JP2003346865A - 燃料電池発電装置 - Google Patents

燃料電池発電装置

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JP2003346865A JP2002155825A JP2002155825A JP2003346865A JP 2003346865 A JP2003346865 A JP 2003346865A JP 2002155825 A JP2002155825 A JP 2002155825A JP 2002155825 A JP2002155825 A JP 2002155825A JP 2003346865 A JP2003346865 A JP 2003346865A
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淳一郎 川口
Shunichi Okaya
俊一 岡屋
Noboru Shinozaki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 惑星探査機等の宇宙機や衛星に搭載されてい
る推進機関にわずかの装置を付加するだけで、電源とし
て広範囲に用いることができ、宇宙機ミッション機器の
重量を軽減することができる燃料電池発電装置を提供す
る。 【解決手段】 液体燃料と液体酸化剤を用いて発電する
燃料電池10を備える。燃料電池10は、陽イオン交換
膜又はアルカリ水溶液を電解質にした燃料電池であり、
液体燃料は、ヒドラジン、モノメチルヒドラジン、又は
アンモニア等、液体酸化剤は、四二酸化窒素、亜酸化窒
素、又は過酸化水素等である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二液推進系の燃料
と酸化剤を用いる燃料電池発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】惑星探査機等の宇宙機や衛星用の電源
(以下、宇宙機器電源と呼ぶ)として、従来から、太陽
電池、化学電池(バッテリ)、ラディオアイソトープ電
池、及び燃料電池が用いられている。
【0003】惑星探査機等の宇宙機は多くの場合、ほと
んど日陰におちいることがないため日照を利用した太陽
電池電源が主電源である。しかしこの場合でも、不測の
姿勢におちいることを配慮して、あるいは打上げ時のみ
の日陰を考慮して、通常のバッテリ(化学電池)を搭載
することが一般的である。木星以遠の外惑星の探査機で
は、太陽からの距離増大のため太陽電池出力が大幅に低
下(数十分の1程度)するため宇宙機器電源が巨大化す
る。そのためこのような探査機では、ラディオアイソト
ープ電源が通常使用されている。燃料電池は、地上用と
しては、現在まで分散電源、自動車用動力源等の様々な
用途に開発されているが、宇宙用途では、比較的少な
く、ジェミニ宇宙船、アポロ宇宙船およびスペースシャ
トル用に純水素/純酸素を用いる燃料電池が開発されて
いるにすぎない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、高性能なリチウ
ム電池等の登場により、宇宙機器電源の重量軽減化が図
られているが、依然として宇宙機器電源は大きな重量割
合を占めており、宇宙機ミッション機器重量を圧迫して
いる。また、宇宙機重量増加に伴い打上げ費用も増大し
ている。
【0005】また、ラディオアイソトープ電源は安全性
確保が難しく、使用は限られており、特に日本では宇宙
機への搭載は許可されていない。そのため、深宇宙用探
査機用電源として有効なものがない。
【0006】さらに、燃料電池は、宇宙用途では、純水
素/純酸素を用いており、その貯蔵用圧力容器のため、
宇宙機器電源の重量が大きくなる。また、地上用に開発
されている燃料電池の場合でも、燃料として炭化水素燃
料、酸化剤として空気や酸素が必要であり、宇宙機器電
源として用いる場合、これらの燃料及び酸化剤を別途搭
載する必要があるため、宇宙機器電源の重量が大きくな
る問題点があった。
【0007】本発明はかかる問題点を解決するために創
案されたものである。すなわち、本発明の目的は、推進
機関を搭載する惑星探査機等の宇宙機や衛星用の電源と
して広範囲に用いることができ、付加重量が小さく、宇
宙機ミッション機器の重量を軽減することができる燃料
電池発電装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、液体燃
料と液体酸化剤を用いて発電する燃料電池(10)を備
えたことを特徴とする燃料電池発電装置が提供される。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記液体燃料は、
ヒドラジン、モノメチルヒドラジン、又はアンモニアで
あり、前記液体酸化剤は、四二酸化窒素、亜酸化窒素、
又は過酸化水素である。
【0009】本発明の好ましい第1実施形態によれば、
前記液体燃料を熱分解して水素含有ガスを発生させる熱
分解装置(12)と、該水素含有ガス中の固形分を除去
するフィルター(13)とを更に備え、前記燃料電池
(10)は、水素含有ガス中の水素より生ずる水素イオ
ンをアノード極からカソード極に通す陽イオン交換膜
(11a)を有する。
【0010】本発明の好ましい第2実施形態によれば、
前記液体燃料を水素含有ガスに改質する改質装置(1
4)を更に備え、前記燃料電池(10)は、水素含有ガ
ス中の水素より生ずる水素イオンをアノード極からカソ
ード極に通す陽イオン交換膜(11a)を有する。前記
改質装置(14)は、部分酸化改質器又は水蒸気改質器
である。
【0011】本発明の好ましい第3〜5実施形態によれ
ば、前記燃料電池(10)は、前記液体燃料を含有する
水溶液を陽イオンと電子に分離するアノード極(10
a)と、該陽イオンをアノード極からカソード極に通す
陽イオン交換膜(11a)と、該陽イオンを液体酸化剤
と反応させるカソード極(10c)とを有する。
【0012】本発明の好ましい第6実施形態によれば、
前記燃料電池(10)は、前記液体酸化剤を含有する水
溶液から水酸イオンを分離するカソード極(10c)
と、該水酸イオンをカソード極からアノード極に通すア
ルカリ水溶液(11b)と、前記液体燃料と水酸イオン
を反応させるアノード極(10a)とを有する。
【0013】前記アノード極(10a)及びカソード極
(10c)は、反応活性向上のための添加触媒を含有す
る。
【0014】上記本発明の構成によれば、化学電池(バ
ッテリ)の代替として「燃料電池」を使用し、かつさら
なる電源系システム重量軽量化のために、燃料電池で使
用する燃料を、宇宙機「2液推進系」と共用化する液体
燃料と液体酸化剤を用いて発電する。
【0015】バッテリを「燃料電池」に変更し、かつ燃
料を推進系と共用化することにより、宇宙機器電源を小
型化でき、重量を1/10程度に低減できる。また、バ
ッテリ保温のための熱制御も削除でき、システムの簡素
化を図ることができる。
【0016】さらに、「2液推進系」燃料は通常軌道投
入誤差を吸収すべくマージンをもって搭載され、この残
燃料のミッションへの有効活用ができなかったが、本発
明の構成によれば、以降の科学観測等を含めた宇宙機運
用性を改善できる。特に惑星通過時の短時間高負荷の科
学観測あるいはスイングバイ航行時の長期運用時の電源
用途には効果的である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を図面を参照して説明する。なお、各図において共通す
る部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略す
る。
【0018】図1は、本発明の燃料電池発電装置の全体
構成図である。この例は惑星探査機等の宇宙機又は衛星
(以下、単に宇宙機という)の電源(宇宙機器電源)と
して用いた場合であり、1は燃料タンク、2は酸化剤タ
ンク、3はスラスタである。この宇宙機は、燃料タンク
1及び酸化剤タンク2とスラスタ3を結ぶ燃料ライン1
aと酸化剤ライン2aにそれぞれ元弁、フィルタ、供給
弁、その他を備え、スラスタ3で燃料を酸化剤と反応さ
せて高温ガスを発生・噴射しスラスト力を得るようにな
っている。液体燃料と液体酸化剤はこの場合、2液推進
剤である。2液推進系において低温での燃料凝固を防止
するための余分な電力消費を避けるために、液体燃料と
しては相対的に凝固点が低いヒドラジン、モノメチルヒ
ドラジン(MMH:CH3NHNH2)、又はアンモニア
等を用い、液体酸化剤には、四二酸化窒素(NTO:N
24)、亜酸化窒素、又は過酸化水素等を用いる。
【0019】なお、本発明の燃料電池発電装置は、宇宙
機に搭載し宇宙機器電源として用いるのに適している
が、本発明はこれに限定されず、地上において通常の発
電用途に用いることもできる。
【0020】図1において、4は搭載機器の電力負荷、
5は燃料供給ライン、6は酸化剤供給ライン、7は燃料
排出ライン、8は酸化剤排出ライン、10は燃料電池で
ある。
【0021】燃料供給ライン5は、燃料ライン1aから
分岐し、燃料電池10のアノード極に液体燃料を供給す
る。酸化剤供給ライン6は、酸化剤ライン2aから分岐
し、燃料電池10のカソード極に液体酸化剤を供給す
る。また、燃料供給ライン5及び酸化剤供給ライン6に
は、図に示すように供給弁及びフィルタを備え、それぞ
れの流量を遠隔制御し、かつ固形分を除去するようにな
っている。
【0022】燃料排出ライン7と酸化剤排出ライン8
は、それぞれアノード極とカソード極を通過した未反応
の余剰ガスと反応生成物を排出するラインである。未反
応の余剰ガスと反応生成物はそれぞれスラスタ3に供給
し、スラスタ3で反応させるのが好ましいが、別個に排
出、貯蔵、あるいはリサイクルしてもよい。
【0023】以下、上述した燃料電池10の具体的実施
形態を説明する。なお、上述した全体構成は特に明記し
ない限り、各実施形態にそのまま適用することができ
る。
【0024】図2〜図4は陽イオン交換膜を電解質にし
た燃料電池の場合である。(第1実施形態)図2は、本
発明の第1実施形態を示す構成図である。この図におい
て、本発明の燃料電池発電装置は、液体燃料(この例で
はMMH)を熱分解して水素含有ガスを発生させる熱分
解装置12と、発生した水素含有ガス中の固形分を除去
するフィルター13とを更に備える。また燃料電池10
は、水素含有ガス中の水素イオンをアノード極からカソ
ード極に通す陽イオン交換膜11aを有する。
【0025】この構成により、燃料となるモノメチルヒ
ドラジン(MMH)を熱分解装置12(例えば推進系高
温部)を通し熱分解させ、水素ガス等を得る。発生ガス
中から固形炭素分はフィルター13により除去し、気液
成分のみを燃料電池10のアノード極10aに供給す
る。そこで燃料ガス/液は電極触媒により陽イオンと電
子に分離され、陽イオンは電解質(陽イオン交換膜11
a)を通過し、カソード極10cに到達する。また酸化
剤となる四二酸化窒素(NTO)を直接カソード極に供
給し、そこで酸化剤は陽イオンと反応する。この反応の
過程で発電を行う。
【0026】ただし、この場合アノーヂ/カソード電極
での反応は通常の燃料電池と大きく異なるため、反応活
性化向上のための追加触媒を電極に添加する。この場
合、反応が正規に行われた場合の起電力は1.36Vと
なり、通常の燃料電池(1.23V)に比較して高性能
となる。
【0027】なお、MMHの熱分解は、式(1)で示さ
れ、燃料電池全体の反応は、式(2)で示すことができ
る。ここで起電力E0は、熱化学データに基づく計算値
である。 3CH3NHNH2→C+2CH4+3.5H2+NH3+2.5N2・・式(1) 4H2+N24→N2+4H2O E0=1.357V・・式(2)
【0028】(第2実施形態)図3は、本発明の第2実
施形態を示す構成図である。この図において、本発明の
燃料電池発電装置は、液体燃料(この例ではMMH)を
水素含有ガスに改質する改質装置14を更に備える。こ
の場合、改質装置14は、部分酸化改質器又は水蒸気改
質器であり、部分酸化改質触媒又は水蒸気改質触媒を内
蔵する。また燃料供給ライン5の上流側に部分酸化改質
器の場合には部分酸化用酸素、水蒸気改質器の場合には
水蒸気を反応必要量混入するようになっている。また、
燃料電池10は、水素含有ガス中の水素より生ずる水素
イオンをアノード極からカソード極に通す陽イオン交換
膜11aを有する。
【0029】この構成により、MMHを改質装置14に
通すことにより水素ガス、メタンガス、アンモニア等に
変換し、これを燃料電池10のアノード極10aに供給
する。そこで燃料ガス/液は電極触媒により陽イオンと
電子に分離され、陽イオンは電解質(陽イオン交換膜1
1a)を通過し、カソード極10cに到達する。また酸
化剤となるNTO(N24)を直接カソード極10cに
供給し、そこで酸化剤は陽イオンと反応する。この反応
の過程で発電を行う。
【0030】ただし、この場合アノード/カソード電極
での反応は通常の燃料電池と大きく異なるため、反応活
性化向上のための追加触媒を電極に添加する。
【0031】なお、MMHの部分酸化改質は式(3)、
水蒸気改質は式(4)、燃料電池全体の反応は式(5)
で示すことができる。 3CH3NHNH2+O2→CO2+2CH4+3.5H2+NH3+2.5N2・・式 (3) 3CH3NHNH2+H2O→CO2+2CH4+5.5H2+NH3+2.5N2・・ 式(4) 4H2+N24→N2+4H2O E0=1.357V・・式(5)
【0032】(第3〜5実施形態)図4は、本発明の第
3〜5実施形態を示す構成図である。この図において、
燃料電池10は、液体燃料を含有する水溶液を陽イオン
と電子に分離するアノード極10aと、陽イオンをアノ
ード極からカソード極に通す陽イオン交換膜11aと、
陽イオンを液体酸化剤と反応させるカソード極10cと
を有する。
【0033】この場合、燃料供給ライン5の上流側に水
を混入するようになっているのがよい。なお、液体燃料
が水溶液である場合にはこの混入は省略することができ
る。
【0034】(第3実施形態)この例では、MMH水溶
液を直接燃料電池10のアノード極10aに供給する。
そこで燃料水溶液は電極触媒により陽イオンと電子に分
離され、陽イオンは電解質(陽イオン交換膜11a)を
通過し、カソード極10cに到達する。また酸化剤とな
るNTO(N24)を直接カソード極10cに供給し、
そこで酸化剤は陽イオンと反応する。この反応の過程で
発電を行う。
【0035】ただし、この場合アノード/カソード電極
での反応は通常の燃料電池と大きく異なるため、反応活
性化向上のための追加触媒を電極に添加する。この場
合、反応が正規に行われた場合の起電力は1.46Vと
なり、通常の燃料電池(1.23V)に比較して高性能
となる。
【0036】アノード極の反応は式(6)、カソード極
の反応は式(7)、燃料電池全体の反応は式(8)で示
すことができる。 CH3NHNH2+2H2O→CO2(g)+N2(g)+10H++10e-・・式 (6) N24(g)+8H++8e-→N2(g)+4H2O・・式(7) 4CH3NHNH2+5N24(g)→4CO2(g)+9N2(g)+12H2O E0=1.459V・・式(8)
【0037】(第4実施形態)この例では、アンモニア
(NH3)水溶液を直接燃料電池10のアノード極10
aに供給する。そこで燃料水溶液は電極触媒により陽イ
オンと電子に分離され、陽イオンは電解質(陽イオン交
換膜11a)を通過し、カソード極10cに到達する。
また酸化剤となるNTO(N24)を直接カソード極に
供給し、そこで酸化剤は陽イオンと反応する。この反応
の過程で発電を行う。ただし、この場合アノード/カソ
ード電極での反応は通常の燃料電池と大きく異なるた
め、反応活性化向上のための追加触媒を電極に添加す
る。この場合、反応が正規に行われた場合の起電力は
1.30Vとなり、通常の燃料電池(1.23V)に比
較して高性能となる。
【0038】アノード極の反応は式(9)、カソード極
の反応は式(10)、燃料電池全体の反応は式(11)
で示すことができる。 2NH3(aq)→N2(g)+6H++6e-・・式(9) N24(g)+8H++8e-→N2(g)+4H2O・・式(10) 8NH3(aq)+3N24(g)→7N2(g)+12H2O E0=1.297 V・・式(11)
【0039】(第5実施形態)この例では、アンモニア
(NH3)水溶液を直接燃料電池10のアノード極10
aに供給する。そこで燃料水溶液は電極触媒により陽イ
オンと電子に分離され、陽イオンは電解質(陽イオン交
換膜11a)を通過し、カソード極10cに到達する。
また酸化剤となる亜酸化窒素(N2O)を直接カソード
極10cに供給し、そこで酸化剤は陽イオンと反応す
る。この反応の過程で発電を行う。
【0040】ただし、この場合アノード/カソード電極
での反応は通常の燃料電池と大きく異なるため、反応活
性化向上のための追加触媒を電極に添加する。この場
合、反応が正規に行われた場合の起電力は1.71Vと
なり、通常の燃料電池(1.23V)に比較して高性能
となる。
【0041】アノード極の反応は式(12)、カソード
極の反応は式(13)、燃料電池全体の反応は式(1
4)で示すことができる。 2NH3(aq)→N2(g)+6H++6e-・・式(12) N2O(g)+2H++2e-→N2(g)+H2O・・式(13) 2NH3(aq)+3N2O(g)→4N2(g)+3H2O E0=1.712V ・・式(14)
【0042】(第6実施形態)図5はアルカリ水溶液を
電解質にした本発明の第6実施形態を示す構成図であ
る。この図において、燃料電池10は、液体燃料と水酸
イオンを反応させるアノード極10aと、水酸イオンを
カソード極からアノード極に通すアルカリ水溶液11b
と、液体酸化剤を含有する水溶液から水酸イオンを分離
するカソード極10cとを有する。
【0043】この例では、MMHを直接燃料電池10の
アノード極10aに供給する。そこで燃料水溶液は電極
触媒の働きでアルカリ電解質から水酸イオンを取り込み
反応をし、電子を分離する。また酸化剤となるNTO水
溶液を直接カソード極10cに供給し、そこで酸化剤は
電子と水酸イオンの授受を行い、その過程で発電を行
う。
【0044】ただし、この場合アノード/カソード電極
での反応は通常の燃料電池と大きく異なるため、反応活
性化向上のための追加触媒を電極に添加する。この場
合、反応が正規に行われた場合の起電力は1.46Vと
なり、通常の燃料電池(1.23V)に比較して高性能
となる。
【0045】アノード極の反応は式(15)、カソード
極の反応は式(16)、燃料電池全体の反応は式(1
7)で示すことができる。 CH3NHNH2+4OH-→CH3OH+N2+3H2O+4e-・・式(15)N24+4H2O+8e-→N2+8OH-・・式(16) 2CH3NHNH2+N24→2CH3OH+3N2+2H2O・・式(17)
【0046】上述した本発明の構成によれば、化学電池
(バッテリ)の代替として「燃料電池」を使用し、かつ
さらなる電源系システム重量軽量化のために、燃料電池
で使用する燃料を、宇宙機「2液推進系」と共用化する
液体燃料と液体酸化剤を用いて発電することにより、宇
宙機器電源を小型化でき、重量を1/10程度に低減で
きる。また、バッテリ保温のための熱制御も削除でき、
システムの簡素化を図ることができる。
【0047】さらに、「2液推進系」燃料は通常軌道投
入誤差を吸収すべくマージンをもって搭載された残燃料
を有効活用し、科学観測等を含めた宇宙機運用性を改善
できる。特に惑星通過時の短時間高負荷の科学観測ある
いはスイングバイ航行時の長期運用時の電源用途には効
果的である。
【0048】なお、本発明は上述した実施例及び実施形
態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
変更できることは勿論である。
【0049】
【発明の効果】上述したように本発明の燃料電池発電装
置は、惑星探査機等の宇宙機や衛星用の電源として広範
囲に用いることができ、付加重量が小さく、宇宙機ミッ
ション機器の重量を軽減することができる、等の優れた
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池発電装置の全体構成図であ
る。
【図2】本発明の第1実施形態を示す構成図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す構成図である。
【図4】本発明の第3〜5実施形態を示す構成図であ
る。
【図5】本発明の第6実施形態を示す構成図である。
【符号の説明】
1 燃料タンク、2 酸化剤タンク、3 スラスタ、4
負荷、5 燃料供給ライン、6 酸化剤供給ライン、
7 燃料排出ライン、8 酸化剤排出ライン、10 燃
料電池、10a アノード極、10c カソード極、1
1a 陽イオン交換膜、11b アルカリ水溶液、12
熱分解装置、13 フィルター、14 改質装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川口 淳一郎 山梨県北都留郡上野原町コモアしおつ2− 24−13 (72)発明者 岡屋 俊一 東京都千代田区大手町二丁目2番1号 株 式会社アイ・エイチ・アイ・エアロスペー ス内 (72)発明者 篠崎 昇 東京都千代田区大手町二丁目2番1号 株 式会社アイ・エイチ・アイ・エアロスペー ス内 Fターム(参考) 5H018 AA07 AS07 5H026 AA10 CX05 5H027 AA08 BA01 BA16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体燃料と液体酸化剤を用いて発電する
    燃料電池(10)を備えたことを特徴とする燃料電池発
    電装置。
  2. 【請求項2】 前記液体燃料は、ヒドラジン、モノメチ
    ルヒドラジン、又はアンモニアであり、前記液体酸化剤
    は、四二酸化窒素、亜酸化窒素、又は過酸化水素であ
    る、ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電装
    置。
  3. 【請求項3】 前記液体燃料を熱分解して水素含有ガス
    を発生させる熱分解装置(12)と、該水素含有ガス中
    の固形分を除去するフィルター(13)とを更に備え、
    前記燃料電池(10)は、水素含有ガス中の水素より生
    ずる水素イオンをアノード極からカソード極に通す陽イ
    オン交換膜(11a)を有する、ことを特徴とする請求
    項1又は2に記載の燃料電池発電装置。
  4. 【請求項4】 前記液体燃料を水素含有ガスに改質する
    改質装置(14)を更に備え、前記燃料電池(10)
    は、水素含有ガス中の水素より生ずる水素イオンをアノ
    ード極からカソード極に通す陽イオン交換膜(11a)
    を有する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃
    料電池発電装置。
  5. 【請求項5】 前記改質装置(14)は、部分酸化改質
    器又は水蒸気改質器である、ことを特徴とする請求項4
    に記載の燃料電池発電装置。
  6. 【請求項6】 前記燃料電池(10)は、前記液体燃料
    を含有する水溶液を陽イオンと電子に分離するアノード
    極(10a)と、該陽イオンをアノード極からカソード
    極に通す陽イオン交換膜(11a)と、該陽イオンを液
    体酸化剤と反応させるカソード極(10c)とを有す
    る、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池
    発電装置。
  7. 【請求項7】 前記燃料電池(10)は、前記液体酸化
    剤を含有する水溶液から水酸イオンを分離するカソード
    極(10c)と、該水酸イオンをカソード極からアノー
    ド極に通すアルカリ水溶液(11b)と、前記液体燃料
    と水酸イオンを反応させるアノード極(10a)とを有
    する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電
    池発電装置。
  8. 【請求項8】 前記アノード極(10a)及びカソード
    極(10c)は、反応活性向上のための添加触媒を含有
    する、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記
    載の燃料電池発電装置。
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