JP4249464B2 - 着色ラテックス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、着色されたラテックス(以下、着色ラテックスという)に関し、特に、抗原または抗体を測定する免疫測定法に用いられ得る、着色ラテックスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、抗原−抗体による特異的反応を利用して特定の抗原または抗体よりなる被検出物質を検出する免疫測定法の一つとして、試料中の被検出物質を、微粒子に感作させた抗体または抗原と免疫反応により結合させ、結合によって生じる微粒子の凝集状態を測定する凝集法が、簡便な測定法であり特に目視判定が可能である点から一般に用いられている。また、他の免疫測定法としては、放射免疫測定法、酵素免疫測定法、免疫蛍光測定法なども広く用いられている。
【0003】
更に、また、被検出物質に免疫学的に結合する物質を用い、免疫反応とクロマトグラフィーの原理を組み合わせて、被検出物質を目視判定で検出する方法が、免疫クロマトグラフ法またはイムノクロマトグラフ法と呼ばれ、近年、広く用いられてきている。
【0004】
イムノクロマトグラフ法とは、被検出物質である抗原(または抗体)に対する抗体(または抗原)をクロマトグラフ媒体に固定化して、クロマトグラフ媒体上に反応部位を作成したものを固定相とし、上記被検出物質と結合可能な抗体(または抗原)によって感作された検出用粒子と試料とを接触させつつ〔この接触により抗体感作(または抗原感作)検出用粒子上の該抗体(または該抗原)と試料中の抗原(または抗体)とが反応して、検出用粒子−感作に用いられた抗体(または感作に用いられた抗原)−試料中の抗原(または抗体)とからなる複合体が生成する〕、上記クロマトグラフ媒体上を移動させることにより、前記試料を前記反応部位に接触させる測定法である。これにより、前記反応部位において、前記複合体が前記固定化抗体(または固定化抗原)に結合されて、検出用粒子が捕捉されるので、この検出用粒子の捕捉の有無を目視判定することにより試料中の被検出物質の存在を判定することができる。
【0005】
上記のイムノクロマトグラフ法や前記凝集法において、検出用粒子として、目視判定を容易にするために、着色された微粒子がしばしば利用されている。このような検出用粒子としては、その粒径や調製条件によって自然呈色するコロイド状金属粒子もしくはコロイド状金属酸化物粒子などのコロイド状粒子;合成高分子よりなるラテックス粒子を着色することによって得られる着色ラテックス粒子;着色剤とともにモノマーを重合して得られる着色ラテックス粒子などが用いられる。しかしながら、上記コロイド状粒子は、その粒径及び調製条件によって色調が決定されてしまうため、所望の鮮明な濃い色調のものを得にくく、着色ラテックス粒子の方が色調を濃く調製できるので、(1)目視しやすい、(2)感度がよいなどの点から、より好ましいものとされている(特開平5−10950号公報)。
【0006】
しかしながら、上記着色ラテックス粒子は、色調を選択できるものの、例えば、特開平5−10950号公報に記載されているように、ラテックス粒子群10gに対する染料添加量が0.622g以下で製造されたものであり、たとえ添加染料の全てが含有されたとしても、着色ラテックス粒子群中の染料の濃度は5.86重量%以下となり、染料の含有量が少なく、その結果、十分に濃い色が得られず、そのため免疫測定に使用された場合、目視判定性が悪いという問題点があった。
【0007】
また、着色ラテックス粒子にしても濃く着色するにしたがって、用いた着色剤がラテックス粒子表面に付着し、ラテックス粒子本来の表面状態が損なわれ、イムノクロマトグラフ法では、例えば、メンブランフィルターのようなクロマトグラフ媒体の細孔内に詰まったり、凝集法では非特異凝集を起こしたりして、濃く着色することが、必ずしも、性能の向上に結びつかない、という問題点もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
請求項1記載の発明の目的は、十分に濃い色に着色され、免疫測定に使用された際に、目視判定性や検出感度に優れた着色ラテックスを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の着色ラテックス(以下、本発明1という)は、粒子の分散度が10%以下の、平均粒径0.05〜3.0μm、平均比重1.02〜3.0の着色ラテックス粒子群からなり、該着色ラテックス粒子群中の着色剤の含有率が10重量%以上であり、かつ、着色剤として油溶性染料の有機溶媒溶液中にスチレンと、重合性不飽和カルボン酸および重合性不飽和スルホン酸もしくはその塩から選ばれる少なくとも一種とからなる共重合体であるラテックス粒子群を添加し、加温または加熱攪拌して油溶性染料をラテックス粒子群に含有させることにより得られることを特徴とする。
【0010】
以下、本発明1について説明する。本発明1で用いられる着色ラテックス粒子群は、ラテックス粒子群とそれらに含有された着色剤とからなる。上記ラテックス粒子は、従来免疫測定分野で使用されてきたラテックス粒子であれば、特に限定されず、種々のモノマーを重合又は共重合させることによって得ることができる。ここにモノマーとしては、例えば、スチレン、クロルスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンなどの重合性不飽和芳香族類;例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などの重合性不飽和カルボン酸類;例えば、スチレンスルホン酸ソーダなどの重合性不飽和スルホン酸もしくはその塩;例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、エチレングリコール−ジ−(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルなどの重合性カルボン酸エステル類;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクロレイン、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ブタジエン、イソプレン、酢酸ビニル、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニルなどの不飽和カルボン酸アミド類、重合性不飽和ニトリル類、ハロゲン化ビニル類、共役ジエン類などを挙げることができる。これらのモノマーは、1種または2種以上を混合して使用することができる。
【0011】
これらのうち、特にスチレンと、重合性不飽和カルボン酸および重合性不飽和スルホン酸もしくはその塩から選ばれる少なくとも一種とからなる共重合体が好ましい。上記重合性不飽和カルボン酸とは、二重結合を有する重合性のカルボン酸であれば、特に限定されず、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸などが挙げられる。上記重合性不飽和スルホン酸もしくはその塩とは、二重結合を有する重合性のスルホン酸であれば、特に限定されず、例えば、スチレンスルホン酸ソーダが挙げられる。
【0012】
上記重合の方法としては、分散重合法、懸濁重合法、乳化重合法が挙げられるが、乳化重合法が好ましい。
【0013】
上記着色剤としては、ラテックス粒子を着色し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、染料、色素が挙げられる。染料としては、色調、該染料を溶解する溶媒の種類、ラテックスの種類などに応じて適宜選択されるが、油溶性染料、直接染料、酸性染料、塩基性染料、アゾイック染料、水性染料、反応染料などが挙げられ、特に油溶性染料が好ましい。油溶性染料としては、具体的には、例えば、ソルベントブルー、ソルベントレッド、ソルベントオレンジ、ソルベントグリーンなどが挙げられる。色素としては、食品用色素、生体染色用色素、化粧品用色素、医薬品用色素などが挙げられる。
【0014】
本発明1で用いられる着色ラテックス粒子群は、免疫測定用の担体として使用されるため、粒子の分散度が10%以下の、平均粒径0.05〜3.0μm、平均比重1.02〜3.0のものに限定される。なお、本発明1でいう粒子の分散度および平均粒径は、以下のようにして測定されるものを意味する。着色ラテックス粒子群を透過型電子顕微鏡で撮影し、得られた電子顕微鏡写真の画像処理により、500個の粒子についてそれぞれ粒径を測定し、その平均値、標準偏差、および変動係数〔(標準偏差/平均値)×100で得られる数値〕を求める。この平均値が本発明1でいう平均粒径であり、この変動係数が本発明1でいう粒子の分散度である。また、平均比重は、以下のようにして測定されるものを意味する。比重計を用いて測定された各種の比重の溶液を用意しておき、この溶液に乾燥させた着色ラテックス粒子群の粉末を浮かべ、該粉末の沈降状況を観察し、該粉末が完全に沈まずに溶液中に浮遊している溶液の比重をもって、本発明1でいう平均比重とする。
【0015】
本発明1の着色ラテックスは、上記着色ラテックス粒子群からなり、該着色ラテックス粒子群中の着色剤の含有率が10重量%以上に限定される。上記含有率が10重量%未満であると、十分に濃い色に着色されず、免疫測定に使用された際に、目視判定性や検出感度の向上効果が期待できなくなる。
【0016】
本発明1でいう、着色ラテックス粒子群中の着色剤の含有率は、着色ラテックス粒子群をガスクロマトグラフィーにかけて得られるクロマトグラムのラテックスピーク面積A及び着色剤のピーク面積Bより、{B/(A+B)}×100の式より求められる値である。
【0017】
以下、本発明1の着色ラテックスを製造する方法の一例を挙げる。まず、ラテックス粒子が不溶である溶媒に可溶な染料を選択し、該溶媒中に染料を飽和溶解度近くまで溶解する。このような溶媒としては、例えば、エチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類;メタノール、エタノールなどのアルコール類;塩化メチレン;二塩化エチレン;クロロホルム;四塩化炭素;酢酸エチル;酢酸メチル;メチルエチルケトン;シクロヘキサン;シクロペンタン;テトラヒドロフラン;トルエン;ヘキサン;ヘプタンなどが挙げられ、染料の種類に応じて1種類又は2種類以上の混合溶液として用いられる。
【0018】
次に、この染料溶液にラテックス粒子群を添加し分散させる。次いで、このラテックス粒子群を含んだ染料溶液を攪拌しながら加温または加熱する。すると、染料が徐々にラテックス粒子に含有されてゆき溶液中の染料濃度が徐々に低下してゆく。溶液中の染料濃度が低下すると、染料がラテックス粒子中と溶液中で平衡状態をとり易くなるので、溶媒を気化させたり、新たに染料を徐々に添加するなどして溶液中の染料濃度が下がらないようにする。このような方法により溶液からラテックス粒子への染料の移行を促進させる。
【0019】
上記の溶媒を気化させる方法としては、加熱により蒸発させる方法と反応系の気圧を下げて溶媒の沸点を下げる方法などがあるが、加熱により蒸発させる方法が、着色処理工程での加熱攪拌と共用できるので好ましい。ただし、この場合、溶媒の沸点はラテックス粒子重合時の反応温度より低いことが好ましく、着色処理工程の処理温度が35〜50℃の場合には、沸点が80℃未満の溶媒を選択するのが好ましい。また、染料の濃度を一定に保つため、又は染料濃度が飽和溶解度以上になって染料が沈澱することを防ぐために、溶媒の蒸発速度を調整するための溶媒還流機構を設けておくことが好ましい。
【0020】
上記着色処理工程における加温または加熱温度は、30℃よりも低くなると、染料がラテックス粒子に取り込まれる速度が遅くなり実用的でなくなり、60℃よりも高くなると、染料の取り込み速度は速くなるが、ラテックス粒子の表面状態が変化し、凝集したり形状が変わったりし、得られた着色ラテックスを試薬化した場合、性能を満足できなくなる傾向があるので30〜60℃が好ましい。また、着色処理時間は、ラテックス粒子の粒径や加温・加熱温度により変わるが、通常、2時間〜10日が好ましい。
【0021】
上記着色処理工程における、ラテックス粒子群と着色剤の比率は、ラテックス粒子群10gに対して、着色剤が2gを超えるように保持されるのが好ましい。
【0022】
以上のようにして、着色処理することにより、従来よりも、はるかに多くの着色剤が含有された着色ラテックスが得られる。
【0023】
本発明1は、油溶性染料の有機溶媒溶液中にラテックス粒子群を添加し、加温または加熱攪拌して油溶性染料をラテックス粒子群に含有させることにより得られる着色ラテックスである。
【0024】
本発明1の着色ラテックスを製造する方法は、染料として油溶性染料を用い、溶媒として有機溶媒を用いる。
【0025】
着色ラテックスは、ラテックス粒子が、スチレンと、重合性不飽和カルボン酸および重合性不飽和スルホン酸もしくはその塩から選ばれる少なくとも一種とからなる共重合体である着色ラテックスである。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0027】
実施例1
メタノールに油溶性染料であるソルベントブルーを2.4g溶解した染料溶液2000mlに、粒径0.32μm、粒径の分散度3.9%、比重1.04のラテックス粒子群(ポリスチレン系ラテックス、積水化学工業社製)を6gになるように添加し、45℃で3日間加熱攪拌処理を行った。この3日間の間に溶液中の染料濃度が低下しないように、徐々にメタノールを蒸発させて仕込み時の染料濃度を下回らないようにした。次いで、遠心分離処理して着色ラテックスを取り出し、水に再分散させて着色ラテックスの懸濁液を得た。この着色ラテックス粒子群中の染料の含有率をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、12.0重量%であった(これは、原料ラテックス粒子群10gに対して、染料が約1.36g含有していたことになる)。また、得られた着色ラテックス粒子群の分散度は4.2%であり、平均粒径は0.32μmであり、平均比重は1.18であった。
【0028】
比較例1
実施例1における、メタノールにソルベントブルーを2.4g溶解した染料溶液2000ml、の代わりに、メタノールにソルベントブルーを1.2g溶解した染料溶液2000ml、を用いたことの他は、実施例1と同様に操作して、着色ラテックスの懸濁液を得た。この着色ラテックス粒子群中の着色剤の含有率をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、5.6重量%であった(これは、原料ラテックス粒子群10gに対して、染料が約0.59g含有していたことになる)。また、得られた着色ラテックス粒子群の分散度は4.1%であり、平均粒径は0.32μmであり、平均比重は1.10であった。
【0029】
比較例2
実施例1と同様に、メタノールに油溶性染料であるソルベントブルーを2.4g溶解した染料溶液2000mlに、粒子径0.32μm、粒子径の分散度3.9%、比重1.04のラテックス粒子群(ポリスチレン系ラテックス、積水化学工業社製)を6gになるように添加し、45℃で3日間加熱攪拌処理を行った。ただし、この加熱攪拌処理の方法は実施例1とは異なり、以下のようにした。すなわち、メタノールが減らないように反応器に冷却管を取り付け、蒸発したメタノールは全て染料溶液中に還流する構成とした。
【0030】
上記3日間加熱攪拌処理の後、実施例1と同様に、遠心分離処理して着色ラテックスを取り出し、水に再分散させて着色ラテックスの懸濁液を得た。この着色ラテックスの染料含有量をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、6.6重量%であった(これは、原料ラテックス粒子群10gに対して、染料が約0.71g含有していたことになる)。また、得られた着色ラテックス粒子群の分散度は4.2%であり、平均粒径は0.32μmであり、平均比重は1.11であった。
【0031】
実施例2
メタノールに油溶性染料であるソルベントブルーを2.4g溶解した染料溶液2000mlに、粒径0.10μm、粒径の分散度2.1%、比重1.04のラテックス粒子群(ポリスチレン系ラテックス、積水化学工業社製)を6gになるように添加し、45℃で3日間加熱攪拌処理を行った。この3日間の間に溶液中の染料濃度が低下しないように、徐々にメタノールを蒸発させて仕込み時の染料濃度を下回らないようにした。次いで、遠心分離処理して着色ラテックスを取り出し、水に再分散させて着色ラテックスの懸濁液を得た。この着色ラテックスの染料含有量をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、15.6重量%であった(これは、原料ラテックス粒子群10gに対して、染料が約1.85g含有していたことになる)。また、得られた着色ラテックス粒子群の分散度は2.3%であり、平均粒径は0.10μmであり、平均比重は1.22であった。
【0032】
性能評価
実施例1、2及び比較例1、2の着色ラテックスを用いて、以下のようにしてイムノクロマトグラフ用のキットを作製し、上記着色ラテックスの性能評価をした。
【0033】
(1)感作着色ラテックスの調製
得られた着色ラテックス懸濁液をリン酸緩衝液(以下、PBSという)により、固形分濃度が1重量%となるように希釈した。得られた1重量%着色ラテックスリン酸緩衝液懸濁液の1mlと、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(以下、hCGという)に対するモノクローナル抗体(DAKO社製)をPBSで100μg/mlに希釈して得られた抗体希釈液1mlとをエッペンドルフ遠沈管に取り、室温で2時間振とうして着色ラテックス粒子群にモノクローナル抗体を感作させ、次いで、0.1重量%の濃度で牛血清アルブミン(以下、BSAという)を含有するPBSを用いて3回、遠心洗浄し、最終的に2mlとなるように再懸濁させ、感作着色ラテックス懸濁液を得た。
【0034】
(2)クロマトグラフ媒体の調製
ポリスチレンラテックス(積水化学工業社製、平均粒径0.45μm)を固形分濃度が0.6重量%となるようにPBSにより希釈し、その1mlと、hCGに対するウサギ抗体(濃度100μg/mlPBS溶液)1mlとをエッペンドルフ遠沈管に取り、室温で2時間振とうしてラテックス粒子群にウサギ抗体を感作させた。次いで、0.1重量%の濃度でBSAを含有するPBSを用いて3回、遠心洗浄し、最終的に2mlとなるように再懸濁させ、固相ラテックス粒子Aを調製した。
【0035】
また、この固相ラテックス粒子Aの調製におけるhCGに対するウサギ抗体の代わりに、hCGを用いたことの他は同様に処理して固相ラテックス粒子Bを調製した。
【0036】
次いで、市販メンブランフィルター(ミリポア社製、SRHF)から12×60mmの膜ストリップを裁断し、ストリップの一方の端(以下、この一方の端のことをストリップの下端といい、他の一方の端のことをストリップの上端という)から30mmの位置に液体噴射装置を用いて展開方向に垂直、すなわち、ストリップの短辺に平行に固相ラテックス粒子Aを幅2mmで噴射印刷し、また、同様にストリップの下端から45mmの位置に固相ラテックス粒子Bを噴射印刷し、乾燥、定着させた。また、上端から5mmの間が重なるように12×15mmの濾紙性の吸収パッドを12mmの短辺をストリップの短辺に揃えて接触させた。
【0037】
(3)コンジュゲートパッドの調製及びキットの作製
12×15mmのグラスウール製フィルターに上記(1)で得られた感作着色ラテックス100μlを塗布し、よく乾燥させてコンジュゲートパッドを得た。上記コンジュゲートパッドを、上記(2)で得られたクロマトグラフ媒体のストリップの下端から5mmまでの間が重なるように12mmの短辺をストリップの短辺に揃えて接触させて、イムノクロマトグラフ用のキットを作製した(なお、この性能評価においては採用しなかったが、得られたイムノクロマトグラフ用のキットを、プラスチックなどで作られたハウジングに収納して使用することも可能である。上記ハウジングの形状は種々考えられるが、固相ラテックスA及び固相ラテックスBの印刷部が外部から見えることが必要である)。
【0038】
(4)クロマトグラフ処理試料として、hCG含有試料を以下のようにして調製した。hCGを、0.1重量%濃度でBSAを含有するPBSにより希釈して、hCG濃度がそれぞれ100、50、25、12.5、6.3、0mIU/mlのhCG含有試料を調製した。この試料液に、上記(3)で得られたキット全体の下端になるコンジュゲートパッドの下端から5mmを浸漬して、試料液を展開させた。5分間経過後、メンブランフィルター上での反応部位(固相ラテックスAの印刷部)における感作着色ラテックス粒子からの青色シグナルを目視観察した。青色が認められない場合を(−)、青色が認められる場合を(+)、青色がはっきり認められる場合を(++)、青色が強く認められる場合を(+++)とし、観察結果を表1に示した。
【0039】
【表1】
Figure 0004249464
【0040】
【発明の効果】
本発明1の着色ラテックスの構成は上記の通りであり、十分に濃い色に着色され、免疫測定に使用された際に、目視判定性や検出感度に優れた着色ラテックスを提供する。従って、本発明1の着色ラテックスはイムノクロマトグラフ法などの検出用粒子として好適に用いられる。また、測定感度を従来レベルに抑えれば抗体の使用量を少なくすることができるので、本発明1の着色ラテックスを用いると製品のコストダウンが可能になる。
更に、着色ラテックスは、ラテックス粒子が、スチレンと、重合性不飽和カルボン酸および重合性不飽和スルホン酸もしくはその塩から選ばれる少なくとも一種とからなる共重合体である着色ラテックスであるので、効果がより一層発揮される。

Claims (1)

  1. 粒子の分散度が10%以下の、平均粒径0.05〜3.0μm、平均比重1.02〜3.0の着色ラテックス粒子群からなり、該着色ラテックス粒子群中の着色剤の含有率が10重量%以上であり、かつ、着色剤として油溶性染料の有機溶媒溶液中にスチレンと、重合性不飽和カルボン酸および重合性不飽和スルホン酸もしくはその塩から選ばれる少なくとも一種とからなる共重合体であるラテックス粒子群を添加し、加温または加熱攪拌して油溶性染料をラテックス粒子群に含有させることにより得られることを特徴とする着色ラテックス。
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