JP4248988B2 - 多層回路基板、回路基板情報の修正方法、回路基板情報の修正装置、回路基板情報の修正プログラム及び修正プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

多層回路基板、回路基板情報の修正方法、回路基板情報の修正装置、回路基板情報の修正プログラム及び修正プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、グランド電位あるいは電源電位を供給するプレーン内の非導電領域と信号線とが、電磁波ノイズ放射の危険性が高い位置関係にならないよう配線した多層回路基板、及び前記電磁波ノイズ放射の危険性が高い位置関係になっている箇所を検索し、配線パターンの修正を行う多層回路基板の修正方法、回路基板情報の修正装置、回路基板情報の修正プログラム及び修正プログラムを記録した記録媒体に関する。
プリント配線板などの回路基板においては、その回路に実装される各種電子部品間の接続を行う信号線、電子部品に電源電圧及び基準電位を供給する電源線などが、誘電体基板面に導電体のパターンにて形成されている。近年の電子機器の小型化、高性能化、高機能化に伴って内蔵される回路基板のパターン密度も上がり、また多層基板等の導入によりその設計が複雑化している。回路基板のパターン設計はCAD装置等の設計支援装置を用いることにより作業が半自動化され、設計されたパターンは回路動作シミュレータで検証され、検証結果で不備が見つかればパターンを修正することにより設計の効率化が図られている。
近年、家庭内の電子機器及び携帯型の電子機器の多くがデジタル化された高周波の電気信号を扱うようになり、回路基板の信号伝送線路から放射される電磁波ノイズ(放射ノイズ)の電磁界強度の増大が社会的にも問題視されるようになってきている。従って、回路基板の設計段階でもこの放射ノイズの電磁界強度をいかに抑えるかが重要となっている。
妨害波発生の一因として、多層回路基板のプレーンの形状によって帰還電流経路(リターンパス)が分断されたり、あるいは迂回するためであることが知られている。帰還電流経路と妨害電波の発生の関連については、例えば電子情報通信学会の信学技報EMCJ97−31(1997−07)「PCBグランドの分離によるEMIへの影響」(非特許文献1参照)に、配線と隣接するプレーン層の配線の直下の部分に非導電部が存在する場合の方が、存在しない場合に比べてより多くの妨害電波が発生することが記載されている。
また、特許文献1には、ビアホールを2つを1組にしてクリアランスを1本化し、さらにクリアランス間に導電部領域を残すことによって、信号線とその帰還電流経路が作るループ面積が大きくならないように、ビアホールを配置する設計方法及び設計装置について記載されている。
なお、本明細書においては、多層基板において各層が積層される方向を「上」または「下」と称する。また、前記上下方向から見て、異なる層にあるパターンが互いに重なっている(すなわち、上下方向に存在する)状態を単に「重なる」と称することとする。
特許第3303760号公報 信学技報EMCJ97−31(1997−07)「PCBグランドの分離によるEMIへの影響」
しかし上記特許文献1に記載の設計装置及び設計方法を含め、従来の回路基板設計方法及び装置においては次のような問題があった。
例えば、図20に示すように多層回路基板上に信号線101と信号線101のリターンパスとなる導電体からなるプレーン102とがあり、プレーン102内に信号線101の外郭線である2本の辺103,104のうちの一方の辺103のみと重なる非導電領域105ともう一方の辺104のみと重なる非導電領域106があるとし、非導電領域105と非導電領域106とは互いに重ならないとする。
この場合、信号線101の帰還電流経路は、非導電領域105及び非導電領域106によって部分的に遮断されるため、帰還電流の迂回が生じ、非導電領域105,106が存在しない場合に比べて、放射ノイズが増大することが考えられる。
よって、非導電領域105,106と重ならないように迂回して信号線101を配置するのが望ましいが、そのためには信号線101の位置を大きく変更することになる。前述した通り、近年、回路基板のパターンは高密度化する傾向にあり、信号線101の位置を大きく変更するのが困難な場合がある。従って、非導電領域105,106に信号線101が重なった状態のままで、放射ノイズの電界強度をできるだけ小さくするのが望ましい。
本発明は係る問題点を解決すべく創案されたもので、その目的は、信号線とこの信号線のリターンパスが通るプレーン内の非導電領域とが重なる、または近接する場合に、信号線の位置を大きく変更することなく、放射ノイズを抑えるように設計データの修正を行う回路基板情報の修正方法、回路基板情報の修正装置、回路基板情報の修正プログラム及び修正プログラムを記録した記録媒体を提供するとともに、これら方法及び装置等を用いることで設計できる多層回路基板を提供することにある。
本発明に係わる多層回路基板は、信号線とこの信号線とは別の層に設けられているプレーンとを有する多層回路基板であって、前記信号線と前記プレーン内の非導電領域とが重なるように配置されている場合、前記重なる箇所に対し、前記信号線の中心線に沿って前記プレーン内の非導電領域を2分するように前記プレーン内に導電部が設けらた構成となっている。これにより、信号線と前記プレーン内の非導電領域とが重なるように配置されている場合であっても、信号線の位置を大きく変更することなく放射ノイズを抑えることができる。
また、本発明の多層回路基板は、信号線とこの信号線とは別の層に設けられているプレーンとを有する多層回路基板であって、前記信号線が前記プレーン内の2つの非導電領域の間を通っており、記信号線の中心線と前記2つの非導電領域の外郭との最短距離が、いずれも前記信号線の幅の1/2以下であり、かつ前記2つの非導通領域の外郭間の最短距離が、前記信号線の幅以下である箇所において、前記信号線の中心線が前記2つの非導電領域間の距離の中点を通るように前記信号線が配置されていることを特徴としている。これにより、信号線と前記プレーン内の非導電領域とが重なるように配置されている場合であっても、信号線の位置を大きく変更することなく放射ノイズを抑えることができる。
また、本発明に係わる回路基板情報の修正方法は、信号線とこの信号線とは別の層に設けられているプレーンとを有する多層回路基板を設計する設計データである回路基板情報の修正方法であって、前記回路基板情報が備える層情報から信号線を示す情報を取り出す工程と、前記回路基板情報が備える層情報から前記信号線と重なる位置にあるプレーンを示す情報を取り出す工程と、前記信号線を示す情報と前記プレーンを示す情報とから、前記信号線が前記プレーン内の2つの非導電領域の間を通っており、記信号線の中心線と前記2つの非導電領域の外郭との最短距離が、いずれも前記信号線の幅の1/2以下であり、かつ前記2つの非導通領域の外郭間の最短距離が、前記信号線の幅以下である箇所を検索する工程と、前記信号線が前記プレーン内の2つの非導電領域の間を通っており、記信号線の中心線と前記2つの非導電領域の外郭との最短距離が、いずれも前記信号線の幅の1/2以下であり、かつ前記2つの非導通領域の外郭間の最短距離が、前記信号線の幅以下である箇所が発見された場合は、2つの非導電領域間の距離の中点を信号線の中心線が通るように前記信号線の配置を修正することを対策とし、この対策内容に基づいて前記回路基板情報を修正する工程と、を含むことを特徴としている。これにより、信号線と前記プレーン内の非導電領域とが重なるように配置されている場合であっても、信号線の位置を大きく変更することなく放射ノイズを抑えるように配線パターンを修正することができる。
また、上記多層回路基板の修正方法を上記修正装置で実施するための本発明に係わる多層回路基板の修正プログラムは、信号線とこの信号線とは別の層に設けられているプレーンとを有する多層回路基板を設計する設計データである回路基板情報を修正するコンピュータ読み取り可能な修正プログラムであって、前記回路基板情報が備える層情報から信号線を示す情報を取り出すステップと、前記回路基板情報が備える層情報から前記信号線と重なる位置にあるプレーンを示す情報を取り出すステップと、前記信号線を示す情報と前記プレーンを示す情報とから、前記信号線が前記プレーン内の非導電領域と重なっている箇所を検索するステップと、信号線がプレーンと重なっている箇所が発見された場合は、前記信号線の中心線に沿って前記プレーン内の非導電領域を2分するように前記プレーン内に新たな導電部を設けることを対策とし、この対策内容に基づいて前記回路基板情報を修正するステップと、を含むことを特徴としている。
また、本発明に係わる回路基板情報の修正プログラムは、信号線とこの信号線とは別の層に設けられているプレーンとを有する多層回路基板を設計する設計データである回路基板情報の修正する修正プログラムであって、前記回路基板情報が備える層情報から信号線を示す情報を取り出すステップと、前記回路基板情報が備える層情報から前記信号線と重なる位置にあるプレーンを示す情報を取り出すステップと、前記信号線を示す情報と前記プレーンを示す情報とから、前記信号線が前記プレーン内の2つの非導電領域の間を通っており、記信号線の中心線と前記2つの非導電領域の外郭との最短距離が、いずれも前記信号線の幅の1/2以下であり、かつ前記2つの非導通領域の外郭間の最短距離が、前記信号線の幅以下である箇所を検索するステップと、前記信号線が前記プレーン内の2つの非導電領域の間を通っており、記信号線の中心線と前記2つの非導電領域の外郭との最短距離が、いずれも前記信号線の幅の1/2以下であり、かつ前記2つの非導通領域の外郭間の最短距離が、前記信号線の幅以下である箇所が発見された場合は、2つの非導電領域間の距離の中点を信号線の中心線が通るように前記信号線の配置を修正することを対策とし、この対策内容に基づいて前記回路基板情報を修正するステップと、をコンピュータに実行させることを特徴としている。
本発明に係わる回路基板情報の修正プログラムによれば、プログラムが実行可能なコンピュータ環境さえあれば、どこにおいても本発明の修正装置を実現することができる。さらに、この修正プログラムを汎用的なコンピュータで実行可能なものにしておけば、本発明の修正装置を実現するために専用のコンピュータ環境を準備する必要もなく、本発明修正プログラムの有用性が高まる。
なお、本発明の修正プログラムは、これを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として提供することができる。
本発明に係る回路基板情報の修正方法、回路基板情報の修正装置、回路基板情報の修正プログラム及び修正プログラムを記録した記録媒体によれば、多層回路基板の設計段階において、信号線と信号線のリターンパスが通るプレーン内の非導電領域とが重なる、あるいは近接すること(すなわち、信号線の中心線と2つの非導電領域の外郭との最短距離が、いずれも信号線の幅の1/2以下であり、かつ2つの非導通領域の外郭間の最短距離が、信号線の幅以下である箇所が存在すること)によって放射ノイズの増大が考えられる箇所に対し、信号線の中心線と自らの中心線が重なるような帯状の導電領域を非導電領域内に追加することで、信号線の位置を大きく変更することなく放射ノイズを抑えるように配線パターンを修正することができる。また、信号線の中心線と非導電領域とが重ならず、非導電領域が信号線の中心線の両側にある場合は、信号線の中心線が非導電領域間の中央に来るように移動することによって、プレーン層を修正することなしに放射ノイズを減少させることができる。このため、高密度に配線パターンが形成され、配線パターンを変更する余地が少ない回路基板に対しても、リターンパスの分断・迂回に対する対策を行うことができ、放射ノイズの対策を行うことができる。また、これらの方法、装置、プログラム及びプログラムの記憶媒体を用いることによって設計された多層回路基板は、高密度に配線パターンが形成されており、かつ放射ノイズの少ない回路基板とすることができる。
−本発明の概要−
まず最初に、本発明の概要について説明する。
本発明は、多層回路基板の配線設計時に、配線層の形状と配線層の最も近くに配置されているプレーンの形状とを比較し、プレーン内にあって互いに近接する2つの非導電領域の間に重なって配線が通る箇所を検索し、配線形状が2つの非導電領域の中間に再配置する方法、装置及びこれらの方法及び装置を用いることによって設計された多層回路基板を提供するものである。
−シミュレーション結果の説明−
次に、本発明による効果を実証するために行ったシミュレーションについて説明する。
シミュレーションは電磁波解析用ソフトウェアを用いて行った。この電磁波解析用ソフトウェアはモーメント法によって解析モデルの電流分布を求め、電流分布より定められた観測点での電界強度を計算する。
本シミュレーションでは図1に示す回路基板モデルA、図2に示す回路基板モデルBの2つの回路基板モデルについて解析を行った。いずれの回路基板モデルA,Bも基板1の縦長が100mm、横長が100mmである方形であり、基板厚が3mmである。基板材料は誘電体であり、誘電率は4.7で一様である。基板1の片方の面にはグラウンドプレーン2が形成されており、グランドプレーン2とは反対の面に、帯状の信号線3が形成されているマイクロストリップライン構造になっている。
信号線3は基板1の縦横の中心線に対称になるよう形成されている。信号線3の長さは80mmであり、幅は一様に4mmである。いずれの配線基板モデルA,Bもグランドプレーン2内の信号線と重なる位置に非導電領域2a,2bを備えている。また信号線3のそれぞれの端とグラウンドプレーン2はビアホール4,4によって導通している。また片方のビアホール4に周波数515.6MHz、デューティー比49%、Highレベルの出力電圧が5.14V、Lowレベルの出力電圧が0.2Vのクロック信号を発する波源を置き、もう片方のビアホール4にはレシーバを置いた。
回路基板モデルAは、図1に示すように、グランドプレーン2内に、信号線3の中心線3aに対称に2つの方形の非導電領域2a,2bを備えたモデルである。非導電領域2a,2bは信号線3の中心線3aから1mm離れており、信号線3の中心線3aに平行である。両方の非導電領域2a,2bの長さは40mmであり幅は2mmである。
回路基板モデルBは、図2に示すように、信号線3の中心線3aに対し非対称となるように2つの非導電領域2a,2bを配置したモデルである。片方の非導電領域2bの一辺2b1は信号線3の中心線3aと同一直線上にある。もう片方の非導電領域2aは信号線3の中心線3aから2mm離れており、信号線3の中心線3aに隣接している。両方の非導電領域2a,2bの長さは40mmであり幅は2mmである。
シミュレーションにおける観測条件を図3に示す。回路基板モデル(回路基板モデルA、回路基板モデルB)は大地面より0.8m上方に、大地面と平行になるように置いた。回路基板モデルは観測時には基板1の中心を通り、大地面と垂直な線を軸として360°回転する。回転軸と測定用アンテナ5との距離は3mとした。アンテナの高さは大地面より1〜4mの範囲で1m刻みで変化させ、各アンテナの高さにおいて配線基板を360°回転させた。測定値の採用はピークホールドによって行った。
次に、シミュレーションの結果について説明する。
図4は、回路基板モデルAの放射ノイズの電界強度のスペクトラムであり、図5は回路基板モデルBの放射ノイズの電界強度のスペクトラムである。
回路基板モデルAと回路基板モデルBとで電界強度の値の差異が顕著なのは、波源の基本周波数の4倍の周波数(2062.4MHz)と5倍の周波数(2578.0MHz)における電界強度の値である。回路基板モデルAの2062.4MHzにおける電界強度は、30.2dB(μV/m)であり、2578.0MHzにおける電界強度は40.6dB(μV/m)であるのに対し、回路基板モデルBの2062.4MHzにおける電界強度は50.3dB(μV/m)であり、2578.0MHzにおける電界強度は50.6dB(μV/m)となっている。すなわち、回路基板モデルBの電界強度は回路基板モデルAの電界強度に対し、2062.4MHzの周波数においては約10倍、2578.0MHzにおける周波数においては約3倍となっている。
以上のシミュレーションの結果より、2つの非導電領域2a,2bが信号線3の中心線3aに対して対称に配置した方が、非対称に配置する場合に比べ、より放射ノイズの電界強度を低くできるといえる。
−本発明の実施の形態−
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、本発明に係る装置及び方法の実施の形態は、以下で説明する設計装置及びこれを用いた回路基板の設計方法の実施の形態に包摂される。また、本発明に係る多層回路基板は、以下の設計装置及びこれを用いた回路基板の設計方法において処理された回路基板情報を基に、例えばレーザーフォトプロッタを用いてアートワークフィルムを製造し、アートワークフィルムを用いて樹脂板上に銅箔のパターンを形成し、それらを積層して製造することができるので、ここでは詳細な説明を省略する。
−本発明に係る装置構成の説明−
図6は、本発明の実施の一形態であるノイズ放射パターン修正装置の構成例を示している。
ノイズ放射パターン修正装置10は、信号線−プレーン重なり検索手段11と、パターン修正箇所検索手段12と、信号線レイアウト調整手段13と、ノイズ対策パターン生成手段14とを備えている。このノイズ放射パターン修正装置10は、基板情報15とノイズ対策パターン設計情報16とから必要な情報を読み取り、基板情報15の内容を編集する。以下では本装置が扱う情報のデータ構造と、本装置が備える各手段の機能について説明する。
<基板情報15の説明>
図7は基板情報15のデータ構造を示す図である。
基板情報15とは、回路基板を表す情報である。基板情報15は、有限個の層情報151から成る層情報集合と、有限個のビアホール情報152から成るビアホール情報集合とを備えている。
層情報151とは、基板が備える層を表す情報である。層情報151は層番号1511と、有限個のパターン情報1512から成るパターン情報集合とを備えている。
層番号1511は、基板の中での層の重ね合わせの順番を示す整数である。例えば、図8(a)の多層基板は、層La、層Lb、層Lc、層Ldから構成されており、層の重ね合わせの順序はLa→Lb→Lc→Ldとなっている。この場合、図8(b)に示すように層Laの層情報の層番号は1、層Lbの層情報の層番号は2、層Lcの層情報の層番号は3、層Ldの層情報の層番号は4となる。
パターン情報1512とは、導電部を表す情報である。パターン情報1512はその層において非導電部によって区切られる1つの導電部の形状を表すパターン形状情報と、パターン修正箇所検索手段12の対象となるか否かを示すパラメータであるチェックフラグと、パターン情報1512が表す導電部が信号線であるかプレーンであるかを区別するためのパターン分類情報とを備える。パターン情報集合の要素数は、非導電部によって区切られる導電部の数である。
前記パターン形状情報は、2次元幾何形状を表す数値の集合である。
本実施形態においては、導電部の形状を平面多角形で近似し、導電部の形状情報は、多角形を構成する線分の始点座標と終点座標との集合とし、かつどの線分においても始点→終点方向のベクトルを時計回りに90°回転したベクトルの方向に導電部が存在するとした。
また本実施形態においては、チェックフラグの値は、該導電部が帰還電流の分断・迂回チェックの対象となる場合はT、そうでない場合はFとなるようにした。
また本実施形態においては、パターン分類情報の値は、該導電部が信号線である場合はS、プレーンである場合はPとなるようにした。
ビアホール情報152とは、ビアホールを表す情報である。ビアホール情報152はビアホールの形状を表すビアホール形状情報と、ビアホールに付随するクリアランスの形状を表すクリアランス形状情報と、該ビアホールがどの層とどの層とを接続しているかを示す情報(本実施形態では「層間接続情報」と称する)との組合せを備える。また本実施例においては、層間接続情報は2つの層番号を備え、一方の層番号が示す層と他方の層番号が示す層とをビアホールが接続していることを示す。
<ノイズ対策パターン設計情報16の説明>
ノイズ対策パターン設計情報16は、リターンパス用に追加される導電部の形状を規定するパラメータを備えている。本実施形態においては、ノイズ対策パターン設計情報はノイズ対策パターン線幅情報からなる。ノイズ対策パターン線幅情報は、リターンパスのために新たに設ける帯状のパターンの線幅である。
<信号線−プレーン重なり検索手段11の説明>
信号線・プレーン重なり検索手段11は、信号線を表すパターン情報1512と基板情報15とを入力として受け取り、この受け取った情報を基に前記パターン情報1512が表す導電部を備える層とは別の層にあり、かつ前記導電部と重なる位置にあるプレーンを示すパターン情報を検索し、その検索したパターン情報のリストを出力する手段である。
以下、信号線・プレーン重なり検索手段11の具体的な処理動作を、図9に示すフローチャートを参照して説明する。以下の説明では、信号線を表すパターン情報をPatSLとし、基板情報が備える層情報をL(i)とする(ただしiは1≦i≦mである整数、mは前記基板情報が備える層情報集合の要素数)。また層情報L(i)が備えるパターン情報をL(i).Pat(j)とする(ただし、jは1≦j≦n(i)である整数、n(i)は層情報L(i) が備えるパターン情報集合の要素数)。
ステップS1では、出力リストを空にし、初期化して、ステップS2に進む。
ステップS2では、変数iに1を代入すし、ステップS3に進む。
ステップS3では、PatSLが表す導電部を備える層を表す層情報の層番号をNとした時、N-iが1以上かつN+iがm以下であればステップS4に進み、そうでなければステップS8に進む。
ステップS4では、層番号がN-iである層情報が備えるパターン情報L(N-i).Pat(1)〜L(N-i).Pat(n(N-i))のうち、信号線を表すパターン情報PatSLと重なるすべてのパターン情報を出力リストに加える。なお、パターン情報Aとパターン情報Bが重なるとは、それぞれのパターン情報Aが備えるパターン形状情報が表す形状とパターンBが備えるパターン形状情報が表す形状とを図形演算によって比較した場合に、重複する部分を有するということである。
ステップS5では、層番号がN+iである層情報が備えるパターン情報L(N+i).Pat(1)〜L(N+i).Pat(n(N+i))のうち、信号線を表すパターン情報PatSLと重なるすべてのパターン情報を出力リストに加える。
ステップS6では、出力リストの要素数が0であるかどうかを判定する。もし出力リストの要素数が0であればステップS7に進む。そうでなければステップS8に進む。
ステップS7では、iに1を加えて、ステップS3に戻る。
ステップS8では、パターン情報のリストを出力して、処理を終了する。
以上、説明した処理フローに基づき、信号線・プレーン重なり検索手段11は、信号線を表すパターン情報1512と基板情報15とを入力として受け取り、その受け取った情報を基に前記パターン情報が表す導電部を備える層とは別の層にあり、かつ前記導電部と重なる位置にあるプレーンを示すパターン情報を検索し、その検索したパターン情報のリストを出力することができる。なお、図9に示す処理フローは信号線・プレーン重なり検索手段11の処理方法の一例にしかすぎず、本発明は図9に示す処理フローに限定されるものではない。
<パターン修正箇所検索手段12の説明>
パターン修正箇所検索手段12は、信号線を表すパターン情報と、前記パターン情報が示す導電部を備える層とは別の層にあり、前記導電部と重なる位置にあるプレーンを示すパターン情報とを入力として受け取り、この受け取ったパターン情報の修正箇所及び修正方法を表すパターン修正情報の有限個の集合であるパターン修正情報集合を出力する手段である。パターン修正情報は、図10に示すように、パターン修正の方法を表す修正方法分類情報と、パターン修正に用いられる数値である修正用パラメータとを備える。
パターン修正箇所検索手段12は、2つの処理を順次行う。1つ目の処理は、信号線の中心線と非導電領域とが重なっている部分を検索する処理であり、2つ目の処理は、信号線が2つの非導電領域の間を通っており、かつ信号線と2つの非導電領域が近接している部分を検索する処理である。なお、これら2つの処理を行う順序は、本実施形態とは逆にしてもよい。また、これらの処理のうちいずれか一方の処理のみを行うようにしてもよい。
(1)最初に、信号線の中心線と非導電領域とが重なっている部分を検索する処理(1つ目の処理)について説明する。
以下の説明では、入力データである信号線SLを表すパターン情報をPatSLとし、プレーンPを表すパターン情報をPatPとする。パターン情報PatSLが備えるパターン形状情報から、図形演算により信号線の中心線の形状情報を計算する。そして、パターン情報PatPが備えるパターン形状情報と信号線SLの中心線の形状情報とから図形演算により、信号線の中心線のうち、プレーンP内の非導電領域と重なる部分である線分を表す線分情報を全て求める。ここで、前記線分の数がNとすると、N個のパターン修正情報を生成し、各パターン修正情報の修正方法分類情報の値を「add#pattern」とし、各パターンの修正用パラメータの値を各線分の位置・形状を表す座標値の集合とする。そしてN個のパターン修正情報を、パターン修正情報集合に追加する。
(2)次に、信号線SLが2つの非導電領域の間を通っており、かつ信号線と2つの非導電領域が近接している部分を検索する処理(2つ目の処理)について説明する。
信号線SLが2つの非導電領域の間を通っており、かつ信号線SLと2つの非導電領域が近接しているかどうかの判定は次のように行う。
今、図11に示すように、円形の非導電領域21と、円形の非導電領域22と、信号線SLとがあるとする。信号線SLの中心線SL0に最も近い非導電領域21の外郭線211上の点をP1aとし、信号線SLの中心線SL0に最も近い非導電領域22の外郭線221上の点をP2aとする。また、P1aから信号線SLの中心線SL0に下ろした垂線の足をP1bとし、線分P1a-P1bの長さをd1とする。また同様に、P2aから信号線SLの中心線SL0に下ろした垂線の足をP2bとし、線分P2a-P2bの長さをd2とする。また、信号線SLの幅をwとし、P1bとP2bとの距離をlとする。
このとき、P1aとP2aとがそれぞれ中心線SL0から見て左右にあり、d1、d2の値が共にw/2以下であり、lの値がw以下である場合に、信号線SLが2つの非導電領域21,22の間を通っており、かつ信号線SLと2つの非導電領域21,22が近接していると判定する。
この近接箇所に対して、修正方法分類情報として「move#line」が、修正用パラメータとしてP1aの座標値とP2aの座標値とを備えるパターン修正情報がそれぞれ生成され、出力のパターン修正情報集合に追加される。
また、非導電領域の外郭線が信号線の中心線に平行な線分を含み、かつその線分が信号線の中心線に最も近い点を含む等、P1aが複数存在するまたはP2aが複数存在する場合には、前記複数のP1aから信号線の中心線に下ろした垂線の足である複数のP2bと、前記複数のP2aから信号線の中心線に下ろした垂線の足である複数のP2bとの最短距離をlとすれば良い。
具体的に説明すると、図12に示すように、長方形の非導電領域31と長方形の非導電領域32と信号線SLとがあり、非導電領域31、非導電領域32のいずれも信号線SLの中心線SL0に平行な一辺を有するとする。非導電領域31の外郭線311のうち、信号線SLに平行であり、かつ信号線SLの中心線SL0に最も近い点を含む線分をL1とする。また、非導電領域32の外郭線321のうち、信号線SLに平行であり、かつ信号線SLの中心線SL0に最も近い点を含む線分をL2とする。この場合、線分L1上の点は全てP1aであり、線分L2上の点は全てP2aといえる。従って、L1の信号線SLの中心線SL0に対する射影と、L2の信号線SLの中心線SL0に対する射影との最短距離がlであり、lがw以下であれば、近接していると判定する。図12に示した例では、L1の信号線SLの中心線SL0に対する射影とL2の信号線SLの中心線SL0に対する射影とに重複する部分があり、最短距離lは0である。従って、図12に示した例では、信号線SLが2つの非導電領域31,32の間を通っており、かつ信号線SLと2つの非導電領域31,32が近接していると判定することができる。
この近接箇所に対して、修正方法分類情報として「move#line」が、修正用パラメータとしてP1a両端の点(すなわち、図12に示した例ではL1の2端点の座標値)とP2aの両端の点(すなわち、図12に示した例ではL2の2端点の座標値)とを備えるパターン修正情報がそれぞれ生成され、出力のパターン修正情報集合に加えられる。
また、図19に示すように、2つのビアホール41,42が近接し、前記2つのビアホール41,42の円形のクリアランス411,421が接合して、1つのクリアランス(非導電領域)となっていて、さらに2つのビアホール41,42の間を、2つの円の中心点を結ぶ直線(図中一点鎖線で示している)43に垂直に信号線SLが通っている場合、通常は修正方法分類情報が「add#pattern」となるが、この場合には特別に、2つのクリアランス411,421の円の2つの交点X1,X2を端点とする線分L7(図中破線で示している)を表す情報を修正パラメータとして、パターン修正情報集合に追加する。ただし、修正分類情報が「move#line」であり、修正用パラメータを2つのクリアランスの円の中心点Q1,Q2の座標値とするパターン修正情報をパターン修正情報集合に追加するようにしてもよい。これによって、新規に追加するパターンが2つのビアホールの中間に位置することになるので、新規に追加するパターンとビアホールとの干渉を防ぐことができ、かつノイズ放射を低減することができる。
<ノイズ対策パターン生成手段14の説明>
ノイズ対策パターン生成手段14は、プレーンを表すパターン情報と、パターン修正情報とを入力として受け取り、プレーンを表すパターン情報を修正したパターン情報を出力する。
ノイズ対策パターン生成手段14は、入力するパターン修正情報の修正方法分類情報が「add#pattern」である場合に、プレーンを表すパターン情報を修正する。修正方法分類情報が「add#pattern」である場合、パターン修正情報は修正用パラメータとして信号線の中心線と非導電領域の重なる部分である線分または2つのクリアランスの円の2つの交点を端点とする線分を表す情報を備えている。
具体的に説明すると、ノイズ対策パターン生成手段14は、図13(a),(b)に示すように、前記パターン情報が備えるパターン形状情報が表す非導電領域51に対して、修正用パラメータが表す線分L3を中心線とし幅をwとする導電領域52を追加する形で前記非導電領域51を2つに分割(511,512)した形状を表すよう、パターン形状情報を修正する。なお、導電領域52の幅wはノイズ対策パターン設計情報が備えるあらかじめ定められた値である。
<信号線レイアウト調整手段13の説明>
信号線レイアウト調整手段13は、信号線を表すパターン情報と、プレーンを表すパターン情報と、パターン修正情報とを入力として受け取り、この受け取った情報を基に信号線を表すパターン情報を修正したパターン情報を出力する。
具体的に説明すると、信号線レイアウト調整手段13は、入力するパターン修正情報の修正方法分類情報が「move#line」である場合に、信号線を表すパターン情報を修正する。すなわち、信号線レイアウト調整手段13が、信号線を表すパターン情報PatSLと、プレーンを表すパターン情報PatPLと、パターン修正情報PatFixとを入力として受け取ったとする。
修正方法分類情報が「move#line」である場合、パターン修正情報PatFixが備える修正用パラメータは、点の情報と点の情報との組合せ、もしくは点の情報と線分(すなわち2つの点)の情報との組合せ、もしくは線分の情報と線分の情報との組合せであり、それぞれ信号線の中心線の左右にある、非導電領域の最接近座標を表している。
すなわち、図14(a),(b)に示すように、修正用パラメータが点の情報と点の情報との組合せである場合は、2点x11,x12の中点x13を通るように信号線SLの中心線SL0を平行移動させる(図14(b)参照)。
また、図15(a),(b)に示すように、修正用パラメータが点情報と線情報との組合せである場合は、点情報が表す点x21と、線情報が表す線分L4の端点x22,x23とのそれぞれの中点x24,x25を通るように信号線SLの中心線SL0を平行移動させる(図15(b)参照)。
また、図16(a),(b)に示すように、修正用パラメータが線情報と線情報との組合せである場合は、片方の線情報が表す線分L5のいずれか一方の端点x31と、もう片方の線分情報が表す線分L6の対応する一方の端点x32との中点x33、及び片方の線情報が表す線分L5の他方の端点x34と、もう片方の線分情報が表す線分L6の対応する他方の端点x35との中点x36を通るように信号線SLの中心線SL0を平行移動する(図16(b)参照)。
以上、図14ないし図16を用いて説明した通りに信号線SLの中心線SL0が移動するよう、信号線を表すパターン形状情報を修正する。
−装置全体の動作説明−
次に、上記した設計装置を用いてノイズ対策パターンを設計する方法について、図17に示す装置全体のフローチャート、及び図18に示す処理3のフローチャートを参照して説明する。
基板情報15が備える層情報集合の要素数をmとし、基板情報15が備える各層情報をLayer(i)と記す。なお、変数iは1≦i≦mである整数である。さらに、任意の層情報Layer(i)が備えるパターン情報集合の要素数をn(i)と記し、Layer(i)が備えるパターン情報をLayer(i).Pat(j)と記す。なお、変数jは1≦j≦n(i)である整数である。
ステップS11では、変数iに1を代入して、ステップS12に進む。
ステップS12では、iがm以下であるかどうかを判定する。iがm以下であればステップS3に進み、そうでなければ処理を終了する。
ステップS13では、jに1を代入して、ステップS14に進む。
ステップS14では、jがn(i)以下であるかどうかを判定する。jがn以下であればステップS15に進み、そうでなければステップS23に進む。
ステップS15では、層情報Layer(i)が備えるパターン情報集合が備えるパターン情報Layer(i).Pat(j)が信号線を表す情報であるかどうかを判定する。すなわち、Layer(i).Pat(j)が備えるパターン分類情報の値がSであるかどうかを判定し、Sである場合はステップS16に進み、そうでなければステップS22に進む。
ステップS16では、Layer(i).Pat(j)が示す信号線と重なっているプレーンを検索する。すなわち、信号線−プレーン層重なり検索手段11に信号線を表すパターン情報としてLayer(i).Pat(j)を入力し、パターン情報のリストを出力として受け取り、ステップS17に進む。ここで、出力として受け取ったパターン情報のリストをPlist(i,j)とし、PList(i,j)の要素数をNp(i,j)と記す。また、変数kは1≦k≦Np(i,j)である整数とする。
ステップS17では、kに1を代入し、ステップS18に進む。
ステップS18では、kがNp(i,j)以下であればステップS19に進み、そうでなければステップS22に進む。
ステップS19では、PList(i,j)のk番目の要素であるパターン情報が表すプレーン内に、パターン情報Layer(i).Pat(j)が表す信号線と重なる非導電領域があるかどうかを検索する。すなわち、パターン修正箇所検索手段12に、Layer(i).Pat(j)とPList(i,j)のk番目の要素であるパターン情報を入力し、パターン修正情報集合を出力として得る。そしてステップS20に進む。
ステップS20では、パターン修正情報集合に基づき、Layer(i).Pat(j)とPList(i,j)のk番目の要素であるパターン情報とに対して修正を行う。この処理を処理3とする。処理3の詳細な内容については後述する。そしてステップS21に進む。
ステップS21では、kに1を加えて、ステップS18に戻る。
ステップS22では、jに1を加えて、ステップS14に戻る。また、ステップS23では、iに1を加えて、ステップS12に戻る。
次に、処理3の詳細な内容について説明する。
処理3は、図18のフローチャートに示すように、ステップS31から始まる、ステップS31〜ステップS37のステップからなる。パターン修正箇所検索手段12から得られたパターン修正情報集合の要素数をNfとし、パターン修正情報集合に含まれるパターン修正情報をPatFix(1)〜PatFix(Nf)とする。また、変数hを1≦h≦Nfである整数とする。
ステップS31では、hに1を代入する。
ステップS32では、hがNf以下であるかどうかを判定する。hがNf以下であればステップS33に進み、そうでなければ処理を終了する。
ステップS33では、パターン修正情報PatFix(k)が備える修正方法分類情報が「add#pattern」であるかどうかを判定し、そうであればステップS34に進み、そうでなければステップS35に進む。
ステップS34では、ノイズ対策パターン生成手段14にパターン修正情報とPListのk番目の要素であるパターン情報とを入力し、修正されたパターン情報PatOutを出力として得る。そしてPListのk番目の要素であるパターン情報をPatOutと置き換える。そしてステップS37へ進む。
ステップS35では、パターン修正情報PatFix(k)が備える修正分類情報が「move#line」であるかどうかを判定し、そうであればステップS36に進み、そうでなければステップS37に進む。
ステップS36では、信号線レイアウト調整手段13にパターン修正情報と、信号線を表すパターン情報Layer(i).Pat(j)と、PListのk番目の要素であるパターン情報とを入力し、修正されたパターン情報PatOutを出力として得る。そして、Layer(i).Pat(j)とPatOutとを置き換える。そしてステップS37に進む。
ステップS37では、kに1を加えて、ステップS32に戻る。
−プログラムおよび記録媒体−
以上説明した回路基板情報の修正装置は、マイクロコンピュータにより回路基板情報の修正処理を実行させるための修正プログラムによって実現されている。
発明の対象とするのは、このプログラムそのものであってもよいし、このプログラムがコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されているものであってもよい。
本発明では、この記録媒体として、マイクロコンピュータで処理が行なわれるために必要なメモリ、例えばROMのようなものそのものがプログラムメディアであってもよいし、また、図示していない外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。いずれの場合においても、格納されているプログラムはマイクロコンピュータがアクセスして実行させる構成であってもよいし、あるいはいずれの場合もプログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータの図示しないプログラム記憶エリアにロードされて、そのプログラムが実行される方式であってもよい。このロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、FD(フレキシブルディスク)やHD(ハードディスク)等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
また、本発明においては、インターネットを含む通信ネットワークと接続可能なシステム構成である場合には、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用プログラムは予め装置本体に格納しておくか、あるいは別の記録媒体からインストールされるものであってもよい。なお、記録媒体に格納されている内容としてはプログラムに限定されず、データであってもよい。
さらに、本発明では、プログラム自体として、マイクロコンピュータで実行される処理そのものであってもよいし、あるいはインターネットを含む通信ネットワークとアクセスすることで取り込める、あるいは取り込めたものであってもよいし、こちらから送り出すものであってもよい。さらには、この取り込んだプログラムに基づいて、上記修正装置内で処理された結果、つまり生成されたものであってもよい。あるいは、こちらから送り出す際に上記修正装置内で処理された結果、つまり生成されたものであってもよい。なお、これらのものはプログラムに限定されず、データであってもよい。
本発明の効果を実証するために行ったシミュレーションに用いた回路基板モデルAの構造を示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は非導電領域部分の一部拡大図である。 本発明の効果を実証するために行ったシミュレーションに用いた回路基板モデルBの構造を示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は非導電領域部分の一部拡大図である。 本発明の効果を実証するために行ったシミュレーションにおける測定条件を示す説明図である。 回路基板モデルAの放射ノイズ電界強度のスペクトル図である。 回路基板モデルBの放射ノイズ電界強度のスペクトル図である。 本発明の一実施形態であるノイズ放射パターン修正装置の構成図である。 基板情報のデータ構造を説明する図である。 層情報集合のデータ構造を説明する図である。 信号線−プレーン重なり検索手段の処理手順を示すフローチャートである。 パターン修正情報のデータ構造を説明する図である。 信号線と非導電領域との近接の判定基準を説明する図である。 信号線と非導電領域との近接の判定基準を説明する図である。 ノイズ対策パターン生成手段の処理を説明する図である。 信号線レイアウト調整手段の処理を説明する図である。 信号線レイアウト調整手段の処理を説明する図である。 信号線レイアウト調整手段の処理を説明する図である。 本発明の一実施形態であるノイズ放射パターン修正装置の全体的な処理手順を示すフローチャートである。 図17に示すフローチャートの処理3の詳細な処理手順を示すフローチャートである。 2つのビアホールの間を信号線が通る場合に、パターン修正箇所検索手段が出力するパターン修正情報の修正用パラメータを説明する図である。 ノイズ対策が困難である配線例を示す説明図である。
符号の説明
10 ノイズ放射パターン修正装置
11 信号線−プレーン重なり検索手段
12 パターン修正箇所検索手段
13 信号線レイアウト調整手段
14 ノイズ対策パターン生成手段
15 基板情報
16 ノイズ対策パターン設計情報

Claims (5)

  1. 信号線とこの信号線とは別の層に設けられているプレーンとを有する多層回路基板であって、
    前記信号線が前記プレーン内の2つの非導電領域の間を通っており、前記信号線の中心線と前記2つの非導電領域の外郭との最短距離が、いずれも前記信号線の幅の1/2以下であり、かつ前記2つの非導通領域の外郭間の最短距離が、前記信号線の幅以下である箇所において、前記信号線の中心線が前記2つの非導電領域間の距離の中点を通るように前記信号線が配置されていることを特徴とする多層回路基板。
  2. 信号線とこの信号線とは別の層に設けられているプレーンとを有する多層回路基板を設計する設計データである回路基板情報の修正方法であって、
    前記回路基板情報が備える層情報から信号線を示す情報を取り出す工程と、
    前記回路基板情報が備える層情報から前記信号線と重なる位置にあるプレーンを示す情報を取り出す工程と、
    前記信号線を示す情報と前記プレーンを示す情報とから、前記信号線が前記プレーン内の2つの非導電領域の間を通っており、前記信号線の中心線と前記2つの非導電領域の外郭との最短距離が、いずれも前記信号線の幅の1/2以下であり、かつ前記2つの非導通領域の外郭間の最短距離が、前記信号線の幅以下である箇所を検索する工程と、
    前記信号線が前記プレーン内の2つの非導電領域の間を通っており、前記信号線の中心線と前記2つの非導電領域の外郭との最短距離が、いずれも前記信号線の幅の1/2以下であり、かつ前記2つの非導通領域の外郭間の最短距離が、前記信号線の幅以下である箇所が発見された場合は、2つの非導電領域間の距離の中点を信号線の中心線が通るように前記信号線の配置を修正することを対策とし、この対策内容に基づいて前記回路基板情報を修正する工程と、を含むことを特徴とする回路基板情報の修正方法。
  3. 信号線とこの信号線とは別の層に設けられているプレーンとを有する多層回路基板を設計する設計データである回路基板情報を修正する修正装置であって、
    前記回路基板情報が備える層情報から信号線を示す情報を取り出すとともに、前記回路基板情報が備える層情報から前記信号線と重なる位置にあるプレーンを示す情報を取り出す選択手段と、
    前記信号線を示す情報と前記プレーンを示す情報とから、前記信号線が前記プレーン内の2つの非導電領域の間を通っており、前記信号線の中心線と前記2つの非導電領域の外郭との最短距離が、いずれも前記信号線の幅の1/2以下であり、かつ前記2つの非導通領域の外郭間の最短距離が、前記信号線の幅以下である箇所を検索する検索手段と、
    前記信号線が前記プレーン内の2つの非導電領域の間を通っており、前記信号線の中心線と前記2つの非導電領域の外郭との最短距離が、いずれも前記信号線の幅の1/2以下であり、かつ前記2つの非導通領域の外郭間の最短距離が、前記信号線の幅以下である箇所が前記検索手段によって発見された場合には、2つの非導電領域間の距離の中点を信号線の中心線が通るように前記信号線の配置を修正することを対策とし、この対策内容に基づいて前記回路基板情報を修正するパターン修正手段とを備えたことを特徴とする回路基板情報の修正装置
  4. 信号線とこの信号線とは別の層に設けられているプレーンとを有する多層回路基板を設計する設計データである回路基板情報修正する修正プログラムであって、
    前記回路基板情報が備える層情報から信号線を示す情報を取り出すステップと、
    前記回路基板情報が備える層情報から前記信号線と重なる位置にあるプレーンを示す情報を取り出すステップと、
    前記信号線を示す情報と前記プレーンを示す情報とから、前記信号線が前記プレーン内の2つの非導電領域の間を通っており、前記信号線の中心線と前記2つの非導電領域の外郭との最短距離が、いずれも前記信号線の幅の1/2以下であり、かつ前記2つの非導通領域の外郭間の最短距離が、前記信号線の幅以下である箇所を検索するステップと
    前記信号線が前記プレーン内の2つの非導電領域の間を通っており、前記信号線の中心線と前記2つの非導電領域の外郭との最短距離が、いずれも前記信号線の幅の1/2以下であり、かつ前記2つの非導通領域の外郭間の最短距離が、前記信号線の幅以下である箇所が発見された場合は、2つの非導電領域間の距離の中点を信号線の中心線が通るように前記信号線の配置を修正することを対策とし、この対策内容に基づいて前記回路基板情報を修正するステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする回路基板情報の修正プログラム
  5. 請求項4に記載の回路基板情報の修正プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
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