JP4251716B2 - 系統連系インバータ - Google Patents

系統連系インバータ Download PDF

Info

Publication number
JP4251716B2
JP4251716B2 JP15254599A JP15254599A JP4251716B2 JP 4251716 B2 JP4251716 B2 JP 4251716B2 JP 15254599 A JP15254599 A JP 15254599A JP 15254599 A JP15254599 A JP 15254599A JP 4251716 B2 JP4251716 B2 JP 4251716B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
current
power
output current
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP15254599A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000350466A (ja
Inventor
圭吾 鬼塚
正樹 萬里小路
功 森田
久 時崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP15254599A priority Critical patent/JP4251716B2/ja
Publication of JP2000350466A publication Critical patent/JP2000350466A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4251716B2 publication Critical patent/JP4251716B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)
  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)
  • Inverter Devices (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽光発電装置などの発電した直流電力を系統電源へ供給する系統連系インバータに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、太陽光発電装置を商用電力系統に接続(連系)させる系統連系発電装置などの系統連系システムが普及しつつある。このような系統連系システムでは、太陽電池によって発電した直流電力をインバータ装置によって交流電力に変換して系統へ回生させるようにしている。
【0003】
一方、系統連系システムでは、例えば1周期分の出力電流の目標値が設定されており、この目標値となるデータがROMテーブルとして記憶されており、このROMテーブルのデータに基づいてインバータ装置のスイッチング素子を駆動する時のオン時間(オンデューティ)を設定することにより、目標値に応じた電流を出力できるようにしている。
【0004】
ところで、系統電源や系統電源に接続されている負荷には、トランスが設けられている。このようなトランス、特に系統電源のラインに設けられているトランスでは、交流電力に直流成分が混じることにより異常電流が発生する恐れがある。
【0005】
しかしながら、直流電力を系統電源の電圧に応じた交流電力に変換すると、系統電源の電圧波形が正規の波形となっていないと直流成分が出力されてしまうことがあり、系統連系システムに対しては、直流成分を最小限に抑えることが要求されている(例えば、直流電流を定格出力電流の1%以下)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、系統電源の電圧波形に関らず直流成分を除去した電力の出力が可能となるインバータ装置を提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、1周期内で所定の時間間隔毎に設定されているオン時間の目標値に基づいてスイッチング素子をオン/オフ駆動して、直流電力を系統の電源周波数に基づいた交流電力に変換して系統へ出力する系統連系インバータであって、出力される前記交流電力電流値を検出する検出手段と、前記検出手段によって所定のサンプリング周期で検出される前記交流電力の1周期分の電流値の瞬時値を積算する積算手段と、前記積算手段によって積算した1周期分の積算値に基づいて前記交流電力に含まれる直流成分を減少させるように前記オン時間の目標値を補正する第1の補正手段と、前記第1の補正手段によって補正された前回の前記オン時間の目標値から目標電流値を演算する演算手段と、前記第1の補正手段によって補正された前記オン時間の目標値を、前記目標電流値と前記検出手段によって検出される電流値の差に基づいて補正して前記スイッチング素子をオン/オフ駆動する前記オン時間を設定する第2の補正手段と、を含む。
【0008】
この発明によれば、予め設定されて記憶されている所定の時間間隔の目標値に基づいてスイッチング素子のオン時間を設定し、スイッチング素子をオン/オフ駆動することにより、目標値によって定まる電流波形の交流電力を出力する。
【0009】
このとき、本発明では、検出手段によって検出する出力電力の電流値に基づいて、出力電力中の直流成分が減少するように目標値を補正する。これにより、直流成分を確実に除去し、直流成分をほとんど含まない出力電力が得られる。
【0010】
第1の補正手段は、前記検出手段によって所定のサンプリング周期で検出した電流値の瞬時値を積算した1周期分の積算値に基づいて前記オン時間の目標値を補正する。
【0011】
これにより、直流成分を含まない電力は1周期内の出力電流の積算値が「0」となる。したがって、電流の積算値が「0」に近づくように1周期分のオン時間の目標値をシフトすることにより、出力電流の波形を目標値の波形に近づけ、出力電力に含まれる直流成分を減少させることができる。
【0017】
また、第2の補正手段は、前記所定の時間間隔で検出した電流値と、前記検出手段の検出結果と前記目標値または前記補正された目標値に基づいて演算された電流値とを比較し、この比較結果に基づいてスイッチング素子のオン時間を設定する。
【0018】
すなわち第1の補正手段によって補正したオン時間の目標値に基づいた電流値と検出手段によって検出した電流値との差を求め、この差に基づいてスイッチング素子を駆動するオン時間の目標値を補正することにより、出力電流の波形を目標値の波形に近づけ、実質的に直流成分を含まない出力電力を得ることができる。
【0019】
これにより、本発明では、出力電流に含まれる直流成分を減少させるように目標値の補正を繰り返すことにより、出力電流から徐々に直流成分を除去して、直流成分をほとんど含まない交流電力を出力することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る系統連系インバータの実施の形態を説明する。
【0021】
図1には、本発明を適用した太陽光発電装置10の概略構成を示している。太陽光発電装置10は、それぞれが太陽電池セルを連結して形成されている複数の太陽電池モジュールを接続した太陽電池アレイによって構成されている太陽電池12と系統連系インバータ(以下「インバータ14」と言う)とを備えている。なお、図1では、複数のモジュールによって形成されている太陽電池アレイを接続した太陽電池12を示している。
【0022】
太陽光発電装置10は、太陽電池12の個々の太陽電池セルが太陽光を受光することにより発電した直流電力を、インバータ14によって商用電力系統(以下「系統電源16」と言う)に応じた周波数の交流電力に変換する。
【0023】
太陽光発電装置10は、例えば図示しない分電盤を介して系統電源16に接続され、この分電盤を介して、発電電力を系統電源16へ回生させている。このとき、太陽光発電装置10は、解列コンダクタ30、保護継電器54及び図示しない配線用遮断器を介して系統電源16のラインに接続され、解列コンダクタ30ないし保護継電器54によって系統電源16からの切り離しが行える。これにより、系統電源16で発生した異常がインバータ14に波及しないようにしている。なお、本実施の形態に適用した太陽光発電装置10は、200Vの交流電力を単相三線100V/200Vの系統電源16のラインへ供給する。
【0024】
太陽光発電装置10のインバータ14は、インバータ回路20及びインバータ回路20等を制御するマイクロコンピュータ(以下「マイコン22」と言う)を備えている。太陽電池12によって発電された直流電力は、逆流防止用のダイオード24、保護用の遮断器(NFB)25及びノイズフィルタ26を介してインバータ回路20へ供給される。
【0025】
インバータ回路20に入力される直流電力は、インバータ回路20で系統電源16とほぼ同じ周波数の交流電力に変換されて出力される。インバータ回路20から出力される交流電力は、フィルタ回路28及びノイズフィルタ29を介して系統電源16のラインへ出力される。すなわち、太陽光発電装置10は、トランスを介さずにインバータ14が系統電源16に接続されるトランスレス方式を用いている。
【0026】
一方、インバータ回路20では、直流電力をPWM理論に基づいてスイッチングして系統電源16とほぼ同じ周波数の擬似正弦波を出力する。マイコン22には、インバータ回路20と共に、太陽電池12の発電電力の電圧を検出するアイソレーションアンプからなる発電電圧検出部32、太陽電池の発電電力の直流電流を検出する変流器(CT)からなる発電電流検出部34、インバータ回路20から出力される交流電流(出力電流)を検出する出力電流検出部38、変圧器(PT)によって系統電源16の系統電圧、電圧波形及び周波数を検出する系統電圧検出部40が接続されている。なお、出力電流検出部38は、変流器(CT)と分圧抵抗とで構成され、分圧電圧(電流値)が直接マイコン22のA/D(アナログ/デジタル)入力ポートへ印加される。マイコン22は、このA/D入力ポートに印加される電圧(電流値)を所定の周期(例えば1/220sec)でスキャンし、瞬時値として取り込む。このときのA/D入力ポートのデジタル側は10bitもあれば良い。
【0027】
また、インバータ回路20には、IGBT等のスイッチング素子42Xa、42Xb、42Ya、42Yb(以下総称するときには、「スイッチング素子42」と言う)がブリッジ接続されて設けられており、また、スイッチング素子42のそれぞれに対応してダイオード(フライホイールダイオード)44が設けられている。
【0028】
マイコン22は、発電電圧検出部32及び発電電流検出部34によって検出する発電電力と、電圧波形検出部40によって検出した電圧に基づいて、インバータ回路20のスイッチング素子42を駆動するスイッチング信号のデューティ比を制御する。インバータ回路20のスイッチング素子42のそれぞれは、マイコン22から出力されるスイッチング信号に応じてオン/オフ駆動される。
【0029】
これにより、インバータ回路20からは、電圧波形検出部40の検出した電圧のゼロクロスに合わせて電圧及び位相が系統電源16と一致した交流電力が出力されるようにしている。また、スイッチング素子42のオン/オフによってインバータ回路20から出力される交流電力の電圧波形はノコギリ波状となっており、フィルタ回路28が、このインバータ回路20の出力電力から高調波成分を除去して、所定の波形の交流電力を出力する。
【0030】
なお、インバータ回路20とノイズフィルタ26の間に昇圧回路を設け、太陽電池12の発電電力を昇発回路によって系統電圧に応じた所定の電圧の直流電力に昇圧した後に、インバータ回路20に入力するようにしても良い。
【0031】
図2に示されるように、マイコン22には、PWM理論に基づく正弦波信号を得るためのスイッチング信号を生成する信号生成部50が設けられている。なお、図2では、信号生成部50の機能ブロック図を示している。
【0032】
信号生成部50は、予め設定している電流波形を生成するためのデータ(オン/オフ信号のパターン)を記憶するROM52(以下記憶されているデータを「ROMデータ」とする)と、ROM52からROMデータを読み出し、このROMデータに基づいてスイッチング信号を生成するコントロール部56及び、コントロール部56から出力されるスイッチング信号に基づいてスイッチング素子42を駆動する駆動部58を備えている。なお、インバータ14では、スイッチング素子42を10kHz〜15kHzのスイッチング信号によって駆動するようにしている。
【0033】
コントロール部56は、系統電源16の周波数fs(例えば系統電源16の電源周波数が50Hzのときにはfs=50Hz)に対する位相及び系統電源16の電源電圧に合わせた交流電力を出力する。このとき、コントロール部56では、ROM52に記憶されているROMデータに基づいてスイッチング素子42をオンする時間(オンデューティ)を設定している。
【0034】
このスイッチング信号は、スイッチング信号Xaとして出力されるとともに、このスイッチング信号Xaに対して位相を180°ずらしたスイッチング信号Yaとして出力される。また、スイッチング信号Xa、Yaのそれぞれは、インバータ64へ入力され、スイッチング信号Xa、Yaを反転したスイッチング信号Xb、Ybを出力する。駆動部58は、このスイッチング信号Xa、Xb、Ya、Ybによってスイッチング素子42Xa、42Xb、42Ya、42Ybをスイッチング(オン/オフ)する。これにより、インバータ14では、系統電源16の周波数及び電圧に応じた電力を出力する。
【0035】
一方、解列コンタクタ30は、マイコン22に接続されており、マイコン22は、この解列コンタクタ30によって太陽光発電装置10と系統電源16の接続及び切り離しを行なうようになっている。例えば、マイコン22は、太陽電池12による発電電力が少ないか発電しておらず、インバータ14の作動が停止しているときには、太陽光発電装置10と系統電源16とを切り離し、また、インバータ14が作動を開始する直前に、太陽光発電装置10と系統電源16を接続する。
【0036】
また、マイコン22は、系統電源16の電圧上昇、電圧低下、周波数上昇、周波数低下を検出すると、解列コンダクタ30ないし保護継電器54を操作してインバータ14と系統電源16を切り離して系統連系保護を行うようになっている。なお、電圧上昇、電圧低下、周波数上昇、周波数低下に対しては、予め整定値が設定されており、系統電源16の電圧ないし周波数がこの整定値に達すると、系統連系保護を行う。
【0037】
なお、太陽光発電装置10の構成及び制御は、従来公知の構成及び制御方法を適用でき、本実施の形態では詳細な説明を省略する。
【0038】
ところで、コントロール部56のROM52には、例えば正弦波などの予め設定している電流波形を生成するときのスイッチング信号のオン時間(オンデューティ)の目標値がROMデータとして記憶されており、このROMデータが位相に基づいて読み出される。インバータ14では、このROMデータに基づいたオンデューティのスイッチング信号によってスイッチング素子42が駆動されることにより、ROMデータに基づいた所定の電流及び電流波形の電力を出力する。このROMデータは、例えば正弦波などのように直流成分を含まない予め規定された電流波形に基づいて設定されている。
【0039】
一方、コントロール部56には、系統電圧検出部40によって系統電圧が入力されると共に、出力電流検出部38から出力電流が入力されるようになっている。コントロール部56は、スイッチング信号を生成するときに、この出力電流に基づいてROMデータを補正し、出力電流が系統電源の影響を受けて直流成分を含んだ電力を出力するのを防止するようにしている。
【0040】
すなわち、コントロール部56には、出力電流積算部60及び補正部62が設けられている。出力電流積算部60では、出力電流検出部38によって検出する出力電流Ioを所定のサンプリングタイムで読み込んで、1周期分の出力電流の積算値Iwを積算し、出力電流に直流成分が含まれているか否かを判断する。
【0041】
補正部62は、この出力電流積算部60で直流成分が含まれていると判断されると、積算値Iwに基づいて出力電流から直流成分を除去するようにROMデータをシフトして補正する。
【0042】
例えば、出力電流積算部60で積算された電源周波数の1周期分の積算値Iwが、「0(Iw=0)」となっていれば、出力電流に直流成分が含まれていないと判断するが、積算値Iwが正の値(Iw>0)となっているときには、出力電流に正の直流成分が含まれていると判断し、ROM52から読み出したROMデータを、正の電流成分が減少する方向へシフト(正側の電流値が低くなる方向)するように補正する。また、積算値Iwが負の値(Iw<0)となっているときには、出力電流に負の直流成分が含まれていると判断し、ROM52から読み出したROMデータを、負の電流成分が減少する方向(正側の電流値が高くなる方向)へシフトするように補正する。
【0043】
一方、コントロール部56には、電流差演算部66が設けられている。この電流差演算部66では、ROMデータまたは積算値Iwに基づいて補正したROMデータ(以下データDsとする)からインバータ14の目標出力電流値Ia、すなわち、データDsに基づいてスイッチング素子42を駆動することにより出力される電流値を演算すると共に、演算した目標出力電流値Iaと、出力電流検出部38で検出した実際の出力電流値Isを比較する。
【0044】
コントロール部56の補正部62では、この比較結果に基づいて、次のスイッチング信号を生成する時のDsをさらに補正する。すなわち、目標出力電流値Iaと出力電流値Isの差がほとんどなければ(Ia−Is=0)、インバータ14からの出力電流に直流成分が含まれていないと判断するが、目標出力電流値Iaと出力電流値Isに差が生じているときには、インバータ14からの出力電流に直流成分が含まれていると判断し、電流差に基づいてスイッチング信号を生成するときのデータDsを補正する。
【0045】
すなわち、出力電流値Isよりも目標出力電流Iaが高い時には、出力電流に正の直流成分が含まれていると判断し、次のスイッチング時の出力電流値が小さくなるようにデータDsを補正し、この補正したデータに基づいてスイッチング信号を生成する。また、出力電流値Isよりも目標出力電流値Iaが低いときには、出力電流に負の直流成分が含まれていると判断し、次のスイッチング信号の電流値がインバータ14の出力電流値が高くなるようにデータDsを補正し、この補正したデータに基づいてスイッチング信号を生成する。
【0046】
これにより、コントロール部56では、インバータ14の出力電力に含まれる直流成分を減少させ、直流成分をほとんど含まない電力を系統電源16へ出力するようにしている。
【0047】
以下に、本実施の形態の作用として、インバータ14の出力電力からの直流成分の除去を説明する。なお、ROM52には、1周期分のROMデータとして例えば720個のデータを記憶しており、また、コントロール部56では、スイッチング信号の周期に合わせた間隔でROMデータを読み込む。例えば、スイッチング信号の周期を11kHzとしてあるときに、電源周波数50Hz(fs=50Hz)で、1周期について220個のデータを読み出してスイッチング信号を生成する。
【0048】
図3に示されるフローチャートでは、最初のステップ100でROMデータの補正値を設定する。図4には、ROMデータの補正値設定処理の概略を示している。
【0049】
このフローチャートでは、最初のステップ120で積算値Iwをリセットすると、次のステップ122では、所定のサンプリング間隔で出力電流検出部38で検出される出力電流の瞬時値(電流値Is)を読み込み、ステップ124で、この瞬時値を有符号で積算する。また、ステップ126では、電源周波数fsの1周期分の積算が完了したかを確認する。
【0050】
これにより、電源周波数fsの1周期分の電流値の積算が終了(ステップ126で肯定判定)すると、ステップ128へ移行し、積算値Iwが「0」か否かを確認し、積算値IwがIw=0であるときには、ステップ128で肯定判定してステップ130へ移行し、補正なしと設定する。
【0051】
これに対して、積算値Iwが「0」でないとき(ステップ126で否定判定)には、ステップ132へ移行して、積算値Iwが正か負かを確認し、積算値Iwが正のとき(Iw>0、ステップ132で肯定判定)には、ステップ134へ移行して、ROMデータを下げる方向に補正するように設定する。
【0052】
また、積算値Iwが負であるとき(Iw<0、ステップ132で否定判定)には、ステップ136へ移行してROMデータを上げる方向へ補正するように設定する。なお、ROMデータの補正量は、積算値Iwの絶対値に基づいてシフトするように設定しても良く、予め設定している補正量分だけシフトするように設定しても良い。
【0053】
図3に示されるフローチャートでは、このようにして設定されている補正値を読み込む。この後、ステップ102からステップ116は、スイッチング信号の出力間隔、すなわちスイッチング周期に基づいて実行され、これにより、スイッチング周期でスイッチング素子42が駆動される。
【0054】
このために、ステップ102では、前回のスイッチング信号を生成するときの補正前のROMデータ読み込み、この補正されていないROMデータから目標電流値Iaを演算する(ステップ104)。また、ステップ106では、前回のROMデータにもとづいて生成したスイッチング信号によってインバータ14から出力された出力電流値Isを出力電流検出部38から読み込み、ステップ108では、目標電流値Iaと出力電流値Isの差を算出する。
【0055】
一方、ステップ110では、ROM52から次のスイッチング信号のROMデータを読み出し、ステップ112で、このROMデータを積算値Iwに基づいて補正し、データDsを生成する。
【0056】
次のステップ114では、このデータDsをステップ104で演算した目標電流値Iaと出力電流値Isの差に基づいて補正する。
【0057】
次のステップ116では、このように補正したデータに基づいてスイッチング信号を生成し、スイッチング素子42を駆動する。また、ステップ118では、電源周波数fsの1周期分の処理が終了したか否かを確認し、1周期分のスイッチング素子の駆動を終了し、ステップ118で肯定判定されると、ステップ100で移行して、次の周期に対する補正値の設定を行う。
【0058】
すなわち、電源周波数fsの1周期毎に設定した補正に加えて、スイッチング信号を生成する毎にROMデータの補正を行い、スイッチング信号を生成する毎のオンデューティの変化を抑えながら、出力電流の直流成分を迅速に除去するようにしている。
【0059】
このようにして、スイッチング信号を出力することにより、例えば、図5(A)に示されるように、負の直流成分を含むことにより出力電流が実線で示すように、全体的に負側にシフトしているときには、二点鎖線で示す出力電流の目標値であるROMデータを、破線で示すように正側にシフトするように補正する。
【0060】
また、図5(B)に示すように、正の直流成分が含まれることにより出力電流が正側にシフトしているときには、出力電流が負側にシフトするようにROMデータを補正する。
【0061】
これにより、出力電流は、直流成分が含まれていないROMデータの目標値に近づけられる。すなわち、出力電流の直流成分が減少される。
【0062】
また、スイッチング周期毎にスイッチング信号を生成するときには、前回のスイッチング信号を生成する時のROMデータによる目標電流値Iaと、実際の出力電流値Isの比較を行い、この比較結果に基づいて次のスイッチング信号を補正する。例えば、前回の目標電流値Iaに対して出力電流値Isが小さければ、出力電流に負の直流成分が含まれると判断し、次のスイッチング時には、この負の直流成分を抑え、出力電流値Isを目標電流値Iaに近づけるようにする。また、前回の目標電流値Iaに対して出力電流値Isが大きければ、出力電流に正の直流成分が含まれると判断し、次のスイッチング時には、この正の直流成分を抑え、出力電流値Isが目標電流値Iaに近づけるようにする。
【0063】
これにより、出力電流を、直流成分を含んでいないROMデータに基づいた電流値に近づけることができ、より一層の直流成分の除去と出力電流の波形成形が可能となる。
【0064】
このように、インバータ14では、出力電流検出部38によってインバータ14から出力される電流値を正確に検出することにより、出力電流に直流成分が含まれているか否かを適切に判定することができ、この判定結果及び検出した出力電流値に基づいてスイッチング信号を生成することにより、直流成分を含まない適正な出力電力が得られるようにすることができる。
【0065】
なお、本実施の形態では、インバータ14の出力電力に直流成分が含まれているか否かを出力電流の積算値に基づいて判断し、この判断結果に基づいて出力電力から直流成分を除去するようにROMデータを補正したが、直流成分の有無の判断及びROMデータの補正は、これに限るものではない。
【0066】
出力電力の電流波形に大きな変形がなく予め規定している正弦波などのように正の半サイクルと負の半サイクルが相似している波形に近い時には、出力電流の正側の最大値と負側の最大値に基づいて直流成分が含まれているかを判断し、直流成分が含まれていると判断できるときには、この最大値の差に基づいてROMデータを補正するようにしても良い。
【0067】
すなわち、図6に示されるように、出力電流積算部60に換えて、最大値検出部70を設けても良い。図7(A)及び図7(B)に示されるように、最大値検出部70は、正側の半サイクルの最大値I+MAXと、負側の半サイクルの最大値I-MAXを検出し、この差が略同じになるようにROMデータの目標電流値をシフトし、スイッチング信号を生成することにより、出力電流が目標電流に近づくようにし、出力電流から直流成分を除去する。
【0068】
また、図8に示されるように、出力電力積算部60に換えて時間計測部72を設けても良い。図9(A)及び図9(B)に示されるように、時間計測部72は、正側の半サイクルの時間T1と、負側の半サイクルの時間T2を計測し、この計測結果に基づいて時間T1と時間T2が等しくなるようにROMデータを補正して、スイッチング信号を生成することにより、出力電流を目標電流に近づけて、出力電流から直流成分を除去する。
【0069】
なお、以上説明した本実施の形態では、太陽電池12によって発電した直流電力を系統電源16に応じた交流電力に変換するインバータ14を備えた太陽電池発電装置10を用いて説明したが、本発明では、直流電力を交流電力に変換する種々の構成の系統連系発電装置に適用することができる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、出力電流の電流値を検出し、この検出結果に基づいてスイッチング素子のオン時間の目標値を補正することにより、出力電力から直流成分を除去して、系統電源に応じた適正な交流電力を出力することができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に適用した太陽光発電装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】スイッチング信号生成部の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図3】スイッチング信号の生成の概略を示す流れ図である。
【図4】出力電流値の積算及び積算結果に基づいた直流成分の有無の判定を示す流れ図である。
【図5】(A)及び(B)は、出力電流、目標値及び出力電流の積算値に基づいて補正した目標値による電流波形の概略を示す線図であり、(A)は出力電流に負の直流成分を含む例を示し、(B)は出力電流に正の直流成分を含む例を示している。
【図6】出力電流の最大値に基づいて目標値を補正する例を示すスイッチング信号生成部の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図7】(A)及び(B)は、出力電流、目標値及び出力電流の最大値に基づいて補正した目標値による電流波形の概略を示す線図であり、(A)は出力電流に負の直流成分を含む例を示し、(B)は出力電流に正の直流成分を含む例を示している。
【図8】出力電流の正側の半サイクルの時間と負側の半サイクルの時間との差に基づいて目標値を補正する例を示すスイッチング信号生成部の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図9】(A)及び(B)は、出力電流、目標値及び出力電流の正側の半サイクルの時間と負側の半サイクルの時間との差に基づいて補正した目標値による電流波形の概略を示す線図であり、(A)は出力電流に負の直流成分を含む例を示し、(B)は出力電流に正の直流成分を含む例を示している。
【符号の説明】
10 太陽光発電装置
12 太陽電池
14 インバータ(系統連系インバータ)
16 系統電源
20 インバータ回路
22 マイコン
38 出力電流検出部
42 スイッチング素子
50 スイッチング信号生成部
52 ROM
56 コントロール部
60 出力電流積算部
62 補正部
66 電流差演算部
70 最大値検出部
72 時間計測部

Claims (1)

  1. 1周期内で所定の時間間隔毎に設定されているオン時間の目標値に基づいてスイッチング素子をオン/オフ駆動して、直流電力を系統の電源周波数に基づいた交流電力に変換して系統へ出力する系統連系インバータであって、
    出力される前記交流電力電流値を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって所定のサンプリング周期で検出される前記交流電力の1周期分の電流値の瞬時値を積算する積算手段と、
    前記積算手段によって積算した1周期分の積算値に基づいて前記交流電力に含まれる直流成分を減少させるように前記オン時間の目標値を補正する第1の補正手段と、
    前記第1の補正手段によって補正された前回の前記オン時間の目標値から目標電流値を演算する演算手段と、
    前記第1の補正手段によって補正された前記オン時間の目標値を、前記目標電流値と前記検出手段によって検出される電流値の差に基づいて補正して前記スイッチング素子をオン/オフ駆動する前記オン時間を設定する第2の補正手段と、
    を含む系統連系インバータ。
JP15254599A 1999-05-31 1999-05-31 系統連系インバータ Expired - Lifetime JP4251716B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15254599A JP4251716B2 (ja) 1999-05-31 1999-05-31 系統連系インバータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15254599A JP4251716B2 (ja) 1999-05-31 1999-05-31 系統連系インバータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000350466A JP2000350466A (ja) 2000-12-15
JP4251716B2 true JP4251716B2 (ja) 2009-04-08

Family

ID=15542812

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15254599A Expired - Lifetime JP4251716B2 (ja) 1999-05-31 1999-05-31 系統連系インバータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4251716B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6459678B2 (ja) * 2015-03-19 2019-01-30 アイシン精機株式会社 分散型電源の系統連系装置
CN117060490A (zh) * 2023-08-18 2023-11-14 合肥开关厂有限公司 一种储能系统直流偏置抑制单相逆变器的控制方法及装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000350466A (ja) 2000-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6838611B2 (en) Solar battery module and power generation apparatus
EP2234264B1 (en) Power conditioner and solar photovoltaic power generation system
KR100763135B1 (ko) 태양광 발전 시스템 및 그 제어방법
JP3979278B2 (ja) 系統連系インバータ装置
CN103384958B (zh) 功率转换装置
KR101410508B1 (ko) 태양광 발전 시스템의 직류 지락 검출 회로
US20150130379A1 (en) Ground fault detecting circuit and power converting device including the same
CN103392291B (zh) 功率转换装置
JP2008289211A (ja) 系統連系インバータ装置
JP5398233B2 (ja) インバータの単独運転検出装置および単独運転検出方法
WO2015015532A1 (ja) 電力変換装置
JP6842953B2 (ja) 電力変換装置
KR101878669B1 (ko) 계통 연계형 태양광 발전 장치 및 이의 구동 방법
JP5659290B2 (ja) 太陽光発電システム
CN112352366A (zh) 不间断电源装置
JP4251716B2 (ja) 系統連系インバータ
JP5381897B2 (ja) 系統連系インバータ
JP2007097311A (ja) 系統連係装置
WO2012073582A1 (ja) 系統連系パワーコンディショナ
JP2011193704A (ja) 直流−交流電力変換装置
JP2000236623A (ja) 過電圧検出装置
JP4315529B2 (ja) 系統連系システム
JP5381898B2 (ja) 系統連系インバータ
JP4614489B2 (ja) 系統連系インバータ
JP2021175200A (ja) 電力変換装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080704

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080708

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080905

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081224

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090120

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4251716

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120130

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130130

Year of fee payment: 4

EXPY Cancellation because of completion of term