JP4247093B2 - 水分測定方法及び水分測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、試料中に含まれる水分を加熱気化し、当該気化した水分の量を測定する水分測定方法、及び水分測定装置に関する。
試料中に含まれる水分量を測定する方法として、カール・フィッシャー水分測定法が知られている。この方法では、通常、加熱室内に配置した試料をヒータで一定の温度に加熱し、これにより試料から気化した水分を窒素ガス等の不活性ガスであるキャリアガスとともに滴定セルに導入し、水分量の測定を行う。
上記測定において、試料中の水分を気化する際の加熱温度は、試料中の水分を短時間で完全に気化させる(測定時間を短くする)ために高温であることが好ましい。しかし、この加熱温度が、試料が熱分解を開始する温度以上であると、試料の熱分解で発生した水分や水分以外の分解ガスがキャリアガスとともに滴定セルに導入されるため、試料中に含まれる水分量は正確に測定できなくなる。すなわち、上記測定を行う際の最適加熱温度は、試料が熱分解を生じない範囲で最も高い温度ということになる。
従来、この最適加熱温度は、複数の加熱温度において、加熱温度ごとに同量の試料を用いて上記水分量測定を行い、各測定により得られる水分量と加熱温度との関係から水分量が変化しない温度領域を特定することで決定していた。
しかし、このような最適加熱温度の決定方法は、加熱室の昇温、試料投入、及び測定を各加熱温度に対して行うため、非常に時間を要する上、加熱温度と水分量の関係をプロットしたグラフに基づいて水分量が変化しない温度領域を判断しなければならないため、判断者の熟練が必要であった。また、上記最適加熱温度の決定方法では、各加熱温度に対して個別の試料を用いる必要があるため、試料が高価な場合や試料が少量しかない場合には採用することができなかった。
この対策として、後掲の特許文献1には、加熱温度を段階的に上昇させ、各加熱温度において同一の試料から気化する水分量を測定し、この水分量がほぼ0となる温度を上記最適加熱温度として採用する方法が開示されている。
特開平8−101145号公報
上記特許文献1に開示されている方法では、上記最適加熱温度を決定するために必要となる試料の量を低減することは可能である。しかし、測定時間としては、各加熱温度で温度を安定させるための待ち時間と各加熱温度で測定を行う時間とが必要である。例えば、加熱温度を100℃から300℃まで20℃ステップで上昇させ、各ステップにおいて、水分量の測定を20分間づつ行う場合、「220分+上記待ち時間」が測定時間となる。この測定時間は、上述の各加熱温度で水分量の測定を行う方法との比較では、短縮されていることになるが十分に満足できるものではない。
また、同一の試料に対して段階的に加熱温度を上昇させたときに、測定される水分量が0にどの程度まで近づくかは、各段階で設定する加熱温度と各設定温度での加熱時間との関係や試料の種類に依存するため、測定された水分量がほぼ0であるという判断はユーザが測定データに基づいて行う必要がある。このように、試料に応じてユーザの判断が必要であることは、自動化に適用する場合に問題となる。
本発明は、上記従来の事情に基づいて提案されたものであって、少量の試料により、短時間で最適な加熱温度を決定できるとともに、自動測定に適用可能な水分測定方法、及びこの方法を適用した水分測定装置を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために以下の手段を採用している。すなわち、本発明は、試料に含まれる水分を指定温度で加熱気化し、当該気化した水分の量を測定する水分測定方法において、前記試料の加熱温度を連続的に上昇させながら、昇温中に気化する水分量を連続的に測定し、当該連続的に測定した水分量から各単位時間内に気化した水分量である水分増加量を求める。そして、前記水分増加量と加熱時間との対応関係を示す曲線において、加熱開始後に最初に極大となる加熱時間を経過した後の最初の変曲点における第1の接線と、前記曲線において、前記変曲点となる加熱時間を経過した後、接線の傾きが予め設定された負の閾値に最初に到達する前記曲線上の点における第2の接線とを求め、第1の接線と第2の接線との交点に対応する加熱時間が示す加熱温度を前記指定温度に決定している。
上記方法では、加熱温度を上昇させながら連続的に測定を行うため、加熱温度を一定温度に安定させるための待ち時間が不要である。また、同一の試料から気化する水分量の変化(上記水分増加量と加熱時間との対応関係を示す曲線の接線に基づいて、上記指定温度とすべき最適な加熱温度を求めるため、少量の試料で短時間に指定温度を決定することができる。また、連続的な測定を使用しているため、自動測定への適用も非常に容易である。
なお、上記加熱温度を上昇させる割合を加熱時間に対して一定とすれば加熱時間に対して、加熱温度が一義的に決定できるので好ましい。
また、上記水分測定方法において、前記第2の接線を求めた点に対応する加熱時間を経過した後、前記曲線において、接線の傾きがゼロとなる領域が存在する場合には、当該領域の終端に対応する加熱時間が示す加熱温度を前記指定温度に決定する構成を採用してもよい
一方、上記方法を実現する水分測定装置としては、以下の構成を採用することができる。すなわち、気化室に配置した試料に含まれる水分を指定温度で加熱気化し、当該気化した水分の量を水分測定手段で測定する水分測定装置において、前記気化室の温度を時間に対して連続的に昇温可能な温度制御手段と、前記水分測定手段が測定した水分量に基づいて各単位時間内に気化した水分量である増加水分量を算出する増加量演算手段と、前記水分増加量と加熱時間との対応関係を示す曲線から、加熱開始後に最初に極大となる加熱時間を経過した後の最初の変曲点における第1の接線、および前記曲線において、前記変曲点となる加熱時間を経過した後、接線の傾きが予め設定された負の閾値に最初に到達する前記曲線上の点における第2の接線を求めるとともに、前記第1の接線と前記第2の接線との交点を算出する特徴量抽出手段と、前記第1の接線と前記第2の接線との交点に対応する加熱時間が示す加熱温度を前記指定温度決定する温度決定手段とを備えた構成を採用すればよい。
また、前記温度決定手段が決定した指定温度で前記試料の水分量の測定を行うときに、前記温度制御手段が前記気化室の温度を上記指定温度に保持する構成を採用することができる。
なお、本明細書の極小は、同一の極小値が連続する状態(極小領域)を含むものであり、このような場合の極小点は、極小領域のうち加熱時間が最大となるものを指す。
本発明によれば、水分測定を行うときの指定温度を決定する際に、一回の測定で確実に指定温度を決定することが可能である上、従来に比べ、短時間で指定温度を決定することが可能である。
また、上記指定温度を決定する際に、連続的な測定を行い、この測定により得られたデータに対して数学的な処理だけを行って指定温度を決定しているので、データの解析を行うユーザの差により、決定される指定温度に差が出ることもない。
加えて、上記指定温度の決定は、連続的な測定及び数学的なデータ処理だけを使用しているため自動測定への適用が容易である。
以下、本発明の一実施の形態を図面にしたがって詳細に説明する。なお、図1は、本発明を適用した水分測定装置の模式図である。
図1に示すように、上記水分測定装置10は、試料を加熱して試料に含まれる水分を気化する加熱気化手段1と、当該加熱気化手段1に乾燥したキャリアガスを供給するキャリアガス供給手段2と、キャリアガスとともに導入された水分の量を測定する水分測定手段3を備えている。
上記加熱気化手段1は、水平方向の軸心をもつ略管状の気化室11と当該気化室11の軸心方向の一部領域(以下では、加熱領域と記述する。)、例えば、上記気化室11の一端からの1/2の領域を気化室11の外部から加熱するヒータ12とで構成されている。上記ヒータ12の構成は、特に限定されるものではなく任意に設計可能であるが、図1に示す例では、気化室11の外周を囲む円筒形状を採用し、熱源として電熱を用いている。
上記気化室11と前記ヒータ12との間には、気化室1の温度を検知する温度センサ13が配置されており、温度制御手段19が、温度センサ13の出力信号に基づいてヒータ12の発熱量を制御するようになっている。
また、上記キャリアガス供給手段2は、キャリアガスとして使用される窒素ガス等の不活性ガスを充填したボンベ21から導出されたキャリアガス供給路4に、キャリアガスの流量を調整する流量調整弁22、キャリアガスの流量を検知する流量センサ23、キャリアガスの除湿を行うゼオライトを収納した乾燥筒24を順に介在させた構成となっており、キャリアガス供給路4の終端から流量管理された乾燥キャリアガスを供給するようになっている。
ところで、気化室11のヒータ12が配置されている端部には、上記加熱領域で気化した水分をキャリアガスとともに上記水分測定手段3に導入するサンプルガス導入路5が連結されており、このサンプルガス導入路5の連結位置の上記加熱領域を挟む反対側の位置には、上記キャリアガス供給路4の終端が連結されている。すなわち、キャリアガス供給路4から気化室11内に導入されたキャリアガスは、上記加熱領域を通過した後にサンプルガス導入路5を経て水分測定手段3に導入される。
一方、上記気化室11内には、試料を搭載する試料ボート14を配設している。当該試料ボート14は、移動機構17により、気化室11に備えた試料投入口15から投入される試料を試料ボート14上に搭載する試料搭載位置と、上記加熱領域内の加熱位置との間にわたって移動できるようになっている。この移動機構17の構成は、特に限定されるものではないが、図1に示す例では、試料ボート14に備えた磁性体17aを、気化室11の外部に設けた磁石17bで牽引し、当該磁石17bを移動することで上記試料ボード14を移動する構成としている。なお、上記気化室11の他端は、Oリング等を介して連結される蓋16により気化室11を気密封止できる開口端となっており、測定済み試料は、当該開口端から試料ボート14ごと取り出して排出することができる。
上記水分測定手段3は、連続的な測定が可能な構成であればよく、本実施の形態では、カールフィッシャ自動水分計を採用している。また、上記サンプルガス供給路5には、キャリアガスに含まれた水分が水分測定手段3に到達する前に凝結しないように図示しない保温ヒータを設け、100度以上に加熱するようにしている。
上記構成の水分測定装置10において水分測定を行う場合、乾燥筒24から水分測定手段3までの経路を乾燥させるパージ処理、試料に含まれる水分量を測定する際の加熱温度である指定温度を決定する予備測定、及び当該予備測定で決定した指定温度で試料に含まれる水分を気化し水分量を測定する本測定を順に行う。
上記パージ処理は、試料ボート14に試料を搭載しない状態で、キャリアガス供給路4を介して気化室11に乾燥キャリアガスを導入する処理であり、上記経路内に存在する水分を乾燥キャリアガスに吸収させて水分測定装置10の外部に排出させる。この排出ガスは水分測定手段3を介して装置外部に排出されるので、水分測定手段3で検出される水分量が0になった時点で、パージ処理を完了すればよい。このとき、気化室11の開口端近傍に備えたパージ弁18を開放して、気化室11のキャリアガス供給路4の連結部から気化室11の開口端の方向へもキャリアガスが流れるようにし、当該キャリアガス経路中に存在する水分も排出できるようにしている。
上記パージ処理を完了した後、試料搭載位置に移動した試料ボート14上に試料投入口15を介して試料を搭載し、試料ボート14を移動機構17により加熱位置に移動させる。
この状態で、上記の予備測定を行う。この予備測定において、上記ヒータ12の発熱量は、上記温度制御手段19により上記温度センサ13で検出される加熱温度が連続的に上昇するように制御されている。また、温度制御手段19は、温度センサ13が検出した温度データを加熱時間と対応させて記憶手段20に格納するようになっている。この加熱温度を上昇する際の温度プロファイルは、任意の形状を採用することができるが、本実施の形態では加熱温度が加熱時間に対して一定割合で上昇する(線形に増加する)温度プロファイルを採用している。
上記加熱温度の上昇開始とともに、キャリアガスを導入し、加熱温度上昇中に試料から気化する水分の量を水分測定手段3により連続的に測定する。このとき、水分測定手段3において測定された水分量のデータは増加量演算手段6に入力される。この水分量データは、出力時点までに測定された水分量の累積値のデータであっても、出力時点に測定した瞬時値のデータであっても良い。
増加量演算手段6では、入力された水分量データから各単位時間内に気化した水分量である水分増加量を算出し、その結果を特徴量抽出手段7に入力する。例えば、入力された水分量データが累積値である場合、増加量演算手段6は入力された水分量データに対して、微分演算、または差分演算を施して上記水分増加量を算出し、入力された水分量データが瞬時値である場合、増加量演算手段6は入力された水分量データに対して、単位時間分の入力量を加算して上記水分増加量を算出する。なお、本明細書において、単位時間はユーザが任意に指定した時間長を意味するものである。したがって、増加量演算手段6に入力された水分量データが瞬時値である場合には、入力された水分量データを上記水分増加量としてもよい。
増加量演算手段6が出力する水分増加量のデータの具体例として、酒石酸カリウム一水和物0.1gを試料として20秒に1℃の割合で昇温した場合に得られる水分増加量のデータを図2に示す。
図2において、測定値Aは水分増加量のデータを、測定値Bは記憶手段20に記憶された温度データを示している。また、図2の横軸は加熱時間を示しており、左縦軸は水分増加量(測定値A)に対応し、右縦軸は加熱温度(測定値B)に対応している。
加熱温度を連続的に上昇させる場合、一定量の水分は加熱温度の上昇とともにより短時間で気化できるようになる。このため、上記水分増加量は、図2の測定値Aに示すように、加熱温度の上昇と共に増大する。その後、試料中に残存する水分が減少するため、上記水分増加量は、加熱温度の上昇とともに減少するようになる。さらに加熱温度が上昇すると、試料の熱分解が始まって、分解反応で生成される水分や上記水分測定手段3で水分として誤検知される分解ガスが検知されるようになるため、上記水分増加量は極小となった後、再び、加熱温度の上昇と共に増大する。
上記のような水分増加量データが入力された特徴量抽出手段7は、例えば、入力された水分増加量データの一次微分及び二次微分を演算し、加熱開始後に最初に極大となる点xと、当該極大点xを経過後に最初に極小となる点yを求める。
上記極大点xは、試料中から水分が最も盛んに放出されている点を示しており、上記極小点yは、試料の熱分解が検知され始める点を示している。このため、上記指定温度として、上記極大点xに対応する加熱温度と上記極小点yに対応する加熱温度との間の加熱温度を採用すれば、試料中の水分を効率的に気化させることが可能であるが、より好ましい指定温度を採用するために、本発明では以下のようにして上記指定温度を決定している。
すなわち、上記特徴量抽出手段7は、極大点xと極小点yに加えて、水分増加量データの二次微分から極大点xを経過した後の最初の変曲点zを求める。
そして、上記変曲点zにおける接線L1と上記変曲点zを経過した後の水分増加量データ(図2では、点v)における接線L2との交点(図2では、点w)に対応する加熱時間Tを求め、温度決定手段8に出力する。
この接線L2を求める際に使用する接点は、上記変曲点zと上記極小点yとの間に位置する点であればよいが、図2の例では、上記変曲点zと極小点yとの間の上記水分増加量データを二次微分した曲線(当該範囲内では時間に対して単調に増加する曲線)が所定の閾値となる点において接線L2を求めている。なお、上記所定の閾値は、実験的に定めた固定値である。
このようにしてL2を求める際に使用する接点vを決定することで、後述のように、同じ種類の試料に対して加熱温度を上昇させる割合を変えて上記予備測定を行った場合(上記水分増加量データの曲線が異なる形状となる)にも、当該上昇割合に対応して、上記閾値に到達するまでの時間が変動するので、ほぼ同一の指定温度を決定することが可能となる。
加熱時間Tが入力された温度決定手段8は、記憶手段20に格納された温度データに基づいて、当該加熱時間Tを加熱温度に変換し、当該加熱温度を上記本測定時の指定温度に決定する。
図2に示す例では、特徴量抽出手段7が接線L1と接線L2との交点に対応する加熱時間61分を抽出し、温度決定手段8が加熱時間61分に対応する233℃を指定温度に決定している。
以上のようにすれば、上記指定時間を1回の予備測定で確実に、かつ、従来と比較して著しく短時間で決定することが可能となる。また、本発明は、連続的な測定と数学的な処理だけで指定温度を決定するため、自動化への適用が非常に容易である。
なお、上記説明では、特徴量抽出手段7が極小点yを求めた後に指定温度を決定しているが、予備測定中に水分測定手段3が順次水分量データを出力するとともに、増加量演算手段6及び特徴量抽出手段7が入力されたデータに対して常時演算を行う構成とし、特徴量抽出手段7が、上記接線L2を求める際に使用する接点vを求めた時点で予備測定を完了し、上記指定温度を決定する構成としてもよい。
ところで、上記熱分解を開始する温度は試料の種類によって異なるため、上記水分増加量が極大となる温度と、熱分解を開始する温度との温度差が大きい試料も存在する。このような試料の上記水分増加量のデータは、極大となった後に減少し、水分増加量が0となる極小領域を有することになる。そして、熱分解を開始する温度に到達したときに、水分増加量は加熱時間とともに上昇を開始する。
このとき、上記指定温度としては、上記極小領域に対応する加熱温度のうち、できるだけ高い温度を採用することが好ましい。このため、特徴量抽出手段7が上記接線L2を求める際に使用する接点vを求めた後、すなわち、上記水分増加量データを二次微分した曲線が閾値に到達した後も当該2次微分を演算する構成とし、当該二次微分として0が連続する領域が存在する場合には、当該領域の終端を極小点yとして検知し、温度決定手段8が当該終端に対応する加熱温度に上記指定温度を決定することようにしても良い。
上記のようにして決定された指定温度は、上記本測定時に温度制御手段19に通知され、温度センサ13が検知する温度が通知された指定温度に保持されるように、ヒータ12の発熱量が制御される。
上記のようにして決定した指定温度233℃により、酒石酸カリウムを一水和物0.1gに対して上記本測定を行った結果、水分量として5.53%が得られた。
一方、ユーザが上記予備測定を行う必要がないように装置メーカ等により推奨されている本試料の指定温度220℃で水分測定を行った場合に得られた水分量は5.55%であり、有意差のない測定値が得られている。すなわち、本発明を適用することにより、より適切な指定温度が得られていることが理解できる。
上記説明では、パージ処理を行った後に予備測定を行っているが、例えば、予備測定の昇温開始温度を常温とすることで、予備測定でパージ処理を兼ねることもできる。このとき、上記水分増加量データには、パージ処理により気化された水分が低温部で検知されることになるが、例えば、100℃以下の水分増加量データを、指定温度を決定するデータとして使用しない構成、すなわち、最初の極大と認識させない構成とすればよい。
なお、上述の上記加熱気化手段、キャリアガス供給手段、水分測定手段の形状及び構成は、具体例を示すものであり、本発明の技術的範囲を制限するものではない。本発明の効果を有する範囲で、任意に設計することが可能である。
以下、本発明を、同一の試料に加熱温度の上昇割合を変更して適用した場合、及び他の試料に対して適用した場合を実施例として示す。なお、下記の実施例では、上述の水分増加量データの極小領域の検知は行っていない。
(実施例1)
上記予備測定時の加熱温度の上昇割合を30秒あたり1℃に変更し、上記実施の形態で示した酒石酸カリウム一水和物0.1gに対して適用した場合の上記水分増加量データを図3に示す。なお、図3において、図2に対応する点には、同一の符号を付している。
図3に示すように、加熱時間Tが90分であり、指定温度として上述の20秒あたり1℃の割合で温度上昇を行った場合と同じ233℃が得られた。
これより、昇温の割合を変更しても同一の加熱温度が得られることが理解できる。
(実施例2)
試料としてポリカーボネート1gを用いた場合、上記方法により求めた指定温度は236℃であり、この加熱温度により水分量測定を行った結果、水分量として0.21%が得られた。
一方、従来からの推奨加熱温度150℃を用いた水分測定により得られた水分量は、0.22%であり有意差のない結果が得られた。
(実施例3)
試料としてカール・フィッシャー水分測定法において標準物質(測定精度確認用試料)として使用される酒石酸ナトリウム二水和物0.03gを用いた場合、上記方法により求めた指定温度は154℃であり、この加熱温度により水分量測定を行った結果、水分量として15.50%が得られた。
上記酒石酸ナトリウム二水和物は、推奨加熱温度は150度、水分量理論値15.66%の物質であり、適切な測定が行われていることが理解できる。
本発明は、1回の予備測定により短時間で確実に水分測定時の加熱温度を決定することができ、短時間で水分測定を完了できるという効果を有し、水分測定装置に有用である。
本発明の水分測定装置の模式図。 本発明の指定温度決定方法を説明するための説明図。 本発明の指定温度決定方法を説明するための説明図。
符号の説明
1 加熱気化手段
2 キャリアガス供給手段
3 水分測定手段
6 増加量演算手段
7 特徴量抽出手段
8 温度決定手段
11 気化室
19 温度制御手段
20 記憶手段
x 極大点
y 極小点
z 変曲点
L1、L2 接線

Claims (5)

  1. 試料に含まれる水分を指定温度で加熱気化し、当該気化した水分量を測定する水分測定方法において、
    前記試料の加熱温度を連続的に上昇させ、昇温中に気化する水分量を連続的に測定するステップと、
    前記連続的に測定した水分量から各単位時間内に気化した水分量である水分増加量を求めるステップと、
    前記水分増加量と加熱時間との対応関係を示す曲線において、加熱開始後に最初に極大となる加熱時間を経過した後の最初の変曲点における第1の接線を求めるステップと、
    前記曲線において、前記変曲点となる加熱時間を経過した後、接線の傾きが予め設定された負の閾値に最初に到達する前記曲線上の点における第2の接線を求めるステップと、
    前記第1の接線と前記第2の接線との交点に対応する加熱時間が示す加熱温度を前記指定温度に決定するステップと、
    を有することを特徴とする水分測定方法。
  2. 前記加熱温度を上昇させる割合が加熱時間に対して一定である請求項1に記載の水分測定方法。
  3. 前記第2の接線を求めた点に対応する加熱時間を経過した後、前記曲線において、接線の傾きがゼロとなる領域が存在する場合、前記指定温度に決定するステップが、当該領域の終端に対応する加熱時間が示す加熱温度を前記指定温度に決定する、請求項1または2に記載の水分測定方法。
  4. 気化室に配置した試料に含まれる水分を指定温度で加熱気化し、当該気化した水分量を水分測定手段で測定する水分測定装置において、
    前記気化室の温度を連続的に昇温する温度制御手段と、
    前記昇温中に前記水分測定手段が測定した水分量に基づいて各単位時間内に気化した水分量である水分増加量を算出する増加量演算手段と、
    前記水分増加量と加熱時間との対応関係を示す曲線から、加熱開始後に最初に極大となる加熱時間を経過した後の最初の変曲点における第1の接線、および前記曲線において、前記変曲点となる加熱時間を経過した後、接線の傾きが予め設定された負の閾値に最初に到達する前記曲線上の点における第2の接線を求めるとともに、前記第1の接線と前記第2の接線との交点を求める特徴量抽出手段と、
    前記第1の接線と前記第2の接線との交点に対応する加熱時間が示す加熱温度を前記指定温度決定する温度決定手段と、
    を備えたことを特徴とする水分測定装置。
  5. 前記温度決定手段が決定した指定温度で前記試料の水分量の測定を行うときに、前記温度制御手段が、前記気化室の温度を上記指定温度に保持する請求項4に記載の水分測定装置。
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