JP4248643B2 - 金属容器の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は内面にフッ素樹脂等の合成樹脂皮膜を有したステンレス鋼等の金属容器の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工業においてフォトレジスト等の薬液の収容に使用する金属容器として、ステンレスにより缶体を構成し、その内表面に耐薬液性の高いフッ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン(例えば米国のデュポン社によりテフロン等の登録商標名で市販のもの))の皮膜(フィルム)を形成したものがある。フッ素樹脂皮膜はゴム系(アクリル系)の接着材によって缶体の内表面に接着されるようになっている。金属容器の通常の製造方法では、完全な缶体が最初に形成され、その内部にフッ素樹脂皮膜が接着される。フッ素樹脂皮膜はメーカーからロールとして供給され、ロールより適当な大きさの細片に切断を受け、個々の細片は接着剤によって缶体の内面に接着され、その後に細片間は溶接を受け、これにより缶体の内面全体をフッ素樹脂で皮膜した容器が完成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来の製造方法では、缶体内面へのフッ素樹脂皮膜の接着は全てが狭い缶体内部での作業となり、接着や溶接作業の作業性が極端に悪かった。特に、フッ素樹脂皮膜片を缶体内面に接着する際に接着面に気泡が残留しないように、ローラがけなどのによってフッ素樹脂皮膜を熨す作業が必須であるが、完全な気泡の除去は長時間の重労働を必要とし、労働生産性が極めて低い欠点があった。接着面間での気泡の残留は使用時における熱膨張によって缶体内面からのフッ素樹脂皮膜の剥離ないしは亀裂の原因となりうることから、徹底的に排除しておく要請がある。
【0004】
以上の欠点に鑑み、この発明の目的は、所望の品質を確保しつつ、缶体内部での作業の負担を大幅に軽減でき、労働生産性を高めることができる金属容器の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明になる内面に合成樹脂皮膜を有した金属容器の製造方法は、金属缶体を構成する複数の部分及び金属缶体の前記各部分に対応した形状の合成樹脂皮膜片を準備し、缶体の各部分及びこれに対応した合成樹脂皮膜片に接着剤を塗布し、一定圧力下のローラによって缶体部分と合成樹脂皮膜片とをその接着剤塗布面同士で接触させつつ、ローラを接触面の全体に対して相対的に移動させることにより缶体部分と合成樹脂皮膜片とをその接触面の全面にわたって密着させ、その後に缶体外部における缶体各部間の溶接と缶体内部での合成樹脂皮膜片間の溶接を行うことを特徴とする
この発明では金属容器の缶体を構成する複数の各部分毎に缶体部分に対する合成樹脂皮膜片の接着を行ってから外周側での缶体各部間の溶接及び内周側での合成樹脂皮膜片間の溶接を行っている。即ち、フッ素樹脂皮膜片の接着に伴う作業、即ち、接着剤塗布及び完全な接着のため必要となる缶体内面に対するフッ素樹脂皮膜片の加圧(熨し)作業を従来のように完成した缶体内の狭い空間で行わず、完成前の部品段階で行っているため、作業効率を高めることができる。そして、一定圧力下でローラを缶体と合成樹脂皮膜片との接触面の全体にわたって相対的に移動させているため、缶体と合成樹脂皮膜片との接触面間の接着剤層を均等にならす(熨す)ことができ、気泡が排除され、欠陥のない接着状態を実現することができる
好ましくは、缶体の胴部では、一対のローラ間で、ローラ母線方向に沿って、缶体胴部内面に対して合成樹脂皮膜片を一定の圧力下で加圧しながらローラを回転させることにより接触面の密着を行う。これにより、缶体の胴部での接着剤層に残留する気泡の良好な排除が可能となる。
【0006】
更に、缶体の底鏡部又は上鏡部では、ローラにより、底鏡部又は上鏡部内面に対し合成樹脂皮膜片を弾性圧力又は流体圧力下で加圧しつつ、底鏡部又は上鏡部を中心軸で回転させると共にローラを直立面内で中心から外側に半径方向に回動させ、これにより接触面の密着を行う。そのため、底鏡部又は上鏡部における湾曲面においても、接着剤層に残留する気泡の良好な排除が実現する。
【0007】
更に、缶体の上鏡部のフランジ部では、フランジ部の上面に載置される合成樹脂皮膜片に対して、中心インサートを挿入することにより合成樹脂皮膜片をフランジ部の開口に沿うよう変形させ、その後、下側より外側インサートを中心インサートに挿入することによりフランジ部の開口から突出する合成樹脂皮膜片の部分をフランジ部内側開口縁に押しつけ、これにより合成樹脂皮膜片をフランジ部の内面に密着せしめる。金属インサートの使用により、その加圧作用によってフランジ部内面での合成樹脂皮膜片の良好な接着状態を得ることができる。
【0008】
また、缶体の上鏡部においては、ローラにより、上鏡部内面に対し合成樹脂皮膜片を弾性圧力又は流体圧力下で加圧しつつ、底鏡部を中心軸で回転させると共にローラを直立面内で中心から外側に半径方向に回動させ、これにより接触面の密着を行わせ、かつ上鏡部を被覆する合成樹脂皮膜片は上鏡部のフランジ部内縁を超えて延びており、このフランジ部内縁を超えて延びた合成樹脂皮膜片の部分に対して、中心インサートを挿入することにより合成樹脂皮膜片をフランジ部の開口に沿うよう変形させ、その後、下側より外側インサートを中心インサートに挿入することによりフランジ部の開口から突出する合成樹脂皮膜片の部分をフランジ部外側開口縁に押しつけ、これにより合成樹脂皮膜片をフランジ部の内面に密着せしめるようにしている。インサートの使用により、上鏡部において凹面とフランジ部とを共通の合成樹脂皮膜片にて被覆することができ、工程数を低減し、皮膜作業の効率化を図ることができる。
【0009】
また、缶体部分の溶接部に対して合成樹脂皮膜片の溶接部はオフセットして位置しており、缶体部分間の溶接時は邪魔板によって合成樹脂皮膜片の溶接部を退避させておき、その後に合成樹脂皮膜片間の溶接を行う。このようなオフセット配置によって金属部分の溶接時の高温から合成樹脂皮膜片を良好に保護することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の金属容器を構成するステンレス缶体10の溶接前の分離された各部を示しており、ステンレス缶体10は胴部12、底鏡部14、上鏡部16及び蓋部18よりなる。底鏡部14にはスカート部20が既に溶接されている。上鏡部16はその上端のフランジ部16-1に円周方向に離間した複数のねじ孔21を有している。一方、蓋部18は上鏡部16のフランジ部16-1のねじ孔21と芯合した位置に開口24を有し、かつノズル装着用の開口29を有している。
【0011】
この発明では缶体10の上述した胴部12、底鏡部14、上鏡部16及び蓋部18の各々にロールから各部に適合した形状に切り出されたフッ素樹皮膜片が接着され、その後、外周側での胴部12、底鏡部14、上鏡部16間のステンレスプラズマ溶接及び内周側での膜状フッ素樹脂皮膜片間の溶接が行なわれ、かつ蓋部18が取り付けられ、金属容器として完成するようにされる。このような金属容器の完成までを以下順を追って説明する。
【0012】
ステンレス製の各部12, 14, 16, 18についてフッ素樹脂皮膜片が貼付される面はショットブラスト処理される。ショットブラスト処理により表面の酸化皮膜が除去され、ステンレス製の各部12, 14, 16, 18とフッ素樹脂皮膜片との接着性の改善を図ることができる。
【0013】
次に、各部12, 14, 16, 18に対するフッ素樹脂皮膜片の接着工程について説明する。まず、胴部12へのフッ素樹脂皮膜の形成について説明すると、フッ素樹脂膜状素材は、例えば米国デュポン社から販売されているポリテトラフルオロエチレン(同社の登録商標名:テフロン)であり、ロール状に巻かれた状態(厚さ2.4〜3.0ミリメートル程度)でメーカーから供給される。ロールから缶体各部12, 14, 16, 18の要被覆部の形状に合わせて切り出しが行なわれる。図2において、胴部12の内周の被覆のためロールから切り出されたフッ素樹脂皮膜片を符号22によって表している。フッ素樹脂皮膜片22はその幅Wは胴部12の高さHより幾分大きく、また長さLは胴部12の内周長に略等しくなるようにされる。
【0014】
次ぎに、フッ素樹脂皮膜片22の表面全体にゴム系接着剤(例えば小西株式会社のG17等)が刷毛23等を使用することにより塗布され、一方、胴部12の内周にも接着剤が塗布される。胴部12の内周の塗布においては、その両端から適当な長さの接着剤を塗布しない帯状の領域を残しておく。そして、接着剤が完全に乾燥するまで放置する。余白Sの大きさは後述の理由で5センチメートル程度である。
【0015】
次ぎに、フッ素樹脂皮膜片22と胴部12との接着工程について説明すると、接着剤が乾燥されたフッ素樹脂皮膜片22は接着剤層を外側にして筒状に丸められて胴部12に挿入される。胴部12はバーナなどによって加熱され、接着剤が軟化する温度(小西株式会社のG17の場合はおおよそ80℃)になっている。そして、筒状に丸められたフッ素樹脂皮膜片22は、準備的な作業として、手持ちのローラによって胴部12の内面に押しつけられ、胴部12とフッ素樹脂皮膜片22との間は軽く接着した状態とされる。ただ、接着剤層には塗り斑などに原因して気泡が多数残っており、これを排除する必要がある。次ぎに、一対のローラを使用した加圧装置によってフッ素樹脂皮膜片22の接着剤塗布層を胴部12の表面の接着塗布層に密着させる。この加圧装置は図3に示すように一対の加圧ローラ25及び26から構成される。駆動側の加圧ローラ25は固定であり、両端は固定の軸受部によって軸支されている。その回転軸25-1は一端において駆動電動機27に連結され、電動機27からの回転運動が加圧ローラ25に伝達されるようになっている。ローラ26は従動側であり、両端における軸受28(一端のもののみ図示している)によってフリーに回転可能に軸支されており、かつ軸受はフレームに対して上下にスライド可能になっている。
【0016】
従動ローラ26は駆動側加圧ローラ25に対して持ち上げること又は回動させることが可能になっており、この状態でローラ25, 26間に、その内面にフッ素樹脂皮膜片22を予備的に接着した状態の胴部12が導入され、従動側加圧ローラ26が図3に示す本来の位置に戻される。その結果、胴部12及びフッ素樹脂皮膜片22はローラ25, 26間で挟着される。このとき、フッ素樹脂皮膜片22は従動側加圧ローラ26の自重に応じた力で胴部12の内表面に押し付けられる。図4も参照。尚、密着工程の開始において、図3に示すように胴部12の両側からのフッ素樹脂皮膜片22のはみ出し長さが所定値となるようにフッ素樹脂皮膜片22の位置調節が行なわれる。
【0017】
前述のように胴部12は接着剤が軟化する程度の温度に加熱されており、この状態において電動機27からの回転が駆動側加圧ローラ25に伝えられると(矢印F)、フッ素樹脂皮膜片22は従動ローラ26の自重により胴部12に母線全長に沿って押しつけられながら胴部12及びフッ素樹脂皮膜片22は矢印Gのように円周方向に移動される。そのため、胴部12とフッ素樹脂皮膜片22との間のまだ柔らかい接着剤層は均等にならすことができかつ接着剤の塗布斑によって接着剤層に気泡が含まれてもこれを完全に排出することができる。即ち、接着剤層に気泡が存在してもフッ素樹脂皮膜片22は母線全長にわたって熨し作用を受け、そのため気泡は回転方向の下流側に順次送られて行き、回転を何回か繰り返すことにより接着剤層は完全に均等にならされ、最終的に気泡を完全に排除した状態に追いこむことができる。この間、接着剤は固化し、フッ素樹脂皮膜片22は胴部12の内面に接着した状態となる。フッ素樹脂皮膜片22が胴部12の内面に接着した状態は図11にも示されている。
【0018】
加圧装置において、駆動側加圧ローラ25及び従動ローラ26は表面に弾性体(ゴム)を被覆している。この弾性により、接着剤層の密着工程の実施中における表面凹凸があってもこれを乗り越えることができる。
【0019】
次ぎに、底鏡部14へのフッ素樹脂膜状素材の接着について説明すると、図5において、30は、底鏡部14の皮膜形成部の形状に合わせて、フッ素樹脂膜状素材のロールから切り出された円形の切片を示している。フッ素樹脂皮膜片30の直径は同片30を図6に示すように底鏡部14の内面に当てがったときに、底鏡部14の上縁部から幾分の長さの被覆されない領域が残るような直径に選定されている。底鏡部14の内面にもゴム系接着剤が塗布されるが、接着剤の塗布領域はフッ素樹脂皮膜片30により被覆される底鏡部14の上端縁部から適当な長さの帯状領域Tを除いた部分である(図6も参照)。尚、フッ素樹脂膜状素材のロールの幅によっては完全なフッ素樹脂皮膜片30を切り出すことができないこともありうるが、このときは数枚のフッ素樹脂皮膜片30を後述の図12の(ハ)及び(ニ)で説明するめじ合わせ溶接及びリボン溶接によって接合合体させ、完全な形のフッ素樹脂皮膜片30として使用することが可能である。
【0020】
図7は湾曲面上にフッ素樹脂皮膜を密着させるためのローラがけ装置を概略的に示している。即ち、この装置は筒状の支持部材32と、支持部材32に対して摺動自在に収容されるロッド34と、ロッド34の先端に回転可能に取り付けられるローラ36と、スプリング38とから構成される。支持部材35はその上端がピン40によって図示しないフレームに回転可能に軸支されており、支持部材35は直立面内において揺動可能となっている。ローラ36はその回転中心は支持部材35の揺動面に平行となるように配置されている。更に、支持部材35は耳部42を備えており、この耳部42には手動又は動力型のレバー(図示しない)が連結され、このレバーの操作によって密着工程における支持部材35の位置及び速度を制御することができるようになっている。
【0021】
次ぎに、図7の装置によるローラがけ工程について図6も参照して説明すると、接着剤の乾燥後にフッ素樹脂皮膜片30はその接着剤塗布面を下向きにして底鏡部14の内面にあてがう。バーナー等によって底鏡部14を加熱することによりその温度を接着剤が軟化する80℃程度の温度とする。そして、準備作業として人手によるならしが行われる。即ち、手持ちローラによってフッ素樹脂皮膜片30を底鏡部14の内面に押しつけ、フッ素樹脂皮膜片30が底鏡部14の内周の凹面形状に倣うようにする。この準備作業後に図7の装置による密着工程が実施される。密着工程の開始時には図示しない制御レバーの操作によってローラは2点鎖線36´にて示すように底鏡部14の凹面の直立中心線44上に位置している。そして、スプリング38による弾性力下でローラ36はフッ素樹脂皮膜片30を底鏡部14の内面に押し付けられる。そして、底鏡部14を載置するテーブル(図示しない)を回転させることにより底鏡部14は中心線44の周りで矢印F(図6も参照)のように回転せしめられる。このように底鏡部14に回転を加えつつ、レバーの操作によって耳部42に矢印Gのように引張力が加えられ、その結果、ピン40によって上端が軸支された支持部材32は直立面(紙面を含む面)において矢印Hのように半径外方に向けて徐々に移動される。弾性力を受けたローラ36によりフッ素樹脂皮膜片30を底鏡部内面に一定の力で押し付けながら、底鏡部14を直立中心線44の周りで回転させかつローラ36を中心から外方に緩慢に移動させて行くことにより、底鏡部14とフッ素樹脂皮膜片30との接触面間における接着剤は均一にならされ、そこに含まれていた気泡はローラ36の移動につれて徐々に半径外方へらせん状に送られて行き、最終的には外部に排出される。そのため、底鏡部14とフッ素樹脂皮膜片30との接触面間の接着剤層中において気泡を完全に排除した状態に追い込むこむことができる。この間において接着剤は固化が進行され、フッ素樹脂皮膜片30は底鏡部表面に接着した状態となる。
【0022】
以上説明のようなスプリング38の代りに、エアシリンダ又は液圧シリンダを使用することにより空気圧又は液圧などの流体圧下でローラ36による加圧を行うようにしてもよい。
【0023】
次ぎは、上鏡部16へのフッ素樹脂皮膜の形成について図8及び図9を参照して説明する。上鏡部16の内面には図5で説明した底鏡部14の場合と同様にゴム系接着剤が塗布される。図8の(イ)において、フランジ部16-1にはその内面及び上面共に接着剤の塗布・乾燥が行なわれる。一方、ロールから引き出されるフッ素樹脂皮膜から中心に孔を有した円形の切片46が切り出される。フッ素樹脂皮膜片46はフランジ部16-1のねじ孔21の形成個所毎に円周方向に離間した開口48を有している。その下面に接着剤が塗布・乾燥される。
【0024】
次ぎの段階では図8の(ロ)で示すようにフッ素樹脂皮膜片46はその接着剤塗布面においてフランジ部16-1に当てがわれ、ボルト50がフッ素樹脂皮膜片46の開口48を介してフランジ部16-1のねじ孔21に締結される。フランジ部16-1の中心開口より皮膜の厚み分小さい外径の中心インサート52(接着剤を軟化させるための80℃程度の所定温度に加熱されている)が上方よりフッ素樹脂皮膜片46を介してフランジ部16-1の中心開口に押しこまれる。図8の(ハ)はインサート52を押込んだ状態を示しており、フッ素樹脂皮膜片はフランジ部16-1の中心開口の内周に沿って延びるように変形を受けている。次ぎに、中心インサート52にぴったりと嵌合される内径のフランジ付筒状外側インサート54(これも接着剤を軟化させるための80℃程度の所定温度に加熱されている)が下側より中心インサート52に挿入される。外側インサート54のフランジ部54-1はフッ素樹脂皮膜片46を圧潰し、図9の(ニ)に示すように切片46の圧潰された部分が上鏡部16の内周に密接した状態を示す。その間において接着剤は固化し、フッ素樹脂皮膜は完全に接着された状態となる。その後、(ホ)に示すようにインサート52, 54は除去され、ボルト50も除去される。
【0025】
このように、上鏡部16のフランジ部16-1へのフッ素樹脂皮膜片46の接着が行なわれた後、フッ素樹脂皮膜のロールから切り出された切片56の上鏡部16内周面への接着が図5〜図7で説明した底鏡部12へのフッ素樹脂皮膜片30の接着と同様に実施される。即ち、フッ素樹脂皮膜片56は、上鏡部16の凹面に合わせたとき、その拡開縁部から5センチメートル程度の余白が残るような大きさとなっている。上鏡部16の凹面及びフッ素樹脂皮膜片56の片面に塗布される接着剤の乾燥後に、上鏡部16を80℃程度に加熱しながら、上鏡部16の接着剤が塗布された凹面にフッ素樹脂皮膜片56の接着剤塗布面が合わせられ、手動のローラによってフッ素樹脂皮膜片56が上鏡部16の内周の凹面形状に倣うようにする。そして、図9の(ヘ)で示すようにフランジ部16-1を下にして上鏡部16は回転テーブル58上に載置され、回転テーブル58をその直立中心線44で回転させながら、弾性力下でローラ36によりフッ素樹脂皮膜片56を上鏡部16内面に対して加圧しかつローラ36を中心側より半径外方に移動させて行く。そのため、上鏡部16とフッ素樹脂皮膜片56との接触面間における接着剤は均一にならされ、そこに含まれていた気泡はローラ36の移動につれて徐々に半径外方へ送られて行き、最終的には外部に排出される。そのため、上鏡部16とフッ素樹脂皮膜片56との接触面間における接着剤層中において気泡を完全に排除した状態に追い込むこむことができる。この間、接着剤が進行し、フッ素樹脂皮膜片56は上鏡部表面に接着した状態となる。
【0026】
この後、フランジ部16-1を被覆するフッ素樹脂皮膜片46と上鏡部内面を被覆するフッ素樹脂皮膜片56との突当面のめじ合わせ溶接及びリボン溶接が行なわれるがこの溶接方法については、後述する胴部と底鏡部及び胴部と上鏡部との突当部におけるめじ合わせ溶接及びリボン溶接と同様なものであるので、この点については後述の記載を参照されたい。
【0027】
図10の(イ)〜(ニ)は蓋部18の下面へのフッ素樹脂皮膜片の接着及びノズル溶接を説明している。(ロ)は蓋部の下面へのフッ素樹脂皮膜片57の接着を示している。次ぎに、(ハ)に示すようにノズル孔29が29´で示すように拡開され、この広げられたノズル孔29に(ニ)で示すようにフッ素樹脂ノズル61が挿入される。フッ素樹脂皮膜片57から突出したノズル61の外周部分にフッ素樹脂溶接棒が当てがわれ、かつ熱風が吹き付けられることにより全周に沿って63のように溶接がされる。ノズル61には容器完成後(完成状態は図17参照)にバルブ等の外部接続部品が取り付けられる。
【0028】
次ぎは、上述のように内面にフッ素樹脂皮膜を形成した後の缶体各部12, 14, 16間の溶接について説明する。この発明では各接合部間で、外周での缶体部分間でのステンレス溶接を最初に行い、その後に内周でのフッ素樹脂皮膜片間のフッ素樹脂リボン溶接を実施している。図11は胴部12と底鏡部14とをその溶接のため、上鏡部16及び蓋部18を横向きにして準備した状態を示している。60は胴部12と底鏡部14との間の突当部を示しており、この突当部60に沿ってステンレスのプラズマ溶接が実行される。胴部12は図2において説明したようにその両端部において接着剤を塗布されていない領域S(図2参照)があり、底鏡部14はその端縁において接着剤を塗布されていない領域T(図5参照)がある。領域S, Tの長さは、外周のステンレスのプラズマ溶接時の高温時にフッ素樹脂皮膜を熱劣化せしめるおそれある温度まで増大しうる胴部12及び底鏡部14の領域の長さであり、5センチメートル程度とれば十分である。胴部12を被覆するフッ素樹脂皮膜片22は胴部12の長さより長く、そのため、接着されていないフッ素樹脂皮膜片の端部22´は胴部12と底鏡部14との突当部を介して底鏡部14を被覆するフッ素樹脂皮膜片30の縁部と少し重なるようになっている。この状態を図12の(イ)に拡大して示している。図12の(ロ)はステンレス鋼により作られた胴部12と底鏡部14との突当部60の溶接のため、バッフル板62を設置した状態を示している。このバッフル板62は胴部12と底鏡部14とのプラズマ溶接時に発生される高温(火炎の部分では2000℃にもなる)に近接したフッ素樹脂皮膜(融点はせいぜい300℃)の部分を保護するためのものである。即ち、底鏡部14の内面に形成されたフッ素樹脂皮膜片30の端面が後に行われるフッ素樹脂リボン溶接における突当溶接面となるが、フッ素樹脂リボン溶接における突当溶接面をステンレス溶接時に最も高温を呈する突当溶接面60からオフセットした配置しており、このようなオフセット配置とバッフル板62の使用とによりによりフッ素樹脂皮膜片を熱の影響から保護することができる。バッフル板62はSUS鋼によって作られ突当部60に沿って配置される環状をなしている。バッフル板62は突当面60を跨いだU字状断面部を形成しており、このU字状断面部の内周及び外周に不燃性材料(例えば、グラスウール)にて形成されるシート64, 66が形成されている。
【0029】
図13は胴部12と底鏡部14との間のステンレスプラズマ溶接方法を概略的に示している。胴部12及び底鏡部14はローラを有した支持装置70上に横向きに載置される。プラズマ溶接ヘッド72は支柱73に対して昇降(矢印a)及び水平方向移動(矢印b)可能なアーム74の先端に取り付けられている。周知のエア加圧手段によってアーム74は下向きに付勢されており、レストローラ76が胴部12の上面に当接している。CCDカメラ78は溶接部における溶接状態の監視のため設けられており、CCDカメラ78はモニタを有したコンピュータ80に接続されている。運転者により操作される制御盤82はコンピュータ80を介して溶接ヘッド72を微妙に左右に動かし、溶接ビームが被溶接部に正確に当たるように制御することができる。
【0030】
溶接時において支持装置70のローラによって胴部12及び底鏡部14は回転せしめられ(矢印J)、溶接ヘッド72からのプラズマ火炎によって胴部12及び底鏡部14は突当部60に沿って溶接される。この間、運転者はCCDカメラ78によって撮影された溶接部における溶接状態をコンピュータ80のモニタにて監視し、必要あれば、制御盤82の操作によって最適な溶接状態を得るべく溶接ヘッド72の溶接ビームの位置制御を行う。
【0031】
図12の(ハ)において、ステンレス溶接完了後にバッフル板62は除去され、胴部12と底鏡部14との間のプラズマ溶接部分における溶肉は90によって表わされている。その後、胴部12及び底鏡部14の内面における領域S及びTに接着剤が塗布され、かつ胴部12を被覆するフッ素樹脂皮膜片端部22´の内面にも接着剤が塗布され、接着される。そして、胴部12を被覆するフッ素樹脂皮膜片22と底鏡部14を被覆するフッ素樹脂皮膜片30とのリボン溶接が行なわれる。以下、この溶接工程について説明する。まず、図12の(ハ)に示すように、胴部12を被覆するフッ素樹脂皮膜片22と底鏡部14を被覆するフッ素樹脂皮膜片30との突当面はV字状にカットされる。このようにして得られた、断面V字状溝に断面丸形フッ素樹脂溶接棒92が当てがわれ、プラズマ溶接ヘッドの熱風からの熱風によるめじ合わせ溶接が行なわれる。 (ニ)はめじ合わせ溶接された部分93を示し、図15の(B)に示す後述の溶接ヘッド97により溶接が行われる。その後、フッ素樹脂のリボン溶接が行なわれる。即ち、リボン溶接においては、フッ素樹脂の溶接棒は矩形断面のリボン状をなしており、溶接棒を供給しながら、めじ合わせ溶接部93に沿って円周方向のリボン溶接が行なわれる。94はリボン溶接された後の溶肉の部分を示す。
【0032】
図14はめじ合わせ溶接及びリボン溶接のための方式を概略的に示している。即ち、リボン溶接用溶接ヘッド96又はめじ合わせ用溶接ヘッド(図15(B)の97)はアーム98の先端に取り付けられる。アーム98は支持台100に対して昇降(矢印c)及び左右移動(矢印d)可能となっている。一方、フッ素樹脂皮膜片22, 30を溶接すべき胴部12及び底鏡部14(スカート20)は支持装置70のローラ70A, 70Bに乗せられ、ローラ70A, 70Bの回転によって、そこに載置された胴部12及び底鏡部14を回転させることができるようになっている。図15の(A)はリボン溶接のための溶接ヘッド96の構成を概略的に示している。即ち、溶接ヘッド96はフッ素樹脂を溶解可能とする温度(例えば400℃)の熱風の噴出しのためノズル96A 及び図示しないロールから引き出されるリボン状溶接棒102の案内部96Bを備えている。溶接の開始時、溶接棒102の先端を被溶接部(図15の(A)においてラインLはめじ合わせ溶接部を仮想的に示している)に当てながらノズル96Aからの熱風を溶接棒102にその背面より吹き付けることにより溶接棒102は融解される。ローラ70A, 70Bの回転によって、溶接棒102は自動的に引き出されると同時に溶接棒102の引き出された部分はノズル96Aからの熱風によって溶融され、めじ合わせ溶接部93の上に重ねられて溶肉部94となって溶け込む。
【0033】
図15の(B)はリボン溶接に先だって実施されるめじ合わせ溶接用の溶接ヘッド97を示す。溶接ヘッド97は図14におけるアーム98の先端にリボン溶接ヘッド96に置き換えて取り付けられる。ヘッド97は熱風のノズル97Aと、丸断面溶接棒92の案内のためのパイプ状案内部97Bとを備えている。溶接時、案内部97Bは空気圧などを使用して間欠的な上下運動を行い、案内部97Bの下降時、それに案内された溶接棒92はフッ素樹脂皮膜片30, 32間のV型溝(図12(ハ)、(ニ)参照)に埋め込まれる。その後、案内部97Bは上昇され、被溶接部を進ませ(図14のローラ70A, 70Bにより缶体を回し)つつ、ノズル97Aより溶接棒92の背後に熱風を吹き付ける。そのため、溶接棒92は溶肉93(図12(ニ))となってV型溝に溶けこむ。或る距離溶接後に、再び案内部97Bを下降させ、溶接棒をV型のめじ合わせ溝に埋め込ませ、以後同様の作業の繰り返しが全周について行われる。
【0034】
次ぎに、上鏡部16における外周でのステンレスのプラズマ溶接及び内周でのフッ素樹脂リボン溶接が実施される。図9の(ヘ)では説明しなかったが、上鏡部16の内周へのフッ素樹脂皮膜片56の接着後に、フランジ部16-1を被覆するフッ素樹脂皮膜片46との突当部がV字状に切り取られ、胴部12と底鏡部14との接合について図12(ハ)及び(ニ)で説明したと同様にフッ素樹脂溶接棒によってめじ合わせ溶接が行なわれ、その後、リボン溶接が行われる。図16はこのようにして得られた上鏡部16が胴部12に溶接するべく位置された状態を示している。リボン溶接部は97で示される。この状態において、胴部12と底鏡部14との間の接合について、図14で説明したと同様の方法によって、外周における胴部12と上鏡部16間の突当面104のステンレスプラズマ溶接が最初に行われる。即ち、内周において、図12の(ロ)のバッフル板62と同様のバッフル板が設置され、プラズマ溶接における高温の影響を遮断するようにしておく。プラズマ溶接実施後の溶肉の部分を106によって表している。胴部12と上鏡部16間のプラズマ溶接後に、胴部12の内周のフッ素樹脂皮膜片22と上鏡部16の内周のフッ素樹脂皮膜片56との間の突当面におけるめじ合わせ溶接及びリボン溶接が図12の(ハ)及び(ニ)で説明した方法と同様に実施される。図17において、リボン溶接実施後の溶肉の部分を108にて示す。
【0035】
最後に、図17のように蓋部18をボルト110によって上鏡部16に固定することによって金属容器が完成する。
【0036】
図18は上鏡部16のフッ素樹脂皮膜形成の別の実施形態を示している。図1〜図17によって説明した第1の実施形態ではこの実施形態は上鏡部16のフランジ部16-1と凹面部とで別個のフッ素樹脂皮膜片片46, 56をそれぞれ接着していたが、図18の第2の実施形態ではフランジ部16-1と凹面部とで一体の皮膜片120を使用している。即ち、図18(イ)において、フッ素樹脂皮膜片120は最初に上鏡部16の凹面部に図9の(ヘ)で説明したと同様の手法により接着される。フランジ部16-1における接着作業は図8(イ)〜(ハ)および図9(ニ)〜(ホ)に説明した手法と同様である。即ち、図18の(イ)のようにフランジ部16-1を下にして所定温度に加熱された内側インサート122が準備される。
【0037】
次ぎに、(ロ)のように内側インサート122を挿入する。その結果、フッ素樹脂皮膜片120の中央部はフランジ部16-1の内面にならうように変形される。そして、接着剤の軟化のため所定温度に加熱された外側インサート124が準備される。
【0038】
そして、(ハ)のように外側インサート124が内側インサート122に挿入される。すると、フランジ部16-1より突出されるフッ素樹脂皮膜片120はフランジ下面に沿うように変形される。
【0039】
(ニ)はインサート122, 124 を外し、かつフッ素樹脂皮膜片120が上鏡部16のフランジ部16-1の内面、凹面に接着した状態を示す。
【0040】
図19は図18に示す方法により内面にフッ素樹脂皮膜120が接着された上鏡部16を取り付けた完成状態の缶体をその上部において示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は分離状態の缶体の各部を示す断面図である。
【図2】図2は胴部及びその内周を被覆するフッ素樹脂皮膜片への接着剤の塗布状態を示す概略的斜視図である。
【図3】図3は胴部において胴部表面とフッ素樹脂皮膜片との密着のためのローラ装置を示す図である。
【図4】図4は図3のIV−IV線に沿って表される矢視断面図である。
【図5】図5は底鏡部及びその内面を被覆するフッ素樹脂皮膜片への接着剤の塗布状態を示す概略的斜視図である。
【図6】図6は図5と同様であるがローラによって底鏡部凹面上でフッ素樹脂皮膜片を熨している状態を示している。
【図7】図7は図6において使用するローラ式加圧機構を示す断面図である。
【図8】図8は上鏡部におけるフッ素樹脂皮膜片の接着工程の段階(イ)〜(ハ)を示す図である。
【図9】図9は上鏡部におけるフッ素樹脂皮膜片の接着工程の段階(ニ)〜(ヘ)を示す図である。
【図10】図10は蓋部におけるフッ素樹脂皮膜片の接着工程の段階(イ)〜(ニ)を示す図である。
【図11】図11は溶接前の胴部と底鏡部との接合状態を示す図である。
【図12】図12の(イ)〜(ニ)は胴部と底鏡部との突当部における外周のステンレスプラズマ溶接及びその後の内周の熱風式フッ素樹脂溶接がどのように行われるかを段階を追って説明する図である。
【図13】図13は胴部と底鏡部との外周における自動的ステンレスプラズマ溶接方式を説明する概略的斜視図である。
【図14】図14は胴部と底鏡部との内周における熱風による自動的フッ素樹脂溶接方式を説明する概略的断面図である。
【図15】図15は(A)において、フッ素樹脂リボン溶接用の溶接ヘッドの概略的斜視図を示し、 (B)においてフッ素樹脂めじ合わせ溶接用の溶接ヘッドの概略的斜視図を示す。
【図16】図16は底鏡部の溶接が行われた胴部に上鏡部を溶接するため胴部上端に上鏡部を接合した状態を示す断面図である。
【図17】図17はステンレス缶体の内周を完全にフッ素樹脂で皮膜した完成した状態の金属容器の断面図である。
【図18】図18は別実施形態におけるフッ素樹脂皮膜の上鏡部への皮膜形成工程を段階をおって示す図である。
【図19】図19は上鏡部が図18の実施形態により皮膜処理された完成した缶体の上部を示す図である。
【符号の説明】
10…ステンレス缶体
12…胴部
14…底鏡部
16…上鏡部
18…蓋部
20…スカート部
22…胴部内面被覆用フッ素樹脂皮膜片
25…駆動側加圧ローラ
26…従動側加圧ローラ
28…摺動軸受
30…底鏡部内面被覆用フッ素樹脂皮膜片
34…回動自在ロッド
36…接着剤ならし用ローラ
38…スプリング
46…上鏡部内面被覆用フッ素樹脂皮膜片
52…中心インサート
54…外側インサート
57…蓋部内面被覆用フッ素樹脂皮膜片
58…回転テーブル
61…ノズル
62…バッフル板
62, 64…不燃性材料製シート
70…支持装置
72…プラズマ溶接ヘッド
78…溶接状態監視用CCDカメラ
80…コンピュータ
82…制御盤
92…めじ合わせ溶接棒
96…フッ素樹脂熱風溶接用ヘッド

Claims (6)

  1. 金属缶体の内面に合成樹脂皮膜を有した金属容器の製造方法であって、金属缶体を構成する複数の部分及び金属缶体の前記各部分に対応した形状の合成樹脂皮膜片を準備し、缶体の各部分及びこれに対応した合成樹脂皮膜片に接着剤を塗布し、一定圧力下のローラによって缶体部分と合成樹脂皮膜片とをその接着剤塗布面同士で接触させつつ、接触面の全体に対してローラを相対的に移動させることにより缶体部分と合成樹脂皮膜片とをその接触面の全面にわたって密着させ、その後に缶体外部における缶体各部間の溶接と缶体内部での合成樹脂皮膜片間の溶接を行うことを特徴とする金属容器の製造方法。
  2. 請求項1に記載の発明において、缶体の胴部では、一対のローラ間で、ローラ母線方向に沿って、胴部内面に対して合成樹脂皮膜片を一定の圧力下で加圧しながらローラを回転させることにより接触面の密着を行うことを特徴とする金属容器の製造方法。
  3. 請求項1に記載の発明において、缶体の底鏡部又は上鏡部では、ローラにより、底鏡部又は上鏡部内面に対し合成樹脂皮膜片を弾性圧力又は流体圧力下で加圧しつつ、底鏡部又は上鏡部を中心軸で回転させると共にローラを直立面内で中心から外側に半径方向に回動させ、これにより接触面の密着を行うことを特徴とする金属容器の製造方法。
  4. 請求項1に記載の発明において、缶体の上鏡部のフランジ部では、フランジ部の上面に載置される合成樹脂皮膜片に対して、中心インサートを挿入することにより合成樹脂皮膜片をフランジ部の開口に沿うよう変形させ、その後、下側より外側インサートを中心インサートに挿入することによりフランジ部の開口から突出する合成樹脂皮膜片の部分をフランジ部内側開口縁に押しつけ、これにより合成樹脂皮膜片をフランジ部の内面に密着せしめることを特徴とする金属容器の製造方法。
  5. 請求項1に記載の発明において、缶体の上鏡部においては、ローラにより、上鏡部内面に対し合成樹脂皮膜片を弾性圧力又は流体圧力下で加圧しつつ、底鏡部を中心軸で回転させると共にローラを直立面内で中心から外側に半径方向に回動させ、これにより接触面の密着を行わせ、かつ上鏡部を被覆する合成樹脂皮膜片は上鏡部のフランジ部内縁を超えて延びており、このフランジ部内縁を超えて延びた合成樹脂皮膜片の部分に対して、中心インサートを挿入することにより合成樹脂皮膜片をフランジ部の開口に沿うよう変形させ、その後、下側より外側インサートを中心インサートに挿入することによりフランジ部の開口から突出する合成樹脂皮膜片の部分をフランジ部外側開口縁に押しつけ、これにより合成樹脂皮膜片をフランジ部の内面に密着せしめることを特徴とする金属容器の製造方法。
  6. 請求項1に記載の発明において、缶体部分の溶接部に対して合成樹脂皮膜片の溶接部はオフセットして位置しており、缶体部分間の溶接時は邪魔板によって合成樹脂皮膜片の溶接部を退避させておき、その後に合成樹脂皮膜片間の溶接を行うことを特徴とする金属容器の製造方法。
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