであり、これによって本発明が制約されるものでは無い。例えば、昇降ピンの大きさ(軸に垂直な断面積・軸方向の長さなど)はどのようなものでも良い。ただし、視覚障害者に対する点字情報の呈示を想定している場合、昇降ピンの、軸に垂直な断面積は、点字触知に適した大きさのものであることが望ましい。また例えば、昇降ピンの、軸に垂直な断面形状について、該断面形状は必ずしも円形(すなわち昇降ピンが円柱)である必要は無く、該昇降ピンの軸に垂直な断面はどのような形状でも良いのであり、例えば、該断面形状を四角形・六角形・あるいはその他の多角形にしても良い。また例えば、昇降ピンの配列について、昇降ピンは必ずしもマトリックス状に配列されている必要は無く、どのような配列でも良い。例えば、軸に垂直な断面形状が六角形(すなわち昇降ピンが6角柱)である昇降ピンを隙間なく配列する場合などが考えられる。また、本発明からなるピン出力装置は、3次元形状の呈示に用いられるだけでなく、視覚障害者に対する点字情報の呈示(凸凹の2値出力)にも用いることができる。そのため、視覚障害者に対する点字情報の呈示を想定している場合、点字情報の呈示を考慮した配列・配置とすることが望ましい。また例えば、昇降ピンはどのような材料で構成されても良いのであり、複数の異質な材料を組み合わせて構成しても良い。例えば、本発明の実施例として後述する、磁力を利用した昇降ピン駆動方法に用いる昇降ピンとして、磁石や磁性材料や非磁性材料など適宜組み合わせて構成する(昇降ピンの一部のみを磁石あるいは磁性体とするなど)場合などが考えられる。
本発明でいう「貫通長穴」とは、昇降ピンの側面を貫通している穴であり、昇降ピン駆動機構構成要素の少なくとも1つが該貫通長穴の内側から該昇降ピンに対して駆動作用を及ぼしうるものである。貫通長穴は、昇降ピンの側面を貫通している穴であり、昇降ピン駆動機構構成要素の少なくとも1つが該貫通長穴の内側から昇降ピンに対して駆動作用を及ぼしうるものであるならば、どのようなものでも良いのであり、これによって本発明が制約されるものでは無い。貫通長穴は必ずしも昇降ピンの中心軸を通っている必要は無い。貫通長穴を設ける目的は、昇降ピン駆動機構構成要素が貫通長穴の内側から昇降ピンに対して駆動作用を及ぼしうるよう構成されることにより、昇降ピン駆動機構構成要素がピン間の空間を占有することを防ぎ、昇降ピンが隙間なく配列されうるようにするものである。
本発明でいう「側面」や「側方」とは、昇降ピンの軸の周囲を取り巻く面や方向全てを大まかに指す概念である。これは、必ずしも昇降ピンの軸に対して平行な面や、昇降ピンの軸に対して垂直な方向である必要は無く、どのような傾きを有しているものも含まれる。
本発明でいう、昇降ピン駆動機構構成要素が昇降ピンに対して及ぼしうる「駆動作用」とは、昇降ピンを軸方向に移動させる作用や、昇降ピンの軸方向移動を制動する作用や、触知圧力に抗して昇降ピンの軸方向移動を固定する作用が含まれる。
貫通長穴の大きさは、どのようなものでも良いのであり、これによって本発明が制約されるものではない。例えば、貫通長穴の軸方向長さはどのようなものでも良いのであり、本発明は貫通長穴の軸方向長さによって制約されるものではない。貫通長穴が軸方向に「長(い)」というのは、貫通長穴の内側において昇降ピン駆動機構が昇降ピンを軸方向へ駆動しうる程度の長さを有するという意味であり、具体的な長さを示す概念ではない。すなわち、貫通長穴の軸方向長さの具体的な値は、設計によって決められるものであり、例えば、昇降ピンの突出可能長さや、移動機構の移動可能長さなどに応じて最適な値が設計されることが考えられる。また例えば、貫通長穴の横幅と軸方向長さの比について、必ずしも、横幅よりも軸方向長さのほうが長い必要は無い。例えば、本発明からなるピン出力装置は、点字や2次元図形の呈示など、昇降ピンの突出高さを低く抑えた凸凹の2値出力のみを行いうる構成としても良いのであり、その場合、貫通長穴の軸方向長さは、ごく短いものとしても足りると思われる。また例えば、貫通長穴の横幅はどのようなものでも良いのであり、本発明は貫通長穴の横幅によって制約されるものではない。本発明が貫通長穴の横幅によって制約されない理由の第1は、貫通長穴における昇降ピン駆動機構構成要素の横幅は、昇降ピンの軸方向に垂直な断面積との関係で制約を受ける場合がありうるが、本発明は昇降ピンの断面積に制約が無いことである。また、本発明が貫通長穴の横幅によって制約されない理由の第2は、後述するように、貫通長穴において昇降ピン駆動機構構成要素を昇降ピンの軸方向に1列に配置する場合(図9a及び図9a’)や、あるいは、軸方向に平行に並べて配置する(すなわち複数列に配置する)場合(図9b)などが想定され、このような昇降ピン駆動機構構成要素の構成・配置の違いによって、貫通長穴において昇降ピン駆動機構構成要素に必要とされる横幅が異なってくる場合が考えられるからである。
貫通長穴の形状は、どのようなものでも良いのであり、これによって本発明が制約されるものではない。例えば、貫通長穴の没入端は、閉鎖形状でも良いし、開放形状でも良い。図2は、貫通長穴の没入端の様々な形状の例を示している。図2aは、没入端が閉鎖形状である例を示している。図2bは、没入端が開放形状である例を示している。図2cは、開放形状の没入端において脱落防止爪が設けられている例を示している。貫通長穴の没入端を開放形状とした場合、複数の利点を指摘することができる。貫通長穴の没入端を開放形状とした場合の利点の第1は、ピン出力装置の使用者が昇降ピンを引張るなどして触知ピンが突出方向に負荷を受けた場合、没入端が開放形状であると、昇降ピンは突出方向へ脱落するので、ピン出力装置本体の破損を防ぐことができることである。貫通長穴の没入端を開放形状とした場合の利点の第2は、長期にわたる使用等で昇降ピンに傷みが蓄積した場合は突出方向へ引き抜いて新品の昇降ピンに挿しかえたり、昇降ピン間の隙間に汚れが蓄積した場合は突出方向へ引き抜いて清掃した後に再び挿し込むなど、メンテナンスしやすいことである。貫通長穴の没入端を開放形状とした場合の利点の第3は、製造過程における自由度が増すことである。すなわち、ピン出力装置本体を組み立てた後に、昇降ピンを挿し込んで実装するといった柔軟な製造方法が可能になる。また例えば、昇降ピンにおいて、貫通長穴にどのような構造物が設けられていても良いのであり、本発明はこれによって制約されることは無い。例えば後述する、貫通長穴の内側において耐圧固定機構に対応した軸方向のリブを設けても良い。また例えば後述する、被支持部などを貫通長穴の内側に設けても良い。
また、1本の昇降ピンにおいて設けられる貫通長穴は、必ずしも1個である必要は無いのであり、1本の昇降ピンにおいて複数個の貫通長穴が設けられていても良い。1本の昇降ピンにおいて貫通長穴が複数個設けられている場合、それら複数個の貫通長穴の相互位置関係はどのようなものでも良い。直角に交わっても良いし、その他どのような角度で交わっても良いし、あるいは交わらなくても良い(平行など)。例えば、貫通長穴を複数個設ける場合、昇降ピンの形状に応じた角度で交わるよう構成する場合などが考えられる。図11は、6角形の断面形状からなる昇降ピンにおいて2個の貫通長穴を設けた例を示している。また、必ずしも全ての昇降ピン駆動機構構成要素が貫通長穴の内側から昇降ピンを駆動するよう構成される必要は無い。例えば、後述するように、本発明の実施例として、重力を利用した昇降ピン駆動方法に用いられる昇降ピン支持板は、昇降ピンの没入端を支持する構成としても、他の昇降ピン駆動機構構成要素が一つでも(例えば、昇降ピン制動機構など)貫通長穴の内側から昇降ピンに対して駆動作用を及ぼしうる構成であれば、本発明に含まれる。
本発明でいう「昇降ピン駆動機構構成要素」とは、昇降ピン駆動機構を構成する要素であり、コンピュータからの出力によって昇降ピンに駆動作用を及ぼしうるものである。ここで、昇降ピンに及ぼす「駆動作用」とは、昇降ピンを軸方向(突出方向又は没入方向)へ移動させる作用や、昇降ピンの軸方向移動を制動する作用や、昇降ピンの軸方向位置を固定する作用などが含まれる。本明細書において、昇降ピン駆動機構構成要素の具体例が複数示されている。本明細書において具体例として示されている昇降ピン駆動機構構成要素は、後述する、昇降ピン支持板・昇降ピン吸着板・移動機構・昇降ピン制動機構・耐圧固定機構などである。但し、これらはあくまで一例であり、昇降ピン駆動機構を構成する要素であればどのようなものでも本発明でいう昇降ピン駆動機構構成要素に含まれうる。本発明は、貫通長穴を有する昇降ピンを有し、前記貫通長穴の内側から昇降ピンを駆動しうるよう構成された昇降ピン駆動機構構成要素を有することを特徴とする。昇降ピン駆動機構構成要素を、貫通長穴の内側から昇降ピンに駆動作用を及ぼしうるよう構成する方法はどのようなものでも良く、本発明はこれによって制約されるものでは無いが、その方法の一例として、図4及び図5には、昇降ピン駆動機構構成要素を柵状のものとし、その柵棒部を貫通長穴に通した状態で配置する様子が示されている。貫通長穴において、昇降ピン駆動機構構成要素を複数配置する場合、それら昇降ピン駆動機構構成要素はどのような配置でも良い。例えば、貫通長穴において、昇降ピン駆動機構構成要素は昇降ピンの軸方向に1列に配置されても良いし、あるいは、軸方向に平行に並べて配置(すなわち複数列に配置する)されても良い。図9a及び図9a’は、昇降ピン駆動機構構成要素を貫通長穴の内側において昇降ピンの軸方向に1列に配置した例を示している。図9bは、昇降ピン駆動機構構成要素を貫通長穴の内側において昇降ピンの軸方向に複数列(同図では2列)に配置した例を示している。
昇降ピン駆動機構構成要素は、必ずしも、その全てが貫通長穴の内側から昇降ピンに駆動作用を及ぼしうる必要は無い。昇降ピン駆動機構構成要素のうち少なくとも1つが、貫通長穴の内側から昇降ピンに駆動作用を及ぼしうるよう構成されており、かつ、該構成が本明細書に示す課題を1つでも解決しうるものであれば、本発明に含まれるものと解釈される。
本発明でいう「柵状」とは、複数の柵棒部から構成される形状を指す。本発明でいう「柵棒部」とは、貫通長穴を貫通した状態で配置されうるものであれば、どのようなものでも良いのであり、これによって本発明が制約されるものではない。柵棒部の様々なバリエーションの例として、次のようなものが挙げられる。例えば、柵棒部の軸方向長さはどのようなものでも良いのであり、図8aのように軸方向長さが短いものでも良く、図8bのように軸方向長さが長いものでも良い(柵棒部の没入側の端部が、ピン出力装置の昇降ピン配置空間底部に接するまで長くても良い)。また、図8cのように複数の柵棒部が昇降ピンの没入端側でつながっているものでも良い。また、図8dのように柵棒部が交差しているものでも良い。図8dは、図11に示す六角形の断面形状及び2本の貫通長穴を有する昇降ピンを配列し、網状に交差した形状からなる柵棒部を貫通長穴を通した状態で配置したものを、昇降ピンの軸に垂直な断面から見たものである。図8dのように柵棒部が交差しているものである場合について、柵棒部の軸方向長さはどのようなものでも良いのであり、複数の柵棒部が昇降ピンの没入端側でつながっているものでも良いのであり、柵棒部がどのような角度で交差しているものでも良い。また、柵棒部の数は何個でも良いのであり、例えば柵棒部が1個の場合(すなわち、それに対応して配置される昇降ピンも1列のみである場合)であっても、本発明でいうところの「柵状」に含まれる。また、柵棒部の形状は昇降ピンの軸方向から見て必ずしも直線状である必要は無く、例えば、柵棒部の形状は昇降ピンの軸方向から見て曲線や折れ線や突起などを含む形状であっても良い。また、柵棒部はピン出力装置においてどのように保持されていても良いのであり、例えば図10aの22のように柵棒部の側方が保持されていても良いし、また例えば図10bの22のように柵棒部の没入端側が保持されていても良い。また、柵状に設けられた複数の昇降ピン駆動機構構成要素を配置する際の相互位置関係についてはどのようなものでも良く、例えば図1のように柵棒部が昇降ピンの軸方向について平行に並ぶよう配置しても良いし、また例えば図9cのように柵棒部が昇降ピンの軸方向に交差するよう配置しても良い。また、柵棒部は(昇降ピンの)軸方向から見た厚さはどのようなものも良い。
本発明において、柵棒部が「貫通長穴を通した状態で」配置されるとは、必ずしも図10aのように昇降ピンの軸方向に対して垂直に通した場合だけではなく、図10bのように軸方向に対して平行に通した場合も含まれる。すなわち、貫通長穴は没入端が開放形状である場合には、貫通長穴の没入端から軸方向に対して平行に(貫通長穴を)通しても良いのであり、本発明において、柵棒部が「貫通長穴を通した状態で」配置されるとは、このような状態も含まれる。ここで、「昇降ピンの軸方向に対して垂直に通す」とは、「昇降ピンの軸方向に対して平行に通す」との対比説明に用いるための概念に過ぎないのであり、実際は必ずしも昇降ピンの軸に対して「垂直」や「平行」である必要は無く、柵棒部は昇降ピンの軸に対してどのような傾きを有していても良い。
本発明でいう「昇降ピン支持板」とは、本発明の実施例として後述する、重力を利用した昇降ピン駆動方法に用いられるものである。昇降ピン支持板は、複数の昇降ピンに対して一体に設けられ、該複数の昇降ピンを一括して重力に抗して支持しうる(すなわち、昇降ピンが重力の作用によって没入方向へ落下あるいは滑り落ちるのを防ぐことができる)ものである。
昇降ピン支持板は、昇降ピンのどの部位を支持しても良い。本発明では、昇降ピンにおいて、昇降ピン支持板によって支持されうる部位を被支持部と呼ぶ。被支持部は、昇降ピン支持板によって重力に抗して支持されうるものであれば、昇降ピンのどの部位でも良いし、どのようなものでも良い(例えば、形状・材質など)のであり、本発明はこれによって制約されるものではない。本発明でいう「被支持部」とは、昇降ピンの具体的な部位に制約されているものではなく、昇降ピン支持板によって重力に抗して支持されうる(すなわち、昇降ピンが重力の作用によって没入方向へ落下あるいは滑り落ちるのを防ぐことができる)という機能あるいは現象によって判別されるべきものである。被支持部の例として、被支持体・下向き段差面(昇降ピンの没入方向へ向かって開かれた段差面)・昇降ピン没入端などを挙げることができる。被支持体や下向き段差面を設ける場合は、昇降ピンのどの部位に設けても良いのであり、例えば、貫通長穴の内側に設けることにより、貫通長穴の内側から昇降ピンを支持しうるものとしても良いし、あるいは昇降ピンの側面に設けて昇降ピンの側面を支持しうるものとしても良い。
昇降ピン支持板は、昇降ピンを重力に抗して支持しうるものであれば、どのようなものでも良い(例えば、形状・材料など)のであり、本発明はこれによって制約されるものではない。本発明でいう昇降ピン支持板とは、複数の昇降ピンに対して一体に設けられ、該複数の昇降ピンを重力に抗して支持しうる(すなわち、昇降ピンが重力の作用によって没入方向へ落下あるいは滑り落ちるのを防ぐことができる)という機能あるいは現象によって判別されるべきものである。図3は、昇降ピンの没入端を支持しうる昇降ピン支持板と、該昇降ピン支持板を昇降ピンの軸方向へ移動させうる移動機構の例を示している。同図において、昇降ピン支持板は平板形状であり、その4隅に送りねじが設けられている。モーター(図示しない)によって送りねじが回転されることにより、昇降ピン支持板が軸方向に移動されうる構成となっている。
本発明でいう「昇降ピン吸着板」とは、本発明の実施例として後述する、磁力を利用した昇降ピン駆動方式に用いられるものである。昇降ピン吸着板は、貫通長穴の内側から複数の昇降ピンと磁力にて相互に吸着されうるものである。昇降ピン吸着板は、貫通長穴の内側から複数の昇降ピンと磁力にて相互に吸着されうるものであるならばどのようなものでも良いのであり、これによって本発明が制約されるものではない。ここで、「磁力にて相互に吸着されうる」構成とは、昇降ピン吸着板と昇降ピンが磁力によって相互に吸着されうるものであれば、どのような構成を用いても良い。例えば、昇降ピン吸着板が磁石で昇降ピンが磁性体(鉄など磁石に吸着されるもの)であっても良いし、昇降ピン吸着板が磁性体で昇降ピンが磁石であっても良いし、極性の異なる(相互に吸着する)磁石同士であっても良い。また、昇降ピンが磁性体あるいは磁石である場合、かならずしも、昇降ピン全体が磁性体あるいは磁石である必要は無く、昇降ピンの一部が磁性体あるいは磁石であっても良い。また、昇降ピン吸着板が磁石あるいは磁性体である場合、かならずしも、昇降ピン吸着板の全体が磁石あるいは磁性体である必要は無く、その一部が磁石あるいは磁性体で構成されていても良い。ここで、望ましい構成としては、昇降ピンにおける吸着部位の軸方向長さは、後述する移動機構の移動距離、あるいは昇降ピンの突出長さを考慮して決めるのが良いと思われる。また、昇降ピン吸着板は、貫通長穴の内側のどの部位を吸着しても良いのであり、例えば、貫通長穴の内壁を吸着しても良いし、また例えば、昇降ピンにおいて貫通長穴の内側に設けられた軸方向のリブを吸着しても良い。図4は、昇降ピン吸着板と、該昇降ピン吸着板を昇降ピンの軸方向へ移動させうる移動機構の例を示している。同図において、昇降ピン吸着板は柵状に設けられており、その各柵棒部が貫通長穴の内側にて昇降ピンと磁力にて相互に吸着されうるものとなっている。該昇降ピン吸着板は、その4隅に送りねじが設けられている。モーター(図示しない)によって送りねじが回転されることにより、昇降ピン支持板が軸方向に移動されうる構成となっている。
本発明でいう「移動機構」とは、昇降ピン支持板あるいは昇降ピン吸着板を、昇降ピンの軸方向へ移動させうるものである。移動機構は、昇降ピン支持板あるいは昇降ピン吸着板を、昇降ピンの軸方向へ移動させることにより、昇降ピンをこれら(昇降ピン支持板あるいは昇降ピン吸着板)に追従させて軸方向へ移動させるためのものである。移動機構は、昇降ピン支持板あるいは昇降ピン吸着板を、昇降ピンの軸方向へ移動させうるものであればどのようなものでも良いのであり、これによって本発明が制約されるものでは無い。例えば、送りねじとステッピングモータを用いる機構などが考えられる。特開2007−310345や特開2007−310864において、このような移動機構の様々な例が示されている。本発明において、「昇降ピンの軸方向」とは、昇降ピンの突出方向及び没入方向を含む。このような移動方向は必ずしも厳密である必要は無く、おおまかにその方向であれば良い。
本発明でいう「昇降ピン制動機構」とは、貫通長穴の内側から昇降ピンの軸方向移動を個別に(各昇降ピンごとに)制動しうるものである。昇降ピン制動機構は、貫通長穴の内側から昇降ピンの軸方向移動を個別に制動しうるものであればどのようなものでも良いのであり、これによって本発明が制約されるものでは無い。昇降ピン制動機構は、必ずしも昇降ピンの突出方向移動及び没入方向移動の両方を制動しうるものである必要は無いのであり、昇降ピン駆動方法に応じてどちらか(昇降ピンの突出方向移動又は没入方向移動)を制動しうるものであっても良い。例えば、本発明の実施例として後述する、重力を利用した昇降ピン駆動方法においては、昇降ピンの没入方向移動を制動しうるものであれば良いと思われる。また例えば、本発明の実施例として後述する、磁力を利用した昇降ピン駆動方法においては、昇降ピンの突出方向移動を制動しうるものであれば良いと思われる(但し、磁力を利用した昇降ピン駆動方法においても、昇降ピンの没入方向移動を制動するものとする場合には、昇降ピン制動機構は昇降ピンの没入方向移動を制動しうるものであれば良いと思われる)。昇降ピン制動機構の(貫通長穴内における)大きさについて、ピン出力装置の出力における情報密度を高くするためには、昇降ピンの断面積を小さくすることが有効であり、そのためには昇降ピン制動機構の(貫通長穴内に占める)大きさは小さいことが望ましいが、本発明は、貫通長穴における昇降ピン制動機構の(占有空間の)大きさによって制約を受けるものではない。本発明が貫通長穴における昇降ピン制動機構の大きさによって制約を受けない理由の第1は、貫通長穴における昇降ピン制動機構の大きさは、昇降ピンの軸方向に垂直な断面積との関係で制約を受ける場合がありうるが、本発明は昇降ピンの断面積に制約が無いことである。また、本発明が貫通長穴における昇降ピン制動機構の大きさによって制約を受けない理由の第2は、軸方向に垂直な断面積の大きな昇降ピンを用い、それに対応した貫通長穴における占有空間が大きい昇降ピン制動機構を用いた場合においても、昇降ピン間の隙間を無くすという本発明の課題は解決されることである。また、昇降ピン制動機構を、貫通長穴の内側から(昇降ピンの軸方向移動を)制動するよう配置する方法はどのようなものを用いても良いのであり、本発明はこれらの配置方法によって制約されるものではない。また、昇降ピン制動機構は、貫通長穴の内側のどの部位を制動しても良いのであり、例えば、貫通長穴の内壁を制動しても良いし、また例えば、昇降ピンにおいて貫通長穴の内側に設けられた軸方向のリブを制動しても良い。図5は、昇降ピン制動機構の例を示している。同図において、昇降ピン制動機構は柵状に設けられ、該柵棒部が貫通長穴を通した状態で配置されることにより、貫通長穴の内側から昇降ピンの軸方向移動を制動しうるよう構成されている。同図において、柵棒部には複数の制動アクチュエータ(図5の15)が含まれており、昇降ピンの軸方向移動を個別に制動しうるものとなっている。図5cは、制動アクチュエータの動作の一例を示す概念図である。但し、図5cは制動アクチュエータについての極めて抽象的な概念の一例を示しただけであり、本発明における制動アクチュエータは、昇降ピンの軸方向移動を制動しうるものであればどのようなものでも良いのであり、同図によって一切制約を受けない。本発明において制動アクチュエータはどのようなものを用いても良いのであり、これによって本発明は制約を受けるものではない。
本発明でいう「耐圧固定機構」とは、貫通長穴の内側から、触知圧力に抗して昇降ピンの軸方向位置を固定しうるものである。耐圧固定機構の役割の第1は、触知圧力に抗して昇降ピンの軸方向位置を固定することであり、耐圧固定機構の役割の第2は、昇降ピン制動機構に触知圧力が負荷されないようにすることにより、昇降ピン制動機構の損傷を防ぐことである。例えば、ピン出力装置にて出力した後、耐圧固定機構にて昇降ピンを固定し、それから昇降ピン制動機構をオフ(制動アクチュエータを引っ込める)にすれば、その後、触知圧力にて昇降ピンが軸方向に動かされた場合でも昇降ピン制動機構は何ら触知圧力の影響を受けることは無い。耐圧固定機構は、貫通長穴の内側から、触知圧力に抗して昇降ピンの軸方向位置を固定しうるものであればどのようなものでも良いのであり、これによって本発明が制約されるものでは無い。また、耐圧固定機構は必ず設けなければならないものではない。ピン出力装置は、ディスプレイとして用いられる場合、視覚障害者に対しては触覚情報を呈示しうるものであるが、晴眼者に対しては触覚情報のみならず視覚情報をも呈示しうるものである。晴眼者による視覚情報の利用のみが想定される場合(すなわち触覚情報が利用されない場合)、耐圧固定機構は必ずしも必要とはされない。また、触覚情報の呈示を前提としている場合であっても、昇降ピン制動機構が触知圧力に抗しうるものである場合には、該昇降ピン制動機構にて触知圧力に抗しても良いのであり、その場合には必ずしも耐圧固定機構は必要とはされない。ピン出力装置の使用者が、触覚情報を得るために出力状態の昇降ピンを触知する場合、該使用者の指によって昇降ピンに圧力(以下、「触知圧力」と呼ぶ)が加えられることになる。ここで、触知圧力とは、昇降ピンに対して没入方向へ加えられるもの(以下、「没入方向触知圧力」と呼ぶ)だけでなく、昇降ピンに対して突出方向へ加えられるもの(以下、「突出方向触知圧力」と呼ぶ)をも含む。何故なら、使用者が昇降ピンを突出方向へ引っ張る場合も想定されるからである。耐圧固定機構について、「固定(する)」とは、昇降ピンの軸方向位置を必ずしも厳密に維持する必要は無い。例えば、強い触知圧力が加えられたときには滑りが生じうるものであっても良い。また例えば、弾性体を介して昇降ピンを保持することにより、触知圧力が加えられた時は該弾性体が変形して軸方向位置の変動を許容し、該触知圧力が解除された時は該弾性体の弾性力にて軸方向位置が復帰するよう構成するなどしても良い。また例えば、昇降ピンが(使用者によって)突出方向へ引っ張られた時、引き抜かれうるよう構成するなどしても良い。耐圧固定機構の「固定(する)」とは、このような幅広い概念である。耐圧固定機構は必ずしも没入方向触知圧力及び突出方向触知圧力の両方に抗しうるものである必要は無く、そのどちらかに抗しうるものであっても良い。耐圧固定機構が昇降ピンの軸方向位置を固定する方法・仕組みはどのようなものでも良い。例えば、摩擦力によるものでも良いし、凹凸の噛み合いによって係止されるものでも良いし、段差面を支持するものや戻り止めによるものでも良い。
図6及び図7は、耐圧固定機構を用いる場合の例を示している。図6は、貫通長穴の内側に軸方向のリブを設けた昇降ピンに対し、柵状に設けられた耐圧固定機構が貫通長穴の内側において該リブを挟み込むことにより、昇降ピンの軸方向位置を固定しうるよう構成した様子を示している。貫通長穴の内側に設ける軸方向のリブは、必ずしも1本でなくても良く、複数本のリブを設けても良い。図6bは、リブ(図6の18)を1本設けた例を示している。図6cは、リブを2本設けた例を示している。図7は、耐圧固定機構の、より具体的な形状・動作の例を示している。図7aは、図6bに対応するものであり、1本のリブに対する耐圧固定機構の例である。図7bは、図6cに対応するものであり、2本のリブに対する耐圧固定機構の例である。柵状に設けられた耐圧固定機構を、その柵棒部を貫通長穴を通した状態で配置する。出力が完了(すなわち、すべての昇降ピンが昇降ピン支持板・昇降ピン吸着板・移動機構・昇降ピン制動機構による軸方向位置の位置決めが完了)すると、耐圧固定機構がスライド移動されることによってリブを挟み込む。前記リブは昇降ピンに設けられているので、リブの軸方向位置が固定されることによって当然、昇降ピンの軸方向位置が固定されることになる。本発明において、貫通長穴の内側に有する(昇降ピンの)軸方向のリブはどのようなものでも良い。例えば、リブの長さは昇降ピンの全長にわたるものでも良いし、昇降ピンの最大突出量あるいは移動機構の最大移動量に応じた長さでも良い。また例えば、リブの形状・材料などはどのようなものでも良い。耐圧固定機構にてリブの軸方向位置を固定する方法・仕組みは図6及び図7に示したもの以外にも、どのようなものを用いても良いのであり、例えば、リブを両側から(昇降ピンの軸方向に対して垂直に)挟みこむ・リブを片側から(昇降ピンの軸方向に対して垂直に)押す・摩擦力による・凸凹の噛み合いによる・戻り止めによる、など様々な方法を用いることができる。
本発明は、「物」の発明である。本発明を実施したピン出力装置において、その制御方法・制御回路・制御プログラムなどはどのようなものを用いても良いのであり、本発明はこれによって制約されるものではない。
昇降ピン制動機構にて昇降ピンの軸方向移動を制動する際、「軸外力」が発生する可能性が考えられる。ここで、「軸外力」とは、昇降ピン制動機構が昇降ピンに対して軸方向移動を制動する際に付随して発生する、軸方向以外の力であり、いわば制動力の副作用(あるいは反作用)としての力である。軸外力は昇降ピンを内側から「(昇降ピンの軸方向に対して略垂直方向に)移動させる」「押し広げる」「曲げる」「歪める」などする可能性があり、それによって該昇降ピンは隣接する昇降ピンと干渉(接触)し、その接触摩擦によって該隣接昇降ピンの軸方向移動を妨げる(抵抗となる)可能性がある。したがって、軸外力によるこのような隣接昇降ピンへの干渉を防ぐ機構(以下、「干渉防止機構」と呼ぶ)を有することが望ましい。但し、本発明において、必ずしも干渉防止機構を用いなければならないわけではない。また、本発明において、干渉防止機構を用いる場合、どのようなものを用いても良いのであり、これによって本発明が制約されるものではない。
干渉防止機構の例としては、「制動力完結機構」を有する構成とする方法が考えられる。本発明において、「制動力完結機構」とは、貫通長穴の内側において、昇降ピン制動時に昇降ピン制動機構と該昇降ピン制動機構にて軸方向移動が制動される昇降ピンの間において、軸外力が力学的に完結されうる機構である。図18は、制動力完結機構の一例を示している。本図において、制動アクチュエータ(図18の15)はリブの端面(図18の38)を押して制動する機構を想定している。ここで、該制動力によって昇降ピンが貫通長穴の内側から押し広げられる作用が、本発明でいう「軸外力」である。本図において、昇降ピン制動時に昇降ピン制動機構と該昇降ピン制動機構にて軸方向移動が制動される昇降ピンは、爪同士の噛合い(図18の37)によって軸外力が完結されうる構造になっている。これにより、昇降ピン制動時に軸外力によって同昇降ピンが隣接昇降ピンへ干渉することを防ぐことが出来る。本図において、制動力完結機構は制動機構と該制動機構にて制動される昇降ピンに設けられた爪同士の噛合いとして構成された様子を示しているが、これはあくまで一例であり、制動力完結機構は、貫通長穴の内側において、昇降ピン制動時に昇降ピン制動機構と該昇降ピン制動機構にて軸方向移動が制動される昇降ピンの間で、軸外力が力学的に完結されうるものであればどのようなものでも良いのであり、これによって本発明が制約されるものではない。
干渉防止機構の他の例としては、「軸外力対抗機構」を有する構成とする方法が考えられる。本発明において、「軸外力対抗機構」とは、貫通長穴を通した状態で柵状に設けられ、昇降ピン制動時に貫通長穴の内側から軸外力に抗しうる機構である。図19は、軸外力対抗機構の一例を示している。本図は、図18のように制動アクチュエータがリブの端面を押すことによって昇降ピンの軸方向移動を制動する場合を想定している。図19において、柵状に設けられた軸外力対抗機構の柵棒部は、貫通長穴の内側において、爪同士の噛合い(図19の37)によって軸外力に対抗しうる構造になっている。これにより、昇降ピン制動時に軸外力によって昇降ピンが内側から押し広げられることを防ぐことが出来、したがって制動時に同昇降ピンが隣接昇降ピンへ干渉することを防ぐことが出来る。本図において、軸外力対抗機構は、軸外力対抗機構の柵棒部に設けられた爪と昇降ピンに設けられた爪が噛合うものとして構成された様子を示しているが、これはあくまで一例であり、軸外力対抗機構は、貫通長穴を通した状態で柵状に設けられ、貫通長穴の内側から軸外力に抗しうるものであればどのようなものでも良いのであり、これによって本発明が制約されるものではない。軸外力対抗機構は、どのような位置に配置しても良いが、昇降ピンの没入端が開放形状である場合、昇降ピンにおいて制動機構の没入端側が軸外力の影響を受けやすいと思われるので、その場合には、制動機構の没入端側直近に配置するのが効果的と思われる。但し、軸外力対抗機構は、どのような位置に配置しても良いのであり、これによって本発明が制約されるものではない。
干渉防止機構の他の例としては、「昇降ピン分離帯」を有する構成とする方法が考えられる。ここで、昇降ピン分離帯とは、網状・格子状・柵状などとして設けられ、昇降ピン間の隙間を埋めるよう配置されることにより、各昇降ピンを隣接ピンから隔離された状態を維持しうるものである。これにより、昇降ピン制動時に軸外力によって同昇降ピンが隣接昇降ピンへ干渉することを防ぐことが出来る。本発明を実施する際、必ずしも昇降ピン間の隙間に何も構造物が存在しないものである必要は無いのであり、例えばこのような昇降ピン分離帯を設けていても良い。何故なら、昇降ピン間の隙間を無くしうる(あるいは該隙間を小さくしうる)ことは、本発明によって解決されうる課題の一つに過ぎないのであり、本発明は本質的に、柵状の昇降ピン駆動機構を用いて貫通長穴の内側から昇降ピンを駆動しうる構成としたことにある。したがって、このような本発明を特徴付ける本質的な構成を満たしているならば、他にどのようなものが付加されていたとしても、それら付加物は、本発明を特徴付ける本質的な構成を何ら妨げるものではないからである。図16は、昇降ピン分離帯の一例を示している。但し、同図に示した昇降ピン分離帯の形状はあくまで一例であり、昇降ピン分離帯はどのような形状でも良い。例えば、網状でも良いし、(十分な剛性さえ確保されれば)柵状でも良いし、あるいは昇降ピンの断面形状に応じた形状でも良い。また、昇降ピン分離帯の大きさはどのようなものでも良いのであり、例えば、昇降ピン分離帯の軸方向長さはどのようなものでも良い。昇降ピン分離帯はどのような位置に配置しても良い。軸外力とは、制動機構による制動作用の副作用あるいは反力であり、また、没入端が開放形状である昇降ピンを用いる場合、軸外力によって昇降ピンにおいて制動機構の没入端側が貫通長穴の内側から押し広げられる可能性が高いことを鑑みると、昇降ピン分離帯を配置する位置は、制動機構の周辺、特に制動機構の没入端側直近に配置することが望ましいと思われる。また例えば、昇降ピン分離帯は突出面(昇降ピンが突出する面)に設けることにより、簡易な防水性を付与することが出来る。昇降ピン分離帯は複数個設けても良い。例えば、制動機構の没入端側直近及び突出面に1個ずつ設けるなどが考えられる。昇降ピン分離帯の材料はどのようなものでも良い。例えば、隣接ピンへの干渉防止のために設けられる場合は、剛性の高い材料で構成されることが望ましいと思われる。また例えば、簡易な防水性を付与するために設けられる場合は、シリコンゴム等の柔軟性の高い材料にて構成することにより昇降ピンとの間の密着度を高めることが考えられるし、あるいはフェルト等の吸水材にて構成する方法も考えられる。但し、これらはあくまで一例であり、昇降ピン分離帯はどのようなものでも良いのであり、これによって本発明が制約されるものではない。
干渉防止機構についての前記例示の内、「昇降ピン分離帯を有する構成」は、昇降ピン間の隙間を小さくすることは可能だが、該隙間を無くすことは出来ない。しかしながら、点字出力を前提としたピン出力装置においては、昇降ピン間の隙間がむしろ必要とされるため、有利と思われる。一方、「制動力完結機構を有する構成」及び「昇降ピン分離帯を有する構成」は、昇降ピン間の隙間を無くすことが可能であるため、滑らかな立体形状を表現することを目的としたピン出力装置においては、有利である。
本発明でいう「干渉防止機構」は、「昇降ピン駆動機構構成要素」に含まれない。何故なら、本発明でいう昇降ピン駆動機構構成要素とは、コンピュータからの出力によって昇降ピンに駆動作用を及ぼしうるものを指しているのであり、コンピュータからの出力によって制御されうる、いわば能動的なものである。それに対して干渉防止機構は、コンピュータからの出力によって制御されえない受動的な機構だからである。また、干渉防止機構は昇降ピンの軸方向移動を制動する際に発生する、いわば副作用(軸外力によって昇降ピンが変形あるいは移動されることによる隣接昇降ピンへの干渉)を防ぐためのものであり、その意味で制動機構の補助的な役割を果たすものだからである。また、干渉防止機構は必ずしも設けなければならないものではなく、例えば、軸外力が発生しない昇降ピン制動機構を用いた場合には、干渉防止機構は設けなくても良いと思われる。
昇降ピンを駆動する機構が、昇降ピンに設けられた貫通長穴の内側から、昇降ピンを駆動するよう配置されることにより、昇降ピンが隙間なく(あるいは該隙間が小さい状態で)隣接して配置される設計も可能となり、ピン出力装置の設計の幅が広がる。これにより、本発明によるピン出力装置がディスプレイとして用いられる場合、視覚障害者に対する触覚情報の呈示においても、晴眼者に対する触覚情報及び視覚情報の呈示においても、昇降ピン間に隙間の無い滑らかな連続性を有する形状を呈示することが可能となる。また、本発明によるピン出力装置がアクチュエータとして用いられる場合にも、昇降ピン間に隙間の無い(あるいは該隙間が小さい)ことによる滑らかな連続性を有する形状出力を得ることができる。また、貫通長穴の横幅を狭いものとし(特に、貫通長穴の側面開口部の幅を狭いものとする)、該貫通長穴を通した状態で配置される柵棒部の横幅を狭いものとすることにより、貫通長穴に水滴が浸入するのをある程度抑えることができ、貫通長穴の内側から昇降ピンを駆動しうるよう配置された昇降ピン駆動機構において、簡易な防水性を得ることができる。また、干渉防止機構を有する構成とすることにより、隣接する昇降ピンの制動による影響(軸外力による隣接ピンへの干渉)を受けずに各昇降ピンが駆動(軸方向移動)されうる。また、昇降ピン分離帯を突出面(昇降ピンが突出する面)に配置することによって簡易な防水性を付与することが出来る。また、(設計次第で)昇降ピン間の隙間を無くしうるものとし(あるいは該隙間を小さくしうるものとし)、かつ、以下に示すようなことが同時に実現される。すなわち、制動機構にて昇降ピンの軸方向位置そのものが直接制御されるので、昇降ピンの突出量が個別に精確に制御される。制動機構は基本的にONまたはOFFの単純な制御なので、各ピンごとに複雑な電力制御回路を設ける必要がなく、低コストである。昇降ピンの駆動は、ばねに抗して行われるわけではないので、消費エネルギーの無駄が発生しない。昇降ピンの突出量において、昇降ピンの全長を有効に利用することが出来る、などである。
発明を実施するために最も望ましいと思われる形態を以下に示す。貫通長穴の内側から昇降ピンを駆動しうるよう、昇降ピン駆動機構構成要素を配置する方法として、昇降ピン駆動機構構成要素が、柵状であり、その柵棒部が貫通長穴を通した状態で配置され、貫通長穴の内側から昇降ピンに対して駆動作用を及ぼしうるものとする方法が考えられる。この方法を用いる場合、貫通長穴の内側から昇降ピンを駆動しうる昇降ピン駆動機構構成要素は、柵状であり、その柵棒部が貫通長穴を通した状態で配置され、貫通長穴の内側から昇降ピンに対して駆動作用を及ぼしうるものであるならば、どのようなものでも良いのであり、本発明はこれによって制約されるものではない。
図5は、昇降ピン制動機構が柵状に設けられ、その柵棒部が昇降ピンの貫通長穴を通した状態で配置されている様子を示している。該昇降ピン制動機構において、各制動アクチュエータは各昇降ピンに対応した位置に配置されており、貫通長穴の内側から昇降ピンを個別に制動しうるよう構成されている。本発明において、制動アクチュエータはどのようなものでも良く、制動方式もどのようなものでも良いのであり、これによって本発明が制約されるものではない。
図4は、磁石でできた昇降ピン吸着板が柵状に設けられ、その柵棒部が昇降ピンの貫通長穴を通した状態で配置されている様子を示している。これにより、昇降ピン吸着板は、昇降ピンに対して、貫通長穴の内側において磁力にて相互に吸着されうるよう構成されている。昇降ピン吸着板は、4隅に昇降ピンの軸方向と平行な送りねじを有しており、これら送りねじを同期して(例えば歯付ベルトを用いて連動させるなどして)駆動する移動機構が設けられている。
図6及び図7は、貫通長穴の内側に軸方向のリブが設けられた昇降ピンを用い、柵状に設けられた耐圧固定機構を、その柵棒部を貫通長穴を通した状態で配置し、スライドして挟み込むことにより、前記リブの軸方向位置を固定しうるよう構成した例を示している。前記リブは昇降ピンに設けられているので、リブの軸方向位置を固定することによって当然、昇降ピンの軸方向位置が固定されることになる。
貫通長穴は昇降ピン1本につき1個とすることが望ましい。何故なら、昇降ピン1本につき複数個の貫通長穴を設けると、昇降ピンの剛性が低くなるからである。昇降ピンの剛性が低ければ、軸外力や触知圧力によって昇降ピンが変形しやすくなり、それによって隣接昇降ピンに干渉する可能性が高くなる。
図1及び図9a及び図9a’は、耐圧固定機構・昇降ピン制動機構・昇降ピン吸着板が、貫通長穴の内側において、昇降ピンの軸方向に1列に並んで配置されている様子を示している。このように、貫通長穴の内側において、昇降ピン駆動機構構成要素が昇降ピンの軸方向に1列に並んで配置されることにより、貫通長穴の横幅を狭くすることができるため、昇降ピンの軸に垂直な断面積を小さくすることができる。そのため、点字等の微細な表現がし易くなり、また、昇降ピンの実装密度を高くすることができるので、情報密度を高めることができる。特に、貫通長穴は昇降ピン1本につき1個とし、該貫通長穴の内側において昇降ピン駆動機構構成要素を昇降ピンの軸方向に1列に並べて配置する構成とすることにより、昇降ピンの剛性を確保しつつ、昇降ピンの軸に垂直な断面積を小さくすることができる。このように貫通長穴の内側において昇降ピン駆動機構構成要素を昇降ピンの軸方向に1列に並べて配置する場合、それらを軸方向に並べる順序はどのようなものでも良いのであり、本発明はこれによって制約されることは無い。
請求範囲において、貫通長穴の内側において複数の昇降ピン駆動機構構成要素が昇降ピンの軸方向に順序を問わず軸方向に1列に配置されている状態が記述されている場合、複数の昇降ピン駆動機構構成要素が、そこに書かれている順序によって並べられている状態を示しているわけではなく、軸方向についてそれら複数の昇降ピン駆動機構構成要素を並べる順序はどのようなものでも良いということを示している。ここで、請求範囲に記述されている以外のものは、どのように配置されていてもかまわないのであり、それによって請求範囲に含まれるか否かが影響を受けるものではない。例えばここで、干渉防止機構を有する構成とする場合、前記複数の昇降ピン駆動機構構成要素の配置に対して、干渉防止機構はどのように配置されていても良いのであり、例えば、請求範囲に示す複数の昇降ピン駆動機構構成要素の間に割り込んだ位置に配置された構成であったとしても、関係無く、請求範囲に含まれる。何故なら、前述のように、干渉防止機構は制動機構の副作用を抑えるための補助的なものであり、本発明の本質的な構成に影響を及ぼすものではないからである。
図2b及び図2cは、昇降ピンの没入端が開放形状である場合の例を示している。図2cにおいて、昇降ピンの没入端には脱落防止爪が設けられているが、該脱落防止爪は弾性を有するものであり、ピン出力装置の使用者が昇降ピンを突出方向へ強く引っ張ると該脱落防止爪が変形することによって、該昇降ピンは突出方向へ抜き取られうるものとなっている。
貫通長穴の側面開口部の横幅は出来るだけ狭いものとするのが望ましい。また、柵棒部について、前記貫通長穴の側面開口部と対偶する部位は、横幅を狭いものとするのが望ましい。例えば、フィルム状としても良い。そのように、柵棒部を薄くする場合、貫通長穴の側面開口部と待遇する部位だけを薄くすれば良いのであり、必ずしも柵棒部全体を薄くする必要は無い。例えばフィルム状の柵棒部において、該フィルム上に、貫通長穴の内側において駆動作用を及ぼす形状物を固定してなるものとするなどの構成が考えられる。このような構成によって貫通長穴内に水滴が浸入することをある程度抑えることができるため、貫通長穴の内側に配置された昇降ピン駆動機構構成要素について、屋外における簡易な防水性が得られる。特に、貫通長穴側面開口部の横幅を狭いものとすることにより、水の表面張力によって貫通長穴の内側への水の浸入をある程度抑えることができる。但し、本発明でいう簡易な防水性は、必ずしも水の表面張力を利用しなければならないものではなく、柵棒部の横幅はどのようなものでも良い。
図17は、没入端が開放形状の昇降ピンを用い、昇降ピン制動機構の没入端側直近に昇降ピン分離帯(図17の34)を配置することによって軸外力による隣接ピンへの干渉を防いでいる。ここで、該昇降ピン分離帯は軸外力に対抗しうる剛性が確保されたものである。更に、同図において昇降ピンの突出面(昇降ピンが突出する面)にも簡易な防水性付与のため、昇降ピン分離帯(図17の35)が配置されている。突出面に配置される昇降ピン分離帯は、触知圧力による昇降ピンに対する曲げ応力に抗する役割も担っている。いずれの昇降ピン分離帯も格子状に広がって昇降ピン間の隙間を埋めている(図17では図示していない)。格子状に設けられた昇降ピン分離帯の周囲(必ずしも全周でなくて良い)は、ピン出力装置本体に固定されている。昇降ピン分離帯は昇降ピンとの摩擦を考慮し、摩擦係数の小さいものとするのが望ましい。
本実施例は、重力に抗して昇降ピンを支持する(すなわち、昇降ピンが重力の作用によって没入方向へ落下あるいは滑り落ちるのを防ぐ)昇降ピン支持板にて昇降ピンを支持した状態で、移動機構にて昇降ピン支持板を昇降ピンの突出方向へ移動させることにより、昇降ピンを初期位置まで突出させ、次に、移動機構にて昇降ピン支持板を昇降ピンの没入方向へ移動させることにより、昇降ピンを重力によって昇降ピン支持板に追従させることにより没入方向へ移動させ、昇降ピンの該没入方向移動の過程において、昇降ピン制動機構にて昇降ピンを個別に任意の軸方向位置にて制動するものである。
昇降ピン支持板は、昇降ピンのどの部位を支持するものであっても良い。昇降ピンの没入端を支持しても良いし、貫通長穴の内側において昇降ピンを支持しても良い。例えば、図3は、平板形状の昇降ピン支持板であり、昇降ピンの没入端を重力に抗して支持しうるものである。また例えば、図12aは、貫通長穴内に突起を有する昇降ピンに対して、貫通長穴の内側において、昇降ピン支持板が該突起を支持している例を示している。また例えば、図12bは、貫通長穴内に下向き段差面を有する昇降ピンに対して、貫通長穴の内側において、昇降ピン支持板が該下向き段差面を支持している例を示している。
本実施例の利点として、後述する磁力吸着を用いた方法に比べて、以下の点を挙げることができる。すなわち、磁石を使わないのでピン出力装置の製造コストが低く抑えられる。また、磁力吸着を引き剥がす必要が無いので、昇降ピン制動機構の制動力は比較的小さくて良く、少ないエネルギーで駆動できる。
本実施例は、昇降ピン貫通長穴の内側と磁力にて相互に吸着された状態の昇降ピン吸着板を、移動機構にて昇降ピンの軸方向(突出方向または没入方向)へ移動させることによって昇降ピンを軸方向へ移動させ、昇降ピンの該移動過程において、昇降ピン制動機構にて昇降ピンを個別に任意の軸方向位置にて制動するものである。
図4は、柵状に設けられた昇降ピン吸着板を、その柵棒部を貫通長穴に通した状態で配置した例を示している。同図において、昇降ピン吸着板は貫通長穴の内側において昇降ピンと磁力にて相互に吸着されている。昇降ピン吸着板の四隅に設けられた送りねじをモータ(図示しない)にて駆動することにより、昇降ピンを軸方向へ移動させうるものである。同図において昇降ピン吸着板を軸方向に移動させうる移動機構として送りねじを用いた例が示されているが、これはあくまで一例であり、移動機構はどのようなものを用いても良い。昇降ピンの該移動過程において、図5に示す如き昇降ピン制動機構にて、各昇降ピンは個別に任意の位置で軸方向移動が制動されることにより、各昇降ピンの軸方向位置が位置決めされる。このように、昇降ピンが磁力にて吸着された状態で突出方向へ移動され、該移動過程において制動される方法は、以下のような利点を有する。例えば、実開平3−14674においては、いったん全ての昇降ピンが支持板によって初期位置まで突出される(ステップ1)、次に支持板が昇降ピンの没入方向へ移動すると、昇降ピンは重力によって支持板に追従し、没入方向へ移動する。昇降ピンの該移動過程において、昇降ピン制動機構にて昇降ピンが個別に任意の軸方向位置にて制動される(ステップ2)。というように、触知ピンの出没が2段階のステップを経て出力される(すなわち、昇降ピンが上下に往復動することによって出力される)。この2段階のステップを要することが使用者にとって見た目に煩わしく感じられ、また、出力速度の制約要因ともなっている。昇降ピンが磁力にて吸着された状態で突出方向へ移動され、該移動過程において制動される方法を用いることにより、これらの問題点が解決されうる。このように、昇降ピンの突出方向移動を制動する方法を用いる場合は、昇降ピン制動機構は軸方向移動すべて(突出方向移動及び没入方向移動)を制動しうるものである必要は無く、昇降ピンの突出方向移動を制動しうるものであれば良い。
但し、昇降ピンが磁力で吸着された状態で軸方向へ移動される場合においても、昇降ピンの軸方向移動を制動する際、必ずしも昇降ピンの突出方向移動を制動しなければならないわけではなく、昇降ピンの没入方向移動を制動しても良い。例えば、全ての昇降ピンが昇降ピン吸着板にて吸着された状態でいったん初期位置まで突出され、吸着状態のまま昇降ピン吸着板を没入方向へ移動することによって昇降ピンを没入方向移動させ、昇降ピンの該移動過程において昇降ピンの没入方向移動を個別に任意の軸方向位置にて制動するなどの方法を用いても良い。
昇降ピンについて、該昇降ピンの軸方向における短区間が、昇降ピン吸着板と相互に吸着されうる構成としても良い。この場合、昇降ピンが昇降ピン制動機構にて制動された後もなお昇降ピン吸着板が軸方向に移動し続けると、該昇降ピンにおいては昇降ピン吸着板との吸着状態が解除されることになる。このように、制動に伴って吸着解除された場合においても、昇降ピン制動機構は、様々な仕組みによって(耐圧固定機構によって昇降ピンの軸方向位置が固定されるまでの間)重力による昇降ピンの没入方向落下を防ぐことができる。例えば、昇降ピン制動機構の作動時に、昇降ピン制動機構と昇降ピン貫通長穴の内側の間に発生する摩擦力にて重力による昇降ピンの没入方向落下を防ぐ構成としても良い。ここで、「短区間」とは、制動後も昇降ピン吸着板が移動し続けると吸着状態が解除される程度の長さのことであり、その現象(制動後も昇降ピン吸着板が移動し続けると吸着状態が解除されるという現象)をもって判別されるべき概念であり、具体的な長さを示すものではない。但し、これはあくまで一例であり、昇降ピンにおいて昇降ピン吸着板と相互に磁力にて吸着されうる区間の長さはどのようなものでも良いのであり、これによって本発明が制約されるものではない。図13aは、昇降ピンの軸方向における短区間が、昇降ピン吸着板と相互に吸着されうる構成とした場合に、制動後も昇降ピン吸着板が移動し続けると吸着状態が解除される様子を示している。
昇降ピンについて、該昇降ピンの軸方向における長区間が、昇降ピン吸着板と相互に吸着されうる構成としても良い。この場合、昇降ピンが昇降ピン制動機構にて制動された後もなお昇降ピン吸着板が軸方向に移動し続けても、該昇降ピンにおいては昇降ピン吸着板との吸着状態が(滑りながら)維持されることになる。この場合、制動後、耐圧固定機構によって昇降ピンの軸方向位置が固定されるまでの間、吸着状態が維持された状態であるため、重力による昇降ピンの没入方向落下が防がれることになる。ここで、「長区間」とは、制動後も昇降ピンの移動し続けても吸着状態が維持される程度の長さのことであり、その現象(制動後も昇降ピンの移動し続けても吸着状態が維持されるという現象)をもって判別されるべき概念であり、具体的な長さを示すものではない。但し、これはあくまで一例であり、昇降ピンにおいて昇降ピン吸着板と相互に磁力にて吸着されうる区間の長さはどのようなものでも良いのであり、これによって本発明が制約されるものではない。図13bは、昇降ピンの軸方向における長区間が、昇降ピン吸着板と相互に吸着されうる構成とした場合に、制動後も昇降ピン吸着板が移動し続けると吸着状態が維持される様子を示している。
本実施例の利点として、前述した重力追従を用いた方法に比べて、以下の点を挙げることができる。すなわち、重力の影響を受けないので、例えば、病人などがベッドに仰向けに寝た状態で使用することができる。また例えば、宇宙空間など無重力状態でも使用することができる。
本発明によるピン出力装置は、ピン間の隙間を無くす(又は該隙間を小さくする)設計とすることが出来るので、滑らかな3次元触覚情報を提示しうるピン出力装置を実現できる。そのため、視覚障害者に対して触覚による地図情報を提示するのに適していると思われる。視覚障害者が本発明によるピン出力装置を持ち歩くことにより、歩行補助として用いることが考えられる。また例えば、ピンの突出量を小さく抑えた設計とすることにより、点字などの2値出力(凸凹など)に特化した製品とすることもできる。また、ピン出力装置によって出力された3次元形状や2値出力(凸凹など)は、粘土等の可塑性材料に押し付けることにより、該可塑性材料の成型や刻印に用いることも考えられる。
昇降ピン駆動機構構成要素の柵棒部と昇降ピン貫通長穴の関係 貫通長穴のバリエーション例 平板状の昇降ピン支持板と移動機構 柵状に設けられた昇降ピン吸着板と移動機構 柵状に設けられた昇降ピン制動機構 貫通長穴の内側に軸方向のリブを有する昇降ピン 耐圧固定機構がリブを挟み込む様子 「柵状」のバリエーション例 柵状昇降ピン駆動機構構成要素の相互位置関係バリエーション例 「貫通長穴を通した状態で配置する」バリエーション例 六角形断面昇降ピンに2本の貫通長穴を設けた様子 貫通長穴内側の突起や下向き段差面を支持する様子 短区間が吸着される場合と長区間が吸着される場合 先行技術において、ピンを覆うカバーを付加することによってピン間の隙間を無くした例 先行技術において、ピンの突出側の断面積を大きくすることによって突出部分のピン間の隙間を無くした例 昇降ピン分離帯の一例 制動機構の没入側及び突出面(昇降ピンが突出する面)に昇降ピン分離帯を配置した例 制動力完結機構の一例について、昇降ピンの軸に垂直な断面図 軸外力対抗機構の一例について、昇降ピンの軸に垂直な断面図
符号の説明
1 昇降ピン
2 貫通長穴
3 昇降ピン吸着板の柵棒部
4 昇降ピン制動機構の柵棒部
5 耐圧固定機構の柵棒部
6 貫通長穴の横幅(又は、貫通長穴の側面開口部の横幅)
7 貫通長穴の軸方向長さ
8 昇降ピンの没入端
9 昇降ピンの突出方向
10 昇降ピンの没入方向
11 昇降ピン指示板
12 送りねじ
13 昇降ピンの軸方向
14 昇降ピン吸着板
15 制動アクチュエータ
16 ピン出力装置の本体
17 貫通長穴の側面開口部
18 貫通長穴の内側に設けられた軸方向のリブ
19 柵棒部の横幅
20 柵棒部の軸方向長さ
21 昇降ピン駆動機構構成要素の柵棒部
22 柵棒部がピン出力装置本体に保持されている部位
23 昇降ピン指示板の柵棒部
24 貫通長穴の内側に有する突起
25 貫通長穴の内側に有する下向き段差面
26 貫通長穴の内側に有する吸着部
27 ソレノイドコイル
28 コイルばね
29 ピンを覆うカバー
30 突出面(昇降ピンが突出する面)
31 ピンの突出側において断面積の大きい部位
32 昇降ピン分離帯
33 昇降ピン分離帯の軸方向長さ
34 昇降ピン制動機構の周辺に配置された昇降ピン分離帯
35 突出面に配置された昇降ピン分離帯
36 昇降ピンの没入端に設けられた脱落防止爪
37 爪同士の噛合い
38 リブの端面
39 軸外力対抗機構の柵棒部

Claims (2)

  1. 複数の昇降ピンを有し、
    前記各昇降ピンは、その側面を貫通している貫通長穴を有するものであり、
    前記複数の昇降ピンを一括して重力に抗して支持しうる昇降ピン支持板を有し、
    コンピュータからの出力に応じて、前記昇降ピン支持板を前記昇降ピンの没入方向へ移動させうる移動機構を有し、
    柵状に設けられた昇降ピン制動機構を有し、
    前記昇降ピン制動機構の各柵棒部は、前記昇降ピンと一対一対応に複数設けられている制動アクチュエータを有するものであり、
    前記昇降ピン制動機構は、その柵棒部が前記貫通長穴を通した状態で配置され、
    前記制動アクチュエータは、コンピュータからの出力に応じて個別に駆動されることにより、前記貫通長穴の内側から前記昇降ピンの没入方向移動を、個別に制動しうるものである
    ことを特徴とするピン出力装置
  2. 複数の昇降ピンを有し、
    前記各昇降ピンは、その側面を貫通している貫通長穴を有するものであり、
    柵状に設けられた昇降ピン吸着板を有し、
    前記昇降ピン吸着板は、その柵棒部が前記貫通長穴を通した状態で配置され、前記貫通長穴の内側から前記複数の昇降ピンと一括して磁力にて相互に吸着されうるものであり、
    コンピュータからの出力に応じて、前記昇降ピン吸着板を前記昇降ピンの軸方向へ移動させうる移動機構を有し、
    柵状に設けられた昇降ピン制動機構を有し、
    前記昇降ピン制動機構の各柵棒部は、前記昇降ピンと一対一対応に複数設けられている制動アクチュエータを有するものであり、
    前記昇降ピン制動機構は、その柵棒部が前記貫通長穴を通した状態で配置され、
    前記制動アクチュエータは、コンピュータからの出力に応じて個別に駆動されることにより、前記貫通長穴の内側から前記昇降ピンの軸方向移動を、個別に制動しうるものである
    ことを特徴とするピン出力装置
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