JP4248664B2 - ワイヤーハーネスの端末部固定構造 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車内装用の成形天井の裏面に固着されたルームランプ等への給電用の電線束（ワイヤーハーネスと称される）の端末部を固定する構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
自動車の組み立てラインでの所要工数を低減させるため、成形天井の裏面にルームランプ等への給電用の電線束（以下、ワイヤーハーネスという。）を予め固着しモジュール化を促進することがなされている。
【０００３】
ところで、成形天井へのワイヤーハーネスの固着は、従来から、塗布ガンを使用し加熱溶融した樹脂を接着剤として成形天井に塗着させホットメルト法、ステープルを打ち込んで機械的に止める方法、およびクラフトテープによって止着する方法等があったが、いずれの場合も端末部の固定が十分にできていないので、該成形天井を車体ボデーに組み付けるにあたり位置ずれを起こし電源コネクタが正規の位置から引き出せないこととなって組み付けに支障を来たすおそれがあった。
また、組み立て工場への運搬の途中や組み付けの際の取廻しによって端末が剥れ易いという問題もあった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題を解決しワイヤーハーネスの端末部の位置決めが確実になされ、剥れるようなおそれもないワイヤーハーネスの端末部固定構造を提供するものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
そのために本発明のワイヤーハーネスの端末部固定構造は、成形天井の周縁部に耳片を延設し、ルームランプ，マップランプ等に至る複数本の電線を結束してなるワイヤーハーネスを該成形天井の裏面に固着するとともに、該ワイヤーハーネスの端末部を前記耳片上に重合し、該耳片と該ワイヤーハーネスの端末部を縛るように粘着テープを巻回し固定したことを特徴とする。
また本発明は上記端末部固定構造において、耳片は横断面が弧状に湾曲した形態であって、その内側にワイヤーハーネスの端末部を重合させるようにしたことを特徴とする。
【０００６】
【発明の実施の形態】
次に図面と共に本発明の実施の形態を説明する。図１に本発明に係る自動車内装用の成形天井の裏面を斜視図にて示す。この成形天井１はウレタンフォームの両面に剛性，耐熱性，形状保持性を増すためにガラス繊維を配して熱圧し板状に成形したチョップドストランドマットと称されるもので、２はルームランプを室内に露呈させるために中央部に形成された開口、３はマップランプのために前部真中に形成された開口、４，４はサンバイザーを収納するために前部両側に形成された浅い凸状部、５，５は該低凸部４，４に形成されたサンバイザー取付孔である。また、６，６はアシストグリップ取付孔、７，７はこの成形天井１を車体屋根下面に取付けるためにこの成形天井１の裏面に予め固着されたプラスチック製の係合片である。そして本発明では、成形天井１の周縁部（隅角部）に横断面が弧状に湾曲した形態の耳片８を延設している。
【０００７】
ワイヤーハーネス１０は、図２に示したように、基端部に電源コネクタ１１を設けた複数本の電線１２をその外周にビニルテープ１３を巻着することによって束ねるとともに、この電線をターミナルを介在させることにより分枝し、その各先端にルームランプ用のコネクタ１４、マップランプ用のコネクタ１５、サンバイザーに取付けられるハンディーミラー用のコネクタ１６，１６を夫々取付けてなるもので、該ワイヤーハーネス１０は、図３に示したように、コネクタ１４を開口２、コネクタ１５を開口３、コネクタ１６，１６を取付孔５，５に夫々臨ませ、この成形天井１の裏面にホットメルト，ステープルまたは両面粘着テープ等の適宜手段で止着される。
【０００８】
そして、図３に拡大して示したように、耳片８上にワイヤーハーネス１０の端末部を重合し、図４に示したように、該耳片８と該ワイヤーハーネスの端末部を縛るように粘着テープ１７を巻回して固定し、電源コネクタ１１を該成形天井１の隅角部から導出させる。
【０００９】
このように耳片８にワイヤーハーネス１０の端末部を粘着テープ１７を巻回して固定することにより、この成形天井１を車体ボデーに組み付けた際の電源コネクタ１１の導出位置がずれることなく精度が保たれる。このため、ワイヤーハーネス１０の端末部が車体ボデーに接して組み付け不良を発生させるようなおそれがない。
【００１０】
耳片８は横断面が弧状に湾曲した形態とすることで剛性が向上するとともに、その内側にワイヤーハーネスの端末部を重合させることでその位置決めをより正確に行い得るようになる。なお、こうして成形天井１から導出されたワイヤーハーネスの端末部は、手で引っ張れば容易に切れるように予め切目が入っているビニルテープ（オペレーションテープと称される。）で束ねて耳片８に仮止めした状態（図示せず）として自動車組み立てラインに運ぶようにすれば、ブラブラせずまとまりがよい。
【００１１】
【発明の効果】
このように本発明のワイヤーハーネスの端末部固定構造は、成形天井の周縁部に延設した耳片上にワイヤーハーネスの端末部を重合し、該耳片と該端末部とを粘着テープを巻回して固定したものであるので、端末部はズレることなく常に正確に位置決めされ、運搬途中で剥れるようなおそれもない。このため自動車組み立てラインでの組み付け不良等のトラブル発生が少なくなるなど有益な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態を示す成形天井の斜視図。
【図２】図１の成形天井にワイヤーハーネスを固着したときの斜視図。
【図３】図１の成形天井の耳片の拡大斜視図。
【図４】ワイヤーハーネスの端末部の固定状態を示した拡大斜視図。
【符号の説明】
１ 成形天井
２，３ 開口
８ 耳片
１０ ワイヤーハーネス
１１ 電源コネクタ
１２ 電線
１７ 粘着テープ

Claims (2)

1. 成形天井の周縁部に耳片を延設し、ルームランプ，マップランプ等に至る複数本の電線を結束してなるワイヤーハーネスを該成形天井の裏面に固着するとともに、該ワイヤーハーネスの端末部を前記耳片上に重合し、該耳片と該ワイヤーハーネスの端末部を縛るように粘着テープを巻回し固定したことを特徴とするワイヤーハーネスの端末部固定構造。
2. 耳片は横断面が弧状に湾曲した形態であって、その内側にワイヤーハーネスの端末部を重合させるようにした請求項１に記載のワイヤーハーネスの端末部固定構造。

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