JP4248142B2 - 低圧ナフサ水素化分解プロセス - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、PtやPdなどの貴金属またはNiなどの遷移金属がMoやWと組み合わされて充填された大孔径ゼオライト触媒、例えばゼオライトベータや超安定Y(USY)などを利用する、ナフサ、灯油またはディーゼル油水素化分解プロセスを指向するものである。好ましくは、触媒の老化を防止するために、低い水素分圧および比較的水素リッチなフィードストックを使用する。
【0002】
いくつかの地域で制定されているより厳しい政府の規制を満たすために、多くの製油所では、ガソリンプールのT90(ASTM D−86のような常圧蒸留によって測定した場合に、ガソリンプールの90%が沸騰する温度)を減少させることが必要になってきた。このため、FCCガソリンなどの重質フィードをガソリンプールから除去する必要がある。この場合、このような重質フィードが灯油市場に導入されると、灯油の価格は低下する可能性がある。従って、149〜204℃の範囲に沸点を有するFCCガソリンおよび灯油の新しい用途を見出すことが望まれる。本発明のプロセスにより、製油所において、これらのフィードをEPAやCARBなどの政府機関の制定基準を満足するガソリンに転化することができるであろう。
【0003】
Ni−MoまたはNi−Wなどのような金属が組み合わされて充填された大孔径ゼオライトを含む触媒は、以前から水素化分解の用途に使用されてきた。米国特許第5,401,704号(Absilら、これ以降ではAbsilと記す)には、小結晶ゼオライトYを含む触媒を利用する水素化分解プロセスが開示されている。好ましいフィードには、少なくとも204℃の沸点を有する炭化水素が少なくとも70wt%含まれる。本発明では、これよりも軽量のフィードが望ましい。水素化を目的とした1種または複数種の金属、例えばPt、Pd、Ni−WまたはCo−MoなどをゼオライトYに充填してもよい。しかしながら、Absilの特許には、本発明の場合のように2758kPa未満の水素分圧で全消費型リサイクル水素化分解を行うという考えは教示されていない。
【0004】
米国特許第5,500,109号(Kevilleら、これ以降ではKeville#1と記す)には、NiWのような複数の金属が充填された大孔径ゼオライト(USYなど)を含む水素化分解触媒が開示されている。この触媒はアルミナバインダと共に押し出し成形される。しかしながら、この開示の中では、この触媒の使用対象とするフィードは、本発明の対象となるより軽質のフィードではなく、ガス油および残油であることが示唆される。また、全消費型リサイクル水素化分解についてはまったく言及されていない。
【0005】
米国特許第5,378,671号(Kevilleら、これ以降ではKeville#2と記す)もまた、大孔径ゼオライトを含む触媒によるガス油および残油の水素化分解を指向するものである。
【0006】
米国特許第4,968,402号には、芳香族化合物、例えば多核芳香族化合物などが50wt%よりも多く含まれる重質フィードストックから高オクタン価ガソリンを製造するためのプロセスが開示されている。MCM−22を含む触媒、好ましくはNiWを充填した触媒を利用する。
【0007】
米国特許第4,851,109号には、コーカガス油、減圧ガス油ならびに軽質および重質サイクル油などのフィードを水素化分解するための2段階プロセスが開示されている。第1段階では、ゼオライトYやUSYなどの大孔径ゼオライトを含む触媒を用いてフィードを水素化分解する。NiW組合せ物などの水素化成分を触媒に充填してもよい。第2段階では、ゼオライトベータを含む触媒を用いて水素化処理を行う。
【0008】
Morrisonに付与された米国特許第3,923,641号およびHickey,Jr.らに付与された米国特許第4,812,223号には、貴金属含有ゼオライトベータ触媒、好ましくは水蒸気処理ゼオライトベータ触媒を用いるC およびC ナフサの転化についての教示がなされている。全消費型リサイクル水素化分解についてはまったく言及されていない。
【0009】
PtやPdなどの貴金属またはNiなどの遷移金属がモリブデンやタングステンなどの非貴金属と組み合わされて充填されている大孔径ゼオライト分解触媒がプロセスに用いられて、終点149〜482℃を有する重質ナフサ、灯油またはディーゼル油フラクションを、終点149℃を有するより低沸点のナフサフラクションに転化する。プロセスは、全消費型リサイクルにより重質フラクションが完全に転化まで、1480〜69049kPa、好ましくは2170〜37333kPaの範囲内の水素分圧で運転されるように設計されている。
【0010】
貴金属または非貴金属組合せ物を含む大孔径ゼオライト触媒は、低い水素分圧で全消費型リサイクル水素化分解を行うには不安定であると考えられてきた。しかしながら、本発明により、このような触媒が使用可能であることを実証する。
【0011】
本発明の低圧水素化分解プロセスを図1に示す。ライン1を介して新フィードを送入する。新液体フィードは、触媒金属の機能の選択および所望の生成物特性に適合したかたちで、水素ならびに(すなわち、硫黄、窒素および酸素)を含むように特徴付けられている。フィードの沸点範囲は、121〜482℃である。フィードの終点の規定値は、204〜454℃である。液体フィードは、ライン2から送入される水素ガスと混合され、混合物はライン3を通ってリアクタ100に入る。混合物は、リアクタ100中において、少なくとも2つの触媒粒子の充填床全体にわたって分配される。追加のガスおよび液体が、触媒床の間に(クエンチとして)注入されて、リアクタ温度を制御してもよい。リアクタ1中の全圧力は、2170〜10443kPaの範囲の値をとることができ、水素分圧は、1480〜69049kPaの範囲であろう。リアクタの温度は、所望のレベルの沸点変化が得られるように調節されるが、典型的には232〜454℃の範囲であろう。
【0012】
リアクタ100からの流出物は、ライン4を通ってガス−液体セパレータ200に入る。液体生成物は、セパレータの底部から取り出され、ライン7を介してスプリッタ塔300中に送られる。149℃未満の沸点を有する炭化水素は、スプリッタ塔300中を塔頂方向に移動し、より高沸点の成分は底部から取り出されて、リサイクルされる。リサイクル液体は、ライン8を介して送られて、新フィードと混合される。所望により、リサイクル液体の一部分を生成物ストリームとして取り出し、フィードよりも高品質の生成物を形成することができる。触媒がかなりの量のC4−化合物を発生させる場合、スプリッタ300の前にスタビライザ塔をプロセスフローに挿入することができる。図1に記載の実施形態では、スプリッタ塔300からライン9を通ってスタビライザ400に送られるオーバヘッドが示されている。終点149℃の生成物ナフサは、スタビライザの底部から取り出され(ライン10)、C4−は塔頂から取り出される(ライン11)。
【0013】
リアクタ流出物中のガスは、ライン5を通してセパレータ200の上部から取り出され、リアクタ100にリサイクルされる。リサイクルガスは、水素の純度を制御するために、ライン2から導入される新しい水素メークアップガスと混合される。かなりの量のメタンおよびエタンがプロセスで発生する場合には、このことは特に重要である。リサイクルガス流量は、フィードに対して712〜2136n.l.l.−1の範囲であろう。リサイクルガスの水素純度は、75mol%を超える値に保持しなければならない。
【0014】
フィード
このプロセスへのフィードには、C11〜C15の沸点範囲(約93〜482℃、より好ましくは149〜427℃)によって特性付けられる重質ナフサ、灯油またはディーゼル油が含まれる。このフィードの供給源としては、直留ナフサ、水素化分解ナフサ、前処理リフォーマフィード、流動接触分解(FCC)ナフサ、重質ナフサもしくは軽質サイクル油フィード、コーカナフサ、コーカ灯油またはコーカガス油が挙げられる。好ましい触媒金属の機能の選択は、処理されるフィードストックの品質および所望の生成物品質に依存する。クリーンなフィードの場合、貴金属触媒配合物が好ましく、一方高レベルのヘテロ原子が含まれるフィードストックの場合または水素化分解生成物のオクタン価の高い方が望ましい運転の場合、卑金属触媒配合物が好ましい。
【0015】
貴金属充填触媒の場合、フィード中の芳香族化合物の含有量は30wt%以下、ナフテン系化合物の含有量は40〜70wt%でなければならない。フィードのAPI比重度の範囲は25〜50である。13.0wt%を超える全水素含有量および500ppmw未満の全ヘテロ原子レベルが必要であるため、本発明に係る水素化分解の前にフィードを水素処理することが必要な場合がある。全水素とは、ガスおよび液体フィード中の水素の合計量から、硫黄および窒素によってそれぞれ硫化水素およびアンモニアとして消費されると予測される水素の量を引いた値を、フィードに対する重量パーセントで表したものとして定義される。
【0016】
卑金属含有触媒の場合、フィード中の芳香族化合物の含有量は40wt%以下、ナフテン系化合物の含有量は30〜60wt%でなければならない。フィードのAPI比重度の範囲は、25〜50である。卑金属触媒の場合には高いレベルのヘテロ原子が許容できるので、フィードの前処理は必要でない。この場合、全ヘテロ原子含有量は、2wt%未満でなければならない。
【0017】
低圧水素化転化に好適なフィードストックは、1段階または2段階の水素化分解プロセスから得られる重質ナフサ、灯油もしくはディーゼル油またはフィードストック品質を満たす条件で水素処理にかけられた分解ナフサ、例えば前処理FCCナフサ、灯油もしくは軽質サイクル油、コーカナフサまたはガス油である。
【0018】
フィードを水素処理することが必要である場合、従来型の水素処理触媒および条件を利用してもよい。水素処理触媒には、典型的には比較的非活性な、すなわち非酸性の多孔質担体材料、例えばアルミナ、シリカまたはシリカアルミナに担持された水素化機能性卑金属が含まれる。好適な機能性金属としては、周期表の第VI族および第VIII族の金属、好ましくはコバルト、ニッケル、モリブデン、バナジウムおよびタングステンが挙げられる。通常、コバルト−モリブデンおよびニッケル−モリブデンのようなこれらの金属の組合せ物が好ましいであろう。時間基準液空間速度(LHSV)、水素循環速度および水素圧の運転条件は、以下で記述されるような水素化分解ステップの要件によって規定されるであろう。温度条件は、フィードの特性および触媒の活性に応じて、従来の方法により変化させてもよい。
【0019】
米国特許第4,738,766号を参照すると、好適な水素処理触媒および条件に関する更に詳細な説明が得られる。これらの記載内容は、本発明においても好適に利用することが可能である。
【0020】
触媒
本発明のプロセスに使用するための好ましい水素化分解触媒は、大孔径サイズゼオライトを含むゼオライト触媒であり、通常バインダとの複合体である。
【0021】
フィード中のナフテンおよび芳香族化合物の所望の転化を効果的に行って、芳香族高オクタン価ガソリン生成物を得るために、ゼオライトX、Yおよびベータなどの大孔径サイズゼオライトが好ましい。
【0022】
好適な水素化分解触媒には,酸性機能および水素化機能の両方を呈する比較的大きな細孔の固体が含まれる。従って、酸性機能は、好適には2未満の束縛指数(Constraint Index)によって特性付けられる大孔径サイズアルミナケイ酸ゼオライトにより提供される。具体例としては、モルデナイト、TEAモルデナイト、ゼオライトX、ゼオライトY、ZSM−4、ZSM−12、ZSM−20、ZSM−38、ZSM−50、REX、REY、USYおよびベータが挙げられる。ゼオライトは、それらの種々の形態のうちのある特定のものを使用してもよい。例えば、カチオン形態のもの、好ましくは熱安定性の強化されたカチオン形態のものを使用してもよい。具体的には、REXやREYのような希土類交換大孔径ゼオライトが一般に好ましい。同様に、超安定ゼオライトY(USY)および高シリカゼオライト、例えば脱アルミニウム化Yまたは脱アルミニウム化モルデナイトまたはベータも好ましい。
【0023】
特に好ましい水素化分解触媒は、周期表(IUPAC表)の第VIA族および第VIIIA族から選ばれる卑金属水素化成分を含む超安定ゼオライトY(USY)をベースとするものである。第VIA族金属と第VIIIA族金属との併用、例えばニッケル−タングステン、ニッケル−モリブデンなどは、水素化分解には特に好ましい。他の有用な水素化分解触媒には、USYまたはベータと貴金属との複合体が含まれる。
【0024】
本発明のプロセスに好適な触媒に関するより網羅的かつ詳細な説明は、米国特許第4,676,887号、同第4,738,766号および同第4,789,457号に記載されており、これらを参照することにより、有用な水素化分解触媒の開示内容を知ることができる。
【0025】
種々のサイズの分子に対してゼオライトの内部構造中への侵入をどの程度制御できるかを示す便利な尺度は、ゼオライトの束縛指数である。束縛指数を測定するための方法は、米国特許第4,016,218号に記載されている。米国特許第4,696,732号には、典型的なゼオライト物質に対する束縛指数値が開示されている。
【0026】
上記の束縛指数により、本発明に有用なゼオライトの定義が与えられる。しかしながら、このパラメタおよびそれを測定するための記載の方法を用いた場合、その性質上、いくらか異なった条件のもとで所定のゼオライトを試験することが可能であり、従って異なる束縛指数の得られる恐れがある。束縛指数は、運転(転化)の過酷度およびバインダの有無に依存して、いくらか変化するように思われる。同様に、ゼオライトの結晶サイズおよび吸蔵された汚染物質の存在などの他の変動要因も、束縛指数に影響を及ぼす可能性がある。従って、温度などの試験条件を選択して、特定のゼオライトの束縛指数に対して1つ以上の値を設定することも可能であると思われる。このことが原因で、ZSM‐5、ZSM‐11、ベータなどのいくつかのゼオライトに対する束縛指数にばらつきが現れるものと考えられる。
【0027】
水素化機能は、1種または複数種の金属によって提供される。周期表の第VIIIA族の貴金属、特に白金またはパラジウムを使用することが可能である。同様に、第IVA族、第VIA族および第VIIIA族の卑金属、特にクロム、モリブデン、タングステン、コバルトおよびニッケルを使用することも可能である。ニッケル−モリブデン、コバルト−モリブデン、コバルト−ニッケル、ニッケル−タングステン、コバルト−ニッケル−モリブデンおよびニッケル−タングステン−チタンなどの金属の組合せが有効な場合がある。非貴金属は、それらの硫化物の形態で使用されることが多い。
【0028】
本発明の触媒を使用して転化プロセスを実施する場合、温度およびこのようなプロセスで利用されている他の条件に対して耐性を示す別の物質を含んでなるマトリクスと共に、上記の結晶質ゼオライトを導入することが有用なこともある。このようなマトリクス物質としては、合成もしくは天然に産する物質、ならびにクレー、シリカおよび/または金属酸化物などの無機物質、特にアルミナ酸化物が挙げられる。後者の物質は、天然に産するものであってもよいし、シリカおよび金属酸化物の混合物を含むゼリー状の沈殿もしくはゲルの形態のものであってもよい。ゼオライトと複合体を形成することのできる天然に産するクレーには、モンモリロナイト族およびカオリン族のクレーがあり、これらの族に含まれるものとしては、サブ−ベントナイトならびにDixieクレー、McNamee‐GeorgiaクレーおよびFloridaクレーとして一般的に知られているカオリン、またはハロイサイト、カオリナイト、ディッカイト、ナクライトもしくはアナウキサイトを主な鉱物成分とする他の物質が挙げられる。このようなクレーは、そのままの状態で使用することもできるし、最初にか焼、酸処理または化学的改質処理を施してもよい。
【0029】
以上の物質のほかに、本発明に利用されるゼオライトは、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、シリカ−トリア、シリカ−ベリリア、シリカ−チタニアなどの多孔質マトリックス物質、およびシリカ−アルミナ−トリア、シリカ−アルミナ−ジルコニア、シリカ−アルミナ−マグネシア、シリカ−マグネシア−ジルコニアなどの三成分組成物で複合化されていてもよい。マトリクスは、共ゲルの形態であってもよい。ゼオライト成分および無機酸化物ゲルマトリックスの相対的割合は、無水基準で、広範に変化させることが可能であり、ゼオライト含有量は、乾燥複合体の1〜99重量%、通常は40〜90重量%の範囲である。
【0030】
場合により活性または選択性を改変するために利用しうる他の触媒改質処理としては,プレコーキングおよびプレスチーミングまたはそれらの組合せが挙げられる。プレスチーミングは、好ましくは10〜100%スチームを用いて0.25〜24時間にわたり204〜427℃で行われ、一般的にはゼオライト触媒の活性および選択性を変化させる。
【0031】
水素化分解触媒に有用な貴金属としては、白金、パラジウムならびに他の第VIIIA族金属、例えばイリジウムおよびロジウムが挙げられるが、先に述べたように、白金またはパラジウムが好ましい。触媒中への貴金属の導入は、任意の好適な方法、例えばゼオライトの含浸または交換によって行うことが可能である。貴金属は、カチオン、アニオンまたは中性の複合体のような形態で導入することが可能である。例えば、Pt(NH 2+が使用できる。金属交換によりゼオライト中に導入する場合には、このタイプのカチオン複合体が便利であることがわかるであろう。貴金属の量は、好適には0.01〜10重量%、通常は0.1〜2.0重量%である。Ptを含有するゼオライトベータまたはUSYを合成する好ましい方法では、白金化合物はテトラアミン白金ヒドロキシドである。貴金属は、好ましくはほぼ中性のpHの溶液を用いて触媒組成物中に導入される。
【0032】
高レベルの貴金属分散度が好ましい。例えば、白金の分散度は、水素化学吸着法によって測定され、H/Pt比で表現される。H/Pt比が大きくなるほど、白金の分散度は高くなる。好ましくは、得られる触媒のH/Pt比は、0.7よりも大きくなければならない。
【0033】
条件
本発明のプロセスで利用される水素化分解条件は、一般に低い水素圧力および中程度の水素化分解過酷度のものである。水素圧力(リアクタ入口)は、2170〜69049kPaに保たれる。水素循環流量は、356〜1780n.l.l.−1、より慣用的には534〜1246n.l.l.−1が好適であり、追加の水素がクエンチとして通常は匹敵量で水素化分解ゾーンに供給される。空間速度は1〜2LHSVである。
【0034】
温度は、通常232〜454℃の範囲、より慣用的には246〜427℃の範囲であろう。より好ましい運転範囲は260〜413℃である。従って、選択された温度は、使用する触媒配合物、フィードの特性、使用する水素圧力およびに所望の転化レベルに依存するであろう。
【0035】
転化はほぼ中程度のレベルに保たれ、先に述べたように、通常1パスあたりガソリン沸点範囲物質の60wt%を超えないであろう。しかしながら、全消費型リサイクルを利用するので、最終的にはフィードは149℃未満の沸点を有する物質に転化されるであろう。このほか、液体リサイクルの一部分を取り出して、フィードストックよりも高い品質の生成物を形成してもよい。
【0036】
実施例
実験室データ
提案されたプロセスは、オンラインスチルおよびガスリサイクルシステムを備えた実験室パイロットユニットを使用して実証した。
【0037】
触媒Aの担体には、65wt%のUSYおよび35wt%のアルミナバインダが含まれる。米国特許第5,219,814号に記載されているように、触媒AにはNi−Wが充填されている。α値は25.45である。
【0038】
触媒Bの担体には、65wt%のゼオライトベータおよび35wt%のアルミナバインダが含まれる。これには、触媒の全重量を基準に、0.6wtのPtが充填されている。ゼオライトベータは、水蒸気処理されていない。
【0039】
触媒Cの担体には、65wt%のUSYおよび35wt%のアルミナバインダが含まれる。このα値は25.3であり、Ptが充填されている。ゼオライトベータは、水蒸気処理されていない。
【0040】
触媒Aは、最初に、標準的な硫化方法に従って2%の硫化水素の水素ガス混合物中で硫化した。触媒BおよびCは、最初に、標準的な硫化方法に従って400ppmvの硫化水素の水素ガス混合物中で硫化した。次に、水素ガスを712〜1246n.l.l.−1に相当する目標流量で循環させた。その際、全LHSV 0.9〜1.4で運転し、圧力は全体で2785kPaでであった。水素化分解灯油フィードを導入する前に、リアクタを149℃まで加熱した。生の水素処理されていないFCC重質ナフサも試験した。フィードストックの特性は表1に示されている。ユニットは1パスあたり149℃生成物への転化率60vol%でラインアウトされ、オンラインスチルボトムはリサイクルして完全に消費された。生成物の特性は表2で示されている。
【0041】
HDC灯油を処理して触媒A、触媒Bおよび触媒Cの性能を評価することによって、プロセスコンセプトの評価を行った。また、生のFCC重質ナフサを処理して、触媒Aの評価を行った。
【0042】
提案されたコンセプトと、一般的な見方、すなわちPt、Pdなどの水素化分解触媒またはNiW/USY触媒などの卑金属水素化分解触媒は、低いリアクタ圧力で急速に老化するという見方とを区別するために、触媒の安定性を試験することが重要であった。そのため、パイロットユニットによるNi−Wの研究を約40日間続けて、老化の測定を行った。図2はオンストリーム時間の関数として触媒の活性をプロットしたものである。触媒Aは、オンストリーム状態で最初の15日間は予想通り急速な老化を示したが、まったく意外なことに、オンストリーム状態で30日間経過後、0.35℃/日という許容しうる老化速度にまで安定化された。水素循環流量を更に最適化することによって、より低い老化速度を達成することさえ可能であろうと考えられる。更に、Ni‐W USY触媒の上流で水素処理触媒を添加すれば、見掛けの触媒老化速度を更に低下させることが可能であると考えられる。
【0043】
また、触媒BおよびCの老化性能についても評価したところ、これらの触媒はいずれも、1日あたり0.005℃未満で老化した。
【0044】
オンストリーム状態で40日間経過後、水素化分解灯油から生の重質FCCナフサに切り替えてデータを取得することにより、このプロセス構成の柔軟性を実証する(表1)。水素化分解灯油中の水素は13.4wt%であったのに対して、FCCナフサ中に含まれる水素はわずか11.4wt%であった。図3に示されているように、所要のリアクタ入口温度がより高いにもかかわらず、驚くほど安定した全消費型リサイクル水素化分解性能が得られる。
【0045】
【表1】
Figure 0004248142
【0046】
【表2】
Figure 0004248142

【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の好ましい実施形態のプロセスフロー図である。
【図2】 図2は、水素化分解された灯油フィードを用いて行われた触媒老化の研究の結果を示したものである。
【図3】 図3は、水素処理されていない生のFCC重質ナフサを用いて行われた触媒老化の研究の結果を示したものである。

Claims (3)

  1. 下記ステップ(a)〜(c)を含むことを特徴とする触媒サイクル寿命が増大された低圧水素化分解プロセス。
    (a)少なくとも13.0wt%の全水素および2wt%未満のヘテロ原子を含有する液体フィードを水素ガスと混合するステップ(但し、該フィードは、121〜482℃の沸点範囲を有し、75wt%未満の芳香族分を含有し、25〜50のAPI比重度を有する。)
    (b)触媒粒子の充填床を少なくとも2つ備えた固定床水素化分解装置中、水素分圧1379〜2758kPaで該混合物を水素化分解して、149℃未満の沸点を有するより軽質のフラクションおよび149〜482℃の沸点を有するより重質のフラクションを含む水素化分解生成物を形成するステップ(但し、該触媒は、貴金属または卑金属のいずれかと配合された大孔径ゼオライトを含む。
    (c)149〜482℃の沸点を有する該フラクションのすべてまたは一部分を全消費型リサイクルプロセスに通して、該フラクションを149℃未満の沸点を有するより軽質のフラクションに転化するステップ(但し、該全消費型リサイクルプロセスは、149〜482℃の沸点を有する該フラクションが完全に149℃未満の沸点を有するフラクションに転化されるまで、リサイクルすべき物質をステップ(b)に戻すステップを含む。)
  2. ステップ(c)において149℃未満の沸点を有するより軽質のフラクションへの転化率は、60wt%未満であることを特徴とする請求項1に記載の低圧水素化分解プロセス。
  3. ステップ(a)においてガスまたは液体は、クエンチとして該水素化分解装置中に注入されて、リアクタの床温度を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の低圧水素化分解プロセス。
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