JP4252923B2 - 速度解析型レーダ探査方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は速度解析型レーダ探査方法及び装置に関し、とくに電磁波を利用して探査対象内部の電磁波伝播速度を解析すると共に電気的不連続面のプロファイルを作成する速度解析型レーダ探査方法及び装置に関する。
地下内部の埋設物や地盤構造の調査、無筋コンクリートの背面空洞や巻厚の調査、鉄筋コンクリートの鉄筋かぶり厚の調査等において使われるレーダ探査は、電磁波が比誘電率εの境界面(電気的不連続面。以下、単に不連続面ということがある。)で反射する性質を利用し、探査対象内部の不連続面を画像化する解析手法である(特許文献1参照)。比誘電率εは、(1)式のように探査対象内部の電磁波伝播速度Vを決定するパラメータであり、対象の湿潤乾燥状態等によっても変化することが知られている。なお、(1)式の符合cは光速(≒3×108m/s)を表す。
V=c/ε1/2 ………………………………………………………(1)
T=(L2+4D21/2/V ………………………………………(2)
例えば金属の比誘電率ε(≒無限大)は、空気の比誘電率ε(≒1)、地盤の比誘電率ε(≒3〜30程度)、水の比誘電率ε(≒81)に比して極端に大きいので、地中の金属製配管やコンクリート中の鉄筋等の調査にレーダ探査が広く利用される。また、比誘電率εは含水率により変化することから、図5に示すような地下空洞45の周囲に存在すると推定されるゆるみ領域46(亀裂3a、3bの頻度が高い地下水の不飽和領域)の調査、その周囲の不飽和領域47(亀裂頻度が低い地下水の不飽和領域)や地下水飽和領域48の境界面4a、4bの調査等にもレーダ探査が利用される。
従来のレーダ探査方法の一例は、図6に示すように、探査対象1の表面2の計測線上に一対の送信機11及び受信機12を所定オフセット間隔Lで並置し、送信機11から探査対象1の内部に電磁波を入射すると共に内部不連続面(図示例では埋設物5との境界面)からの反射波(反射電磁波)を受信機12で受信し、入射波の入射時刻から反射波の受信時刻までの時間遅れ(往復走時)Tと探査対象内部の電磁波伝播速度Vとオフセット間隔Lとから(2)式に基づき不連続面の深度(位置)Dを求める。オフセット間隔Lを保持しつつ送信機11及び受信機12を計測線に沿ってほぼ一定速度で走査させ、計測線に沿った不連続面の深度Dを連続的に求めることにより探査対象1の内部不連続面のプロファイルを作成する。このレーダ探査方法はプロファイル法と呼ばれている。
特許文献2及び3は、長い探査距離(探査深度)が確保できるレーダ探査方法を開示する。電磁波が大きく減衰する探査対象内部では、レーダ探査の探査距離が短くなり又は分解能が低下する。特許文献2のレーダ探査方法は、送信機11から入射する電磁波パルスの幅を変更することにより電磁波の到達距離を変更する。特許文献3のレーダ探査方法は、周波数が所定パターンで変化する連続電磁波(連続波)を用いることにより高分解能を維持しつつ長い探査距離を確保する。周波数を変化させる特許文献3のレーダ探査方法によれば、不連続面プロファイルを周波数別に作成し、周波数依存性のある探査対象1の内部構造を解析することができる。
特開平3−047474号公報 特開平10−020030号公報 特開2003−302465号公報 朝倉夏雄「反射法速度解析による地下速度の概念」物理探鉱、Vol.36、No.3、1993年
レーダ探査により探査対象1の内部不連続面のプロファイルを作成には、(2)式から分かるように、探査対象1の内部の電磁波伝播速度V又は比誘電率εを把握する必要がある。伝播速度Vの推定値を用いてプロファイルを作成することも考えられるが、例えばコンクリートの比誘電率εは湿潤乾燥条件に応じて4〜20の範囲の幅があり、探査対象1の電磁波伝播速度Vの推定は容易でなく、推定値を用いてプロファイルを作成すると精度が低下するおそれがある。そこで図8に示すように、探査対象1のボーリングコア40a、40b、40cを採取して探査対象1の比誘電率εを求める方法が使われる。しかし、同図の方法は非常に手間がかかるだけでなく、探査対象1の離散的な部位の電磁波伝播速度Vしか把握できない問題点がある。
他方、レーダ探査により探査対象1の電磁波伝播速度Vを定める方法として、図7に示すワイドアングル法が知られている。図示例の方法は、先ず探査対象1の地表2に送信機11及び受信機12を初期オフセット間隔L1で載置すると共に送信機11及び受信機12の中点を地表2の計測位置Pに位置合わせし、プロファイル作成時と同様に送信機11から探査対象1へ電磁波を入射すると共に内部不連続面(最も浅い第1不連続面)4aからの反射波を受信機12で受信し、入射波に対する反射波の時間遅れT1を検出する。次いで同図(A)に示すように、送信機11・受信機12の中点を計測位置Pに保持したまま送信機11・受信機12のオフセット間隔L2、L3、……を徐々に広げ、異なる間隔L2、L3、……で入射波に対する反射波の時間遅れT2、T3、……を検出する。この方法により、オフセット間隔L1、L2、L3、……に拘わらず、計測位置Pの下方の共通反射点(第1不連続面4a上の共通反射点)Qaからの反射波を受信機12で受信する。
図7の方法で検出した時間遅れT1、T2、T3、……と、オフセット間隔L1、L2、L3、……とを、図7(B)のようにL2−T2平面上にプロットする。オフセット間隔Lの二乗と検出時間遅れTの二乗との間には式(10)(式(2)の両辺の二乗)の関係があるので、プロットした各点は同一直線上にある。この直線の傾きから、計測位置Pにおける電磁波伝播速度(表面2と第1不連続面4aの間の伝播速度)Vaを算出できる。また、この直線とT2軸との交点(y軸切片)から、計測位置Pと共通反射点Qaとの間の鉛直距離(深度)Daを算出できる。式(11)及び式(12)に示すように、y軸切片はオフセット間隔Lを0とした場合の検出時間遅れに相当する。第1不連続面4aとより深い第2不連続面4bとの間の電磁波伝播速度Vb、及び第2不連続面4b上の共通反射点Qbの深度Dbについても、電磁波が第1層不連続面4aで屈折することを考慮して同様に算出可能である(特許文献4参照)。
2=L2/V2+(2D)2/V2 ………………………………………(10)
0 2=L2/V2 …………………………………………………………(11)
2=T0 2+(2D)2/V2 ……………………………………………(12)
しかしワイドアングル法は、上述したようにオフセット間隔Lを広げながら時間遅れTの検出を繰り返す煩雑な計測作業を必要とするため、電磁波伝播速度Vの算出に非常に時間がかかる問題点がある。このため、限られた作業時間内に電磁波伝播速度Vを求めることができる計測位置Pの数に限界があり、やはり離散的な計測位置Pでしか電磁波伝播速度Vを求めることができないのが現実である。高精度なプロファイルを作成するため、探査対象1の電磁波伝播速度Vの連続的な分布を簡単に把握できる技術が必要である。
そこで本発明の目的は、電磁波伝播速度の連続的な分布を把握して高精度なプロファイルを作成する速度解析型レーダ探査方法及び装置を提供することにある。
図1の実施例及び図2に流れ図を参照するに、本発明の速度解析型レーダ探査方法は、探査対象1の表面2の計測線7(図5の符号7a、7b参照)上に送信機11と複数の受信機12n(121、122、……)とを所定オフセット間隔Ln(L1、L2、……)で載置し、入射位置Rを定めつつ送信機11から探査対象1の内部へ電磁波を入射し、電磁波の内部不連続面4からの反射波を複数の受信機12nで受信し、入射波に対する反射波の時間遅れTn(T1、T2、……)を受信機12n毎に検出して入射位置Rと共に記録し、所定オフセット間隔Lnに保持した送信機11及び受信機12nを計測線7上に沿って移動させつつ前記電磁波の入射から前記受信機12n毎の検出時間遅れTnの記録までのサイクルを繰り返し、入射位置Rに応じた受信機12n毎の検出時間遅れTnと受信機12n毎のオフセット間隔Lnとから当該受信機12nと送信機11との中点が探査対象表面2上の計測位置Pを通過した時の検出時間遅れTn(P)を受信機12n毎に求め、受信機12n毎の計測位置Pでの検出時間遅れTn(P)とオフセット間隔Lnとから探査対象1の内部の電磁波伝播速度V及び反射位置Qを計測位置P毎に算出して計測線7に沿った探査対象1の内部不連続面のプロファイルを作成してなるものである。
また、図1のブロック図を参照するに、本発明の速度解析型レーダ探査装置は、探査対象1の内部に電磁波を入射する送信機11と当該電磁波の内部不連続面4からの反射波を受信する複数の受信機12n(121、122、……)とを所定オフセット間隔Ln(L1、L2、……)で一列に保持する送受信機保持具10、保持具10を探査対象表面2上で送信機11及び受信機12nの列方向に移動させる移動手段19(図5も参照)、送信機11の入射位置Rを検知する検知手段18、入射波に対する反射波の時間遅れTn(T1、T2、……)を受信機12n毎に検出する検出手段21、受信機12n毎の検出時間遅れTnを入射位置Rと共に記録する記録手段23、入射位置Rに応じた受信機12n毎の検出時間遅れTnと受信機12n毎のオフセット間隔Lnとから当該受信機12nと送信機11との中点が探査対象表面2上の計測位置Pを通過した時の検出時間遅れTn(P)を受信機12n毎に求め且つ受信機12n毎の計測位置Pでの検出時間遅れTn(P)とオフセット間隔Lnとから探査対象1の内部の電磁波伝播速度V及び反射位置Qを計測位置P毎に算出する算出手段25、並びに伝播速度V及び反射位置Qの算出値から移動方向に沿った探査対象1の内部不連続面のプロファイルを作成するプロファイル作成手段28を備えてなるものである。
好ましくは、保持具10に、受信機12n毎のオフセット間隔Lnを調整する間隔調整器13n(131、132、……)を設ける。
本発明の速度解析型レーダ探査方法及び装置は、送信機とのオフセット間隔が異なる複数の受信機を探査対象表面の計測線上に沿って移動させ、送信機から探査対象内部へ入射した電磁波の内部不連続面からの反射波の時間遅れを受信機毎に検出するサイクルを繰り返し、入射位置に応じた受信機毎の検出時間遅れと受信機毎のオフセット間隔とから探査対象内部の電磁波伝播速度及び反射位置を算出するので、次の顕著な効果を奏する。
(イ)計測線上に沿った少なくとも1回の移動(走査)で、内部不連続面の各反射位置からの反射波をオフセット間隔が異なる複数の受信機で検出して電磁波伝播速度を算出することができるので、複数回の計測作業が必要であった従来のワイドアングル法に比し電磁波伝播速度を簡単に短時間で把握できる。
(ロ)また、計測線上を移動しながら電磁波伝播速度を連続的に求めることができ、計測線に沿った電磁波伝播速度の連続的な分布を把握できる。
(ハ)電磁波伝播速度の連続的な分布に基づき対象内部の不連続面プロファイルを作成するので、従来のプロファイル法に比し精度の向上が期待できる。
(ニ)複数の受信機でそれぞれ不連続面プロファイルを作成することができ、1回の走査で従来の複数回の走査に相当する高精度なプロファイルを作成できる。
(ホ)送信機と各受信機との間隔を、探査対象の種類、内部不連続面の予想深度及び/又は電磁波の周波数等に応じて調整することにより、一層高精度なプロファイルの作成が期待できる。
(ヘ)電磁波伝播速度の解析機能と不連続面プロファイルの作成機能とを1台の装置に併せ持つので、従来のレーザ探査に比し装置コストの削減が図れる。
(ト)無筋コンクリートの背面空洞や巻厚、鉄筋コンクリートの鉄筋かぶり厚、掘削地盤周辺のゆるみ領域等の調査の迅速化及び高精度化に寄与できる。
図1に示す本発明の速度解析型レーダ探査装置は、送信機11及び複数の受信機121、122、……12nを探査対象表面2に保持する送受信機保持具10と、その保持具10を送信機11及び受信機12nの保持列方向に移動させる移動手段19と、その保持具10の位置を検知する検知手段18と、探査対象1の内部構造を解析するコンピュータ20とを有する。送受信機保持具10は、1台の送信機11の送信アンテナと複数台の受信機12nの受信アンテナとを、探査対象1と対向する向きに所定オフセット間隔Lnで一列に保持する。レーザ探査に際してこの送受信機保持具10を、送信アンテナ及び受信アンテナが探査対象表面2と対向するように、且つ、送信アンテナ及び受信アンテナの保持列の方向と探査対象表面2上の計測線7とが一致するように、探査対象表面2上に載置又は押し当てる。
送信機11及び受信機12は、従来のレーダ探査装置と同様の電磁波パルス又は連続電磁波の送信用又は受信用アンテナを有し、送信制御部14及び受信制御部15を介してコンピュータ20に接続する。送信制御部14は、例えばコンピュータ20の発信制御手段29からの信号に基づき所定中心周波数のパルス信号又は周波数が所定パターンで変化する連続信号を発生して送信機11へ送る。送信機11によりパルス信号又は連続信号を電磁波として送信アンテナから放射する。発信制御手段29により、送信機11から放射する電磁波の周波数(例えばパルスの中心周波数)、電圧、パルス幅等を調節することができる。例えば、探査対象1の種類や内部不連続面4の予想深度に応じて電磁波の周波数等を調節する。
好ましくは、送受信機保持具10に各受信機12nのオフセット間隔Lnを調整する間隔調整器13nを設け、探査対象1の種類、電磁波の周波数、内部不連続面4の予測深度等に応じて受信機12n毎に最適なオフセット間隔Lnを選択可能とする。各受信機12nのオフセット間隔Lnを調整することにより、送信機11から受信機12nへの対象内部の電磁波伝搬距離を調節できる。例えば、電磁波の減衰が大きく受信機12nで反射波を精確に検知できない場合は、オフセット間隔Lnを縮めて対象内部の電磁波伝搬距離を短くする。受信機12n毎の最適なオフセット間隔Lnは、例えば実験的又は解析的に定めることができる。
移動手段19により、送受信機保持具10を送信機11及び受信機12nの保持列方向に移動させ、探査対象表面2の計測線7上の任意位置に位置付ける。図示例の移動手段19は保持具10に取り付けた走行手段17を有し、走行手段17により保持具10を送信機11及び受信機12nの保持列方向に導く。図5に示すように、例えば移動手段19を伸縮自在な支持部材19a付きの車両19bとすることができる。支持部材19aの先端に保持具10を支持し、支持部材19aを介して保持具10を探査対象表面2の計測線7a又は7b上に押し当てながら、車両19bを計測線7a又は7bに沿って移動させる。
検知手段18により、計測線7上の送受信機保持具10の位置を検知してコンピュータ20へ入力する。例えば検知手段18を距離計とし、保持具10の初期位置からの移動距離をコンピュータ20の位置計測手段22へ入力する。位置計測手段22において、保持具10の初期位置と距離計の移動距離と保持具10上の距離計取り付け座標とから、送信機11又は各受信機12nの計測線7上の位置を求めることができる。例えば、送信機11の電磁波放射時の位置を入射位置Rとして検知する。ただし、検知手段18は距離計に限定されず、例えばGPS等の位置センサを利用することができる。移動手段19及び検知手段18により入射位置Rを定めつつ、送信機11から探査対象1の内部へ電磁波を入射する。
コンピュータ20は、各受信機12nの受信波の入射波に対する時間遅れTnを検出する検出手段21と、検出した時間遅れTnを位置計測手段22の入射位置Rと関連付けて記憶手段(メモリ)30に記録する記録手段23と、入射位置Rに応じた受信機12n毎の検出時間遅れTnに基づき探査対象内部の電磁波伝播速度V及び反射位置Qを算出する算出手段25と、その算出値から探査対象内部の不連続面4のプロファイルを作成するプロファイル作成手段28とを有する。検出手段21、位置計測手段22、記録手段23、算出手段25及びプロファイル作成手段28の一例はそれぞれコンピュータの内蔵プログラムである。
図2は、コンピュータ20における処理の流れ図の一例を示す。以下、同図を参照して本発明によるレーダ探査方法を説明する。先ずステップS001において、探査対象1の種類や内部不連続面4の予測深度等に応じて、レーザ探査で用いる電磁波の周波数、電圧、パルス幅等を発信制御手段29及び送受信機保持具10の送信制御部14で調節する。またステップS002において、探査対象1の種類、内部不連続面4の予測深度、電磁波の周波数等に応じて、受信機12n毎のオフセット間隔Lnを間隔調整器13nにより調整し、調整した受信機12n毎のオフセット間隔Lnをメモリ30の間隔記憶部31に記憶する。ステップS003において、オフセット間隔調整後の保持部10を探査対象表面2の計測線7上の初期入射位置(始端)R0に位置付ける。
図2のステップS004において、送受信機保持具10の計測線7上の位置(この場合は初期入射位置R0)を検知手段18により検知し、位置計測手段22へ入力する。次いでステップS005において、保持具10の送信制御部14から送信機11へパルス信号又は連続信号を出力し、送信機11から探査対象内部に電磁波を入射する。送信制御部14の出力信号は、コンピュータ10の検出手段21にも送られる。ステップS006において、保持具10の複数の受信機12nにより内部不連続面4からの反射波をそれぞれ受信し、受信制御部15を介して反射波の信号をコンピュータ20の検出手段21へ入力する。ステップS007において、送信制御部14からの入射波の信号と受信制御部15からの反射波の信号とに基づき、検出手段21において入射波に対する反射波の時間遅れTnを受信機12n毎に検出する。ステップS008において、記録手段23により、検出手段21で検出した受信機12n毎の時間遅れTnを初期入射位置R0と共にメモリ30の位置・時間遅れ記憶部32に記録する。
初期入射位置R0における受信機12n毎の時間遅れTn(R0)をメモリ30に記憶したのち、ステップS009において送受信機保持具10を計測線7に沿って移動させる。ステップS010において計測線7の終端に至ったか否かを判断し、終端に至らない場合はステップS004へ戻り、送受信機保持具10を計測線7上の次回入射位置Rt(R1、R2、……)へ位置付けてステップS004〜S009を繰り返し、入射位置Rtにおける受信機12n毎の時間遅れTn(Rt)をメモリ30に記憶する。保持具10を計測線7の始端から終端まで移動させながらステップS004〜S009を繰り返すことにより、オフセット間隔Lnが異なる複数の受信機12nで内部不連続面4の反射位置Qからの反射波をそれぞれ受信し、各反射位置Qについて複数(n)回の時間遅れTnをメモリ30に記録することができる。
図2のステップS011は、メモリ30に記録した入射位置R及び受信機12n毎の時間遅れTnに基づき、算出手段25により探査対象内部の電磁波伝播速度V及び内部不連続面4の反射位置Qを算出する処理を示す。算出手段25による伝播速度V及び反射位置Qの算出方法の一例を図3に示す。同図は内部不連続面4が平坦(表面2と平行)であると想定できた場合の処理を示し、この場合は、メモリ30に記憶した受信機12n毎の入射位置Rにおける時間遅れTn(R)と受信機12n毎のオフセット間隔Lnとを同図(B)のようにL2−T2平面上にプロットする。オフセット間隔Lnと時間遅れTnとの間には式(10)の関係があるから、プロットした点を結ぶ直線の傾きから入射位置Rにおける電磁波伝播速度Vを算出し、そのy軸切片から内部不連続面4までの距離Dを算出できる。図1の伝播速度算出手段26の一例は、メモリ30から受信機12n毎の時間遅れTn(R)及びオフセット間隔Lnを読み出してL2−T2平面上にプロットすると共に、プロットした直線の傾きから電磁波伝播速度Vを算出するプログラムである。また、反射位置算出手段27の一例は、そのプロットした直線のy軸切片から内部不連続面4までの距離Dを算出するプログラムである。計測線7に沿って入射位置Rを連続的に調整することにより、計測線7に沿った電磁波伝播速度Vの連続的な分布を把握することができる。
図4は、内部不連続面4が平坦であるか否か不明である場合の算出手段25による処理を示す。この場合は、同図(A)〜〈C〉に示すように受信機12n毎に、メモリ30の位置・時間遅れ記憶部32から、送信機11と各受信機12nとの中点が探査対象表面2上の計測位置Pを通過した時の時間遅れTn(P)を求める。図示例のように、受信機121、122、123のオフセット間隔L1、L2、L3と入射位置Rとから、送信機11・受信機121の中点は(R+L1/2)、送信機11・受信機122の中点は(R+L2/2)、送信機11・受信機123の中点は(R+L3/2)と表すことができる。従って、送信機11・受信機12nの中点が計測位置Pを通過したときの受信機12nの検出時間遅れTn(P)は、入射位置R=(P−Ln/2)おける受信機12nの検出時間遅れTn(R)に相当する。
図4(B)に示すように、受信機12n毎の計測位置Pすなわち入射位置R=(P−Ln/2)における時間遅れTn(P)と受信機12n毎のオフセット間隔LnとをL2−T2平面上にプロットすれば、プロットした点を結ぶ直線の傾きから伝播速度算出手段26により計測位置Pにおける電磁波伝播速度Vを算出し、そのy軸切片から反射位置算出手段27により計測位置Pの下方の共通反射位置Qを算出することができる。この方法によれば、たとえ内部不連続面4に凹凸が存在する場合でも、計測線7に沿った電磁波伝播速度Vの連続的な分布と共に、その計測線7に沿った共通反射位置Qを連続的に求めることができる。
再び図2に戻り、ステップS012において、入射位置R又は計測位置Pに応じて算出手段25で算出した反射位置Qをプロファイル作成手段28へ入力する。プロファイル作成手段28は、入射位置R又は計測位置Pを横軸とし反射位置Qを縦軸とする二次元座標上に入力位置をプロットすることにより、例えば図4又は図5に示すように計測線7に沿った不連続面4、4a、4bのプロファイルを作成することができる。ステップS013において、探査対象表面2上にレーダ探査が必要な他の計測線7(例えば、図5の計測線7b)があるか否かを判断し、他の計測線7の探査が必要な場合はステップS003へ戻ってステップS003〜S012を繰り返すことにより、その計測線7に沿った不連続面プロファイルを作成する。作成したプロファイルは、例えばコンピュータ10に接続したディスプレイ又はプリンタ(図示せず)に出力して探査対象1の内部調査に供することができる。
本発明によれば、計測線上に沿って送受信機保持具10を少なくとも1回移動(走査)させることにより、計測線7に沿った探査対象内部の電磁波伝播速度Vの連続的な分布を求めることができる。従って、複数回の計測作業が必要であった従来のワイドアングル法に比し、電磁波伝播速度を簡単に短時間で把握することが可能となる。また、電磁波伝播速度の連続的な分布に基づき対象内部の不連続面プロファイルを作成することができるので、従来のプロファイル法に比し不連続面プロファイルの精度の向上が可能できる。更に、複数の受信機12nでそれぞれ不連続面プロファイルを作成することができ、それらを平均化することにより不連続面プロファイルの更なる精度の向上が期待できる。
こうして本発明の目的である「電磁波伝播速度の連続的な分布を把握して高精度なプロファイルを作成する速度解析型レーダ探査方法及び装置」の提供が達成できる。
本発明によるレーダ探査装置の一実施例のブロック図である。 本発明によるレーダ探査方法の流れ図の一例である。 本発明による探査対象内部の電磁波伝播速度及び反射位置の算出方法の一例の説明図である。 本発明による探査対象内部の電磁波伝播速度及び反射位置の算出方法の他の一例の説明図である。 本発明によるレーダ探査方法の一実施例の説明図である。 従来のレーダ探査方法(プロファイル法)の説明図である。 従来の探査対象の電磁波伝播速度を検出する方法(ワイドアングル法)の説明図である。 従来の地中電磁波伝播速度の他の検出方法の説明図である。
符号の説明
1…探査対象 2…探査対象表面
3…亀裂 4…不連続面
5…埋設物 7…計測線
10、10a…送受信機保持具 11…送信機
12…受信機 13…間隔調整器
14…送信制御部 15…受信制御部
17…走行手段 18…検知手段
19…移動手段 19a…支持部材
20…コンピュータ
21…検出手段 22…位置計測手段
23…記録手段 25…算出手段
26…伝播速度算出手段 27…反射位置算出手段
28…プロファイル作成手段 29…発信制御手段
30…メモリ 31…間隔記憶部
32…位置・時間遅れ記憶部
40…ボーリングコア
45…地下空洞 46…ゆるみ領域
47…不飽和領域 48…飽和領域
L…送信機・受信機間のオフセット間隔
T…入射波に対する反射波の時間遅れ
V…電磁波伝播速度 D…不連続面の深度(位置)
P…計測位置 Q…反射位置(反射点)
R…入射位置

Claims (5)

  1. 探査対象表面の計測線上に送信機と複数の受信機とを所定オフセット間隔で載置し、入射位置を定めつつ前記送信機から対象内部へ電磁波を入射し、前記電磁波の内部不連続面からの反射波を複数の受信機で受信し、前記入射波に対する反射波の時間遅れを受信機毎に検出して入射位置と共に記録し、前記所定オフセット間隔に保持した送信機及び受信機を計測線上に沿って移動させつつ前記電磁波の入射から前記受信機毎の時間遅れの記録までのサイクルを繰り返し、前記入射位置に応じた受信機毎の検出時間遅れと受信機毎のオフセット間隔とから当該受信機と送信機との中点が探査対象表面上の計測位置を通過した時の検出時間遅れを受信機毎に求め、前記受信機毎の計測位置での検出時間遅れとオフセット間隔とから対象内部の電磁波伝播速度及び反射位置を計測位置毎に算出して計測線に沿った内部不連続面のプロファイルを作成してなる速度解析型レーダ探査方法。
  2. 請求項の探査方法において、前記受信機毎のオフセット間隔を探査対象の種類、内部不連続面の深度及び/又は電磁波の周波数に応じて調整してなる速度解析型レーダ探査方法。
  3. 探査対象内部に電磁波を入射する送信機と当該電磁波の内部不連続面からの反射波を受信する複数の受信機とを所定オフセット間隔で一列に保持する送受信機保持具、前記保持具を対象表面上で送信機及び受信機の列方向に移動させる移動手段、前記送信機の入射位置を検知する検知手段、前記入射波に対する反射波の時間遅れを受信機毎に検出する検出手段、前記受信機毎の検出時間遅れを入射位置と共に記録する記録手段、前記入射位置に応じた受信機毎の検出時間遅れと受信機毎のオフセット間隔とから当該受信機と送信機との中点が探査対象表面上の計測位置を通過した時の検出時間遅れを受信機毎に求め且つ前記受信機毎の計測位置での検出時間遅れとオフセット間隔とから対象内部の電磁波伝播速度及び反射位置を計測位置毎に算出する算出手段、並びに前記伝播速度及び反射位置の算出値から移動方向に沿った内部不連続面のプロファイルを作成するプロファイル作成手段を備えてなる速度解析型レーダ探査装置。
  4. 請求項の探査装置において、前記保持具に、受信機毎のオフセット間隔を調整する間隔調整器を設けてなる速度解析型レーダ探査装置。
  5. 請求項3又は4の探査装置において、前記移動手段に、前記保持具を送信機及び受信機の列方向に走行させる走行手段を含めてなる速度解析型レーダ探査装置。
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