JP4252113B2 - ネットワークアナライザー - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は1個または2個の測定ポートを持つネットワークアナライザーに向けられており、そのようなネットワークアナライザーの較正法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高周波技術の分野では、ネットワークアナライザーが、高周波でのコンポーネントやネットワークの特性を記述するための散乱パラメータを測定するのに普通使われる。従来は、2個の測定ポートのそれぞれが通常2箇所の測定端点に接続されて使われ、したがって、この2本の測定ポート間に接続される測定対象物から4個の測定値が得られるというネットワークアナライザーが一般であった。この型のネットワークアナライザーについての詳細は、例えば、米国特許4,982,164中で述べられている。また、いわゆる単方向性ネットワークアナライザーというものがあるが、これも2本の測定ポートを持っており、その内の1本は2個の測定端点に接続されており、他の1本は1個の測定端点に接続されている。最後に、リフレクトメータとして働くネットワークアナライザーがある。これは、1本だけの測定ポートを持っており、これを2個の測定端点に接続して用いるものである。これらすべてのネットワークアナライザーは測定対象物の実際の測定に先立って較正されていることが必要である。この目的のため、種々の可能性があるが、それらは、たとえば、下に示す論文に詳しく述べられている。H.-J.EUL,B.SHIEK氏著,「ネットワークアナライザーの自己較正の一般理論と新しい較正法」、米国IEEE Transaction on Microwave Theory and Technique誌、MTT−39巻、1991年4月号、724-731ページ、あるいは、H.-J.EUL,B.SHIEK氏著,「ネットワークアナライザー較正用の較正標準数の削減」、IEEE Transaction on Instrumentation and Measurement誌、MTT−40巻、1991年8月号、732-735ページ、あるいは、ドイツ特許明細書3,912,795、あるいは、米国特許4,982,164。この米国特許では、指定された特に簡単な較正法が示され、そこでは簡単に実現できるただ3個の較正用標準を必要とするだけである。
【0003】
いわゆるTMS(通過・整合・短絡式)あるいはTMR(通過・整合・反射式)較正法によれば、まず、測定ポートを通過接続(Through-connected、以後これをTと称する)し、つぎに、測定ポート間に減衰器を接続して測定ポートを無反射にし、すなわち、整合(Match、以後これをMと称する)を取って較正を行い、最後に2本の測定ポートを短絡(Short-circuit、以後これをSと称する)するか、あるいは、反射終端(Reflection、以後これをRと称する)して較正を行う。いわゆるLMS較正法では、まず、第1の較正用標準としてテストポート間に線路(Line、以後これをLと称する)を接続し、以後、減衰器、短絡と較正ステップを続ける。上の較正作業中、それら較正用標準についての透過ならびに反射パラメータが測定され、その結果から誤差パラメータが決定される。誤差パラメータはネットワークアナライザーの評価手段のメモリーにたくわえられて、それ以降の測定対象物の測定における誤差補正に組入れられる。しかしながら、較正の直後にでも起こるかもしれない温度の変動などによる電気的特性の変動をすべて組入れることは不可能なために、これらの変動は測定結果に直接、誤差として入ってくる。したがって、このようなネットワークアナライザーのユーザーが持つ測定結果の精度に対する要求が較正作業間の時間間隔を決定することになる。この時間間隔は、1、2日であることもあるだろうし、数時間程度のこともあるだろう。また、個々の較正用標準の測定ポートへの接続の手間が較正作業に占める割合が無視できない程度に繁雑になる場合もある。産業用測定技術の分野では、このような頻繁な較正の繰り返し行うことは、普通非常に困難であり、時として、生産ラインの停止を必要としたり、アナライザーのラインからの取外しを必要とするために、製品のコストアップを招くことになったりする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、以上に述べてきたような較正が、できれば、装置自身の中で自動的になされるようなネットワークアナライザーを提供することである。1本あるいは2本の測定ポートを持つ1台のネットワークアナライザーについて、おのおの独立請求項で特徴を述べることによって、本発明のそれぞれの特定の目的が説明される。さらに、そのようなネットワークアナライザーの利点ならびにそのようなネットワークアナライザーの特に簡単な較正法のより一層の展開について、従属の請求項で述べる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の目的および課題は以下に記す解決のための手段によって達成および解決される。なお下記の本項の文中に記した符号は、本発明の本質の誤りない理解を意図して挿入したものであって、本発明を図示の実施例の構成に限定する意図ではないことに留意されるべきである。
【0006】
第1の発明に係るネットワークアナライザーは、各々が4ポート回路(14,15)を通して測定端点(3,4;5,6)に接続された2本の測定ポート(1,2)を持つネットワークアナライザーで、それらの測定端点での測定値(m1,m2,m3,m4)が評価手段(7)において評価されるよう構成され、その評価手段(7)は、較正動作期間中に決定され測定対象物の測定に対して考慮されるべきシステム誤差、を記憶するためのメモリー(8)を備えた構成をとるものであって、基本状態から2つのさらなる状態に切り換えられるよう構成された較正用2ポート回路(20)が測定ポートの1本(例えば2)とそれに関連する測定端点(例えば5,6)を持つ上記4ポート回路(例えば15)との間に備えられており、上記さらなる状態の1つにおける上記較正用2ポート回路(20)は少なくとも透過において基本状態からずれており、また上記さらなる状態の他の1つにおける上記較正用2ポート回路(20)は、少なくとも反射において基本状態からずれている、ことを特徴とする。
【0007】
第2の発明に係るネットワークアナライザーは、各々が4ポート回路(14,15)を通して測定端点(3,4;5,6)に接続された2本の測定ポート(1,2)を持つネットワークアナライザーで、それらの各測定端点での測定値(m1,m2,m3,m4)が評価手段(7)において評価されるよう構成され、その評価手段(7)は、較正動作期間中に決定され測定対象物の測定に際して考慮されるべきシステム誤差、を記憶するためのメモリー(8)を備えた構成をとるものであって、基本状態から2つのさらなる状態に切り換えられるよう構成された較正用2ポート回路(33,34)が2本の測定ポート(1,2)のそれぞれとそれらに関連する測定端点(3,4;5,6)を持つ上記4ポート回路(14,15)との間にそれぞれ備えられており、上記さらなる状態の1つにおける上記較正用2ポート回路(33,34)は少なくとも透過において上記基本状態からずれており、また上記さらなる状態の他の1つにおける上記較正用2ポート回路(33,34)は、少なくとも反射において上記基本状態からずれている、ことを特徴とする。
【0008】
第3の発明に係るネットワークアナライザーは、各々が4ポート回路(14,15)を通して測定端点(3,4,5,6)に接続された2本の測定ポート(1,2)を持つネットワークアナライザーで、それらの各測定端点での測定値(m1,m2,m3,m4)が評価手段(7)において評価されるよう構成され、その評価手段(7)は、較正動作期間中に決定され測定対象物の測定に際して考慮されるべきシステム誤差、を記憶するためのメモリー(8)を備えた構成をとるものであって、基本状態からただ1つのさらなる状態に切り換えられるよう構成された較正用2ポート回路(30,31)が2本の測定ポート(1,2)のそれぞれとそれに関連する測定端点(3,4,5,6)を持つ上記4ポート回路(14,15)との間に備えられており、上記さらなる状態における上記1つの較正用2ポート回路(30)は少なくとも透過においてそれの基本状態からずれており、また、上記さらなる状態にある上記他の較正用2ポート回路(31)は、少なくとも反射においてそれの基本状態からずれている、ことを特徴とする。
【0009】
各2個の測定端点(3,4,5,6)が各測定ポート(1,2)に関連している上記ネットワークアナライザーにおいて、前記較正用2ポート回路(30,31,33,34)の少なくとも1つが基本状態以外では透過を示さないことを特徴とする。
【0010】
第4の発明に係るネットワークアナライザーは、各々が4ポート回路(14,15)を通して測定端点(3,4,5,6)に接続された2本の測定ポート(1,2)を持つネットワークアナライザーで、それらの各測定端点での測定値(m1,m2,m3,m4)が評価手段(7)において評価されるよう構成され、その評価手段(7)は、較正動作期間中に決定され測定対象物の測定に際して考慮されるべきシステム誤差、を記憶するためのメモリー(8)を備えた構成をとるものであって、測定ポート(1,2)のそれぞれとそれらに関連する測定端点(3,4,5,6)を持つ上記4ポート回路(14,15)との間に、それぞれのスイッチ(TS1,TS2)が配設されており、前記スイッチを通して、その1つのスイッチング位置(I)では、それら測定端点は測定ポート(1,2)に接続されており、他方のスイッチング位置(II)では、それら測定端点は2本のシステムポート(41,42)および基本状態から2通りのさらなる状態に切り換えられるよう構成された較正用2ポート回路(36)の縦続接続回路からなる較正用ブランチ(40)に接続されており、上記さらなる状態の1つにおける上記較正用2ポート回路(36)は少なくとも透過においてそれの基本状態からずれており、また、上記さらなる状態の他の1つにおける上記較正用2ポート回路(36)は、少なくとも反射において基本状態からずれている、ことを特徴とする。
【0011】
第5の発明に係るネットワークアナライザーは好ましくはリフレクトメータであり、4ポート回路(61)を通して測定端点(62,63)に接続された1本の測定ポート(60)を持つネットワークアナライザーで、それらの各測定端点での測定値(m3,m4)が、評価手段(66)において評価されるよう構成され、その評価手段(66)は較正動作期間中に決定され測定対象物の測定に対して考慮されるべきシステム誤差を記憶するためのメモリー(67)を備えた構成をとるものであって、測定ポート(60)と測定端点を持つ4ポート回路(61)との間に、測定ポート(60)ならびにシステムポート(68)と較正用2ポート回路(65)との間を切り換えるよう設けられたスイッチ(64)と基本状態から2つのさらなる状態に切り換えられるように構成された較正用2ポート回路(65)とが縦続接続で配設されており、上記さらなる状態の1つにおいて上記較正用2ポート回路(65)は少なくとも透過において基本状態からずれており、また、上記さらなる状態の他の1つにおいて、上記較正用2ポート回路(65)は少なくとも反射において基本状態からずれている、ことを特徴とする。
【0012】
第6の発明に係るネットワークアナライザーは好ましくは単方向性ネットワークアナライザーであり、2本の測定ポート(1,2)を持ち、それら測定ポート(1,2)のうちの1本が4ポート回路(53)を通して測定端点(50,51)に接続されており、他の1本は別の測定端点(52)に接続されていて、それら測定端点からの測定値が、評価手段(7)において評価されるように構成され、その評価手段(7)は、較正動作期間中に決定され測定対象物の測定に際して考慮されるべきシステム誤差、を記憶するためのメモリー(8)に接続されたものであって、測定端点(50,51)を持つ4ポート回路(53)とそれに関連する測定ポート(1)との間に基本状態から2つのさらなる状態に切り換えられるように構成された較正用2ポート回路(54)が備えられており、かつ上記較正用2ポート回路は、上記さらなる状態の1つでは少なくとも透過において基本状態からずれており、また、上記さらなる状態の他の1つでは少なくとも反射において基本状態からずれており、しかし3つすべての状態でゼロ以外の透過係数を示す、ことを特徴とする。
【0013】
上記ネットワークアナライザーにおいて、較正用2ポート回路(20;30,31;33,34;36;54;65)がπ形接続またはT形接続の減衰器からなる較正用線路とそれに付属する電気的に制御されるスイッチなどから構成されることを特徴とする。
【0014】
上記ネットワークアナライザーにおいて、較正用2ポート回路(20;30,31;33,34;36;54;65)の切り換えがネットワークアナライザーの評価手段の制御のもとに自動的になされることを特徴とする。
【0015】
上記ネットワークアナライザーにおいて、その基本状態にある較正用2ポート回路(20;30,31;33,34;36;54;65)がゼロ以外の任意の透過係数と任意の反射係数とを持ち、特に、大きさ1の透過係数を持つ(すなわち、理想線路あるいは通過接続である)ことを特徴とする。
【0016】
上記ネットワークアナライザーにおいて、その較正用2ポート回路が再現可能な散乱パラメータを持つケーブルを通してそれらに関連する測定ポート(1,2)に接続されていることを特徴とする。
【0017】
上記ネットワークアナライザーにおいて、その較正用2ポート回路がネットワークアナライザーの測定ポート(1,2)に接続され、独立の測定ポートを備えた筐体中に収められ、その較正用2ポート回路の制御手段が評価手段(7)に接続されることを特徴とする。
【0018】
上記ネットワークアナライザーにおいて、その較正用2ポート回路が直接にネットワークアナライザーに組込まれていることを特徴とする。
【0019】
第7の発明に係るネットワークアナライザーの較正法は、第1の発明に係るネットワークアナライザーの較正法であって、既知の較正法にもとづく基本較正によって、較正用2ポート回路の基本状態での透過パラメータならびに反射パラメータが測定ポート間に順次接続される少なくとも3つの較正標準について測定され、つづいて、較正用2ポートの基本状態以外の2つの状態での透過パラメータと反射パラメータとの変化が、ゼロ以外の透過係数を持つ較正標準について測定され、それらの測定値からこれらの状態に対する散乱パラメータの変化が計算され、ネットワークアナライザーの評価手段のメモリーに記憶され、これにひきつづくユーザー較正作業期間中、2本の測定ポートは、基本較正に用いられた上記較正標準に接続され、その較正標準はゼロ以外の透過係数を有し、かつすべての散乱パラメータは既知であって、較正用2ポート回路の3つすべての状態に対して散乱パラメータが測定され、それらの結果にもとづいて、実際のシステム誤差が基本較正で得られた散乱パラメータを考慮に入れて計算されメモリーに記憶され、その後、基本状態に維持された較正用2ポート回路を用いた測定対象物の測定において上記システム誤差を用いて測定値の補正がなされる、ことを特徴とする。
【0020】
上記ネットワークアナライザーの較正法の基本較正ならびにユーザー較正において、上記ゼロ以外の透過係数を持つ較正標準が2本の測定ポートへの直接接続(すなわち通過接続)によって構成されていることを特徴とする。
【0021】
第8の発明に係るネットワークアナライザーの較正法は、第2の発明に係るネットワークアナライザーの較正法であって、既知の較正法にもとづく基本較正によって、較正用2ポート回路の基本状態での透過パラメータならびに反射パラメータが2本の測定ポート間に順次接続される少なくとも3つの較正標準について測定され、つづいて、2本の較正用2ポートの基本状態以外の2つの状態での透過パラメータと反射パラメータとの変化が、ゼロ以外の透過係数を持つ較正標準について測定され、それらの測定値からこれらの状態に対する散乱パラメータの変化が計算されネットワークアナライザーの評価手段のメモリーに記憶され、それにひきつづくユーザー較正作業期間中、2本の測定ポートは、ゼロ以外の透過係数を持つ双方向性2ポート回路に接続され、2個の較正用2ポート回路それぞ れの3つの状態について散乱パラメータが測定され、それらの結果から、実際のシステム誤差が基本較正で得られた散乱パラメータを考慮に入れて計算されメモリーに記憶され、その後、基本状態に維持された較正用2ポート回路を用いた測定対象物の測定において上記システム誤差を用いて測定値を補正することを特徴とする。
【0022】
第9の発明に係るネットワークアナライザーの較正法は、第3の発明に係るネットワークアナライザーの較正法であって、既知の較正法にもとづく基本較正によって、較正用2ポート回路の基本状態での透過パラメータならびに反射パラメータが測定ポート間に順次接続される少なくとも3つの較正標準について測定され、つづいて、2本の較正用2ポートの基本状態以外の2つの状態での透過パラメータと反射パラメータとの変化が、ゼロ以外の透過係数を持つ較正標準について測定され、それらの測定値からこれらの状態に対する散乱パラメータの変化が計算されネットワークアナライザーの評価手段のメモリーに記憶され、それにひきつづくユーザー較正作業期間中、2本の測定ポートは、基本較正に用いられた上記較正標準に接続され、その較正標準はゼロ以外の透過係数を有し、かつすべての散乱パラメータは既知であり、その後、散乱パラメータが、基本状態にある2個の較正用2ポート回路で測定され、ひきつづいて、交互に、基本状態にある1個の較正用2ポート回路とその他の状態にある他の較正用2ポート回路とで測定され、それらの結果から、実際のシステム誤差が基本較正で得られた散乱パラメータを考慮に入れて計算されメモリーに記憶され、その後、基本状態に維持された較正用2ポート回路を用いた測定対象物の測定において上記システム誤差を用いて測定値を補正することを特徴とする。
【0023】
第10の発明に係るネットワークアナライザーの較正法は、第4の発明に係るネットワークアナライザーの較正法であって、既知の較正法にもとづく基本較正によって、較正用2ポート回路の基本状態での透過パラメータならびに反射パラメータが、測定ポート間、あるいはシステムポート間に順次接続される少なくとも3つの較正標準に対してそれぞれ測定され、つづいて、スイッチの第2のスイッチング位置において、透過パラメータと反射パラメータとの変化が、較正用2ポート回路の基本状態以外の2つの状態で較正標準について測定され、また、その結果から、これらの状態に対する散乱パラメータの変化が計算されネットワークアナライザーの評価手段のメモリーに記憶され、それに続いて、スイッチが第2のスイッチング位置にあるユーザー較正作業期間中、ゼロ以外の透過係数を持ち、かつすべての散乱パラメータが既知である較正標準が再びシステムポート間に接続され、較正用2ポート回路の3つすべての状態に対して散乱パラメータがそれぞれ再び測定され、それらの結果から、基本較正で得られた散乱パラメータを考慮に入れて、実際のシステム誤差が算出されメモリーに記憶され、その後、2本の測定ポートが基本較正に用いられた上記較正標準に接続され、その較正標準はゼロ以外の透過係数を有し、かつすべての散乱パラメータは既知であり、散乱パラメータが基本状態にある2個の較正用2ポート回路で測定され、ひきつづいて交互に、基本状態にある1つの較正用2ポート回路と他の状態にある他の較正用2ポート回路とで測定され、それらの結果から、実際のシステム誤差が基本較正で得られた散乱パラメータを考慮に入れて計算されメモリーに記憶され、その後、較正用2ポート回路が基本状態にあって、測定対象物が測定ポート間に接続され、測定対象物の測定が行われるとき、上記システム誤差を用いて測定値の補正がなされるようにした、ことを特徴とする。
【0024】
第11の発明に係るネットワークアナライザーの較正法は、第5の発明に係るネットワークアナライザー(好ましくはリフレクトメータ)の較正法であって、基本状態にある較正用2ポート回路を持ち、既知の較正法にもとづく基本較正によって、基本状態での反射パラメータが測定ポートならびにシステムポートに順次接続される少なくとも3つの較正標準に対して順次測定され、続いて、任意の反射標準がシステムポートに接続され、較正用2ポート回路の3つの状態それぞれでの反射係数が決定されメモリーに記憶され、スイッチが第2のスイッチング位置にあるユーザー較正作業期間中、システムポートは再び反射標準で終端され、反射係数が再び較正用2ポート回路の3つの状態それぞれに対して測定され、それらの結果から、基本較正で得られた反射係数を考慮に入れて、実際のシステム誤差が算出されメモリーに記憶され、その後、スイッチが第1のスイッチング位置にあり、較正用2ポート回路が基本状態にあって、測定対象物が測定ポートに接続され、測定対象物の測定が行われるとき、上記システム誤差を用いて測定値の補正がなされるようにした、ことを特徴とする。
【0025】
本発明による上記のネットワークアナライザーにおいては、2、3の動作モードに切り換え可能な較正用2ポート回路が、少なくとも測定端点の一つと対応する4ポート回路との間に設けられ、前記較正用2ポート回路は、例えば、米国特許3,319,194、あるいは、ドイツ特許明細書2,637,084にもとづいた、非常に高い再現性を持つ減衰器と高周波スイッチを用いた較正用線路技術として実現されている。この較正用2ポート回路は、本ネットワークアナライザーの評価手段による制御のもとに種々の動作モードに自動的に切り換えられ、それによって全体の較正プロセスが完全に自動的に行われる。本ネットワークアナライザーの普通の使用状況下では、このような自動較正プロセスが行われている間、ユーザーに要求される作業は、測定ポートへの測定対象物の簡単な接続作業だけである。較正用2ポート回路の種々のスイッチングポジションにおける透過ならびに/または反射パラメータの決定は、上記の既知の較正法の1つでなされるのが望ましい。較正用2ポート回路は、既知の較正線路技術で組込まれているので、高い安定度を持っており、したがって、この較正用2ポート回路の基本的な較正は、例えば、年1回程度の周期で行えば十分である。したがって、既知の較正標準の接続とそれによる誤差パラメータの取得は、十分長い時間間隔で行うだけで十分であり、その間の中間的較正作業は、機器内で装置自身によって自動的に行われる。また、較正用2ポート回路の散乱パラメータが知れている場合には、このような基本的な較正は完全に省略できる。本発明の較正法では、較正用2ポート回路の切り換えられる状態間での変化のみが必要であって、それらの絶対的な値は必要ではない。このことは本発明の特別な利点と見るべきである。
【0026】
2、3の異なった状態を持つ較正用2ポート回路は、π形接続あるいはT形接続の減衰器とそれに付属した電気機械的に制御されるスイッチからなっていることが望ましい。本発明を実現するためには、アナライザーの測定ポートと測定端点との間に既知の較正用線路を取付け、さらにその制御手段を備えていることが必要とされるだけである。制御手段はネットワークアナライザーの評価手段を用い、本発明による較正法に従ってスイッチの電気機械的制御によるものであり、上記評価手段が、それに相応するようプログラムされておれば、本ネットワークアナライザーのユーザーは較正作業を全自動的に行うことができる。較正用線路のような形で設計された較正用2ポート回路は、直接、ネットワークアナライザー本体に組込まれていてもよい。また、もし十分な設置スペースが得られない場合には、分離した独立の筐体に組込まれていてもよい。独立した筐体に組込む場合には、その筐体は、ネットワークアナライザー本体の測定ポートにねじで固定され、その筐体が、さらに外部から接続できる測定ポートを持っていなければならない。この場合には、較正用2ポート回路の制御手段とメモリーを備えたネットワークアナライザーの評価手段との間に対応した接続を備えていることが必要である。このような外部筐体と外部接続を用いる場合には、現有のネットワークアナライザーに簡単な追加手段を講じるだけで、自動較正機能を持たせることが可能となる。
【0027】
【作用】
本発明にもとづくネットワークアナライザーにおいては、2、3の動作モード間で切り換えられる較正用2ポート回路が測定端点に接続された測定ポートと4ポート回路との間に設けられている。上記の較正用2ポート回路は、前述のように非常に高い再現性を持つ減衰器と高周波スイッチを用いた較正用線路技術として実現されている。この較正用2ポート回路は、本ネットワークアナライザーの評価手段による制御のもとに種々の動作モード間で自動的に切り換えられ、それによって全体の較正プロセスが完全に自動的に行われる。本ネットワークアナライザーの普通の使用状況下では、このような自動較正プロセスが行われている間、ユーザーに要求される作業は、測定ポートへの測定対象物の簡単な接続作業だけである。較正用2ポート回路の種々のスイッチングポジションにおける透過ならびに/または反射パラメータの決定は、上記の既知の較正法の1つでなされる。較正用2ポート回路は、既知の較正線路技術で組込まれているので、高い安定度を持っており、したがって、この較正用2ポート回路の基本的な較正は、例えば、年1回程度の周期で行えば十分である。また、較正用2ポート回路の散乱パラメータが知れている場合には、このような基本的な較正は省略できる。
【0028】
【実施例】
本発明の他の目的、特徴、利点、ならびに、組織、構造、動作などは、付属の図面の参照を伴う以下の詳しい記述から最良に理解されるであろう。図1は、例えば、米国特許4,982,164に述べられているような方式によって構成した、2本の測定ポート1、2を持つネットワークアナライザーの基本的な回路図を示している。2本の独立な測定用枝線(ブランチ)12、13が指定された周波数範囲内で周波数可変な高周波発振器11から反転スイッチなどの3ポート回路10を通して給電されている。交互に接続される2本の測定用ブランチ12と13は4ポート回路14と15に接続されている。4ポート回路14と15は測定用ブリッジあるいは、方向性結合器で構成されており、それらの測定端点3、4および5、6にはそれぞれ検波器が取付けられていて、それによって、それらの測定端点での電圧の大きさとその位相を測定できる。これらの測定端点は必ずしも整合されている必要はない。上記の4ポート回路14、15に実際の測定ポート1、2がつながれ、これら測定ポート1、2間に被測定装置や測定対象回路、すなわち、被測定装置(Device Under Test、以下DUT)16が接続される。このように接続構成しておけば、測定端点3、4、5、6を通じて測定ポート1、2間に接続されたDUT16の入力、出力点での複素反射係数と複素透過係数とを、それぞれ順方向、逆方向の両方向について測定することが可能となる。各測定端点での4つの測定値m1〜m4はそれぞれ評価手段7で評価される。この評価手段7は付属のメモリー8を持っており、その中に較正動作中に得られたシステム誤差値テーブルが記憶されていて、測定対象物の測定に対して、この誤差値テーブルが参照され測定値が補正される。
【0029】
図2は、図1の測定端点3 、 4 、 5 、 6でそれぞれ測定された測定値m 1 、 m 2 、 m 3 、 m 4 、いわゆる誤差マトリクス G −1 、 H、2本の測定ポート間に接続された被測定装置を示すマトリクス Nなどの間に成立する代数的な関係を示している。これより、測定値マトリクスMは次式(201)で与えられることがわかる。
【0030】
M=G-1NH (201)
【0031】
測定値マトリクスMは、反転スイッチ10を第1のスイッチング位置I側に倒したときの測定値m 1 〜 m 4 と、第2のスイッチング位置II側に倒した時の測定値m 1 ' 〜 m 4 ' とによって次式(202) で表わされる:
【0032】
【数1】
【0033】
また、2つの誤差マトリクスG −1 とHとは、2本の4ポート回路 14 、 15 を誤差2ポート回路として特性付ける誤差パラメータを含んでいる。以上の結果、被測定装置DUT16はマトリクスNによって次式(203) で表わされる:
【0034】
【数2】
【0035】
ここに、S 11 、 S 22 、 S 12 、 S 21 はそれぞれ、順方向の複素反射係数、逆方向の複素反射係数、および複素透過係数である。
【0036】
図3は図1に対応するネットワークアナライザーを示している。図3では、図1の一方の測定ポート2とそれにつながれていた4ポート回路15との間に2ポート回路として設計されている較正用2ポート回路20を追加して示してある。上記の較正用2ポート回路20と測定ポート2との間の接続線路は、伝送ネットワーク 21 で模式的に表される。較正用2ポート回路20はゼロ以外の任意の透過係数と任意の反射係数とを示す基本状態から、それとは異なる他の2つの状態に切り換えることが可能である。それとは異なる他の2つの状態とは、1つは、少なくとも透過に関して基本状態からずれた状態であり、他の1つは、少なくとも反射に関して基本状態からずれた状態をいう。基本状態においては、較正用2ポート回路は大きさ1の透過係数を持ち、すなわち理想線路あるいはじか付けの通過接続(T;Through-connection)の特性を呈する。基本状態は透過マトリクスE0で定義される。一方、較正用2ポート回路20の他の2つの状態はそれぞれ、マトリクスE0・E1 とE0・E2で表わされる。較正用2ポート回路 20 (較正用ネットワークともいう)の状態は評価手段 7 により、上記3種類の状態間で自動的に切り換えられる。自動較正を実施するためには、この構成で、測定ポート1、2が、直接に通過接続Tによって接続されていることが必要である。較正用2ポート回路20のこれらの状態は測定ポート面へ変換される。較正用2ポート回路20の基本状態は測定ポート面における通過接続を表わす。すなわち、
【0037】
【数3】
【0038】
他の2つの状態に対して、つぎの関係が成立する。
【0039】
【数4】
【0040】
したがって、図4に示した直列回路は図5の表現に対応しているはずである。このことは、代数的には、以下の式 (3) 、 (4) 、 (5)の成立を意味する。
【0041】
【数5】
【0042】
但し、式(3)〜(5)ではE1についての関係のみを示す。E2についても全く同形の式が成立するが説明を省略した。
【数6】
【数7】
を示している。
【0043】
[基本較正]ネットワークアナライザーは、較正標準が既知であるという条件のもとで、較正用2ポート回路 20 による自動制御された較正が可能となる。これらの較正標準は、例えば、TMS較正又はTMR較正で決定できる。すなわち、例えばTMSを較正用2ポート回路 20 の3つの状態それぞれについて実施しなければならない。較正用2ポート回路 20の基本状態においては、次式(6)が成立する。
【0044】
M1=G-1NTNE0H (6)
【0045】
TMSは次の計算を可能とする。
【0046】
G-1 および H'=TNE0H (7)
【0047】
同じことが第1の状態に対しても成立する。すなわち、
【0048】
M2=G-1NTNE0E1H (8)
【0049】
したがって、
【0050】
G-1 および H''=TNE0E1H (9)
【0051】
がTMSから導かれる。次に、第2の状態が次式(10) 、 (11)を導く。
【0052】
M3=G-1NTNE0E2H (10)
TMS → G-1 および H'''=TNE0E2H (11)
【0053】
以上の結果、基本較正から4つの誤差マトリクス G −1 、 H' 、 H'' 、及び H'''が得られる。これらのデータから、実効的に等価な較正標準(以下、等価較正標準という)が得られる。すなわち、
【0054】
H''=TNE0E1H (12)
【0055】
に対して変換式(5)を用いると、
【0056】
【数8】
【0057】
となる。したがって、
【0058】
【数9】
【0059】
が得られる。第2の状態についても同様である。すなわち、
【0060】
【数10】
【0061】
【数11】
実際の基本較正には、マトリクスを各周波数ごとに決定し、これをネットワークアナライザーのメモリーに格納しなければならない。以上に述べてきたように、較正用2ポート回路 20 はその特性を長期間維持するので信頼性が高い。このために、基本較正は非常に長い周期で実施されれば良い。実際的な目的には数ケ月とすることも可能である。
【0062】
[トランスファーあるいはユーザー較正]トランスファー較正を行うためには、ユーザーはまず、通過接続が形成されるように、測定ポートを接続する。次に、アナライザーによる制御のもとで較正用2ポート回路 20 を次の3つの状態に順次設定し、測定する。
【0063】
【数12】
【0064】
ここで、K=TNE0である。
4ポート回路 14 、 15 の誤差2ポート回路としての特性を示す次式 (18)
【0065】
【数13】
【0066】
から出発し、この式 (18) と測定対象物DUTの散乱パラメータの満たす式 (19)
【0067】
【数14】
【0068】
とを組み合わせる。それにより、式 (19) から波動値a 1 ,a 2 ,b 1 及びb 2 を消去できる。その結果、式 (20) が得られる:
【0069】
【数15】
【0070】
この関係式 (20)を変形すると、
【0071】
(1): G11m1+G12m2−G21S11m1−G22S11m2−H'11S12m3−H'12S12m4=0 ,
(2): G11m'1+G12m'2−G21S11m'1−G22S11m'2−H'11S12m'3−H'12S12m'4=0 ,
(3): −G21S21m1−G22S21m2−H'11S22m3−H'12S22m4+H'22m4=−m3 ,
(4): −G21S21m'1−G22S21m'2−H'11S22m'3−H'12S22m'4+H'22m'4=−m'3 . (21)
【0072】
こうして、誤差マトリクス G −1 、 H' の7個の未知要素を決定するための方程式が、較正用2ポート回路 20 の3つの状態ごとに4式ずつ、合計で12式得られる。しかし、誤差マトリクス G −1 、 H' の7個の未知要素の決定のためには方程式が7式あれば十分であるので、得られる方程式は5式多い。この冗長性は最小2乗法による測定結果の計算に利用できる。最小2乗法による測定結果の計算は式 (21)にもとづいている。例えば式 (21) の (1) により次式(22)が成立する。
【0073】
(m1 m2 −S11m1 −S11m2 −S12m3 −S12m4 0) V =0 すなわち、X 1 T V=y1 .(22)
【0074】
ここで、V=(G11 G12 G21 G22 H'11 H'12 H'22)T である。式 (22)に誤差z 1 を付け加えると、次式となる。
【0075】
y1=X 1 T V+z1 .
【0076】
したがって、全部で、次の12式(23)が得られる。
【0077】
【数16】
【0078】
これより、y=(y1,…,y12)T 、及び、X=(Xil)i = 1 ,…, 12 ; l = 1 ,…, 7、を用い、最小2乗法によって次の解ベクトルを得ることができる。
【0079】
V=(X* TX)-1X* T y . (24)
【0080】
この解ベクトルは、次の誤差マトリクス
【0081】
G ならびに H'=KH、 (25)
【0082】
の計算を可能とする。その誤差補正は測定対象物の測定に際して有効に使われる。図6によって未知の測定対象物を測定するとき、較正用2ポート回路 20 は基本状態にある。
【0083】
[2個の較正用2ポート回路を用いる半自動較正法]半自動システム誤差補正を行うための較正用2ポート回路20は、必ずしも、ネットワークアナライザーの指定された側に挿入する必要はない。更に云えば、図7に示すように両側に接続しても、誤差補正を実行できる。したがって、アナライザーは各測定ポートに、それぞれ較正用2ポート回路30と31とを持っている。2つのマトリクス E 、 Fによって表わされる較正用2ポート回路 30 、 31 はそれぞれ、基本状態からずれた状態を実現するものでなければならない。ただ1個の較正用2ポート回路を用いるシステム誤差補正について既に述べた手順と同様に、図7による構成は2つの変換方程式に帰着する。基本状態以外の状態にある第1の較正用2ポート回路 31に対して、
【0084】
【数17】
【0085】
が成立し、したがって、変換式
【0086】
【数18】
【0087】
が成立する。ここで、 T N1 及び T N2 はそれぞれ、第1の測定ポート 1 と第1の較正用2ポート回路 31 との間、及び第2の測定ポート 2 と第2の較正用2ポート回路 30 との間の伝送ネットワーク32 、 32' の結合特性を示す。第2の較正用2ポート回路 30に対しては、
【0088】
【数19】
【0089】
が成立し、したがって、変換式
【0090】
【数20】
【0091】
が成立する。
【0092】
[基本較正]TMS較正から、較正用2ポート回路 30 、 31 それぞれの3つすべての状態に対して、以下の諸式が導かれる。
a)基本状態に対して
【0093】
G'-1=G-1F0TN1
H' =TN2E0H (30)
【0094】
b)第1の状態に対して:
【0095】
G''-1=G-1F0F1TN1
H'' =TN2E0H (31)
【0096】
c)第2の状態に対して:
【0097】
G'''-1=G-1F0TN1
H''' =TN2E0E1H (32)
【0098】
式 (31)のF 1 に式 (27)を代入することによって、次式 (33) 、 (34)が得られる。
【0099】
【数21】
【0100】
同様にして、第2の状態に対して式 (29)によって、次式 (35) 、 (36)が得られる。
【0101】
【数22】
【0102】
[トランスファーあるいはユーザー較正]アナライザーの2本の測定ポートを相互に接続すると、較正用2ポート回路の3つの状態それぞれでの測定は、ネットワークアナライザーの拡張された基本状態(図8)での3つの等価較正標準の測定とみなせ、その拡張された基本状態での誤差マトリクス G' −1 、 H'がシステム誤差補正に必要となる。
【0103】
【数23】
【0104】
ここで、K1=F0TN1 、K2=TN2E0である。
【0105】
[厳密な通過接続を用いない半自動較正法]トランスファー較正の期間中、測定ポート間に接続される通過接続 (T) が最も正確でなければならないことは、以上に述べてきた方法の欠点であると考えられる。以下に説明する方法は、これとは対照的に、透過特性を示し2ポート回路として双方向的な特性を持つ未知の接続NXを要求するのみである。この方法は1個の較正用2ポート回路のかわりに、それぞれ基本状態とは異なる状態を持つ2個の較正用2ポート回路 33 と 34 とを必要とする。2個の較正用2ポート回路はネットワークアナライザーの両側に図9で示されるように接続される。2個の測定ポート1 、 2の間に未知の透過マトリクスN X で表わされる未知の双方向性測定対象物35が接続されている。この場合、基本較正及びトランスファー較正は、ある程度計算量の増加を要求するが、ユーザーには何等、付加的要求をなすものではない。
【0106】
[基本較正]基本較正はTMS較正のような通常の較正法を使うことにもとづいている。すなわち、厳密な通過接続をここでも必要とする。較正は両方の較正用2ポート回路に対して行わなければならない。この方法による較正が完了すると、図3に示される基本モデルに対する基本較正と同様に、
【数24】
が既知となる。
【0107】
[トランスファーならびにユーザー較正]トランスファー較正もまた両方の較正用2ポート回路で2回行わなければならない。この場合、測定ポートへの接続はNXで表わされる。このことは、実際には、例えば、未知の線路を測定ポートの間に接続するか、または、クロストークが起こる程度に測定ポート同志がほんのわずかだけ仮接続される。
第1の較正用2ポート回路を表すマトリクス F による
【数25】
を用いると、トランスファー較正は次式のように、2つの誤差マトリクスに帰着する。
【0108】
【数26】
【0109】
一方、第2の較正用2ポート回路を表すマトリクス E による等価較正標準を使うと、次式(41) 、 (42)が得られる。
【0110】
【数27】
【0111】
誤差マトリクスのパラメータは基本較正からでは完全には得られない。それらは基準値として決定されるに過ぎない。それら基準値の選択は実際には任意であり、ここではその任意性が係数G' 12 又は H' 12 によって表わされている。第1の較正用2ポート回路を表すマトリクス Fで決められる誤差マトリクスに対して、次式(43)が導かれる。
【0112】
【数28】
【0113】
トランスファー較正の最初の部分で、
【数29】
を基準値として選択することは適当ではない。何故なら、その場合、基準値は未知の透過マトリクスNXに依存しているからである。第2の較正用2ポート回路を表すマトリクス Eを用いると、同様にして、次式(44)が導かれる。
【0114】
【数30】
【0115】
なお、ここでも、N X に依存する基準値が選ばれている。式 (43) 、 (44)から以下の2つの表式 (45) 、 (46) が導かれる。
【0116】
【数31】
【0117】
ただし、α=H'12/G'12である。式 (45) 又は (46)の変換によって次式(47) が得られる。
【0118】
【数32】
【0119】
これより定係数αを除けば、マトリクスNXが求まる。NX自体を決めたければ、式(47)から導かれる式を用いるだけでよい。例えば、Uに関してSパラメータの形で書くことにすれば、次式(48)を得る。
【0120】
【数33】
【0121】
ここで、ΔSX=SX11SX22−SX12SX21である。マトリクスU(又は V )の個々の要素の比率を求めれば、係数αは消去できて、
【0122】
【数34】
【0123】
が得られる。マトリクスNXは双方向性2ポート回路に相当するので次式(50)も得られる。
【0124】
【数35】
【0125】
すなわち、NXは、その符号を除いて決定されたことになる。符号の正しい選択はSX12の位相についての予備的な情報を必要とする。
【0126】
[測定ポート接続を用いない半自動較正法]図10に示すネットワークアナライザーは、ここでも再び、2本の4ポート回路 14 、 15によって表わされる。その上、較正用2ポート回路 36が備えられている。しかし、これは測定ポート37に挿入された形ではない。アナライザーは、較正用ブランチ40と測定ポート37とを切り換えるための2個のスイッチTS1とTS2 とを用いている。較正用ブランチ40はユーザーがアクセスできる2本の付加的測定ポート41と42(システムポート)からなる。半自動較正法を用いて測定対象物DUTの測定を行うには、これらのシステムを相互に永久接続したままにしておく。長期間安定性を示すためにだけ必要なスイッチTS1とTS2とは、2つのスイッチング位置について、次の透過マトリクスによって表わされる。
【0127】
【数36】
【0128】
[基本較正]基本較正は、較正用ブランチと測定ポートブランチとのそれぞれに対して別々に行われる。
較正用ブランチ40:上に指定した種類のLMS較正用接続を用いて、
【数37】
及び、2本の誤差マトリクスX1、Y1が
【0129】
X1=G-1TS1 IIE0TN ,および Y1=TS2 IIH (51)
【0130】
と決定される。これら4つのマトリクスは必要な周波数ごとにネットワークアナライザーのメモリーに格納される。
【0131】
測定ポートブランチ37:たとえば、TMS較正が誤差マトリクス
【0132】
X2=G-1TS1 I ,ならびに Y2=TS2 IH (52)
【0133】
を決定するのに用いられる。更に、反射係数Γi(i=1,2)が2本の開放された測定ポートで測定される。第1の測定ポートに対して、Γi=Γ1であり、第2の測定ポートに対して、Γi=Γ2である。これらのデータも各周波数ごとにメモリーに格納される。この基本較正にひきつづいて、システムポート41と42とが、LMS較正から既知となっている線路Lに永久接続されていなければならない。
【0134】
[トランスファーあるいはユーザー較正]トランスファー較正をよりうまく説明するために、基本較正の後に、ネットワークアナライザーの電気的特性が変化したものとしよう。したがって、4ポート回路 14 、 15 による誤差マトリクス G −1 、 Hも次のように変化する。
【0135】
Gneu=GΔG , Hneu=HΔH (53)
【0136】
ここで、基本較正期間中での誤差マトリクス G −1 、 Hからの変化分をΔ G 、Δ Hとした。スイッチT S1 と T S2 とをいずれも第2のスイッチング位置 II に設定してトランスファー較正を行うと、誤差マトリクスは、
【0137】
X'1=Gneu -1TS1 IIE0TN,ならびに、Y'1=TS2 IIHneu (54)
【0138】
となる。式 (53)から次式(55)が導かれる。
【0139】
X'1=(ΔG)-1G-1TS1 IIE0TN=(ΔG)-1X1 (55)
Y'1=TS2 IIHΔH=Y1ΔH . (56)
【0140】
誤差マトリクス X 1 、 Y 1 は基本較正期間中に決定されメモリーに記憶されているので、アナライザーの設定についての変化分は次式(57)によって計算できる。
【0141】
ΔG=X1X'1 -1 , ΔH=Y1 -1Y'1 . (57)
【0142】
スイッチTS1とTS2とは再現性よくスイッチングできるものと仮定しているので、測定ポートブランチの未知の誤差マトリクスに対して次式(58) 、 (59)が成立する。
【0143】
X'2=Gneu -1TS1 I=(ΔG)-1X2 (58)
Y'2=TS2 IHneu =Y2ΔH . (59)
【0144】
以上の考察は、(スイッチの背後にある)ネットワークアナライザーの誤差2ポート回路を決定するのに特に役立つ。以上の議論で、測定ポートのリード線についての変化は何等考慮されていなかった。リード線の変化は、第1の測定ポート 1に対して以下に議論する。また同様の議論が第2の測定ポート 2についても成り立つ。基本較正が完了すると、開放された測定ポートのリード線の反射係数Γ 1が測定される(図11のa)部)。測定ポートのリード線は、実質的には、その電気長と減衰量についての変化で指定できるので、リード線の端部における入力反射係数の変化は通常無視できる程度のものである。このような要件のもとに、その測定モード中のリフレクトメータとしての動作は図11のb)部に示すようにして行われる。ΔNL19は給電ケーブルの透過マトリクスの変化分を表わしている。反射についての変化はゼロであり、また透過についての変化は双方向的であるので、次式(60)が成立する。
【0145】
【数38】
【0146】
誤差マトリクスX'2=Gneu -1TS1 Iはトランスファー較正から得られるので、測定ポート面でない参照面で反射係数Γ'Xが測定されることになる。しかし、基本較正から測定ポートの正確な反射係数ΓXが知られているので、次式(61) 、 (62)が成立する。
【0147】
【数39】
【0148】
したがって、電気的な線路長についての変化によっておこる、求めている位相の変化は次式(63)で表わされる。
【0149】
【数40】
【0150】
また、減衰について次式(64)が得られる。
【0151】
【数41】
【0152】
[リフレクトメータの半自動較正]:図12は、本発明でのリフレクトメータの使用を説明する図である。リフレクトメータは、ただ1本の測定ポート60を持っており、それは、2本の測定端点62、63を持つ4ポート回路61に接続されている。前記4ポート回路はブリッジかまたは方向性結合器で構成されている。この公知のリフレクトメータは、図12に示してあるように、スイッチ 64 と、3つの異なる状態を評価手段 66 の制御の下で切り換える較正用2ポート回路 65 とよりなっている。ここに、評価手段 66 は、較正操作期間中に決定され測定対象物の測定に際して考慮すべきシステム誤差を記憶しておけるメモリー 67 に接続されている。スイッチ 64 は、第1のスイッチング位置 I では測定ポート 60 を、第2のスイッチング位置 II ではシステムポート 68 を、それぞれ較正用2ポート回路 65 を通して測定端点 62 、 63 に接続する。
【0153】
[基本較正]最初のステップでは、較正用2ポート回路は基本状態にある。既知の標準を用いるリフレクトメータの較正は、まず第1のスイッチング位置Iで測定ポート60について行い、次に、第2のスイッチング位置IIでシステムポート68について行う。その結果、それぞれ3つの誤差パラメータからなる次の誤差マトリクス Y 1 、 Y 2 がリフレクトメータを特性付けるために必要となる(4番目のマトリクス要素は1である)。
【0154】
Y1=TS IE0H および Y2=TS IIE0H (65)
【0155】
誤差マトリクス Y1 、 Y2 は必要な周波数ごとに決定され、ネットワークアナライザー中のメモリーに格納される。基本較正の第2のステップは、較正用2ポート回路によって測定ポート面に等価的に発生する反射標準、を決定する。スイッチ 64 は第2のスイッチング位置 II に設定され、システムポート 68 は無反射終端 M に接続される。較正用2ポート回路により等価的に発生する較正標準はシステムポート面上に変換される。すなわち、スイッチ 64 の出力側と無反射終端 M との間に変換される。したがって、図13に示す3本の較正用線路に対する反射係数はすべて、次式 (66) で示すように、上記の面上に変換される。図13において M は無反射終端を示す。
【0156】
【数42】
【0157】
【数43】
測定ポート面での等価較正標準である。リフレクトメータの誤差パラメータはY2を通じて知ることができるので、
【数44】
を決定することができ、それらはメモリー67中に記憶される。較正用2ポート回路65とスイッチ64とは、実際、実用上そうであるように、相当の長期間安定であると考えられるので、経時的に変化するものは誤差マトリクスHのみであり、Hneu=HΔHである。
【0158】
[トランスファーあるいはユーザー較正]トランスファー較正の期間中、スイッチ64は第2のスイッチング位置IIに設定される。システムポート68は整合終端されている。3つの等価的な反射標準によるリフレクトメータの自動較正から、誤差マトリクスY'2が次式(67) 、 (68) で求められる。
【0159】
Y'2=TS IIEHneu=TS IIEHΔH=Y2ΔH (67)
→ ΔH=Y2 -1Y'2 (68)
【0160】
スイッチ64が第1のスイッチング位置Iに移ると、誤差マトリクスは次のように計算される。
【0161】
Y'1=TS IEHneu=TS IEHΔH=Y1ΔH=Y1Y2 -1Y'2。 (69)
【0162】
これによって、較正が完了する。
【0163】
[透過標準を用いた較正]これまで、双方向リフレクトメータの較正に対するシステム誤差補正は、較正用2ポート回路は如何なる状態においても透過を示すという事実にもとづいていた。較正用2ポート回路に無透過状態(例えば、短絡)を許そうとすると、無透過2ポート回路は透過マトリクスに対して特異性を呈するという理由で、較正のための数学を透過マトリクスで定式化するというこれまで述べてきた方法がもはや許されなくなる。以下に、あらゆる可能な較正標準を用いることのできる半自動較正法の数学を基本モデル(図3)を参照して説明する。この数学はこれ以外のあらゆるアナライザーの較正に対しても拡張できる。
【0164】
[基本較正]誤差2ポート回路の表式(図2)
【0165】
【数45】
【0166】
から出発して、この式 (70) と測定対象物DUTの散乱パラメータの満たす式 (71)
【0167】
【数46】
【0168】
とを組み合わせる。それにより、式 (70) から波動値a 1 ,a 2 ,b 1 及びb 2 を消去できる。その結果、式 (72)が得られる:
【0169】
【数47】
【0170】
m i と m' i とはそれぞれ、反転スイッチ 10が第1のスイッチング位置 I と第2のスイッチング位置 II とにあるときのネットワークアナライザーの測定値に対応する。
【0171】
基本較正は、前に述べたリフレクトメータの較正と同じく、2つの基本的に異なるステップに分けられる。最初は、較正用2ポート回路の基本状態について、例えばTMS較正がネットワークアナライザーの測定ポートにおいて行われる。したがって、2つの誤差マトリクス G −1 , H'が得られる。
【0172】
G-1 ならびに H'=TNE0H . (73)
【0173】
この手続きは、もはや、較正用2ポート回路の3つすべての状態に対して行われることはなく、基本状態に限られる。較正用2ポート回路の基本状態について得られた誤差マトリクス G −1 、 H'で、測定対象物DUTの散乱マトリクスを決定することが可能である。等価較正標準も同様に決定できる。そのためには測定ポート間が接続されていなければならない。較正用2ポート回路の第1の状態について測定を行い、式 (72)によって測定値を評価すると、2本の測定ポート間に等価的に接続されたDUTの散乱マトリクスが得られる。その手続は、較正用2ポート回路の第2の状態についても同様に行われる。このようにして、
【数48】
が既知となり、メモリーに記憶される。
【0174】
[トランスファーあるいはユーザー較正]トランスファー較正の期間中、測定ポートは相互に接続されていて、較正用2ポート回路が3つの状態に順次設定されて測定が行われる。これらの測定は数学的には、通過接続Tの測定や
【数49】
によって表される2つの既知の等価較正標準の測定に類似である。すなわち、
【0175】
【数50】
【0176】
これら3つの測定から誤差マトリクス G −1 、 H'が計算できる。
【0177】
[較正用2ポート回路の具体例]トランスファー較正を自動的に行うのに必要な較正用2ポート回路(較正用2ポート回路)は、基本状態以外に2つの異なる状態を実現しなければならない。このことは、単一のネットワークの2つの状態として、又は、2つのユニットそれぞれの状態として達成できる。較正用2ポート回路は較正標準を自動的に発生させ、その較正標準をネットワークアナライザーの測定ポートの間に等価的にセットする役割を持っている。これらの較正標準は精密な標準である必要はなく、厳密な要件を満足する必要のない単純な抵抗手段でよい。このような抵抗回路構成は単に長期安定性を具備することを要求されるだけであるが、そのような要求は実用上十分に満足されるものである。較正用2ポート回路によって実現できる状態は、ある種の状態下では較正が不可能になることがあるので、任意に選ばれてはならない。例えば、図14の構成は、1個の通過接続Tと組み合わされた2個のシャント抵抗R 1 、 R 2 からなっており、この場合、3個のコンダクタンス構成が関連するので、較正作業は不可能になる。このことは、以下に説明する。同様に、2個のシリーズ抵抗と通過接続との組合せは、通過接続が値ゼロの直列インピーダンスとして、また、値ゼロのコンダクタンス素子として、のいずれとも考え得るので、不可能となる。測定対象物DUTの測定は、代数的には、誤差マトリクスG-1、DUTの透過マトリクスN、及び誤差マトリクスHの直列接続で表わされるので、測定値マトリクスMは次式(74)で表わされる。
【0178】
M=G-1NH (74)
【0179】
したがって、3個の較正標準の測定結果は次式(75) 、 (76) 、 (77)で表わされる。
【0180】
M1=G-1N1H (75)
M2=G-1N2H (76)
M3=G-1N3H (77)
【0181】
未知の測定対象物DUTの測定結果からは、
【0182】
【数51】
【0183】
式 (78)中の誤差マトリクス H を式 (75) により消去すると、次式(79) が得られる。
【0184】
M4M1 -1=G-1NM0N1-1G (79)
【0185】
この式は相似変換を表わしているので、次式(80)が成立する。
【0186】
trace(M4M1 -1)=trace(NM0N1-1) (80)
【0187】
したがって、
【0188】
ξ1=N11N122−N12N121−N21N112+N22N111 (81)
【0189】
ただし、ξ1=trace(M4M1 -1)である。ベクトルで書くと、
【0190】
ξ1=(N122 −N121 −N112 N111)V (82)
【0191】
となる。ここに、V=(N11 N12 N21 N22)Tである。第1の較正標準が通過接続であると仮定すると、ξ1=(1 0 0 1)Vとなる。したがって、式 (76) 、 (77) 、 (78)と組み合わせると、次式(83) 、 (84)が得られる。
【0192】
ξ2=(N222 −N221 −N212 N211)V (83)
ξ3=(N322 −N321 −N312 N311)V (84)
【0193】
式 (76) と (77) との組み合わせ
【0194】
M2M3 -1=G-1N2N3-1H (85)
【0195】
と、それにつづく式 (79)との積によって、Vの決定に対する第4の表式が次のように得られる。
【0196】
ξ4=(N211N322−N212N321 N221N322−N222N321 N212N311−N211N312 N222N322−N211N312)V (86)
【0197】
このように、ベクトルVを決定するために使われる4個の式が得られ、これらを組み合わせると、次の非斉次方程式(87)が得られる。
【0198】
L=PV で、ここに、LはL=(ξ1 ξ2 ξ3 ξ4)T (87)
【0199】
回路構成と較正標準とを最適に選択するためには、マトリクスPの行列式はゼロであってはならず、また、そのランクは4でなければならない。この判断規準によれば、図14に示した種類の回路構成は、較正に用いるには適当でないことを示すことができる。この目的のために、計算用のチェーンパラメータを使うのが適当であろう。逆に、図15の構成は、その抵抗値がゼロ以外の有限値という条件のもとでは常に較正に用いることが可能である。
【0200】
良好な測定ポート整合の得られる較正用2ポート回路の実現のために特に適した基本回路は、図16に示すように、2つのシャント抵抗R 1 、 R 3 と、一対のポート間に直列に挿入された挿入抵抗R 2 とがπ形に接続された整合減衰器、又は、一対のポート間に直列に挿入された2つの挿入抵抗R 4 、 R 5 と、その中間接続点を接地点に接続する1つのシャント抵抗R 6 とがT形に接続された整合減衰器である。図17は抵抗R 1 、 R 2 、 R 3 からなるπ形接続の整合減衰器に両ポート間をつなぐ挿入抵抗R 2 を短絡するためのスイッチS1と、シャント抵抗R 3 を短絡するためのスイッチS2とを取付けた回路を示している。これらのスイッチによって、図17の右半部に示した3つの状態が実現できる。スイッチS1とS2 とにはリレーなどを用いた電気的制御を適用すればよい。図18に、基本状態以外の2つの状態を作り出す可能性の1つを示した。この構成は、基本状態では、2つの終端ポート71、72の単純な接続に過ぎない。その接続はスイッチS1 〜S4によって接続される通過接続73、74である。他の2つの状態は、スイッチS1とS2 とで接続される第1のネットワークNW175、及び/又はスイッチS3とS4 とで接続される第2のネットワークNW276の挿入によって実現される。特許請求の範囲で述べられた要件では、較正用2ポート回路の第1の状態は、少なくとも透過において基本状態と異なっていなければならず、第2の状態は、少なくとも、反射において基本状態と異なっていなければならない。これは本発明のネットワークアナライザーの可能なすべての変形に関して、第1と第2との状態が反射に関してだけ基本状態から異なっておれば十分である、という可能性をも意味している。なぜならば、反射で基本状態から異なっておれば、必ず、透過においても異なっているはずであり、この場合、本発明の要件も自ずと満足されるからである。
【0201】
[3測定端点を用いるネットワークアナライザーの半自動較正法]3箇所の測定端点を持つネットワークアナライザーのブロックダイアグラムは、図1中で、反転スイッチ10が第1のスイッチング位置Iにあるとき、第4測定端点m4をゼロとし、第2のスイッチング位置IIにあるとき、第1測定端点m'1をゼロとすることによって、図1から変形して得られる。したがって、当然、上記両方のスイッチング位置に対する較正はそれぞれ別個に行わなければならない。その結果、この方法においては、反転スイッチ 10 では可能な限りクロストークを排除しなければならない。自動的なトランスファー較正は、基本状態とは異なる2つの状態が可能で、それら2つの異なる状態の少なくとも1つにおいてゼロではない透過を示す較正用2ポート回路を必要とする。この較正用2ポート回路は、図3に示すように、ネットワークアナライザーの片側に配設してもよいし、あるいは、アナライザーの両側に分けて配設してもよい。
【0202】
[基本較正]まず最初に、較正用2ポート回路は基本状態に設定される。すなわち、
【0203】
【数52】
【0204】
反転スイッチ 10 が第1のスイッチング位置にあるとき、G12=1かつ m4=0である。一方、ネットワークアナライザーの一般的な数学的表現は、
【0205】
【数53】
【0206】
である。これより、次式(89)が得られる。
【0207】
【数54】
【0208】
次の式(90)
【0209】
【数55】
【0210】
における波動値a 1 ,a 2 ,b 1 及びb 2 を式 (89)によって書換えると、次式(91)を得る。
【0211】
【数56】
【0212】
すなわち、次の2式(92)が得られる。
【0213】
【数57】
【0214】
3個の完全に既知の較正標準(そのうち少なくとも2個はゼロでない透過を示す)の測定と式 (92) とによって、解ベクトルV 1 の決定に使われる1組の式が反転スイッチ 10 の第1のスイッチング位置に対して導かれる。
【0215】
反転スイッチ 10 が第2のスイッチング位置にあるときは、
【数58】
であるので、次式(93)が成立する。
【0216】
【数59】
【0217】
さらに、式 (90)とともに、次式(94)が得られる。
【0218】
【数60】
【0219】
すなわち、次の2式(95)が得られる。
【0220】
【数61】
【0221】
3個の完全に既知の較正標準(そのうち少なくとも2個はゼロでない透過を示す)の測定と式 (95) とによって、解ベクトルV 2 の決定に使われる1組の式が反転スイッチ 10 の第2のスイッチング位置に対して導かれる。一般に、2つのベクトルV1、V2は違っているので、ネットワークアナライザーの拡張された基本状態は全部で10個の誤差パラメータで表わされる。
【0222】
以上、誤差パラメータの決定についての説明から、3個の測定端点を用いたアナライザーの較正のための新しい方法が導かれた。通過接続T、整合終端M、及び入力反射係数がゼロではない完全に既知のネットワークNの測定から、TMN(通過・開放・既知ネットワーク式)較正が導出できる。整合終端Mの代りに、他の既知の1ポート、たとえば、短絡Sや開放Oなどを用いることもできる(これらは、つまり、TSN(通過・短絡・既知ネットワーク式)やTON(通過・開放・既知ネットワーク式)である)。通過接続を既知の長さLの線路に置き換えたものがLMN(線路・整合・既知ネットワーク式)である。既知の方法は、4個の完全に既知の標準(そのうち3個は透過を示さない)を測定しなければならないのに比して、ここで述べている方法では、3個の標準の測定ですむ。したがって、較正作業が簡単化される。3個の較正標準で実行し得る公知の方法(TLR*)もあるが、その方法はあくまでも近似にすぎない。
基本較正の目的は、その他の多くの目的の中でも、測定ポート面上で等価的な較正標準を決定することである。この目的のために、2つのベクトル方程式(91) と (94)とから、次のマトリクス関係式(96)が導かれる。
【0223】
【数62】
【0224】
この式 (96) を変形すると、次式(97)となる。
【0225】
【数63】
【0226】
較正用2ポート回路を基本状態以外の2つの状態で測定するとき、それぞれの
【数64】
式 (97) で計算できる。この計算は、較正用2ポート回路が3つの状態のそれぞれで透過を示すか否かに関わらず、実行できる。
【0227】
[トランスファーあるいはユーザー較正]トランスファー較正の期間中、可能な限り正確な通過接続が得られるように、ネットワークアナライザーの拡張された測定ポートは相互に接続される。4箇所の測定端点を用いる方法によれば、較正用2ポート回路は、基本状態、第1の状態、及び第2の状態に順次設定され、測定が行われる。これらの測定は数学的には、通過接続Tの測定、及び、
【数65】
によって表わされる2つの既知の較正標準の測定に類似である。すなわち、
【0228】
【数66】
【0229】
これら3つの測定結果と式 (92) 、 (95) とから、ネットワークアナライザーの10個の誤差パラメータが算出される。すでに指摘したように、利用可能な方程式の数について出てくる冗長性は最小2乗法による測定結果の計算に利用できる。
【0230】
[単方向性ネットワークアナライザーの半自動較正法]単方向性ネットワークアナライザーが図19に模式的に示してある。この構成は、3個の測定端点50、51、52とリフレクトメータネットワーク53とを含んでいる。リフレクトメータネットワーク53の入力端には高周波発振器55が接続され、テストポート1、2間に接続される被測定装置DUTに高周波信号を供給する。テストポート2には誤差2ポート回路56がつながれ、その誤差2ポート回路56には一つの測定端点52がつながれていて単方向性ネットワークアナライザーを構成している。両方向性ネットワークアナライザーの場合にあった反転スイッチ10は、ここでは用いていない。較正用2ポート回路54は、リフレクトメータネットワーク53と第1の測定ポート1との間に配設されている。単方向性ネットワークアナライザーに対する較正法においては、較正用2ポート回路は、基本状態以外に2つの状態を持っていなければならない。すべての状態はゼロ以外の透過を示さなければならない。
【0231】
[基本較正]両方向性ネットワークアナライザーと同様、基本較正は3箇所の測定端点、例えば、q2新しい較正法のいずれか1つ(例えば、TMN)によって実行できる。較正は3つの状態の各々について行われる。誤差パラメータの決定は、ここでは、結局、5個の誤差要素の決定に低減される。G'-1=G-1EOTN,H21=1、及び、m4=0を用いて、次式(98)が成立する。
【0232】
【数67】
【0233】
式 (98) を式 (90)とともに用いて、誤差パラメータを決定するのに用いられる次の2つの式(99)が得られる。
【0234】
【数68】
【0235】
較正用2ポート回路が基本状態にある基本較正の第1段階では、例えば、TMN較正では、マトリクスG'とパラメータH11 とを次式(100) で求める。
【0236】
G'-1=G-1E0TN (100)
【0237】
較正用2ポート回路の第1の状態に対して、次式(101)が成立する。
【0238】
【数69】
【0239】
較正用2ポート回路の第2の状態に対して、同様に、次式(102)が成立する。
【0240】
【数70】
【0241】
パラメータH11はすべての状態に対して一定である。
【0242】
第1の状態にある較正用2ポート回路の基本状態からの変化分 E1 と、
【数71】
とを結びつける変換式 (103)
【0243】
【数72】
【0244】
を考慮に入れると、等価較正標準が次式(104) で得られる。
【0245】
【数73】
【0246】
この式(104) で基本較正が完了する。
【0247】
[トランスファーあるいはユーザー較正]トランスファー較正の期間中、可能な限り正確 な通過接続が得られるように、ネットワークアナライザーの拡張された測定ポートは相互に接続される。較正用2ポート回路は、基本状態、第1の状態、及び第2の状態に順次設定され、測定が行われる。これらの測定は数学的には、通過接続 T の測定や
【数74】
によって表わされる2つの既知の較正標準の測定に類似である。すなわち、
【数75】
これら3つの測定結果と式 (99) とで、ネットワークアナライザーの5個の誤差パラメータが算出される。
【0248】
本発明を、その説明に適した特定の実施例を参照することによって述べてきたが、本発明の多くの変更や変形が、本発明の精神や特許請求の範囲から逸脱することなく可能であることは、当該分野技術に精通した何人にとっても明らかである。したがって、本発明者らは、当該技術への本発明らの寄与の範囲内で、全てのこのような変更や変形が正当且つ適正に、本発明で保護される範囲の中に含められることを望む。
【0249】
【発明の効果】
本発明による較正法に従って測定装置が自動的に較正することにより、個々の較正標準を測定ポートに接続する手間と精度の低さとを改善できる。従来の較正法では較正の直後にでも起こるかもしれない温度の変動などによる電気的特性の変動を考慮して絶えず較正をくり返すというようなことは困難で現実的ではなかった。しかし本発明の方法によれば評価手段が種々の動作モードを自動的に切り換えるので、全体の較正プロセスが完全に自動的に行われる。本ネットワークアナライザーの普通の使用状況下では、このような自動較正プロセスが行われている間、ユーザーに要求される作業は、測定ポートへの測定対象物の簡単な接続作業だけである。較正用2ポート回路は、既知の較正線路技術で組込まれているので、高い安定度を持つ。したがって、この較正用2ポート回路の基本較正は、例えば、年1回程度の周期で行えば十分である。すなわち、既知の較正標準の接続とそれによる誤差パラメータの取得とは、十分長い時間間隔で行われるだけで十分であり、その間の中間的較正作業は装置自身によって自動的に行われる。また、較正用2ポート回路の散乱パラメータが既知である場合には、このような基本較正は完全に省略できる。本発明の較正法では、較正用2ポート回路の異なる状態間での相対的な変化のみが必要であって、それらの絶対的な値は必要ではない。このことは本発明の特別な利点と見るべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】2本の測定ポート1、2を持つ基本的なネットワークアナライザーの一般回路図。
【図2】図1の測定端点3、4ならびに5、6でそれぞれ測定された測定値m1、m2、m3、m4、誤差2ポート回路GおよびH、2本の測定ポート1、2間に接続された被測定装置N、などの間に成立する代数的な関係を示す図。
【図3】図1の形式でのネットワークアナライザーの回路図。
【図4】本発明の理論を説明するため、理論式(2、3、4、5)を表現した直列回路を示す回路図。
【図5】図4の構成の測定ポート1、2及びE0との関係の理論式を表現する回路図。
【図6】図4、図5の関係で較正用ネットワークが基本状態にある、未知の被測定対象物の測定を示す回路図。
【図7】半自動システム誤差補正を行うための較正用ネットワーク20をネットワークアナライザーの両側に接続した回路図。
【図8】ネットワークアナライザーを拡張する較正用ネットワークの回路図。
【図9】2個の較正用ネットワークをネットワークアナライザーの両側に接続した回路図。
【図10】2本の誤差1ポート回路GおよびHによって表されるネットワークアナライザーの回路図。
【図11】測定モード中のリフレクトメータとしの動作例を示す図。
【図12】本発明でのリフレクトメータ使用を説明する回路図。
【図13】3本の較正用線路を示す図。
【図14】1個の通過接続Tと組み合された2個のシャント抵抗からなる構成の回路図。
【図15】抵抗値がゼロ以外の有限値という条件のもとでは常に較正に用いることが可能な構成の回路図。
【図16】良好な測定ポート整合の得られる較正ネットワークの実現に特に適したπ形あるいはT形接続した整合減衰器の基本回路の図。
【図17】図16のπ形接続の整合減衰器に取付けたスイッチS1とS2を説明する回路図。
【図18】図16の他のスイッチング状態を説明する回路図。
【図19】単方向性ネットワークアナライザーの回路図。
【符号の説明】
1、2 測定ポート
3、4、5、6 測定端点
7 評価手段
8 メモリー
14、15 4ポート回路
20 較正用2ポート回路
30、31 較正用2ポート回路
33、34 較正用2ポート回路
36 較正用2ポート回路
40 較正用ブランチ
41、42 システムポート
50、51 測定端点
52 測定端点
53 4ポート回路
54 較正用2ポート回路
60 測定ポート
61 4ポート回路
62、63 測定端点
64 切換えスイッチ
65 較正用2ポート回路
67 評価手段 メモリー
68 システムポート
m1,m2,m3,m4 測定値
I、II スイッチング位置
E マトリクス
G 誤差2ポート回路
H 誤差2ポート回路
M 測定値マトリクス
N 測定対象素子
S スイッチ
T 通過線
R 抵抗器
Claims (12)
- 測定対象物に接続される第1及び第2の測定ポートと、
較正用2ポート回路と、
複数の第1の測定端点を含み、前記第1の測定ポートに対して接続線路及び前記較正用2ポート回路を介して接続される第1の4ポート回路と、
複数の第2の測定端点を含み、前記第2の測定ポートに対して直接的に接続される第2の4ポート回路とを備えたネットワークアナライザーであって、
前記較正用2ポート回路は、前記接続線路と前記第1の4ポート回路との間に接続され、
前記較正用2ポート回路は、
(a)所定の透過係数と所定の反射係数とを有する基本状態と、
(b)前記所定の透過係数と異なる透過係数を少なくとも有する第1の状態と、
(c)前記所定の反射係数と異なる反射係数を少なくとも有する第2の状態との3つの状態を有しかつ当該3つの状態のうちの1つの状態に設定するように切り換える切り換え手段を有し、
前記ネットワークアナライザーは、メモリーを有する評価手段をさらに備え、
前記評価手段は、基本較正において、
(a)前記切り換え手段を前記基本状態に設定するように制御することにより、前記第1及び第2の測定端点から出力される測定値に基づいて、ゼロ以外の透過係数を有する第1の較正標準を含みかつ前記第1及び第2の測定ポート間に順次接続される少なくとも第1乃至第3の較正標準毎に、透過パラメータ及び反射パラメータを測定し、
(b)前記第1の較正標準が前記第1及び第2の測定ポート間に接続されたときに、前記切り換え手段を前記第1及び第2の状態に順次設定するように制御することにより、前記第1及び第2の測定端点から出力される測定値に基づいて、前記透過パラメータ及び反射パラメータの変化量を測定し、
(c)前記測定された透過パラメータ及び反射パラメータ並びに前記透過パラメータ及び反射パラメータの変化量に基づいて、散乱パラメータの変化量を算出して前記メモリーに格納し、
前記評価手段は、前記基本較正の後のユーザー較正において、前記第1の較正標準が前記第1及び第2の測定ポート間に接続されたときに、前記切り換え手段を前記基本状態、第1の状態及び第2の状態に順次自動的に設定するように制御することにより、前記第1及び第2の測定端点から出力される測定値に基づいて各散乱パラメータを測定し、当該測定された各散乱パラメータと前記メモリーに格納された散乱パラメータの変化量とに基づいて、システム誤差を算出して前記メモリーに格納し、
前記評価手段は、前記測定対象物が前記第1及び第2の測定ポート間に接続されたときに、前記切り換え手段を前記基本状態に設定するように制御し、前記第1及び第2の測定端点から出力される測定値を前記システム誤差で補正するネットワークアナライザー。 - 測定対象物に接続される第1及び第2の測定ポートと、
第1及び第2の較正用2ポート回路と、
複数の第1の測定端点を含み、前記第1の測定ポートに対して第1の接続線路及び前記第1の較正用2ポート回路を介して接続される第1の4ポート回路と、
複数の第2の測定端点を含み、前記第2の測定ポートに対して第2の接続線路及び第2の較正用2ポート回路を介して接続される第2の4ポート回路とを備えたネットワークアナライザーであって、
前記第1の較正用2ポート回路は、前記第1の接続線路と前記第1の4ポート回路との間に接続され、
前記第1の較正用2ポート回路は、
(a)所定の透過係数と所定の反射係数とを有する基本状態と、
(b)前記所定の透過係数と異なる透過係数を少なくとも有する第1の状態と、
(c)前記所定の反射係数と異なる反射係数を少なくとも有する第2の状態との3つの 状態を有しかつ当該3つの状態のうちの1つの状態に設定するように切り換える第1の切り換え手段を有し、
前記第2の較正用2ポート回路は、前記第2の接続線路と前記第2の4ポート回路との間に接続され、
前記第2の較正用2ポート回路は、前記基本状態、前記第1の状態、及び前記第2の状態の3つの状態を有しかつ当該3つの状態のうちの1つの状態に設定するように切り換える第2の切り換え手段を有し、
前記ネットワークアナライザーは、メモリーを有する評価手段をさらに備え、
前記評価手段は、基本較正において、
(a)前記第1及び第2の切り換え手段をそれぞれ前記基本状態に設定するように制御することにより、前記第1及び第2の測定端点から出力される測定値に基づいて、ゼロ以外の透過係数を有する第1の較正標準を含みかつ前記第1及び第2の測定ポート間に順次接続される少なくとも第1乃至第3の較正標準毎に、透過パラメータ及び反射パラメータを測定し、
(b)前記第1の較正標準が前記第1及び第2の測定ポート間に接続されたときに、(i)前記第1の切り換え手段を前記基本状態に設定しかつ前記第2の切り換え手段を前記第1及び第2の状態に順次設定するように制御し、(ii)前記第2の切り換え手段を前記基本状態に設定しかつ前記第1の切り換え手段を前記第1及び第2の状態に順次設定するように制御することにより、前記第1及び第2の測定端点から出力される測定値に基づいて、前記透過パラメータ及び反射パラメータの変化量を測定し、
(c)前記測定された透過パラメータ及び反射パラメータ並びに前記透過パラメータ及び反射パラメータの変化量に基づいて、散乱パラメータの変化量を算出して前記メモリーに格納し、
前記評価手段は、前記基本較正の後のユーザー較正において、ゼロ以外の透過係数を有する双方向性2ポート回路が前記第1及び第2の測定ポート間に接続されたときに、(i)前記第1の切り換え手段を前記基本状態に自動的に設定しかつ前記第2の切り換え手段を前記基本状態、第1の状態及び第2の状態に順次自動的に設定するように制御し、(ii)前記第2の切り換え手段を前記基本状態に自動的に設定しかつ前記第1の切り換え手段を前記基本状態、第1の状態及び第2の状態に順次自動的に設定するように制御することにより、前記第1及び第2の測定端点から出力される測定値に基づいて各散乱パラメータを測定し、当該測定された各散乱パラメータと前記メモリーに格納された散乱パラメータの変化量とに基づいて、システム誤差を算出して前記メモリーに格納し、
前記評価手段は、前記測定対象物が前記第1及び第2の測定ポート間に接続されたときに、前記第1及び第2の切り換え手段を前記基本状態にそれぞれ設定するように制御し、前記第1及び第2の測定端点から出力される測定値を前記システム誤差で補正するネットワークアナライザー。 - 測定対象物に接続される第1及び第2の測定ポートと、
第1及び第2の較正用2ポート回路と、
複数の第1の測定端点を含み、前記第1の測定ポートに対して第1の接続線路及び前記第1の較正用2ポート回路を介して接続される第1の4ポート回路と、
複数の第2の測定端点を含み、前記第2の測定ポートに対して第2の接続線路及び第2の較正用2ポート回路を介して接続される第2の4ポート回路とを備えたネットワークアナライザーであって、
前記第1の較正用2ポート回路は、前記第1の接続線路と前記第1の4ポート回路との間に接続され、
前記第1の較正用2ポート回路は、
(a)所定の透過係数と所定の反射係数とを有する基本状態と、
(b)前記所定の透過係数と異なる透過係数を少なくとも有する第1の状態との2つの状態を有しかつ当該2つの状態のうちの1つの状態に設定するように切り換える第1の切り換え手段を有し、
前記第2の較正用2ポート回路は、前記第2の接続線路と前記第2の4ポート回路との間に接続され、
前記第2の較正用2ポート回路は、
(a)前記基本状態と、
(b)前記所定の反射係数と異なる反射係数を少なくとも有する第2の状態との2つの状態を有しかつ当該2つの状態のうちの1つの状態に設定するように切り換える第2の切り換え手段を有し、
前記ネットワークアナライザーは、メモリーを有する評価手段をさらに備え、
前記評価手段は、基本較正において、
(a)前記第1及び第2の切り換え手段をそれぞれ前記基本状態に設定するように制御することにより、前記第1及び第2の測定端点から出力される測定値に基づいて、ゼロ以外の透過係数を有する第1の較正標準を含みかつ前記第1及び第2の測定ポート間に順次接続される少なくとも第1乃至第3の較正標準毎に、透過パラメータ及び反射パラメータを測定し、
(b)前記第1の較正標準が前記第1及び第2の測定ポート間に接続されたときに、(i)前記第1の切り換え手段を前記基本状態に設定しかつ前記第2の切り換え手段を前記第2の状態に設定するように制御し、(ii)前記第2の切り換え手段を前記基本状態に設定しかつ前記第1の切り換え手段を前記第1の状態に設定するように制御することにより、前記第1及び第2の測定端点から出力される測定値に基づいて、前記透過パラメータ及び反射パラメータの変化量を測定し、
(c)前記測定された透過パラメータ及び反射パラメータ並びに前記透過パラメータ及び反射パラメータの変化量に基づいて、散乱パラメータの変化量を算出して前記メモリーに格納し、
前記評価手段は、前記基本較正の後のユーザー較正において、前記第1の較正標準が前記第1及び第2の測定ポート間に接続されたときに、(i)前記第1の切り換え手段を前記基本状態に自動的に設定しかつ前記第2の切り換え手段を前記基本状態及び前記第2の状態に順次自動的に設定するように制御し、(ii)前記第2の切り換え手段を前記基本状態に自動的に設定しかつ前記第1の切り換え手段を前記基本状態及び第1の状態に順次自動的に設定するように制御することにより、前記第1及び第2の測定端点から出力される測定値に基づいて各散乱パラメータを測定し、当該測定された各散乱パラメータと前記メモリーに格納された散乱パラメータの変化量とに基づいて、システム誤差を算出して前記メモリーに格納し、
前記評価手段は、前記測定対象物が前記第1及び第2の測定ポート間に接続されたときに、前記第1及び第2の切り換え手段を前記基本状態にそれぞれ設定するように制御し、前記第1及び第2の測定端点から出力される測定値を前記システム誤差で補正するネットワークアナライザー。 - 前記第1と第2との較正用2ポート回路の少なくとも1つが前記基本状態以外では無透過状態である、請求項2又は請求項3記載のネットワークアナライザー。
- 測定対象物に接続される第1及び第2の測定ポートと、
第1及び第2のシステムポートと、
前記第1のシステムポートに対して接続線路を介して接続される較正用2ポート回路と、
複数の第1の測定端点を含む第1の4ポート回路と、
複数の第2の測定端点を含む第2の4ポート回路と、
前記第1の4ポート回路を、前記較正用2ポート回路及び前記第1の測定ポートのうちの1つに選択的に接続する第1のスイッチと、
前記第2の4ポート回路を、前記第2のシステムポート及び前記第2の測定ポートのうちの1つに選択的に接続する第2のスイッチと、
メモリーを有する評価手段とを備えたネットワークアナライザーであって、
前記較正用2ポート回路は、
(a)所定の透過係数と所定の反射係数とを有する基本状態と、
(b)前記所定の透過係数と異なる透過係数を少なくとも有する第1の状態と、
(c)前記所定の反射係数と異なる反射係数を少なくとも有する第2の状態との3つの状態を有しかつ当該3つの状態のうちの1つの状態に設定するように切り換える切り換え手段を有し、
前記評価手段は、基本較正において、
(a)前記第1の4ポート回路が前記第1の測定ポートに接続されかつ前記第2の4ポート回路が前記第2の測定ポートに接続されたときに、前記第1及び第2の測定端点から出力される測定値に基づいて、ゼロ以外の透過係数を有する第1の較正標準を含みかつ前記第1及び第2の測定ポート間に順次接続される少なくとも第1乃至第3の較正標準毎に、透過パラメータ及び反射パラメータを測定し、
(b)前記第1の4ポート回路が前記較正用2ポート回路に接続されかつ前記第2の4ポート回路が前記第2のシステムポートに接続されたときに、前記切り換え手段を前記基本状態に設定するように制御することにより、前記第1及び第2の測定端点から出力される測定値に基づいて、前記第1及び第2のシステムポート間に順次接続される前記第1乃至第3の較正標準毎に、透過パラメータと反射パラメータとを測定し、
(c)前記第1の4ポート回路が前記較正用2ポート回路に接続され、前記第2の4ポート回路が前記第2のシステムポートに接続されかつ前記第1及び第2のシステムポート間に前記第1の較正標準が接続されたときに、前記切り換え手段を前記第1及び第2の状態に順次設定するように制御することにより、前記第1及び第2の測定端点から出力される測定値に基づいて、前記透過パラメータ及び反射パラメータの変化量を測定し、
(d)前記測定された透過パラメータ及び反射パラメータ並びに前記透過パラメータ及び反射パラメータの変化量に基づいて、散乱パラメータの変化量を算出して前記メモリーに格納し、
前記評価手段は、前記基本較正の後のユーザー較正において、前記第1の4ポート回路が前記較正用2ポート回路に接続され、前記第2の4ポート回路が前記第2のシステムポートに接続されかつ前記第1及び第2のシステムポート間に前記第1の較正標準が接続されたときに、前記切り換え手段を前記基本状態、第1の状態及び第2の状態に順次自動的に設定するように制御することにより、前記第1及び第2の測定端点から出力される測定値に基づいて各散乱パラメータを測定し、当該測定された各散乱パラメータと前記メモリーに格納された散乱パラメータの変化量とに基づいて、システム誤差を算出して前記メモリーに格納し、
前記評価手段は、前記測定対象物が前記第1及び第2の測定ポート間に接続され、前記第1の4ポート回路が前記第1の測定ポートに接続されかつ前記第2の4ポート回路が前記第2の測定ポートに接続されたときに、前記切り換え手段を前記基本状態に設定するように制御し、前記第1及び第2の測定端点から出力される測定値を前記システム誤差で補正するネットワークアナライザー。 - 測定対象物に接続される測定ポートと、
較正標準に接続されるシステムポートと、
複数の測定端点を含む4ポート回路と、
前記4ポート回路に接続される較正用2ポート回路と、
前記較正用2ポート回路を、前記測定ポート及び前記システムポートのうちの1つに選択的に接続するスイッチと、
メモリーを有する評価手段とを有するネットワークアナライザーであって、
前記較正用2ポート回路は、
(a)所定の透過係数と所定の第1の反射係数とを有する基本状態と、
(b)前記所定の透過係数と異なる透過係数を少なくとも有する第1の状態と、
(c)前記所定の第1の反射係数と異なる反射係数を少なくとも有する第2の状態との3つの状態を有しかつ当該3つの状態のうちの1つの状態に設定するように切り換える切 り換え手段を有し、
前記評価手段は、基本較正において、
(a)前記較正用2ポート回路が前記測定ポートに接続されたときに、前記切り換え手段を前記基本状態に設定するように制御することにより、前記測定端点から出力される測定値に基づいて、前記測定ポートに順次接続される少なくとも第1乃至第3の較正標準毎に、反射パラメータを測定し、
(b)前記較正用2ポート回路が前記システムポートに接続されたときに、前記切り換え手段を前記基本状態に設定するように制御することにより、前記測定端点から出力される測定値に基づいて、前記システムポートに順次接続される前記少なくとも第1乃至第3の較正標準毎に、反射パラメータを測定し、
(c)所定の第2の反射係数を有する反射標準が前記システムポートに接続され、かつ前記較正用2ポート回路が前記システムポートに接続されたときに、前記切り換え手段を前記基本状態、第1の状態及び第2の状態に順次設定するように制御することにより、前記測定端点から出力される測定値に基づいて、反射パラメータを測定し、
(d)前記測定された各反射パラメータを前記メモリーに格納し、
前記評価手段は、前記基本較正の後のユーザー較正において、前記反射標準が前記システムポートに接続され、かつ前記較正用2ポート回路が前記システムポートに接続されたときに、前記切り換え手段を前記基本状態、第1の状態及び第2の状態に順次自動的に設定するように制御することにより、前記測定端点から出力される測定値に基づいて、反射パラメータを測定し、当該測定された反射パラメータと、前記メモリーに格納された反射パラメータとに基づいて、システム誤差を算出して前記メモリーに格納し、
前記評価手段は、前記測定対象物が前記測定ポートに接続され、かつ前記較正用2ポート回路が前記測定ポートに接続されたときに、前記切り換え手段を前記基本状態に設定するように制御し、前記測定端点から出力される測定値を前記システム誤差で補正するネットワークアナライザー。 - 前記切り換え手段はそれぞれ、
π形接続又はT形接続された3つの減衰器を備えた較正用線路と、
前記3つの状態のうちの1つに切り換えるように前記較正用線路に接続された2つのスイッチを備えた請求項1、2及び4乃至6のいずれか1項に記載のネットワークアナライザー。 - 前記基本状態は1に等しい透過係数を有する請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のネットワークアナライザー。
- 前記各較正用2ポート回路が前記各測定ポート又は前記各システムポートに、再現可能な散乱パラメータを持つケーブルで接続される、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のネットワークアナライザー。
- 前記各較正用2ポート回路は、測定ポートを有する独立の筐体に収められ、当該筐体の測定ポートが前記ネットワークアナライザー本体の前記各測定ポート又は前記各システムポートに接続されるように構成された請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のネットワークアナライザー。
- 前記各較正用2ポート回路が前記ネットワークアナライザーに直接組み込まれる、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のネットワークアナライザー。
- 前記第1の較正標準が、前記第1と第2との測定ポートを直接接続する通過接続である、請求項1に記載のネットワークアナライザー。
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