JP2006201172A - 最少接続のマルチポートスルー−リフレクト−ライン(Through−Reflect−Line)較正および測定を行うための方法および装置 - Google Patents

最少接続のマルチポートスルー−リフレクト−ライン(Through−Reflect−Line)較正および測定を行うための方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ベクトルネットワークアナライザ(VNA)のTRL較正において、較正標準との接続数を少なくする。
【解決手段】測定経路を較正するための方法及び装置は、少なくとも2つの基準受信器(111、112)及び全部で2N個(Nは整数)の測定ポート(103)を有するベクトルネットワークアナライザ(VNA)(100)を提供する。各ポートに関する反射特性は、高反射較正の存在下で測定される(2202)。測定ポートの各直接対に関する前方向及び逆方向の反射特性及び伝送特性は、線路較正標準(401)の存在下で測定され(2302,2303)、測定ポートの各直接対に関する前方向及び逆方向の反射特性及び伝送特性は、スルー較正標準(601)の存在下で測定される。この方法及び装置は、測定ポートの各々について、方向性、信号源整合、負荷整合及び反射トラッキング誤差係数を計算する(2601,2602)。
【選択図】図2

Description

ある周波数帯での電気装置の挙動を特徴付けるためにベクトルネットワークアナライザ(「VNA」)が使用される。不整合と漏れのために、現在は、VNAを較正することなく高周波において被測定装置(または被測定物:DUT)を直接測定することはできない。VNAを使用する測定には誤差が存在する。そのような測定誤差は、DUTだけに起因する測定の不確実さをもたらす。そのような測定誤差を定量化することによって、誤差の影響を測定から数学的に除去して装置自体の特性パラメータを得ることができる。当業者であれば、測定誤差の定量化が良好なほど、装置特性に対する影響をより良好に除去できることを理解できる。VNAの測定誤差は、ランダム誤差と系統的誤差の2つのカテゴリに分けることができる。ランダム誤差は、雑音と温度変化による再現不可能な測定値のばらつきである。ランダム誤差は、予測不能であり、適切に定量化することが難しい。系統的誤差は、VNA試験構成ハードウェアで再現可能な測定値のばらつきである。系統的誤差は予測可能であり、定量化し数学的に除去することができる。系統的誤差は、装置の特性におけるVNA測定の不確実さの最も大きな要因である。したがって、VNA測定値から系統的誤差を定量化し除去することが有益である。慣例的に、系統的誤差の定量化はVNA較正によって行われている。VNAのポートにいくつかの既知の較正アーティファクトを接続することによって、較正アーティファクトを測定し、その測定結果を既知の結果と比較し、次に、既知の較正装置の測定への寄与から系統的誤差係数をアルゴリズム的に抽出することができる。その後、未知の装置の測定によって、系統的誤差係数を使用してDUTだけに起因する特性が数学的に抽出される。
2ポートVNAに利用可能な較正手順はいくつかある。較正方法は、系統的誤差係数を抽出するために使用される1組の較正標準にちなんで命名されている。より一般的な方法のいくつかは、短絡(short)、開放(開路:open)、負荷(load)およびスルー(through)較正標準(「SOLT」)、スルー、反射(reflect)および線路(line。または伝送線路)較正標準(「TRL:Through-Reflect-Line」)、ならびに較正標準として使用される一連の電気的(または電子的)負荷(「電気較正」または「Ecal」)を使用する。
計測試験室における好ましい方法はTRL較正である。これは、系統的誤差を最も正確に評価できるので好ましい。これは、きわめて正確に製造できるエアライン標準器を使用するからである。さらに、「反射」較正アーティファクトの反射係数の大きさを知る必要がなく、「線路」較正アーティファクトの遅延を知る必要がない。製造環境での測定精度が向上すると、製品処理制御でのフィードバックが良好になり、また製品コスト分析の統計モデルが正確になる。研究設計環境における測定精度が向上すると、装置モデルの精度が向上して、シミュレータが、回路の観点から製品の挙動をより正確に予測することが可能になる。
「Method and Apparatus for Linear Characterization of Multiterminal Single-ended or Balanced Devices」と題する、優先日が2000年9月18日の米国特許出願第10/098,040号(本明細書では’040特許出願と呼ぶ)と、同一の仮出願から優先権を主張する他の米国特許出願は、マルチポート装置に適用可能なSOLT較正の方法および装置を開示している。図1には、’040特許出願に示されているような被測定装置101(「DUT」)に接続された4ポートVNA100のシステムブロック図が示されており、このシステムには、単一の基準チャネル102と2つのテストチャネル、すなわち第1のテストチャネル111(「A」)と第2のテストチャネル112(「B」)が配置されている。基準チャネル102は、信号発生器105と信号源伝達スイッチ106の間に直列に入れられた基準チャネルサンプラ110によって、信号発生器105により生成された入射信号をサンプリングする。信号源伝達スイッチ106は、信号発生器105を第1の信号経路107か第2の信号経路108に電気的に接続する。信号源伝達スイッチ106は、信号発生器105に接続されていない信号経路107または108を、信号源伝達特性インピーダンス109で終端させる。切換回路網(スイッチ回路網)150は、第1または第2のテストチャネル111、112を2N個の測定ポート103〜1032Nのうちの1つに接続する。切換回路網150は、’040特許出願に教示されており、その教示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
第1と第2のテストチャネル111、112は、信号発生器105からの刺激に応答して、DUT101に接続された測定ポート103のうちの1つから散乱された信号、反射された信号、および伝送(または透過。以下同じ)された信号を測定する。図1の試験構成は、完全なSOLT較正方法を提供する。しかしながら、さらに正確な装置の特徴付け法が必要である。従来技術では、TRL較正方法は、改善された較正精度を提供するが、2ポート装置にしか適用できない。
米国特許第5,646,536号明細書
TRL較正は、スルー較正標準器と線路較正標準器が同時に2つのポートだけにしか接続されないため2ポート較正である。較正されるポートの各対がスルー較正標準器と線路較正標準器に接続されるマルチポートTRL較正は既知である。TRL較正は優れた較正精度を提供するが、2Nポート装置は、2つの2ポート較正標準器のために合計N(2N−1)個の接続を必要とし、また各ポートでの反射標準器の測定用に作成された2N個の単独接続を必要とする。装置ポートの数が単調増加するとき、較正を行うために作成される接続の数は幾何級数的に増加する。ある時点で、必要とされる接続数のためにTRL較正にかかる時間がきわめて長くなるが、それでも、追加のポートを有する装置の較正に対する関心が高くなっている。したがって、より少ない数の接続しか必要としないマルチポートTRL較正が必要である。
本発明による測定経路を較正するための1つの方法は、
少なくとも2つの基準受信器(111、112)と合計2N個(Nは整数)の測定ポート(103)とを有するベクトルネットワークアナライザ(100)を提供するステップと、
高反射較正標準器(301)を提供し(2201、2203)、前記測定ポートのそれぞれについて反射特性を測定するステップ(2202、2204)と、
前記測定ポート(103)のN個の直接対の間に線路較正標準器(401)を提供し(2301)、前記測定ポート(103)の前記N個の直接対のそれぞれについて順方向と逆方向の反射特性および伝送特性を測定するステップ(2302、2303)と、
前記測定ポート(103)の前記N個の直接対の間にスルー較正標準器(601)を提供し(2401)、前記測定ポート(103)の前記N個の直接対のそれぞれについて順方向と逆方向の反射特性および伝送特性を測定するステップ(2402、2403、2501、2502)と、
前記測定ポート(103)のそれぞれについて、方向性、信号源整合、負荷整合および反射トラッキング誤差係数を計算するステップ(2601、2602、2603)と、
測定ポートのN−1個以下の他の対の間に前記スルー較正標準器(601)を提供し(3004)、順方向と逆方向の反射特性および伝送特性を測定し(3006、3008)、測定ポートの組み合わせからなる前記N−1個の他の対のそれぞれについて、順方向と逆方向の伝送トラッキング誤差係数を計算するステップ(3012)
とを含む。ここで、前記N−1個の他の対は、測定ポートの間接対と近接対からなるグループから選択された任意の組み合わせである。
図2には、第1と第2の基準チャネル201、202をそれぞれ備え、また、第1と第2の基準チャネルサンプラ110、210をそれぞれ備えた4ポートVNA200のシステムブロック図が示されている。図2に示した試験較正において、サンプラ110、210は、特定の例ではブリッジまたは方向性結合器とすることができる。基準チャネルサンプラ110、210は、信号伝達スイッチ106について信号発生器105とは反対側の第1と第2の信号経路107、108に配置されている。サンプラ110、210は、それぞれ第1と第2の基準チャネル201、202による測定のために、第1と第2の信号経路107、108上にある信号のわずかな予測可能な部分を一方向において抽出する。サンプリングされた部分は、一般に、信号経路107または108上の信号レベルに対して−10dB〜−20dBである。信号源伝達スイッチ106は、信号発生器105を第1の信号経路107に接続しかつ信号伝達スイッチ終端負荷109を第2の信号経路108に接続するか、または、信号発生器105を第2の信号経路108に接続し、かつ信号伝達スイッチ終端負荷109を第1の信号経路107に接続する。特定の実施形態では、信号伝達スイッチ106には2つのスイッチ位置しかない。
マルチポートDUT101を測定するシステムは、DUTポートと同じ数の測定ポート103〜1032Nを有する。図示した例は、測定ポート103、103、103および103に接続された4ポートDUT101を含む。しかしながら、本発明の教示を、5以上の装置接続を有するDUTを測定するマルチポート試験構成に適用することができる。スイッチ回路網150は、各測定ポート103〜1032Nを、第1または第2の信号経路107、108、または局所終端インピーダンス104〜1042Nに接続することができる。いくつかのスイッチ回路網の構成は、測定ポート103の1つを第1の信号経路107に接続し、及び/または測定ポート103の別の1つを第2の信号経路108に接続し、一方で、残りの経路は、局所終端インピーダンス104に終端される。スイッチ回路網150は、また、サンプリングアーム113(図示の実施形態ではサンプリングアーム113〜113)を有する。サンプリングアーム113〜113はそれぞれ、それぞれの測定ポート103に現れる信号レベルの小さい予測可能な部分をサンプリングするサンプラ114を有する。サンプラ114は、それぞれの測定ポート103にある信号レベルから信号レベル−10dBと−20dBの間のどこかの信号レベルを取得するカプラまたはブリッジとすることができる。本教示に従う特定の実施形態では、測定ポート103からサンプリングされる部分は、信号経路107、108からサンプリングされる部分と実質的に同じである。次に、サンプリングされた信号を、それぞれのサンプリングスイッチ115を介して第1または第2のテストチャネル111、112に接続するか、または、サンプリングアーム終端負荷116に接続することができる。この構成のスイッチ回路網150は、測定ポート103からの反射経路を第1と第2のテストチャネル111、112の一方に接続することができ、同時にテストチャネルに接続されていない測定ポート103からの反射経路を局所サンプリングアーム終端インピーダンス116で終端させる。
本発明の教示に従う方法では、2N個の装置接続を有するマルチポートDUTのTRL較正は、最初に測定ポートのN個の直接対(direct pair)のそれぞれに従来の2ポートTRL較正を行うことによって実施される。ユーザは、すべての測定ポート103を2つの測定ポート103のグループで表すことによってN個の直接対を定義することができ、この場合、直接対の第1のポートを第1のテストチャネル111に接続することができ、直接対の第2のポートを第2のテストチャネル112に接続することができる。例えば、2N個の測定ポートがある場合、測定ポートの直接対は、測定ポート103と103N+1、測定ポート103と103N+2から、順に、測定ポートの直接対103と1032Nまであり、この場合、測定ポート103〜103を第1のテストチャネル111に接続することができ、測定ポート103N+1〜1032Nを第2のテストチャネル112に接続することができる。
次に、本教示に従う方法は、2NポートDUTの測定ポート103のN−1個の間接対(indirect pair)にスルー(through)測定を実行する。N−1個の間接対は、測定ポートの1組の直接対で表されない2つの測定ポート103のグループとして定義され、この場合、間接対をなす第1の測定ポートを第1のテストチャネル111に接続することができ、間接対をなす第2の測定ポートを第2のテストチャネル112に接続することができる。図示の例では、測定ポート103と103からなる第1の直接対と、測定ポート103と103からなる第2の直接対との2つの直接対がある。また、この特定の例では、測定ポート103と103からなる第1の間接対と、測定ポート103と103からなる第2の間接対の2つの間接対がある。
図3には、第1のテストチャネル111に接続できる第1の直接対の測定ポート103に接続された高反射較正標準器301(「反射301」)が示されている。図示の実施形態では、これは測定ポート103である。この場合、切換回路網150は、測定ポート103が第1の信号経路107に接続され、それぞれのサンプリングアーム113が第1のテストチャネル111に接続されるように設定される。残りの未使用の測定ポート103、103および103はすべて、それらのそれぞれの局所終端負荷104で終端され、それぞれのサンプリングアーム113は、サンプリングアーム終端負荷116、116、および116に接続されている。当業者には理解されるように、測定ポート103の測定において、第1のテストチャネル111に接続できる測定ポート103を特性インピーダンスで終端させるスイッチ回路網構成だけが結果にとって重要である。スイッチ回路網150を構成するスイッチの絶縁性がきわめて高いので、第2のテストチャネル112に接続できる測定ポート103は、高い反射測定を考慮しない。反射301の振幅は未知でよいが、位相特性は分かっていなければならない。この場合、信号発生器105は、オペレータによってプログラムされる所望の周波数範囲にわたって掃引され、その範囲中の特定の周波数において測定値が得られる。周波数掃引の間、VNA200は、第1の基準受信器(受信器はレシーバともいう。以下同じ)201における測定信号レベルに対する、第1のテストチャネル111における測定信号レベルの比率を測定し記憶する。以下に示す得られた比率は、周波数に依存する反射係数であり、本明細書では、測定ポート103についての高反射特性と呼ぶ。
reflect_1/R1reflect_1
図4を参照すると、同じ反射301が、測定ポート103から切り離されて、第1の直接対の残りの測定ポート(この特定の例では測定ポート103)に接続されている。この場合、スイッチ回路網150は、測定ポート103が第2の信号経路108上にあり、第1の信号経路107が特性インピーダンス109で終端され、サンプリングアーム113が第2のテストポート112に接続されるように構成される。第2のテストポート112に接続できる未使用の測定ポート103(この特定の例では測定ポート103)は、切換回路網150内の局所特性インピーダンス104で終端される。また、未使用の測定ポート103のサンプリングアーム113は、それぞれのサンプリングアーム終端負荷116で終端される。信号発生器105は、第2の信号経路108を、測定ポート103の反射測定と同じ所望の周波数範囲にわたって掃引される信号で刺激する。VNA200は、反射信号レベルの周波数依存列を生成する第2の基準受信器202に提示される第2の信号経路108の測定信号レベルに対する、第2のテストチャネル112での測定信号レベルの比率(以下に示す比率であって、本明細書では、測定ポート103についての高反射特性と呼ぶ)を測定して、その測定値を記憶する(あるいは、この反射信号レベルの周波数依存列はVNA200が生成するものとしてもよい)。
reflect_3/R2reflect_3
次に図5を参照する。較正プロセスの次のステップは、第1の直接対(図示の例では、測定ポート103と測定ポート103)の間に低損失遅延線路較正標準器401(「線路(ライン)401」)を接続することである。好ましい実施形態では、線路401は、計測試験室で一般に使用されるエアライン、すなわち空気絶縁を有する遅延線路である。オンウェーハ測定には遅延線路が使用される。線路401の遅延は未知であるが、線路401の物理寸法は較正周波数範囲に関係する。必要に応じて、追加の遅延線路較正標準器を使用してさらに広い周波数範囲をカバーすることができる。線路401の遅延は、最も低い指定周波数における約20度を超える位相ずれと最も高い指定周波数における約160度未満の位相ずれとで囲まれた周波数範囲にわたって定義される。約500MHz以下の周波数では、同軸エアライン寸法はきわめて大きくなり実際的でない。図6を参照すると、この場合、2つの高品質整合負荷501(「整合負荷501」)が、直接対の各測定ポート103に接続されている。整合負荷501は、VNAを最も低いVNA周波数までの周波数範囲において較正するために使用される。この結果得られる線路401と整合負荷501の較正値は異なるが、測定した比率を使用するアルゴリズム的表現は同じである。
線路401が測定される図5において、伝達スイッチ106は、信号発生器105が第1の信号経路107を刺激し、第2の信号経路108が特性インピーダンス109で終端されるようにセットされる。スイッチ回路網150は、測定ポート103が第1の信号経路107からの刺激信号を受け入れ、サンプリングアーム113からの信号が第1のテストポート111に提示されるように構成されている。スイッチ回路網150は、さらに、測定ポート103が第2の信号経路108を介して伝達スイッチ特性インピーダンス109で終端され、伝送信号がサンプリングアーム113を介して第2のテストポート112に提示されるように構成されている。信号発生器105は、所望の周波数範囲を掃引し、VNA200は、第1と第2のテストチャネル111、112および第1と第2の基準受信器201、202からの信号レベルを測定し、その結果をデータ列内に記憶する。単に明瞭さと一貫性のために、信号発生器105が第1の信号経路107に接続されているとき、得られる測定値はすべて順方向測定値とみなされる。したがって、線路401で順方向に行われた測定値は、次のようなデータ列として表される。
f_line_13
f_line_13
R1f_line_13
R2f_line_13
この場合、各列は、所望の周波数範囲に沿った特定の周波数における一連の測定ポイントからなる。
次に、伝達スイッチ106は、信号発生器105が第2の信号経路108を刺激し、第1の信号経路107が伝達スイッチ特性インピーダンス109で終端されるように再構成される(図には示していない)。スイッチ回路網150の構成は、順方向測定から変更されていない。信号発生器105は、この場合も所望の周波数範囲を掃引し、VNA200は、第1と第2のテストチャネル111、112および第1と第2の基準受信器201、202からの信号レベルを測定し、それをデータ列に記憶する。単に明瞭さと一貫性のために、信号発生器105が第2の信号経路108に接続されたとき、得られる測定値はすべて逆方向測定値とみなされる。したがって、線路401で逆方向に得られた測定値は、次のようなデータ列として表される。
r_line_13
r_line_13
R1r_line_13
R2r_line_13
この場合、各列は、所望の周波数範囲に沿った特定の周波数における一連の測定ポイントからなる。
より広い周波数範囲が必要な場合は、第1の直接対(この特定の実施形態では測定ポート103と103)に同じ測定手順が実施される(尚、異なるエアラインは異なる周波数帯をカバーする)。さらに、エアライン較正標準器を用いた実際の場合よりも低い周波数における測定値を得るために、図6に示したような整合負荷501を使用して完全整合を有する高損失線路をシミュレートすることができる。整合負荷、より高い周波数での整合品質、所望の周波数範囲に依存して、エアライン較正標準器の代わりに整合負荷を使用することができる。適切な較正標準器を使用して様々な周波数範囲について新たな測定を行うと、その結果は、順方向と逆方向の列に記憶される。この場合、各データポイントは特定の刺激信号周波数に対応する。したがって、較正周波数帯を、単一のエアライン較正標準器で可能な場合よりもより多くの周波数をカバーするように広げることができる。
次に図7を参照する。較正プロセスの次のステップは、第1の直接対(図示の実施形態では、測定ポート103と測定ポート103)の間にスルー較正標準器601(「スルー601」)を接続することである。スルー601は、ゼロ長(長さがゼロ)でもよく非ゼロ長でもよい。いずれの場合も、スルー601の電気長は既知の値でなければならない。オンウェーハ測定では、高品質なゼロスルー較正標準器を得ることはできない。したがって、オンウェーハ測定では、非ゼロスルー較正標準器が使用される。
スルー601を測定するために、伝達スイッチ106は、信号発生器105が第1の信号経路107を刺激し、第2の信号経路108が伝達スイッチ特性インピーダンス109で終端されるように設定される。スイッチ回路網150は、測定ポート103が第1の信号経路107から刺激信号を受け入れ、サンプリングアーム113が第1のテストポート111に接続されるように構成される。スイッチ回路網150は、さらに、測定ポート103が第2の信号経路108を介して伝達スイッチ特性インピーダンス109に終端され、サンプリングアーム113が第2のテストポート112に接続されるように構成される。この特定の実施形態では、第2の直接対の測定ポートである測定ポート103と測定ポート103からなる未使用の測定ポート103は、それぞれ局所特性インピーダンス104と104で終端される。また、サンプリングアーム113と113は、局所サンプリングアーム終端負荷116と116で終端される。信号発生器105は所望の周波数範囲を掃引し、VNA200は、第1と第2のテストチャネル111、112、および第1と第2の基準受信器201、202からの信号レベルを測定し、その結果をメモリに記憶する。本開示の目的で使用される用語によれば、信号発生器105が第1の信号経路107に接続されているので、得られる測定値は、順方向測定値とみなされる。したがって、スルー601の順方向で得られる測定値は、次のような列として表される。
f13_thru
f13_thru
R1f13_thru
R2f13_thru
この場合、各列は、所望の周波数範囲に沿った特定の周波数における一連の測定ポイントからなる。
次に、伝達スイッチ106は、信号発生器105が第2の信号経路108を刺激し、第1の信号経路が伝達スイッチ特性インピーダンス109で終端されるように設定される(図示せず)。スイッチ回路網150は変更されない。この場合も、信号発生器105は、所望の周波数範囲を掃引し、VNA200が、第1と第2のテストチャネル111、112、および第1と第2の基準受信器201、202からの信号レベルを測定し、それらをメモリに記憶する。信号発生器105が第2の信号経路108に接続されているので、得られる測定値は逆方向測定値とみなされる。したがって、スルー601で逆方向に得られる測定値は、次のような列として表される。
r13_thru
r13_thru
R1r13_thru
R2r13_thru
この場合、各列は、所望の周波数範囲に沿った特定の周波数における一連の測定ポイントからなる。
図8を参照すると、スルー601が接続されたままであり、伝達スイッチ106は、信号発生器105が第1の信号経路107内にあり、第2の信号経路108が特性インピーダンス109で終端されるように構成されている。第1の直接対の測定が依然として行われている。したがって、スイッチ回路網150は、測定ポート103が第1の信号経路107に接続され、それぞれのサンプリングアーム113が第1のテストチャネル111に接続されるように構成されている。第1のテストチャネル111に接続できる残りの未使用の測定ポート103(この特定の例では測定ポート103)は、それぞれの局所特性インピーダンス104(この特定の例では局所特性インピーダンス104)で終端される。さらに、未使用の測定ポート103のサンプリングアーム113は、局所サンプリングアーム特性インピーダンス116で終端されている。スイッチ回路網150は、さらに、第1の直接対の第2のテストチャネル112に接続できる測定ポート、具体的には測定ポート103が、それぞれの局所特性インピーダンス(この特定の例では104)で終端され、それぞれのサンプリングアーム113が第2のテストチャネル112に接続されるように構成されている。また、測定中ではない直接対の測定ポート103は、局所特性インピーダンス(この特定の例では局所特性インピーダンス104及び104)で終端され、それぞれのサンプリングアーム113と113は、局所サンプリングアーム終端負荷116と116で終端される。この場合も、信号発生器105は、所望の周波数範囲全体にわたって、その範囲内の周波数ポイントごとに掃引され、VNA200は、刺激に対する反射応答の比率と、終端されたスルー601の刺激に対する伝送応答の比率を測定し、それらのデータを次の列に記憶する。
f13_termthru/R1f13_termthru
f13_termthru/R1f13_termthru
図9を参照すると、スルー601は、第1の直接対の測定ポート103間に接続されたままであり、この場合、伝達スイッチ106は、信号発生器105が第2の信号経路108内にあり、第1の信号経路107が特性インピーダンス109で終端されるように再構成される。スイッチ回路網150は、また、第2のテストチャネル112に接続できる第1の直接対の測定ポート103(図示の例では測定ポート103)が、第2の信号経路108に接続され、それぞれのサンプリングアーム113が、第2のテストチャネル112に接続されるように再構成される。第1のテストチャネル111に接続できる第1の直接対の測定ポート103(図示の例では測定ポート103)は、それぞれの局所特性インピーダンス104で終端され、それぞれのサンプリングアーム113は、第1のテストチャネル111に接続される。測定中ではない直接対の測定ポート103は、図示の例では特性インピーダンス104と104で局所的に終端される。さらに、未使用の測定ポート103のサンプリングアーム113(図示の例ではサンプリングアーム113及び113)は、それぞれの局所サンプリングアーム終端負荷116及び116で終端される。信号発生器105は、所望の周波数範囲全体わたって、その範囲内の周波数ポイントごとに掃引され、VNA200は、基準チャネル201で測定される刺激信号の信号レベルに対する、終端されたスルー601の反射応答の信号レベルの比率と、刺激信号の信号レベルに対する、終端されたスルー601の伝送応答の信号レベルの比率を測定する。これらの測定値は、次のようなデータ列に記憶される。
r13_termthru/R1r13_termthru
r13_termthru/R2r13_termthru
次に図10〜図16を参照する。第2の直接対(図示の例では、測定ポート103と測定ポート103)からなる測定ポートに、図3〜図9に関して説明したものと同じ較正ステップと測定が実施される。したがって、第2の直接対に対する処理を通じて収集された結果データが測定(または評価)され、次のようなデータ列に記憶される。
reflect_2
R1reflect_2
reflect_4
R2reflect_4
f24_line
f24_line
R1f24_line
R2f24_line
r24_line
r24_line
R1r24_line
R2r24_line
f24_thru
f24_thru
R1f24_thru
R2f24_thru
r24_thru
r24_thru
R1r24_thru
R2r24_thru
f24_termthru/R1f24_termthru
f24_termthru/R1f24_termthru
r24_termthru/R2r24_termthru
r24_termthru/R2r24_termthru
この場合、すべてのデータ列は、所望の周波数範囲において測定された各周波数毎に単一の測定ポイントを有する。各列が各周波数ポイントに対する測定値を有するようにその範囲に沿って同じ周波数ポイントを測定することは最良の実施である。しかしながら、周波数値が、所望の周波数範囲における最も低い測定周波数と最も高い測定周波数の境界内にあり、測定周波数の間隔が、任意の共振を含むDUTを完全に特徴付けるほど十分に小さい限り、データを補間して特定の周波数値に対する値を得ることは許容可能である。周波数範囲をより広くするために複数の線路較正標準器を使用する場合、VNA200によって得られる測定値は、対象となる周波数範囲に沿った各周波数についての要素を有するより大きな列内の適切な列要素に記憶される。したがって、単一のデータ列を完全に埋めるために較正標準器を接続して測定を行う複数のステップが実施される場合がある。
本発明の1実施形態の1つの局面によるマルチポート較正では、すべての直接対の測定ポートについて、図3〜図9に示したものと同じ較正ステップと測定が実施される。2N個のポートを有するDUTに関する1組の直接対の一般的な記述では、mを1とNの間の1組の整数とした場合に、その組の各直接対は、測定ポート103と測定ポート103N+mである。それぞれの直接対の測定により、本発明の教示に従うシステムの1実施形態で記憶され維持される22のデータ列が得られる。
本教示に従う1実施形態では、N−1個の選択された対(選択対)が、間接対と近接対から選択される。この選択された対は、スルー較正標準器だけがその間に接続された状態で測定される。N−1個の選択された対は、フルマルチポートTRL較正に対する最少数の2ポートスルー較正測定値を表す。測定用に間接対と近接対のサブセットを選択できるので、較正者は、物理的レイアウトや測定経路などの因子に基づいて、間接対と近接対の選択されたサブセットとして選択するのにどのポートが最も有益かを判断することができる。例えば、N−1個の選択された対は、較正標準器までの接続経路が最短で最も直接的であり、最良の信号経路アライメント、および/または、これらの及び他の測定の完全性に関する特徴の最適な組み合わせを有する対とすることができる。極端な例では、いくつかの場合に、間接対または近接対の1つまたは複数の間に、著しい測定の悪化なしにはスルー(through)を接続することが物理的にできないことがある。その場合、較正者は、較正プロセスから問題のある対を省くことを選択することになる。図17と図22を参照すると、本教示に従うプロセスの次のステップは、直接対でない4つの使用可能な測定ポート対から1つの対を選択することである(3002)。図示の例では、直接対でない測定ポート対は、2つの間接対、すなわち測定ポート103及び103、測定ポート103及び103、ならびに2つの近接対、すなわち測定ポート103及びポート103と測定ポート103及び103からなる。2N=4のポート装置において、N=2でN−1は1であり、さらに他の較正測定用に直接対でない1つの対だけが選択される。図示の例では、測定ポート103及び103からなる間接対が、選択された対(選択対)として選択される。次に、測定ポートの選択された対の間にスルー601が接続される(3004)。信号伝達スイッチ106は、信号発生器105が第1の信号経路107を刺激し、第2の信号経路108が特性インピーダンス109で終端されるように構成される(3006)。スイッチ回路網150は、第1のテストチャネル111に接続できる選択された対の測定ポート103(図示の例では測定ポート103)が第1の信号経路107に接続され、また、それぞれのサンプリングアーム113が第1のテストチャネル111に接続されるように構成される。スイッチ回路網150は、さらに、第2のテストチャネル112に接続できる選択された対の測定ポート103、図示の例では測定ポート103が、それぞれの局所終端負荷104で終端され、それぞれのサンプリングアーム113が第2のテストチャネル112に接続されるように較正される(3006)。すべての未使用の測定ポート(この特定の例では測定ポート103及び測定ポート103)は、それぞれの局所終端負荷104及び104で終端され、それぞれのサンプリングアーム113及び113は、それぞれの局所サンプリングアーム終端負荷116及び116で終端される。次に、信号発生器105は、所望の周波数範囲にわたって掃引され、第1の基準受信器201における信号レベルに対する第1のテストチャネル111における信号レベルの比率が測定され、次のような追加のデータ列として記憶される。
f14_thruterm/R1f14_thruterm
f14_thruterm/R1f14_thruterm
次に、伝達スイッチ106は、信号発生器105が第2の信号経路108を刺激し、第1の信号経路107が特性インピーダンス109で終端されるように再構成される(3008)。スイッチ回路網150は、第1のテストチャネル111に接続できる選択された対の測定ポート、すなわち測定ポート103が、局所終端負荷104で終端されるように構成される。第2のテストチャネル112に接続できる選択された対の測定ポート(図示の例では測定ポート103)は、第2の信号経路108に接続される。次に、信号発生器105が所望の周波数範囲にわたって掃引され、第2の基準受信器202における信号レベルに対する、第2のテストチャネル112における信号レベルの比率が測定され、次のような追加の列として記憶される。
r14_thruterm/R2r14_thruterm
r14_thruterm/R2r14_thruterm
図示のような2N=4ポートの特定の例では、さらなる較正測定は必要ない。ポートが5つ以上ある実施形態では、残りの選択された対について、類似の測定およびデータ記憶ステップが実施される(3010)。
図18には、VNA200の任意の第1のポートと任意の第2のポートの間のTRL較正フロー図が示されている。マルチポートの1実施形態は、X誤差アダプタ1910用の方向性(directivity。または、指向性。以下同じ)1901、信号源整合(source match)1902、および反射トラッキング誤差係数1903と、Y誤差アダプタ1920用の方向性1904、信号源整合1905、および反射トラッキング誤差係数1906を表す異なる較正フロー図を有する。本教示に従う方法の1実施形態は、各直接対ごとにX誤差アダプタ1910とY誤差アダプタ1920を決定する。フロー図は、直接対の第1の測定ポート103についての誤差アーティファクトに対応するX誤差アダプタ1910についてのSパラメータ行列Sと、直接対の第2の測定値ポート103についての誤差アーティファクトに対応するY誤差アダプタ1920についてのSパラメータ行列Sを表す。
Sパラメータ行列Sactは、X誤差アダプタ及びY誤差アダプタが寄与しない実際の較正標準器のSパラメータを表す。X誤差アダプタのSパラメータ行列は、DUT101を考慮する場合には、以下の既知の変換を使用してTパラメータとして表わすことができる。
Figure 2006201172
これにより、行列Sxを、Txとして表わした対応するTパラメータに変換することができる。行列Tact_thruがスルー601のTパラメータを表わし、Tmeas_thruがX誤差アダプタ及びY誤差アダプタに関連して測定されたスルー601のTパラメータを表わす場合は、次の関係が成り立つ。
act_thru=Tmeas_thru (2)
同様に、行列Tact_lineが、線路401のTパラメータを表わし、Tmeas_lineが、X誤差アダプタとY誤差アダプタに関連して測定された線路401のTパラメータを表わす場合は、次の関係が成り立つ。
act_line=Tmeas_line (3)
以下の関係、すなわち、
act_x=Tact_lineact_thru −1 (4)、及び
meas_x=Tmeas_linemeas_thru −1 (5)
を定義すると、以下の式を書くことができる。
act_x=Tmeas_x (6)
スルー601と線路401がそれぞれ完全に整合していると仮定する。したがって、それぞれの実際のSパラメータ行列の反射係数の値はゼロに設定される。スルー601が非ゼロ長伝送係数を有する場合は、伝送係数は、S21_thru=S12_thruによって定義される。線路401は、S21_line=S12_lineによって定義された伝送係数を有する。したがって、式(4)から、Tact_xを次のように表わすことができる。
Figure 2006201172
終端されていないスルー601と線路401の測定値はそれぞれ、測定され記憶された結果の8つの周波数依存列を提供する。4つのスルー順方向反射および伝送列と、4つのスルー逆方向反射および伝送列がある。スルー601についての測定データ列は、Tmeas_x行列を計算する前に信号伝達スイッチ106の存在を補償するために、Sパラメータ領域のアルゴリズム的表現に使用される。Smeas_lineとSmeas_thruは両方とも、次に示す式によって補正される。
Figure 2006201172
この場合、A、B、R1、およびR2は、信号伝達スイッチ106が信号発生器105を第1の信号経路107に向けているときの順方向の生測定データであり、A、B、R1、およびR2は、信号伝達スイッチ106が信号発生器105を第2の信号経路108に向けているときの逆方向生測定データである。
ここで、第1の直接対、すなわち測定ポート103と103の測定値を参照すると、第1の直接対に関してX誤差アダプタ及びY誤差アダプタにカスケードをなすように組み合わせて測定されたスルー601の補正されたSパラメータ行列は、本明細書ではSmeas13_thru_correctedと表わされる。式(8)に示した補正式は、列:Af13_thru、Bf13_thru、R1f13_thru、R2f13_thru、Ar13_thru、Br13_thru、R1r13_thru、およびR2r13_thruを使用して、Smeas13_thru_correctedを計算する。式(1)を使用して行列Smeas13_thru_correctedを対応するTパラメータに変換すると、行列Tmeas13_thru_correctedが得られる。第1の直接対の行列Smeas13_line_correctedを得るために、式(8)に示した補正式は、列:Af13_line、Bf13_line、R1f13_line、R2f13_line、Ar13_line、Br13_line、R1r13_line、およびR2r13_lineを使用する。補正されたSmeas13_line_corrected行列を対応するTパラメータに変換すると、行列Tmeas13_line_correctedが得られる。行列Tmeas13_thru_correctedとTmeas13_line_correctedは、式(4)と(5)で使用されて、Tact_xとTmeas_xが計算される。
次に一般的なケースを参照すると、TはX誤差アダプタについてのTパラメータ行列であり、その行列要素によって次のように定義される。
Figure 2006201172
また、Tmeas_xもその行列要素によって定義され、次のように表される。
Figure 2006201172
式(5)から、Tmeas13_xとして表わされる測定ポート103と103のTmeas_xは、行列Tmeas13_thru_correctedとTmeas13_line_correctedを使用して計算される。したがって、
meas13_x=Tmeas13_line_correctedmeas13_thru_corrected −1である。
式(4)の関係を使用して、式(6)の項を代入し、項S21_thru/S21_lineを除去して、次の一般式を書くことができる。
Figure 2006201172

及び、
Figure 2006201172
TパラメータからSパラメータへの変換に基づいて、対応するSパラメータ誤差アダプタ行列の項Tx21/Tx11とTx22/Tx12は、次のように表わすこともできる。
Tx21/Tx11=Sx11=B (13)、及び
Tx22/Tx12=Sx11−Sx12Sx21/Sx22=A (14)
当業者には理解されるように、式(11)と(12)は等しい。解に平方根があるため、2つの可能な数学的解がある。Bで定義される小さい方の値の解は、誤差アダプタXの方向性誤差係数1901に対応する。Aで定義された大きい方の値の解は、信号源整合1902と反射トラッキング1903の数学的組み合わせである。
前述のように、約500MHz以下の周波数では、線路401の寸法がきわめて大きくなり実際的でない。低い方の周波数についての方向性1901、及びAで表される解の計算は、線路601の代わりに2つの高品質整合負荷501から得た測定値を使用する。整合負荷501は、測定ポートと完全に整合しており、ゼロ反射係数を有すると仮定する。式(5)から(14)に示した同じアルゴリズム的表現を使用する。2つの整合負荷による測定結果の使用法を理解するために、スルー601が、S12thru=S12thruによって定義された非ゼロ長伝送係数を有することに注意されたい。整合負荷501は、S211oad=S121oadによって定義された伝送分離係数を有する。整合負荷501の間の高い分離性により、S211oadはゼロ値に近い。したがって、SパラメータをTパラメータに変換する際のゼロ除算のあいまいさを回避するために、S211oadは、きわめて小さい、10−10などの非ゼロ値に設定される。これから、低い方の周波数におけるTact_xを計算することができ、それは次式で与えられる。
Figure 2006201172
前述したように、式(4)と(5)を使用し、結果を式(6)に代入し、項S21_thru/10−10をなくすことによって、式(11)と(12)が得られる。整合負荷501からのSパラメータは、式(8)を使用して補正されて、Smeas13_load_correctedが得られ、これは、次に、式(1)を使用して変換されてTmeas13_load_correctedが得られる。項Tmeas13_load_correctedは、線路401を測定する項の代わりにTmeas13_xを計算するために使用される。したがって、式(11)と(12)の計算は、線路401の場合と同じである。
誤差アダプタYの項を計算するために類似のプロセスが実施される。式(2)と(3)から始めて、次の関係、すなわち、
act_y=Tact_thru −1act_line (16)、及び
meas_y=Tmeas_thru −1meas_line (17)
を定義すると、次の式を書くことができる。
act_y=Tmeas_y (18)
図18を参照すると、Sパラメータに関する誤差アダプタYについてのTパラメータ行列に関する既知の変換は、DUT101を考慮する場合には、次の通りである。
Figure 2006201172
このように、行列SyをTyとして表わされる対応するTパラメータに変換することができる。行列Tmeas13_thru_correctedとTmeas13_line_correctedは、既に計算されており、式(17)で使用されて、次のようにTmeas13_yが計算される。
Figure 2006201172
式(18)を使用し、式(16)と(17)の関係を代入し、項S21thru/S21lineをなくすことによって、第1の直接対に関して次の式を書くことができる。
Figure 2006201172

及び、
Figure 2006201172
式(19)から、誤差アダプタYについての対応するSパラメータに関するTy12/Ty11とTy22/Ty21はまた次の式で与えられる。
Ty12/Ty11=−Sy11=D (23)、及び
Ty22/Ty21=Sy12Sy21/Sy22−Sy11=C (24)
当業者には理解されるように、式(21)と(22)は等しく、平方根のため2つの解を有する。Sy11によって定義される小さい方の値すなわち第1の解は、Y誤差アダプタの方向性誤差に対応する。Cによって定義された大きい方の値すなわち第2の解は、Y誤差アダプタについての、誤差係数Sy12Sy21/Sy22−Sy11に対応する。
図3及び図4に示したような高反射較正標準器を測定する較正手順の一部を参照すると、高反射標準器301が、第1の直接対の一方の測定ポート103に接続され、同じ高反射標準器301が、測定ポート103から切り離されて直接対の他方の測定ポート103に接続される。図18を参照すると、次の式を書くことができる。
Figure 2006201172
この場合、Γmeas_reflect_xは、第1のテストチャネルに接続可能な測定ポート、すなわち、第1の直接対の測定ポート103における高反射標準器301の測定された反射係数であり、Γact_reflect_xは、同じ測定ポート103における高反射標準器の実際の反射係数である。同じ高反射較正標準器301が、第1の直接対の反対(もう一方)のポート(この特定の例では測定ポート103)に接続される。また、誤差アダプタYに関して、次の式を書くことができる。
Figure 2006201172
この場合、Γmeas_reflect_yは、測定ポート103における高反射標準器301の測定された反射係数であり、Γact_reflect_yは、測定ポート103における高反射標準器の実際の反射係数である。測定ポート103についての高反射標準器の測定された反射係数の値(Γmeas_reflect_x)は、以下の測定され記憶された列Areflect_1/R1reflect_1から得ることができる。同様に、測定ポート103についての高反射標準器の測定された反射係数の値(Γmeas_reflect_y)は、以下の測定され記憶された列Breflect_3/R2reflect_3から得ることができる。同じ高反射標準器が測定ポート103と103に接続されるので、式(25)においてΓact_reflect_xについて解き、式(26)においてΓact_reflect_yについて解き、項Γを互いに等しく設定することができる。得られた関係と式(13)、(14)、(23)、(24)、(25)、および(26)から、次の関係を書くことができる。
Figure 2006201172
当業者には理解されるように、式(27)は、2つの未知の項を有するが、Sx22をSy22で表すことができる。したがって、これらの2つの未知の項について解くには別の関係が必要である。
図7及び図18を参照すると、次の式を書くことができる。
Figure 2006201172
この場合、Γmeas_thru11は、第1のテストチャネル111に接続できる第1の直接対の測定ポートについてAf13_thru/R1f13_thruとして測定される。式(13)、(14)、(23)、および(24)から、次の式を書くことができ、
Figure 2006201172
Sx22を計算することができる。Sx22は、第1の測定ポート103における信号源整合誤差係数である。式(29)が平方根なので、Sx22には2つの解がある。しかしながら、高反射較正標準器の引数(または偏角)の近似値を有するので、正しい選択を行なうことができる。例えば、短絡較正標準器は180度の引数(または偏角)を有していなければならず、開路較正標準器は、ゼロ度の引数(または偏角)を有していなければならない。非ゼロスルー601を使用する場合、反射301の位相回転は、非ゼロスルーの電気長から計算される。この計算から、式(29)によるSx22の正しい解が明らかになる。したがって、反射301のタイプ、短絡路(短路)か開路か、及び、非ゼロスルーの電気長が分かっていなければならない。反射301がオフセット短絡(offset short)である場合、オフセットの位相も分かっている必要がある。
Sx22の値が分かっているときは、Sy22の値を式(27)から計算することができる。Sy22は、第2のテストチャネル112に接続できる測定ポート(この特定の例では測定ポート103)における誤差アダプタYの信号源整合誤差係数である。
Sx22について明確な値が分かっているので、式(13)、(14)および(29)によって誤差アダプタXについての反射トラッキング係数を計算することができ、それは次の式で与えられる。
Sx12Sx21=(B−A)Sx22 (30)
同様に、Sy22についての明確な値と、式(23)、(24)および(27)によって、誤差アダプタYの反射トラッキングを計算することができ、それは次の式で与えられる。
Sy12Sy21=(D−C)Sy22 (31)
プロセスのこの時点で、誤差アダプタXと誤差アダプタYの方向性、信号源整合および反射トラッキングを、各直接対について行われる較正測定から決定して、計算することができる。X誤差アダプタは、第1のテストチャネル111に接続できる測定ポート103と直列に提供される誤差アーティファクトとして定義される。同様に、Y誤差アダプタは、第2のテストチャネル112に接続できる測定ポート103と直列に提供される誤差アーティファクトとして定義される。
特定の4ポート実施形態では、本明細書において測定ポート103と103について述べた測定と計算により、測定ポート103に関連した誤差アダプタXについての方向性、信号源整合、および反射トラッキングが得られ、測定ポート103に関連した誤差アダプタYについての方向性、信号源整合、および反射トラッキングが得られる。第2の直接対についても、測定ポート103と103について本明細書で述べたものと同じ測定と計算が実行される。具体的には、測定ポート103と103について測定と計算が行われ、測定ポート103に関連した誤差アダプタXについての方向性、信号源整合、および反射トラッキングと、測定ポート103に関連した誤差アダプタYについての方向性、信号源整合、および反射トラッキングが得られる。1つのマルチポート実施形態では、各直接対について同じ測定と計算が行われて、第1のテストチャネル111に接続できる直接対の測定ポートに関連した誤差アダプタXについての方向性、信号源整合および反射トラッキングと、第2のテストチャネル112に接続できる直接対の測定ポートに関連した誤差アダプタYについての方向性、信号源整合、および反射トラッキングが得られる。したがって、2NポートDUT100は、N個の異なるX誤差アダプタと、それに関連したN個の異なるY誤差アダプタを有する。
選択された対間に終端されたスルー601が接続された状態で行われる順方向の反射および伝送測定値(ある特定の例では、Af13_termthru/R1f13_termthruとBf13_termthru/R1f13_termthruの列)を用いることによって、第2のテストチャネル112に接続できる測定ポートに現れる負荷整合誤差係数と、第1の直接対についての順方向伝送トラッキング誤差係数を求めることができる。測定ポート103についての負荷整合ΓL3と第1の直接対についての順方向伝送トラッキングτ13は、次のように与えられる。
Figure 2006201172
終端されたスルー601についてなされた逆方向の反射および伝送測定値(第1の直接対の特定の例では、Ar13_termthru/R2r13_termthruとBr13_termthru/R2f13_termthruの列)を使用することにより、第1のテストチャネル111に接続できる測定ポートに現れる負荷整合誤差係数と、第1の直接対についての逆方向伝送トラッキング誤差係数を求めることができる。測定ポート103についての負荷整合ΓL1と逆方向伝送トラッキング係数τ31は次のように与えられる。
Figure 2006201172
図示した特定の実施形態では、第2の直接対について終端されたスルーでなされた測定を使用して、測定ポート103と103に関して述べたのと同じでる、式(32)〜式(35)に示したアルゴリズム的表現が、測定ポート103及び103のすべての直接対に適用される。したがって、第1と第2の直接対をなす各測定ポートについての方向性、信号源整合、反射トラッキングおよびの負荷整合誤差係数と、第1と第2の直接対についての順方向と逆方向の伝送トラッキング誤差係数が決定される。本発明の教示に従う方法の1つのマルチポート実施形態では、すべての直接対における各測定ポートについての方向性、信号源整合、反射トラッキング、および負荷整合誤差係数と、すべての直接対についての順方向および逆方向伝送トラッキング誤差係数が同様に決定される。
選択された対の測定ポート103と103の間に接続されたスルー601の測定を使用して、順方向と逆方向の伝送トラッキング誤差係数τ14及びτ41が決定される。測定され記憶された列Af14_thruterm/R1r14_thru_term及びBf14_thruterm/R1f14_thrutermを、式(33)と類似の式に挿入し、測定され記憶された列Ar14_thruterm/R2r14_thru_term及びBr14_thruterm/R2r14_thrutermを、式(35)と類似の式に挿入する。測定ポート103の各々について既に計算されている負荷整合誤差係数を使用して、選択された対についての順方向と逆方向の伝送トラッキングを次のように計算する。
Figure 2006201172
既に計算されている誤差係数を使用することによって、測定ポートの選択されていない対についての順方向と逆方向の伝送トラッキング係数が得られる。測定ポートの選択されていない対は、選択された対ではない測定ポートの間接対と近接対として定義される。順方向と逆方向の伝送トラッキング係数の導出は、米国特許第5,646,536号に従って実行される(この特許の教示内容は、参照により本明細書に組み込まれるものとする)。N−1個の選択された対の測定、選択された対についての順方向と逆方向の伝送トラッキングの計算、および選択されていない対についての順方向と逆方向の伝送トラッキングの導出によって、マルチポートの場合についてすべての誤差係数が決定される。次に、DUTを測定して、計算し、導出した誤差係数を使用して補正することができる。すべての間接および近接ポート対についてのスルー測定を行うTRL較正には、測定の不確実性を小さくするという利点がある。しかしながら、測定の不確実性の要件に依存して、本教示に従う最少接続TRL較正プロセスが使用可能である。
図19〜図22には、反射標準器301が第1の直接対のうちの一方のポートに接続され(2201)、スイッチ回路網150が、VNA200による刺激に対する反射応答の比率の測定(2202)のために構成された、本発明の教示に従う1方法のフローチャートが示されている。図3を参照されたい。この比率により、所望の周波数範囲内のいくつかの周波数についての値が得られる。その数がデータ列に記憶され、データ列の各要素は、単一の周波数における測定された比率を保持する。次に、反射301が切り離され、直接対の他方のポートに再び接続され(2203)、スイッチ回路網150が再構成され、直接対の他方のポートが刺激され、刺激に対する反射応答の比率が測定され、別のデータ列に記憶される(2204)。図4を参照されたい。好ましい実施形態では、すべての測定値が取得される所望の周波数範囲は同じである。この場合、データ列内の各要素は、所望の周波数範囲に沿った同じ周波数ポイントにおける測定結果を表す。
フローチャートは、同じ直接対のポート間の線路401を接続し(2301)、線路401を測定するためにスイッチ回路網150を構成するステップ2302に続く。VNA200は、第1と第2の基準チャネル201、202並びに、第1と第2のテストチャネル111、112にある直接対の測定ポート103における順方向の反射応答及び伝送応答を測定する(2302)。次に、スイッチ回路網150は、逆方向の測定用に再構成され(2303)、VNA200は、第1と第2の基準チャネル201、202並びに、第1と第2のテストチャネル111、112にある直接対の測定ポート103における逆方向の反射応答及び伝送応答を測定する(2303)。フローチャートには、較正をより低い周波数範囲まで拡げるための図6に示したような整合負荷501の接続と測定は示されていない。
図20、図7および図8を参照すると、フローチャートは、スルー601を同じ直接対の測定ポート103に接続するステップ2401に続く。スイッチ回路網150は、スルー601を順方向測定するように構成され(2402)、順方向の反射応答および伝送応答と基準チャネル信号が測定され、データ列に記憶される。スイッチ回路網150は、次に、逆方向測定用に再構成され(2403)、逆方向の反射応答および伝送応答と基準チャネル信号とが測定され、データ列に記憶される。
図20及び図9を参照すると、スルー601は接続されたままであり、スイッチ回路網150は順方向測定用に再構成される(2501)。この場合、スルー601は、スイッチ回路網150内の局所インピーダンス104に局所的に終端される。基準チャネル信号だけでなく、局所的に終端されたスルー601の順方向の反射応答および伝送応答が測定され、記憶される。スイッチ回路網150は、次に、局所的に終端されたスルー601の逆方向測定のために再構成され(2502)、逆方向の反射応答および伝送応答と基準チャネル信号が測定され記憶される。このプロセスは、測定ポートのすべての直接対について繰り返される(2503)。フローチャートに示したインデックスnとmは、プロセスがすべての直接対に対処するまで増分することを表している。当業者には理解されるように、直接対は、本明細書に示した方法と別の方法で定義されてもよく、その場合、参照数字2504で示したような直接対の終わりまで増分するステップは、別の規則を使用する。次の直接対に向けて増分した後で、直接対がすべて測定されるまで処理ステップが繰り返される(図19の接続部Eを参照)。第2の直接対に対して行われる測定の例示的な表現については、図10〜図16を参照されたい。
図22と図18を参照すると、記憶されたデータ列からX誤差アダプタ1910についての方向性1901、信号源整合1902、および反射トラッキング1903の誤差係数が計算される(2601)。また、記憶されたデータ列から、Y誤差アダプタ1920についての方向性1904、信号源整合1905および反射トラッキング1906の誤差係数が計算される(2602)。次に、この計算結果を使用して、X誤差アダプタとY誤差アダプタの両方について、負荷整合と伝送トラッキング誤差係数が計算される。この計算プロセスがすべての直接対について繰り返される(2604)。
図22と図17を参照すると、使用可能な間接対と近接対からN−1個の選択対が選択される(3002)。次に、第1の選択対の測定ポート103の間にスルー601が接続される(3004)。スイッチ回路網150は、スルー601がスイッチ回路網150で局所的に終端された状態で順方向測定用に構成される(3006)。順方向の反射応答および伝送応答と第1と第2の基準チャネルが測定される。この測定結果が追加のデータ列に記憶される。スイッチ回路網150は、スルー601がスイッチ回路網150に局所的に終端された状態で逆方向測定用に再構成される(3008)。逆方向の反射応答および伝送応答と第1と第2の基準チャネルが測定される。この測定結果がデータ列に記憶される。このプロセスがすべての選択対について繰り返される(2704)。
次に図25を参照する。フローチャートは、各選択対の順方向と逆方向の伝送トラッキング係数を計算するステップ3012に続く。プロセスは、全ての選択対に対処するまで増分する(3010)。選択対と直接対について行われた測定から、すべての選択されていない対(非選択対)についての順方向と逆方向の伝送トラッキングが導出され、マルチポート較正についてすべての系統的誤差係数が得られる。
系統的誤差係数がすべて決定されると、測定のためにDUT101が挿入される(3014)。次に、測定されたDUTデータが、本明細書で教示したように計算されたすべての系統的誤差係数を使用して、’040特許出願の教示に従って補正される(3016)。本明細書の教示に従う方法及び装置は、VNA200を用いてDUT101になされた測定に現れる誤差アーティファクトを補正するための最少接続較正を提供するので有利である。
測定経路を較正するための本発明による方法及び装置は、少なくとも2つの基準受信器(111、112)及び全部で2N個(Nは整数)の測定ポート(103)を有するベクトルネットワークアナライザ(VNA)(100)を提供する。各ポートに関する反射特性は、高反射較正の存在下で測定される(2202)。測定ポートの各直接対に関する前方向及び逆方向の反射特性及び伝送特性は、線路較正標準(401)の存在下で測定され(2302,2303)、測定ポートの各直接対に関する前方向及び逆方向の反射特性及び伝送特性は、スルー較正標準(601)の存在下で測定される。この方法及び装置は、測定ポートの各々について、方向性、信号源整合、負荷整合及び反射トラッキング誤差係数を計算する(2601,2602)。この場合、スルー較正標準(601)は、測定ポートの最大でもN-1個の他の対の間に設けられる(3002)。ここで、N-1個の他の対は、測定ポートの間接対と近接対からなるグループから選択された任意の組合せであり、前方向伝送特性及び逆方向伝送特性が測定される(3006,3008)。次に、測定ポートの組合せからなる他の対の各々についての伝送トラッキング誤差係数が計算される(3012)。
従来技術による試験構成及びVNAを示す図である。 本教示に従う1つの装置を示す図である。 本教示に従う方法の1実施形態における測定ポートの直接対を測定するステップを示す図である。 本教示に従う方法の1実施形態における測定ポートの直接対を測定するステップを示す図である。 本教示に従う方法の1実施形態における測定ポートの直接対を測定するステップを示す図である。 本教示に従う方法の1実施形態における測定ポートの直接対を測定するステップを示す図である。 本教示に従う方法の1実施形態における測定ポートの直接対を測定するステップを示す図である。 本教示に従う方法の1実施形態における測定ポートの直接対を測定するステップを示す図である。 本教示に従う方法の1実施形態における測定ポートの直接対を測定するステップを示す図である。 本教示に従う方法の1実施形態における測定ポートの直接対を測定するステップを示す図である。 本教示に従う方法の1実施形態における測定ポートの直接対を測定するステップを示す図である。 本教示に従う方法の1実施形態における測定ポートの直接対を測定するステップを示す図である。 本教示に従う方法の1実施形態における測定ポートの直接対を測定するステップを示す図である。 本教示に従う方法の1実施形態における測定ポートの直接対を測定するステップを示す図である。 本教示に従う方法の1実施形態における測定ポートの直接対を測定するステップを示す図である。 本教示に従う方法の1実施形態における測定ポートの直接対を測定するステップを示す図である。 本教示に従う方法の1実施形態における選択された測定ポートの対の測定を示す図である。 X誤差アダプタとY誤差アダプタに関する2ポート較正用の誤差係数のフロー図である。 本教示に従う方法の1実施形態における測定ポートの直接対を測定するステップを示す図である。 本教示に従う方法の1実施形態における測定ポートの直接対を測定するステップを示す図である。 本教示に従う方法の1実施形態における測定ポートの直接対を測定するステップを示す図である。 本教示に従う方法の1実施形態における測定ポートの直接対を測定するステップを示す図である。
符号の説明
100 ベクトルネットワークアナライザ
101 DUT
103 測定ポート
105 信号発生器
106 信号伝達スイッチ
201、202 基準受信器
150 スイッチ回路網
301 高反射較正標準器
401 線路較正標準器
501 整合負荷
601 スルー較正標準器

Claims (10)

  1. 測定経路を較正する方法であって、
    少なくとも2つの基準受信器(111、112)と合計2N個(Nは整数)の測定ポート(103)とを有するベクトルネットワークアナライザ(100)を提供するステップと、
    高反射較正標準器(301)を提供し(2201、2203)、前記測定ポートのそれぞれについて反射特性を測定するステップ(2202、2204)と、
    前記測定ポート(103)のN個の直接対の間に線路較正標準器(401)を提供し(2301)、前記測定ポート(103)の前記N個の直接対のそれぞれについて順方向と逆方向の反射特性および伝送特性を測定するステップ(2302、2303)と、
    前記測定ポート(103)の前記N個の直接対の間にスルー較正標準器(601)を提供し(2401)、前記測定ポート(103)の前記N個の直接対のそれぞれについて順方向と逆方向の反射特性および伝送特性を測定するステップ(2402、2403、2501、2502)と、
    前記測定ポート(103)のそれぞれについて、方向性、信号源整合、負荷整合および反射トラッキング誤差係数を計算するステップ(2601、2602、2603)と、
    測定ポートのN−1個以下の他の対の間に前記スルー較正標準器(601)を提供し(3004)、順方向と逆方向の反射特性および伝送特性を測定し(3006、3008)、測定ポートの組み合わせからなる前記N−1個の他の対のそれぞれについて、順方向と逆方向の伝送トラッキング誤差係数を計算するステップ(3012)
    とを含み、
    前記N−1個の他の対は、測定ポートの間接対と近接対からなるグループから選択された任意の組み合わせであることからなる、方法。
  2. 前記測定ポートの前記N個の直接対と前記N−1個の他の対のそれぞれについて、順方向伝送トラッキングと逆方向伝送トラッキングの誤差係数を計算するステップ(3012)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 測定ポートの前記N−1個の他の対の1つではない測定ポートの前記間接対と近接対について伝送トラッキングを導出するステップ(3012)をさらに含む、請求項2に記載の方法。
  4. 請求項2に記載の方法を含む測定方法であって、2Nポート装置(101)を測定するステップ(3014)と、前記測定するステップの結果を、前記方向性、信号源整合、反射トラッキング、負荷整合、順方向伝送トラッキング誤差係数、および逆方向伝送トラッキング誤差係数を使用して補正するステップ(3016)をさらに含む方法。
  5. 前記高反射標準器(301)が短路である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記高反射標準器(301)が開路である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記線路較正標準器(401)が第1の周波数範囲を有する第1の較正標準器であり、前記測定ポートの前記N個の直接対の各測定ポートに第2の周波数範囲を有する第2の較正標準器を提供するステップと、前記測定ポートの前記N個の直接対のそれぞれについて順方向と逆方向の反射特性および伝送特性を測定するステップをさらに含み、それにより前記較正する方法の周波数範囲が拡張される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記測定ポートの前記N個の直接対のそれぞれの測定ポートに2つの整合負荷501を提供するステップと、前記測定ポートの前記N個の直接対のそれぞれについて順方向と逆方向の反射特性を測定するステップをさらに含み、それにより前記較正する方法の周波数範囲がより低い周波数まで拡張される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記測定ポートのそれぞれについて、方向性、信号源整合および反射トラッキングを計算する前記ステップの前に、伝達スイッチの作用に関して、前記線路較正標準器を測定する前記ステップと、前記測定ポートの前記N個の直接対用の前記スルー較正標準器を測定する前記ステップとから前記順方向と逆方向の反射特性および伝送特性を補正するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記補正するステップが、次の式
    Figure 2006201172

    を使用し、ここで、A、A、B、B、R1、R1、R2、R2がそれぞれ、順方向の第1のテストチャネル(111)、逆方向の前記第1のテストチャネル、順方向の第2のテストチャネル(112)、逆方向の前記第2のテストチャネル、順方向の第1の基準チャネル(201)、逆方向の前記第1の基準チャネル、順方向の第2の基準チャネル(202)、および逆方向の前記第2の基準チャネルによって取得された測定値である、請求項9に記載の方法。
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