JP4250015B2 - 樹脂製フロアパネル構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば自動車等の車両の床面に適用される樹脂製フロアパネル構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、自動車等の車両のフロア(床面)は、従来、鋼板製のフロアパネルで構成されている。
しかしながら、近年では、燃費効率の一層の向上を図る等のために、より一層の車体の軽量化が求められており、かかる要請に応える一環として、車両のフロアについても、フロアパネル自体を樹脂製とすることで軽量化を図ることが試みられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平2001−10542公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、フロアパネル自体を鋼板製のものに替えて樹脂製とすることにより、車両のフロア部分の軽量化を図ることができるのであるが、その反面、強度および剛性が低下するという問題がある。
特に、例えば車両のリヤフロアパネルなど、スペアタイヤを収納し固定するために凹状の収納部が設けられたフロアパネルを樹脂製とした場合、重量のあるスペアタイヤを載置し支持する収納部底面の強度・剛性が、一般に不足しがちになる。
【0005】
また、スペアタイヤをスペアタイヤ収納部に収納し、例えば図14に示すように、固定ボルト55を用いてその底面Sb’の固定部50にスペアタイヤ(不図示)を固定する際に、固定ボルト55を螺合させる雌ネジ部52を設けたボス部51の付け根部分あるいはその近傍に応力集中が生じるので、この部分に割れ等の損傷が生じ易いという問題がある。
【0006】
かかる問題に対して、樹脂製フロアパネルの板厚を厚くして補強することが考えられるが、むやみに厚くすれば、重量増加や製造コストの上昇を招き、フロアパネルを樹脂製としたことによる利点が失われかねないという問題があった。
【0007】
この発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたもので、スペアタイヤ収納部が一体的に形成されたフロアパネルを樹脂製とした場合について、比較的簡単な構成で重量増加も招くことなく、スペアタイヤ収納部の底面部を補強できるようにすることを、基本的な目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため、本願発明は、スペアタイヤ収納部が一体的に形成され、車両の床面に適用される樹脂製のフロアパネルの構造であって、上記スペアタイヤ収納部はスペアタイヤを載置する底面部と、該底面部から立ち上がる周縁壁部とで構成されており、上記スペアタイヤ収納部の底面部に複数のビード部が設けられ、稜線またはその仮想延長線が互いに交わるように伸長する隣り合う2本のビード部について、その稜線または仮想延長線の交点が、他の隣り合う2本のビード部の稜線または仮想延長線の交点とは一致しないように設定されている、ことを特徴としたものである。
【0009】
上記スペアタイヤ収納部の底面部の中心部分にタイヤ固定部が設けられている場合には、このタイヤ固定部から外れるように上記各交点が設定され、且つ、各交点が上記タイヤ固定部を囲むように略一定間隔に設定されていることが好ましい。
以上の場合において、上記隣り合う2本のビード部は、上記交点の近傍で曲線状に繋がれていることがより好ましい。
【0010】
更に、以上の場合において、より好ましくは、上記各ビード部の肉厚は、フロアパネルの他の部分の肉厚よりも厚く設定されており、また、各ビード部は、スペアタイヤ収納部の周縁壁部との交差部分でのビード幅が、他の部分のビード幅よりも大きくなるように設定され、更に、上記隣り合う2本のビード部どうしの間に、スペアタイヤのタイヤ部分と当接するタイヤ当接用ビード部が設けられている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、例えば自動車等の車両の車体後部に設けられるトランクルームのフロアパネル構造に適用した場合を例にとって、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
1は、本発明の実施の形態に係る自動車のトランクルームを車体後方から見て概略的に示した説明図である。また、図2は、このトランクルームのフロア構造の基本構成を模式的に示す断面説明図である。
【0014】
これらの図に示すように、上記トランクルームは、その床面(フロア)を構成するフロアパネルF(トランクフロア)に、スペアタイヤ(不図示)を収納するために凹状のスペアタイヤ収納部Sが形成されている。上記トランクフロアFは、従来の鋼板製のものに替えて、合成樹脂材料を用いて一体成形されたものである。
尚、具体的には図示しなかったが、上記トランクフロアFの車幅方向における両端部は、車体後部において前後方向に延びる左右一対のフレーム材(リヤサイドフレーム)に支持されている。
【0015】
また、上記トランクフロアFの上方には、実質的に該トランクフロアFの全体を覆うようにしてトランクボードBが配設されている。このトランクボードBも、合成樹脂材料を用いて一体成形されたものである。
尚、トランクルーム内の車体の左右側壁Wcの比較的前側部分には、左右の後輪(不図示)の上方を覆う左右一対のホイールハウスHwが形成されている。
【0016】
上記トランクボードBの左右の側部は、より好ましくは、車体の左右側壁Wcに対して気密に接しており、該トランクボードBとトランクフロアFとの間に形成された空間部Afの密閉性を高め、フロア下方からの所謂ロードノイズやタイヤ音などの騒音を上記空間部Af内でできるだけ吸収し、室内側に騒音が伝わることを抑制し得るようになっている。
【0017】
尚、上記トランクフロアF,トランクボードBの合成樹脂材料としては、例えばポリプロピレン(PP)樹脂をベースとしたFRP(繊維強化プラスチック)材料などを用いることができる。また、かかる樹脂材料以外にも、例えば、ナイロン,ABS,PPO,PBTなど、他の樹脂材料で強化材を配合したものなど、種々の公知の材料が適用可能である。また、強化材としては、ガラス繊維やカーボン繊維等の繊維強化材に限られず、タルクやガラスビーズ等の強化材を用いることができる。成形方法としては、例えば射出成形法等の公知の方法が適用可能である。
【0018】
上記トランクフロアFのスペアタイヤ収納部Sは、図2から良く分かるように、スペアタイヤを載置させる底面部Sbと、該底面部Sbの周縁部からトランクフロアFの平面的な基準面を成すベース面Fbまで立ち上がる周縁壁部Swとで形成されている。
【0019】
図3は上記トランクフロアFの平面説明図、また、図4は図3のY4−Y4矢印方向からの矢視図である。図3に示すように、本実施の形態では、トランクフロアFに形成されたスペアタイヤ収納部Sの底面部Sbの中心部分にタイヤ固定部10が設けられると共に、その周囲に多数のビード部C,D,Eが形成されている。このようなビード部C,D,Eを設けることにより、スペアタイヤ(不図示)が載置される底面部Sbを効果的に補強し、その強度および剛性を高めることができる。
尚、上記タイヤ固定部10は、底面部Sb上に載置されたスペアタイヤを固定ボルト(共に不図示)により固定するもので、図5に詳しく示すように、その中央ボス部11には、固定ボルトを螺合させる雌ネジ部12が形成されている。
【0020】
上記多数のビード部C,D,Eは、その稜線Lc,Ldの仮想延長線が互いに交わるように伸長する隣り合う組み合わせの略直線状のビード部C,Dと、これらビード部C,Dよりも外側に配置された平面視で略弓形のビード部Eとに分類される。
上記各組のビード部C,Dは、スペアタイヤ収納部Sの周縁壁部Swの下端側に基端部を有しており、その基端部から内側に向かって互いに異なる角度で伸長し、図6に拡大して示すように、各々の稜線Lc,Ldの仮想延長線が1点(交点Pcd)で交わっている。また、各組のビード部C,Dは、交点Pcdの近傍で曲線状に滑らかに繋げられている。このように、交点Pcdの近傍で曲線状に滑らかに繋ぐことにより、交点Pcdでの応力集中を有効に低減することができる。
【0021】
本実施の形態では、例えば6組のビード部C,Dが設けられているが、これらビード部C,Dは、各組のビード部C,Dの交点Pcdどうしが一致することが無いように設定されている。また、これら各交点Pcdは、タイヤ固定部10から外れるように、しかも、各交点Pcdがタイヤ固定部10を取り囲むように略一定間隔となるように設定されている。
【0022】
このように、各交点Pcdは、タイヤ固定部10から外れるように設定したことで、交点Pcdで過度の応力集中が生じることを回避でき、また、各交点Pcdがタイヤ固定部10を取り囲むように略一定間隔となるように設定したことにより、タイヤ固定部10の強度・剛性に不均一が生じることもない。これにより、スペアタイヤを底面部Sbに固定する際におけるタイヤ固定部10でのトランクフロアFの破損防止を図ることができる。
【0023】
上記各組のビード部C,Dの外側に(つまり、両ビード部C,Dの間に)設定されたビード部Eは、スペアタイヤのタイヤ部分と当接するタイヤ当接用のもので、上方に突出するように凸状に形成され、また、上述のように、平面視で略弓形でその両端部が周縁壁部Swを基端部としている。尚、上述の各ビード部C,Dも、より好ましくは、上方に突出する凸状に形成されているが、スペアタイヤを底面部Sb上に載置した際には、スペアタイヤは、ゴム製のそのタイヤ部分がタイヤ当接用の各ビード部Eに当接して支持され、金属製のホイールが底面部Sbに直接に当接することが無いように、各ビード部C,D,Eの高さが設定されている。
【0024】
このようなタイヤ当接用のビード部Eを設けたことにより、底面部Sb上に載置されたスペアタイヤをタイヤ固定部10に固定する際には、ゴム製のタイヤ部分の弾性作用によって固定ボルトの軸力が低減され、タイヤ固定部10でのトランクフロアFの破損を有効に防止することが可能になる。
【0025】
上記各ビード部C,D,Eは、例えばビード部Cを例にとって図7に示すように、その肉厚TcがトランクフロアFの他の部分の肉厚Tf(つまり、基準肉厚)よりも、厚くなるように成形されている。これにより、トランクフロアFでの、所謂、こもり音の発生防止を図ることができる。
【0026】
また、上記各ビード部C,D,Eは、そのビード幅について、例えばビード部Cを例にとって図8に示すように、スペアタイヤ収納部Sの周縁壁部Swとの交差部分でのビード幅Gwが、ビード部Cの他の部分のビード幅Gc(つまり、基準ビード幅)よりも大きく設定されている。これにより、一般に底面部Sbに比して剛性が高い周縁壁部Swとの交差部分での強度・剛性の変動を抑制し、この部分でのトランクフロアFの破損防止を図ることができるのである。
【0027】
以上、説明したように、本発明の実施の形態によれば、樹脂製のトランクフロアFについて、スペアタイヤ収納部Sの底面部Sbに複数のビード部C,Dを設けたことにより、スペアタイヤが載置される上記底面部Sbを有効に補強できる。この場合において、稜線Lc,Ldまたはその仮想延長線が互いに交わるように伸長する隣り合う2本のビード部C,Dについて、その稜線Lc,Ldまたは仮想延長線の交点Pcdが、他の隣り合う2本のビード部C,Dの稜線Lc,Ldまたは仮想延長線の交点Pcdとは一致しないように設定されているので、上記交点Pcdで過度な応力集中が生じることを有効に回避できる。
【0028】
すなわち、トランクフロアFを樹脂製とすることで軽量化を達成し、しかも簡単な構成でスペアタイヤ収納部Sの底面部Sbを補強でき、スペアタイヤを収納固定する際における上記底面部Sbの破損等の不具合発生を、効果的に防止することができるのである。
【0029】
次に、本発明の実施の形態の参考例について説明する。
この参考例は、特に、スペアタイヤをスペアタイヤ収納部に収納し、固定ボルトを用いてその底面の固定部にスペアタイヤを固定する際に、この固定部あるいはその近傍に割れ等の損傷が生じることを防止するものである。
尚、以下の説明において、上記実施の形態における場合と同様の構成を備え同様の作用をなすものについては、同一の符号を付し、それ以上の説明は省略する。
【0030】
図9及び図10は、本発明の実施の形態の参考例に係るスペアタイヤ収納部の底面部Sbに設けられたタイヤ固定部10を、タイヤ固定前の状態およびタイヤ固定後の状態においてそれぞれ拡大して示す断面説明図である。
これらの図に示すように、上記タイヤ固定部10は、底面部Sb上に載置されたスペアタイヤ20を固定ボルト15により固定するもので、その中央ボス部11には、固定ボルト15を螺合させる雌ネジ部12が形成されている。
【0031】
スペアタイヤ20を固定する際には、例えば金属製の固定用プレート16の外周側をスペアタイヤ20の金属製ホイール21の上面に当接させる一方、固定用プレート16の内周側を固定ボルト15の頭部15hの下面に当接させた状態で、固定ボルト15を中央ボス部11の雌ネジ部12に螺着させて締め付けることにより、上記固定用プレート16を介して金属製ホイール21が(つまり、スペアタイヤ20が)固定部10に対して固定される。
【0032】
参考例では、上記固定用プレート16が、締め付け時に固定ボルト15の軸力が作用する方向(つまり、上下方向)に弾性変形し得るように設定されている。
すなわち、従来では、図14に示されるように、金属製の固定用プレート56は、ボルト頭部55hで下方に押圧される内周側が、スペアタイヤ60の金属製ホイール61の上面に当接する外周側よりも低く設定されており、固定ボルト55を締め付けた際には弾性変形する余地は殆ど無く、締め付け力に対応するボルト軸力が、そのまま金属製のホイール61を介して、タイヤ固定部50に作用する。このため、このタイヤ固定部50、特に、中央ボス部51の付け根部分あるいはその近傍に大きな応力集中が生じ、この部分に亀裂が入り、割れ等の損傷が生じ易いという不具合があった。
【0033】
これに対して、本参考例は、図9から良く分かるように、固定用プレート16は、ボルト頭部15hで下方に押圧される内周側が、ホイール21の上面に当接する外周側よりも高く設定されており、図10に示されるように、固定ボルト15を締め付けた際には、固定ボルト15の軸力が作用する方向(つまり、上下方向)に所定量だけ弾性変形するようになっている。
すなわち、本参考例では、このような固定用プレート15の弾性作用によりボルト軸力を低減し、タイヤ固定部10での底面部Sbの破損防止を図ることができるのである。
【0034】
図11は、上記実施の形態の参考例の一つの変形例を示している。尚、以下の説明において、図9及び図10で示した参考例における場合と同様の構成を備え同様の作用をなすものについては、同一の符号を付し、それ以上の説明は省略する。
この変形例では、固定ボルト35として、所謂、段付きボルト35が用いられている。すなわち、ボルト軸部35jの途中部に段部35sが設けられ、この段部35sよりも先端側に、上記ボルト軸部35jよりも小径の雄ネジ部35nが形成されている。一方、スペアタイヤ収納部の底面部Sbに設けられたタイヤ固定部40の中央ボス部41には、より好ましくは、金属製のインサートナット37が挿入固定されている。
【0035】
以上の構成において、スペアタイヤ20を固定する際には、固定ボルト35を中央ボス部41内のインサートナット37の雌ネジ部37nに螺着させ、ボルト頭部35hを回して締め付けることにより、上記固定用プレート36を介して金属製ホイール21が(つまり、スペアタイヤ20が)固定部40に対して固定されるのであるが、上記固定ボルト35は段付きボルトであり、雄ネジ部35nの上端位置に段部35sが設けられているので、この段部35sがインサートナット37の上端面に当接した時点で、それ以上の締付はできなくなる。
【0036】
すなわち、固定ボルト35を締め付ける際の締付量がそれ以上になることが制限されている。この場合、段付きボルト35に設けられた段部35sが、固定ボルト35の締付量を制限する制限手段を構成している。
このように、固定ボルト35の締付量を一定以下に制限することにより、固定ボルト35の締め過ぎに起因して、タイヤ固定部40に過大な応力が発生することを有効に防止できる。
【0037】
尚、以上のようなタイヤ固定機構が、例えば周囲環境の影響等によって、ある程度以上の温度に昇温した場合、図9及び10に示された構造では、時間経過に伴って、タイヤ固定部10の(特に、中央ボス部11及びその近傍の)材料樹脂が、熱影響により弾性変形状態のまま固まってしまい、その結果、弾性力が失われてボルト軸力が低下する惧れがある。
これに対して、本変形例の場合には、固定ボルトとして、締付トルクを一定以下に制限し得る段付きボルト35が用いられ、この段付きボルト35の雄ネジ35nが螺合する雌ネジ部37nは、中央ボス部41に挿入固定された金属製のインサートナット37に設けられているので、熱影響を受けた場合でも、ボルト軸力の低下を最小限に止めることができる。
【0038】
尚、この場合、スペアタイヤ20の振動に対しては、固定用プレート36として、鋼板製あるいは樹脂製の弾性プレートを用い、この弾性プレート36の弾性力を利用することで、スペアタイヤ20の振動を抑えることが可能である。
また、固定ボルトの締付量を制限する制限手段としては、固定ボルトに段付きボルト35を適用し、その段部35sを利用する構成以外にも、他の種々の公知の手段を適用することが可能である。
【0039】
図12は、上記実施の形態の参考例の他の変形例を示している。
この変形例は、図9及び10で示した構造および図11で示した構造の何れに対しても適用可能であるが、図11の構造に適用した場合を例にとって説明すれば、固定ボルト35のボルト頭部35hと固定用プレート38との間に、ボルト軸力が作用する方向に沿って弾性変形する弾性部材として、例えばゴム製の弾性リング39が装着されている。
【0040】
従って、固定用プレート38自体が余り大きな弾性を有していない場合でも、上記弾性リング39の弾性作用により、スペアタイヤ20に対して十分な弾性力を作用させ、その振動を有効に抑えることができる。
尚、このような弾性部材は、固定用プレート38とスペアタイヤのホイール部分21の上面側との間に設けることもできる。
【0041】
以上のように、スペアタイヤをタイヤ固定部に固定する際に固定ボルトの軸力を低減してその影響を緩和する方法としては、他にも種々の方法が考えられる。
図13は、上記実施の形態の参考例の一変形例を示す説明図である。この図に示すように、本変形例では、スペアタイヤ収納部S2の周縁壁部Sw2の途中部に、該周縁壁部Sw2の傾斜角度とは異なる傾斜角度のタイヤ受け部35が設けられている。
【0042】
このタイヤ受け部35は、スペアタイヤ20をスペアタイヤ収納部S2内に収納する際に、ゴム製のタイヤ部分22を受けてスペアタイヤ20を支持するもので、このように、タイヤ部分22をこのタイヤ受け部35で受けることにより、スペアタイヤ20の金属製ホイール部分21が、底面部Sb2の何れにも当接することがないように、その高さ及び傾斜角度が設定されている。
【0043】
したがって、この場合においても、固定ボルト15を用いてスペアタイヤ20を固定する際には、ゴム製のタイヤ部分22が固定ボルト15の軸力が作用する方向(つまり、上下方向)に所定量だけ弾性変形することにより、その弾性作用でボルト軸力が低減され、タイヤ固定部30での底面部Sb2の破損防止を図ることができるのである。
【0044】
尚、本発明は、以上の実施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良あるいは設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
【0045】
【発明の効果】
本願請求項1の発明によれば、スペアタイヤ収納部の底面部に複数のビード部を設けたことにより、スペアタイヤが載置される上記底面部を有効に補強できる。この場合において、稜線またはその仮想延長線が互いに交わるように伸長する隣り合う2本のビード部について、その稜線または仮想延長線の交点が、他の隣り合う2本のビード部の稜線または仮想延長線の交点とは一致しないように設定されているので、上記交点で過度な応力集中が生じることを回避できる。すなわち、フロアパネルを樹脂製とすることで軽量化を達成し、しかも簡単な構成でスペアタイヤ収納部の底面部を補強でき、スペアタイヤを収納固定する際における上記底面部の破損等の不具合発生を、効果的に防止できる。
【0046】
また、本願請求項2の発明によれば、基本的には上記請求項1の発明と同様の効果を奏することができる。特に、上記各交点がスペアタイヤ収納部の底面部の中心部分に設けられたタイヤ固定部から外れるように設定することにより、このタイヤ固定部に応力集中が生じることを防止でき、しかも、各交点がタイヤ固定部を囲むように略一定間隔に設定することにより、タイヤ固定部の強度・剛性に不均一が生じることもない。これにより、スペアタイヤを上記底面部に固定する際におけるタイヤ固定部での破損防止を図ることができる。
【0047】
更に、本願請求項3の発明によれば、基本的には上記請求項1又は2の発明と同様の効果を奏することができる。特に、上記隣り合う2本のビード部を上記交点の近傍で曲線状に繋ぐことにより、この交点部分での応力集中を効果的に低減することができる。
【0048】
また更に、本願請求項4の発明によれば、基本的には上記請求項1〜3の発明の何れか一と同様の効果を奏することができる。特に、上記各ビード部の肉厚をフロアパネルの他の部分の肉厚よりも厚く設定することで、所謂、こもり音の発生防止を図ることができる。
【0049】
また更に、本願請求項5の発明によれば、基本的には上記請求項1〜4の発明の何れか一と同様の効果を奏することができる。特に、上記各ビード部の幅について、スペアタイヤ収納部の周縁壁部との交差部分でのビード幅が他の部分のビード幅よりも大きくなるように設定することにより、一般に剛性が高い上記周縁壁部との交差部分での強度・剛性の変動を極力抑制し、この部分での破損防止を図ることができる。
【0050】
また更に、本願請求項6の発明によれば、基本的には上記請求項1〜5の発明の何れか一と同様の効果を奏することができる。特に、上記隣り合う2本のビード部どうしの間に、スペアタイヤのタイヤ部分と当接するタイヤ当接用ビード部を設けることにより、スペアタイヤを上記底面部に固定する際には、上記タイヤ部分の弾性作用により固定力を低減し、タイヤ固定部での破損防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る自動車のトランクルームを車体後方から見て概略的に示した説明図である。
【図2】 上記トランクルームのフロア構造の基本構成を模式的に示す断面説明図である。
【図3】 上記トランクルームのトランクフロアの平面説明図である。
【図4】 図3のY4−Y4矢印方向からの矢視図である。
【図5】 上記トランクフロアのスペアタイヤ収納部の底面部を拡大して示す平面説明図である。
【図6】 上記スペアタイヤ収納部の底面部に形成されたビード部の稜線の仮想延長線どうしの交点付近を拡大して示す平面説明図である。
【図7】 上記底面部のビード部の縦断面説明図である。
【図8】 上記底面部のビード部の周縁壁部との接点近傍部分を拡大して示す平面説明図である。
【図9】 本発明の実施の形態の参考例に係るスペアタイヤ収納部の底面部に設けられたタイヤ固定部の固定前の状態を拡大して示す断面説明図である。
【図10】 上記タイヤ固定部の固定後の状態を拡大して示す断面説明図である。
【図11】 上記参考例一変形例を示す説明図である。
【図12】 上記参考例の他の変形例を示す説明図である。
【図13】 上記参考例の更に他の変形例を示す説明図である。
【図14】 従来例に係るタイヤ固定部の固定後の状態を拡大して示す断面説明図である。
【符号の説明】
0…タイヤ固定部
1…中心ボス部
2…雌ネジ部
B…トランクボード
C,D,E…ビード部
F…トランクフロア(フロアパネル)
Gc…基準ビード幅
Gw…周縁壁部との交差部でのビード幅
Lc,Ld…(ビード部の)稜線
Pcd…交点
S…スペアタイヤ収納部
Sb…底面部
Sw…周縁壁部
Tc…ビード部の肉厚
Tf…底面部の基準肉厚

Claims (6)

  1. スペアタイヤ収納部が一体的に形成され、車両の床面に適用される樹脂製のフロアパネルの構造であって、
    上記スペアタイヤ収納部は、スペアタイヤを載置する底面部と、該底面部から立ち上がる周縁壁部とで構成されており、
    上記スペアタイヤ収納部の底面部に複数のビード部が設けられ、
    稜線またはその仮想延長線が互いに交わるように伸長する隣り合う2本のビード部について、その稜線または仮想延長線の交点が、他の隣り合う2本のビード部の稜線または仮想延長線の交点とは一致しないように設定されている、
    ことを特徴とする樹脂製フロアパネル構造。
  2. 請求項1記載の樹脂製フロアパネル構造において、
    上記スペアタイヤ収納部の底面部の中心部分にタイヤ固定部が設けられ、このタイヤ固定部から外れるように上記各交点が設定されており、且つ、各交点が上記タイヤ固定部を囲むように略一定間隔に設定されていることを特徴とする樹脂製フロアパネル構造。
  3. 請求項1又は2に記載の樹脂製フロアパネル構造において、
    上記隣り合う2本のビード部は、上記交点の近傍で曲線状に繋がれていることを特徴とする樹脂製フロアパネル構造。
  4. 請求項1〜3の何れか一に記載の樹脂製フロアパネル構造において、
    上記各ビード部の肉厚は、上記フロアパネルの他の部分の肉厚よりも厚く設定されていることを特徴とする樹脂製フロアパネル構造。
  5. 請求項1〜4の何れか一に記載の樹脂製フロアパネル構造において、
    上記各ビード部は、上記スペアタイヤ収納部の周縁壁部との交差部分でのビード幅が、他の部分のビード幅よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする樹脂製フロアパネル構造。
  6. 請求項1〜5の何れか一に記載の樹脂製フロアパネル構造において、
    上記隣り合う2本のビード部どうしの間に、スペアタイヤのタイヤ部分と当接するタイヤ当接用ビード部が設けられていることを特徴とする樹脂製フロアパネル構造
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