JP4247872B2 - 燃料電池発電装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二液推進系の燃料と酸化剤を用いる燃料電池発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
惑星探査機等の宇宙機や衛星用の電源(以下、宇宙機器電源と呼ぶ)として、従来から、太陽電池、化学電池(バッテリ)、ラディオアイソトープ電池、及び燃料電池が用いられている。
【0003】
惑星探査機等の宇宙機は多くの場合、ほとんど日陰におちいることがないため日照を利用した太陽電池電源が主電源である。しかしこの場合でも、不測の姿勢におちいることを配慮して、あるいは打上げ時のみの日陰を考慮して、通常のバッテリ(化学電池)を搭載することが一般的である。
木星以遠の外惑星の探査機では、太陽からの距離増大のため太陽電池出力が大幅に低下(数十分の1程度)するため宇宙機器電源が巨大化する。そのためこのような探査機では、ラディオアイソトープ電源が通常使用されている。
燃料電池は、地上用としては、現在まで分散電源、自動車用動力源等の様々な用途に開発されているが、宇宙用途では、比較的少なく、ジェミニ宇宙船、アポロ宇宙船およびスペースシャトル用に純水素/純酸素を用いる燃料電池が開発されているにすぎない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、高性能なリチウム電池等の登場により、宇宙機器電源の重量軽減化が図られているが、依然として宇宙機器電源は大きな重量割合を占めており、宇宙機ミッション機器重量を圧迫している。また、宇宙機重量増加に伴い打上げ費用も増大している。
【0005】
また、ラディオアイソトープ電源は安全性確保が難しく、使用は限られており、特に日本では宇宙機への搭載は許可されていない。そのため、深宇宙用探査機用電源として有効なものがない。
【0006】
さらに、燃料電池は、宇宙用途では、純水素/純酸素を用いており、その貯蔵用圧力容器のため、宇宙機器電源の重量が大きくなる。また、地上用に開発されている燃料電池の場合でも、燃料として炭化水素燃料、酸化剤として空気や酸素が必要であり、宇宙機器電源として用いる場合、これらの燃料及び酸化剤を別途搭載する必要があるため、宇宙機器電源の重量が大きくなる問題点があった。
【0007】
本発明はかかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、推進機関を搭載する惑星探査機等の宇宙機や衛星用の電源として広範囲に用いることができ、付加重量が小さく、宇宙機ミッション機器の重量を軽減することができる燃料電池発電装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、液体燃料と液体酸化剤を2液推進剤として使用する2液推進系と、前記液体燃料を収容する燃料タンクと、前記液体酸化剤を収容する酸化剤タンクとを備えた宇宙機に搭載される宇宙機器電源用の燃料電池発電装置であって、前記燃料タンクからの前記液体燃料と前記酸化剤タンクからの前記酸化剤を使用して発電する燃料電池(10)を備え、これにより前記2液推進系と前記燃料電池とで前記液体燃料と前記液体酸化剤を共用する構成となっており、前記液体燃料は、ヒドラジン、モノメチルヒドラジン、又はアンモニアであり、前記液体酸化剤は、四二酸化窒素、亜酸化窒素、又は過酸化水素である、ことを特徴とする燃料電池発電装置が提供される。
【0009】
本発明の好ましい第1実施形態によれば、前記液体燃料を熱分解して水素含有ガスを発生させる熱分解装置(12)と、該水素含有ガス中の固形分を除去するフィルター(13)とを更に備え、前記燃料電池(10)は、水素含有ガス中の水素より生ずる水素イオンをアノード極からカソード極に通す陽イオン交換膜(11a)を有する。
【0010】
本発明の好ましい第2実施形態によれば、前記液体燃料を水素含有ガスに改質する改質装置(14)を更に備え、前記燃料電池(10)は、水素含有ガス中の水素より生ずる水素イオンをアノード極からカソード極に通す陽イオン交換膜(11a)を有する。
前記改質装置(14)は、部分酸化改質器又は水蒸気改質器である。
【0011】
本発明の好ましい第3〜5実施形態によれば、前記燃料電池(10)は、前記液体燃料を含有する水溶液を陽イオンと電子に分離するアノード極(10a)と、該陽イオンをアノード極からカソード極に通す陽イオン交換膜(11a)と、該陽イオンを液体酸化剤と反応させるカソード極(10c)とを有する。
【0012】
本発明の好ましい第6実施形態によれば、前記燃料電池(10)は、前記液体酸化剤を含有する水溶液から水酸イオンを分離するカソード極(10c)と、該水酸イオンをカソード極からアノード極に通すアルカリ水溶液(11b)と、前記液体燃料と水酸イオンを反応させるアノード極(10a)とを有する。
【0013】
前記アノード極(10a)及びカソード極(10c)は、反応活性向上のための添加触媒を含有する。
【0014】
上記本発明の構成によれば、化学電池(バッテリ)の代替として「燃料電池」を使用し、かつさらなる電源系システム重量軽量化のために、燃料電池で使用する燃料を、宇宙機「2液推進系」と共用化する液体燃料と液体酸化剤を用いて発電する。
【0015】
バッテリを「燃料電池」に変更し、かつ燃料を推進系と共用化することにより、宇宙機器電源を小型化でき、重量を1/10程度に低減できる。また、バッテリ保温のための熱制御も削除でき、システムの簡素化を図ることができる。
【0016】
さらに、「2液推進系」燃料は通常軌道投入誤差を吸収すべくマージンをもって搭載され、この残燃料のミッションへの有効活用ができなかったが、本発明の構成によれば、以降の科学観測等を含めた宇宙機運用性を改善できる。特に惑星通過時の短時間高負荷の科学観測あるいはスイングバイ航行時の長期運用時の電源用途には効果的である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0018】
図1は、本発明の燃料電池発電装置の全体構成図である。この例は惑星探査機等の宇宙機又は衛星(以下、単に宇宙機という)の電源(宇宙機器電源)として用いた場合であり、1は燃料タンク、2は酸化剤タンク、3はスラスタである。この宇宙機は、燃料タンク1及び酸化剤タンク2とスラスタ3を結ぶ燃料ライン1aと酸化剤ライン2aにそれぞれ元弁、フィルタ、供給弁、その他を備え、スラスタ3で燃料を酸化剤と反応させて高温ガスを発生・噴射しスラスト力を得るようになっている。液体燃料と液体酸化剤はこの場合、2液推進剤である。2液推進系において低温での燃料凝固を防止するための余分な電力消費を避けるために、液体燃料としては相対的に凝固点が低いヒドラジン、モノメチルヒドラジン(MMH:CH3NHNH2)、又はアンモニア等を用い、液体酸化剤には、四二酸化窒素(NTO:N24)、亜酸化窒素、又は過酸化水素等を用いる。
【0019】
なお、本発明の燃料電池発電装置は、宇宙機に搭載し宇宙機器電源として用いるのに適しているが、本発明はこれに限定されず、地上において通常の発電用途に用いることもできる。
【0020】
図1において、4は搭載機器の電力負荷、5は燃料供給ライン、6は酸化剤供給ライン、7は燃料排出ライン、8は酸化剤排出ライン、10は燃料電池である。
【0021】
燃料供給ライン5は、燃料ライン1aから分岐し、燃料電池10のアノード極に液体燃料を供給する。酸化剤供給ライン6は、酸化剤ライン2aから分岐し、燃料電池10のカソード極に液体酸化剤を供給する。また、燃料供給ライン5及び酸化剤供給ライン6には、図に示すように供給弁及びフィルタを備え、それぞれの流量を遠隔制御し、かつ固形分を除去するようになっている。
【0022】
燃料排出ライン7と酸化剤排出ライン8は、それぞれアノード極とカソード極を通過した未反応の余剰ガスと反応生成物を排出するラインである。未反応の余剰ガスと反応生成物はそれぞれスラスタ3に供給し、スラスタ3で反応させるのが好ましいが、別個に排出、貯蔵、あるいはリサイクルしてもよい。
【0023】
以下、上述した燃料電池10の具体的実施形態を説明する。なお、上述した全体構成は特に明記しない限り、各実施形態にそのまま適用することができる。
【0024】
図2〜図4は陽イオン交換膜を電解質にした燃料電池の場合である。
(第1実施形態)
図2は、本発明の第1実施形態を示す構成図である。この図において、本発明の燃料電池発電装置は、液体燃料(この例ではMMH)を熱分解して水素含有ガスを発生させる熱分解装置12と、発生した水素含有ガス中の固形分を除去するフィルター13とを更に備える。また燃料電池10は、水素含有ガス中の水素イオンをアノード極からカソード極に通す陽イオン交換膜11aを有する。
【0025】
この構成により、燃料となるモノメチルヒドラジン(MMH)を熱分解装置12(例えば推進系高温部)を通し熱分解させ、水素ガス等を得る。発生ガス中から固形炭素分はフィルター13により除去し、気液成分のみを燃料電池10のアノード極10aに供給する。そこで燃料ガス/液は電極触媒により陽イオンと電子に分離され、陽イオンは電解質(陽イオン交換膜11a)を通過し、カソード極10cに到達する。また酸化剤となる四二酸化窒素(NTO)を直接カソード極に供給し、そこで酸化剤は陽イオンと反応する。この反応の過程で発電を行う。
【0026】
ただし、この場合アノーヂ/カソード電極での反応は通常の燃料電池と大きく異なるため、反応活性化向上のための追加触媒を電極に添加する。この場合、反応が正規に行われた場合の起電力は1.36Vとなり、通常の燃料電池(1.23V)に比較して高性能となる。
【0027】
なお、MMHの熱分解は、式(1)で示され、燃料電池全体の反応は、式(2)で示すことができる。ここで起電力E0は、熱化学データに基づく計算値である。
3CH3NHNH2→C+2CH4+3.5H2+NH3+2.5N2・・式(1)
4H2+N24→N2+4H2O E0=1.357V・・式(2)
【0028】
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態を示す構成図である。この図において、本発明の燃料電池発電装置は、液体燃料(この例ではMMH)を水素含有ガスに改質する改質装置14を更に備える。この場合、改質装置14は、部分酸化改質器又は水蒸気改質器であり、部分酸化改質触媒又は水蒸気改質触媒を内蔵する。また燃料供給ライン5の上流側に部分酸化改質器の場合には部分酸化用酸素、水蒸気改質器の場合には水蒸気を反応必要量混入するようになっている。
また、燃料電池10は、水素含有ガス中の水素より生ずる水素イオンをアノード極からカソード極に通す陽イオン交換膜11aを有する。
【0029】
この構成により、MMHを改質装置14に通すことにより水素ガス、メタンガス、アンモニア等に変換し、これを燃料電池10のアノード極10aに供給する。そこで燃料ガス/液は電極触媒により陽イオンと電子に分離され、陽イオンは電解質(陽イオン交換膜11a)を通過し、カソード極10cに到達する。また酸化剤となるNTO(N24)を直接カソード極10cに供給し、そこで酸化剤は陽イオンと反応する。この反応の過程で発電を行う。
【0030】
ただし、この場合アノード/カソード電極での反応は通常の燃料電池と大きく異なるため、反応活性化向上のための追加触媒を電極に添加する。
【0031】
なお、MMHの部分酸化改質は式(3)、水蒸気改質は式(4)、燃料電池全体の反応は式(5)で示すことができる。
3CH3NHNH2+O2→CO2+2CH4+3.5H2+NH3+2.5N2・・式(3)
3CH3NHNH2+H2O→CO2+2CH4+5.5H2+NH3+2.5N2・・式(4)
4H2+N24→N2+4H2O E0=1.357V・・式(5)
【0032】
(第3〜5実施形態)
図4は、本発明の第3〜5実施形態を示す構成図である。この図において、燃料電池10は、液体燃料を含有する水溶液を陽イオンと電子に分離するアノード極10aと、陽イオンをアノード極からカソード極に通す陽イオン交換膜11aと、陽イオンを液体酸化剤と反応させるカソード極10cとを有する。
【0033】
この場合、燃料供給ライン5の上流側に水を混入するようになっているのがよい。なお、液体燃料が水溶液である場合にはこの混入は省略することができる。
【0034】
(第3実施形態)
この例では、MMH水溶液を直接燃料電池10のアノード極10aに供給する。そこで燃料水溶液は電極触媒により陽イオンと電子に分離され、陽イオンは電解質(陽イオン交換膜11a)を通過し、カソード極10cに到達する。また酸化剤となるNTO(N24)を直接カソード極10cに供給し、そこで酸化剤は陽イオンと反応する。この反応の過程で発電を行う。
【0035】
ただし、この場合アノード/カソード電極での反応は通常の燃料電池と大きく異なるため、反応活性化向上のための追加触媒を電極に添加する。この場合、反応が正規に行われた場合の起電力は1.46Vとなり、通常の燃料電池(1.23V)に比較して高性能となる。
【0036】
アノード極の反応は式(6)、カソード極の反応は式(7)、燃料電池全体の反応は式(8)で示すことができる。
CH3NHNH2+2H2O→CO2(g)+N2(g)+10H++10e-・・式(6)
24(g)+8H++8e-→N2(g)+4H2O・・式(7)
4CH3NHNH2+5N24(g)→4CO2(g)+9N2(g)+12H2OE0=1.459V・・式(8)
【0037】
(第4実施形態)
この例では、アンモニア(NH3)水溶液を直接燃料電池10のアノード極10aに供給する。そこで燃料水溶液は電極触媒により陽イオンと電子に分離され、陽イオンは電解質(陽イオン交換膜11a)を通過し、カソード極10cに到達する。また酸化剤となるNTO(N24)を直接カソード極に供給し、そこで酸化剤は陽イオンと反応する。この反応の過程で発電を行う。
ただし、この場合アノード/カソード電極での反応は通常の燃料電池と大きく異なるため、反応活性化向上のための追加触媒を電極に添加する。この場合、反応が正規に行われた場合の起電力は1.30Vとなり、通常の燃料電池(1.23V)に比較して高性能となる。
【0038】
アノード極の反応は式(9)、カソード極の反応は式(10)、燃料電池全体の反応は式(11)で示すことができる。
2NH3(aq)→N2(g)+6H++6e-・・式(9)
24(g)+8H++8e-→N2(g)+4H2O・・式(10)
8NH3(aq)+3N24(g)→7N2(g)+12H2O E0=1.297V・・式(11)
【0039】
(第5実施形態)
この例では、アンモニア(NH3)水溶液を直接燃料電池10のアノード極10aに供給する。そこで燃料水溶液は電極触媒により陽イオンと電子に分離され、陽イオンは電解質(陽イオン交換膜11a)を通過し、カソード極10cに到達する。また酸化剤となる亜酸化窒素(N2O)を直接カソード極10cに供給し、そこで酸化剤は陽イオンと反応する。この反応の過程で発電を行う。
【0040】
ただし、この場合アノード/カソード電極での反応は通常の燃料電池と大きく異なるため、反応活性化向上のための追加触媒を電極に添加する。この場合、反応が正規に行われた場合の起電力は1.71Vとなり、通常の燃料電池(1.23V)に比較して高性能となる。
【0041】
アノード極の反応は式(12)、カソード極の反応は式(13)、燃料電池全体の反応は式(14)で示すことができる。
2NH3(aq)→N2(g)+6H++6e-・・式(12)
2O(g)+2H++2e-→N2(g)+H2O・・式(13)
2NH3(aq)+3N2O(g)→4N2(g)+3H2O E0=1.712V・・式(14)
【0042】
(第6実施形態)
図5はアルカリ水溶液を電解質にした本発明の第6実施形態を示す構成図である。この図において、燃料電池10は、液体燃料と水酸イオンを反応させるアノード極10aと、水酸イオンをカソード極からアノード極に通すアルカリ水溶液11bと、液体酸化剤を含有する水溶液から水酸イオンを分離するカソード極10cとを有する。
【0043】
この例では、MMHを直接燃料電池10のアノード極10aに供給する。そこで燃料水溶液は電極触媒の働きでアルカリ電解質から水酸イオンを取り込み反応をし、電子を分離する。また酸化剤となるNTO水溶液を直接カソード極10cに供給し、そこで酸化剤は電子と水酸イオンの授受を行い、その過程で発電を行う。
【0044】
ただし、この場合アノード/カソード電極での反応は通常の燃料電池と大きく異なるため、反応活性化向上のための追加触媒を電極に添加する。この場合、反応が正規に行われた場合の起電力は1.46Vとなり、通常の燃料電池(1.23V)に比較して高性能となる。
【0045】
アノード極の反応は式(15)、カソード極の反応は式(16)、燃料電池全体の反応は式(17)で示すことができる。
CH3NHNH2+4OH-→CH3OH+N2+3H2O+4e-・・式(15)N24+4H2O+8e-→N2+8OH-・・式(16)
2CH3NHNH2+N24→2CH3OH+3N2+2H2O・・式(17)
【0046】
上述した本発明の構成によれば、化学電池(バッテリ)の代替として「燃料電池」を使用し、かつさらなる電源系システム重量軽量化のために、燃料電池で使用する燃料を、宇宙機「2液推進系」と共用化する液体燃料と液体酸化剤を用いて発電することにより、宇宙機器電源を小型化でき、重量を1/10程度に低減できる。また、バッテリ保温のための熱制御も削除でき、システムの簡素化を図ることができる。
【0047】
さらに、「2液推進系」燃料は通常軌道投入誤差を吸収すべくマージンをもって搭載された残燃料を有効活用し、科学観測等を含めた宇宙機運用性を改善できる。特に惑星通過時の短時間高負荷の科学観測あるいはスイングバイ航行時の長期運用時の電源用途には効果的である。
【0048】
なお、本発明は上述した実施例及び実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【0049】
【発明の効果】
上述したように本発明の燃料電池発電装置は、惑星探査機等の宇宙機や衛星用の電源として広範囲に用いることができ、付加重量が小さく、宇宙機ミッション機器の重量を軽減することができる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池発電装置の全体構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示す構成図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す構成図である。
【図4】本発明の第3〜5実施形態を示す構成図である。
【図5】本発明の第6実施形態を示す構成図である。
【符号の説明】
1 燃料タンク、2 酸化剤タンク、3 スラスタ、
4 負荷、5 燃料供給ライン、6 酸化剤供給ライン、
7 燃料排出ライン、8 酸化剤排出ライン、
10 燃料電池、10a アノード極、10c カソード極、
11a 陽イオン交換膜、11b アルカリ水溶液、
12 熱分解装置、13 フィルター、14 改質装置

Claims (7)

  1. 液体燃料と液体酸化剤を2液推進剤として使用する2液推進系と、前記液体燃料を収容する燃料タンクと、前記液体酸化剤を収容する酸化剤タンクとを備えた宇宙機に搭載される宇宙機器電源用の燃料電池発電装置であって、
    前記燃料タンクからの前記液体燃料と前記酸化剤タンクからの前記酸化剤を使用して発電する燃料電池(10)を備え
    これにより前記2液推進系と前記燃料電池とで前記液体燃料と前記液体酸化剤を共用する構成となっており、
    前記液体燃料は、ヒドラジン、モノメチルヒドラジン、又はアンモニアであり、
    前記液体酸化剤は、四二酸化窒素、亜酸化窒素、又は過酸化水素である、ことを特徴とする燃料電池発電装置。
  2. 前記液体燃料を熱分解して水素含有ガスを発生させる熱分解装置(12)と、
    該水素含有ガス中の固形分を除去するフィルター(13)とを更に備え、
    前記燃料電池(10)は、水素含有ガス中の水素より生ずる水素イオンをアノード極からカソード極に通す陽イオン交換膜(11a)を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電装置。
  3. 前記液体燃料を水素含有ガスに改質する改質装置(14)を更に備え、
    前記燃料電池(10)は、水素含有ガス中の水素より生ずる水素イオンをアノード極からカソード極に通す陽イオン交換膜(11a)を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電装置。
  4. 前記改質装置(14)は、部分酸化改質器又は水蒸気改質器である、
    ことを特徴とする請求項に記載の燃料電池発電装置。
  5. 前記燃料電池(10)は、前記液体燃料を含有する水溶液を陽イオンと電子に分離するアノード極(10a)と、
    該陽イオンをアノード極からカソード極に通す陽イオン交換膜(11a)と、
    該陽イオンを液体酸化剤と反応させるカソード極(10c)とを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電装置。
  6. 前記燃料電池(10)は、前記液体酸化剤を含有する水溶液から水酸イオンを分離するカソード極(10c)と、
    該水酸イオンをカソード極からアノード極に通すアルカリ水溶液(11b)と、
    前記液体燃料と水酸イオンを反応させるアノード極(10a)とを有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電装置。
  7. 前記アノード極(10a)及び前記カソード極(10c)は、反応性向上のための追加触媒が添加されている、ことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の燃料電池発電装置。
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